1: 悪魔君(役所据え置き) ★@\(^o^)/ 2014/05/20(火) 01:22:06.01 ID:???.net
地球生物による宇宙汚染、対策は?
H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』に登場する火星人や、映画『E.T.』の超能力を持つ宇宙からの訪問者など、SFの世界では宇宙人が地球にやってくる話が数多くある。
しかし、現実の科学の世界では、地球に住む生物、具体的にはバクテリアや微生物が地球以外の天体に到達することのほうが、より大きな懸念となっている。
NASAは火星に複数の探査機を送っているほか、氷で覆われた木星の衛星、エウロパの探査も計画している。
また、土星の衛星エンケラドスに海が存在する可能性についても調査を進めている。
これらの試みは、こうした惑星や衛星に生息する生命体の発見を目的としたものだ。
こうした探査結果に地球由来の生命体が紛れ込むことを防ぐため、NASAは探査船を宇宙に送り込む前に、徹底的なクリーニングを行っている。
地球の生態系も侵入種や感染症によって汚染されることがあるが、NASAのクリーン作戦は地球以外の新しい環境におけるこうした事態の発生を防ぐものだ。
打ち上げ時の高熱や宇宙空間の寒さ、さらには航行時の速度といった要因により、探査機についたバクテリアや微生物はほぼ死滅してしまう。
しかし、中には非常に耐性の強い生物もおり、これらが過酷な環境を生き抜くケースがあることが明らかになってきた。
「宇宙空間を移動しても生き延びることができる生命体は、驚くほど多岐にわたる」と説明するのは、NASAで惑星防疫官を務めるキャサリン・コンレー(Catharine Conley)氏だ。
「国際宇宙ステーション(ISS)の外部に生物を置く実験では、細菌や地衣類、植物の種、さらには小動物などが、宇宙空間で数年もの間生き延びることが明らかになっている」。
◆リスク管理の重要性
カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)に所属する主任研究員、カストゥリ・ベンカテスワラン(Kasthuri Venkateswaran)氏によれば、
宇宙の旅を「生き残る」ことができる生命体と、新しい環境に「定着」可能なものの間で、線引きを行うことが重要だという。
「どんな場所であれ定着するには、“生殖”が不可欠となる」と同氏は指摘する。生殖が不可能な胞子は定着できないため、大きな懸念材料にはならない。
◆重要なエリアとは
コーネル大学天文学部で惑星を研究しているアルベルト・G・ファイレン(Alberto G. Fairen)氏によれば、
火星の中でも、現在でも生命が存在可能と考えられる「特別地域」については、地球の微生物に汚染されることがないよう、特に細心の注意を払う必要があるという。
「これらの地域は、地球由来の生物が簡単に繁殖しうる環境にあり、火星で生まれた生命体が存在する可能性が(高い)場所だと考えられている。
こうした場所には液体の水があり、少なくとも1年のうち一定の期間は、(気温が)氷点(より上)になるからだ」と、ファイレン氏は述べる。「火星のこのような地域は、着陸地点から除外すべきだ」。
一方で、NASAの予算に関して、下院歳出委員会が米国時間5月8日に承認した金額は、バラク・オバマ米大統領が提案した額を4億3500万ドル上回った。
これが惑星の防疫にどう影響を与えるかははっきりしていない。
情勢にどのような変化があっても、継続した資金拠出は不可欠だと、コンレー氏は強調する。
洗浄が十分でない宇宙探査機が新たな環境を地球由来の生物で汚染し、もとからその環境で生息していた生物がどれかを見分けるのが困難になる事態を想像してみればわかるはずだと同氏は指摘する。
「エウロパまで生命体を探しに出かけて、見つかった生き物が実はフロリダ州に住んでいるものだと判明するような事態が起きたなら、非常に残念と言うほかない」とコンレー氏は述べている。
【NATIONAL GEOGRAPHIC】=http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140519003&expand
H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』に登場する火星人や、映画『E.T.』の超能力を持つ宇宙からの訪問者など、SFの世界では宇宙人が地球にやってくる話が数多くある。
しかし、現実の科学の世界では、地球に住む生物、具体的にはバクテリアや微生物が地球以外の天体に到達することのほうが、より大きな懸念となっている。
NASAは火星に複数の探査機を送っているほか、氷で覆われた木星の衛星、エウロパの探査も計画している。
また、土星の衛星エンケラドスに海が存在する可能性についても調査を進めている。
これらの試みは、こうした惑星や衛星に生息する生命体の発見を目的としたものだ。
こうした探査結果に地球由来の生命体が紛れ込むことを防ぐため、NASAは探査船を宇宙に送り込む前に、徹底的なクリーニングを行っている。
地球の生態系も侵入種や感染症によって汚染されることがあるが、NASAのクリーン作戦は地球以外の新しい環境におけるこうした事態の発生を防ぐものだ。
打ち上げ時の高熱や宇宙空間の寒さ、さらには航行時の速度といった要因により、探査機についたバクテリアや微生物はほぼ死滅してしまう。
しかし、中には非常に耐性の強い生物もおり、これらが過酷な環境を生き抜くケースがあることが明らかになってきた。
「宇宙空間を移動しても生き延びることができる生命体は、驚くほど多岐にわたる」と説明するのは、NASAで惑星防疫官を務めるキャサリン・コンレー(Catharine Conley)氏だ。
「国際宇宙ステーション(ISS)の外部に生物を置く実験では、細菌や地衣類、植物の種、さらには小動物などが、宇宙空間で数年もの間生き延びることが明らかになっている」。
◆リスク管理の重要性
カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)に所属する主任研究員、カストゥリ・ベンカテスワラン(Kasthuri Venkateswaran)氏によれば、
宇宙の旅を「生き残る」ことができる生命体と、新しい環境に「定着」可能なものの間で、線引きを行うことが重要だという。
「どんな場所であれ定着するには、“生殖”が不可欠となる」と同氏は指摘する。生殖が不可能な胞子は定着できないため、大きな懸念材料にはならない。
◆重要なエリアとは
コーネル大学天文学部で惑星を研究しているアルベルト・G・ファイレン(Alberto G. Fairen)氏によれば、
火星の中でも、現在でも生命が存在可能と考えられる「特別地域」については、地球の微生物に汚染されることがないよう、特に細心の注意を払う必要があるという。
「これらの地域は、地球由来の生物が簡単に繁殖しうる環境にあり、火星で生まれた生命体が存在する可能性が(高い)場所だと考えられている。
こうした場所には液体の水があり、少なくとも1年のうち一定の期間は、(気温が)氷点(より上)になるからだ」と、ファイレン氏は述べる。「火星のこのような地域は、着陸地点から除外すべきだ」。
一方で、NASAの予算に関して、下院歳出委員会が米国時間5月8日に承認した金額は、バラク・オバマ米大統領が提案した額を4億3500万ドル上回った。
これが惑星の防疫にどう影響を与えるかははっきりしていない。
情勢にどのような変化があっても、継続した資金拠出は不可欠だと、コンレー氏は強調する。
洗浄が十分でない宇宙探査機が新たな環境を地球由来の生物で汚染し、もとからその環境で生息していた生物がどれかを見分けるのが困難になる事態を想像してみればわかるはずだと同氏は指摘する。
「エウロパまで生命体を探しに出かけて、見つかった生き物が実はフロリダ州に住んでいるものだと判明するような事態が起きたなら、非常に残念と言うほかない」とコンレー氏は述べている。
【NATIONAL GEOGRAPHIC】=http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140519003&expand