先にも書いたように、これは俺が小学校の頃の話だ。
うちの実家は山だらけ畑だらけのド田舎でな、小さい頃は外で駆け回って遊ぶのが当たり前だった。
2kmもの道のりがある学校から帰ってきたら、近所の友達と缶けりするのが毎日の楽しみだった。
この缶けり、実は範囲が友達の家野周り、畑と山含めてかなり広い範囲で行われる。
一回鬼になったら、終わるまで鬼をやり続けなきゃいけないくらい。
人数は5人だから、本当に広すぎた。
で、その日の俺は鬼を免れて、缶が蹴られた瞬間に畑に逃げ込んだ。
この畑は優れもので、友達の家の裏と山道を繋ぐ優れもので、俺は良くここに逃げて攪乱してた。
鬼も、こっちがそこに逃げることを知ってるからどっちかの道を塞ぐんだよ。でも、缶を守らなきゃいけないから深く塞ぐことはできないし、探せないし。
その時は友達の家側を探し始めたから、俺は山に逃げた。
すすきが沢山あるから、まだ小さい俺をうまく隠してくれて、なんなく山の中ほどまで逃げられた。
何回、何十回と缶けりをして逃げこむコース。
見慣れたはずの山道…のはずだった。
だけどその時だけは違う。山に登る道ではなく竹と大きな木がある広場を、山道は繋いでいた。
俺はこんな所あったのか、と好奇心で辺りを見回した。
後ろで友達が見つかった声がする。そこから、缶がある場所が良く見えた。
こちらから見えるなら、向こうからも丸見えなんじゃないか?
あわてて俺は大きな木の幹まで逃げ込んだ。
改めて見ると、小さい俺が三人、手を繋いでやっと囲めるくらいの大きな木だった。
なんだか秘密基地を見つけ出したみたいで小さい俺ははしゃいだ。
でも、いままでどうしてこんな大きな木に気が付かなかったんだろうか?
それは不思議に思っていた。
不思議に思いながらも、好奇心には勝てない。
その木の周りを探検し始めた。缶けりなんかしるか!ってなってた。
そこはやっぱり自分が逃げ込む道とは違う道で、山を知り尽くしてるはずなのに、全く知らない場所だった。
木の周りの竹林も、その先の道も全く知らない。
不安になった俺は、とりあえずみんなの所に帰ろうときた道を帰りはじめた。
大きな木の所まで帰ってくると、少し疲れたから休憩したくなった。
見つかったらそれでいいし、あとでみんなで探検するのも悪くない、とか考えながら、木の幹に座り込んだ。
ふと隣を見てみると、木で出来た小さな家をみつけた。祠ってやつかな?小さい俺はそれを見てリスでも飼うのかと思っていた。
でもそれにしてはくりや柿、お酒なんかが供えられていた。
やっぱりなんかおかしい。そう思ったら山の上から大人がおりてくるのが見えた。
前からあまり山で遊ぶなと煩い大人たちだから、おれはあわてて木の反対側の幹に身体を隠した。
足音が近付く。普段なら降りていく大人たちの足音が、ぴたりと止んだ。
この、真後ろな祠で止まっている。
俺はそう思ってそーっと様子を窺った。
おかしな光景だった。
神主みたいな服を着た大人が一人、スーツを着た大人が二人…。
なによりおかしいのはふるぼけた狐のお面をしていた。
そこで、俺の母親譲りの勘が言った。人間じゃない!って。
そこからは、黙って息を殺すしかなかった。
人間じゃないならあいつらはなんだ、おばけ?とにかく、食べられたくない!
そんなことを考えながら様子を見てると、神主の格好をした奴が供え物を新しくして、見たこともない枝でお祓いみたいなことをはじめた。
なにを言ってるか解らない。日本語じゃないみたいだった。でも最後に、
「村の竜脈とわき水が、枯れないように」
と、いっていた。
その一瞬、風が吹いたかと思うと神主の背中からふさふさが見えた。
多分、尻尾だったと思う。
声というか悲鳴をあげかけるも我慢。もう見たくないとそのまま木に隠れる。
そしたら、神主が目の前にいるの。
俺はパニックで、逃げるとか考えられなかった。
「人間が来てはいけない。木に連れて行かれるぞ」
そう言って、神主は俺をつかみあげて畑の道へと落とした。
頭とか打って痛かったけど、落ちてそこを見上げたらもう神主はいなかった。
びっくりして、また道を駆け上がった。
でも、もう大きな木は、竹林はなかった。
いつもの山道、山頂に上がる道だけだった。
怖くなって坂を降りる。
友達に見つかると、俺はありのままを話した。無論信じて貰えない。
誰かが捕まったのを聞いたと言うことも話した。そしたら友達は、俺を一番にみつけた。ほかは誰も捕まえてないって。
時間がまずおかしかった。缶けりをはじめたのが四時半なのに、時計は35分しかたっていない。
あんなに探検とかしたのに、五分しかたっていないのはありえなかった。
その日、みんなで見に行ったがやっぱり木はなかった。
ここからは、少し厨二臭くなる。
その日の夜。
疲れ切ったのか俺はすぐにゲームもせず寝ついてしまった。
だが、眠りが深くなるにつれ何か聞こえてくる。
お経?
そう、何十の声がお経を上げている。
それが大きくなるにつれ、何かが俺を引っ張るのだ。一つじゃない、沢山の手でだぞ。
でも、俺は起きられなかった。
夢とわかれば、いつも目がさめるのにさめない。
焦るけれど身体は動かない。
声が大きくなるだけ。
助けて!お母さん!助けて!
声だけは出たので何回も叫んだ。
夢は覚めない。
そしたら、違う声が違うお経(後で調べたら陰陽道の祝詞が一番近い)が聞こえてきた。
そしたら次第に何十の呪いのお経が消えていって、引っ張る何かも消えていった。
目は相変わらず開かない。
でもわかった。狐だ。あの神主狐だ。
質問は後で受け付けるつもり。
しばし待たれよ。
狐が近付いてくる。
もうだめだ、そう思った。
いまでも鮮明に覚えてる、夢でこういった。
「幼いからか、やたらと引かれるご様子。あの方ならほうっておきますまい」
そこで、夢はさめた。足や手に、所々掴まれた後を残して。
それから、いままで…。
父にDVされて死にかけたときも、自殺したときも、病気で死にかけたときも、
気を失うと必ず青い炎が見えて助かる。
多分、ほかの何かが自分を死に引っ張りこもうとしてもあの神主狐が守ってくれてるのだと思われる。
素顔も姿ももう見えないけど、小さい頃にあった本当のお話。
さあ、質問を聞こうか
あ、ちなみに夢で叫んだ声は家族誰も聞いていません。
でも朝起きたら声は潰れてました。
ふっしぎー
>>48
はい、生きています。
元気ばりばりです。
>>49
若い男性。でも、それだけじゃ表せない。なんというか、不思議な声だった。
>>50
不明。神主狐しかしっぽ見えてないから二人は人間?なわけないか。
>>52
逸話はあるかはわかりませんが、あの山だけは荒らされないのでよく畑の土を作るのに、土を貰って帰るそうです。
>>55
稲荷伏見はないです。
それとは関係ないですが安部文殊院にはいったことあります。
いなり?あ、山のてっぺんに稲荷神社ありました。
室生調べてみたけど、もろ中山間地の集落って感じのとこだね
そのほかに不思議な体験をしたことはある?
>>60
不思議…
あ、白蛇さんと白鹿さんを見ました。意志があるようにお辞儀してましたよ。
守護神とこんな感じで縁が結ばれるのか
これからも守護してもらえるよう
定期的にお参りするといいかもな
>>63
どこにお参りにいけばいいのか…でも、村の巫女さんに聞いたらもう憑依してるから社は空っぽなんじゃないかとか言ってました。
でも感謝はしてます。
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2012/09/28(金) 06:03:20.18
ID:T+wS3CEC0
>>70
分からないけど近くの稲荷神社かな…
でもちゃんと感謝の気持ちを持ち続ければ
これからもずっと護ってくれると思う
すばらしい守護神大事にしなよ!
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2012/09/28(金) 06:09:10.36
ID:NQeTq+S0i
>>76
…古びたから取り壊しがあったとか、ばあちゃんから聞いた気が…でも実家帰った、いってみます
木に連れて行かれるって君はどういうことだと考える?
>>64
木の養分にされたのかなと思います。昔は多分、守るために人間を生け贄とか、あったのではないかなと
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2012/09/28(金) 06:02:17.66
ID:7pmwUw3C0
>>70
養分か・・なるほど
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
2012/09/28(金) 06:09:10.36
ID:NQeTq+S0i
>>75
はい。龍脈とかの上にあるなら、人くらい食べなきゃできないかなと
>>69
巫女さんだけです。狐憑きとかは年寄りは嫌うから、あまり言わない方がいいって
>>73
年寄りはそういうのに敏感そうだから
話したら大事になってたかもしれないね
>>93
迫害はごめんですからね。昔になんかあったらしいから、曾祖母ちゃんあたりはかなり敏感そうでした
とりあえず新展開が必要だから、木に連れて行ってもらえよ
報告ヨロ
>>78
行けないんですよ、あの木の所へ。
もう、何かが邪魔してるのかも
いけたらまたスレ立てるけど死んだらどうしよう
>>81
遊び半分で行くもんじゃないよ
行けないと思ったらそのまま引き返すべき
変に近寄らないほうがいい
>>82
何かが邪魔してるのかいけないから大丈夫です。食べられるのは嫌だ。
木って不思議だなぁ
俺もさ不思議な体験したりするけど>>1みたいに解明できなくて怖いんだよね
守護霊が木の精?みたいなのだって信じてるんだけど
木にも色々あるのかな
>>80
本来は守っているイメージですけどね。でも、やっぱりお腹は空くから守るために食べちゃうのかもしれないです
不思議だな
でも、どこか温かみのある話しだね
幻かどうかはわからんが>>1の心にはたしかにあるんだな
>>86
巫女のばあちゃんで確信を得ました。でも普段はなんも変わらないから、本当にいてくれてるのかは謎です。
木に連れていかれるっていうその本体では?
でも何かは全く想像つかないな
何気に同い年か
>>92
木の精霊…木に連れて行かれるとは尊敬してたら言わない気がする…
まあ、蛇足ですよね。
>>95
あそこは神聖なわき水が山の奥にあるだけですよ。学校より遠いから、そこではないです
>>102
確かに多いなぁ。学校の近くだけで2つ、範囲広げて5つか
何を祀っていたのかが分かれば全貌は見えてきそうだが・・
>>97
祀るというか、なんというか…
でも、安倍晴明がなんたらかんたらの資料は図書館にありましたよ。
じゃあ、狐様写メ撮ってうpさせてくださいって願いながら眠れ
>>85
イケメンならいいなぁ。
頑張ってみます。
そう言えば、
あの方って誰なんだろうか?とみんなにお聞きしたい。
あの方ならほうっておきますまい。
これだけは、鮮明に残ってて…
あの方は想像の付くものではないことだけは分かる
人間が来ては行けないところに>>1は迷い込んだ
謎の世界のあの人はこれから後にも先にも知る人はでないよ
>>100
そうですよね、やっぱり人間がはいれない場所に俺行きましたよね。
…やっぱり不思議だなぁ
でも知れないのは寂しい
>>103
仮にあの方を知った時が死の時なのかもしれないな
そうならないように守護神を大切にすることと
感謝することだけは怠らないようにしたいね
>>106
はい。大切にしたいし、自分が死ぬときにありがとうって言いたいです。普段から思ってても、なかなか伝わらないだろうから
霊媒体質なんだ…色々見えちゃうのかな
室生調べてたら室生龍穴神社ってのがあるね、龍脈の通り道か
>111
あそこ、だめです。
龍はさておき、なんか集まりやすいみたいですから!
近付いたら大変ですよ、穴に入らないように!
ではみなさん、お付き合いくださりありがとうございました。
今日のMTG大会のために、寝ます。
また面白いことがあればスレをたたせてもらいます
おやすみなさい
なかなか興味深いスレだった
またどこかで
おやすみなさい