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    7

    万葉集の中から、上代の雄大な魂を感じる秀歌を訳していく

    1: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:40:46 ID:csH
    簡潔に、分かりやすく訳していくやで~

    新版 万葉集 一 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
    【年間】2016年の不思議.net人気記事まとめ!
    http://world-fusigi.net/archives/8696944.html

    引用元: 万葉集の中から、上代の雄大な魂を感じる秀歌を訳していくやで~





    2: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:40:55 ID:csH
    河上のゆつ岩群に草むさず常にもがもな常処女にて

    河の上の岩々には苔が生えない。そのように、貴女が永遠に美しい乙女のままであってほしい。

    3: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:04 ID:csH
    吾背子はいづく行くらむ奥つ藻の名張の山を今日か越ゆらむ

    私の愛しい夫は、どのあたりを行っていらっしゃるのかしら。
    名張山を今日越えられたのかしら。



    4: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:12 ID:csH
    采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く

    かつて女官たちの着物の袖を吹き返していた明日香の風も、
    遷都して都が遠くなったので、空しく吹くばかりだ。

    6: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:24 ID:csH
    君が行き日長くなりぬ山訪ね迎へか行かむ待ちにか待たむ

    貴男が私の所にいらしてくださらなくなってから、だいぶ経ちましたわ。
    貴男のいらっしゃる山に訪ねていきましょうか、それともお待ちしましょうか。

    7: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:33 ID:csH
    夕去れば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かずい寝にけらしも

    夕方になると、小倉山に鳴く鹿が、今宵は鳴かない。どうやら寝てしまったようだね

    9: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:41 ID:csH
    家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

    家にいれば食器に盛るご飯を、心に任せぬ旅の中にあるので、椎の葉に盛って食べる事だ。

    10: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:41:52 ID:csH
    三輪山をしかも隠すか雲だにも情あらなも隠さふべしや

    三輪山を隠してしまうのですか、雲よ。せめて情を解する心があってほしいものですわ。
    隠すという事があってなるものですか。

    11: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:01 ID:csH
    君待つと吾が恋ひ居れば吾が宿の簾動かし秋の風吹く

    貴男をお待ちして、私が貴男を恋い慕っておりますと、私の家の簾を動かし、秋の風が吹き渡ることですわ

    13: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:12 ID:csH
    あしひきの山のしづくに妹待つと吾立ちぬれぬ山のしづくに

    山のしずくに、貴女の訪れを待って、私は濡れた事だよ。山のしずくに、しっぽりとね

    14: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:28 ID:csH
    吾を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくに成らましものを

    私を待って、貴男がお濡れになったという、山のしずくになりたいものですわ。

    15: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:38 ID:csH
    百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ

    伝説に残る、磐余の池に鳴く鴨たちを見るのも今日限りだ。私は死んでゆくことであろう。

    16: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:46 ID:V2Z
    なんだっけ雨が降ったらあなたは待ってくれるだろうか いえ雨がふらなくても私は待ちますってやつ
    確か万葉集だった気がする

    17: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:50 ID:csH
    吾が背子を大和へ遣ると小夜更けて暁露に吾が立ち濡れし

    愛しい弟を、大和へ帰してやると、夜が更けて、私は暁の露に濡れてしまったことですわ。

    18: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:59 ID:csH
    二人行けど行き過ぎ難き秋山をいかにか君が独り越ゆらむ

    二人で一緒に行っても越えがたい秋の山を、弟よ、
    今頃貴男はどんな思いで、一人ぼっちで越えていらっしゃるのかしら。

    19: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:42:59 ID:Tbi
    あの時代の人の語彙力どうなってんねん

    21: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:43:10 ID:csH
    うつそみの人にある吾や明日よりは二上山を弟背と吾が見む

    現世の人間である私は、明日からは、弟が埋葬された二上山を弟のように思う事になるのですわ。

    22: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:43:20 ID:csH
    見まく欲り我がする君もあらなくに何しか来けむ馬疲るるに

    お会いしたくてたまらない貴男がいらっしゃらぬというのに、何をしに私は来てしまったのでしょう。
    馬もこのように疲れてしまって。

    23: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:43:33 ID:csH
    降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに

    降る雪よ、そんなにたくさん降らないでおくれ。
    愛しいあの人が眠っている、桜井の猪養の岡が、寒くて凍えてしまうから。

    25: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:43:43 ID:csH
    東の野に陽炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

    東方の野には明け方の光が差し、振り返って西の方角を見れば、満月が傾いているのが見える事だよ。

    27: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:43:54 ID:csH
    天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ

    都を遠く離れた辺境の長い旅路を通って、都を思いながら帰ってくると、
    明石の海峡から、愛しい大和の連山が見える事だよ。

    28: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:05 ID:csH
    近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ

    近江の海の夕波に鳴く千鳥よ、お前が鳴くと、心が滅入って、滋賀の旧都が偲ばれる事だよ。

    29: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:14 ID:csH
    憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も吾を待つらむそ

    憶良めは、今は退出いたしましょう。
    子供が泣いているでしょうから、子供の母親である私の妻も、私を待っている事でしょうから。

    30: かわた松 2017/01/04(水)17:44:23 ID:9Fc
    >>29
    良い句ですね

    31: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:24 ID:csH
    春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつやはる日暮らさむ

    春が来れば、真っ先に咲く家の梅の花を、一人ぼっちで見ながら、春の日を過ごす事になるのだろうか。

    33: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:35 ID:csH
    世の中を憂しとやさしと思へども飛びたちかねつ鳥にしあらねば

    この世を、辛く、やせ細るばかりに苦しいと思うが、鳥ではないので、飛び立って逃げる術もない事だなあ。

    34: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:46 ID:csH
    士やも空しかるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして

    男と生まれたからには、空しい事であろう。世々に至るまで、語り継がれる名を残さずに死んでいくことは。

    36: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:44:55 ID:csH
    験なき物を念はずは一杯の濁れる酒を飲むべくもあるらし

    甲斐のない事で、いちいち思い悩まぬ事だ。一杯の濁り酒を飲もうではないか。

    37: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:45:09 ID:csH
    若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る

    若の浦に潮が満ちてくると、干潟がなくなるので、葦辺を歩き回りながら、鶴が鳴いている事だよ。

    38: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:45:19 ID:csH
    ぬばたまの夜の深けゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く

    真っ暗な夜が更けてゆくと、久木の伸びた清い河原に、千鳥がしきりに鳴いている事だ

    39: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:45:30 ID:csH
    夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ

    夏の野の、茂みに咲いている姫百合の花のように、相手に分かってもらえない恋は苦しいものですわ。

    40: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:45:40 ID:csH
    相思わぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後に額づくがごと

    両想いでない人を慕うのは、大寺の餓鬼像の後ろで祈りを捧げるように、何の甲斐もない事ですわ。

    41: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:45:51 ID:csH
    君が行く道の長路を繰り畳ね焼き亡ぼさむ天の火もがも

    貴男が流されてゆく長い道のりを、手繰りたたんで、焼き滅ぼしてしまう天の炎が欲しいものですわ。

    42: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:46:00 ID:csH
    吾が屋戸のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも

    我が家に生えている、いささかの群竹に吹く風の音がささやかな、この夕べだよ。

    43: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:46:12 ID:csH
    うらうらに照れる春日に雲雀あがり情悲しも独りし思へば

    うららかに輝いている春の日に、雲雀が鳴き渡り、心が痛む事だ。一人で思い煩っていると。

    46: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:48:12 ID:csH
    もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花

    大勢の乙女たちが入り混じって組んでいる、寺井の井戸の上に咲いているかたくりの花よ。

    47: 名無しさん@おーぷん 2017/01/04(水)17:48:24 ID:csH
    ご覧になって下さってありがとう
    〆は万葉集の〆であるこの和歌やで~

    新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事

    新年の始めの初春の今日、降っている雪のように、おめでたい事がたくさん起きておくれよ。








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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2017年01月05日 20:16 ID:YhdZqg6T0*
    やはり和歌は美しいねぇ
    時代の変遷に伴い、取り上げるテーマの変化や口語調の受容などが起きて、より庶民的な文化となったけれど、やはり古代の格調高い歌もまた良いものだ
    日本人の感性の豊かさを象徴するような文化であるから、これからも形は変われど、その精神は生き続けて欲しいもんだね
    2  不思議な名無しさん :2017年01月05日 22:38 ID:812ttn900*
    やっぱり人が違えば選ぶ歌も違うもんだなあ。
    おれが好きな歌は三つか四つくらいであとはあまり記憶にない歌ばかり。
    ただ、知らない人には読めない言葉があると思う。振り仮名を入れるとよかったかも。
    現代語訳と元の歌を交互に読みながら歌の世界に入っていくと、いつのまにか万葉の言葉がわかるようになる。
    最後の歌は「新(あらた)しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと) 」
    萬葉集を編纂したといわれる大伴家持の歌。
    3  不思議な名無しさん :2017年01月06日 00:23 ID:pi0mwNKa0*
    学生時代に万葉仮名覚えたな

    あれマスターすると神主の祝詞なんかも読めるんやで
    4  不思議な名無しさん :2017年01月09日 21:44 ID:fN5n3G6u0*
    おくらさんぐらいしか知らねえ
    5  不思議な名無しさん :2017年01月11日 19:56 ID:laO.wq.K0*
    歌だけでもとても美しいけど、それを歌っだ背景を知ってるとより感動するよね。
    6  不思議な名無しさん :2017年05月07日 00:13 ID:HiduLXa90*
    ※5
    背景を知った上で読むと、感動するよね
    ちょっと古いけど、永井路子「万葉恋歌」、田辺聖子「文車日記」をおすすめしたい
    中学時代の自分が古典にはまるきっかけだったよ
    7  不思議な名無しさん :2017年07月23日 11:54 ID:yHrsKAd80*
    心が洗われる。
    忙しない日々で忘れかけてたものを思い出させてくれます。

     
     
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