知識と知恵といたわりの心
例えば動物の肉や臓物、はちみつ、昆虫などほとんどすべての食べ物に対して、それぞれグラム単位でどれだけのカロリーがあるかなど、その知識の深さには脱帽です。
女性の仕事は主に植物や両生類を捕まえることで、男性は魚やカンガルーなどの狩りに行くことだそうです。 調理方法は焼いたり生で食べたり様々ですが、主に若い女性やお年寄り、妊婦さんに栄養が十分足りるように考慮して食事の準備をするそうです。
そして、このブッシュタッカーは栄養満点。特にプロテイン、食物繊維、微量栄養素をどれも豊富に含んでいるのですから最高にヘルシーな食事と言えますね。
それでは本題の食べてパワー全開!元気になる 「ブッシュタッカー」ご紹介します!
1.フルーツ編
Bush banana - 若いものは生で、熟れてきたら調理して食べます。木の上方に絡まるように伸びるくねくねした蔦を見つけたら、このバナナがあるかも!
Bush tomato - 砂漠に住む住人ととっては欠かせないトマト。ミネラルが豊富で生でも乾燥してもおいしい。
Cocky apple - カリンに似た味が美味。 年に一度綺麗なピンクと白の花を咲かせ、根っこは魚釣りのエサとして使うそうです。
Fingersop-長い楕円形のキュウリのような皮が特徴。 カスタードアップルの仲間でアプリコットに味が似ています。 このカタチからは想像つきませんね!
Green plum - 別名ワイルドマンゴー。 グレー色っぽい樹皮に、似たような色の葉を見つけたら、もしかしたらこの木かも。 時期が来るとクリーム色の綺麗な花をいっぱいに咲かせます。サイズ的には通常のマンゴーを一回り小さくしたもの。 黄緑色になったら食べごろです!
Kakadu Plum - 別目Billy Goat Plum. とっても甘い香りのするプラムの一種。 この木を見つけるための目印は、明るい緑の葉にクリーム色っぽいグレー色の樹皮。なんとオレンジより50倍のビタミンがあるそうですよ。
Pandanas - オーストラリアの北方に見られ、8月から1月にかけて食すことができます。 パイナップルの木に似てますが味はキャベツのよう。 写真のように実が6つほどに分かれているので、1つづつとって生かローストして食べます。
Quandong - 光るように真っ赤な色をしたQuandang. クリーム色の花を咲かせ、木の枝の房に実をつけます。 少しすっぱいですがBush Appleより甘く栄養価が高いフルーツの1つです。
Wild Grape - ダーウィン地方を中心に広く見られます。 グレープはもうお馴染みですね。
Wild passionfruit - 1年中食べられます。 甘酸っぱくさっぱりした食感がいいですね。 ただ、この実の上を覆う短くて黄色の毛のようなものは、皮膚に触れるとかゆくなったりすることがあるのでご注意を。
2.葉っぱ編
Matt rush - ハーブの一種。 ひものような長い葉をもち、噛んで水分やデンプン質をとります。またこの葉を使って、カバンやバスケットを作ったりもします。
New Zealand spinich - ほうれん草ですね。生でもよし、調理してもよしです。 オーストラリア原産ですが今では世界数か国で食することができます。
Pigaface - ピッグフェイスはオーストラリア全土で見られます。 葉っぱ部分は生でも調理してもOKです。
Swordgrass - シャープに尖った葉っぱが特徴です。 この葉からデンプンがとれます。生でも調理してもOKです。
Scurvy weed - 雑草にしては色が綺麗ですね。 この葉部分が食べれるところで、生でも調理してもOKです。 ビタミンCを豊富に含み疲労回復に効果がありそうですね。
3.蜜編
Banksta - 別名 ハニーサックル。 花の蜜を直接吸ってもよし、水に混ぜて飲んでもOKです。
花の先に赤っぽいとんがりがあり、固い袋果が特徴です。 甘くておいしそう。
Corkwood tree - クリーム色の花びらが特徴。蜜を水に混ぜてもOKですが、大胆に花の蜜を直接吸って本物のブッシュスタイルを味わうのもよいのでは?
Typha - ホタルイ属の一種。塊根部からデンプン質がとれますが、麦と同様にグルテンも含んでいます。 質の高い甘い蜜はパテやケーキによく使われます。 その他やけどをした時の消毒薬として使われたり、虫よけに使われたりするので、とても万能な植物と言えますね。
Grass Tree - 短い幹に大きくて細い葉っぱが上部に広がっています。 背高のっぽの花茎と白茶の花が特徴です。蜜はそのまま直に擦ってもよし、水に混ぜてもよし! 幹からとれる樹脂はのりとして、また火を起こす際のスターターとして使われるそうです。
4.根っこ編
Long Yam - 山芋の一種。 主に熱帯雨林地方でよく見られます。ヤムの葉が黄色になる頃が食べ時です。 煮たり焼いたりと食べ方は様々。 形も長さも様々です。
Water lily - 水辺の至るところで見られます。 塊根部は生で調理しても食べれます。
また薬用としては、おなかが調子がイマイチな時はその作用を和らげる効果もあります。
ただ、採取する時はクロコダイルに充分ご注意を!
Common fringed lily - 別名Fringed violet 房のあるユリですね。 バイオレット色が綺麗です。 50cmほどある茎が特徴で花は1日しかもちません。 塊根部は生でも調理してもGOOD.
そのマイルドなフレーバーが好評だそうです。
5.種編
Wattle seeds - オーストラリアの代表的な木、ワトル。別名アカシア。 種類は1000近くあり、種は蒸すか小麦粉に擦って混ぜて食します。 ほんのり苦く、ナッツ風味。 その風味を生かしパンなどを焼く時に混ぜたりします。
Water lily - 塊根部と同様、種も食べられます。Water lily 引っ張りだこですね。
6.スパイス編
Wild hibiscus - 自然な甘さが自慢で、他のハーブやスパイスとの相性も抜群です。
Pepperberry - 下にピりっとくる辛さが特徴。 しかしビックリその後味はとってもスッキリ!ミネラルウオーターの飲んだあとのようにサッパリするそうです。
Lemon myrtle - オーストラリアでも1,2を争うほど人気のスパイス。 ブッシュタッカーとしても
とても有名です。紅茶に入れてレモンティーにしたり、シーフードやサラダにも相性抜群です。
Ground bush tomato - 別名Akatjurra。 匂いのきついドライトマトです。トマトの種類は
キャラメルトマトやコダチトマトなどです。 ソースやディップにするのが一般的です。
Strawberry gum - この木の葉はストロベリーとパッションフルーツに似た香りがします。
ディップやチャツネなどにして食べたり、香りを添える調味料としても使用します。
Lemon Ironbark - 花の色はローズマリーそっくり。樹皮からはシトラスの香りがします。
葉部分はエッセンシャルオイルとして、またハーブティーとしてもおいしくいただけます。
Broad-leaved paperbark - 種はスパイスとして、また葉は浸出して頭痛薬や風薬として使われます。
7.その他
Witchetty grub - 比較的大きい白い幼虫。木を食べます。 ブッシュタッカーとしてとても有名。
豊富なタンパク源として砂漠などに住んでいる人達には貴重な食べ物です。 味はアーモンドとチキンと卵焼きを混ぜたような感じ?だそうです。
Honey - ハチミツですね。 勿論ブッシュタッカーには欠かせません。
Animal meat - エミュー、七面鳥、ポッサム、イグアナ、ヘビ、トカゲやアリクイなどの肉類です。 主食となる食品ですね。
Honey ants とそれを見つけるアボリジニの女性
MulgaTreeという木の下にある蟻の巣からこのHoney antsを集めて蜜を食べます。
木の下深さ1m~2mのところまで掘れば巣は間違いなくあるので、両手いっぱいのHoney antsを捕まえることができます。 このアリはおなかの中に蜜を蓄えることができるんです。 破裂しそう!
8.番外編
薬としてのブッシュタッカー
食べるだけではなく薬としても力を発揮するのがブッシュタッカー。 レモンマートル、紅茶の木、ユーカリプティスオイル、カカデュープラムなど薬として使われるものを多くあります。
ゴートフットなどの植物は煮立てて塗り薬としてします。
レモンマートルをつぶしたもの。 現在でも薬として活躍
小さい時に、祖母が ”カルシウムがあるから食べなさい” といって皿にもってくれた 「バッタの甘露煮」 思い出しました。 アボリジニの人達はまさに生きる知恵の宝庫であります。
それより、皆さんこの中で一度試してみたいブッシュタッカーありましたか? そういう方はぜひオーストラリアのアウトバックへGO! 都会の喧騒を離れて100%自然の中に身を置くのもよいのでは?