世界の本気。宇宙人探索プロジェクト

▲グリーンバンク望遠鏡
では現在、世界の研究機関は宇宙人に対してどのようなアプローチをとっているのだろうか。
2015年、「
ブレイクスルー・リッスン」という史上最大規模の宇宙人探しの計画が発表された。それは地球周辺だけでなく天川銀河の外の100もの銀河を探査し、知的生命体を探すという壮大なものだ。宇宙好きにとっては、聞いただけで胸が高鳴るものだろう。
最近「宇宙人が地球に電波を使ってメッセージを送っているのでは」という
ニュースがあったが、そのような信号をとらえ、知的生命体の証拠をつかもうという研究が、「
SETI (Search for Extraterrestrial), 地球外知的生命探査」だ。今まさに、この研究も「ブレイクスルー・リッスン」によって大規模に行われている。

その参加観測機器も錚々たるもので、アメリカ「
グリーンバンク電波望遠鏡(GBT)」は世界最大の電波望遠鏡であり、直径約100mパラボラアンテナを持つ。他にもオーストラリアの直径64mの「パークス電波望遠鏡」、中国で2016年9月に稼働を開始した、世界最大の固定式電波望遠鏡「
FAST」もブレイクスルー・リッスンに加わる予定だ。
まさに各国最新技術の粋を集めた宇宙人探索である。オカルトと夢想の世界でしかなかった地球外知的生命体の発見にも、科学の光が射し始めている。
宇宙人がメッセージを送る有り得そうな方法
我々が宇宙人を探しているように、宇宙人だってこちらを探しているかもしれない。
過去100年の人類の技術的進歩が驚異的であることを考えると、現在は人類の文明よりはるかに進歩している可能性も高い。
もし超進化した宇宙人が私たちとコンタクトを取るとしたら、次のような方法が考えられる。
1. 電波

宇宙人と交信する方法として多くの人が最初に考える古典的な方法が、電波である。
この方法は、『コンタクト』や『インデペンデンス・デイ』などの多くのSF小説や映画によく登場するものだ。
1977年、SETIプロジェクトに参加していた天文学者のジェリー・R・エーマン(Jerry R. Ehman)氏は、明らかに異常な、強い電波を受信することに成功し、この電波は「Wow! シグナル」と名付けられた。これは付近の星団から突如として発生した電波放射だが、原因は解明されていない。
しかし電波には交信手段として致命的な問題がある。電波はその発生源から遠ざかるほど弱くなることだ。そのため、人類が過去1世紀に電波で送信してきたメッセージが、数十光年離れた距離にまで届くということは基本的に不可能だ。
超進化した宇宙人なら、むしろ以下のようなもっとスマートな方法で交信するだろう。
2. レーザー

電波を宇宙空間スケールの長距離で送信するのは難しいが、レーザーはそれよりも効果的な交信方法だ。
シグナル・インテグリティ(Signal Integrity:デジタル信号の品質)は電磁波よりもはるか遠くの距離まで保たれているし、地球上からもその光線ははっきりと見ることができる。
レーザーは個々の天体をターゲットにすることができるため、波形で広がりながら進む電波と異なり、とても効率的だ。進歩した文明なら、
メッセージをレーザーで数百光年離れた距離にある惑星系に送ることもできるかもしれない。そのようなレーザー光は、地球上からも簡単に検出できるだろう。
問題は、どの周波数のレーザーを使用するべきかだ。
進歩した文明なら、大量のガンマ線バーストを宇宙空間に送ることもできるだろう。ガンマ線バーストは継続期間が長く、非常に目立つものである。それには信じられないほどのエネルギーが必要になるが、進化した宇宙人なら利用できるかもしれない。
現在の人類にとってより現実的な方法は、赤外線またはマイクロ波のレーザーを使用することだ。何と、NASAのレーザー通信システムLLCD(
Lunar Laser Communication Demonstration)ではすでに実現化されている。
3. ダイソン球体

ダイソン球体の仮説を提唱した物理学者
フリーマン・ダイソン氏のアイデアは次のようなものである。
大きな金属の球体を軌道に乗せるよりも、何十億もの大型太陽電池パネルを設置して恒星のエネルギーを集める方が効率がいいというのだ。これは飛んだ話に聞こえるかもしれない。しかし、技術進歩のスピードを考えれば、人類はこれを数百、数千年で実現できるかもしれない。
宇宙人は、ダイソン球体を利用して恒星から集めたエネルギーを使って、パラボラアンテナなどのアイテムを強化する可能性もある。これは、宇宙人文明が人類よりも恐ろしく進歩し始める分岐点なので、警戒が必要だ。この種の活動が検出された場合、宇宙人に応答してメッセージを送信するのはいいアイデアとは言えないかもしれない。
4. 重力波

人類は近年、
重力波(時空の曲率の急激な変化が波動として伝わる現象)を検出する装置を開発した。
2015年、
レーザー干渉計重力波観測装置(LIGO)の実験グループの科学者たちは、時空のさざ波を発見したと発表した。これは人類が重力波を発見した初めてのことであった。
高度な宇宙人文明は、
中性子星やブラックホールを利用して、シグナルを重力波検出装置に送ることができるかもしれない。もしくは
重力波の周波数と振幅をコントロールして、情報を埋め込み、人類にメッセージを送ることも考えられる。
もちろん、宇宙人がこうしたことを行うには、相当高度な技術力が必要だ。頼もしいことに、人類の重力波観測装置のセンサーは、数十億光年離れた場所からの重力波も検出できる。そのため、宇宙のどんな場所であっても、こうしたことを行う宇宙人がいれば、それは重力波として見つかるだろう。
現実的には宇宙の時空のゆがみは小さく、物体間の距離を陽子(プロトン)の直径よりも短い長さだけ変えるほどでしかない。しかし、宇宙人が本気で人類の注意を引こうとするときはどうなるだろう。彼らは重力波を強化して、メッセージを明確に伝えようとするかもしれない。
5. ワームホール

ワームホールが物理的に存在可能かどうかはまだ明らかではない。 もし可能だと判明した場合にも、自然界の力を利用した、またはその他の方法で、どのようにワームホールを創造するかという方法はまだ確立されていない。
現時点ではまだ混沌としているが、宇宙人は、映画『
インターステラー』のようにワームホールを宇宙空間に挿入して、それを電波送信などに使用するかもしれない。MITのAndrew Friedman博士はこれについて、「
Wormholes: Space Machines and Time Machines(ワームホール:宇宙マシンとタムマシン)」という論文を書いている。
宇宙人は宇宙船の艦隊を送るためにワームホールを使うかもしれない。 あるいは、以前のエントリから逆アセンブラを行うことで、私たち人類を宇宙から消して、元の地球からすべての物質を収集したりなど、恐ろしいことも考えられる。
6. 物理法則を変える

私たち人類は宇宙に目を向けるとき、同じ物理法則がどこにでも成立し、永久的に変わらないものだと仮定してはいないだろうか?
私たちはこれが真理だと思っているが、もしそうでないとしたら……。J. K. Webb氏を含む数名の研究者は、「
Indications of a spatial variation of the fine structure constant」という論文でこのことを示唆している。
超進歩した宇宙人は、上記で紹介した
交信方法をより簡単により実践的にするために、この世の物理原則を操作することができるかもしれない。あるいは、電子の電荷を変えることなどによって、彼らの存在を知らせたり、私たちにメッセージを送ることも考えられる。
もし物理学の法則をコントロールできれば、基本的にすべてをコントロールできるということになる。私たち人類の発展途上な頭脳では、理解しているつもりの宇宙の一部分でさえほとんど理解することができていない。たとえ彼らがすでに実現しているとしても、少なくとも現時点で私たちの思考では気付くことすらできないだろう。
2ちゃんねるで話題のUFO・宇宙人の記事
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■厳選!名作UFOスレ
■番外編
まとめ
ちなみに『X-ファイル』の
新作が2017年後半、アメリカで放送されるらしい。モルダーとスカリーの役者も続投するとか。要チェックである。
皆様も、UFOらしきものを目撃したら是非知らせて欲しい。
それが今度は、第二次UFOブームのきっかけとなるかもしれない。