2: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:43:46 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=gmFLmkbMsbIムソルグスキー ホヴァンシチナ(ショスタコーヴィチ版)よりシャクロヴィートゥイと代書屋の対話
「ソドムとゴモラみてえに堕落しきった街だ!ええい、何て忌々しい時代だ!」
「代書屋よ、仕事があるぞ、密告書を書け!
ホヴァンスキー公の一族が謀反を企てているとな!」
ピョートル大帝の躍進の陰に前に消えていった貴族たちや旧教徒らの悲劇を描いた群像劇、
ホヴァンシチナより、ピョートル大帝の密使として暗躍するシャクロヴィートゥイのアリアや
彼が代筆屋に書かせた一枚の密告書からすべてが始まるんやが、
このシーンは彼がいかなる人物であるかを雄弁に物語る、
短いが重要なシーンやで
3: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:43:56 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=KLzAst6JZqgムソルグスキー ホヴァンシチナ(ショスタコーヴィチ版)よりシャクロヴィートゥイのアリア
「銃兵隊どもはねぐらで寝静まっている、ルーシの民も眠りに落ちておる、
だがルーシよ、そなたの仇は片時も微睡んではおらぬぞ……
おお、ルーシ、愛しき祖国よ、そなたは何と悲しい運命にある事か、
誰がそなたを苦しみより救ってくれるというのか?」
シャクロヴィートゥイはもちろん劇中では悪役として描かれているが、
彼が単なる悪役ではないことを示すのが、
このロシアオペラ史上最高のアリアやで
彼が歌うルーシへの熱烈な愛、この曲こそホヴァンシチナの心臓であり、
ムソルグスキーが訴えたかった事やで
4: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:04 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=gvT9cBmdDvEシャクロヴィートゥイのアリア(RK版)
ホヴァンシチナは未完のまま作曲家が死んでしまったので、
後世の作曲家によって編曲されて世に出たんやが、
RK版とミーチャ(ショスタコーヴィチ)版の二つがあるやで
何でこの美味しい箇所をカットしたんや?と疑問に思うところもあるが、
「主よ、無限の王国より罪深き我らの世を見下ろしたもうお方よ、
ひそやかな心の苦しみを知りたもうお方よ、
願わくばルーシを救う勇士を遣わしたまえ……」のところにつけた管弦楽だけは、
ミーチャ版を凌駕していると思うやで
5: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:13 ID:4rr
6: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:20 ID:RnF
懐かしいな
7: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:26 ID:4rr
8: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:35 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=o4PZSgJhrsAボリス・ゴドゥノフよりシュイスキー公と貴族たちの対話
「シュイスキー公がおられぬは無念、彼奴は裏切り者だが、おらねば会議にもならぬ!」
「お待たせいたしました、気まぐれなツァーリに仕えるのは、実に神経がすり減る事です」
「恥を知れ公よ、その年でかような裏切りをはたらくとは!」
「おお、なぜ私だけがかように責められねばならぬのか!」
ボリスも貼らなきゃ(使命感)
この作品で悪役をどう定義づけるかは意見が分かれるところやが、
シュイスキー公はボリスの廷臣でありながら、偽ディミトリー事件の後にツァーリとなる人物なので、
彼を悪役と見做すことも可能やで
この演奏、実に憎々しげに、狡猾で誇り高い貴族を描写していて、いいゾこれ~
9: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:45 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=8C11USkCL-8ボリス・ゴドゥノフよりマリーナ姫と僭称者の対話
「殿下、お許し下さいまし、わたくしの失言も、すべては貴男様を思う愛より出でたと思って下さいまし、
この哀れな女など忘れ、モスクヴァの玉座へとお向かい下さいまし」
「マリーナよ、愛を偽らないでおくれ、裏切らないでおくれ」
「愛しておりますわ、わたくしの殿下、わたくしのディミトリー様」
「おお、マリーナよ、もう一度言っておくれ、愛の言葉を聴かせておくれ!」
真っ当に解釈するなら、ボリスの悪役はディミトリー皇子を名乗る僭称者と、
彼をたきつけるマリーナ姫やろな
この箇所、訳していて、
蜜のような言葉の甘さと、そこに秘められた蛇のような真意とのギャップがすっげえ楽しかった(こなみかん)
10: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:44:55 ID:4rr
11: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:45:10 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=7Yc0rxYmM4Yヴァーグナー ローエングリンよりオルトルートの願い
「冒涜された古代ゲルマンの神々よ、あたしに力を貸して!
あたしに復讐を成し遂げる力を与えて!
ヴォータン様、フライア様、お願いよ!」
おとぎ話に取材したヴァーグナーのローエングリンでは、
古代ゲルマンの古い神々を信仰するオルトルートという人物が悪役として登場するやで
邪悪な魔女として描写される彼女やが、
実は作曲家本人は彼女にこそ共感を覚えていたのでは?と思うほどいい場面を与えられているやで
12: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:45:21 ID:4rr
13: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:45:31 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=bZsOogIGM3Mヴァーグナー ニーベルングの指環、神々の黄昏よりハーゲンの家臣召集
「ホイホー!ギービヒのうからよ、武器を取れ!
一大事だ、疾く駆けつけよ!」
ハーゲンは父アルベリヒの復讐のための道具として生まれ、
本人もそれを自覚して動いている、ある意味では哀れな存在なんやが、
悪役としては実に魅力的で、ある意味ジークフリートやブリュンヒルデ以上に印象に残る役やで
このシーンなど、どうしてもだれがちな第二幕を引き締める、見せ場やで
22: 名無しさん@おーぷん 2017/02/16(木)00:40:35 ID:Phe
>>13
松本零士もワーグナーの悪役が人間的で好きだって言ってたな
むしろ出来杉君な英雄には親近感が湧かないとか
14: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:45:41 ID:4rr
15: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:46:01 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=iIX6-aI_Tukモーツァルト ドン・ジョヴァンニよりシャンパンの歌
「酒が回ったら次は踊りだ、広場に行ってかわいこちゃんを連れてくるんだ、俺の為にな!」
ドン・ジョヴァンニは悪役ではなく、
真に女性を愛することができず、それゆえに女性を求め続ける不幸な男性と解釈するのが最近の流行りやが、
モーツァルト自身の曲のつけ方を見ると、やはり彼は悪役と解釈するのが真っ当だと思えるで
僕にも金と権力と女性を引き付ける魅力があったら彼のような自堕落な生活をしてみたいものやで(届かぬ想い)
16: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:46:10 ID:4rr
17: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:46:20 ID:4rr
https://www.youtube.com/watch?v=Y4GTxl_QLRwヴェルディ ドン・カルロよりエーボリ姫のヴェールの歌
「美しいサラセンの宮殿の庭に、ヴェールを被った乙女が佇んでいた、
星空を見つめ、静かに座っていた、そこへスルタンが現れ……」
エーボリ姫は本来は善良で純粋な人物なんやが、
裏切られた愛の為に、結果的に悪役になってしまうクッソ哀れな(二度目)登場人物や
彼女の女性としての魅力は、この一曲に凝縮されているやで~
18: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:46:32 ID:4rr
19: 名無しさん@おーぷん 2017/02/04(土)18:46:44 ID:4rr