1. 夢が教えてくれた周期表
奇妙な長い髭と科学への情熱によって、ロシアの化学者
ドミトリ・メンデレーエフ(1834 - 1907)は偉大な化学教授として有名になりました。 彼は一年に一度しか髭を切らないと言われており、彼の生活がいかに研究で占められていたかが伺えるエピソードです。
以前より彼の頭を占めていた問題の1つは、
元素を論理的に整理する方法でした。
彼が最初にしたことは、各元素の名前をカード上に書くこと。それから各元素の性質を書き留め、カードを様々なパターンで並べるという作業に時間を費やしていたといいます。
しかし最終的に彼は行き詰まり、眠ることにしました。考えることを諦めた途端、そこで彼は素晴らしいビジョンを得たのです。
「
夢の中で、私はすべての元素がしかるべき場所に収まった一覧表が見えた。 目を覚ますと、私はすぐに紙の上にそれを書いた」
かくしてメンデレーエフは、現代化学の父である周期表の発明者となったのです。
2. ウロボロスの蛇とベンゼンの化学式
アウグスト・ケクレ(1829年 - 1896年)は、ドイツの化学者。1850年代の化学構造の研究で有名なもう一人の化学者であり、長く
ベンゼン(C
6H
6)の化学式について頭を悩ませていました。
それは非常に困難な問題でした。なぜなら、炭素原子と水素原子の比は他の化合物に見られるものとは異なっていたからです。
1865年のある寒い夜、彼は部屋でこの問題について考えを巡らせていました。 しかし未だ解決策は出ず、眠りにつくことにしました
いつの間にか夢の中に入り込んだケクレ。
彼の前にダンスを踊る原子が現れ、それは徐々に蛇の形になっていきます。 その後、ゆっくりと、蛇は自信の尾を食べました。
そのウロボロスの輪は、彼の目の前でずっと回り続けています。
途中、突然目が覚めると、彼はその夢が彼にとって何を意味するのかをはっきりと理解しました。
ベンゼンは、炭素原子の環でできていたのです。
彼は後に、このように記しています。
「私のビジョンは、何年もの間炭素結合の性質を研究した私にこそもたらされたのだ...」
3. 神の考えを表現した?インドの魔術師と呼ばれた男
彼はイギリス植民地時代のインドの数学者。「インドの魔術師」とも呼ばれるほど、インドの歴史の中でも最も偉大な科学者だといわれています。
シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(1887 - 1920)は非常に貧しい家庭に生まれ、学校での正式な教育をほとんど受けていませんでした。
それにもかかわらず彼は数論、
無限級数、
楕円積分において大きく貢献しました。
彼は農村地域で教科書を借りて学習を進めると、すぐに他のインド数学者を追い抜いていきました。ヨーロッパのより広い数学コミュニティはこの若い学者にすぐに興味を持ち、彼は英国の数学者
ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディと共に仕事を始めることになりました。
ある時ハーディは、ラマヌジャンが何かを 「再発見する」ことに加えて、
新たな定理を発見したことに気付いたのです。
とても宗教的ですが、ラマヌジャンは自身の神性な能力を信じていました。
「
私の方程式は、神の考えを表現しない限り意味がない」
彼の最も劇的な経験の1つは、彼が後で述べた夢の内容に記されています。
「眠っている間、私は奇妙な経験をしたんだ。
そこには血を流した赤い画面があった。私はそれを観察していた。すると突然手が画面に何かを書き始めて、私はすべての注意をそこに向けた。
その手は多くの楕円積分を書き始め、それらは私に大きな衝撃を与えたんだ。私は目を覚ますとすぐに、それらを実際に記そうと強く思った」
若き天才はしかし、32歳の若さで結核により亡くなりました。
もし彼が寿命を全うしていたとしたら、更なる発見を生んでいたことでしょう。
4. バイナリコードの誕生
1847年のある日、英国の数学者
ジョージ・ブールは、ドンカスターの近くを歩いていた時、彼の言葉を借りれば、「神秘的な経験」をしました。
ブールはその時、
何か神秘的な力が「人間の心の働きを、象徴的あるいは数学的な形で表現するように」求めていると感じたそうです。
ブールの理論は、記号を使って書くことができる一連のイエスかノーで答えられる決定に基づいていました。 しかし彼の考えは、少数の理論数学者を除いてすぐに忘れ去られました。
ただコンピュータが発明されたとき、他の科学者たちはブールの理論がコンピュータの「思考」に用いられていることに気付きました。 イエスとノーの記号は、現在のインターネットを構成する1と0のバイナリコードになっています。
5. 2つの夢が教えてくれた―相対性理論
アルバート・アインシュタインの相対性理論の発見については、多くの異なる逸話があります。
魅力的な2つの逸話は、どちらもアインシュタインが物理学を学ぶ前の若い時期に見た、夢に関するものです。
一つ目の夢は、彼が凍った丘の上をすべっている夢でした。
彼はスピードを上げ始め、どんどん早く滑っていると、空に浮かぶ星が姿を変えたことに気付きました。しかし彼が空を見上げると、その夢は突然終わりました。
そして二つ目の夢を見たのは、数年後のこと。
青年になったアインシュタインは、なぜか自身が農場にいるという奇妙な夢を見ました。電気柵に沿って牛が並んでいます。農夫が電気を入ると、
牛はすべて同時に垣根を越えました。この同期した動きに驚いて、アインシュタインは農夫に同じことを見たかどうか聞きました。
農夫は、各牛が一度に1つずつ柵を飛び越えるのを見たと語りました。
彼はこれらの夢について思考を巡らせた後、最終的に相対性理論を完成させました。物理学の法則が観測者の事象によって相対的であることを発見した彼は、その考えが正確であることを数学を用いて証明しました。この偉業を達成するには8年以上かかったといいます。
[via:
theghostdiaries]