一方、ミルウォーキ-北側から、その半島の頭部分まで伸びるミシガン湖海洋保護区では、1830年から1918年の間に造船された39の「幽霊船」が見られます。
「どれも捨てられた廃船ばかり」 歴史家であり海底環境保護の権威Donald Shomette氏はそう語っています。 そして、「どの船も第1次世界大戦時に造られたもの。でも実際は使用されずそのまま放置されてしまった。 多くの人がこの船から使える部品などを取り外し持って帰った。だから、ゴミ当然なんだ」 と寂しく付け加えました。 これから、どう変わるのでしょうか?
この保護区の目的。それは「アメリカ連邦政府」が手掛ける一つの政策として、人々に受け入れられること。 今までこれらの廃船が「ゴミ」当然の扱いを受けていた、その事実から脱却することに期待が寄せられているのです。 今までは、Mallow湾と聞いてアメリカ国民が思い浮かべること、それは「無数の不気味な幽霊船」。 これから、どう変わるのでしょうか?
また、この湾には水中のバクテリアなどを食べて水を綺麗にしてくれるゼブラ貝やクアッガ貝が住み着くようになってから、今まではぼやけていた不気味な幽霊船がはっきりと現われるようになりました。 そんなこともきっかけになり、保護区認定への動きが高まったとも言われています。
保護区認定へのNOAAの本当の目的はは? それは、やはりツーリズム効果と言って良いでしょう。 歴史探求の旅と題して、多くの観光客を引っ張る!そんな期待も大きいようです。
1.鳥御殿
Benzonia は今や鳥が卵を産み付ける「鳥御殿」に変身。 歴史家のDonald Shomette氏が2年前に訪れた時の様子を 「卵が至る処に転がっていたので、足場に苦労した」 と語りました。
2.植物が占領
Mallows湾に寂しい姿を残す船。 植物が船を占領し、まるで「島」のよう。ここにはビーバーやカワウソなどが住み着いていて、人々は冗談交じりに「花瓶」と呼んだりしています。
3.湾岸に並ぶ船
湾に沿って並ぶ多くの廃船。 植物が多い茂り写真では葉っぱのような形に見えます。第二次世界大戦中にここは戦場と化し、船から船目がけて銃撃戦が繰り広げられ、100名程いた戦士達は皆命を落としました。
4.ヴァーチャル・ツアー
水中カメラを搭載したポンツーン(人工の平底浮桟橋)でMallow湾の海底を調査する動きが、並行して行われています。その映像は近日公開!楽しみですね。
Chesapeak 保護組合とメリーランド自然保護団体は「Mallow湾は歴史探求と野生動物の観察、両方ににふさわしい場所」と主張しました。
5.沈没王
Gallinipper は最も古い廃船として知られています。1833年製造。10年後沈没。一旦引き上げられて再建されましたが、1851年に再び沈没。なんと不幸な船なのでしょうか。
6.Byron 海底王
ミシガン湖に沈んで一番長いのがByronでしょう。 1849年製造され1867年月8日に沈没しました。
数多くの船が沈没している事実を見ても、ミシガン湖を船で下るのが困難だということがわかります。
7.ブイで位置表示
Walter B Allen号。 1866年に製造。 沈没した場所にブイを浮かせているので、この沈没船がどこに位置しているかわかります。何かが引っかかってから「あ、何かこの下にある!」では遅いということです。
8.良い状態で保護
S.C.Baldwin 号。 1871年に製造。世界で初めての二階建て木造船です。 ミシガン湖に眠る沈没船のほとんどが、予想以上に良い状態で残っています。
9.
10.
11.
12.
13.
ゴミ当然の廃船現場から、国が認定する海洋保護区内でのオブジェクトにランクアップ。これからどのようなツーリズム効果が表れるのか興味が沸くところですね。
[via:
smithsonianmag]