Cavity Sam。サムさんが大変なことになっている。
このゲームは身体のパーツをCavity Sam (穴が開いたサムさん)という患者から取り除くというもの。とても集中力がいるゲームです。
ピンセットが穴の鉄部分に触ると彼の鼻が光って音を出します。
トナカイかな?
研究者らは、このゲームを遊んでいる被験者にヘッドフォンから音楽を聴かせました。モーツァルトのピアノソナタからアンダンテ、そしてロックバンド
AC/DCの『Thunderstruck』、または手術室の部屋の音の三つの音楽から一つ流されました。 被験者らのパフォーマンスを測るために、身体の三つのパーツを移動する時間と間違えた回数を数えました。
AC/DC - 『Thunderstruck』 (Official Video)
結果、AC/DCを聴かされていた男性の被験者は、他の二つの曲を聴いていた被験者らよりゲームを終わる時間が遅く、間違いも増えました。『Thunderstruck』で平均38回、ソナタと手術室の音の場合でそれぞれ平均28回の間違いがありました。
どの被験者もゲームを終わらせるにはおおよそ1分ほど必要でした。
しかし、女性にはロックの影響はありませんでした。他の二つを聴かせても特にスピードとパフォーマンスには影響がありませんでした。 一般的に、女性陣はゲームを終わらせるのに少し時間がかかりましたが、間違いの数も少なかったようです。
ロックが男性にだけ影響を与えるの?
何故ロックが男性にだけ影響があるのでしょうか?
研究者たちは確信を持てませんが、一つの仮説として、
ロックは男性にのみ聴覚ストレス(大音量や不協和音を聴いている状態) を引き起こすと考えています。
また、モーツァルトのソナタを聴いた時に間違える回数が減っていた被験者は、ソナタに高評価をつけた被験者だったこともわかりました。このことから、
被験者らの音楽に対する評価もパフォーマンスに影響を与えていることがうかがえます。
パフォーマンス・サイエンス・センターの研究チーム(インペリアルカレッジと音大のコラボレーションチーム)は、この研究は、
音楽がどのように人のパフォーマンスに影響するか解明するための大きな研究の内の一つだと述べていました。 パフォーマンス・サイエンス・センターの主研究者であるデイジー・ファンコート博士は、「今回の実験は少し冗談交じりの研究ではありましたが、音楽が人に与える研究の一部分です。特に医療現場を想定しています、例えば手術室でのパフォーマンスです。」と述べていました。
博士によると、72%の手術現場で音楽が流れているという報告があります。
しかし、専門家らの間ではそれが良い効果をもたらすのかどうかで分かれています。ある研究によると、ジャマイカ音楽とヒップホップが手術と医療機器を扱うスピードが上がると報告されています。他方で、ある研究によると、4人に一人の麻酔医師は注意を削がれたという報告もあります。
研究チームは、音楽が他の分野にもパフォーマンスに関して影響がないかを調査中です。
「私たちの一つの研究テーマは、音楽を使ってパフォーマンスをあげることができないか調べることです。たとえばオリンピックのボートレース、演奏などのパフォーマンス、あるいはスピーチをする時などです。この実験をみると、手術をしている男性とボードゲームを遊んでいる男性にとっては、ロックはよろしくない選択かもしれませんね。」
と博士は述べていました。
博士はインペリアル・カレッジの研究員でもあります。 この研究はMedical Journal of Australia’s Christmas issueに掲載されています。
ちょっと変わった研究だけど、学術的に重要な功績が認められ、特別賞を受賞しているようです。
筆者にとって、ロックは好きなジャンルなだけに少し寂しい研究結果でした。
寂しいので、
Toolでもききながら作業を続けることにします。
それではまた。
[via: medicalexpress]