2: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:37:47.49 ID:27FbfFul
弟君の多重人格発覚は私が7才の頃まで遡ります。
話していると時折、弟君の眼球が痙攣し突然黙ります
話している会話の途中でも
眼球が小刻みに痙攣
その間は言葉が止まり
痙攣が終わると続きから話しはじめます。
それを気持ち悪く思った私が
母にその事を報告し、母が「何をしているの?」と聞いた時に弟君が
「お話しているの」と答えた時から始まります。
4: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:40:26.48 ID:JZFv47en
現在38歳で発覚から30年って事は8歳
その時の姉が7歳?
12: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:08:03.25 ID:27FbfFul
>>4
「約30年」
「約」ね おかしい、変だな?と思い初めてたのは
ずっと前ですよ
私が7才だから
弟君が4才になるかならないかぐらい
5: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:41:06.42 ID:27FbfFul
母:「誰とお話しているの?」
弟君:「ナナミちゃんとお話してるの」
母はギョッとした様子で
目を丸くし、言葉に詰まっていましたが
私はナナミちゃんはきっと空想上のお友達か何かなんだろうと思っていました。
今思えばこのナナミちゃんが最初の人格だったのかもしれません
8: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:43:25.85 ID:27FbfFul
人が多い所や賑やかな所
華やかだったり、うるさかったりすると
ナナミちゃんは現れます
きっと大人しい弟君はそういった雰囲気が苦手なのでしょう
目が痙攣したと思うと
今まで「僕ね」と言っていた弟君が
「あたしね」と一人称が変わるので分かりやすいです
ナナミちゃんは明るくて社交的
誰にでも「あたしね」と話しかけ
面白おかしく水を得た魚のように会話が出来
人を楽しませます。
最初は見た目が男の子なのに「あたし、あたし」と言うので
「????」となっていますが
彼?彼女?と話すと数分でみんなを笑顔にしてしまう雰囲気がありました
テレビ番組で女性アイドルが出てくれば
おもちゃのマイクでそっくりな振り付けを見せてくれたりもしました。
9: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:45:33.80 ID:27FbfFul
親は精神科へ弟君を連れていきますが
その時は異常なし、本人の個性と診断されます。
弟君とナナミちゃんが記憶を共有出来ること
瞬時に何度でも入れ代わり、まるで使い分けしているかのような姿はナナミちゃんは人格ではなく、苦手な事を本人がそう演じる事でこなしていると判断されました。
今まで「あのね、僕ね」と話していた弟君が「あたしね」と話しだしてもそれは個性であると…
母は安堵していましたが
父親はナナミちゃんをケダモノを見るような目でみつめ忌み嫌っていましたし
ナナミちゃんを見る度に「気持ち悪い」とつぶやいていました
それ以来、父親が空手を習わせはじめます
健全な肉体には健全な精神
父親の考えから始まった空手の習い事
これが弟君の中で第三の人格
ずる賢くて、狡猾で冷たい
私の大嫌いな人格 レンを生み出してしまうきっかけとなってしまいます。
10: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:48:05.41 ID:27FbfFul
空手へ通い出しても行くのを「いやだ、いやだ」と泣いて嫌がります
母に手を引っ張って連れていかれ日曜も、ぐするのを無理矢理、お父さんが車に乗せて連れて行きました
すると、ある時から嫌がる事も泣くこともしなくなり
空手の時間が迫ると、弟君は無表情になりました
両親はやっと慣れてくれたのかと胸を撫で下ろしていましたが私にはおぼろげに分かっていました
その時には弟君の中には守護人格「レン」が生まれていました
大人しい弟君が、空手に行くとなるとレンに変わりものすごく嫌な子になってしまいます
狡猾で姑息なレンは先生の前では言うことを聞き、見ていない所では自分より力の無い子に容赦なく一方的に襲い掛かり、自分より力が強く、身体の大きな子にはペコペコしてばかり
先生が見ていないとすぐにサボり
数をごまかし、平気で嘘を付きます。
11: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 11:51:03.74 ID:27FbfFul
2階の部屋で遊んでいて言い合いになり弟を突き飛ばした時にレンへと入れ代わり
ごめんなさいをしてきたので、納得した私が階段を下りはじめるのをじっと待っておもいっきり蹴られ1階へと突き落とされ手首を捻り、前歯が折れました
階段の下で悶絶する私を上が見下ろすレンの恐ろしい目と片方だけ吊り上げて笑う姿は忘れる事はありません…
13: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:08:33.71 ID:gvk2BeyJ
眼球が揺れるのはてんかん発作じゃね?
17: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:19:22.38 ID:27FbfFul
>>13
脳内で交信?会話?中は眼球が小刻みに揺れます
見たこともない動きですので初めて見た人は驚くと思いますよ
19: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:21:36.87 ID:27FbfFul
わかりにくいかもしれませんが弟君の中はマンションのようになっています。
弟君とナナミちゃんは例えるなら相部屋、ルームシェアをしている状態で必要な方が玄関で対応
もう片方はリビングで玄関の様子を見る事も途中で会話に入る事も可能です。
20: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:22:37.71 ID:27FbfFul
隣の部屋に住むレンは個室
それもマジックミラー越しに弟君とナナミちゃんの様子を知る事も出来、声も聞こえますが弟君とナナミちゃんからは伺い知る事が出来ません。
つまり、レン状態はナナミちゃんとは違いレンでいた時の記憶を弟君は無いまたは、ほぼ無い状態
ナナミちゃんと違い本人である弟君ですらレンへ意思疎通所か存在すら認識出来ていない事に私も子供ながらにゾッとしました。
21: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:24:26.08 ID:27FbfFul
私が階段から突き落とされ、怪我をした事でレンの存在を両親も知り、激怒したお父さんが弟君を叱り付けますが弟君には記憶が無く、当時、多重人格の知識も無いお父さんは弟君を叩いてしまいました。
弟君の口から泣きじゃくりながら
「あたしも弟君も何もしていない」と
ナナミちゃんに入れ代わりますますお父さんを怒らせ
見たことが無い形相で弟君を投げ飛ばし蹴ろうとするお父さんを、弟を上から母が覆いかぶさって
「私が悪いから、私のせいでこうなったから止めてあげて」守っていました。
以後 随分と長い間弟君は父親が視界に入るとレンに入れ代わってしまい一切、話をしなくなってしまいました。
23: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:32:10.39 ID:X3jOtcJ7
ナナミが出てきたのも父ちゃんが原因なのか?
24: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:34:50.46 ID:27FbfFul
それから何軒も何軒もクリニックや精神科などを母と弟君は何軒も何軒も巡り続け
1日に3軒まわった事もありました
家から2時間ほどかかる大病院で初めて弟君は 解離性同一性障害(DID)であると診断されます。
お母さんの話をよく聞い下さった担当医さんがわざと弟君を罵倒しひっぱたいて守護人格のレンを呼び出し、あばれるレンを看護師さん数人で押さえ付けて冷静にさせてから質問するとこでやっと記憶にほぼ無く、意思疎通の出来ない人格と接触する事が出来て解離性同一性障害と確認出来たそうです。
25: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 12:36:32.64 ID:27FbfFul
その時の事を後々に母は
「ケモノか、何かに憑依されたみたいだった」
「我が子ながら恐ろしいかったけど
病名が付いて不思議と安心した」と言っていました。
ただ本人(当時小学校4年生)には多重人格者とは言わず
記憶が途切れたりするのも発達に問題がある発達の障害のようなものと説明していたようです。
26: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 13:10:19.47 ID:27FbfFul
その担当医が言うには
ものすごく嫌な事、事故や事件によって多重人格者になってしまう人もいるが、たまたま持って生まれた素質による所が多いこと
実際に私から弟君の日常生活を知る名目で病院に呼ばれ、看護師さんやお医者さんから
私や弟君が性的虐待を受けていないか?受けている様子は無いか?などを優しく遠回しに何度も質問されたのを覚えています。
もちろん私はありませんでしたし弟君にもない
弟君の多重人格は本当に持って生まれて来た個性なのかもしれないと思いはじめました。
27: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 13:14:00.50 ID:27FbfFul
病名が付いた事でこの時から解離性同一性障害と弟君の戦いが始まりました
本人は発達の障害だと思っていますがナナミちゃんの存在が早くから自分は普通ではないのだと認識はしていたようです
治療はまず落ち着かせる事でした
怒ったり、興奮したり、イライラしないよう
飲み薬で心を落ち着かせ
ゆとりを持たせ、刺激の有るようなゲームや映画は禁止ではなく遠退くように
他のおもろい事、小説やボードゲーム、パズルやクロスワードなどにすり替えていくようにしていました
日々、経過を観察し3週間に一度、病院へ行き担当医と話す
基本的にはこの繰り返しです
28: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 13:56:50.07 ID:27FbfFul
1年ぐらい通ったでしょうか
ひょっとしたら長く感じただけかもしれませんがそのあたりは曖昧です
ある日、母が私に
「ナナミちゃんを今度、統合する事になった」と話してきました
脳内で会話が出来て、記憶も共有化されている人格なら
割と簡単に統合する事が出来るような事を言っていたと思います。
29: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 13:58:46.17 ID:27FbfFul
私はナナミちゃんよりはレンを消して欲しかったのですが
取り分け父親がナナミちゃんを気持ち悪るがるのと
ナナミちゃんをきっかけにレンの統合も進むのではないかと淡い期待もありました
個人的にナナミちゃんは妹のような気がしていたので淋しさももちろんあり、大きく賛成はしませんでしたが個人的な思いはこの際おいておいて流れに任せていました。
30: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:01:26.12 ID:27FbfFul
結果的に統合は大失敗
統合される危険を感じたナナミちゃんと弟君は守護人格のレンへと切り替わり
病院内で大暴れ
母に何故そんな事をするの!とくってかかり、病院を脱走
病院職員さんや警察官さんの手までわずらわせて数時間後にやっと河川敷を歩いている所を保護される事態となってしまいました。
帰宅した母は疲労困憊しており、腕や顔には引っかき傷と噛み付かれた跡
母の顔にまで噛み付いた歯型は頬を貫いていました
母だけでなく、担当医さんも看護師さんも同じように引っかき傷や噛み付いて歯が食い込んだ傷が出来てしまったそうです。
31: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:03:42.84 ID:27FbfFul
弟君も帰宅しました
落ち着いているようでしたがやはり様子がおかしいので話してみると弟君は第四の人格、全てに無関心な本の虫 ヒロを生み出していました。
統合するどころか新しい人格まで生んでしまった結果に母は意気消沈し
それから半年以上の間炊事や家事、洗濯はもとより弟君を病院へ連れて行く事も、買い物に出る事も出来ない抜け殻となってしまいます
32: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:04:43.21 ID:27FbfFul
弟君は口癖が「へぇーそうなんだ」の感情の乏しいヒロでいる時間がほとんどを占め
遊びにも行かず、学校にも隙を見てはいかない本ばかり読んでいる状態
父はその状況から逃げるように仕事が忙しい仕事が忙しいとばかり言っていました。
私もそんな家が嫌でバイトに力を入れこの家を出ようと貯金をはじめていました
33: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:05:37.25 ID:27FbfFul
家族の誰もが家族を見据えない
みんながみんなを見て見ぬ振りをし、無視しあっている状態
長く暗いトンネルの中に引き込まれたようでした。
34: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:07:02.49 ID:27FbfFul
母の妹、私からみて叔母のエミ叔母様から呼び出されたのはものすごく暑い夏の日でした。
母も弟君も父親も相変わらずな状態を憂いたのか叔母の家に久々に呼ばれ顔を出しました
弟君は中学3年生、
進路や将来を考えないといけない時期に差し掛かりましたが母も父親も三者面談すら行っておらず、当人である弟君も日常のほとんどをヒロで過ごし、変わらず本ばかり読んでいる状態でした。
35: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:09:08.08 ID:27FbfFul
病院での一件以来時が止まったような家
草も生え放題で荒れていました
叔母様に現状を聞かれたのでその事を話しし、私は短大を出たら家を出たい
その為にアルバイトしている事、あの家にはいたくない事を叔母様に伝えました。
叔母様は一通り話を聞いてはくれましたが、家を出るのは反対で私が家を出たら弟君はどうするのか?と聞いてきました。
大人しくて、心優しい弟君
明るくて、活発、面白いナナミちゃん
その二人ならみてあげれる事は出来るかもしれないけれど、レンやヒロとは生活なんて出来ない
いつそうなるか分からない弟君を姉弟だからといって面倒を見る事が正直出来ないと伝えると
叔母様は
弟君の秘密、人格が分裂しはじめたわけをゆっくりと話してくれました…。
36: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:34:39.27 ID:K3wNwvTz
見てるよ
38: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 14:52:44.89 ID:27FbfFul
家のお仏壇を見たことがある?と叔母様から聞かれました
もちろん場所は知っており、気がついた時にお水を取り替えたりもしますが、そんなにマジマジと見たことはありませんでした。
叔母様の話しでは私が4才、弟君が2才の手前ぐらい時に弟君からすると妹が生まれたそうです(私のその記憶がありません…)
21週目と、かなりの早産で生まれ、2日というあまに短い命だったそうです。
39: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:11:25.44 ID:xsteqeAQ
読んでるよ
41: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:15:46.03 ID:27FbfFul
両親はとてもとても悲しみましたが弟がまだ小さい事もあり、悲しんでばかりもいられないと一念発起したそうです
しかし、幼い私は母を弟君と亡くなってしまった妹に取られるのが嫌で
いなくなった事を喜び弟君にも「いなくなれ、いなくなれ」と言っていたそうです
42: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:16:20.66 ID:27FbfFul
私の記憶にそんな事を言っていた覚えも、妹が生まれ記憶もありませんでしたが
叔母様の中ではそうやって繰り返し私が言っていたのが弟君の人格が分裂したきっかけの一つと言われました
両親はそれがきっかけであると私に責任を感じさせないように叔母様や親戚にも口止めをしていたようです。
43: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:17:07.93 ID:27FbfFul
子供のやった事とはいえ
ひょっとしたら妹が亡くなったのも、弟君の心が壊れているのも、私がきっかけではないか?
その他の話は耳に入らず放心状態で帰宅した私はお仏壇の前に座り、手を合わせてから
沢山ある位牌の中から比較的新しいひときわ小さな位牌を手に取り
何気なく裏側を見て頭をハンマーで殴られるような衝撃と全身に鳥肌が立ちました。
45: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:38:20.62 ID:27FbfFul
お位牌の裏には亡くなった日付と共に
「高橋 奈々実」とありました。
初めて弟君の言動に母が質問した時に「ナナミちゃんと話しているの」と答えた時
母がギョッとした仕草をしたのも、父親がどうしてナナミちゃんを毛嫌いし遠ざけ、不機嫌になるのか
激怒した父親が弟君を踏み付けようとした時に母が弟君に覆いかぶさり
「私のせいだから 私が悪いから」とどうして言ったのか
長い月日の間の腑に落ちなかった部分
46: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:39:03.19 ID:27FbfFul
私の前では常に常に明るくて元気な姿でナナミちゃんがいるのは
亡くなった事をよろこんだ幼い日の私に必要と思われたいナナミちゃんの魂が弟君に入ったのかもしれません
弟君に繰り返しいなくなれと伝えた為に、私に必要とされる自分を探した結果、弟君の人格が壊れてしまったのではないか?
家族が互いに感心を持たなくなってしまった全てのきっかけが私にあったかもしれない事実を知って私は泣き崩れてしまいました
47: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:39:40.05 ID:Lb2ZLm5x
うわあ
48: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:40:10.82 ID:27FbfFul
泣き声が聞こえたのか母が「どうしたの?大丈夫?」と声をかけてくれました
私は叔母様から話を聞いた事、位牌を見た事を伝え
全ての責任が私にある事を母に伝え心から謝罪しましたが母は
「あなたのせいで弟君がこうなったわけじゃないから」と慰めてくれました
49: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:41:16.38 ID:27FbfFul
私は涙を流しながら2階に上がり
弟君の部屋を開けるとベッドで本を読んでるヒロに「こんな事は言った事は無いけれどナナミちゃんと変わって!」と叫ぶと
弟君の眼球が痙攣し今まで物を見るような目付きから、にんまりともニッコリとも受け取れる優しい目付きなり
「どうしたの?お姉ちゃん?どうして泣いてるの?」とナナミちゃんが駆け寄って優しくハグをしてくれました
私は今まで知らなかった事や幼い日の私がしてしまった事、それは幼心から出た過ちであって今はそんな事を毛頭思ってもいない事
過去の私と、家族関係から無関心になった私を許して欲しいとナナミちゃんに心から謝りましたが途中でヒロへと変わってしまっていました。
50: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:44:49.86 ID:27FbfFul
スーパーめんどくさそうにヒロは教えてくれました
「ナナミは気にしていないよ」と
それでも、そういった事があった事、お前もいなくなれと言われた事を弟君の記憶から遮断する為にナナミちゃんがいる事
記憶の共有化はしてあってもナナミちゃんや他の人格が伺い知れて、弟君には覗けない領域に私が起こしてしまった悲劇は隔離されている事
病院でレンが大暴れしたのもナナミと弟君を統合すると、その記憶が弟君から見れてしまうからレンが逃げ出し、このままで3人格では生きていけないであろうと思い、ナナミが自分を産んだ事などを伝えてくれました。
「だからナナミと弟君を一つには出来ない。」
51: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:46:15.94 ID:27FbfFul
思いだせばナナミちゃんの状態でも「押忍!」と男の子に近づくよう強要した空手の時にレンが生まれ、弟君とナナミちゃんを統合する時にもレンが二人を身を呈して不器用にも守っていたのかもしれません
私の浅はかな行為で弟君の心や人生を壊してしまった
それをもっと小さな頃に私が知っていたら私の心も壊れていたかもしれない
両親はその原因を隠しながらなんとか今日この日までやってきたんだと思うと申し訳ないと同時に
ワタシはイモウトもオトウトもリョウシンすらもワタシがコロシテシマッタ
そういう思いが頭をかすめ闇に引きずりこまれそうでした。
52: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:48:10.14 ID:27FbfFul
起こしてしまった悲劇にさいなまれながらも、私は家族がもう一度、向き合えるようにするべく尽力しました。
うっとうしい、ウザイと言われながらもヒロと話しては関係性を持ち、母任せにはせず上手くはありませんが料理や掃除をして母を助け、父親には全てを知った事、何故父親がナナミちゃんを嫌うのかは分かるけれどそれも弟君であり、悪いのはナナミちゃんではなく私であると何度も話し合いました。
53: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:49:07.39 ID:27FbfFul
私は罪の意識からかもしれませんが家族が向き合えるよう努力し、その結果が出始めてはいました。
会話が増え、家族で食事に行き誕生日を祝い合う
でも少し遅かったようで、弟君の同級生達は進路が決まり弟君だけが高校へは進学出来ない時期までかかってしまいました。
54: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:49:36.09 ID:27FbfFul
また、私のせいで弟君の人生が上手く進みませんでした
でもヒロは言います
「全ての計画は俺の頭の中にある、しばらくはバイトをするが何も問題はない」
余りに自信たっぷりに話すためその計画を両親も私も聞かないまま弟君は中卒として、社会に出ました。
55: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:50:23.16 ID:27FbfFul
その後のヒロの行動力は圧巻でした
自ら履歴書を持って、自転車で職業安定所に行き
当然ながら一昨日中学校を卒業した子を雇ってくれる所など無いはずがその日に面接を受け、二日後には病院の清掃などを受けおう会社で働きに行き始め
2週間後には「気に入られた」と毎日同じ病院へ向かうようになり、翌月末に5万円と母の大好きなシューアイスを山ほど買ってきました
どうやらヒロは勤勉のようです
朝は同じ時間に起き、コーンフレークを食べ身支度を整えると自転車で病院へ
夕方「疲れた」と帰ってきては作業着を洗濯し、夕食後は部屋で何やら本を読み
休みの日は図書館へ向かう生活でした。
物を言わないですし、全てに無関心のヒロがここまでやるとは思ってもおらず、両親も私もヒロと言う人格に感心していました。
56: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 15:57:40.84 ID:27FbfFul
数ヶ月後 たまたま代休で平日に家にいた父親とで、こっそりとヒロである弟君が働く病院へ働く姿を見に行き閉口してしまう驚愕の事実を知ります。
57: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 16:00:26.24 ID:27FbfFul
ってきり、ヒロが働いているものだと思っていましたが、
あの話し方、身振り手振り、あのナヨナヨした感じ
極めつけに「あたしはぁ~」と話す姿
なんと作業着で病院で働いていたのは超クネクネ状態のナナミちゃんでホウキをマイクがわりにキャンデーズ年下の男の子を完璧な振り付けで歌っていました。
58: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 16:01:57.77 ID:27FbfFul
帰宅後ヒロに問い詰めるように聞くと
「道筋は俺が作った」
「病院も清掃員も女の職場だからナナミの方がいいに、決まってるし事実、気に入られて専属的に使ってもらえている」
「そもそも俺は身体を使って働く事に向いていないし、俺が実働しているとも言っていない」
詳しく聞くと一人作業は弟君
ペア以上の作業はナナミちゃんでこなしている事が分かりました
どうやらヒロには自由に人格が入れ代われるバックドアのスイッチを持っており
自分がやりたくない事は真面目な弟君かナナミちゃんにやらせる事が出来るとその時分かりました。
59: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 16:05:20.59 ID:27FbfFul
そのような事件があったり
盲腸で病院で倒れ手術の時に麻酔の効きが悪かったのか
パニクった弟君がレンになって暴れ出してしまったなどもありましたが
弟君は18才までその仕事をし、その間に自動車免許まで取得しました。
61: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 16:41:06.99 ID:x7YWSTze
見てる。
62: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:06:09.93 ID:Hyr9Q+bU
ほ
63: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:09:57.40 ID:27FbfFul
余談ですが病院に清掃で働いている間に弟君には二度彼女が出来ます
まぁ正確には弟君の彼女ではなく二度ともナナミちゃんの彼女なのですが…
おそらくは弟君とヒロ、レンは色々な初めてをナナミちゃんを介して経験したようです
ナナミちゃんが女の子が好きなのにも驚きました…
てっきりナナミちゃんは男の子が好きなのだろうと思っていたので
「あたしは女として女の子が好き」
彼女が家に来たときには家族で顔を見合わせてしまいました。
それ以上の、ナナミちゃんが彼女となにをどうしているのかは考えないようにしました。
64: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:10:40.27 ID:27FbfFul
18才になり車の免許を取得した弟君(ヒロ)は
家族は反対をしましたが仕事を辞めてきます
そして古い軽自動車を買って来てスーツを着てはどこかに出かけて行き
戻って来てはパソコンの前から動かない日々が続きます
叔母様から連絡で分かりましたが、叔父さんが存命の頃に使っていて亡くなってからもそのままにしてあった大きな倉庫をヒロは叔母様から借り受け、何個も大きな段ボールが届いているそうです
65: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:11:46.80 ID:27FbfFul
叔母様の発案で家族全員と叔母様で食事会をし
その時に良く話を聞いてみるとヒロは
「勤めている以上は誰かを儲けさせ搾取され続ける、学歴がない以上は起業する他ない」
「人間が必ず必要な衣食住の内で誰でも出来るのは衣であると考えた」
ヒロは貯めたお金を使って、自分でアポを取り交渉に出かけては卸してくれる会社と話しをして、家に戻ってはそれを販売するサイトを作っていると説明しました
66: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:12:24.55 ID:27FbfFul
そんなもの上手くいくはずもないと父親は馬鹿にしていましたが
いざやりはじめると日々忙しく動きまわっているようでした
弟君とナナミちゃんが…
売っているのは普通の服ではないらしく
普段は必要ないけれど、ある時にはこれでないと仕方ないウェットスーツのようなものを販売しているようですが詳しくは説明されていません
67: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:13:28.24 ID:27FbfFul
以後20年
弟君はその仕事をし株式会社になり
従業員さんを雇うまでになりました
その間付き合った女性がナナミちゃんを嫌がり
ナナミちゃんに「俺」と言うように強要し、レンになってしまったり
好きな子に解離性同一性障害が理解されず嫌われ思い悩んだりした時期もありましたが
この度、弟君もナナミちゃんもヒロもレンもその子が好きという奇跡に近い人と出会い紆余曲折はありましたがめでたく?デキ婚する事になりましたのでこの度、弟君の事を何かに残したいとたどたどしくも長々しいカキコミに至りました
はたして生まれてくる子はどの人格の赤ちゃんなのでしょう?
そこも気になる所ではありますが私の弟君のお話は以上です
68: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:14:29.10 ID:27FbfFul
あなたの側に一人称が度々変わる人はいませんか?
その度に目が痙攣し会話が止まる人はいませんか?
解離性同一性障害さんとの生活は困難を極め、家族がバラバラになるときもあるでしょう
それでも一つ一つの人格にそれぞれ心が備わっていると思います
魂だって一つの器に何個も備わっているのかもしれません
でも一つ一つに向き合わないで下さい
一つ一つに向き合い過ぎると彼や彼女らに引き込まれてしまい、問題の本質が見えなくなります
愛情を持って接するが、引き込まれないラインを保つ事で問題点からブレる事なく対応出来ます
無理にどうこうするのではなく経過を見守り、一人一人の意味合いを受け取ってあげて下さい
私の知らない人格が弟君の中にまだまだあるのかもしれませんが一人として無意味な人格はないのだと思います
69: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 18:15:13.09 ID:27FbfFul
弟君だけなのかもしれませんが、どの人格も「生きる」事に前向きで生きるために必死で戦います
幸いにも一つの身体に一つの人格でいれるあなたは生きる事に前向きですか?
色んなハンデを背負っていても弟君に出来た事はきっとあなたにも可能です
頭の中で批判し反対する人格もいなければ突然自分の身体を別の人格が支配する事もあなたにはないのですから
ありがとうございました。
71: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 19:21:24.17 ID:FAzv9zW8
泣いた
72: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 19:55:06.25 ID:2qoOFHg3
前に兄の話もあった
こんな綺麗に乖離してる例って幾つもあるもんかね
73: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2016/06/30(木) 20:06:04.46 ID:wOwsMyT9
なんか考えさせられるな