1: かじりむし ★@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 22:23:21.18 ID:???0.net
脳だけで車椅子を操作、サルで実験
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141120001&expand
Dan Vergano, National Geographic News November 20, 2014
頭の中で念じただけで車椅子やパワーアシストスーツを動かすことができる。
そんな研究が実験段階に入り、脳科学は驚くべき進化を見せようとしている。
今年6月にブラジルで開催されたサッカーのワールドカップ開会式で、身体の麻痺した男性がパワーアシストスーツを身に着けて、始球式のボールを蹴る姿を世界が目撃した。このスーツを開発したデューク大学の脳神経科学者ミゲル
・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏は今月、北米神経科学学会の会議で、自身の立ち上げた「ウォーク・アゲイン・プロジェクト」による最新の研究成果である「ブレイン・マシン・インタフェース」を発表した。
その実験では、脳波を読み取ってそれに反応して動くロボットスーツを身につけ、8人の麻痺患者が実際に歩くことができたという。数人の患者が「砂の上を歩いているようだ」との感想を持ったと、ニコレリス氏は報告している。
「実際私たちは、患者の脳をごまかして、この体を動かしているのは機械ではなく、自分の力だと信じ込ませることに成功した」。
シアトルにあるワシントン大学の脳神経科学者エバーハード・フェッツ(Eberhard Fetz)氏は、麻痺患者の脳をよく知ることによって技術が進歩し、新たな発見が生まれると話す。脊髄を損傷して身体的麻痺症状を起こす患者は
、世界で年間約13万人に及ぶ。過去10年以上の間、研究者たちはこうした患者を支援するためのロボットと脳のインタフェースを研究してきた。そしてようやく今、パワーアシストスーツはボランティア患者を使った臨床実験の初期段階に入りつつある。
◆サルが動かす車椅子
「ブレイン・マシン・インタフェース」という言葉は、近年盛んに目にするようになった。例えばブラウン大学のジョン・ドノヒュー(John Donoghue)氏による研究で、脳に埋め込まれた電極が操作するロボットの腕で、麻痺患者がコーヒーを飲んだり物を持ち上げることができたというニュースが話題になった。
ニコレリス氏はさらに、脳の奥深くに電極を埋め込まれた2匹のアカゲザルが、訓練の結果頭で念じただけで車椅子を動かすことに成功したと報告した。この研究の狙いの一つは、将来的に『脳のペースメーカー』を患者の脳に埋め込
み、脳からの鮮明な信号を受け取ってロボットの人工装具をコントロールする技術の開発である。
脳の奥深くに埋め込まれた装置の方が、頭皮に取り付けただけのセンサーよりもはるかに読み取りやすい信号を送ることができる。それによってサルは、比較的短時間で車椅子の操作を学習することができた。
◆ないはずの四肢を感じる脳
実験的パワーアシストスーツを使った歩行訓練が、患者に予想外の効果をもたらすことも明らかになった。ニコレリス氏の患者は、訓練を行った1年間で筋肉の緊張、心臓、消化機能が向上したという。
中でも特に驚かされたのは、スーツを着用して速く歩けば歩くほど、より自然に歩いているような感覚を覚えることである。
麻痺は足先の感覚を奪い、患者はまっすぐに立つことに不安感を覚え、まるで宙に浮いているような感覚を持つことがある。しかし、人間の脳は実際にはなくなってしまった体の一部を埋め合わせて感じ取る能力に長けている。例え
ば、切断されてしまった腕がまだそこにあるように痛みを感じるという症例は多く報告されている。それと同様のことがスーツを着用して歩行訓練を行う麻痺患者にも働くという。
「ゆっくり歩けば砂の上を歩いているような、速く歩けば草の上を、もっと速く歩けば熱いアスファルトの上を歩いているような感覚を覚える」。
↑アカゲザルの脳の運動皮質に電極を埋め込み、そこから送られる信号をコンピュータが受け取り、空気圧で動くパワーアシストスーツを操作してサルを歩行させる。デューク大学のミゲル・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏のチー
ムは、これと似たような装置を開発して、身体の麻痺した人間が再び歩けるようになる研究に取り組んでいる。
Photograph by Robert Clark / National Geographic Creative
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141120001&expand
Dan Vergano, National Geographic News November 20, 2014
頭の中で念じただけで車椅子やパワーアシストスーツを動かすことができる。
そんな研究が実験段階に入り、脳科学は驚くべき進化を見せようとしている。
今年6月にブラジルで開催されたサッカーのワールドカップ開会式で、身体の麻痺した男性がパワーアシストスーツを身に着けて、始球式のボールを蹴る姿を世界が目撃した。このスーツを開発したデューク大学の脳神経科学者ミゲル
・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏は今月、北米神経科学学会の会議で、自身の立ち上げた「ウォーク・アゲイン・プロジェクト」による最新の研究成果である「ブレイン・マシン・インタフェース」を発表した。
その実験では、脳波を読み取ってそれに反応して動くロボットスーツを身につけ、8人の麻痺患者が実際に歩くことができたという。数人の患者が「砂の上を歩いているようだ」との感想を持ったと、ニコレリス氏は報告している。
「実際私たちは、患者の脳をごまかして、この体を動かしているのは機械ではなく、自分の力だと信じ込ませることに成功した」。
シアトルにあるワシントン大学の脳神経科学者エバーハード・フェッツ(Eberhard Fetz)氏は、麻痺患者の脳をよく知ることによって技術が進歩し、新たな発見が生まれると話す。脊髄を損傷して身体的麻痺症状を起こす患者は
、世界で年間約13万人に及ぶ。過去10年以上の間、研究者たちはこうした患者を支援するためのロボットと脳のインタフェースを研究してきた。そしてようやく今、パワーアシストスーツはボランティア患者を使った臨床実験の初期段階に入りつつある。
◆サルが動かす車椅子
「ブレイン・マシン・インタフェース」という言葉は、近年盛んに目にするようになった。例えばブラウン大学のジョン・ドノヒュー(John Donoghue)氏による研究で、脳に埋め込まれた電極が操作するロボットの腕で、麻痺患者がコーヒーを飲んだり物を持ち上げることができたというニュースが話題になった。
ニコレリス氏はさらに、脳の奥深くに電極を埋め込まれた2匹のアカゲザルが、訓練の結果頭で念じただけで車椅子を動かすことに成功したと報告した。この研究の狙いの一つは、将来的に『脳のペースメーカー』を患者の脳に埋め込
み、脳からの鮮明な信号を受け取ってロボットの人工装具をコントロールする技術の開発である。
脳の奥深くに埋め込まれた装置の方が、頭皮に取り付けただけのセンサーよりもはるかに読み取りやすい信号を送ることができる。それによってサルは、比較的短時間で車椅子の操作を学習することができた。
◆ないはずの四肢を感じる脳
実験的パワーアシストスーツを使った歩行訓練が、患者に予想外の効果をもたらすことも明らかになった。ニコレリス氏の患者は、訓練を行った1年間で筋肉の緊張、心臓、消化機能が向上したという。
中でも特に驚かされたのは、スーツを着用して速く歩けば歩くほど、より自然に歩いているような感覚を覚えることである。
麻痺は足先の感覚を奪い、患者はまっすぐに立つことに不安感を覚え、まるで宙に浮いているような感覚を持つことがある。しかし、人間の脳は実際にはなくなってしまった体の一部を埋め合わせて感じ取る能力に長けている。例え
ば、切断されてしまった腕がまだそこにあるように痛みを感じるという症例は多く報告されている。それと同様のことがスーツを着用して歩行訓練を行う麻痺患者にも働くという。
「ゆっくり歩けば砂の上を歩いているような、速く歩けば草の上を、もっと速く歩けば熱いアスファルトの上を歩いているような感覚を覚える」。
↑アカゲザルの脳の運動皮質に電極を埋め込み、そこから送られる信号をコンピュータが受け取り、空気圧で動くパワーアシストスーツを操作してサルを歩行させる。デューク大学のミゲル・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏のチー
ムは、これと似たような装置を開発して、身体の麻痺した人間が再び歩けるようになる研究に取り組んでいる。
Photograph by Robert Clark / National Geographic Creative