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    22

    夫が警備員だった頃に体験した怖い話

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    1: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 15:56:14.72 ID:D9jeXLBo0
    横浜で施設警備員をしていた夫の話

    子供の頃から不思議体験をしていた夫のエピソードを書いていく
    ゆっくり書くので暇なら見ていって

    2: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:03:16.31 ID:D9jeXLBo0
    七年前まで施設警備員をしていた夫
    横浜の一部を担当していたが、流石に夜は賑やかな街でもあり揉め事は多かった

    違法なカジノ店やぼったくりBARも警備をする施設で、見回りもしなきゃならない
    けれど意外にも「そっち系」の従業員や店長は無茶振りなどはせず、愛想が良かったらしい
    最悪なのは外国人が営む店で、中でも中華系は警備員がやる仕事以外にもやらせようとしたり、都合が悪くなると日本語が通じない振りをしたりする輩が多かったらしい






    3: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:15:26.32 ID:D9jeXLBo0
    夫にとってはそういったゴタゴタの方が余程迷惑だったみたいだが、先輩や同僚にとっては何より嫌な仕事があった

    それは○○中学校の夜の見回り
    ここは冗談ではなく、見回りをしている警備員たち全てがあるものを見ている

    ○○中学校はポルノグラフィティの「うたかた」に出てくるワンフレーズと同じ名前でこれを言えば横浜の方なら名前がすぐ解るだろう

    この中学校に見回りをしなくてはならなくなった先輩はみな、嫌な顔をして出掛けていた
    なかには耐えられなくて辞めた人もかなり居る
    それでも上はそんな存在を認めるわけは無いし、根拠のない集団ヒステリーだと断じて居たようだ

    4: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:22:29.17 ID:D9jeXLBo0
    そんな噂や話を聞いていた夫は昔から変な体験をしていたので今回も

    まあ、変なもんくらい出ることもあるだろうね

    くらいの気持ちだったらしい

    ハッキリとした幽霊、男女、子供も見たことがあるから
    自分は余り驚かないかもな、位に

    5: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:27:36.51 ID:D9jeXLBo0
    そして入社して6ヶ月がすぎたころ、いよいよ○○中学校の美羽見回り当番がやってきた

    夫に決まると周りからは「必ず出るから気をつけてな」と励まされたり脅かされたりしたらしい
    あんまり皆が皆言ってくるから
    新人への洗礼で「やらせ」なのかと疑うくらい
    でも社会人にもなって1人を騙す為に皆でグルになるとは思えない

    夫は曖昧に頷きながら一応言われた通 りに油断はしないと誓った

    6: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:44:46.60 ID:D9jeXLBo0
    深夜11時、到着した中学校を眺めると、ごく普通のおどろおどろしい感じの全くない学校だった
    ちなみに私も見たことがあるが、本当に普通の学校だ
    Googleで(さっきのヒントで解れば)検索したらわかる筈

    早速、なかに入り1階の電気をつけて
    廊下の端から端まで見回る
    教室もひとつずつ開けて人が居ないかを確認
    誰も居ないしんとした教室に夫の足音だけがする
    こんな状況は当たり前だから全く恐怖を感じることは無い…が
    机に目を走らせる最中、パチンとスイッチ音がして
    振り向くと着いていたはずの廊下のスイッチが消されていた

    7: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:51:25.05 ID:D9jeXLBo0
    これはあとから聞いた話だと、○○中学校を見回りする時はよくある事らしく、何故か電気をつけると消されてしまうらしい
    酷い時には付けた途端目の前で消されて怖くて付けられなくなった人もいたみたいだ

    しかし夫は一応、不審者かもしれないと警棒と懐中電灯を持ち廊下に出た

    しかし、誰も居ない

    面倒くさいと思いつつ、気にするのをやめて教室に戻った

    8: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 16:59:41.69 ID:D9jeXLBo0
    深夜の中学校で懐中電灯の明かりひとつで見回りを続ける
    とはいえ、学校の窓は雨戸などないから意外と光は差し込む
    街灯がある為だ

    と、渡り廊下の先で何かが動いたような気がしてハッと息を呑んだ

    サッと素早く懐中電灯を向ける
    途端に懐中電灯がパッと消えた

    「おい!」と怒りとも焦りとも言えない叫びを上げて
    懐中電灯を叩くが反応無し
    使ったことのない予備の細いライトで照らして、夫はギョッと立ちすくんだ

    9: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:00:55.61 ID:isFPftBA0
    続けてください!

    16: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:16:31.60 ID:D9jeXLBo0
    >>9
    ありがとう

    10: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:03:54.89 ID:D9jeXLBo0
    なんだあれは

    廊下の奥で動いている何かは明らかに人間でもなく
    幽霊でもなかった

    ゴリラの様に大きく、筋肉が不自然なくらい盛り上がった腕をダラりと垂らして
    太い足はがに股
    顔を左右に揺らして横歩きしている
    顔は歪んだヒョットコのようで
    ひと目見て、ヤバいと直感したらしい

    11: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:06:02.81 ID:D9jeXLBo0
    背筋から何から鳥肌は立ったものの
    警備員という立場上、絶対に逃げられない

    何秒かのうちに覚悟をきめ
    「じっとしてろ」と近づいて行く

    12: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:08:36.40 ID:D9jeXLBo0
    するとそのヒョットコは君の悪いニヤケ顔を浮かべ(そう見えたらしい)
    保健室に入ってしまった

    保健室は薬品等が入っているため鍵がかかっている

    困った夫はグループのリーダーに電話した

    13: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:10:13.59 ID:D9jeXLBo0
    考えてみたら、鍵がかかっている保健室にあんなものが入っていくことなど出来ない

    だが、現に入って行ったのだ
    めちゃくちゃ頭が混乱する中、リーダーが出た

    14: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:13:33.63 ID:D9jeXLBo0
    夫が今あった出来事を話すと、リーダーは落ち着いてこう言った

    「いいから今すぐ離れろ
    そいつが俺らがずっと見てきた奴だ」

    そして

    「保健室のドアの小窓からソレを見るなよ
    お前は大丈夫かもしれないが、二人やられてるからな」

    やられてる、とは
    気がおかしくなった、という事だとあとから明かしてくれた

    15: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:16:19.70 ID:D9jeXLBo0
    夫は今まで幽霊は見てきたが、あんなに生臭いケダモノの匂いがするものは見たことがないと言った

    そして、いざと言う時にライトが消えるって本当にあるんだな
    と言って話をしめくくった

    私は話を聞いたあと、その中学校大丈夫なのか…と勝手ながら心配になってしまったのだった

    17: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:20:28.71 ID:D9jeXLBo0
    その後も見回りはあったものの、暗黙の了解で保健室の辺りはセンサーがならない限りざっと見るだけになっているらしい
    しかしその警備会社はセコムみたいな大手ではないが割と人がいるのに
    全員が見てるというのは、ヒョットコの力が強すぎる、関わったら死ぬのか?と思ってしまうくらい私には怖い話だった


    19: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:34:06.08 ID:D9jeXLBo0
    赤○邸の話


    次の話は短いがシンプルに気持ち悪かった

    夫呼びが鼻に着いてきたからAにするw

    Aが勤めてから3年、色々あったがもう自他ともに認めるベテランクラスになった

    そもそもAはツーリングやドライブが好きで地図を見るのが大好きなこともあり
    道を覚えるのが早かった
    だから重宝されて出動が来れば迷うことなくたどり着く
    それ故に血まみれの死○に出会い、後始末させられることはあっても周りにも恵まれて続けることが出来ていた

    20: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:40:22.64 ID:D9jeXLBo0
    そんななか、山先輩から声が掛かる

    「A、悪いけど欠員が出たから、ここ回ってくれないか」

    ココ、というのは…と見ると一般家庭の様だった
    「赤○邸っていうんだけど
    ここの人、入院しちゃってね
    親戚も誰も居ないから…不用心だから警備頼まれてて」

    「ああ、いいですよ」

    そういうと山先輩はなんとも言えない顔をして
    「Aなら行けるよ」
    と意味不明な言葉を残してそそくさと戻って行った

    21: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:46:02.84 ID:D9jeXLBo0
    首を傾げつつ、夕方に赤○邸に向かう
    季節は秋で澄んだ夕焼けが辺りを照らしてノスタルジックな雰囲気だ

    たどり着いた赤○邸は○○邸と呼ぶには大仰に感じるかなり古い二階建ての家で
    全ての窓は雨戸で塞がれ、庭木は伸び放題の陰気臭い一戸建てだった

    Aはここでブレーカーを上げてちゃんと通電されるか等を調べなくてはならない

    22: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:49:59.73 ID:D9jeXLBo0
    家の鍵を回し、玄関に入った途端
    Aは気持ち悪さに顔を曇らせた

    なんとも言えない、重たく冷たい空気
    どんよりとしていて体重が増えたのかと思えるくらい足が進まない感覚

    ここは居るな、と思う
    姿は居なくても、感じる

    23: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:54:24.70 ID:D9jeXLBo0
    背後に感じる視線の様なものを振り切るようにやることを進める

    まず1階の雨戸から開けていき空気を入れ替える…と重苦しい感じが多少薄らぐ気がする

    オレンジの明かりで満たされていく室内

    2階に上がり同じように雨戸を開けている最中、1階からジリリンと電話の音がした

    24: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 17:58:07.43 ID:D9jeXLBo0
    窓枠に掛かっていた手をとめ、慌てて1階に降りようとした時に電話は鳴りやんでしまった
    仕方なく2階に戻り作業を進める

    お年寄りの一人暮らしらしく、こじんまり片付いていて寝具や衣服などはそのままだ
    急な入院だったのだろうと想像する

    25: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 18:16:18.92 ID:D9jeXLBo0
    寂しいような侘しいような気になり、さっさと次の仕事に取り掛かろうと
    1階に戻った
    事前にブレーカーの位置は聞いていたため、キッチンを見上げると高い壁に取り付けられている

    ダイニングセットの椅子を拝借し、乗り上げてブレーカーに触れた途端に

    廊下の電話が凄まじい音で鳴り響いた
    脅かされて、少しふらつく

    作業中に何度も手を止めさせられイラつきながら椅子を降り
    電話まで走る

    これぞ過去の遺物といった黒電話の受話器を取り、
    家主が入院していることを説明すべく

    「もしもし○○警備保障です、そちらはどちら様でしょうか」
    と告げた

    26: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 18:26:50.35 ID:D9jeXLBo0
    予想外の声がする
    「そうなの…不思議でしょ」
    密やかな女の声がする

    は?と思わず声が出た

    「本当~~~?」
    と、耳を離すほど甲高い別の女の声

    ふたりがこっちそっちのけで話をしている
    「嫌だわあ」
    2人の女が声を揃えた後、宛てていた方とは逆の耳に

    聞こえたァ?

    と囁かれ、ばっと振り向くと電話は切れていた

    27: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 18:34:25.39 ID:D9jeXLBo0
    びっくりしながら受話器を置いたあとは
    脇目も振らずブレーカーを目指しスイッチを上げていく
    室内の電気を全て確認し、今度は逆に雨戸を閉めていく

    作業が終わり、長居は無用、と出ようとした時
    今度はスマホがなった

    「A~~~大丈夫か~~~」
    山先輩だ
    「…大丈夫ですけど
    先輩、ここ出ますよね」

    山先輩はちょっと黙ってから
    「やっぱり?」
    と呑気な答え
    「だからメンタル強いAに頼んだんだよ
    担当にした奴が二度と行きたくないってゴネてゴネてw」

    「いいですけど、一言いってくださいよ…」

    28: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 18:43:35.75 ID:D9jeXLBo0
    「言ってくれたら電話も無視したのに」

    「電話って?何?」

    キョトンとした山先輩にあったことを話した
    「うわ、なにそれ
    ガチじゃん…こっわあ」

    「はあ、多分
    黒電話って混線しないなら」

    すると先輩が言う

    「いやいや、混線も何も

    黒電話の配線、もう無いし」


    29: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 19:48:50.01 ID:RVpjdEHd0
    あれ?続きは、、?

    30: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 20:27:23.10 ID:ejW8kUUB0
    まさか2話では終わらんよな
    単純にもっと読みたいだけだが題名は要らない

    31: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 20:29:53.88 ID:ngomDbRU0
    ゆっくり書くって書いてあるから、気長に待とうぜ

    32: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 22:34:44.24 ID:adW9VoWz0
    めっちゃオモロいやん!まだ話があるなら楽しみや

    33: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:21:43.82 ID:D9jeXLBo0
    ごめん、ゆっくり書いてる

    34: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:25:15.97 ID:D9jeXLBo0
    読んで下さってる方、ありがとう
    励みになります


    続き

    「え?配線がない?」
    いきなりの言葉に背筋がヒヤリとする

    「うん
    実は変わってるんだけどさ
    その家最初から電話線繋いでないんだよね」

    Aは電話しながら黒電話の元へ
    後ろにある配線を引っ張るとズルズル手元に来て、根元は力任せにぶちぎったみたいになっていた

    35: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:30:46.01 ID:D9jeXLBo0
    「…本当だ」

    「とにかくAさ、終わったんなら戻れ
    俺いま1人だし怖いわw」

    それは心底どうでもいいと思いつつ車に乗り込んだ
    しっかり施錠したよな、と玄関を見た時に
    玄関上にある細長い窓が少し空いていて
    顔のぼんやりした女がその隙間からのぞいていた

    Aは顔色を変えずに(なるべく意識せずに)
    気づかなかったフリをして帰った

    71: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 18:40:20.01 ID:/Yl9Qwit0
    >>35
    窓開いて帰ったらまずいんでない

    75: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:15:17.62 ID:xeippHke0
    >>71
    隙間というか言い方が悪かったです
    顔が浮き出て隙間みたいに見えた、が正しいです
    ごめんなさい

    36: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:35:32.96 ID:D9jeXLBo0
    後日談だが、山先輩の他にも親しい先輩、鈴木先輩がいて
    彼も実は見える人らしい
    むしろAより見える

    その人が3日後くらいにいきなりAの肩を掴み

    「お前、年増に気に入られてるぞ」

    と忠告してきたらしい
    その忠告は誰より私がビビり散らかして
    早速お祓いに行ってきた
    この話は終了だけど、ぶっちぎりられた配線…もしかすると家主も変な電話を聞いたのじゃないかと思ってたりする

    37: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:45:17.16 ID:D9jeXLBo0
    3話目

    これは少し警備員とは関係がないが体験なので書いていく

    警備員も交代で夏休みを取るのだが、コロナで遠出は禁じられていて、人混みや飲み会等も許可は出なかった

    そんな中、警備員の仲のいい4人に肝試しに誘われたA
    実際、見える人だし余り行きたくはないんだが、その頃にはAは霊関係に強いと変に期待されていた
    Aが居ると何か起こるぞ、みたいに

    じゃ仕方ないな、とAは行くことにした
    期待されては断るのも可哀想な気がして

    ちなみに私は塩に何故か絶対の自信があり「帰ってきたら塩まいて、塩入れた風呂に浸からせりゃヘーキヘーキ」と気持ちよく送り出していた

    47: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 14:26:15.24 ID:m/DD43+d0
    >>37
    1番最初に7年前まで施設警備をしていた夫て書いてあってコロナの時期ってどういうこと?

    48: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:02:07.04 ID:NK6fDLEo0
    >>47
    時系列バラバラで書いてます

    49: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:06:33.34 ID:NK6fDLEo0
    身バレがめっちゃしてしまう話なので時系列や時期などはほとんど正しく書いていません
    1番初めの話が前の一緒に働いていた方なら1発であの話、って分かるくらいに

    なので申し訳ありませんが年齢、時期、時系列は余り意味を持たないと思って下さい
    すみません

    60: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:04:26.54 ID:wWnmmLbA0
    細かいことは気にせずに好きなように書いてくれていいと思いますよ

    62: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:06:50.73 ID:NK6fDLEo0
    >>60
    ありがとうございます

    38: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:49:44.73 ID:D9jeXLBo0
    行先は「燈明堂」
    かなり有名な心霊スポットだが昼間はそこそこ観光客がいるらしい

    肝試しにふさわしく夜に行こうとなって時間は深夜1時に待ち合わせとなった

    メンバーは
    山先輩
    鈴木先輩
    佐山、吉屋、そしてA

    計5人になった直前に参加になった人も居てなかなか賑やかなメンツになった

    ところが

    39: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:53:50.01 ID:D9jeXLBo0
    どうもAの様子がおかしい
    動作が遅く、ボーッとしている
    これが本当に不思議だがいつもの私なら心配して体温計でも渡すのに
    その日は何故か何も考えず、さっき言ったように送り出して、サッサと寝てしまっていた

    Aは明らかに動作はゆっくりしていたが、口調は明るく
    「行ってくるね」
    と笑顔で家を出ていった

    40: 本当にあった怖い名無し 2022/09/06(火) 23:59:31.67 ID:D9jeXLBo0
    山先輩のアルファードに全員で乗り込み着いたのは1時を20分くらい回った頃だった
    その頃にはAはどんどん吐き気のような気分の悪さが重くなっていて
    おかしいな?食あたりか?と考えていた

    が、周りの人に言うのは気が進まず真夜中の燈明堂を連れ立って歩いていた

    41: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 00:09:34.20 ID:NK6fDLEo0
    しかし、あまりの気分の悪さにとうとうギブアップし、観光客向けのベンチに座ってしまう

    仲間は1番の心霊スポットである「首斬り場」に向かうようだったがとてもじゃないが歩けない

    具合いが悪いことを伝えて先にいってもらうことにする

    「すまん、俺も残る」
    鈴木先輩はAの隣に座るとシッシッと他3人を追いやる様に行かせ
    「気にするな」とAに笑ったが
    皆が心配しつつも離れていくと

    「お前いま最高潮に気持ち悪いんだろ」
    と言った
    嘘をつく気力もなく頷くと
    「俺もだから
    これちょっとまずいよな」
    と膝の間に顔を入れ、ため息を着いた

    Aも珍しく冷静ではなく、地面が何か踏みごたえのないフワフワした感触に感じられていた

    42: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 00:14:38.06 ID:NK6fDLEo0
    しばらく二人で無言で頭を抱えていると遠くで話し声が聴こえる
    どうやら3人が戻ってくるところらしい

    それでも顔を上げずにいたら、何かおかしいと鈍い頭で気づいた
    冷や汗が流れる

    砂利道の足音…明らかに多い
    まるで大勢の足音が迫るように近づいてくる
    横に座る鈴木先輩の荒い息遣いで、先輩も異変に気づいているのが解った

    43: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 00:18:00.26 ID:NK6fDLEo0
    大丈夫か?2人とも頭抱えちゃって

    という同僚の靴…の後ろに無数の靴
    ハイヒール、スニーカー、ビジネスシューズ…サンダル、上履きまで
    様々な靴…靴…靴

    恐怖より驚いて顔をあげると心配げな3人しかいなかった

    鈴木先輩も顔をあげて、強ばった顔で帰ろうと腰を上げた

    44: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 00:22:32.06 ID:NK6fDLEo0
    海の匂いが強い中、5人は車に乗り込んだ
    いつもはうるさいくらい明るい山先輩もどこか静かだった

    しばらく運転し、途中助手席の鈴木先輩を降ろす
    降りる直前、Aに少し視線を送り「大丈夫そうだな」と言うように微笑む

    ところが、大丈夫とはかけ離れた出来事が先輩が居なくなった途端に起こる

    45: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 00:27:07.73 ID:NK6fDLEo0
    信号が変わり、妙にスピードを出して発進した途端に
    ガアンッと物凄い音がして、山先輩がハンドルに顔を叩き込んだ
    ぶつける、といった生易しい表現ではなく、まさに叩きつける具合で

    それからは電光石火でことが進んだ
    ブレーキをかける人も居ない車は勢い良くガードレールに激突
    Aはシートベルトが胸元に食いこんで危うく吐きそうになった

    50: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:10:18.86 ID:NK6fDLEo0
    ただ起きた事に関しては事実ですから安心(?)して下さい
    A(夫)は今は御国に仕える公僕なんですが、警備員時代の方とは仲良しです
    燈明堂の話は公僕になってからの話ですが面倒なので説明しませんでした、ややこしくてごめんなさい

    51: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:24:02.33 ID:NK6fDLEo0
    食いこんだシートベルトを何とか外して周りを見ると大惨事だった
    皆呻いている
    少なくとも無傷な仲間はいない気がした
    そういうA自身も圧力で胸は痛いし、前の座席に顔を打ったらしく鼻血が出てる

    今動けるのが自分だけのようで、救急車とパトカーに来てもらうよう電話をかけた

    52: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:28:37.35 ID:wWnmmLbA0
    待ってました

    53: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:28:43.08 ID:NK6fDLEo0
    足を触ったり腕を上げても大した痛みがなかったので、一旦降りて山先輩のドアに回り込む
    車の状態は悲惨で前部分が3分の一くらい潰れていた
    「山先輩、山先輩!大丈夫ですか?」
    エアバッグによって座席に押し付けられてはいるが息はしていたのでホッとする

    後部座席の2人も体の具合いを確かめていたが元気そうだった

    54: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:32:20.90 ID:NK6fDLEo0
    口々に
    「まじか…」だの
    「何があった?」だの呟く

    Aはまた自分の席に戻る途中で
    息を呑んで立ちすくんだ

    鈴木先輩がついさっきまで居た助手席にはエアバッグが不完全な形で垂れていて
    しかも座席には

    蹄鉄

    が突き刺さっていた

    55: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:35:52.30 ID:NK6fDLEo0
    「これ…」

    それには見覚えがある

    こう言っちゃ何だが山先輩の趣味は割とDQN寄りで
    派手なアクセサリーを好んでいた
    ギラギラ輝く蹄鉄は車内のアクセサリーだった
    フロント部分に接着剤でくっつけて居たのだ
    それが接着跡もないくらい綺麗に剥がれて座席の丈夫にぶっ刺さっている

    56: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:39:50.61 ID:NK6fDLEo0
    背後から救急車の音とパトカーのサイレンが聞こえてくる中
    Aは蹄鉄のUの先端部分がほとんど見えない位に食いこんだカーブ部分をまじまじ見ていた

    もし、鈴木先輩があのまま乗っていたら

    確実に死んでいたに違いないと

    肝試しは「大丈夫」には終わらなかった

    57: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:44:14.39 ID:NK6fDLEo0
    パトカーが到着し、まず救急車が先導されてエアバッグを切り、山先輩を救出する
    山先輩は意識は取り戻していたが、事故直前に失神したように倒れていたため精密検査を受ける為に運ばれていく
    他3人は大した怪我もなく、救急車を辞退した
    Aも顔は打ったが頭じゃないし今はもう痛くはないので拒否する

    警官2人組は何やら怪しげに3人を見て
    事情を聞いてきた

    58: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 16:57:12.37 ID:NK6fDLEo0
    A達は正直に
    「肝試しに来た」
    「山先輩がいきなり倒れてガードレールに激突した」
    と答えた

    警官1はちょっと苦笑いしながら
    警官2に目配せをする
    警官1が言う
    「肝試しね、燈明堂でしょ行ったの」
    3人は驚いた、いくら有名でもドンピシャ、しかもハッキリと決めつけてきた

    警官2
    「よくある怖い話みたいで、言いたくないんだけどね
    あそこの帰りに事故に会う人、かなりいるんだよ」
    実に真面目に言い放つ
    からかってる感じは微塵もなかった

    「もうね、行かない方がいいよ
    君らは「運」が良かった
    次はそうは行かないかもしれないし」

    その言葉のあとは粛々と事故処理やら保険屋やらの後処理をして
    ようやく朝方になって帰ってきたA
    私はLINEにしこたま状況を送られていたことも知らずただただ爆睡していた
    何とか無事だったものの
    Aはあれ以来絶対に心霊スポットには遊び気分で行かなくなった
    後から気づくと前歯が綺麗に水平に欠けていてショックを受けていた

    しかしこの時以来、うちでは変な出来事がしばらく起こってしまうのだ

    59: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:00:45.57 ID:NK6fDLEo0
    実は先程、警備員はやめて公僕になった話をしましたが
    それだとスレのタイトルと変わってしまうのを悩み変えずに行こうかと思ってたんです

    でも、一応Aの話ではあるから話を続けますね

    61: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:06:25.20 ID:NK6fDLEo0
    4話

    燈明堂事件の後、山先輩に異常はなく事故理由は「居眠り運転」に落ち着いた
    あんなダイナミックダイブ居眠りがあるだろうかとは皆が一致した考え

    シートに食いこんだ蹄鉄を携え、皆で寒川神社にお祓いに行った
    もちろん鈴木先輩も
    運が良かっただけで鈴木先輩は死んでいたかも、と話すとAに向かって
    俺は運が強いからなーとかご満悦だったようだが

    しかし、他のメンツはともかくあれ以来Aとうちの娘M子には異変が起こり始めていた

    63: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:12:54.31 ID:NK6fDLEo0
    お祓いは流れ作業の如く進み、オカルトでよくある、「ちょっとあなた」みたいな引き止めも丸一日かけた祈祷も全くなく皆の名前を
    やまぁ~~~A~~~鈴木~~~のようにお経アレンジで呼びつつ
    お祓いをして1時間で終了した

    意気揚々と帰ってきたAは
    お土産~と言って私と小学4年の娘M子に
    ありがたい御札8枚と小さな木箱に入った砂糖菓子?を渡してきた

    64: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:17:21.32 ID:NK6fDLEo0
    私は要らん、とAに返したが意外にもM子は2枚手に持ち「貰う」と言って部屋に戻った
    マニアックだな~とか思いつつ特に気にはしていなかった

    Aは早速御札を自分の部屋、リビング、脱衣所の見えない場所に貼り
    楽しそうだった
    1番怖がりじゃないくせに、何故なのか

    皆が使うと欲しくなるので一応私も貰っておいた

    65: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:22:17.73 ID:NK6fDLEo0
    そんなある日、Aが外食したいと言う
    M子はテイクアウトがいい
    友達とエイペックスやりたい等と言うので、まあたまには二人で行くかと
    近所のガストへ行く事に

    M子には唐揚げとポテトだかなんだかをテイクアウトにしてもらい
    久々にAと二人で食べていた

    するとデザートを食べる時になってM子からLINEが立て続けに来た

    66: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:26:10.34 ID:NK6fDLEo0
    「怖い」
    「帰って来て今すぐ」
    「怖い早く怖い」

    ギョッとしてそのLINEをAに見せると、2人して慌てて立ち上がり会計を済ませる
    出来る限りの速度で飛ばし
    家の鍵を開ける
    と、入口の電気が消えていて暗いために1階廊下の先にあるAの部屋からあかりが漏れていることに気づいた

    67: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:30:17.31 ID:NK6fDLEo0
    Aを振り返ると彼は首を振る
    電気は付けてない、の意味だろう

    「M子?」と階段したから叫んでもテレビの音がするだけで返事はない
    その間にAは自室に入るがM子が居ないのでドアを閉じた

    私は急いでリビングに戻ると、自分の席につったったまま、M子がこちらを凝視していた

    68: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:33:38.12 ID:NK6fDLEo0
    「M子?」
    と声を掛けると力を抜いたと同時にポロポロ泣き出した

    「ママだ、良かったぁうわあああ」

    泣きじゃくる娘をわけもわからず抱きしめてとりあえず落ち着かせる
    Aも傍に来て、気の立った子猫を慰めるような声音で「どうしたの?」と尋ねた

    69: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:41:45.18 ID:NK6fDLEo0
    M子はスンスン言いながらAの持っているテイクアウトの袋を自ら取り上げ、自身の席に置く
    それから「怖いことあった」とはなしだした

    私たちが出ていったあと、M子は友達との約束の時間にエイペックスを始めた
    親が居ないからイヤホンを付けずに楽しんで居たらしい
    するとハッキリとガチャっと言う音がして足音が聞こえた

    もう帰ってきた?と驚き「ママあ?」と呼ぶが応答無し
    ちょっとするとAの部屋のドアが開いた音がした
    パパだけ?
    と不思議に思ったらしい
    普段私はAの部屋には入らないから、当然二人共がAの部屋に入った、とは想像もしなかったのだろう

    70: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 17:43:03.70 ID:NK6fDLEo0
    続きしばらく後で書きます

    72: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 19:42:51.66 ID:/Yl9Qwit0
    蹄鉄って幸運のお守りなのに

    74: 本当にあった怖い名無し 2022/09/07(水) 20:50:52.73 ID:n23A/xlG0
    すごい読みごたえあるスレ
    ゆっくりでいいんで長く続けてほしいかも

    76: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:20:41.19 ID:xeippHke0
    続き

    M子はそれなりにお腹が空いていたのでパパ、もしくはママが上に来るのを待っていた
    が来ない
    何してんの?
    と疑問を抱きつつ、階段の電気を付けて足音を響かせながら降りていった
    「パパ?居るんでしょ~」
    Aの扉に近づく

    と、声が聞こえた

    77: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:25:49.74 ID:xeippHke0
    「…なんだよ…それで…」
    「あぁ、そうなんだ…わたしは…」

    小さな声で明らかにAと私が話している
    「居るんじゃん、ね~お弁当とか…」

    話しながらドアノブを握り開けると
    真っ暗な部屋があるだけで誰1人居なかった
    「え?」思わず声を失って呆然とする
    そしてにわかに怖くなり、素早く扉を閉めた
    閉めた途端に
    川のぴちゃぴちゃ言うような、男女が囁きあっているような声が扉の奥から聞こえてきた

    78: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:30:27.34 ID:xeippHke0
    金縛りにあったように動けない
    何か、パパとママではありえない何かが暗闇で話している…
    無意識に耳をどれだけ研ぎ澄ませて見ても、二人の会話は途切れて内容までは解らない
    いや、むしろ内容を感じさせるような単語は一切ない
    密やかに無意味な相槌や会話をし続けている

    M子は扉から目を話すと何かが飛びかかって来るのでは?と怖くて怖くて
    ジリジリと後ずさりを始めた

    79: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:36:01.63 ID:xeippHke0
    プレッシャーで耐えられなくなり、くるっと振り向くと一目散で階段を駆け上がる
    明るいリビングに飛び込むと震える手で私にLINEを送る

    大丈夫、大丈夫…多分こっちに来ない
    もしかしたら外を通る車の音
    もしかしたら外にいる誰かがお喋りしてて
    もしかしたらどっかのお家の人がテレビ凄い音で聞いてて、それで

    可能な限りの可能性を考えてみても、端から矛盾が生まれてくる
    なぜならあれは

    パパとママの声だった

    80: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:42:47.78 ID:7CJHjSlS0
    そういや…この話しで今思い出した。
    俺もガキの頃いわくある家に住んでて、親父お袋とも絶対留守(外出中なのを確認済み)なのに昼でも夜でも常に家の中にいるはずない親の会話がずーっと微かに聞こえてる家だった。

    82: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:46:14.67 ID:7CJHjSlS0
    その後、引越しにつきそれまての家を取り壊したら…
    床下から…先祖とは関係ない墓石が幾つも出てきた…とか引越し後に聞かされた。
    その後親父が急死した。

    95: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 10:30:01.52 ID:Z11cilAi0
    >>82
    怖すぎるよ…

    97: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 13:07:53.84 ID:7CJHjSlS0
    82です。
    元々、大昔に寺が所有していた土地だったらしい。

    81: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:43:30.54 ID:xeippHke0
    怖すぎてお守りの様にスマホを握る
    2人が行ったレストランは遠くじゃないはず
    だって私に夕ご飯を買わなきゃいけないんだもん、遠くじゃ私がお腹が空きすぎちゃうもん

    リビングと階段はレースの暖簾で仕切られているだけ
    暖簾を引けば冷暖房もしっかり守れるからドアは要らない
    ママはそんな事を言ったけど、やっぱりドアがあった方が良かった
    ドアがあれば

    そんな考えがぐるぐる回っている最中も暖簾から目が離せない

    その時、階下でドアノブが回った
    金属音がした
    玄関じゃない…パパの部屋だ

    83: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:48:32.91 ID:xeippHke0
    心臓の音が耐えきれないくらい大きい

    階段を上がる音はしない
    暖簾とは反対の壁に背中をつけて、唇を噛む 気づいたら涙も出てる

    来ないで、と言って「何か」が怒ったらどうしよう

    今、小さくトン、と音がしなかったかな

    涙が後から後から出るけど止められない
    視界がボヤけるのが邪魔で仕方ない

    と、トン…と確実に足音が階段の方から聞こえてきた

    84: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:51:26.11 ID:xeippHke0
    頭が怖い、しか回らなくなった時
    天井近くあるレースの暖簾にピタリと張り付いた影が映った

    巨大な影

    それが薄皮1枚向こうに居る

    85: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 02:56:52.67 ID:xeippHke0
    やだやだやだやだやだやだ

    声が出た、怖くて出せないと思ってた声が

    その途端に動かなかった足が動き自分の席に戻った
    パパが御札をくれたことを思い出して
    エイペックスをやる友達にLINEで見せる時に持ってきていたから

    懸命に握りしめて暖簾を振り返ると
    暖簾が盛り上がっていた
    誰かが通る時にそうなる様に

    86: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 03:01:05.44 ID:xeippHke0
    その時、玄関からガチャっと鍵を回した音がした
    同時に盛り上がった暖簾がふうっと元に戻る
    階段下からママの声
    本物だろうか
    足音…パパの部屋を開けた音
    やはり「何か」だろうか

    疑心暗鬼もそのままに、固まった娘と対峙したのは そんな理由からだったと娘はつっかえつつ語った

    88: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 03:05:30.43 ID:xeippHke0
    今日書けたらまた続き書きます
    楽しみにしてくださっている方、ありがとうございます
    頑張ります(主に記憶の掘り出しを)

    92: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 03:48:55.40 ID:3Nm51byr0
    よゐこ濱口の話で(正確にはその彼女の話で)
    昔 濱口が住んでたマンションには濱口のニセモノが出るって話があったな
    彼女が濱口のアパートに一人で居ると、時々明らかに濱口の声で「ただいまぁ~」って何者かが(濱口が)帰ってきたフリをしてくるらしい
    まぁ何か居るんだろうね、物まねで怖がらせようとする妖怪か何かが

    93: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 04:02:56.47 ID:U/rcsszv0
    自分の部屋で本読んでたら、廊下から、部屋に向かってくる父親の足音が聞こえて、足音が部屋の前に着くと同時にガラッっと勢いよく部屋の扉が開いた。でもそこには父親の姿がなくて、あれ???って思ってたら廊下の電気がパッと着いて、居間からこっちの部屋に向かってくる父親の足音が聞こえてきた。今度は父親だった。

    今思うとあれも何かが真似してたのかもしれないな

    94: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 04:27:48.32 ID:7CJHjSlS0
    生霊系の奴なのかもわからんね…。

    98: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 13:34:18.53 ID:xeippHke0
    聞いた話が余りにも怖くて(上記のように詳しくはないが、私が言い換えたりして聞くと大体合ってる)
    絶句していたら、さすがに場数を踏んでるだけあるAが
    「怖かったね、信じるよ」
    と落ち着き払った声で言って頭を撫でていた
    怖がってはいても、お腹は空くようで唐揚げを食べているM子は今日だけママと寝る、と宣言し奇妙な話は終わった

    99: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 13:43:02.47 ID:xeippHke0
    5話

    しかしその1件は私もAも実はかなり動揺していた
    なぜならM子がまだ3歳の頃、伊豆の旅館で恐ろしい目にあっていたから

    その頃、大人しめで全く手のかからない幼児だったM子を連れて旅行に出た私たちはシャボテン公園や大室山で観光し、シーズンではなかったため閑散とした旅館…綺麗で、大きな…に泊まろうと向かっていた
    着いた先は内装が粋で素敵な老舗を感じさせるところで、写真には全く嘘がなく「当たりだな~」と3人でウキウキしていた
    その頃は既にAが見える人、というのは知っていたが普通に楽しげなので、その点も安心していた

    100: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 13:56:31.83 ID:xeippHke0
    ※トリ付けます

    M子も物珍しげに当たりを見回し、旅館内のお土産コーナーやゲーセンに心惹かれるようで終始笑顔だった

    フロントで名前を告げ、案内された部屋はとにかく広い
    シーズン外だといい部屋でも料金が変わらないのでお得だった

    私たちは座布団に何故か土下座をして遊んでいるM子を見つつ荷解きを始める
    時間は5時、後2時間で夕食だ
    夕食は部屋で戴く
    M子はお子様ランチなので好き嫌いは大丈夫だろう…多分

    101: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 14:01:21.66 ID:xeippHke0
    夕飯に満足した私たちは旅館内を探索する前に温泉に向かった
    広々としているのに貸切で随分贅沢な時間だ
    M子も楽しそうだった

    風呂を出て、部屋でのんびりし気づけば8時だ
    旅行で興奮状態が続いていたM子を寝かせなくては…と立ち上がった時、致命的なミスに気づいた

    最悪だ

    102: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 14:07:23.34 ID:xeippHke0
    何よりも忘れてはならなかった物を忘れてしまった…
    それはミニーちゃんの「パペット」
    これはM子にとって睡眠導入剤だった
    私が似非ミニーちゃんの声で、M子に一日の出来事を訊いていく
    するとM子は最初はハキハキと、だがだんだん眠りに誘われていく
    このやり取りで1発で寝る…が、逆を言えばこれがなければ死ぬほどぐずる
    疲労がピークでも寝ない

    なぜだ、なぜ忘れたんだと自分を責めつつM子を見る
    布団でもう既に「待ち」の体制になっているM子に私は正直に伝えた

    103: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 14:12:09.61 ID:xeippHke0
    そして想像通りの地獄到来
    M子は不満、怒りをぶつけ喋り倒し荷物を漁り、本当に無いと解るや帰りたいといい泣いた

    これは数多ある失敗の中でもどデカい失態だった
    Aは忘れたことを怒りも注意さえしなかったが申し訳なくてM子と一緒に泣きたくなった
    すると私の不甲斐ない思いを気遣ったのかひょいとM子を抱き上げて

    「ママとパパとMたんで、探検行こう」
    と言い出した

    104: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 14:19:52.80 ID:xeippHke0
    「たんけん?」
    半泣きのM子が目をキラリとさせた
    「そう、冒険だよ!くまの子ウーフやアリエルみたいに」

    …くまの子ウーフやアリエルって冒険したっけ…とは思ったがゴリ押しのAの言葉に
    「冒険!アンパンマン!」
    と別物で素早く返し、M子は私に手を差し伸べた
    散々罵られたあとに小さな手を伸ばすM子に私は喜びに満たされホイホイ握り返した

    105: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 14:20:49.41 ID:xeippHke0
    続きはもう少しお待ちを

    106: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 14:26:23.88 ID:7CJHjSlS0
    82です。
    今、首骨折でプレート入れて療養中。
    夜中まで寝れなかったり…
    変な時間に目覚めたりで…
    このスレだけが楽しみ…。
    ありがとう!徐々にで良いので続けて下さいね。

    109: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 18:17:27.81 ID:xeippHke0
    気がつけば部屋を出たのは11時にもなっていて、ただでさえお客の余りいない旅館は静まり返っていた

    廊下の明かりはほの暗く、温泉に続く廊下だけオレンジ色に明るく輝いていた
    AはM子を抱っこしたり下ろしたりしながら自販機がたくさんある所や氷を作ったりレンジがあるスペース
    シーズンには占い師を呼ぶのだろう怪しげな完看板のある場所を、静かにM子と話したり私に話を振ったりして歩いていく
    どうやら最終に向かうのは1階ロビーらしい

    110: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:04:50.35 ID:xeippHke0
    怒りと悲しみで混乱していたM子もすっかり夜の旅館に魅了されている様子
    私も廃墟探索をYouTubeで見るくらい好きなので、廃墟でもなんでもないがウロウロするのは楽しかった

    そうこうして、周り回るうちにロビーに到着
    フロントに人は居ないが、その辺だけはポウっと間接照明の柔らかい明かりがついている
    たくさん置いてあるソファに座り、休憩した

    111: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:21:06.70 ID:xeippHke0
    「…寝そうにないなあ」
    Aが苦笑して、休みもしないで離れた場所にあるソファに走っていくM子を目で追う
    「なんでこんなに元気かねw…ミニーちゃん忘れたからか…ごめんね」

    しっかり謝れて良かったな、と思いAを見るとソファの肘掛けをグッと掴んだまま目をすがめていた
    「何、どしたん?」
    息を殺すようなA

    「…M子が変だ」
    とだけ言って立ち上がりかけたその時

    112: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:30:48.12 ID:xeippHke0
    「こない!
    こないよ!
    やだ!」

    と叫び、さっきまで笑顔だったM子が泣きながらぎこち無くこっちに走って来る
    「M子、どうしたの!」
    慌てて立ち上がるも既にAに抱き上げられ私の元へ

    「こない!!!
    嫌だあぁ、こないで!」

    なにかに向かって仕切りに来ないでと叫ぶ
    「何が来ないで?何かいるの?」
    今思えばさっさと逃げた方が良かったのだが、完全に動転していた

    するとM子はAに押し付けていた顔を振り返ると「来ないで来ないで!」
    と泣きわめき最後に
    「ここ!M子の前!」
    と言ってまた顔をAに押し付けた

    113: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:35:27.13 ID:xeippHke0
    それからはいきなり私たちに電流が流れたように跳ね上がり、階段を駆け上がった
    最短距離で部屋を目指す
    時々、もう居ない?
    と聞くと離れているけどまだ見えると言う
    とにかく走りに走って部屋に戻ると素早く電気を付けた

    M子が言うには部屋には居ないらしい
    3人ともドッと疲れて布団に転がった

    114: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:49:08.48 ID:xeippHke0
    Aはさっきの出来事を詳しくM子にきいていく
    私は小さな子に話させるのは良くないと言ったが、Aの経験上、ああいう出来事を話さないでいると余計に忘れられないトラウマになると言った
    訊いて答えていくうちに不思議と夢みたいに忘れていくそうだ
    あの手の経験はどんなに怖くても白昼夢の様にすぐ様ぼんやりしてしまうらしい

    M子に聞く
    「何があったの?」

    「…えっとね、M子ねあっちの椅子でお客さん呼んでたの
    いらっしゃいませって」
    どうやらごっこ遊びをしていたらしい

    「そしたらね
    横にあった椅子が揺れたの
    グラグラって、たくさん揺れた
    怖い黒いおじさんが揺らしてこっちみたらぐちゃぐちゃしてたよ」

    なんのことやらわからないが、Aは真剣に聞いてる

    115: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 19:58:18.95 ID:xeippHke0
    「ぐちゃぐちゃさんだよ」

    その一言に私の全身が鳥肌たった
    Aに振り向き
    「あなたは見えた?」
    と聞く
    「いや、見えなかった
    見えないけどものすごい…嫌な感じがした…」

    多分、M子を狙ってたんだ
    だから俺には見えなかった
    俺も全部見えるわけじゃないから
    波長みたいなもんがあって、嫌な話
    M子に重なったんじゃないかな

    低く呟くAは多分と言いながらも自信がありそうに語る
    狙ってたとは不穏過ぎる言葉だ

    「とにかく危険な感じがする
    M子から話を聞いた時、俺も向こうと繋がってしまったような」

    気がつけば頬を濡らしたまま、M子は眠っていた
    私がミニーを忘れたから…
    悔やんでも悔やみきれない1件となった

    116: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 20:07:47.37 ID:xeippHke0
    ここで少しAとM子の話をしておく

    Aは物心着いた時から霊感があり良く不思議な体験をしていた
    彼の母もやや霊感があり、ひいおばあさんは近所から評判の「物見」だったらしい 失せ物は大概見つける霊感が滅茶苦茶に強い人
    その人曰く、Aは守護霊が強いので見えても心配しなくていい
    でもAの姉は精神的に弱いから付け入られやすいと言われていた
    確かに姉は取り憑かれたりして大変困ったりしていたようだ

    M子はこの時の経験からしばらく見る人になるが5歳でインフルエンザになって以降見えなくなっていた

    が、声が聞こえ始めた辺りから本格的に見る事が増えて言った
    なんなら遭遇するのはAより多くなる位だ

    117: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 20:13:34.18 ID:xeippHke0
    そんな世界に足を突っ込まざるを得ない不憫な父娘をよそに
    私は全く霊感がない呆れる位ない
    ホラーが大好きでキングの小説をしこたま読み、ネトフリでホラー映画を片端からマイリスしているのにだ
    なので、不謹慎だが、父娘の見たものや巡り会った怪異を聞くのは楽しみでもあり怖くもあった
    溜まりに溜まったエピソードをこの際全部書いてやろうと思っている
    なのでゆっくり時系列関係なくどんどん進めます
    短いのもあるのでご了承下さい

    118: 本当にあった怖い名無し 2022/09/08(木) 20:41:17.95 ID:7CJHjSlS0
    子供って旅行で環境変わったり、日頃のルーティーン変わるだけで…スイッチ入るみたい。
    ウチの息子も中2だが…5歳の時の旅行先で覚醒した。
    ただ普段の生活では見えないみたい。

    120: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/08(木) 21:32:26.30 ID:xeippHke0
    6話

    M子は時々ベランダを指差し、汚い服を着たおばさんがいるやら
    スーパーに寝そべった男が皆に踏まれているとか言い出す事があったが
    特に怖がる風もなかった
    聞けば彼らはただ居るだけで何もしてこないから
    いちいちゾッとしているのは私だけなのだ

    そんなM子も5歳になり初めてインフルエンザになってしまった
    すぐさまタミフルを飲ませ、安静にさせるため見張っていた
    当時、タミフルでベランダから飛び降りる事故が相次いでいたから

    121: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 01:52:49.08 ID:ysjtW9Yf0
    自分も以前、神奈川県の某所で警備員やってた。横浜勤務の友人もいたが、基本的に社内で霊的なものを信じていない人にあったことはないわ。

    122: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 02:27:41.55 ID:R1YMa+k/0
    京都で警備やってるけど信じてる人そこそこおるで

    123: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 02:56:57.25 ID:WTH600ez0
    めちゃくちゃ面白いな、電話の話がいちばんゾッとした。リアルな話たくさん聞けるの楽しみ。

    124: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 03:03:43.04 ID:Hgy7WnrN0
    タミフル出始め確かに…
    そんな事あったよね。

    125: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 08:14:33.36 ID:fencOL+n0
    夜勤やってたことあったけど(not警備員)
    怖い目にあったことないなあ
    強いて言えば戦前みたいな格好した老夫婦に道を譲ったら会釈されたことぐらい

    126: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 10:04:28.42 ID:NWT2paAd0
    顔が真っ赤で息苦しそうで可哀想でならない
    障害が残らないよう、とにかくアイスノンで頭を、硬く絞った冷たいタオルで脇の下、太ももの付け根をひやす
    熱いのに汗の無い額を冷えピタで覆った時、M子が薄く目を覚ました
    顔を近づけ、「ママだよ、いるよ」と言うやいなや
    沸騰したヤカンのように鋭い悲鳴が飛び出した
    ヒューッともキーッとも聞こえる悲鳴
    M子は布団を剥がそうとあばれだした

    127: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 10:12:21.83 ID:NWT2paAd0
    「M子、落ち着いて」
    タミフルの幻覚?と焦りつつ抑えようとすると
    M子は「ぐちゃぐちゃさんがいる!ぐちゃぐちゃさんが!」
    と暴れ散らし右手の拳で私の顔面を思いっきりぶん殴った
    5歳児とはいえ、クリーンヒットすればかなり痛い
    思わず顔を手で覆った隙にM子はベッドから降りてフラフラ階下に向かう
    何とか階段前で捕まえ顔を見ないように抱っこすることに成功した

    128: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 10:25:38.36 ID:NWT2paAd0
    声を聞かせ、宥めながら私は心臓をバクバクさせていた

    ぐちゃぐちゃさん

    旅行の時に見た、と言うあいつ
    インフルエンザがM子の忘れていた記憶を蘇らせたのか…もしくは、本当に見えたのか?

    後にAは言っていた
    M子が名付けてしまった名前からは何か悪いものを強く感じる
    だからもう名前は呼ばないように、と
    考えるのも書くのも多分大丈夫
    ただし名前だけは言うなと
    Aはこういったことは言わない
    だからこそ私はぐちゃぐちゃさんが怖かった
    しかし今はソイツに怒りしか無かった
    何もしてないM子に危険な真似をさせたのなら

    129: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 10:37:07.58 ID:NWT2paAd0
    ぐったりして熱いM子を抱きながら布団に向かう
    その際、ふっと焦げたような匂いが鼻に触れた気がしたがすぐに消えた
    そしてアイスノンだけ手に持ち階下に向かう
    万一私が寝てしまって、M子がまたああなったら階段から落ちてしまうから

    ソファに寝かせ玄関のチェーンを掛けAにLINE
    M子がソファに寝ているから帰る時LINEして、とM子の状態を伝える
    そしてさっきあった出来事も報告した

    130: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 12:00:49.93 ID:NWT2paAd0
    毎度のことながら話にオチが無くて申し訳ないがM子はその後順調に快復し、それ以来長いこと妙なものを見なくなった

    Aは「自分の身を守るために防御に徹底したのかも」
    等といかにもな事を言ってはいるが、結局何もわからないままだったし、M子が見なくなったことで安心していた

    このままならいいなと思っていたがその期待はあっさりと裏切られることになるのだ

    131: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 12:08:39.37 ID:NWT2paAd0
    6話



    「パッシブセンサーが反応した
    A、〇〇スーパーへ行ってくれ」

    見回りを終えて宿直所に戻る時に入った連絡に
    Aはスーパーへ向かう
    センサーが反応したからといって大概は人ではない
    バケモン並にでかいネズミの事もあれば誤作動もある
    但し、緊張感は普通の見回りとは比べられない
    常に「人」がいる程で進めなくてはならないからだ

    132: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 12:13:46.18 ID:NWT2paAd0
    Aはヒョットコ男の件依頼、用心深さに拍車がかかった状態だ
    懐中電灯は必ず2本あるし、スマホは充電満タン、警棒は必ず携帯している
    そして防刃ベスト
    当たり前の様で居て、実は警棒やベストが重いから車に置いただけの警備員もかなりいる
    つまりそれだけ格闘になる場面は少なく、しかも人がいるとわかった時点で後は警察任せになるのが常だから

    133: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 12:21:45.26 ID:NWT2paAd0
    多分他の警備員はヒョットコは幽霊だと思っているのだろうか
    Aにとってあれは幽霊なんてものじゃなく実態感さえある妖怪、妖魔、神のようなもので「念」が作るような希薄な存在だとは思えなかった
    腕位ならヒト捻りで砕ける力を持っているように感じていた

    だからあれ以来一層の警戒心で警備するようになっていたのだ

    134: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 12:35:00.71 ID:NWT2paAd0
    〇〇スーパーはそれほど大きいスーパーではない
    前もセンサーが鳴ったことがあるが、その時は閉店間際に紛れ込んだらしい野良猫だった

    まず外周を回る
    この時点で窓が割れていれば警察案件だ…が、割られてはいない
    躊躇いなく勝手口の鍵を開け、入っていく
    「窓は割られていないし、解錠もしていません」
    報告しつつゆっくりと歩き、点灯した
    パッと強烈な光で目を瞬かせざっと辺りを見渡した

    135: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 13:49:55.77 ID:ysjtW9Yf0
    警備会社に入社して1、2週間くらいしたときに夜勤で先輩に特殊物件ツアー開催されたわ。まぁ、契約してる物件で幽霊が出る場所を教えられるって感じだったけど。自殺の名所とかあって、ここに1人で行くとか無理だろと思った。

    137: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 15:56:49.35 ID:fencOL+n0
    >>135
    羨ましい

    136: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 14:57:06.81 ID:Hgy7WnrN0
    警備会社て本当に大変なんだな…。
    憑かれたりもするのかな?

    138: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 16:46:53.18 ID:NWT2paAd0
    見たところは何も居ないし荒らされてもいない
    センサーを見ても誤作動では無いらしい

    しんとした店内を回る…ふと、微かに何かが聴こえる
    鼻歌みたいに節があるような声、虫の羽音にも聞こえてくる

    139: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 17:40:51.85 ID:NWT2paAd0
    なんだ?何処から聴こえるんだ?
    通路を歩いていく
    米、水、パン…と歩いていきお菓子コーナーに切り替わった時、女の子が立っていた
    見た途端に気づいた
    生身ではない、痩せた少女

    少女から漂うように聞こえてくる鼻歌は悲しげだ
    じっと動かず視線さえ合わさない姿に気づかないフリをして通り過ぎる

    140: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 17:54:47.49 ID:NWT2paAd0
    他の場所も点検し、異常がないことがわかるとAは迷った
    いつもなら無視一択だが妙に気になってしまう
    だが仕事中にダラダラとココにいる訳には…
    ふと気がついて急いで車に戻る小さな袋を持ってまた同じ場所に戻って少女の向かいに立った
    そして「食べな」といい袋から掴み取った色とりどりのキャンディを手の平ごと差し出した

    141: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 18:04:32.20 ID:NWT2paAd0
    少女はピクリとも動かなかった
    それでもAは差し出したまま
    しばらくすると悲しげなハミングは消えていた
    Aは怒られる覚悟で緑のキャンディを1粒その子の足元に置き、仕事に戻った

    痩せた体に継のあたった服
    そして少女の片目は腫れた肉に埋もれていて髪はボサボサだった

    これはAが初めて霊に何かをした1件になった
    帰ってこの話をした後、
    「本当は構っちゃ駄目だけど…
    余りにも痛ましくてね
    もっとお腹がいっぱいになるものをあげたかった」

    と、話を締めくくった
    私は「そうだね」と言い、何となく夢中で絵を描いている我が子の背中を見つめていた

    142: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 18:09:13.38 ID:NWT2paAd0
    7話

    小6になった娘、M子は夜更かしになり気味になっていてまったく困っていた
    10時には寝るように再三言うが聞きゃしない
    口達者だし明るくて面白い子だとは思うがその分、のらりくらりと話を躱してしまうのだ

    143: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/09(金) 18:10:20.18 ID:NWT2paAd0
    続きはまた明日に…

    144: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 18:39:23.64 ID:fsR9TMb20
    1さんの文がすごいうまくって引き込まれるくらい読みふけってしまう
    そしてガチこれ実話だろうなって臨場感が伝わってくる
    明日も楽しみしてます

    145: 本当にあった怖い名無し 2022/09/09(金) 18:54:53.44 ID:Hgy7WnrN0
    本当に文才があると思う。
    すごく上手い。

    146: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 02:46:45.00 ID:zg2aWypL0
    タミフル飛び降り等、2007
    LINE開始、2011

    まあ文才あるから細かいことはいいけど

    147: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 04:45:57.81 ID:/YkDY06j0
    >>148
    時系列も年齢も時期も嘘です
    警備員をやっていた時期も
    全て正しくしてしまうと速攻で身バレします…ぐちゃぐちゃさんの話は昔mixiでも書いてしまってるし

    その辺りはご了承下さい、すみません

    148: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 08:15:41.01 ID:lfaY8eAy0
    mixiも見たい

    149: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 09:32:08.80 ID:/YkDY06j0
    読んでくださってる方、褒めてくださった方、嬉しいです

    続きます

    151: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 09:40:25.81 ID:/YkDY06j0
    どれだけ言っても早寝はしないので、仕方ないから休みの前は夜更かしを許し後は少しでも努力してもらう事にした

    休みの前だけは鬱陶しい小言が無くなるとなればM子も平日は努力すると約束してくれた
    これ以上この話を引き伸ばしするとそろそろAのお叱りに発展しそうだと勘が働いたのだろう

    「努力します」とマスコミに囲まれた議員並に硬い表情で応えたあと
    「ママは物わかりがいいね~」と上から物申すのも忘れないM子

    まあいいでしょうと私は呆れて、家事に戻った

    153: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 09:49:17.69 ID:/YkDY06j0
    その日、Aは当直で帰らない
    お昼と夕飯のお弁当を2つ持ち、宿直室に泊まるのだ

    なので私は早々夕飯の支度を整えるとM子と一緒に食べもういつでも寝られる体制を整えてしまった
    明日が土曜日なのでM子は嬉しそうにSwitchを持って部屋に戻って行った
    Aの晩酌がないので、片付けも早い
    大体Aの居ない夜はすぐに寝てしまう

    155: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 09:59:15.11 ID:/YkDY06j0
    布団のなかで買ったばかりの小説を読み始めた
    これがつまらなければ早寝が決まる

    しかし、「ぼぎわんが来る」は面白かった 読んだことのない作家だったが予想外の面白さだった
    ヤメ時がない…今は10時だから2時には読み終えるな、といつものペースを念頭に夢中で読んでいく
    隣りにAが居ないからスタンドライトをつけるにも気を使わずに済む

    159: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 10:27:47.73 ID:/YkDY06j0
    気を取り直してつづけますw

    子供に夜更かしを注意した傍から自分が2時頃まで小説を読み耽る
    これが大人だよね、と内心反省しつつ手は止められない

    その時、外から聞きなれない音がした

    シャリー……ィィィン


    エコーがかった…あれは、鈴の音?

    161: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 10:36:55.59 ID:lfaY8eAy0
    ボギわんって漫画しか知らんかったわ

    162: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 10:37:33.31 ID:/YkDY06j0
    時計を見るとはや1時
    こんな時間にかなりの音量で響く鈴の音
    耳を澄ますと「カッカッ」と跳ねるような、アスファルトを踏む音もする
    鈴の音はゆったりとした一定のリズムで
    靴音は鈴よりは早い速度で聞こえる

    靴音はともかく鈴の音は近所迷惑にならないのかなあ…と思ってるうちに音は1度うちの前でピタリと止まり…しばらくするとまた動き出し、遠ざかって行った
    窓から入る空気が妙に冷たく感じて、私は窓をそっと閉めた

    163: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 11:05:25.95 ID:/YkDY06j0
    私はその後、特に気にするでもなく読み終わり満足し寝てしまった

    その頃M子は大き過ぎる恐怖で助けを求める事も出来ずに居た



    案の定、M子は何時もなら顔色を伺いつつ夜更かしをする所を堂々とSwitchで動画を見ていた
    キヨの長編ホラーゲームが見たくてたまらなかった
    前の時に見た、らせんの宿は怖かったけど面白かったから今度は最新の動画見ようかな

    そして迷った挙句、何故かマリオカートの実況を見始めケラケラ笑っていた

    164: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 11:10:37.96 ID:AtKamia/0
    娘さんのは分からないけど、霊感の無い1さんならそれは入眠時幻聴ってやつかもね
    むかし夜中までマンガ読んでた時何人ものお坊さんの読経が聴こえて自分の部屋に近付いてきた。お経は部屋の前で止まってまた遠ざかってった。怖かったけど気付いたら寝てた。今思うと入眠時幻聴で全て説明がつくなぁと

    167: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 12:47:58.43 ID:/YkDY06j0
    気がむくまま、色々な実況を見ていく
    大体こんなことをやっているとあっという間に1時になろうとしている

    しかし次々と見たいものがおすすめに押し寄せてくるのでやめ時が難しい
    …後いっこだけ、と動画を押したその時

    りイイぃぃぃぃん!

    と、鼓膜を破るかのような音量が耳のなかに炸裂した
    体が麻痺する
    反射的にイヤホンを引き剥がし、しばし呆然とする
    「うるさっ…何今の…動画のせい?」
    布団の上に取り落としたSwitchと、死んだ虫のようにだらしなく垂れ下がるイヤホン
    しかし、すぐさま窓に小石をぶつけるようなカッカッという音と脳髄を逆撫でするような金属音…鈴のような音に身をよじった
    思わず両手で耳を塞いだが、一向に音は遮断されない
    吐き気さえ催す不快で強大な音

    168: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 13:05:18.50 ID:/YkDY06j0
    なにこれ…!普通じゃないよ!

    鈴の音の音量は変わらぬままだったが、カッカッと言う音は近づいてくるようだ
    M子は余りのうるささに怒りを感じて、道路に面した窓から外を伺った

    そこには氷の上を滑るように歩く女の姿があった

    巨大な女だ
    街灯を「越えている」
    肩幅が異様に広く、その為前に出したつま先しか見えない
    街灯に照らされた服は恐らく真っ赤、昔にクイズ番組で見たような服装
    肩幅があって体にピッタリしたスーツだ…髪型もストレートで長めだ
    頭部、肩、つま先しかほとんど見えず歩いているのに何故か動いていないように見える
    髪が揺れない
    そして一定の感覚でやってくる音
    女の内部から発している音だ、とM子
    は直感で気づいた

    恐ろしい野獣から目が離せないようにじっと見下ろしていた
    こんなに大きな女がいるわけがなく、見ているだけで叫び出しそうに怖い

    169: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 13:17:51.30 ID:/YkDY06j0
    女が唐突に止まった
    異様に白く光るような手で髪をかきあげる…と、頭の角度が少し傾き…

    M子はしゃがんだ
    間違いなく女はこちらを見あげようとしていた
    しゃがみながら、視線の圧迫感を感じ冷や汗が止まらない
    間一髪で女の目から逃れた…危なかった…危なかった!
    あれはいつも見てしまう幽霊じゃない
    とてつもなくヤバい、そういうモノだ
    パパに聴いたヒョットコみたいなモノだ

    見つかっては絶対にいけない…

    恐怖で震えが止まらなかった
    歩みを止めた女からは音がしない
    音より険悪な沈黙にひたすら耐えるしか無かった

    170: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 13:26:17.27 ID:/YkDY06j0
    特に書きたかった話がこれともうひとつあります
    不思議な話はまだたくさんあるのですが文句を言う方も増えてきたみたいなので迷惑にもなりたくないし
    書きたかった話を終えたら一旦ストップします
    聴きたい方が多数居るようでしたら、様子を見てまた書いていきますね

    つまりこれを入れてあと2話にします
    よろしくお願いします!

    171: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 13:33:15.77 ID:F58O9Y8l0
    文章がきれいで読みやすいし
    なにより面白いので
    できれば続けて欲しいです。

    172: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 14:10:03.40 ID:W4clu7Ue0
    面白いとは思うけど旦那の体験談としては情景の描写が細かすぎる
    自分の体験談設定でいいでしょ

    173: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 14:16:07.21 ID:/YkDY06j0
    永遠にも思える時がようやく動き始めた
    また、音が聞こえ始めた
    カッカッという音が離れていく
    しばらく経つと曲がり角を曲がったように音は方向を変え、ようやく鈴の音も少し音量を下げた

    気づけば無音に満たされた部屋

    だがM子はちっとも安らがなかった
    見られてはいないはず
    だが、しゃがみ込んだ瞬間は?
    私は見てない、けどアレは?

    M子は這いずりながら布団にもぐる
    明日、パパとママに言おう
    …どっと疲れて、枕を頭に委ねるやいなや気絶したように眠ってしまっていた

    174: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 14:23:04.81 ID:/YkDY06j0
    この話は私とM子2人で実話怪談で本を書いている方に相談したりしてかなり印象に残っている話です
    もしかしたら本になるかも?ですが、5に投稿の許可を求めたらOKだったので恐らく載らないかな

    さて色んなご意見を頂き、次が最終話になります
    初心に帰りAの警備員だった時の話です

    176: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 14:39:23.36 ID:/YkDY06j0
    最終話

    警備員として務めてから今まで、初めてやる仕事となる「病院」の当直が回ってきた
    この病院は広くて1人ではむりがある
    今回は佐藤先輩と廻ることになった

    いつもの見回りと違い、病院内部に宿直室がある
    荷物や持ち込みの弁当やドリンクなどを冷蔵庫にしまい、後は決められた時間になるまで読書、映画、携帯ゲームと何をしても構わなかった
    交代制じゃなく1時間に1度メインの場所を別々に見回り、面会が終了になると2人で細かく見回っていく
    人が残っていると困るからだ
    うっかりしていると正門が閉まる
    取り残された人の為に救急外来への道に誘導しなくてはならない

    180: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 14:59:33.02 ID:/YkDY06j0
    続き

    医療機関というのは、少しの初動ミスでも被害が甚大になる可能性がある
    なので先輩もAも手を抜かず隅々まで点検をする
    幸い受付帳を見ても全ての人は退室時間を書いていて、取り残された可能性は無さそうだ
    もちろん念の為を怠ることはないのだが

    この重要な点検が終わると次は一気に12時まで待機になる

    183: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 15:31:32.44 ID:/YkDY06j0
    続き

    雑談やテレビを見つつ暇な待機時間も終わり、いざ深夜見回りを始める
    怪談等で見る深夜病棟とは少し違う
    何しろ看護師達がしょっちゅう廊下を歩いているからだ
    看護師だけではなく、ヘルパーや無論医師もいて案外ざわついている

    A達は前もって決めてあるルートをめぐり、普段目にしない配電室前や決められた時間にしか使えない娯楽室なども見て行った

    186: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 16:28:06.10 ID:/YkDY06j0
    そんな時、妙に明るい声で先輩が
    「いよいよだぞ」
    と、エレベーターキーをチャラつかせた
    キーがいるとなれば…行先はひとつ
    そして地下といえば、霊安室だ

    特に怖くは無いが、さすがに気持ちよくはない
    キーが必要な場所に不審者は居ないだろうが、規則として全ての箇所をまわらなければならないのでA達は速やかにエレベーターに向かった

    190: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 16:46:32.19 ID:/YkDY06j0
    霊安室と温度管理が必要な薬品室のある階に着いた
    さすがにいちいち扉を開けはしない
    そもそも厳重に鍵がかかり中には入れないのだ

    そこまで広くは無い地下をぐるっと廻る
    用具室、薬品室…と、ガシャッと何か金属音がして2人とも体を硬くした

    「なんだ、随分でかい音だ」
    「ですね」

    煌々と明るく、壁は清潔
    それでも充分以上に不気味な空気だ
    しかし、廊下部分に物はなくあんな大きな物音をたてるものなどない
    つまり、音は室内ということになる

    191: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 16:57:00.91 ID:/YkDY06j0
    佐藤先輩はおもむろに
    「A、お前こういうの得意なんだろ!何とかしろ!祓え祓え」
    と無茶苦茶な事を言い始めパニックになっている
    「いや、そういうのはちょっと無理なんで」
    と返した途端に怒ったような激しい音でガチャガチャ聞こえだした

    「ちょっ…いやいや、俺無理!」
    いきなりエレベーターに向かい走り出す先輩を追うA
    「1人はさすがに嫌ですって」
    2人はドタバタエレベーターのボタンに走りより、先輩は我先にボタンをプッシュしまくる
    「クソ、なんで上がってんだ!」と悪態を付く
    ゆっくりとスローモーションのように数字が動いていく
    ガチャガチャ音はピタリとやみ、とうとうリノリウムの床を素足で歩くようなピタピタした足音が聞こえてきた

    192: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 17:03:39.69 ID:/YkDY06j0
    「うわあっ来るなってマジで消えろ!」
    怒鳴り散らしている背後で、エレベーターが着いた音がした
    スウッと開いた扉から何かが物凄い勢いで飛び出した
    シャーッと廊下まで滑って行ったものは、ストレッチャーだった

    これにはAも驚きで叫び、先輩に至ってはぶち当たりそうだったショックも重なって絶叫して涙目になっていた

    193: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 18:25:12.53 ID:dOyvNaaR0
    実話でもフェイク入れてるみたいだし作り話だとしても読みやすくて面白いよ
    ここまでいくつも話があるなら、自分のスレなんだからこれからも好きに続けていいと思うけどね
    楽しみにロムってる人は多いはずよ

    194: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 19:28:14.87 ID:/YkDY06j0
    つい、エレベーターに乗り込んでしまったものの
    このままに出来るわけもない
    まず不審な音を確かめ、ストレッチャーを回収しなくては

    Aは先輩を励ましながらどうにか歳かさの看護師を捕まえ事情を話した
    すると
    「そんなはずはないわよねぇ?だって私たちだって許可がなければ降りられないんだから」
    と首をかしげつつ鍵を取りに行ってくれた
    確かに霊安室から聞こえたようだったが一応、全室の鍵も取ってきて貰う

    198: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 21:32:59.79 ID:/YkDY06j0
    先程の看護師とは違う、管理を任されているらしい看護師が
    「なかには薬品があるので付き添います」
    といい、一緒に来てエレベーターに乗る

    先輩は冷や汗を拭きながらしっかりドアを見据える
    「ストレッチャーが飛び出すなんてねえ、そんな怪談みたいな」
    と半笑いの看護師

    躊躇なく開いた扉から出るとまず
    「音…はしないわね」
    と呟いた

    199: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 21:36:50.69 ID:/YkDY06j0
    Aら2人は慌てて看護師より先行し、廊下の突き当たりにぶつかって止まったストレッチャーを指さす
    「これです」
    看護師はパタパタっと近づくなり
    「あらっ…やだ…嘘みたい」
    と絶句
    「どうしました」の声に

    「このストレッチャーね、今はもう使ってないのよ、おかしいわね…全部業者に引き揚げさせた筈なのに」

    200: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 21:39:54.00 ID:/YkDY06j0
    それからは全室確認し、誰も居ないことがわかると3人は無言で上階に戻った
    看護師は気まずそうに鍵を受け取り、何も言わずに持ち場へ戻る

    先輩も口を効かず、Aも無言で宿直室に戻った…

    201: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/10(土) 21:49:42.61 ID:/YkDY06j0
    これで一旦は終わります

    巨大なボディコン女には多少続きがあり、あの後M子の夢は1週間連続
    リビングにあるデカい窓ガラスに血走った片目がいっぱいいっぱいに映っていて
    ギョロギョロしながらM子を探しているらしい、というものだったそう

    話を最後まで読んでくれた方や意見やアドバイス、嬉しい応援までしてくれた方々、ありがとうございました
    確かに警備員時代の話は、長編になるものはほぼ尽きたので
    終わりにします

    多数残るものは多少私も絡んだりするM子の話なので
    また気が向いたら書きにきます
    駄文長文、誤字乱筆
    失礼しました

    ではまた!

    203: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 22:40:20.80 ID:/KJQJ5IN0
    >>201
    お疲れ様でした、面白かった!
    また他の話が読めるのを楽しみにしてます

    205: 本当にあった怖い名無し 2022/09/10(土) 23:21:33.49 ID:DylUwYHJ0
    >>201
    お疲れ様でした!
    とっても楽しかったです。短い話しでももっと読みたいので、気が向いたときにまた書き込みに来てくれたら嬉しいです。

    237: 本当にあった怖い名無し 2022/09/14(水) 01:21:35.72 ID:lT9FTy7z0
    >>201
    お疲れ様です!
    短編長さの奴も気になるので気が向いたら是非書いて欲しい

    210: 本当にあった怖い名無し 2022/09/11(日) 02:59:33.42 ID:6Hb7s6ci0
    面白かったよ

    238: 本当にあった怖い名無し 2022/09/15(木) 13:35:11.18 ID:oAdbGhE50
    亀ながらやっと読み終わった
    イッチ乙
    続編待ってます

    226: 本当にあった怖い名無し 2022/09/12(月) 18:55:50.56 ID:VgLO6w5C0
    子供が通ってた高校が近くにあるんだけど子供のバイトのお迎えに行くとき真夜中の10時によく教室の電気ついてるんだけど何してるのって先生に聞いたら7時には戸締まりと消灯の見回りして帰ってるんだけど…ってガクブルしてたって話思い出したわ

    294: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 00:15:10.49 ID:fWBDLUGP0
    >>226
    今気が付きました、読み逃しごめんなさい 貴重な体験談なのに
    夫は一度遅くまで居残った先生に声を掛けたら死ぬほど驚かれたと言ってましたが、そうしばしば居残るのは不思議ですね!

    295: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 00:17:45.03 ID:fWBDLUGP0
    >>226
    ごめんなさい、内容間違いでした

    これは怖いですね
    何回か見て人影があったりしたらと想像しちゃいます
    体験談をありがとうございます!

    249: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 22:17:03.79 ID:7M3LnRGT0
    怖くは無いけど自分的にはものすごく驚いた話

    母親の行きつけの美容院があり、ママ今もそこかは解らない)

    美容院に通うのは大人になった様で嬉しかった カットはいつもマッシュルームカット
    1人でドキドキしながら行ったものだった

    常連になり覚えて貰うようになった頃、髪を切られていると唐突に美容師のおじさんが「幽霊見たことある?」と聞いてきた

    私は一瞬固まって、緊張しつつ「無いです」と答えた

    「そっか、こんなこと言うと驚くかも知れないけど君のお婆ちゃんがね、赤い漬物の話ばっかり君の横で話してるんだよ」

    「え?」

    空耳レベルで全く意味不明だった
    何の話だ

    250: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 22:25:19.29 ID:7M3LnRGT0
    「漬物?」
    「そう、なんか詳しく解らないんだけど壺に入ってるやつ」

    まるで普通の事のように言うおじさんに、私は少し恐怖を感じていた

    「君のお母さんの方のね、お婆ちゃんだけど…よしえ…いや、違うな、「よし」だな お婆ちゃんの名前、よしさんでしょ」
    言い切るおじさんにしどろもどろで
    「ごめんなさい、解りません」
    と正直に答えた 祖母は私が幼い時に亡くなっていて覚えていなかったから
    「仕方ないなあ、帰ったら聞いてみて」

    変な話、と思いつつ家に帰る
    母に「お婆ちゃんの名前ってなんだっけ」と聞くと
    「ママのお母さん?よしでしょ」
    と言われた途端に驚きすぎて座り込んでしまった

    251: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 22:33:46.12 ID:7M3LnRGT0
    母に全て打ち明けると同じように驚いて
    「美容院行った時はママはおじさんとは話さないの…本(週刊誌)ばっかり読んでるから」と、自分が名前を教えた訳じゃないことを打ち明け
    「漬物…」と呆然とした後笑いだした
    「あんたのお婆ちゃんね、若い時に満州って場所に行っててそれからキムチを漬けるようになったんだった!忘れてた」
    泣くほど笑った後、「しかしよりによってなんであんたにキムチの話してんのかね?もっと違う事があるだろうに」

    おじさんにこの事を伝えに行くと、やっぱね、という顔をして腕を組んでいた
    母には今でもこの話を振ると鉄板で笑ってくれる
    ちなみにレシピを聞く前に他界してしまったからそれを伝えたいのかもしれない

    252: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 22:43:23.26 ID:7M3LnRGT0
    キムチの話から何年か後
    私は高校生になっていて、未だにアトリエユーキに通っていた
    おじさんも現役で行く度にかなりエキセントリックな話をしてくれる

    ただ、霊感があるのは間違いなかった
    ある時は私の家の間取りや掛かっている絵を当て、ある時は何も見えないという
    霊感にも調子の善し悪しがあると言っていた
    私はその頃になるとすっかり怖い話好きで、人に怖い体験があると羨ましく感じていた

    そんなある日の真っ昼間、私は最後の客だった
    私が招かれた椅子に座ると、美容院のガラス扉が勝手に開いて鈴を鳴らした
    え?と鏡越しに見ても誰も居ない
    おじさんはチラッと見もせずに「ああ」とだけ呟いて、扉を締めに向かった
    私もその時は締まりが甘かったのだろう、くらいの意識だった

    253: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 22:52:26.80 ID:7M3LnRGT0
    おじさんとなんやかんや話しながら髪を洗って貰っていると、店に流れていた気だるいクラシックが急に途切れた
    「しょうがないな」と呟いて、手は止めずにシャンプーを続ける
    終わらせるとまた、音楽が流れ始めた
    機械の調子が悪いのかもしれない
    だが、前の客の時は普通だったはずだが

    「ごめんね、なんか今日は変なことあるかも」とおじさんは苦笑いをしている
    変なこと、言われても何だか解らない
    大人しく髪をとかされ切られていると、レジ奥にある壁掛け時計がものすごい音を立てて落下した
    さすがにこれには驚き、唖然としていると「あーあ、解った解った…あのね、〇〇さん…幽霊見てみない?」と聞いてきた
    普通ならおじさんがイカれたのかと思う所だが私はおじさんが本物だと言うことを知っている

    255: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/17(土) 23:03:44.21 ID:7M3LnRGT0
    5分も経ったろうか…おじさんは「あら、膝にまで載ってくれてたのに帰っちゃったよ」と呆れて言った

    私は本気で泣きそうだった
    全く見れなかったのだ、モヤでさえ見えなかった
    可愛い子だったらしいのに
    人生最大のチャンスを無駄にした

    私は22歳まで藤沢にいたが、引っ越してしまいまだおじさんが働いているかは解らない…が、あの時の悔しさは今でもすぐに思い出せる


    美容院の話、終わり
    ※実際にある美容院なので、行きたい人が居たら行って見て下さい
    霊感おじさんしか居ない所だったけど、今居るか(やってるか)は解らないです

    256: 本当にあった怖い名無し 2022/09/17(土) 23:58:01.70 ID:WK8ubQ9n0
    身近に霊視できる人が居たなんて、すげぇ羨ましい!
    確かに、それだけのお膳立てがあった中で 視えなかったのは さぞ悔しかっただろうなぁ…
    でも、心霊体験に事欠かない旦那さんと結ばれて、エキサイティングな展開が続くのだから、人生って面白いですね

    257: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 00:08:12.06 ID:EkY70Aep0
    >>256

    ものすごく悔しかった経験です
    おじさんはかなり個性強いんですが霊感は間違いなくありました…今もお元気だといいな

    259: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 10:12:28.63 ID:EkY70Aep0
    M子

    中学生になりたての頃、父の仕事関係で引っ越さざるを得なくなった
    友達や大好きな公園と離れるのが嫌で憂鬱だった
    ここに入るんだなあ…と漠然と思っていた中学ではなく、全く未知の学校を見上げてため息をついたりもしていた
    最初のうちはやっぱり慣れなくて、ぎこちなかったと思う
    それでもそのうち馴染んできた…風に周りからは見えていたかもしれない
    その実、内心は昔の家に帰りたくてたまらなかった

    その頃、それがストレスで余り良くない趣味が出来てしまった
    朝方、4時の散歩だ 人気があまり無い近所をただ回るだけだがまだ薄暗く、冬にもなれば殆ど夜と同じだけ暗い
    両親には危ないと注意されていたけど、開放感からやめられずにいた

    260: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 10:19:15.46 ID:EkY70Aep0
    このストレスを両親には伝えれば良かったのかもしれない
    けど環境に馴染もうと頑張ってる2人に帰りたいなんて言えなかったし、言ったところで帰れない

    そんな悶々としている日々の唯一清々しく感じられる時間を手放せずにいた、ある初冬の日

    その日も散歩に行くことにした
    その頃の悩みは人間関係で、帰りたいという思いよりはそちらがメインになりつつあった
    イヤホンを挿して好きな音楽を好きなだけ聞くと体が軽くなる

    261: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 10:43:01.14 ID:EkY70Aep0
    暗い道、いつものただ近所を回るだけのコース
    家を出てしばらく、馴染みの感覚に足が止まった …なんかいる

    かなりの頻度でそういう存在を見てきたから他の人よりは強いと思う
    けど、気味が悪いのに変わりは無いし見たいものじゃない

    サッと振り返ると電柱の影に女性がいた
    白のコートを羽織っているように見える
    靴も履いてる 余りにもハッキリしていてもしかすると生身なのでは、と思うくらいだった
    電柱に寄りかかるように手をまわし、すがりついている

    と、イヤホンに泣き声が混じり始めた
    うっ…エッ…うぅぅ…のような
    そして見ている間にユラっとこちらへ歩き出したので、慌てて逆方向に向かった

    262: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 11:04:01.49 ID:EkY70Aep0
    コースとしてはあと半分程度だが、家に来られたくない
    緩めのクロックスを履いてきて閉まってるから走るのも…と背後を振り返ると着いてきている 他の人が見えれば倒れる寸前の病人のよう

    早歩きで進んでは確認するが不思議なのはいつ見ても同じ間隔だけ空いている
    イヤホンは外した、が耳にはずっと泣き声が聴こえる

    もう振り払うのは諦めて家に向かった
    と、途中の自販機が並ぶ道から女が着いてこない
    自販機にもたれたまま、長い髪の隙間に見える目でじっとこちらを見ていた

    何が伝えたいのかは解らない
    霊にもテリトリーがあるのかも

    私は家に着くと母を起こし、全部話した
    母はいつも真剣にこの手の話を聞いてくれる そして当の私よりも怖がるのだ


    終わり

    263: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 11:21:03.88 ID:EkY70Aep0
    見える2人から共通して聞くのは、現実感のある奴と、完全に人間では無い奴がいて 完全に人間では無い奴の方が圧倒的にヤバい感じがする、という
    そういう奴はそもそも人間だったことが無いような気がする、というのだ

    また、テレビやなんかでよく出る「血塗れ」や「ひたすらに怖がらせようとしてくる」というのも見たことが無いらしい
    大体彼らは自分のしたい事だけしてるし、そのしたい事、が人に着いてきたり取り憑いたりするという事なら厄介だと言っていた

    まだ見てないだけかもしれないけど、とも言っていたが

    そんな共通点を持つ2人と、全く解らない私が鎌倉で体験した不思議

    家からほど近いので、私たちはよく鎌倉へ行く
    といってもただ夜の鎌倉を車でぶらつくだけの暇潰しだ
    夜10時ともなると観光地とは言えど大体の店は締まり、飲み屋などに明かりが着いている程度に落ち着いている
    夏休みなど連休になると竹下通りばりの人通りで昼間はごった返すのだが、今はその名残さえない静かな通りだ
    全体的に橙色の灯りが辺りを明るくし、道の真ん中にある赤い鳥居を異世界の様に見せる
    この景色が私は好きだ

    266: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 14:08:26.20 ID:EkY70Aep0
    特に目的も無かったが、ふと夫が「源氏山公園に行ってみよう」と言い出し、車はそちらに向かって走り出した
    近場に住んでいながら、有名どころに行かないのはあるあるで私たちはまだ行ったことは無かった
    近くのパーキングで車を止め、かなり暗いが公園をぐるりと回る
    細い道を歩き、周囲の様子を見ると奥は真に闇で何も見えない場所もある
    気味悪さを感じつつ、今度はこの辺りを車で回ってから帰る事になった
    内心ほっとしてM子と後部座席で雑談していると

    267: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 14:18:26.49 ID:EkY70Aep0
    「なんかお祭りやってるね、提灯が見えるよ」と夫が言い出した
    M子が「本当だ~綺麗だね」と笑って
    「そっち通ろうよ」声が弾んでいる
    私はまっすぐそちらを眺めたが、提灯はおろか、暗くて先の方まで見えない

    なるほど、私より2人は目がいいからなと思い「いいんじゃない」と適当に相槌を打った
    と、車のスピードが急に落ちて、
    「ダメだ、やめよう なんかヤクザみたいな変な奴が居る」という
    「…あ、凄いね 全身真っ白w」
    笑うM子と夫
    話に全く入れない私
    真っ白スーツなら暗くても多少見えることを期待したのに見えやしない

    その日は変に腑に落ちない感情の全くまま帰ることにした

    268: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 14:28:35.05 ID:EkY70Aep0
    帰ってから私が何一つ見えなかったわ、と笑いながら言うと夫はスマホで今来たルートを調べ始め、呆然と呟いた

    「道がない」

    は?と返すと
    「あの道は行き止まりだ、道がない…俺の見たのはずっとずっと真っ直ぐな道の先まで提灯がぶら下がっていたんだ」
    といった
    M子もウンウンと頷き「そうだよ、そんでその道の真ん中にガタイのいい男で真っ白の服着ててコッチ睨んでてね」
    と言った

    真っ白の服を着たヤクザと祭り
    何の共通点も見られないが綺麗だったらしいので私も見たかった

    夫もM子も「道がない」という体験をしたのは初だと私に興奮して話していた


    鎌倉の話終わり

    269: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 14:50:23.35 ID:EkY70Aep0
    夫が警備員をやめて大分経つが、新しい職場にもやっぱり「霊感仲間」は居る
    男しかいない職場なので気が楽らしいが、代わりにまぁ飲み会などになるとえげつない下ネタが多い
    家庭持ちが少ないせいもあるが、夫は行き過ぎた下ネタが嫌いだ
    なので、下ネタ以外の話をしている場に滑り込むとそれがたまたまオカルト話だったというわけだ

    人の体験談や誰々から聞いた話等を飲みながら聞くだけにしていると
    同僚の高梨さんが
    「〇〇も見えるでしょ、なんか話してよ」
    と夫に対してキッパリと決めつけてきた
    「なんで?」と聞くとどうやら同僚は「見えるし、霊感ある人が解る」という恐らく夫より強い人だった
    夫は苦笑いしながら警備員時代の黒電話の話を少し話す
    と、どおりでと頷いた
    「お前さ、その時代に女の子の霊に会ったろ言わずにおこうかと思ったんだけどさ…その子」

    言いにくそうにした後、

    「お前に入ってるよ」

    と言った
    夫は言われた途端に貧血のように血の気が引いたという
    彼曰く入りっぱなしは良くないから塩風呂に3日くらい浸かって日本酒も飲め
    とアドバイスをくれた
    私は律儀に守り夫にそうさせたある日、もういないよ、と太鼓判を押してくれたらしい

    入りっぱなしだとどうなるのかを今度聞いてみると夫は言って笑った




    同僚話終わり

    270: 本当にあった怖い名無し 2022/09/18(日) 15:35:27.66 ID:wz8lkaVU0
    面白い!お疲れ様です。1さんの周りに、霊感ある人が集まるのは
    1さんの霊感への強い憧れがそうさせるんだろうなぁ、と思った

    そこで1つ気になるのは、旦那さんが霊感ある事を知ったのはいつなのか?という点
    例えば、交際が決まる前から霊感ある事を知っていたのだろうか?
    「霊感がある人だから付き合おう!」ってほど重要視してはいないと思うけど

    271: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 15:41:36.53 ID:EkY70Aep0
    >>270
    本当にたまたまでした
    うちの実家は皆霊感ゼロなのにオカルト大好きで私も影響されまくっちゃって

    夫の家のことは結婚してから知りました
    特に母、姉、夫が強いらしく更に曾お祖母さんは特級クラスに強かったと
    そんな話にワクワクが正直止まらなかったのは事実ですw

    276: 本当にあった怖い名無し 2022/09/18(日) 17:50:45.68 ID:wz8lkaVU0
    >>271
    たまたまでしたか。やはり「引き寄せている」感じがしますね
    羨ましいなぁ。私も結構 強い憧れを抱いているつもりだけど、まだまだ足りないな

    273: 本当にあった怖い名無し 2022/09/18(日) 16:10:43.39 ID:kLtFFNvt0
    入ってた子ってあめ玉あげた子かな

    274: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 16:16:27.54 ID:EkY70Aep0
    >>273
    だと思います
    やっぱり同情するのは危険らしいです…

    275: 本当にあった怖い名無し 2022/09/18(日) 16:22:31.13 ID:kLtFFNvt0
    >>274
    私しょっっちゅう可哀想って思っちゃうから見える人がいたら入りまくってんだろうかw

    278: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 18:28:09.50 ID:EkY70Aep0
    朝方5時に目が覚めた
    何かの予感という訳ではなく、鍵を開けた音が耳についたから
    どうやら夫が仕事場に向かった直後らしい

    眠たい体を起こしてトイレをすませると
    思わず悲鳴が出た
    トイレのすぐ向かいにある階段の1段目にM子が突っ立っていたから
    M子はすぐ、あ~ごめんと言いながら私の腕を引っ張りリビングへ導いた
    「朝っぱらから悪いんだけどさ」
    冷蔵庫から水を持ってきた娘が神妙に言う
    「最近困っちゃって」
    困ってる理由は察してる
    中学になってからM子はそれこそ毎日見てるのだ…この世のものでは無いものを
    「今、部屋にいるんよ…二体」
    「二体も?」
    「オッサンが真っ直ぐ窓に向かってて、もう1人はボロボロの服着たオバサンがクローゼットに座ってる」
    正直、それは困るとかの問題じゃない
    私ならそんな部屋に寝られない
    「寝られないってことは無いよ、特になんもしないから じゃなくて実害があるんだよ」という

    279: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 18:36:45.45 ID:EkY70Aep0
    「どうせいつもみたいに飽きたらどっか行くんだろうけどね…今回の奴、クローゼットの奴タチ悪いの」
    M子は最近仲の良い友達としょっちゅう電話している LINE電話だから料金は心配ないが成績は心配だ
    「なんかさ…電話するとさ、相手にオバサンの声が聞こえちゃうんだよ」
    「え?喋るの?」
    「そう 電話になると話し出す で、ママの評判がめっちゃ下がってる」
    意味がわからない
    そんな顔をしてると
    「部屋で奇声上げて訳分からん事怒鳴ったり…しまって、とかわかった、とか意味不明に喋るから」
    「ちょっと!あんた私じゃないって否定してよ!やだよママおかしい人じゃん!」

    280: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 18:47:05.75 ID:EkY70Aep0
    「私だってそうしたいけど、霊が見えるとかヤバい人じゃない?だからどうしようかなって」

    私は初めて霊にイライラした
    知らないところで奇人呼ばわりされたくない
    前に貰った御札はとっくに焼いちゃってお返ししちゃったし
    で、結局私は粗塩を持ってM子の部屋に突撃した
    私は塩には絶大な信頼がある
    なんなら御札より信頼関係がある
    クローゼットを開けて「そこ」と指さされた場所に塩を撒いた どうせ掃除はM子がやるのだから徹底的に撒いた
    「今は見えないけど効くかな」
    鬼の形相の私に引きながら尋ねるが塩なら効くだろう 何故ならこれは神社で売られてる塩だから
    オッサンの方は別に害がないから良い、とM子は塩を取り上げた

    281: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 18:52:55.87 ID:EkY70Aep0
    怒りで恐怖を忘れてしまった訳だが、驚く事にその日依頼オバサンは居なくなったようだ
    塩の効果か、私の剣幕に驚いたのかは解らないが居なくなってくれて心底ホッとした

    オッサンの方はというと、1週間後には居なくなったらしい
    それ以来、あの塩はお守りみたいに取っておいたが、塩が無くなった時に使ってしまった
    料理に使っても良いとあったし、また買って来ようと思った



    M子話終わり

    285: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 22:11:22.08 ID:EkY70Aep0
    夫の話

    夫には仲のいい職場の人間が沢山いる
    それはたぶん職業柄もあるだろう

    その日、電話が掛かってきて「仲間とご飯行くから遅くなるね」と言ってきた
    私は二つ返事でOKし、晩御飯が楽になる、としか思わなかった

    今はコロナ禍で飲み会は禁じられている
    少人数で食事は許されているので極たまの息抜きだ
    といっても高い所ではなくお互いがおすすめの大衆食堂での一食
    気の合う3人で暖簾をくぐり他愛ない話をしていた時、ふと食堂の奥を見た
    店の主人と奥さんが料理をしている真横に両目だけが浮いていた
    目は大きくギョロついていて奥さんを睨みつけていた

    すっと目を逸らして、目の前の玉子とじどんぶりに集中した
    お気に入りの食堂だったが、半年後には店閉まっていた


    終わり

    301: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 09:35:43.08 ID:ytTguBh00
    >>285
    はじめまして。
    とても読みやすくて、いつも楽しませて頂いております。

    この話、怖かったです。似た話を聞いた事があって。
    その話は全身見えた話でしたが。
    ご主人様の様に見える方には分かってしまうんですね。そこが、ぞっ、としました。そういう連鎖みたいなモノも怪談の醍醐味とか言うのでしょうか。

    これからも応援してます。
    更新、ご無理なさいません様。

    286: 本当にあった怖い名無し 2022/09/18(日) 22:42:18.86 ID:9QcpME+T0
    1さん、お疲れ様です
    最初から、マジでビビりながら読んでます
    途中お休みの時は待ち遠しかった~
    これからも楽しみにしてます
    感想書きたいけど、また時間あるときに
    取り急ぎ御礼まで

    293: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 23:39:45.14 ID:f8rUkAUK0
    >>286
    ありがとうございます、ぜひ感想聞かせて頂きたいです!

    287: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 22:44:12.67 ID:f8rUkAUK0
    夫の話

    ツーリングが好きだ
    というのは常々夫の言う台詞
    今回の話は霊は出ないが最近の中では私は1番薄気味が悪かった

    「カブツーリング行ってくる~」いかにも溌剌として出かける先は特に決めてはいない
    とりあえず漠然と行ったことのある林道に向かった
    初夏とは言えど空気は暑い
    熱中症にならないよう水分だけは気をつけようと思う

    カブでゆっくり走り続けて林道へ入り込む 木々は静かで人っ子一人見当たらない
    どうせなら、と前に行った道では無い県道725号へカブ進ませた
    とにかく、知らない道はワクワクするものだから



    no title

    288: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 22:54:56.37 ID:f8rUkAUK0
    スマホで確認すると、この先「ペガススの家」という集落?か何かがあるらしい
    どんな所なのか気になり走っているが…どんどん民家は少なくなり、施設らしい施設も解らない
    この辺りだ、と見渡すと焦茶色の建物がある どうやらここがペガススの家のようだが、全く誰もいなくて建物は薄暗く、明るいポスターだけが運営されているのだなと思わせてくれた
    何故か抜け殻のような侘しさを感じる


    no title

    289: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 23:03:15.48 ID:f8rUkAUK0
    辺りは静まりかえり、まだ日も燦々としているのに何故か薄暗さが纏わりつく妙な感じだ

    no title


    と、分岐点がある
    臼井農場とマップには記されていて、面白そうなので踏み入れてみた
    道の両側には真っ直ぐ伸びた杉林が続き、余り手入れされていない暗さが陰気臭い
    ただ、木漏れ日は美しく、自然を十二分に堪能出来る


    no title

    290: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 23:13:24.64 ID:f8rUkAUK0
    ※分岐点は赤矢印


    おかしい
    臼井農場の場所まで来たが廃墟ばかりだ…
    しかもあれはなんだ?
    杉林の手前に三体のカカシが立っている
    しかし周りには守るべき畑などどこにもなく、来る人を拒むように無表情で立っている
    背筋が粟立つ 余り目に止めないよう通り過ぎた
    と、廃墟のひとつが気になった
    ボロボロの屋根に掛かる眩しいくらい青いブルーシート
    家の前には錆切った車がある
    にわかには信じ難いが人が住んでいる可能性があるかもしれない
    そう思うと、意識してしまい視線を浴びている気がしてスピードを少し上げ通り過ぎた
    少なくともこれまで、農場や跡地らしきものは一切なかった

    291: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 23:25:39.59 ID:f8rUkAUK0
    廃墟を通り過ぎたすぐ、吐きそうなくらいの獣臭に目眩がした
    そして信じられない光景が目の前にある
    錆びたガードレールに、動物の皮が、イノシシの皮が血まみれのまま剥がされ干されている
    横にはイノシシの頭が威嚇する様に切断された状態で置かれていた
    ほど近い民家…これもまた廃墟同然だが…のガレージ?には巨大な犬舎が開け放たれていて、そこから姿は見えないが犬が気が違ったように吠えていた
    マップには「まむし養殖場」とあるがまったく無関係としか思えない
    なんなんだ、と圧倒されていると、その民家の玄関の窓に影が見えた

    どっと汗をかく
    物凄い強烈な視線を感じる
    反射的にカブに跨り、許す範囲のスピードで分岐点まで戻った

    戻ってもなお、心臓は鳴り続け神経はささくれだったままだ

    292: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/18(日) 23:38:57.02 ID:f8rUkAUK0
    帰ってあったことを打ち明けられた私は早速その周辺を調べてみた
    GoogleMAPは8年前から更新されておらず、マップの写真にある「はちみつ」ののぼり旗も夫は無かったという

    夫は余りにも気になるからもう一度行ってみたいと言うが、人知れず住んでいる方に迷惑は掛けたくないので、三体のカカシだけは写真に収めたいと言った
    途中に掛かっている「人遠橋」という橋の名前にGoogleMAPはモヤをかけ、見えないようになっているのも、不思議な気がした
    この辺りはその様にMAPにモヤを掛けている所がそこかしこにあり、一層この体験を気味悪くしているようだった


    気になる方はぜひ、GoogleMAPでこの辺りを見て見てください
    後日、本当に夫が撮ってきたら、カカシの写真上げます
    私も正直、とても見たい


    林道終わり

    298: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 01:45:48.02 ID:NHsTzTvF0
    >>292
    やべえ集落みたいな話大好きw

    299: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 09:14:31.63 ID:6CT0xvgJ0
    未知の集落に迷い込む話はすごい興味惹かれますね

    300: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 09:19:00.70 ID:K0Qb6hgb0
    問題の集落(人遠)はググるとそれほど謎は無い
    限界集落にイノシシ狩り猟師と猟犬がいるだけ
    ただ人遠橋のプレートや側の注意喚起の看板がぼかしてあるのは何だろな

    303: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 10:10:33.14 ID:qmWBIznf0
    >>300
    他の場所もボカしているので不思議なんですよね

    304: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 11:38:02.22 ID:UX6IxlJr0
    1つ目の中学校の話はもっとありませんか?
    おそらくそこの卒業生なのですが聞いたことがなくてワクワクします。

    305: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 12:28:04.13 ID:ulEYjCW20
    >>304
    えっ、卒業生さんですか?
    驚きましたー!
    夫が警備員だったのは…もういいか、フェイク無しで8年前にはなると思うんですが、その頃の警備員仲間で見ない人は居なかったと言います
    実際調べたんですがその中学校で心霊がどうとかは出なかったのでコメ主様のお話で合点が行きました、やっぱり噂とかは無かったんですね!
    コメ主様の母校に対して失礼じゃなきゃいいんですが
    大体の現象は
    声が聞こえる
    つけてくる足音がする
    電気がついたり消えたりする
    誰も居ないのに戸が開く
    影が過ぎる
    ヒョットコが保健室に入る
    だそうです 特にヒョットコは見るからに異次元の存在だそうです
    私が実際見た訳じゃないので、間取りは余り解ってないのですが

    早口ヲタク喋りになっちゃってすみません!まさか卒業生さんが見てくれてるなんてテンション上がってしまいまして!

    307: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 14:38:25.88 ID:njHLRU3I0
    自分jだったら好奇心がたってヒョットコ見ちゃう

    309: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 15:02:00.95 ID:+t+t5PEc0
    >>307
    私も悩みますが、最初の時点で逃げてますね絶対w

    310: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 15:04:29.31 ID:njHLRU3I0
    >>309
    不安の種とか後遺症ラヂオに出てきそうな存在ですよねヒョットコ
    ハッキョウスルレベルの見た目ってめっちゃ気になるやん…

    315: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 18:04:02.43 ID:5QqZ7eMJ0
    今、夫からLINEが来て
    削除依頼来てしまいましたー、ガックリ
    削除の仕方がわからないので
    教えて貰えたら助かります

    316: 本当にあった怖い名無し 2022/09/19(月) 18:10:05.48 ID:QV4nZjZd0
    それは残念無念!
    良くは知りませんが書き込みが無ければその内落ちますね

    317: ◆Zhf8Is7dTQ 2022/09/19(月) 18:22:00.78 ID:5QqZ7eMJ0
    ありがとうです
    では唐突ですが、今までありがとうございました
    読んでくれて感謝です

    引用元:https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1662447374/


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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2023年06月08日 23:31 ID:Vr6U92.F0*
    底辺と結婚してるお前が一番怖いわ
    2  不思議な名無しさん :2023年06月09日 00:11 ID:DJLa8VxO0*
    嘘くっさ
    3  不思議な名無しさん :2023年06月09日 00:18 ID:Z1ie6ItQ0*
    長過ぎで草
    4  不思議な名無しさん :2023年06月09日 00:57 ID:aZcjfaMX0*
    何で他人の話なのに自分が体験したよう書けるの?
    5  不思議な名無しさん :2023年06月09日 01:00 ID:4WdWl3EW0*
    作り話し乙
    7年前の事でコロナ?って時系列でバレそうになったのはともかく
    後ろの座席のシートベルトで胸は打たない件
    6  不思議な名無しさん :2023年06月09日 01:38 ID:.KqA0O1v0*
    作り話バレバレなのはともかく読み物としては結構面白いじゃないの
    7  不思議な名無しさん :2023年06月09日 06:24 ID:CuF8.3pC0*
    内容も面白かったし、読み応えがあって良かったんだけど突然視点が本人から夫に変わったり娘に変わったりするのがちょっと読みにくかった。
    多分、元々何処かに載せたりする為に書き溜めていた文章なんだろうな。
    8  不思議な名無しさん :2023年06月09日 06:36 ID:DRvXRsJW0*
    これは読み物ですよ、実体験じゃありません。だと誰も読まないから実体験風にするのかしら。
    9  不思議な名無しさん :2023年06月09日 12:04 ID:o.MJ65qf0*
    面白かった。
    10  不思議な名無しさん :2023年06月09日 16:10 ID:vLG8FurW0*
    つうかコメント見ると実話だと思って読んでるやつ多くてビビるわ…
    面白い読みもんだった
    11  不思議な名無しさん :2023年06月09日 17:31 ID:YdkprzZy0*
    不思議ネットも見る層がずいぶん変わったというか、そんなのわかってて楽しむのがオカ板なんだけどな
    不粋なツッコミにいいねが付きまくってるのが1番怖い
    12  不思議な名無しさん :2023年06月09日 18:22 ID:4WdWl3EW0*
    >>11
    は?お前バカなのか
    ウソつきを嫌うのって普通の人の感情だろ
    13  不思議な名無しさん :2023年06月09日 22:02 ID:YdkprzZy0*
    >>12
    お前本物の心霊話があると思ってんのか?
    フィクションにマジレスはやばい…
    14  不思議な名無しさん :2023年06月10日 16:18 ID:Fd.ptqVV0*
    長くても読みたい人がいるからスレが続いたんでしょ。読めない人はあなたの好みには合ってなかったというだけで、文句を言うのは筋違い。
    15  不思議な名無しさん :2023年06月10日 21:45 ID:qSQv4vjS0*
    題材は面白いんだけど書き手が登場人物の心情妄想して書いてるのはちょっとクサかったかな(留守番中の娘のパニックシーンとか)
    16  不思議な名無しさん :2023年06月11日 18:57 ID:Zub73Zq90*
    こんな内容のこんな長いやつをここまで読んで文句を言ってるメンタリティのほうが不思議で怖い
    17  不思議な名無しさん :2023年06月12日 15:08 ID:tjeoKIZi0*
    もうちょっと努力して欲しい
    18  不思議な名無しさん :2023年06月14日 08:36 ID:pIUqCFTJ0*
    >>4
    他人の体験談を漫画にするのと同じ
    19  不思議な名無しさん :2023年10月18日 06:15 ID:k6.dT6M40*
    終わり方が1番気味悪い気がするんだが
    20  不思議な名無しさん :2024年06月06日 02:54 ID:LG5gxcJZ0*
    普通に面白かった。霊感ない妻の反応がリアル。霊感ゼロでメンタル強めの人って、こういう感じ。怒りのパワーって強いから、イラってきた時とか勝手に除霊してそう。
    21  不思議な名無しさん :2024年12月17日 18:57 ID:LHP4MgW.0*
    途中、悪皿が出てこなかった?
    アクロバティックサラサラ。
    22  麻生優理子 :2025年01月06日 22:04 ID:ReQiL7sE0*
    麻生太郎

     
     
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