
垂直な岸壁に連なる恐竜の足跡5000個! ボリビアに残された奇跡に衝撃
ボリビア・Sucre市の郊外にあるセメント工場。採石場を拡張する作業の最中に、作業員が発見したものは恐竜の足跡でした。遠目でもはっきりわかる恐竜の足跡は垂直の岸壁にギッシリと詰まっているいます。そして驚くのはその足跡の数で、何と総数は5000個に上ります。この採石場はCal Orcko 又はCal Orkoと呼ばれ、現在、世界で最も大きな範囲で残された恐竜の足跡として話題を呼んでいます。
石灰石の壁は巨大で長さ1.2㎞、高さ80m。そして足跡は地学的には白亜期後半である1億4千5百万年前~6,550万年前にできたとみられています。ティラノザウルスや多くの恐竜が活躍し始めた、あの時代ですね。
足跡の数は5000個に上りますが、辿った痕跡(道筋)は462本。 もともとこの場所は湖があり、草食・肉食恐竜が多く住んでいて、ぬかるみの柔らかい土の中を、食べ物を探して走り回り、深い足跡の溝が至るところに残りました。その後、干ばつ期が訪れ、水が渇き切り表面が固まり、再度雨季が訪れその上にどろで溜まり・・・・この周期が7回繰り返されたおかげで、土壌下の足跡はしっかりそのままの状態で残りました。 でも、どうして垂直なのでしょうか?
実は、足跡の残ったフラットな平地が長年に渡る地殻変動によって隆起され、このような垂直の状態に押し上げられたからなのです。

恐竜の足跡がこのCal Orckoで最初に見つかったのは1985年のこと。スイスの古生物学者Christian Meyer氏によって発見され、公式に「恐竜の足跡が発見された地層」として認定されました。
今回の5000個の足跡の発見を含め多くの研究が進められました。例えば、大きな足跡の真横に小さな足跡が並んで残っているもの。これは親のティラノザウルスが赤ちゃんを守りながら一緒に歩いていた証拠で、347mに及んでいました。
そして、リサーチチームはこの赤ちゃんT-Rexに、スコッチウィスキーで有名な ”Johnny Walker-ジョニー・ウォーカー”とニックネームをつけたそうです。 愛着を感じますね。
一気に話題を呼んだCal Orko。 この採石場では他にも違った恐竜の足跡が発見され、2006年に一般公開されました。ここでも150mの高さに真っ直ぐに伸びる足跡に、毎日多くの恐竜ファンが魅了されています。
