Cassaro氏は2011年の著書、"Written in Stone"の中でこう述べています。
『これらのピラミッド文化の全てが、
同じ3つの入り口を持つ「トリプティク・テンプル"Triptych Temple "(三連の神殿)」のパターンを採用しています。さらなる発見は、英雄もしくは神が正面を向き、それぞれの手に似たような物体や動物を持っている「
ゴッドセルフ・アイコン」に関するものです。』

アメリカ・アフリカ・アジア各地の似通った神殿の扉と、ゴッドセルフ・アイコン。実にそっくりです。
■ゴッドセルフ・アイコンCassaro氏の新著、"The Missing Link"では、ゴッドセルフ・アイコンが中心的な役割を担っていた証拠である、
500を超える壮観な証拠画像を掲載されています。それはエジプト、インド、中国、ペルシャ、メキシコ、ペルー、コロンビア、そして古代ヨーロッパなどの実に様々な文明に渡るのです。

十字架のシンボルが何百万人ものキリスト教徒を一つの普遍的な宗教としてまとめていたように、これらゴッドセルフ・アイコンは、我々の古代先祖を同じく束ねていました。

■トリプティク・テンプル古代の似たような芸術や建築(ピラミッド、
持送りアーチ、ミイラづくり)は非常に興味深く、Cassaro氏は多くの同様な建造物を発見できるよう、調査に多大な努力を費やしました。

古代人は共通の知識と、恐らく共通の伝統を共有していました。それではその伝統は今、どのように世界に受け継がれているのでしょうか。
"Written in Stone"によると、中世の
石工ギルドの設立には、これらに関する壮大なストーリーがあります。この石工ギルドは1717年に設立され、
ゴシック様式の大聖堂に埋め込まれた普遍的宗教の失われた秘密を、
司祭から取り戻そうとしていました。彼らは、彼ら自身を「
フリーメイソン」と呼びました。
ゴシック大聖堂によく見られるガーゴイルは、古代エジプトなどでもみられ、キリスト教とは何の関係もありません。それよりもやはり、両側に小さな扉が2つある大きな中央扉、そして中央エントランスホールの両側にある2つの塔を必要とする
ゴシック大聖堂の一般的な設計は、エジプトやメキシコ、ペルー、中国、インドなどにある
異教の神殿の記憶なのです。

両側に2つの小さな扉がある中央扉は、世界中の建築に見られます。
この中央扉は「起源」であり、肉体の「魂」なのです。ちょっと難しい理念ですが、Cassaro氏いわく、2つの扉は魂の両側を囲む2重性をもつ肉体の力であり、そして人生の中で、魂はこれと立ち向かい、克服する必要があります。
このトリプティク・テンプルの普遍的宗教は、フリーメイソンの他に、
ピュティアス騎士団、
スカル&ボーンズ、
シュライナーなど
秘密結社の基盤をつくり、それら全てが
本部に三連扉の入り口を使用しています。

ニューヨークにあるロックフェラー・センターのメインファサードは、現代で最も秘儀的な三連扉の一つです。これは中央の入り口の「神」が、正反対の男女のバランスを取っていることを示しています。注目すべきは、神がフリーメイソンの重要なシンボルである「コンパス」を持っていることです。
(Credit : Wiki)フリーメイソンのシンボル。コンパスが上部に描かれている。

三連扉のファサード。ニューヨーク、ロックフェラー・センター。
三連扉と同じように、ゴッドセルフ・アイコンは
対立する身体の力のバランスを取る英雄の魂を意味し、それぞれの手に対となる物を対称的に持った姿で表されます。
ゴッドセルフ・アイコンは、私たちの中にある対となる対立した力のバランスを瞑想などによって取り、身体的・精神的な力を慎重に磨くことで、内なる強さと霊的な潜在能力を成長させるよう呼びかけています。
Cassaro氏いわく、「一神教や多神教における馴染みのある「外部」の神という概念は、私の考える宗教の真の目的から目を逸らさせるものです。真の目的とは、私たち自身の永遠の人間性を認識し、自身の内部に『神自身』を育てるためのものなのです」
なるほど、自分自身を神とする考えは最近のスピリチュアル界などでも流行っているそうだし、古代のゴッド・セルフや三連扉は、まさにそのことを教えてくれているらしい。
また、Cassaro氏は
スターバックスのロゴマークがゴッドセルフ・アイコンからインスピレーションを得ていると主張しています。

スターバックスのロゴマーク。確かに女性が対になる2つの尾を両手で持っています。
余談ですが、スターバックスのロゴ、昔はこんな感じだったんです。

1971年~1987年のロゴマーク。あらやだお股広げてて卑猥……という批判が増え、今のロゴになったそうです。
ただ、スタバのロゴはその後も数々の変遷を遂げます。
そんなもんだから、スタバの未来のロゴを予想するこんなコラ画像が出回る始末。
(Credit : 9gag.com)だんだん近づいてきます……怖い。
話がそれましたが、フリーメイソンとスターバックスやその他大企業との関連を示すものは多々あり、今でもまことしやかに囁かれているわけです。

美しいバリエーションのゴッドセルフ・アイコンが、ニューヨークの
ロックフェラーセンターでも見れます。「正反対の一対」は左右の喜劇の悲劇の仮面として表現されています。
■黄金時代ゴッドセルフ・アイコンの起源は、先史時代に存在していたかもしれない「母体文化(Mother Culture)」まで遡ることが出来ます。
Cassaro氏は最近の古代文明に関する仮説にこう苦言を呈しています。
「最近、伝統からはずれた研究者の中には、
「技術的に」進んだ文明が古代栄えていた、と主張する人もいます。しかし、これらの研究者は古代人が私たちに伝えようとしたことに注意を向けるよりも、
遠い昔の人たちに考え方を投影するという失敗を犯しています。古代ギリシャの哲学者プラトンは、古代文明について「技術的に」でなく「霊的に」進んだ文明として記述しています。この文明の終焉は、
アトランティス人が彼らの「神性」を識別しなくなったために引き起こされたのです」
■フリーメイソンのゴッドセルフ・アイコンとは
上の画像は、1613年に出版された両性具有的な錬金術の絵画です。REBISの右肩に太陽、左肩に月があります。
REBISは今まで同様、2重性を備えているフリーメイソンのトレーシング・ボード(フリーメイソンの様々なシンボルが描かれた図解)の原型です。
上図のように、REBISのメッセージとは、
2重性を克服することです。それは、
正反対のものの「中心」を見つけ出す古代の習慣などの神秘的な技術によってなし得ることができます。
REBISの左右の手にある直角定規とコンパスは、高度な建造物(ピラミッド、水路や聖堂など)を建てるために使われた道具で、またこの建造物は古代人の「技術的な」な力ではなく、彼らの「霊的」な中心性を示す証として現在まで残っています。
ほとんどのフリーメイソンはこれらのシンボルの意味を理解していません。Cassaro氏の研究によると、「フリーメイソンの失われた秘密」は同時に、「インカ人の失われた秘密」であり、「エジプト人の失われた秘密」でもあるのです。全ての宗教の元である母体文化は、同時に全ての宗教の「失われた秘密」として今もその身を隠しています。
エジプトとペルーのように遠く離れていても、形や意味が同一であるゴッドセルフ・アイコン。これらの「失われた秘密」の鍵を握るのは、ゴッドセルフ・アイコンなのかもしれません。
[via : ancient-origins.net]