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    勇者「魔王倒したし帰るか」



    dq


    1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:10:49.16 ID:5Ug8BclXo
    勇者「王様チィーッス。勇者ですよーっと」

    王様「だ、誰だ!?」

    勇者「いやだから勇者だって。ほれ勇者の印」ぺかー

    王様「それは確かに勇者のみが持つ……ああ、すみませぬ。あまりにもその……容姿がお変わりになってて」

    勇者「あー、痩せたしね。ヒゲとかも生えてるし。何より格好がこ汚いよな。鎧とかドロドロだし臭いし」

    王様「い、いえ。決してそのような……」

    勇者「無理しなくてもいいって。あ、ごめんちょっと吸わせてもらっていい?」

    王様「は? あ、ああ、葉巻ですか? では兵に良い物を用意させましょう」

    勇者「いいっていいって。自分のあるし」

    王様「そうですか。ところでその……他の皆様は?」

    勇者「んー、戦士と魔法使いと僧侶の事?」

    王様「はい。お仲間方はどこに?」

    勇者「死んだよ。俺以外は全員」プハー

    王様「え?」
    管理人です!
    年末・年始は過去の名作や、おすすめ記事をお送りしています。
    管理人です!
    今回の記事は以前の記事「ブーンは歩くようです エピローグ」のコメント欄よりリクエストして頂きました。

    前記事の※3さん、ありがとうございました!
    最近やっと信じ続けてきた事が妄想だとわかった
    http://world-fusigi.net/archives/8444518.html









    2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:12:13.17 ID:5Ug8BclXo
    勇者「…………」スー……プハー

    王様「……この度は……誠にその……」

    勇者「あー、そういうのいいっていいって」

    王様「ですが……なぜ皆様は、その、討ち死にを?」

    勇者「ほんじゃその辺りも含めて、メシでも食いながら説明しようか。正直、俺ハラ減って死にそうなんだわ」ぐきゅるる~

    王様「も、申し訳ございません! 誰ぞ! 誰ぞあるか! 勇者様の凱旋じゃ! 宴を開け!!」

    兵士「ハハッ!」

    勇者「…………」プハー

    3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:16:48.33 ID:5Ug8BclXo
    宴の場

    勇者「うめえうめえうめえ」ガツガツガツガツ

    姫様「まあ、勇者様は健啖ですのね」

    勇者「この商売、食えるときに食っとかないとねー」ガツガツガツ

    姫様「勇者様、こちらの品も美味しゅうございますわよ」

    勇者「へー。どれどれ……お、ほんとだうめえ」ガツガツガツ

    姫様「あらあら。お食事は逃げませんわよ?」

    勇者「……んなこたねえよ」

    姫様「え?」

    勇者「…………」ガツガツガツガツ

    王様「おお、こちらにいらっしゃったか勇者どの。おや? 姫もこちらにいたか」

    姫様「はいお父様。勇者様ったら、わたくしとのお話よりも、お食事のほうが楽しいようで。まさか豚の丸焼きに嫉妬するとは思いもしませんでしたわ」

    王様「はっはっは。きっと勇者様も照れているのだよ。姫の美しさに」

    姫様「まあ。そうなんですの勇者様?」

    勇者「あー、そうっすね。そうだと思いますはい」ガツガツガツ

    4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:22:55.53 ID:5Ug8BclXo
    王様「ところで勇者様、そろそろ魔王討伐までのお話などをいただければと思います」

    勇者「んー、そうね。ハラも膨れたし」

    王様「できれば、お仲間方の勇敢なる最後なども聞かせていただければと思います」

    勇者「へいへい。そんじゃ行きますかね」

    姫様「期待しております勇者様」

    勇者「うーっす」


    壇上

    勇者「えー、どうも勇者です」

    ザワザワ
    「おお、あれが……」
    「憎き魔王を……」
    「英雄だ」
    ザワザワ

    勇者「そんじゃあどっから話しますかね。んー、そうね。食い物の話でもするか」

    王様「ゆ、勇者様!?」

    勇者「ん? どしたの?」

    王様「で、できれば冒険のお話を……」

    勇者「メシだって冒険の一部だよ。嫌ならメシ食いに戻るぞ俺」

    王様「も、申し訳ありません。続けてください」

    勇者「うーい。えーっと、皆さん、今日は美味い物いっぱいありますよね。俺もさっきから驚きっぱなしなぐらい美味いものばっかです」

    勇者「こんな美味い物食ったのは半年ぶりぐらいです」

    勇者「じゃあ普段は何を食ってたんだって話ですが、皆さんは街の周りにいるあばれイモムシとか、どくウサギとか食ったことあります?」

    ザワザワ

    5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:32:34.79 ID:5Ug8BclXo
    勇者「ははは、ないっすよねえ。下ごしらえ大変だし、大変な割には美味くもないし。何より、それは魔物だし」

    勇者「えー、ですが、牛や豚や鳥や、畑で採れる野菜なんてのは人間が飼ってたり作ったりしたものでして」

    勇者「そして俺や仲間は魔族が支配してた土地を冒険していたわけで」

    勇者「なあ王様」

    王様「は、はい」

    勇者「この世界に、人間の国や街や村が大体どれぐらいあるか把握してる?」

    王様「え、ええと……大きい国は5つ。街や村で考えると……100は無いかと」

    勇者「ふむ。その中で、魔王の居城の近くにある街や村の数は?」

    王様「……0です。あっても魔王に支配されているか、滅ぼされているか」

    勇者「よくできました。勇者マークあげちゃいます」

    王様「い、いえ。そのような」

    勇者「さてさて皆さん、こんな感じで基本的に魔王の城に近づくにつれ、街や村は減っていきます。そして、少ない街や村は基本的に貧困です」

    勇者「そんな場所で摂取できる食べ物とは……はい姫様、答えをどうぞ」

    姫様「魔物……」

    勇者「はいよくできましたー。勇者マーク進呈! やったね!」

    6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:41:44.39 ID:5Ug8BclXo
    勇者「でだ。この辺りにいる魔物、つまりはあばれイモムシとかどくウサギみたいな奴らね。あいつらは、気性が荒いとはいえ、動物とそんなに変わりません」

    勇者「ですが、魔王の城に近づくにつれ、魔物ってのは変化していきます」

    勇者「では王様、第二問! その変化というのは?」

    王様「…………わかりませぬ」

    勇者「ブブー! はっずれー。勇者マークはおあずけー」

    王様「…………」

    勇者「その変化ってのはね。あいつら、知能が上がっていくんだよ」

    勇者「知能が上がるってのは、感情が激しく出たり、言葉を喋ったりって感じで表れてくる」

    勇者「泣きながら攻撃してきた奴を、『殺さないで』と懇願してきた奴を食って俺達は生きてきた」

    勇者「人食いとなんら変わりねえ。それがあんたらの言う勇者って存在だ」

    王様「…………」

    姫様「…………」

    勇者「おっと、湿っぽくなっちゃったね。えーっと、じゃあ話題を変えますか」

    7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:48:58.95 ID:5Ug8BclXo
    勇者「じゃあ、我らが誇る仲間たちの話でもしますか」

    ザワザワ
    「確か戦死されたと……」
    「先程の勇者様が言われたような思いをしてまで勇敢に……」
    「おお……実に誇らしい……」
    ザワザワ

    勇者「えー、じゃあ死んでいった順番に話しましょうかね。っと、じゃあ姫様に第二問!」

    姫様「えっ!? あ、ええと」

    勇者「一番最初に死んだのはズバリ誰!?」

    姫様「……っ!! ふ、ふざけないでください勇者様! そのように死者を愚弄するのは……!」

    勇者「いいから答えろ」

    姫様「ヒッ! ……で、では、魔法使いどの……?」

    勇者「なるほどー、確かに見た目も中身も温室育ちの女の子だったしねー。体力もなかったし、魔物食う時も一番ギャーギャー泣きわめいてたのもあいつだ」

    姫様「…………」

    勇者「でもはっずれー。正解はー……ぱんぱかぱーん! 戦士でーす!」

    8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 10:55:52.74 ID:5Ug8BclXo
    姫様「せ、戦士どのですか!? そんな、あの方はこの国一の怪力で、身体も心もとてもお強い方でしたのに!」

    勇者「うん、そうだね。あいつは強かったよ。俺らみたいに魔法が使えないからって、いっつも真っ先に魔物に突っ込んで体を張って頑張った」

    勇者「だから真っ先に死んだ」

    姫様「では、魔物にやられて……」

    勇者「違うよ。第一、魔物にやられたんなら蘇生できるでしょ教会とかで」

    姫様「確かに……それでは、戦士どのはいったいなんで……?」

    勇者「俺が殺した。あいつに頼まれてな」

    姫様「な!?」

    ザワザワ

    勇者「…………」

    姫様「もしや戦士どのは、魔王に操られ……?」

    勇者「いんや違うよ。自分の意志で俺に『殺してくれ』と頼んだ。だから殺した」

    姫様「なぜ!? なぜそのような!?」

    勇者「じゃあその辺も踏まえて話しましょうかね」

    9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:04:13.97 ID:5Ug8BclXo
    勇者「さっき話したように、戦士は真っ先に魔物に突っ込んでいく事を選んだ」

    勇者「なので、誰よりも身体に傷を負った」

    勇者「誰よりも回復の魔法を受け、誰よりも回復の薬を使った」

    勇者「結果、あいつは中毒になったんだよ」

    姫様「……中毒?」

    勇者「あー、馴染みないか。そりゃまあ、回復魔法もこの辺りの薬草も中毒性は低いしなあ」

    勇者「中毒ってのは、それがないと駄目な状態と考えててくれ」

    勇者「さてさて、皆さんはこれをご存知ですか?」ちゃぽん

    王様「そのビンの中にあるのは一体?」

    勇者「だよねー。見たことないよね。これは、魔王城近辺に生えてる特殊な薬草を煮出して凝縮させた、超回復薬だよ」

    勇者「こいつは凄いよ。例えば、腕が吹っ飛んだとしても傷口から再生しちゃう。ボコボコーって。トカゲかってーのって感じ」

    王様「そのような薬が……」

    勇者「まあ、死んでさえなけりゃあこれで治るよ。……身体はね」

    10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:16:14.26 ID:5Ug8BclXo
    勇者「でも、精神はそうはいかない」

    姫様「精神……?」

    勇者「そう精神。心ともいうかな。そこがね、壊れてくるの」

    勇者「この薬はよく効く反面、とても強いんだ。強くて強くて、心をズタボロにできるぐらいに」

    勇者「一口飲むと、激しい高翌揚感で何でもできそうになる。実際、傷が治っちゃう訳だし」

    勇者「でも、飲んで一時間後ぐらいかな。その辺りから副作用が出始める」

    勇者「幻覚が見えてきたり、体の筋肉が弛緩したり、訳のわからないことを叫んだり、身体の中を虫が這いずり回ってるように感じたり」

    勇者「そういう状態が半日ぐらい続くんだ」

    勇者「だけど、半日もそうしてて魔物に襲われでもしたら一巻の終わりだ」

    勇者「だから、こいつの副作用が出始めた頃に、精神を落ち着ける魔法をかけてもらうか、薄くした超回復薬をまた飲んでだましだましやっていく」

    勇者「そんな事を続けていった結果、戦士はどうしようもないぐらいに心が壊れちゃった」

    姫様「そうなってしまう前に、安全な国に戻って養生することはできなかったのですか!?」

    勇者「あー、俺が帰ってくる時に使った移動魔法ね。まあ確かに、あれを使えば一瞬でここには戻れたな」

    姫様「だったら!」

    勇者「でも却下だ」

    姫様「何故!?」

    11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:23:06.65 ID:5Ug8BclXo
    勇者「移動魔法ってのは、移動先が限定されている」

    勇者「この城にもあるよね? 移動魔法用の魔方陣」

    勇者「だからここには戻れる」

    姫様「だから戻れるのなら何故!?」

    勇者「じゃあ戻った後は?」

    姫様「は? 後といいますと?」

    勇者「戻った後、養生して、すっかりよくなった後だよ」

    姫様「それは……また魔王を倒すために……」

    勇者「どうやって行くの?」

    姫様「そ、それは移動魔法で……」

    勇者「魔王の支配力が強い場所へ? 魔方陣も無いのに? どうやって?」

    姫様「…………」

    勇者「っと、いじめすぎちゃった。ごめんね。まあ、この辺りならね、姫様の案でも悪くないのよ」

    勇者「でも、24時間どんな時に凶悪な魔物に襲われるかわからないような場所で。更には先に何があるかもわからない場所ではそうはいかないんだ」

    12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:36:07.52 ID:5Ug8BclXo
    勇者「魔物を殺して薬を飲んで、魔物を食ってまた殺して。傷ついて癒してまた傷ついて」

    勇者「戦士はさ、薬の副作用で髪の毛なんてぜーんぶ抜けちゃってさ」

    勇者「まあ俺ほどとは言えないまでも、それなりにハンサムだった顔とかもどんどん変わっちゃってさ」

    勇者「笑うと糸みたいになって、見てるこっちが笑っちゃうような目も、ぎょろぎょろしてギラギラしててさ」

    勇者「俺に冗談を言っては豪快に笑ってた口も、半開きでよだれ垂らして、ずーっとブツブツ言ってるようになってさ」

    勇者「武器も鎧も盾も兜も、魔物の血で常に真っ赤でさ」

    勇者「どっちが魔物なのか、俺にはもうわからなかった」

    姫様「…………」

    勇者「でさ、魔王の直下にある四天王の一人を倒した時、腕も足も片目も吹っ飛んで、内臓なんかでろーっと見えてる状態であいつ言ったんだ」

    勇者「『殺してくれ』ってさ」

    勇者「当然、みんな断ったよ。魔法使いなんて、普段は戦士と喧嘩ばっかしてたのに、すげえ泣いてんの」

    勇者「涙と自分の傷から出た血でべちゃべちゃな顔でさ」

    勇者「『あたしを置いて行かないでくれ』とか『約束したじゃないか』とかさ」

    勇者「そしたらさ、戦士ぷるぷる震えながら、目を糸目にして、少し困ったようにさ」

    勇者「『ごめんな』って言ってさ」

    勇者「あいつら、きっと両思いだったんじゃないかなあ」

    13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:44:18.96 ID:5Ug8BclXo
    勇者「そんで、あいつ俺に『頼む』って言ってさ」

    勇者「だから殺した」

    姫様「ゆ、勇者様は悪くは……」

    勇者「あー、そういうのどうでもいいのよ。ただ、俺が戦士を殺したって事は事実な訳で。それはどうしようもない現実な訳で」

    姫様「でも……でもそんなのって……」

    勇者「悲しすぎますーって感じかな? ありがとねー。お礼に勇者マークしんてー」

    勇者「多分さ、戦士はもう限界だったんだと思うよ」

    勇者「最後こそちゃんと喋れたけど、その前なんて『うー』とか『あー』しか言えなくなってたし」

    勇者「何度も俺たちを魔物と間違えて攻撃しようとしちゃってたし」

    勇者「魔法使いにさ、攻撃しようとしちゃったし」

    勇者「ギリギリで気付いて、泣きながら壁にガンガン頭ぶつけたりしてさ」

    勇者「みんなが止めても言うこと聞かなくて困っちゃったよ」

    勇者「長くなっちゃったね。戦士の話はこんなとこかな」

    勇者「次は、魔法使いの話だ」

    14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 11:45:08.12 ID:5Ug8BclXo
    一旦休憩。こんな流れで淡々と進める予定

    15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2011/07/01(金) 11:53:04.15 ID:cXkvXRtAO
    なかなか

    16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 12:24:01.00 ID:6OF+XC/IO
    続きが気になる物語。

    17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2011/07/01(金) 12:37:23.90 ID:dl/uVIRZo
    つづけろください

    19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 13:45:40.79 ID:5Ug8BclXo
    再開。見てくれてる人に感謝

    20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 13:46:47.24 ID:5Ug8BclXo
    勇者「さて、魔法使いの死因だけど。よし、じゃあ王様! 魔法使いはなんで死んじゃったでしょー!」

    王様「ま、魔物にやられて……」

    勇者「ブブー! ふせいかーい! 答えはー……」

    姫様「……自殺ではないでしょうか」

    勇者「おお、凄いね姫様。だいせいかーい! 勇者マーク進呈! 拍手っ!」

    シーン

    勇者「なんだよもう。ノリ悪いなぁみんな。まあいっか。それで姫様、どうして自殺だと思った?」

    姫様「魔法使いどのは戦士どのを愛されていた。愛する殿方がいない世なればいっそ……」

    勇者「なるほどなー。うん、それも一つの理由だろうね」

    姫様「では、他に理由があると?」

    勇者「さあ? どうだろね」

    姫様「はぐらかさないで下さい!」

    勇者「だってさ、本当にわからないんだよ。わからなかったんだ俺達には」

    21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 13:51:30.55 ID:5Ug8BclXo
    勇者「戦士が死んでから、魔法使いは目に見てわかるほど変わったよ」

    勇者「まあ、俺らみんな見た目なんて変わっちゃってたし、頭もどっかぶっ壊れてはいたんだけど」

    勇者「でも、そういうんじゃなくて、魔法使いは……なんていうか、憎かったんだと思う」

    王様「憎かった……魔王がでしょうか?」

    勇者「魔王も含めてかな」

    王様「魔王も含めて?」

    勇者「うん。魔王も、魔物も、自分を置いて死んだ戦士も、戦士を救えなかった俺らも、自分も、きっと人間も」

    姫様「そんな……」

    勇者「きっと、全部全部憎くて憎くてたまんなかったんだと思う」

    勇者「世界中が憎かったんだと思う」

    22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 13:56:09.90 ID:5Ug8BclXo
    勇者「魔法使いの使う魔法ってさ、結構えげつないのよ」

    勇者「広範囲を爆破したり、でっかい炎で焼き尽くしたり、吹雪を呼んだりさ」

    勇者「でも、あいつは戦士が死んでから、使う魔法なんかも変わったんだ。なんだと思う姫様?」

    姫様「……魔法のことはよくわかりませぬ」

    勇者「ですよねー。普通に生活してたら、あんま馴染みないもんね攻撃魔法って」

    勇者「えっとね、毒や酸の魔法をよく使うようになったんだ」

    姫様「毒や酸ですか?」

    勇者「うん。でね、ピンとこないかもしんないけれど、この魔法って凄いのよ」

    勇者「まず酸だけど、魔法で造り出した強力な酸って、多分みんなが想像してるよりずっと怖い」

    勇者「地面とか溶けちゃって穴が開いちゃうし、これを敵に当てたら……ね?」

    王様「…………」ゴクリ

    勇者「悲鳴がね、耳から離れないんだ」

    23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:00:09.99 ID:5Ug8BclXo
    勇者「腕が、足が、指が、目が、耳が溶けていく魔物の悲鳴」

    勇者「最初に話したけど、魔王の城に近ければ近いほどに魔物の知能は上がっていく」

    勇者「人の言葉でね、俺達の使う言葉でね、泣き叫ぶんだ」

    勇者「魔物を食べるって話をしたじゃん? あれはさ、ある意味、まだマシなのかもしれない」

    勇者「だってさ、生きるためじゃん。食べないと死んじゃうから殺して食べる」

    勇者「動物が動物を殺して食べる。世界の正しいあり方なのかもしれない」

    勇者「だけど、魔法使いは違った」

    勇者「苦しめたいからコロす。憎いからコロす。コロしたいからコロす」

    勇者「狂った殺人鬼のでっきあっがりーってもんですよ」

    姫様「う……ひっぐ……」

    勇者「ありゃま、泣いちゃった。まずいなー、俺フェミニストなのに。ごめんなー」


    25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:04:52.94 ID:5Ug8BclXo
    勇者「でだ。毒の魔法なんだけど」

    勇者「これは酸の魔法なんかよりえげつなかった」

    勇者「王様も姫様も、ここに集まったえらーい人たちも知らないかもしれないけれど、魔物だって集落みたいなものを作ってるんだ」

    王様「なんと……」

    勇者「意外だった? でもさ、知能は人並、下手したら人よりも知能があるかもしれない生き物が沢山いるわけよ」

    勇者「それに、オスもいればメスもいる。それがいるなら子供だってできる」

    勇者「子供の魔物は当然大人なんかよりは弱い」

    勇者「だから寄り集まって、集団生活をしたりする」

    勇者「人となんら変わりはないよ」

    27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:25:11.48 ID:5Ug8BclXo
    勇者「魔法使いは、そんな集落で毒の魔法を使った」

    勇者「正確には、集落の近くの河や、集落の中にある井戸水に」

    勇者「当然、阿鼻叫喚の地獄絵図ですよ」

    勇者「魔物にだってオスもいればメスもいる。子どももいれば年寄りもいる」

    勇者「強いものも弱いものも混じって沢山いる」

    勇者「それを別け隔てなく、魔法使いは皆殺しにした」

    勇者「そして、そんな地獄で魔法使いは笑ってた」

    勇者「魔法使いってさ、さっきも話した通り、元々は箱入りのお嬢様なんだよね」

    勇者「だから冒険に出た最初の頃は、笑い方も『オホホホホー』みたいな変な笑い方でさ」

    勇者「そんな変な笑い方を見て、俺や戦士がちょっかい出して、真っ赤に怒った魔法使いを、困った顔で僧侶がなだめて」

    勇者「そんな時もあって……楽しかったなあ」

    28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:27:56.31 ID:5Ug8BclXo
    勇者「おっと、話が逸れた。駄目だね、思い出を話すと、紐づいて色んな思い出が溢れてくる」

    勇者「でだ、集落での魔法使いは、お嬢様だとは思えない顔でゲタゲタ笑ってた」

    勇者「とっくに狂ってたんだ」

    勇者「そして、そんな彼女を見ても何も感じない俺も僧侶も」

    勇者「とっくにみんな狂ってた」

    勇者「血の海を見ながらゲタゲタ笑う魔法使いを他所に、俺達はのろのろと食料をあさってガツガツ貪り食った」

    勇者「僧侶は泣いてた気もする。俺も泣いてたのかもしれない」

    勇者「魔法使いも泣いてたのかもしれない」

    勇者「まあそんなのはどうでもよくてですねー」

    勇者「そんな事を繰り返してたある日の夜、俺達は凄いものを見たんだ」

    29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:29:51.20 ID:5Ug8BclXo
    勇者「どこまでも下へ続いてるような崖があってね。その場所を渡ると魔王の城までもう少しって場所だ」

    勇者「そこでキャンプをしていたら、テントの外で魔法使いがキャーキャー叫んでた」

    勇者「狂ったような声じゃなくてさ、歳相応の女の子が、綺麗な服を見て騒ぐような、あの暖かい感じで」

    勇者「気になった俺と僧侶がテントから出ると、空一面で星が流れてた」

    勇者「流星群っていうの? 偶然、見ることができたんだ」

    勇者「つい数時間前まで、集落を潰して魔物の死体をザクザク切ったりして遊んでた魔法使いだけれど」

    勇者「この時だけは子供みたいにさ。『すごいね』とか『綺麗』とか言っちゃってさ」

    勇者「そんで、俺も僧侶もうなづいて、みんなで空をずっと眺めてた」

    勇者「そしたら、魔法使いが言ったんだ」

    勇者「『戦士にも見せたかったなー』って」

    勇者「その辺の街中で、ふと言っちゃうような感じで。特別な感じでもなんでもなく言ったんだ」

    勇者「次の日、魔法使いは居なくなってた」

    30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:31:44.63 ID:5Ug8BclXo
    勇者「崖の前に、魔法使いの杖と、これが置いてあった」

    姫様「羊皮紙……まさか、遺書……?」

    勇者「なのかなー?」

    姫様「え? 勇者どのは中をご覧になってはいないのですか?」

    勇者「いや見たよ? 俺も僧侶も中身を確認した」

    姫様「でしたら、遺書ではない……? 中にいったい何が書かれてたのですか?」

    勇者「見る? ほいよ」

    姫様「あ、ありがとうございます。それでは…………ヒィッ!! こ、これは!?」

    勇者「あっはっは。わかんないっしょ?」

    姫様「うっ……うげっ……ケホッケホッ!」

    王様「ひ、姫! 勇者様! まさかこの書に呪いを!?」

    勇者「いんや、呪いの類はかかってないよ。正確には、呪いは『もう』かかってないだけど」

    王様「ど、どういうことですか!」

    31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:35:46.39 ID:5Ug8BclXo
    勇者「まずその手紙、魔法使いの意思か意思じゃないのかわからんが、最初はとんでもない呪いがかかってた」

    勇者「俺でも近くにいるだけで意識がゴリゴリ削られるようなシロモノでさー。弱い人間や魔物なら、近くによっただけで死んじゃったんじゃないかな」

    勇者「んで、僧侶が必死になって呪いを解いたんだ」

    勇者「そして、女の子の手紙だってのもあって、僧侶が見たんだけど、ショックで気絶しちゃってさ。丸一日は動けなかったねー」

    王様「中にはいったい何が……」

    勇者「ぐちゃぐちゃの血文字っつうか、血で描かれた絵」

    勇者「一つだけわかるのは、魔法使いはこれを見た奴全員を呪ってると思うってことだけかな」

    勇者「あいつ、世界がどこまで憎かったんだろうなー」

    姫様「酷い……こんなの……こんな絵、人の描けるものじゃない」

    王様「ひ、姫っ!」

    勇者「姫様に全面的に同意だね。そんなもん描ける魔法使いも、それを見てもほとんど何も感じなくなった俺も、もうとっくに人じゃないんだろうなあ」

    勇者「とまあ、魔法使いの話はこれでおしまい」

    勇者「じゃあ最後。僧侶の話をはじめようか」

    32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:44:24.47 ID:5Ug8BclXo
    勇者「僧侶の死因については少し特殊なんで、問題は無しで。残念だけど勇者マークは諦めてね」

    王様「…………」

    姫様「…………」

    勇者「さて、残りは俺と僧侶だけになった訳だけれど、結構大変だったのよこれが」

    勇者「だってさ、戦力は1/2。しかも僧侶は戦闘職じゃない。そして、街に戻って仲間を集めてちゃ時間が足りない」

    勇者「結果、俺達は逃げながら魔王の城へ向かった」

    勇者「勇者とバレないようにみすぼらしい格好をして、魔物を騙し討ちして、泥水をすすって、獣みたいになりながら向かった」

    勇者「もう中毒とか気にしてられなかった。超回復薬だって、それ以上に強い薬だってガブガブ飲んだよ」

    勇者「ぐにゃぐにゃの景色を見ながら、何かの拍子にぶっつり切れちゃいそうな意識ではあったけれど、俺も僧侶も魔王の城まで生きて辿り着いた」

    勇者「っと……」ぐらっ

    王様「ゆ、勇者様!? 大丈夫ですか!?」

    勇者「あー、大丈夫大丈夫。ごめん、ちょっと失礼して一服」

    34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 14:49:27.58 ID:5Ug8BclXo
    勇者「…………」スー……プハー……

    王様「あの……勇者様、もしやその葉巻は……」

    勇者「あー、うん。普通の葉巻じゃない。強い薬草と毒消し草を巻いて、煮詰めた聖水を染みこませた特別品」

    王様「そんなものを……」

    勇者「悪いね。でも、これ吸わないとさ、ほら」プルプル

    王様「手が震えて……」

    勇者「まあそういう事。ごめんねみなさん、もうちょっと待ってねー」プハー

    シーン

    勇者「うし、んじゃ続き。さて、どうにか魔王の城まで辿り着いた俺達だけれど、ここで俺がとんでもないヘマをやった」

    勇者「魔王の側近に俺がいることがバレちまったんだ」

    勇者「僧侶は運良く城の中で別行動をして情報を集めていたから大丈夫だったんだけれど、俺はそうはいかなかった」

    勇者「どうにか魔王の側近は倒した。腐っても勇者だしね俺」

    勇者「でも、俺も死んじゃったんだ」

    38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:02:46.75 ID:5Ug8BclXo
    勇者「僧侶が見つけたとき、俺はっつうか、俺だったモノは指のかけらぐらいだったみたいでね」

    勇者「普通、人が蘇生するためにはその人のパーツ、肉片でも灰でもいいんだけれど、半分以上は欲しい。せめて2/3は欲しいってのが常識でして」

    勇者「つまり俺の蘇生は絶望的。ここで僧侶も諦めて帰っちゃえばよかったのになーとは今でも思う」

    勇者「でも僧侶は諦めなかった。俺の身体の再生と蘇生を実行することにしたんだ」

    勇者「と、ここで突発問題! ここで更に問題が発生します! それはなんでしょーか! 王様でも姫様でも、どちらが答えても構いません!」

    王様「…………」

    姫様「そういう気分ではございません……」

    勇者「あーあ、残念。えーっと、勇者マークは……あー、足りてないねー。まあ後からだね」

    王様「?」

    姫様「?」

    勇者「さてその問題とは、蘇生魔法は難易度の高い魔法だってことです」

    39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 15:12:18.05 ID:PihzhYNDo
    ふむ

    40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:16:44.94 ID:5Ug8BclXo
    勇者「元々、蘇生魔法を使う場合、簡易的な結界みたいなものを張って使うんだけれど、ここは魔王の城な訳で」

    勇者「そんなもん張ったら、一発で魔王にバレちゃう可能性が高い。つうか確実にバレる」

    勇者「そうなると俺の蘇生どころの話じゃないわけで」

    勇者「更に、使う魔力だってべらぼうに必要で、今回はそれに高等な再生の魔法もミックスしなきゃいけないときたもんで」

    勇者「もうねー、奇跡でもおきない限り無理! 無理無理無理無理かたつむり!ってぐらいの無理難題だったのよ」

    姫様「ですが、勇者どのがここにいらっしゃるということは」

    勇者「うんそう。でも、奇跡なんて起きてないよ」

    姫様「え? でしたらつまり?」

    勇者「すげえ強引な手を使ったんだあいつ」

    姫様「強引な手?」

    勇者「そ。だから死んだんだ」

    41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:22:47.99 ID:5Ug8BclXo
    勇者「俺が気付いたとき、辺りは真っ赤だった」

    勇者「身体を再生して、死んでたところを無理やり引き戻されて、痛みや吐き気で転げまわっってた」

    勇者「でも嬉しかった。僧侶が必死になって蘇生させてくれたんだとわかってたから」

    勇者「だから、ゲロをまき散らしながら、がくがく震えながら、それでも立って僧侶を探したんだ」

    勇者「でも、僧侶は僧侶じゃなくなってた」

    勇者「あたり一面に割れた回復の薬のビンや、使い終わったスクロールなんかが落ちてた」

    勇者「どれも魔力を回復するためのシロモノだったよ」

    勇者「僧侶が何をやったのかは簡単な話だ。色んな工程を魔力で強引に押し切ったってだけ」

    勇者「当然、そんなことしたら魔力なんてすぐ空っぽになるわけで」

    勇者「なので、無くなるそばから薬をがぶ飲みしたりスクロールで強引に回復させて、また魔法を使ってって訳」

    勇者「でもなー。人の体って、限界みたいなものがあるじゃん?」

    勇者「僧侶がやったのは、その許容量を遥かに越えるような事なのよ」

    42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:26:34.85 ID:5Ug8BclXo
    勇者「そして僧侶は……」

    王様「魔力に耐えられず、消滅……?」

    勇者「だったらマシだった」

    勇者「部屋の端っこにね、もぞもぞ動くものがあったんだ」

    勇者「なんだろー?って思って近づいてみたら、子供ぐらいの大きさのピンクの肉がもぞもぞしててな」

    姫様「や……やめて……」

    勇者「やめねえよ。お前らが楽しみにしてたみんなの話だ。聞けよ」

    勇者「あいつなー、僧侶なー、回復魔法を垂れ流すだけの肉の塊になってたんだよ」

    勇者「どっかの文献にあったんだけど、回復魔法を延々と流し続ける石ってのがこの世にはあるらしくてさ」

    勇者「僧侶は、多分それに近い物になったんだと思う」

    勇者「つうか、そんな石より凄いもんになったとも言えるね」

    勇者「それって一抱えぐらいあるんだけれど、持ってるだけで傷が治っちゃうのよ」

    勇者「そんで、持ってたら僧侶の声っていうか、意識みたいなのが流れてきた」

    43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:30:41.84 ID:5Ug8BclXo
    勇者「『食え』」

    王様「は?」

    姫様「え?」

    勇者「いやだから『食え』って言われたの」

    王様「え? いやその……」

    姫様「何を……?」

    勇者「僧侶だった肉を」

    王様「…………」カタカタカタカタ

    勇者「だから食った」

    姫様「そんな……僧侶どのの最後がそんな……」

    勇者「ああ、勘違いしないでね。僧侶は俺を蘇生してる時に死んだんだよ」

    姫様「でも、先ほど僧侶どのは、その、肉に」

    勇者「肉は肉。あいつと一緒にするな」

    姫様「す、すみません!」

    44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:36:19.75 ID:5Ug8BclXo
    勇者「とまあ、そんな訳で勇者パーティーは全滅しましたとさ。おしまい」

    王様「全滅? で、ですが勇者様は」

    勇者「ああ、俺? んー、どうなんだろ? 今の俺って勇者って言えるのかね?」

    勇者「勇者ってのはさ、人のために生きて、人の為に魔王を倒す人でしょ?」

    勇者「俺はさ、肉を食った瞬間から、いや違うな。もうずーっと前から、人の為になんか戦ってなかったと思うんだ」

    勇者「誰かのために戦ってたんだとしたら、仲間の為なんだと思うよ」

    勇者「そういう意味じゃ僧侶が死んだ瞬間、俺はもう勇者なんかじゃなくなってたんだと思う」

    勇者「一応ね、魔王は倒したよ。そりゃねえ、常に回復しっぱなしの状態ですもん。例え即死魔法打ち込まれても死ねないとかどうなのー?って感じですよ」

    勇者「あー、そうだ。もう一個、重大なことがあるんだ」

    王様「一体、これ以上に何が」

    勇者「そう難しいことじゃないよ。簡単簡単。僧侶の願い事なんだ」

    45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:45:32.14 ID:5Ug8BclXo
    王様「僧侶どのの願い?」

    勇者「そ。願い。あいつさー、魔法使いが死んじゃった後、俺に言ったんだ」

    勇者「『もう二度と、勇者も、勇者の仲間も現れない世界にしてください』って」

    勇者「惚れた弱みってやつだね。俺もうんって頷いちゃったんだ」

    勇者「だからその願いを叶えたい」

    王様「そ、それは魔王を倒して欲しいという事では」

    勇者「んー、そりゃ今の時代ってだけでしょ?」

    勇者「魔王ってのはさ、例え今倒したとしても、いつかまた新しい魔王が産まれちゃう。数百年後か数千年後かはわかんないけどさ」

    勇者「時代が証明してるよね」

    勇者「だから俺は考えた。どうすればいいのかなーって」

    勇者「そして思いついた。僧侶は魔王の出ない世界にしてくれといったわけじゃない」

    勇者「勇者の現れない世界を望んだんだ」

    46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:48:29.29 ID:5Ug8BclXo
    小さな農村

    魔物の老婆「はいおしまい」

    魔物の少年「ニンゲンって馬鹿だねー」

    魔物の少女「ねー」

    魔物の老婆「はいはい、お話は終わったんだからもう寝なさい。悪いニンゲンにさらわれてしまいますよ」

    魔物の少年「えー、弱っちいニンゲンぐらい大丈夫だよ。この前、2頭も仕留めたんだもん!」

    魔物の少女「でもニンゲン怖いよ? ガーって襲ってくるもん」

    魔物の老婆「さっきも話したでしょう? ニンゲンは今でこそこうだけれど、昔は頭のいいニンゲンや強いニンゲンだっていて、魔物を襲ってたんだよ?」

    魔物の少年「はーい……」

    魔物の少女「おやすみおばーちゃん」

    魔物の老婆「はいおやすみなさい」

    魔物の老婆「ふぅ……最近は凶暴なニンゲンが増えてきたし、困ったもんだよ……」

    魔物の老婆「でも、きっとニンゲンの魔王を倒してくれる魔物がきっと……」

    47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:49:06.96 ID:5Ug8BclXo
    どこか

    魔物の青年「魔王よ、何か言うことはあるか?」

    「あー、二つほど」

    魔物の青年「何だ」

    「俺は失敗した。次は……お前の番だ」

    48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 15:50:04.68 ID:5Ug8BclXo
    おしまい
    後半駆け足。消化不良気味
    即興は難しいでござる。っつうか、スレ立てるほどの長さじゃあばばばば

    54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 16:09:28.20 ID:3c76SabDO

    そして立場を変えながら、歴史は繰り返すのか


    49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 15:51:29.81 ID:GOkg2G1IO
    乙!!
    がっつり見てたよ!!

    51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) 2011/07/01(金) 15:54:57.79 ID:UnFus3lwo
    こういう話、大好物です
    乙した

    55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 16:21:13.41 ID:hGPgra7s0

    ある意味勇者物の命題だよなあこう言うの

    56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/01(金) 16:42:36.58 ID:FOJMnn0IO

    こういう話もいいよな

    スレはまだまだ余ってるんだ
    続き書いても良いんだぜ?

    57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 18:13:13.15 ID:5Ug8BclXo
    感謝
    今日は出かけてしまうので、少しだけ蛇足的なものをゆっくり書き足していきまする
    長い目で見ていただければと

    58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/01(金) 18:13:53.96 ID:5Ug8BclXo
    僧侶の手記

    今日、勇者から「一緒に冒険に行こう」と言われた。
    とても嬉しい。反面、これから先の冒険の旅を思うと少し怖くもある。
    ここまで書いている途中で、私の中に断るという選択肢が無いことに気付き、恥ずかしさと嬉しさを覚える。


    旅立ちの初日、彼のもとへ行くと先客がいた。
    彼と私の幼なじみでもある、戦士と魔法使いだ。
    最近は、お互いの職が別のものでもある事もあり、疎遠になっていた。
    特に、魔法使いとは彼のこともあり、自分から関わらなかった面もある。
    私は臆病者だ。


    冒険の旅に出て数日。
    どうしても魔法使いとギクシャクしてしまう。
    彼女は今も彼に想いを寄せているのだろうか。
    こんな事ばかりを考える私は、本当に嫌な女だ。


    今日、魔法使いに呼び出された。
    彼女は泣きながら私を叩き、昔、彼に想いを寄せる私を見て身を引いたことを話してくれた。
    そして、今の私を見るのは辛いと。こんな思いをする為に身を引いたのではないと言ってくれた。
    私たちは、同じことを思って身を引いていたのだ。
    ごめんね、魔法使い、勇者。

    62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/01(金) 23:38:18.21 ID:plGkAefUo
    きたーー!ーーーー!

    63: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/01(金) 23:38:28.59 ID:5Ug8BclXo
    パーティー内の不和が解消された為か、冒険の旅は順調に進んでいる。
    だが、別の問題が発生した。水と食料の問題だ。
    今いる場所から次の村までは、どう見積もっても数日かかる。しかし、前の村まで戻るのも数日かかってしまう。
    選択肢はそう多く無い。


    近辺にいた、牛に似た魔物と蛇に似た魔物を食べた。
    魔物の血で喉を潤し、魔物の肉で空腹を癒す。
    どうやら蛇に似た魔物には毒性があったようで、先ほどから吐き気が止まらない。


    鳥に似た魔物と、野生のリンゴを少し手に入れた。
    リンゴを衰弱の激しい魔法使いに食べさせるが、全て吐いてしまった。
    魔法使いの泣き声で眠れない。


    眠れない。


    ようやく村を見つけ、転がり込むように入った。
    村は貧しく、食料はそんなに多く無いという。
    村長へお金や道具を渡し、なんとか一晩の滞在と僅かな水と食料を分けてもらう。
    村の住人は、私たちを心良くは思っていないらしい。
    勇者のパーティーは魔物から狙われている存在で、そんな一味が居ることは百害あって一利なしという事なのだろう。
    そんな状態でも、一晩の宿と貴重な食料や水を与えてくれたのだ。
    彼らは悪くない。彼らは悪くない。彼らは悪くない。
    神よ、我らを救い給え。

    64: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/01(金) 23:53:19.86 ID:5Ug8BclXo
    久しぶりのベッドで眠り、回復魔法と食事を取ったおかげで、魔法使いの容態はかなり良くなった。
    村長から近くの街までの距離を聞く。
    次の街まで早くて10日。今の私たちには絶望的な距離だ。
    勇者と戦士と相談し、魔法使いには内緒にしようという事になった。


    山道を黙々と進む。魔法使いの顔色はかなり悪い。
    大丈夫と微笑む彼女を見ていると、涙が出そうになる。


    小さな泉を見つけた。
    子供のようにはしゃいで、水を思いっきり飲んだ。
    幸せだ。神よ、ありがとうございます。


    しばらく、この泉を拠点として行動する。
    魔法使いは休ませ、二人一組の行動だ。
    心の余裕が出てきたのか、勇者はずっと笑顔だ。
    彼が笑顔だと私も笑顔になる。


    それなりの食料を集め、水も補給した。
    計算したところ、次の街までは後6日ほどか。
    魔法使いの回復を待ち、出発することにする。


    旅は順調。最近は魔物の味にも慣れてきた。


    遠くに街が見えた。あと少しだ。
    残った食料を使い、少しだけ豪勢な食事をした。
    みんな笑顔だ。

    65: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 00:03:57.63 ID:FrHhW4Y0o
    街に入るのを断られた。
    泣きながら私たちに謝罪する勇者の言葉が胸に響く。
    彼は悪くない。街の人々も悪くない。
    悪くない悪くない悪くない悪くない。
    あの泉まで戻るか、先に進むか。
    この選択肢を間違えたら、私たちは死ぬのだろう。
    どこか達観している自分がいた。


    勇者は先へ進むことを選択した。


    自分の身体が自分の身体と思えない。
    脚が重い。空腹と喉の渇きが酷い。
    この辺りの魔物は毒性が強く、食べられないようだ。


    魔法使いが倒れた。
    戦士が背負って進む。私たちは進む。


    喉が乾いた。


    水。


    みず


    商隊が通りがかった。
    彼らは、食料を求める私たちに、城一つ買えるような金額を提示してきた。
    きっと多分、彼らは魔物なのだろう。
    魔物だ。これは魔物が持っていた食料なのだ。
    魔物の血の匂いが身体から取れない。
    神よ、我らを救い給え。

    66: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 00:15:54.69 ID:FrHhW4Y0o
    魔物の商隊から奪った地図によると、近い街までどうにか行けそうだった。
    今の私たちには、魔物の商隊が使っていた馬車もある。
    これも神の思し召しか。


    街の近くに馬車を停める。
    馬車は魔物の血で汚れている為、余計な不安を与える必要もないだろう。
    今夜はここで野宿だ。


    商人の一団だと偽り、警備の兵へ僅かな金銭を与え、街へと入る事ができた。
    今後はこうやって街や村へは入ることになるのだろう。
    温かいベッドで眠り、美味しい食べ物を食べているのに、何故か涙が頬を伝う。


    洗っても洗っても魔物の血の匂いが取れない。
    魔法使いはずっと泣いている。
    みんな眠れないのか、目の下のクマが酷い。


    数日、街へ滞在を続けようと思う。
    眠れないのもきっと今だけだ。
    血の匂いが取れないのもきっと今だけだ。
    忘れろ。忘れろ。忘れろ。忘れろ。
    弱くてごめんなさい。

    67: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 00:32:05.95 ID:FrHhW4Y0o
    勇者が奇妙な葉巻を吸うようになっていた。
    吸うとよく眠れるそうだ。
    私も吸いたいと言うと、勇者が悲しそうな顔をしたのでやめておくことにした。
    眠れないのは辛いが、彼に嫌われるのは耐えられない。


    勇者が明るい顔で移動魔法を覚えたと言った。
    これで食料と水の問題はかなり緩和される。
    神は我らを見放してはいなかった。


    悪夢は見るものの、どうにか眠れるようになってきた。
    時間とは神の与えてくれた免罪符なのかもしれない。


    勇者が旅の再開をみんなに伝えた。
    正直、気が進まない。だが、彼は勇者だ。私たちのリーダーだ。
    戦士や魔法使いも不満はあったようだが、結局、明日出発することになった。


    荷物をまとめ、出発の準備をしていた際、随分と荷物が減っていることに気付いた。
    その減っている荷物の中に、勇者が大事にしていたいくつかの品が無いことにも気付いた。
    彼に言うと、困ったような顔で「無くした」と呟いた。
    ようやく私はわかった。
    本当の商人でもない私達が、長期にわたって街に滞在するという事の現実を。
    金銭は無限ではないことを。


    次の街までの行程は順調に進んだ。
    だが、私の心は重い。
    勇者と戦士の間にも、以前のような気安い空気がなく、常に張り詰めた感じがする。
    私たちは一体、何をやっているのだろう。

    73: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 12:41:12.23 ID:FrHhW4Y0o
    街へ到着し、宿で休んでいると勇者と戦士の部屋から怒号が響いた。
    慌てて二人の部屋に向かうと、勇者と戦士が取っ組み合いの喧嘩をしていた。
    魔法使いの身を案じる戦士と、先へ進むことを選択した勇者との間で意見が割れたためのようだ。
    魔法使いと協力し、どうにか二人をなだめる。
    勇者が外へ頭を冷やしに行った際、前の街で私が気付いたことを二人に話した。
    魔法使いは気付いていたようだが、戦士は唖然とした表情をしていた。
    これが不和を解く切っ掛けになればいいと心から思う。


    目が覚め、隣の部屋を覗いてみると、勇者と戦士がテーブルに突っ伏して寝ていた。
    辺りに散乱する酒瓶を見るに、二人で夜通し飲み明かしたようだ。
    昼過ぎに二日酔いで目を覚ました二人は辛そうではあったけれど、顔は晴れ晴れとしていた。
    私たちの結束は深まったようだ。


    街に滞在している間、各自で仕事を請け負うことにした。
    勇者と戦士は近くの盗賊を捕縛する仕事。
    私と魔法使いは、街の教会で蔵書の管理の手伝いだ。
    冒険の旅よりも不思議と充実している。


    勇者と戦士が戻ってきた。
    報酬はそれなりの額があったらしく、豪勢な食事を取ることができた。
    どんな事があったのか二人に尋ねると、口を揃えたように「大したことはしていない」としか返してくれない。
    何故か胸に嫌なものが広がった。


    路銀も増え、次の出発を明日に控える事になった。
    買い出しの際、広場に貼り出された立て札が目に入る。
    盗賊団が壊滅したらしい。
    冒険者の手によって首領以外はその場で惨殺され、首領も本日、縛り首になったということだ。
    淀んだ目で自分の手を洗い続ける勇者と戦士の姿を思い出す。
    私は、二人に何が出来るだろう。何が出来ているのだろう。
    ずっとそんな事ばかり考えている。

    74: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 12:43:10.98 ID:FrHhW4Y0o
    次に目指すのは、乾燥地帯にある小さな村ということだ。
    水を多めに携帯し、馬車へと保管する。


    村へ向かう途中の道で、いくつかの遺体を見つけた。
    どれもミイラ化しており、魔物に食べられたのか破損が激しい。


    埃が酷く、口の中に常に砂利を入れられたような感触がする。
    髪がざらつく。水浴びが恋しい。
    しかし水の量は目減りしており、余裕など無い。


    この地方の魔物は筋張ってはいるものの、食用としても問題ない種類が多い。
    水に関しては、偶然にも水分を多く含む植物を見つけることが出来た為、次の村までは何とかなりそうだ。


    村は壊滅していた。


    壊滅した村を散策してみたところ、井戸が枯れた事が原因であるのがわかった。
    水を奪い合い、日々を絶望で過ごす村人たちの心境を思うと胸が痛い。
    此処へ来る途中で見つけたいくつかの遺体は、この村の人のものだったのかもしれない。
    神よ、彼らに安らかなる眠りを。


    勇者の移動魔法で前の街まで戻り、食料と水を補充して壊滅した村まで戻る。
    村の中にあった移動魔法用の魔方陣に破損がなかったのは不幸中の幸いか。
    移動魔法の使用は披露が激しいらしく、勇者の顔色が悪い。
    今日はこの村で一晩明かすことになりそうだ。
    比較的、綺麗な家を選んで泊まることにする。

    75: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 12:51:06.31 ID:FrHhW4Y0o
    戦士が、村の中を物色する案を出した。
    強盗と変わり無い行為を咎めようと思ったが、戦士の辛そうな顔を見ると言葉が出ない。
    結局、全員で村を物色する事となった。
    私が担当した家で、子供の描いた絵を見つけた。
    私にはこれから先、神に祈る資格はないだろう。


    次の街は、砂漠の中にある街だという。
    小さいながらも王の収める街であるため、支援を受けられるかもしれないらしい。
    だが、期待するのはやめておくことにする。
    希望から絶望へたたき落とされるのはもう嫌だ。


    砂漠へと差し掛かった。
    ここを抜けるまでは、昼は穴を掘って休み、夜に移動する事になる。
    水が生命線だ。無駄遣いしないようにしなくては。


    日陰の中でも容赦なく太陽の光が私たちを焦がす。
    水を少しでも節約し、体力を温存するために薬草を口に含んで噛み続ける。
    苦いと思ったのは最初だけで、今はもう何も感じない。
    ただ機械的に口を動かすだけだ。


    体力の消耗が激しい。
    砂漠の敵は夜行性のものが多く、危険度も高い。
    腕の傷がじくじくと痛む。


    披露と油断を魔物に突かれた。
    辛くも撃退には成功したが、魔法使いが死んでしまった。
    蘇生のため戻るか、先へ進んで街で蘇生させるか。
    勇者は進むことを選んだ。戦士は戻ることは選んだ。
    私は……進むことを選んだ。

    76: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 13:03:23.81 ID:FrHhW4Y0o
    戦士が一言もしゃべらない。
    戦士の次にお喋りな魔法使いは死亡しているため、とても静かだ。


    魔法使いの腐敗が進んでいるのか、鼻を突く臭いがそこら中に漂う。
    腐臭に寄せられてか、魔物の数も増えた気がする。
    私の選択は間違っていたのだろうか。


    馬車の中の魔法使いの遺体にハエがたかっている。
    戦士が必死になって追い払ってはいるが、魔法使いの身体から湧いているのだから根本的な解決にはなっていない。
    魔法使いの綺麗な顔はボロボロで、目が糸を引いてこぼれている。


    ようやく街を見つけた。
    もう鼻は麻痺し、何も感じない。
    馬車にはなるだけ近寄らないようにしている。


    街へ到着し、勇者一行であることを告げると、長い時間待たされた後に滞在を許された。
    魔法使いの遺体は、馬車の中に入れたまま教会へ運ばれた。
    戦士は教会へ同行し、私と勇者は宿へと向かう。
    明日、王宮にて王と面会することになった。


    王宮にて王と面会した。
    少なくとも、私は好きになれない相手だ。
    面会している間のねめつけるような視線が忘れられない。
    面会の後、教会へ向かうが、魔法使いは面会謝絶とのこと。
    明日、出直すことにする。

    77: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 13:22:16.78 ID:FrHhW4Y0o
    やはり面会は難しいとのこと。
    だが、部屋の小窓から覗くことだけは許可された。
    最初は意味がわからなかったが、覗いてみて納得した。
    死ぬ瞬間のイメージ、蛆が身体を這い回る感触、腐敗していく感覚。
    それらが魔法使いの脳と身体を壊し続ける。
    拘束具をつけられ、よだれと涙を流し、自分の身体を掻き毟ろうと必死にもがく姿に、以前の優雅さは微塵も残ってはいない。
    帰り際、戦士がぽつりと言った言葉が忘れられない。
    『俺達は罪人だ』


    お酒を初めて飲んだ。
    とても不味い。だが、ふわふわとして色んなことを忘れられる。


    勇者は部屋から出てこない。私も部屋から出ようと思わない。
    誰か私たちを助けてください。


    魔法使いが戻ってきた。
    あれからどれぐらいの日が経ったのか、日付の感覚が曖昧だ。
    魔法使いの頬はげっそりとこけ、一言もしゃべらない。
    目だけが爛々と私を見つめていた。


    魔法使いの回復を待っていたのか、全員、王に呼ばれた。
    王から近場の遺跡に向かい、魔物の殲滅を命じられる。
    数日の猶予を勇者が申し立てると、国で支払った魔法使いの蘇生の代金や、今の宿の代金などをたてに取られ翌日の出発を命じられる。
    帰り際、王に私だけ呼び止められ、今後は王宮付きの司祭にならないかと誘われた。
    王が私を司祭として求めていないことはわかっていた為、断った。
    一刻も早く、この街を出たい。

    78: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 13:27:24.89 ID:FrHhW4Y0o
    休憩。
    話が重いので、長時間の服用はやめましょう。
    用法、用量を守り摂取してください。

    79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) 2011/07/02(土) 13:47:06.79 ID:wSVGr8vAO


    最初はリアル路線に見えたが、なんかもうクズばっかり揃いすぎて逆に魔王の作り出した幻覚に思えてきた

    80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2011/07/02(土) 14:02:49.29 ID:m7AYAXSAO

    勇者PTみたく壊れちまわない程度に頑張ってくれぃ

    81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/02(土) 14:16:06.16 ID:NLuLJ29Lo

    つ超回復薬

    83: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 14:49:07.12 ID:FrHhW4Y0o
    見てくれる人に感謝
    仕事に呼ばれたため、おそらく夜に携帯から単発式で投下していくと思われまする
    ではまた

    87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/02(土) 15:33:03.37 ID:s1GM3w1qo
    なにこれ凄い
    ワッフルワッフル

    88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/07/02(土) 15:48:00.08 ID:UdfgopCZo
    これは期待

    89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/02(土) 18:16:41.28 ID:nyvwPfGIO
    支援

    91: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 23:51:18.75 ID:+qsO8+9IO
    街から出発して遺跡に向かう間、誰も口を開かない状態が続いた。
    その道のりの間、私は思考を停止させ、魔物を倒し、傷付いた仲間を癒すことだけに集中する。
    神へ祈り、誰かを癒す回復魔法を私がまだ使えるのが不思議でたまらない。


    遺跡に到着した。
    王からの依頼も完了した。


    街へと戻ったが、何もする気が起きない。


    ようやく気分が落ち着いてきた。
    旅を続けた結果、私は強くなったのだろうか。弱くなったのだろうか。
    あの日の事は明日にでもここに残そう。
    吐き出さないと壊れてしまいそうだ。


    結論として、遺跡に魔物は確かにいた。
    ただし、遺跡にいたのは小さな魔物やその母親と思われる魔物。
    この魔物を残せば、いずれ大きくなり人の街を襲うのだろう。
    頭では理解している。だが、身体が動かない。
    勇者と戦士が泣きながら魔物を斬り、魔法使いが泣きながら魔物を焼き払う。
    悲鳴が遺跡にこだまする。
    「痛い」「熱い」「殺さないで」「許して」「許して」「許して」
    悪酔いしたのか気分が悪い。記録はここまでにしてもう寝よう。
    この人の言葉を理解し喋る魔物に関しては、後日、別の報告書を作成し、教会へと提出する予定だ。

    92: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/02(土) 23:52:23.13 ID:+qsO8+9IO
    街を脅かし続けていた魔物の集団を殲滅したとして、街の中での私達は英雄扱いされた。
    産まれたばかりの赤ん坊を一度抱いて欲しいと赤ん坊の母親に言われたが、やんわりと断る。
    私達は英雄なんかじゃない。


    勇者が次の街への出発を王へ進言したが断られた。
    もし命に反するならば、罪人とみなすとまで言われた。
    どうやら王は、私達を国の守り手とし、飼い殺しにしたいようだ。
    街で噂されている隣国との戦争が近いという噂は本当のようだ。


    何処でも監視の目が光っている。
    精神的な疲労が溜まり、常に身体がだるい。


    勇者が街からの脱走を提案した。
    これだけの監視の中、気付かれずに逃げる事は無理だという事はわかっている。
    逃げれば罪人の烙印を押される事もわかっている。
    それでも誰も反対しなかった。
    どうせ、私達はとっくに罪人なのだから。


    必要最低限の荷物をまとめ、深夜に逃げるように宿を飛び出した。
    監視者に見つかったのか、すぐさま街中に鐘の音が響き渡る。
    怒号と悲鳴が響き渡る中、私達は走り抜けた。
    途中、家の中から怯えた目でこちらを見つめる、赤ん坊を抱いていた母親を目の端に捉えた。
    きっと彼女は、自分の子を英雄にしようなどとは思わないはずだ。
    どうかその子が、普通の人生を歩みますように。


    食料も水も僅かしか持ち出せず、馬車も無い。
    それなのに、どうしてこんなに晴れ晴れとした気分なのだろう。
    この夜空がとても綺麗だからかもしれない。
    今日は昨日よりよく眠れそうだ。


    この国に長く留まるのは危険な為、隣国へと急ぐ。
    隣国は海に近いと聞いて、思わず心が踊る。
    おとぎ話に聞いた巨大な湖をこの目で見られるのだ。
    海は、この身に溜まる罪を洗い流してくれるのだろうか。

    105: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 00:31:06.72 ID:kJm+5Oklo
    通常の隣国への道は整備されており、旅にも不都合は少ないのだが、私たちは追われる身。その道を通ることは出来ない。
    景色は緑が増え、身を隠すにはちょうどいい。
    夜露で喉を潤す。


    持ち出した地図が正確ならば、このまま山道をぐるりと迂回する形で隣国の端の村まで辿りつけるはずだ。
    せめてそこまで辿りつくことが出来れば、移動魔法で砂漠の国を経由せずに自国と隣国を行き来できるようになる。
    進むしか無い。


    食料が心もとない。
    道すがら数種の魔物を倒し、食料に適した種を探す。


    戦士が朝から、激しい嘔吐と下痢を繰り返す。
    昼に食べた魔物が原因か。豚に似た外見に騙された。
    解毒の魔法の効きが悪い。今夜は眠れなさそうだ。


    どうにか戦士が持ち直すものの、立つのもやっとという状態だ。
    魔力の消費をしすぎたのか、頭痛が止まらない。


    気がつくと勇者の背に背負われていた。
    どうやら私は倒れたらしい。
    ぽつりと勇者が「ごめんな」と言った。
    弱い自分がまた嫌いでたまらない。


    私に続いて、戦士と魔法使いが倒れた。
    私たちはここまでか。


    勇者が単独で村まで向かった。
    動けない私たちは、山で見つけた小さな洞穴で彼を待つ。
    夜が怖い。

    107: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 00:55:08.26 ID:kJm+5Oklo
    指が震える。文字を書くのも辛い。
    魔物の声が近い。


    ここ数日の記録は後日残そうと思う。
    一つ言えること。
    今、私たちは生きている。


    魔物の声が近いと記した後、私たちの匂いを嗅ぎつけたのか、狼のような魔物が数匹現れた。
    どうにか撃退するも、戦士の傷は深い。


    癒しの魔法を限界まで使い、気絶しては起きてまた使う。
    出血が激しかったためか、戦士はしきりに寒いと言う。
    夜、魔物が群れをなしてやってきた。
    戦士は虫の息だ。


    私も魔法使いも傷だらけ。戦士はいつ死んでもおかしくはない。
    私が覚えているのはここまで。


    勇者が戻ったのはそれから三日が過ぎてからだったという。
    私たちの遺体は激しく損傷していたものの、蘇生に必要な1/2は残っていたらしい。
    獲物を保存する習性を持っていた魔物に救われるとは、皮肉なものだ。

    108: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 01:20:57.82 ID:kJm+5Oklo
    死ぬという事。蘇生するという事。
    変わり果てた魔法使いの姿を見て理解していたつもりだった。
    自分の認識が甘かったことを痛感させられた。
    生き返ってからのことは思い出したくない。


    勇者が辿り着いた村には、移動魔法用の魔方陣はあるものの、充分な施設はなかったらしい。
    結果、私たちは今、故郷で静養している。
    家族は私を見て一日中泣いた。
    私はそんな家族を、遠いものに感じていた。


    身体が動くようになって数日後、教会の孤児院で養っている子供たちが私のお見舞いに来てくれた。
    今の私は彼らの目にどのように映っているのだろうか。


    次の日、誰ともなしに勇者のもとへと集まった。
    翌日、旅を再開することが決まった。
    決して使命にかられてなんかではない。
    知り合いの多いここにいるのは辛すぎるからだ。
    家族には旅を再開することを告げなかった。
    ただ、手紙だけは残しておく。
    「ごめんなさい」
    それだけを書いて。


    移動先の村で宿を取り、久しぶりに4人で話した。
    これまでのこと、これからのこと。
    自分のこと、みんなのこと。
    お酒を初めて美味しいと感じた。

    109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/04(月) 01:31:19.81 ID:OnccXJl0o
    この中毒性の高さはヤバいな

    110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) 2011/07/04(月) 01:35:06.96 ID:5gfx5fgVo
    なんでこんなに切ないんだ…

    111: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 01:41:42.84 ID:kJm+5Oklo
    村の人から馬車を譲ってもらった。
    決して安くはないものの、これで随分と楽になる。
    早く海が見たい。


    風の匂いに違うものが混ざり始めた。
    どことなく、空気がベタついている感じだ。
    だが、決して不快ではない。


    海を見ることができた。
    この感動をどう現していいかわからない。


    港町へ到着した。
    入国は実にあっさりと終わり、拍子抜けしてしまう。
    宿に入り休んでいると、この国の兵が現れ、明日の謁見を命じた。
    明るかったみんなの表情が一転して暗いものになる。
    いつでも出られるよう、荷物だけはまとめておこう。


    翌朝、兵によって案内された城は驚くほどに小さいものだった。
    故郷のものや、砂漠の国の城よりも二回りは小さい。
    更に、王にも驚かされた。
    私とそう歳の違わない女王。それがこの国の王。
    謁見はあっさりと終わり、私たちは数日の滞在を許された。
    何か裏があるように思えて仕方ない。


    街で食料や水、装備品を買い込んだ。
    様々な人が行き交い、活気が凄い。目に映るものは珍しいものばかりだ。
    買い物の際、いくつかのうわさ話を聞くことができた。
    海向こうの国との交易により、この国は豊かであること。
    女王は若くも思慮深く、民に慕われていること。
    砂漠の国の物価が上がり、そこからの交易品が品薄になっていること。
    次の目的地は海向こうの国になりそうだ。

    112: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 02:08:46.42 ID:kJm+5Oklo
    海向こうの国へは、どうやっても船で行くしかない事がわかった。
    問題は、その為に必要な旅費だ。
    日の余裕が無い私たちは、女王へと相談を持ちかけることにした。
    せめて旅費が貯まるまでの滞在を許されればいいのだが。


    長期の滞在は許されなかった。だが、事態は大きく変化する。
    みんな戸惑うばかりだ。
    女王の目的がわからない。


    女王は滞在の代わりに、旅費の支援を提案してきた。
    対価は滞在の間、謁見を決まった時間に行うというものである。
    謁見の場にて女王はこれまでの旅の話を聴かせるように命じた。
    話の後、宿に戻った今も理由はわからない。


    女王は様々な質問を返してきた。
    冒険の旅が決して英雄譚などに語られる希望に満ちたものではないこと。
    食料や水など、様々な問題が山済みであることなどを話すと、しきりに頷いては何かを記録していた。
    目的がわからない分、不気味さを感じる。
    翌日の謁見は私と魔法使いのみが呼ばれた。
    相手は女性ではあるものの王であることに変わりはない。警戒を強くする。


    なぜ女王は私たちの話を聞き、涙を流したのだろう。
    しきりに私たちに謝る彼女に、私も魔法使いも困ってしまった。
    ただ、不思議と悪い気持ちではなかった。
    その日の夜、久しぶりに魔法使いと私は同じ部屋で語り明かした。
    彼女と笑って話をしたのはいつ以来だろう。
    奇妙な女王に感謝を。


    早朝、兵に起こされ出国を命じられた。
    理由を聞くも、私たちには知る権利は無いとだけ言われる。
    少しでも信じた結果がこれだ。笑ってしまう。
    まるで囚人のような扱いで、急き立てられるように船に押し込められた私たちの表情は、とても無機質なものだった。

    113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2011/07/04(月) 02:28:31.16 ID:lMXrVoCIo
    wktk

    114: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 02:33:05.56 ID:kJm+5Oklo
    海向こうの国まで2日ほどだと船長に言われた。
    船員たちはどこか余所余所しく、私たちも進んでは話そうと思わない。


    船酔いが辛い。陸が恋しい。
    泣いている女王の夢を見た。
    いつの日か、彼女の目的や涙の理由がわかる日がくるのだろうか。


    6つの大国の4番目。海向こうの国へ到着した。
    船は私たちを降ろすと、別れの言葉もなく去っていった。
    これを書いている今も気分が悪い。今日は早く眠ろう。


    気分は優れないが、時間は待ってはくれない
    早く荷物の整理をし、出発に備えなくては。
    次の目的地は、この国の王がいるという街だ。


    なんで彼女は何も言ってくれなかったんだろう。
    後悔だけしか残らない。


    荷物の整理をしていた際、見覚えのない手紙があった。
    それは女王からの手紙で、そこには彼女の真実が記されていた。
    彼女が誰よりも勇者に憧れ、冒険譚に胸を躍らせる少女であったこと。
    現実の私たちを知り、自分の無知を恥じたこと。
    自分の国が、民が大切であること。
    隣国の砂漠の国が宣戦布告してきたこと。
    おそらく、自分たちは勝てないであろうこと。
    それでも民も、自分たちも立ち向かうことを。
    最後にはこう書かれてあった。
    『それでも、逃げない勇気をあなた達がくれた』
    『あなた達の旅に幸あれ』

    124: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 16:30:37.35 ID:kJm+5Oklo
    次の街までの旅が始まった。
    次に出会う王はどんな人物なのだろう。
    あの女王と懇意だったとあれば、人格者なのではないだろうか。
    手紙と一緒に入っていた紹介状が役に立つと良いのだが。


    魔物の強さが増して来ている。
    更に、人形のものも増えてきた。
    食料に余裕のある今はいい。だが、今後はどうなるのか。
    考えるのが怖い。


    街道の道すがら、壊れた馬車を見つけた。
    壊れ具合を見るに、魔物ではなく野盗に襲われたようだ。
    敵は魔物だけではない。


    警戒のために二人一組で寝ずの番をする。
    私と番をすることになった戦士がぽつりと言った。
    『俺達は何のために戦っているのだろう』
    私は答えられなかった。


    勇者と魔法使いが番をしていた際、野党が現れたらしい。
    相手は飢えていたのか、私と戦士が起きる前に苦も無く撃退できたとのこと。
    だが、魔法使いは精神的に辛いようだ。
    炎の魔法で焼いた相手の悲鳴が耳から離れないらしい。
    今は薬で眠らせている。
    彼女を落ち着かせるのに必要なものは、神の言葉や祈りではなく、人の作った薬と時間だけだろう。
    自分の存在意義を疑問に思う。


    2度目の野党の襲撃。
    相手は農民崩れなのか、鍬や鎌を手に持ち襲ってきた。
    メイスで殴りつけたときの感触が手から離れない。

    125: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 17:01:54.72 ID:kJm+5Oklo
    街が遠くに見えてきた。
    今日中に辿りつけるだろう。


    街にたどり着き、王女からの紹介状を渡した後、私たちは投獄された。
    その際にこの手帳も没収されたため、その期間のことを今から記そうと思う。


    投獄されてすぐ、勇者の尋問が始まった。
    絶叫が響く中、隣の牢から魔法使いのすすり泣く声が聞こえる。


    尋問を受ける。
    何度殴られたかわからない。
    私達は女王を騙してなどいない。


    魔法使いの悲鳴がこだまする。
    勇者と戦士のいる牢からはうめき声だけが聞こえる。
    私も似たようなものだろう。


    この日、私たちの死罪が決定した。
    でっち上げられた罪状は、王族への詐称と戦争幇助。
    怒り狂う王の顔が印象的だった。
    王女と恋仲であった王の復讐。と聞けば綺麗なのかもしれない。
    実際に王が叫んでいたのは、王女の国との交易による損害ばかりであったが。
    これで尋問の日々が終わるのだと思うと、恐怖心よりも安堵の方が大きかったことを覚えている。


    再度牢に入れられて三日目の深夜。
    外の喧騒が大きくなったかと思うと、慌てた顔で兵が飛び込んできた。
    どうやら魔物の襲撃があり、兵の数が足りないのだという。
    荷物を受け取り、外へと出された後、回復魔法や薬による手当を受ける。
    魔物の数は多く、街の損害は多大なものになった。
    この中で私たちは多くの魔物を討ち取り、大罪人から一転して救国の勇者の扱いを受けることとなった。
    そしてこの日、この国の王は逃亡し、その道中に魔物に襲われ死亡したとも伝えられた。

    126: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/04(月) 17:11:47.57 ID:kJm+5Oklo
    そして今、私たちは5つめの国を目指している。
    途中で出会った旅の商人からうわさ話を聞いた。
    あの国の王が死に、今後は内乱が続くであろうこと。
    だが最早、私たちには関係の無いことだ。

    129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) 2011/07/04(月) 19:35:18.55 ID:Sq2DVMHmo
    すごいものを読んでしまっている気がする

    133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/04(月) 20:17:02.81 ID:XFJmYM26o
    ふぅ……面白いが気分が重くなるな
    乙!

    134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/04(月) 22:22:58.25 ID:kA/Yn6rDO
    これは良作

    137: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/05(火) 05:57:23.17 ID:RffJ7xz2o
    次の国は魔法が盛んと聞く。
    魔法使いが少しだけはしゃいでるようにも見える。


    滞在予定だった村は、魔物の手によって壊滅していた。
    つんとした腐臭が立ち込める。
    壊滅した後に野党にあさられたのか、目ぼしい物は何も残ってはいなかった。
    予定を変更し、先にある街を目指す事にする。


    魔物が集団で襲ってくる。
    知性が高く、対処に戸惑う。


    以前、砂漠で出会った魔物と同じように、言葉を理解する魔物がいた。
    どうしても武器を振るう腕が鈍る。


    自分の叫び声で目が覚める。
    番をしていた勇者が悲しそうな目で私を見ていた。
    きっとひどい顔をしていたのだろう。


    食料が減ってきている。あれを食べるしか無いのか。
    だがそれは人食いと何が違うのか。


    見た目は干し肉だが、口に入れた瞬間にあの魔物の姿が目に浮かび戻してしまう。
    水で無理やり飲み下す。

    138: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/05(火) 05:58:15.98 ID:RffJ7xz2o
    雨が降りだした。
    冷たい雨が私たちの体温を容赦なく奪う。
    勇者も戦士も魔法使いも、みんな白い顔をして震えている。
    私も同じような顔をしているのだろう。


    雨は止む気配すらない。
    勇者が嫌な咳をしている。


    勇者が高熱を出し、歩くことすらままならない。
    馬車に寝かせてはいるが、碌な薬も無く、長時間の休養も出来ない。
    悪化する一方だ。
    雨はまだ振り続けている。


    勇者の咳に赤いものが混じりだした。
    移動魔法で戻る案も出たのだが、今の状態で使用すれば彼の命の危険すらある。
    だが、このままでは死んでしまうだろう。
    魔物が原因での死では無い場合、蘇生は不可能。次の街まで早くて三日。
    決断を迫られる。


    採取した魔物の体液を馬車に持っていった時、勇者は全て理解したようだった。
    お願いだからそんな優しそうな目で私を見ないで。
    毒を持つ体液を嚥下した後、血を吐いて動かなくなった彼を馬車に残し、私たちは進む。
    雨音が私を責め続ける言葉のように聞こえた。


    街はまだ見えない。
    雨に氷が混ざってきている。


    真っ白な雨が降り出した。
    これが話しに聞く雪なのだろうか。
    急激な冷え込みの為か、魔物の姿は少なく、動きも鈍い。
    勇者がいないことを考慮し、出来る限り戦闘を避け、先を急ぐ。

    140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) 2011/07/05(火) 07:28:51.10 ID:uiGJbsHF0
    間接的とはいえ、想い人を自分で殺したんだよな……救いなさ過ぎるだろ

    141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/05(火) 07:41:16.43 ID:lUaSieOko
    いやでも毒や病気で死んだら蘇生不可、みたいなRPGやったら
    自分でもこういうプレイングするよな…パーティアタックか
    モンスターにわざと殴らせるか。
    それの真実がこいつかorz

    142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2011/07/05(火) 08:43:47.46 ID:ujmh/GsXo
    もうRPGできねえ

    145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/05(火) 19:52:44.46 ID:S6/xv9P10
    生きかえっても死んだときの感覚が残るんだよな

    149: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/06(水) 00:20:58.60 ID:9CXwYTRQo
    遠くに街が見えた。
    雪が積もり、予定よりかなり遅くなってしまった。
    馬車の車輪が思うように進まない。
    手足の赤切れが激しい痛みを伴う。


    手足の感覚がなくなってきた。
    雪の勢いが増し、見えていた街どころか少し前の景色すら見えない。
    死がちらつく。


    これしか無いのか。
    本当にこうするしか無いのか。


    これを見ている方へ。
    我々は勇者の一行です。
    雪で進めなくなり、この場で雪が晴れるのを待っておりましたが、体力、気力ともに限界が来てしまいました。
    全員、魔物の毒を服毒し死んでおりますので、蘇生は可能だと思われます。
    蘇生をしていただければ必ず謝礼は致します。
    何とぞよろしくお願い致します。


    あれから三日後、我々は魔法の国で蘇生された。
    何度味わっても、蘇生された瞬間の感覚は慣れることがないだろう。
    どれだけ暖かくしても、身体の芯から悪寒が来る。
    まるで、あの夜が永遠に終わらないかのようだ。


    私たちを見つけたのは街を守る衛兵の一人だったという。
    聞けば、街まで残り僅かの場所で馬車が雪にうもれていたらしい。
    衛兵へ感謝の言葉をとお願いすると断られた。
    これ以上の厄介ごとは御免なようだ。
    謝礼に関する書類にサインをし、今日は眠ることにする。

    150: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/06(水) 00:21:42.79 ID:9CXwYTRQo
    ようやく全員の身体が動くようになった日の昼、王から早急の謁見を申し立てられた。
    思うように動かない身体を引きずり謁見の場に向かうと、蘇生の代金として巨額の支払いを命じられた。
    相談した結果、支払いの援助を自国に求める案が採用され、勇者が単独で自国へ向かった。
    私たちは、勇者が逃亡できない為の人質として捕らえられた。
    あてがわれた部屋に三人、押し込まれるように監禁される。
    明かりもない暗い部屋の中、すすり泣く魔法使いの声だけが響いていた。


    数日が経過したが、まだ勇者は戻らない。
    魔法使いは視線を彷徨わせ、何も喋らずただ涙を流す。
    戦士は魔法使いに何度も話しかけては頭を垂れる。
    私は、そんな二人を虚ろな瞳で見つめ続けていた。


    頭の端によぎる、見捨てられたのではないかという考えを何度も打ち消す。
    戦士と魔法使いは人形のように無機質な顔でぼんやりとしている。
    気が狂いそうだ。いや、もう狂っているのか。
    何もわからない。


    どれほどの日が経ったのか、外が騒がしくなり、私たちは部屋から出され王の前へと引きずられるように連行された。
    勇者の姿を見つけ、涙が溢れる。
    だが、彼は憔悴しきっており、私たちを見てはくれない。
    王から身柄の保釈を命じられた後、今までとは一転して豪華な部屋をあてがわれた。
    部屋から出ようとしない勇者が気がかりだ。明日にでも話してみよう。


    私たちは人であることすら許されないのか。


    自国の王は支援を断った。
    物価の安い自国と、物価の高いこの国とでは財布の中身すら天と地の差らしい。
    それでも勇者は必死に支援を申し出、断られ、温情を申し出、断られ、幾度も幾度もこの国と自国を行き来した。
    そして出された妥協案。
    僧侶、魔法使いの二人の身柄を売り渡す事。
    魔法が盛んなこの国では、私たちの存在は貴重らしい。
    今後、定期的な魔物や魔法に関する資料の提出。及び、冒険が終わった際の身柄の所有権がこの国の出した条件であり、自国の王はその条件を飲んだ。
    彼らにとって、私たちなど物でしかない事を理解した。
    誰を恨めばいいのか。何を恨めばいいのか。
    物に何かを恨む権利など無いのか。


    大量の物資を譲り受け、国を挙げてのパレード。
    出立する私たちがここまでの扱いを受けたのは初めてかもしれない。
    みんな、張り付いたような笑顔で民衆に手を振っている。
    国を出ると、それまで笑顔だった王の兵たちは私たちを見もせずに引き返して行った。
    私たちも彼らを見送ることなく、国を後にした。

    151: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/06(水) 00:29:57.41 ID:9CXwYTRQo
    こんな感じにまとまりました。
    残りは一つの国と、最後の部分で終わると思いまする。
    書いてると気分が落ち込みやすいのでランダム再生で音楽を流したところ、DoDの曲が流れてくるとかどんな因果なのか……。
    次の投下は早ければ明日の夜にでも。
    ではまた

    153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2011/07/06(水) 01:20:22.15 ID:7JaJgIe9o
    乙!
    楽しみにしてます!

    155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) 2011/07/06(水) 14:45:26.10 ID:XzShwAIAO
    引き込まれるな
    本当にすごい
    本屋とかで売ってたら絶対買うぞ

    157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/06(水) 19:31:57.80 ID:SbR5gncIo
    ワッフルワッフル

    158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/06(水) 22:41:53.89 ID:axom3QpI0
    こういうのは苦手なんだが読み浸ってしまう

    159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/06(水) 23:20:55.27 ID:zShug29E0
    魔王退治が勇者の慈善事業になってる

    162: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:46:57.90 ID:uugOgiDlo
    最後の投下開始します。

    163: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:47:36.81 ID:uugOgiDlo
    次に向かうのは英雄の国。
    いくつもの街から英雄が集まる国。
    幾度もの魔物の進行を退けた最後の大国。
    彼らは何を思って、何のために戦っているのだろう。


    旅の途中、以前から勇者が吸っていた葉巻をじっと見つめていたら、そっと無言で手渡された。
    最初は煙たいだけだったが、今はとても楽しい気分だ。
    世界はどこまでもゆらゆらしてとても綺麗。
    ゆらゆら。ゆらゆら。


    最近、記憶がとても曖昧だ。
    自分が消えていく。
    やめよう。今日こそはやめよう。


    ここ数日、夜の馬車でお酒と煙を楽しむのが日課になってきた。
    みんなの顔も明るい。
    勇者が、戦争がどうの、滅亡がどうのと話していたが、あまりよく覚えていない。
    6が5になったのがそんなに大変なことなのだろうか?
    誰かの顔が浮かんだが、知らない女の人だったので忘れることにした。
    思えば、昨日のこともよく思い出せないが、きっとどうでもいいことなのだろう。


    辛いことがあったのに思い出せない。
    頭が重い。体がだるい。
    街に到着したことだし、今日は早く眠ろう。
    辛いことは全部忘れよう。
    明日はいい日でありますように。


    どこまでもどこまでも青空が広がっていたこの日を忘れない。
    戦士と魔法使いが祝福する中、小さな教会で彼が指輪をくれた。
    涙が止まらない。
    嬉しいのに、幸せなのに、悲しくて辛くて涙が止まらない。
    嬉しくてごめんなさい。
    幸せでごめんなさい。
    私の幸せを祈ってくれた、あなたの顔を思い出せなくてごめんなさい。
    この日だけは忘れたくない私を許してください。

    164: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:48:23.09 ID:uugOgiDlo
    街に滞在中、英雄の国からの使いだという一団が現れた。
    山賊か野党の集団にしか見えない姿に警戒するが、街の人達の対応を見るに、それなりに信用を置ける集団らしい。
    どちらにせよ、相手の人数や場所を考えるに付いて行くしかないようだ。
    いざという時の為、逃げる準備だけはしておこう。


    意外なことに、彼らはとても紳士的だった。
    更に場数を踏んでいるのか、魔物の対処も素早く、動作も洗練されている。
    勇者と戦士は既に彼らに溶けこみ、酒を酌み交わしながら歌を歌い、そんな彼らを見て魔法使いが楽しそうに笑っている。
    おとぎ話の中の冒険者の姿が、そこにはあったようにも思えた。


    王の住む街までの旅路の中、彼らは多くのことを私たちに教えてくれた。
    少人数での魔物の対処法や、有効な魔法の活用法であったり、果ては食用に適した魔物の種類であったり、調理法にまで及んだ。
    そして彼らは口々に言う。
    『我々は英雄などではない』
    私たちと何ら変わりのない、悲しい人達がそこにはいた。


    高い城壁のそびえる街。それが王の住む街。英雄の国。
    幾度もの魔物の進行を耐えたのか、城壁は所々に傷を負いながらも頑丈に街を守っていた。
    街へ入ると、老若男女様々な人がそこにはいた。
    そして、誰もが私たちを歓迎してくれた。
    旅の疲れもあるだろうと宿を紹介され、休んでいるとひっきりなしに誰かが顔を出しては長い旅を労ってくれる。
    心地良い眠気が襲ってきた。もう遅い、今日は眠ろう。


    王は城ではなく、普通よりも少し大きな家で私たちを待っていた。
    豪快に笑う王曰く、この国には王を住まわせる城など無いのだという。
    そして王は言った。この国の一員にならないかと。
    勇者などやめて、共に生きないかと。
    我々は同じなのだと。
    この日は返答を待ってもらい、宿へと戻った。
    宿で一晩話し合い、返事を決める。
    明日、また王の元へと向かおう。


    朝早く、私たちは旅の支度を終え、王の元へと出向いた。
    私たちの姿を見て王は理解したのか、少しだけ悲しい顔をした後、初めて出会った時と同じように豪快に笑う。
    去り際、一言だけ投げかけてきた。
    『お前達は負けるな』
    人々の希望、羨望、嫉妬、悲しみ、そして自分の中の絶望に負けた悲しい英雄の言葉を背に、私たちは英雄の国を後にした。

    165: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:49:42.36 ID:uugOgiDlo
    以降のページは文字が血に汚れ、最後のページ以外判別不能。

    166: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:50:18.81 ID:uugOgiDlo
    最後のページ


    親愛なるあなたへ。

    本当は、こうするべきじゃないのかもしれない。あなたに恨まれるかもしれない。
    でも、あなたが必死になって残してくれた薬指は、きっと私がこうする為のものだと思う。
    ごめんね、あなただけ残してしまって。
    ごめんね、あなただけに背負わせて。
    ごめんね、大好きだよ。

    もし、私たちを知らない誰かが片手だけでいいから、片方の手のひら五本分だけでもいいから、私たちの手を取ってくれたのなら、どうか許してあげてください。
    きっと世界は、人は、そこまで愚かでも傲慢でもないから。

    もうそんな資格はないけれど、それでも最後に、神様にお祈りしようと思います。

    ずっといっしょにいれますように
    またね。

    167: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 00:54:41.51 ID:uugOgiDlo
    以上で僧侶の手記終了となります。
    国を去ってから最後までの間は、当初の予定通り書かない方向でいきました。
    見てくれた方、これから見てくれる人に心から感謝を。

    本当に、本当にありがとうございました。

    168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/07/07(木) 01:06:31.91 ID:uVcCU9ZPo
    おつかれさま、涙が出た

    171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 01:18:49.00 ID:xQ4AiPeIO


    173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 01:48:17.33 ID:LM2+tjejo
    ずっと一緒にいたいから「食え」だったのかな僧侶……

    174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) 2011/07/07(木) 02:03:08.37 ID:O5JGzCxh0
    やばい…やばい…

    179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) 2011/07/07(木) 03:22:39.37 ID:HIAP/orAO
    乙!
    悲しい…

    187: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 08:06:58.96 ID:gfBhwEEIO
    一晩明けたらレスが沢山あっておでれーてます
    勇者マークに関してですが、自分でもえらくわかりにくく書いちゃったので補足を
    王様と姫様がゲットした数が合計4
    勇者の手を握る指の数に届きませんでしたとなりまする
    本当は台本形式だった時に回収予定だったものを忘れ……ゲフンゲフン
    と言うわけで、回収も含めてあの最後になりました

    他にも「答えろファッキン>>1が!」な部分があれば可能な範囲で返しますです

    188: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 08:25:30.29 ID:i22DvoUx0
    勇者マーク最初から最後までずっと気になってたんだが、結局なんだったんだ?

    189: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 08:30:27.95 ID:gfBhwEEIO
    >>188
    物自体はどこにでもありそうなバッジみたいなもんとして考えてもらえれば
    特にこういうのという形は考えてません

    191: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) 2011/07/07(木) 08:53:34.03 ID:H0y4Fy7AO
    魔法の国で多額の蘇生代ふっかけられた際に自国の王様は何度も援助要請断ったんだよな?
    その割に冒頭では勇者に頭上がらないみたいだし事情も全然知らなそうであれって思った。
    姫様に至っては自分のポケットマネー差し出しそうな勢いじゃね?

    193: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 09:18:37.25 ID:gfBhwEEIO
    王様の態度の違いに関しては、支援要請の時点では勇者が魔王を倒せないと思っていた部分や、魔王を倒して名実共に最強人間になっちゃった勇者にビビってたり、今後の勇者っていう存在で得られる経済効果を考えてウハウハしてたりというのが理由ですね
    余談ですが、ほとんどのRPGって後半に行くにつれ、物の値段が上がるのは何でよ?ワシ勇者やぞコラって思ってたりしたんで、そういうところから物価の違いに落ち着きました
    なので、魔法の国からしたら実はそう法外な値段を吹っ掛けた訳でも無かったり
    そして、こんぐらいも払わないならお前のとこの資産(勇者パーティー)寄越せよ→全員じゃないならいいよ?最悪、勇者いればどうとでもなるしって動きがあったりした訳です
    姫様に関しては、良くも悪くも現実を知らないというキャラです
    額を見たらバックれ確定な無知は罪って人ですね

    195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) 2011/07/07(木) 09:53:25.42 ID:H0y4Fy7AO
    え、じゃあ「お仲間方は?」と聞いたのは一体……。
    魔法使いや僧侶は生きてても売り渡されているからいなくて当然のはず。

    しかも、そんな人身売買を承認した割に勇者の怒りや不忠を全然警戒してない。
    平時ならともかく、魔物がいて人間同士の戦争がある世界じゃバカ殿なんて生き残れんだろうに。

    196: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 10:03:24.53 ID:gfBhwEEIO
    >>195
    まあ凱旋ですので、他の国の物とはいえ、チラッと顔を出さんかーいという感じです
    そして、人を売ったという認識すら無かったり
    王様からすれば、国の為に余所の国に売り渡されたとしても自国の民として当然という考えで、恨まれるとは思ってません
    感覚としては住所移すだけぐらいの軽い考えです
    そんなんだからこんな結果になったとも言えますが

    197: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 10:11:09.29 ID:gfBhwEEIO
    とは言え、手記に移行する予定が無かった為に後付けや矛盾もかなり多分に含まれてたりします
    うおお……色んなところ添削したい……加筆修正したい……
    シリアス物をその時その時でガリガリー!投下!ガリガリー!投下!は今後やめようと心に決めました
    読んでくれる人にあまりに失礼すぎると大反省中

    199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) 2011/07/07(木) 10:29:47.90 ID:H0y4Fy7AO
    >>197
    あーごめん、そんなに気にしないでくれwwwwww
    出来が良かったのと、世界を憎む系なんでつい世界観に対してハードル上げちゃったんだ

    198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) 2011/07/07(木) 10:26:57.63 ID:H0y4Fy7AO
    うーむ、となると今度は砂漠の王がとんだ間抜けだな
    最初の国の資産とされる勇者PTを罪人にすると脅して私有なんて外交上の亀裂がすごいだろう
    港町の国に戦争仕掛けたいなら、余計に後背に気をつけないとまずいし
    挟み撃ちされても平気な程の大国なら魔王倒せるかもわからん4人のためにそんなリスク犯んでも

    200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 10:39:34.59 ID:94w209sDO
    まあ、とりあえずまとめるとだ


    この人間共は一度滅びて正解だったな

    206: ◆Vcef9xkjaI 2011/07/07(木) 14:18:31.86 ID:gfBhwEEIO
    最後に今ある質問に答えて終わりたいと思いまする

    砂漠の王は、以前から王女の国を狙っていたり
    勇者のいた国は弱国(RPGでの初期国の周りは弱い敵しかいない=兵も弱い)な上、天然の砂漠もあるので後回しで考えてます
    でも、自国の近くには魔物の巣になっている遺跡がある為、下手は打て無い。
    そこにやってきた勇者一行。よし、こいつらに掃除させてしまえ。
    つまり、関節的ではありますが、戦争の引き金を引いたのは勇者一行となります
    とは言え、自国の武力で何でも解決できんだろと考えてる馬鹿な王ではあります

    ニンゲンって馬鹿だねーに集約される話ですよね。

    続きに関しては書く予定は今の所ありません
    大きな理由として、これ以上は同じ事を繰り返し書くだけの話になりそうだからというのと、精神的な負担がががが
    鬱話を延々と書けるというタイプの人がいますが、心から尊敬します
    数日ではありましたが、かなりキツイってばよ!

    過去作は数年前にVIPで新ジャンル系を幾つかと、某あの魔スレで未完の長編を一つ
    かなり古い作品なので、詳細は秘密にさせて下さい

    次回作は、以前書いた作品のリメイクか、二次創作のクロスもの辺りを考えてます
    どちらにせよ鬱要素はかなり少ない話になるかと
    それでも見てもらえたら嬉しい限り

    魔物の話に関しては答えてくれた方がいるので割愛します


    ではまたどこかで

    207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 14:43:33.01 ID:Pj8I/tRDO
    乙。また会おう

    208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) 2011/07/07(木) 15:10:33.18 ID:H60b8ilJo

    209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 15:12:23.69 ID:sEdSbNmgo

    また見たいな

    217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:56:44.07 ID:alBcVoZ9o
    乙~
    面白かったぜ

    213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/07(木) 16:44:25.21 ID:bMqfVUrSO
    読み終わった>>1
    鬱になったけど…明るいばかりの勇者のお話だけじゃなくてこういうのもいいな
    興味深かったよ有り難う














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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:03 ID:QzHlFhe80*
    勇者の口調が痛すぎて無理
    厨二の妄想みたいできもい
    2  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:04 ID:ZFIsdk4L0*
    昔読んだけど面白かったよ
    3  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:04 ID:Xu0AD0yx0*
    これ昔読んだの未だに覚えてたわ
    なかなか考えさせられる話だった
    4  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:11 ID:r.SPnYTN0*
    勇者マーク一個進呈
    5  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:20 ID:L7JKIgg.0*
    懐かしいのまとめてきたな
    6  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:33 ID:lOVcVpzp0*
    あー凄く懐かしい。
    怖い系のアプリにはいちぇたな
    7  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:40 ID:aRnHeupR0*
    これだったら勇者「冒険の書が完結しない」のほうが好き
    8  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:49 ID:r.SPnYTN0*
    女勇者「強くてニューゲームっ♪」も面白いけどあれは人を選ぶだろうねぇ
    久しぶりに読んだらちっとクサかったから
    9  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:51 ID:fj0ReCD.0*
    ひのきの棒もすこれ
    10  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:56 ID:FyEsPDh90*
    これ、最初読んだ時は面白かったんだけど、後でよく考えたら「不自然に都合が悪い」事に気がついて冷めたわ。「何故か」勇者達の扱いが雑で「何故か」周囲の人間は勇者達に厳しくて「何故か」魔王という驚異に対して鈍感で……結局、何もかも都合が良い適当な二次創作と何にも変わらない作品
    11  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:58 ID:p1gnoA6x0*
    カラプロ代表ホームズ先生です
    声優やらせてもらってます
    ホームズ先生で検索よろです
    12  不思議な名無しさん :2017年07月27日 23:58 ID:GT0hlMc50*
    昔作られたものなのか、うまく創られてて勿体無いな。
    13  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:00 ID:nKeCjY260*
    まーた懐かしいものを…最初に読んだの2年前位だったかな…
    色々考えさせられたなぁ
    14  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:01 ID:49beKkLI0*
    何かもう台詞から設定からお寒い
    厨二ノートってこんな感じだよね
    15  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:01 ID:RaYk3I0i0*
    ※1
    絶対最後まで読んでなさそう
    16  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:03 ID:8V37FedU0*
    実際の冒険ってこういう感じなんだろうな

    米10実際そうじゃん
    身近に上げると現実的脅威の北朝鮮に「何故か」鈍感だよね・・・

    勇者や英雄=偉大な記録を打ち立てた人と考えると今でもそうだし
    そういう人は色々政治利用されたりする
    清宮とか藤井4段とかなんて周りからは札束にしか見られてないんじゃない?
    17  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:04 ID:BcfCZ1z30*
    ※7
    俺もそっち思い出した。ハッピーエンドでラスボス戦も盛り上がるし、読んで楽しいからそっちの方が好き。
    というわけで管理人さん、これまとめるなら冒険の書が完結しないもまとめ…まあ内容覚えてるから別にいいんですががが。
    18  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:10 ID:aLbe7gkV0*
    懐かc
    19  名無しのまとめりー :2017年07月28日 00:12 ID:8tOsqd1p0*
    発想が良いね。
    ウィッチャーとドラクエ合わせた感じ!
    才能あると思う。
    磨いた方がいいよ。
    20  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:13 ID:nfv3XjfZ0*
    昔はこういう勇者系SSは斬新だったな
    21  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:27 ID:We.xKFKb0*
    最後が駆け足でよくわからんのだが
    魔王を討って帰ってきた勇者は実は次の魔王でした
    ってことでいいのかな?
    22  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:39 ID:mpajbu5I0*
    ※9
    握手
    23  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:40 ID:D4Vp0UrQ0*
    >21
    そこははっきり書いてないから想像かなぁ
    自分は、勇者=勇者がいない世界→自分が魔王になれば解決
    魔族側に勇者が現れて、結局繰り返すよって締めとおもってる
    24  不思議な名無しさん :2017年07月28日 00:52 ID:lp3PcouA0*
    いやーこれは11発売もすぐだし、いいカンフル剤になったね(白目)
    25  不思議な名無しさん :2017年07月28日 01:00 ID:j70.lUqu0*
    *21
    自分の所属した国を最初に滅ぼした。で、即し魔法受けてもしなないから、魔法の国(知識)を滅ぼした。更に英雄の国(頑強さ)も滅ぼして、人間側から勇者が現れる下地を無くした。最初の国がそれを避けるために重要だったのに勇者マーク4個しか取れなかった。で、勇者は人間に救う価値が無いと判断したんだろうね。後は、物語の通りでしょうね。
    26  不思議な名無しさん :2017年07月28日 01:43 ID:rd.t8edC0*
    くっさ
    27  不思議な名無しさん :2017年07月28日 01:53 ID:TH51xOVR0*
    いつだって現場は悲惨
    そんな気がします
    28  不思議な名無しさん :2017年07月28日 02:17 ID:bOUc2jWG0*
    たぶんなろう系に需要が吸われたんだと思うけど、
    一昔前はこの手の勇者SSがよくあったよね
    29  不思議な名無しさん :2017年07月28日 02:25 ID:3m50gAzu0*
    昔見てからずっと疑問なのが、魔王クラスの魔物以外も人語を操れる世界だったら、色々と交渉できそうだけどな
    普通、魔物は理性がないのと凶暴なのがつきものだけど、村を作るくらい高度な社会を築けるやつもいるなら、人間と交渉しそうだけどな、自分達も殺されたくないだろうし
    30  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:12 ID:8V37FedU0*
    米29
    魔物=武器を持ったキリカスの白人と考えましょう
    最初から相手を見下して交渉なんて無理だから
    31  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:20 ID:hiS485QS0*
    懐かしいが、やっぱ口調がなw

    米7
    おお良かったよなあれ
    あれは熱かった
    32  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:23 ID:6uokuk0n0*
    何年か前、もう1回読みたいと思っていたのですがタイトルが分からず検索出来なかったので有難いです!!!
    33  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:37 ID:hiS485QS0*
    大長編だけど魔王「よく来たな勇者よ」だったかな?
    凄く感動して泣けたSSがあったなー
    34  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:38 ID:GbYjYVzA0*
    話は面白くて楽しめた

    あえて突っ込むなら勇者PT弱すぎる、最後は無限回復ってチートスキルがあったにしても普通の人間風情に勇者が力ずくでゴリ押し出来ない程度なら、魔王なんか人間がその気になれば勝てるんじゃないだろうか?
    正直勇者PTがここまで悲愴な思いをしてまで魔王を倒さなきゃならない理由がイマイチ伝わらないかな

    それでも面白かったけど
    35  不思議な名無しさん :2017年07月28日 03:39 ID:hiS485QS0*
    ↑調べたら幼女「待ちくたびれたぞ勇者よ」だった
    ほんとにクソ長いけど読めるので暇ならお奨め
    唯一ガチ泣きしたSS
    36  不思議な名無しさん :2017年07月28日 04:29 ID:Dstt8ndU0*

    最後の台詞意味わからんのだが
    何に失敗して何の番なんだよ
    37  不思議な名無しさん :2017年07月28日 05:36 ID:w3FH9wmc0*
    エヴァQでも思ったけど、救世主候補の扱いが悪いと誰もなりたがらなくなるよね。あと、人間側の魔王(元勇者)がよくわからん。人を滅ぼそうとした人なんだから、魔物の青年がこれを倒そうとする動機はただの弔合戦くらいしかないような。放置しとけば勝手に魔物の天下にしてくれそう。
    とはいえ、回復薬や回復魔法に副作用があったら悲惨だっていう視点は面白かった。
    38  不思議な名無しさん :2017年07月28日 07:07 ID:NPFk4QVU0*
    500年後の世界すこ
    土の四天王の作者もすこ
    冒険の書が完結しないのとか魔王と勇者が日本に来ちゃうやつもすこすこすこのすこ
    39  不思議な名無しさん :2017年07月28日 07:07 ID:K0xjmq8b0*
    しょうもな
    40  不思議な名無しさん :2017年07月28日 07:49 ID:txApzzCr0*
    卑屈な勇者だな
    41  不思議な名無しさん :2017年07月28日 07:50 ID:44tb26Td0*
    リアルにするとこうなるんか…って気が滅入った。
    でも面白かった。
    42  不思議な名無しさん :2017年07月28日 08:06 ID:cQfxAYc30*
    勇者の口の軽さは無理な蘇生の後遺症と
    過酷な旅で無理に明るく振舞う癖がついただけで
    本来は口数が多くも少なくも無い普通の量だと思う事にした
    43  不思議な名無しさん :2017年07月28日 08:18 ID:cQfxAYc30*
    ※36こういう意味だろ
    勇者と魔王の立場が逆になって 勇者が魔王の様に魔物を待ち受ける側になり
    「俺は(魔王討伐後の世界をどうするかに)失敗した。次は……(俺が死んだ後の世界をどうするか決めるのは)お前の番だ」
    44  不思議な名無しさん :2017年07月28日 09:15 ID:UacrUps00*
    また懐かしいものを。
    「勇者と魔王の結婚生活」だっけ。あれ好きだったなぁ。
    45  不思議な名無しさん :2017年07月28日 09:30 ID:ZC.sXnIN0*
    あれ?最後に魔物の青年がニンゲンの魔王【勇者】に何か言うことはあるか?て聞いた時、勇者は2つほどって言うてるけど、俺は失敗した次はおまえだが1つとしたら、もう1つは何を言ったのかな?
    46  不思議な名無しさん :2017年07月28日 10:26 ID:2lJoP1PL0*
    俺は失敗した。で1つ、次はお前の番だ。で2つじゃないの?
    47  不思議な名無しさん :2017年07月28日 11:10 ID:o.uZckTA0*
    そういうことかなぁ
    48  不思議な名無しさん :2017年07月28日 11:12 ID:z.VgBV1.0*
    これ昔夢中になって読んだ面白かった

    勇者「魔物とセ○クスした」も面白いよ
    変人主人公が政治利用されて英雄にさせられてく様が面白い

    ※30
    それは詰んだw
    異教徒を制裁か改宗(考え方の矯正)するのが絶対的な正義の人達との交渉は難しい
    49  不思議な名無しさん :2017年07月28日 11:40 ID:S4sggj.m0*
    ※10
    そういう都合の悪さが実際にゲームにあることを皮肉った作品だろ?
    ドラクエしたことないの?
    50  不思議な名無しさん :2017年07月28日 11:58 ID:5Ezr31z70*
    これ昔SS漁りしてた頃読んだな
    懐かしい
    51  不思議な名無しさん :2017年07月28日 12:38 ID:aNIAhNlL0*
    明日はワクワクして挑むのみ
    52  不思議な名無しさん :2017年07月28日 13:02 ID:DIW5fCPs0*
    待ちくたびれたぞ勇者よをここで知って今読み終わった
    読むのに2時間かかったがかなり自分好みの内容で面白かった
    53  不思議な名無しさん :2017年07月28日 14:31 ID:SP3IvJwG0*
    街道とか街と街の距離が危険レベルなのは理解できたが、街と街の距離設定が都合良すぎて
    次の街まで数日で死にかける世界で何故交易や国家同士の関係が出来るのかとか
    変な方に疑問がわくかな
    54  不思議な名無しさん :2017年07月28日 14:57 ID:LnXxrRHZ0*
    見たことあると思ってたらかなり昔のやつなんだな
    みんな仲良くハッピーエンドが一番好きだけどたまにはこういうのも読みたくなる
    55  不思議な名無しさん :2017年07月28日 15:44 ID:4FfR9fnN0*
    面白かった
    56  不思議な名無しさん :2017年07月28日 16:28 ID:1sXfI66z0*
    ※53
    交易商には馬車があるけど勇者には無い
    本当はあってもいいんだけど、どっちにしろ英雄の国以降の悲劇は避けられないだろうね。魔王の領域に馬車なんて持ち込めるわけないし
    57  不思議な名無しさん :2017年07月28日 16:34 ID:GoT2lHjc0*
    やべー、ドラクエ11買う気無くなってきた(-ω-;)
    58  不思議な名無しさん :2017年07月28日 19:23 ID:w57eN.Gc0*
    ※10だなぁ。移動魔法あるんだから逐一移動すれば良いし。なんなら仲間を増やしても良かった。
    59  不思議な名無しさん :2017年07月28日 19:52 ID:I6uh6HDC0*
    それに比べて『メラしか使えない』奴ときたら(´д`|||)
    60  不思議な名無しさん :2017年07月28日 20:03 ID:Ad6slKWp0*
    もうドラクエ出来ねーな
    さーてモンスターズでもするか
    61  不思議な名無しさん :2017年07月28日 20:28 ID:.weoDiZE0*
    俺の中でドラクエ3がダークファンタジーになってしまった
    62  不思議な名無しさん :2017年07月28日 21:06 ID:3CGp7hg.0*
    これ昔からあるやつやね。
    63  不思議な名無しさん :2017年07月28日 23:40 ID:kMTbKFV10*
    こういうss見ると、ベジータかなんか乱入させて
    サクッと解決させてやりたくなる
    64  不思議な名無しさん :2017年07月29日 01:26 ID:zntePWrT0*
    ※43討伐後の世界どうするか失敗って
    描写見る限り元々勇者は滅ぼすつもりみたいだったから失敗してないじゃん
    65  不思議な名無しさん :2017年07月29日 01:51 ID:Uirk4lK90*
    ひどい自己満足。
    なぜこんな稚拙な文章でわいていたのか理解できない。
    コメント1が全てを物語ってる。
    66  不思議な名無しさん :2017年07月29日 01:54 ID:K1qglua90*
    これの何が面白いの?
    67  不思議な名無しさん :2017年07月29日 05:30 ID:zHULIhBT0*
    SSはじめてまともに読んだけど面白いな
    好きな世界観だった
    68  不思議な名無しさん :2017年07月29日 09:28 ID:OmHYFjzo0*
    暇つぶしで読む様な物にケチつけてる奴何なの
    別に金とってるわけでもない素人作品なのにさ
    69  不思議な名無しさん :2017年07月29日 11:41 ID:kSNClO0u0*
    ※10
    最後の英雄の国や女王の国は好意的だし、途中は勇者=金にしか見えてないからな。

    1も後付多いから矛盾は許して。って書いてるし。

    この手のSSは最近投下されないから、久々に読んで面白かった。
    70  不思議な名無しさん :2017年07月29日 11:49 ID:GInrLbvG0*
    冒険の書が完結しないやつ面白かったなぁ
    どっかのなろう小説とは大違いでちゃんと設定とか伏線とか凝ってたし
    71  不思議な名無しさん :2017年07月29日 13:10 ID:xSo9Rlu70*
    鬱ではあってもリアルじゃないよな
    引き込まれるものはあるが、あらゆる面で逆補正かかってるから突っ込み所が多すぎる
    72  不思議な名無しさん :2017年07月29日 17:36 ID:wXhsjy9v0*
    なげえ、しかも中学生が書いたような文体で読む気失せる。
    73  不思議な名無しさん :2017年07月29日 21:28 ID:wg..5rD10*
    完結しない
    魔物とセ〇クス
    外道女騎士
    が面白かったかな?
    74  不思議な名無しさん :2017年07月30日 02:01 ID:MVhhLmoY0*
    必死に厨二くさい中学生かって連投してる短文レスがいちばん夏休みの中学生っぽいレベルな件
    75  不思議な名無しさん :2017年07月30日 06:48 ID:1ahp..1Z0*
    魔物を倒すと金も手に入るんじゃないの?
    76  不思議な名無しさん :2017年07月31日 14:24 ID:dL41bCvc0*
    文句言う割りに皆最後までしっかり読んでるよな
    77  不思議な名無しさん :2017年08月27日 14:44 ID:VtU8ZIVV0*
    長い。


    あと口調がキモい。
    陰キャ学生だろうな書いた奴。
    78  不思議な名無しさん :2017年08月27日 19:31 ID:PhxOgY6K0*
    この程度で「長い」とか…
    心配になるわ日本
    79  不思議な名無しさん :2017年09月17日 15:31 ID:eWlE7UoY0*
    内容じたいはすきではあるんだけど作者の語りの部分が臭すぎ…。
    80  不思議な名無しさん :2017年12月24日 14:33 ID:aq2BKSAq0*
    SSや釣りスレで作者がしゃしゃり出てくると一気に冷める
    81  不思議な名無しさん :2018年02月20日 17:32 ID:uTnbRCTy0*
    回復や蘇生が出来るが故に死に対する恐怖の歪み具合がいい味出してるなあ。読みたくないけど読まされる。
    勇者の不遜な口調は気になったけど、読み終わった後に見返すと印象変わって面白い。
    82  不思議な名無しさん :2018年03月14日 00:19 ID:bdVxoElB0*
    こういう鬱な勇者もの初めて読んだけど面白かった
    実際勇者の魔王討伐の旅っていうのがあったら、この小説のように楽なものじゃないだろうなって思う。
    ゲームだとサクサク進んじゃうけど、食料の問題があったり、村から滞在を拒否されたり、やっぱりあるよなあって。
    83  不思議な名無しさん :2018年03月18日 02:50 ID:pdeYczzT0*
    何百年前のSS形態に文句つけてんだよw
    今のツイッター構文だって五年後には目当てられないキモさだろうよ
    厨二でキメェってどんな顔して書き込んでんだ
    84  不思議な名無しさん :2018年09月24日 07:56 ID:7wNNf2.r0*
    所詮こんなとこで書いてる娯楽にぶつくさ言ってるやつ、お前がもっとおもろいもん書いてから文句言えw
    85  不思議な名無しさん :2019年03月23日 00:59 ID:t.61keyJ0*
    文句を言っている奴等が、学んだ文学、読んだ本の数なんか言えないだろうな
    頭が悪いのに自分の薄い感想だけ言えるって、社会の負債だからねぇ
    86  不思議な名無しさん :2020年06月13日 23:59 ID:x0ATMfFH0*
    なろう系って2017年にはもう認知されてたのか
    というかそんぐらい辺りからか
    2011年ぐらいは勇者系SS隆盛期になるのかな
    まおゆうが一時期凄かったがこれも名作の一つになっていて逆にノベル化したけど
    逆輸入みたいにSSを書籍化する企画がかつてあったけどもうとん挫したのかな
    コミカライズされてほしい作品けっこうあったんだけども
    87  不思議な名無しさん :2020年06月14日 00:37 ID:99R2l8820*
    いや、もっと前だな。
    2014年あたりからか。無職転生のなろう無双が大体その時期。
    88  不思議な名無しさん :2020年06月14日 00:43 ID:k7l5D6Bd0*
    なぜ、軍隊を作って攻めこまないの?

    後、ドラクエとかも冒険開始から冒険終了まで
    長くても一ヶ月くらいの設定だよね?

    89  不思議な名無しさん :2020年06月14日 00:54 ID:IIqICSXj0*
    おつらい
    90  不思議な名無しさん :2020年06月14日 01:29 ID:Vmeo1VL80*
    なんか批判おおいが即興で作ってることを考慮したらおもしろいじゃん。
    この人に設定をしっかり練ったダークファンタジーな勇者物語作って欲しい。
    91  不思議な名無しさん :2020年06月14日 01:41 ID:JfLIoBph0*
    初めて読んだ時は衝撃的に面白く感じたなぁ
    こんな前だったんだこの頃が魔王勇者SSが一番流行ってたかな
    92  不思議な名無しさん :2020年06月14日 02:52 ID:9SC4Rd8o0*
    >>86
    なろうサイトの大まかな歴史を見ると2007頃から俺強系が作られ始めて
    2010頃のなろう小説書籍化を皮切りになろう系俺強ものが爆発的に増えた感じ

    ちなみに魔王勇者は2009スレが最初で書籍化は2010末
    93  不思議な名無しさん :2020年06月14日 02:58 ID:ewc2KG7G0*
    凄いのを見た
    94  不思議な名無しさん :2020年06月14日 02:59 ID:xgQmNJpA0*
    都合の悪さとか勇者PTに対する扱いの悪さなんて、既存のRPGの全部に当て嵌るだろww
    勇者なのに武器も防具も蘇生も、宿に泊まるのすら金がかかるんだぞ?少しでもゲームやった事あるなら分かるだろ。
    身近な驚異にすら鈍感なのは現実でもゲームでもそうだしな。
    95  不思議な名無しさん :2020年06月14日 03:50 ID:FA53MfrZ0*
    何年か前に読んだけど未だにスクロールってなんなのかわからない
    96  不思議な名無しさん :2020年06月14日 06:29 ID:gEftv7qv0*
    やっぱこれよぉ
    このkey全盛期を過ごした特徴的文章がいいんだ
    だよなだーまえよ
    97  不思議な名無しさん :2020年06月14日 06:45 ID:f7OkZc0u0*
    久しぶりに読んだー。これ映画化R15みたいにしたら絶対観るぞ
    98  不思議な名無しさん :2020年06月14日 10:09 ID:xcWqay2q0*
    >>95
    不思議のダンジョンの巻物系の道具だと思う。

    魔法が使えない人でも、読んだだけで魔法が使えるアイテム、ここで使われたのはMPを回復する魔法かな。
    99  不思議な名無しさん :2020年06月14日 10:20 ID:xcWqay2q0*
    >>75
    ドラクエの魔物を倒したお金は、倒した魔物から毛皮の様な、金になる物を剥いで売る過程を省略してるってどこかで見た。
    100  不思議な名無しさん :2020年06月14日 11:18 ID:TYICWvqg0*
    後のダンジョン飯である
    101  不思議な名無しさん :2020年06月14日 12:11 ID:IpBLuRfV0*
    面白かったけど、野盗を野党って書いてる所がwww
    102  不思議な名無しさん :2020年06月14日 20:29 ID:9Jd4v.ta0*
    英雄の国に根をおろさない動機付けがないとな
    103  不思議な名無しさん :2020年06月14日 20:47 ID:.9.zrjw70*
    ちょっとグロなところがいい
    ラストにもっとインパクトが有れば
    104  不思議な名無しさん :2020年06月14日 23:21 ID:T4dohT2H0*
    面白いけど、「リアルに考えるとこうなのか……」
    とか言ってるやつらはどうかと思う。
    人間の集落がなく食料がないから、
    知能の高い魔物を食った?
    その魔物は何食ってんだよ。
    とか、リアルに考えてしまったらツッコミどころだらけだし
    105  不思議な名無しさん :2020年06月14日 23:23 ID:D0XT25sZ0*
    俺は魔王・・・・・・
    魔王オディオ・・・・・・
    106  不思議な名無しさん :2020年06月15日 12:50 ID:TAhZnhBK0*
    ちょっと待て
    レスが欠落してるぞ まとめ方が雑すぎる
    107  不思議な名無しさん :2020年06月15日 15:14 ID:OcyYzOFp0*
    RPGって物価そのものは変わらないだろ
    ドラクエでは薬草は世界共通で8Gだ
    一方で宿屋の代金だけは上がるので、物の価値は据え置きで貨幣価値だけが上がっている奇妙な状態なんだよなぁ
    108  不思議な名無しさん :2020年06月15日 15:20 ID:aQkg3lRi0*
    懐かしい
    109  不思議な名無しさん :2020年06月15日 18:47 ID:FpjgtUBM0*
    久々に読んだけど、やっぱこの人プロだよな
    改めて読んでみると言葉選びのセンスが素人のそれじゃないわ
    110  不思議な名無しさん :2020年06月15日 22:10 ID:SfGX6UFi0*
    当時のスレ住人ですけど久々に見たよ。
    最初にスレ見てから9年も経っていたとは。

    低Lvで急いでRPGクリアしようとすると
    こうなるのかなと思いながら読んでいました。
    111  不思議な名無しさん :2020年06月15日 22:33 ID:bQucZKb10*
    面白かった
    しっかり設定とか煮詰めれば本とか出せるんじゃない?
    112  不思議な名無しさん :2020年06月16日 02:08 ID:gF4DsBdD0*
    暇つぶしに読めて面白かったよ

    SS系って廃れたよねぇ、、かなしぃ
    とある魔術の禁書目録系で天使同盟って作品めっちゃ大作で長く作られたけど東日本大震災以降更新されなかったんだよな、、、
    113  不思議な名無しさん :2020年06月20日 19:59 ID:O8JAiSpb0*
    ※104
    作者人間やろ
    魔物が何食ってるかなんて知るわけ無いやろ
    114  不思議な名無しさん :2020年06月21日 12:10 ID:6zaoVGNR0*
    仲間の死を悲しんだ事でマーク進呈してくれるんだな
    115  不思議な名無しさん :2020年06月22日 09:15 ID:Sf0Ho7710*
    面白いけど勇者の口調が嫌い
    ドラマで下手な演技俳優が狂人を演じる時に
    重い話を軽い口調で話して周りが驚かせるテンプレみたいだ
    116  不思議な名無しさん :2020年06月22日 09:52 ID:hTYLo.BX0*
    ドラクエ3やり直してて今まさしくゾーマ手前なんだけど…
    117  不思議な名無しさん :2021年10月20日 12:05 ID:CJOPmnzG0*
    魔物も人間も家畜化して食用出来そうだなお互いに
    魔物レストランとか人間牧場みたいのを鬱展開で書いてほしいわ
    118  不思議な名無しさん :2022年12月31日 00:59 ID:QQStTPXZ0*
    昔キノの旅ってラノベを読んでいたのを思い出したわ
    119  不思議な名無しさん :2022年12月31日 01:02 ID:HQTIEJki0*
    懐かしい。10年くらい前に見たSSだ
    120  不思議な名無しさん :2022年12月31日 01:23 ID:He5xuyR.0*
    これ、別視点からの話もあるから、それも載せてほしい
    121  不思議な名無しさん :2022年12月31日 02:39 ID:PQtAflbo0*
    こりゃまた懐かしい……なろうもないSS全盛期の作品じゃん
    粗もあるがシステムに逆らう話って人気あったんだよな
    122  不思議な名無しさん :2022年12月31日 09:16 ID:XVR37uTs0*
    葉巻なのにプハーは草
    チー牛はタバコと葉巻の区別は難しいようだ
    123  不思議な名無しさん :2022年12月31日 10:31 ID:d4if2D3r0*
    懐かしくて久々に読んでしまった。
    最近のなろう系の復讐物とは絶望度が違うな
    124  不思議な名無しさん :2022年12月31日 16:04 ID:TyUSwB5G0*
    ※115
    こんなハードな体験してたら性格も狂うだろうよ
    俺も陽キャクズみたいなキモイ口調だとは思ったけどね

    心が壊れ切ってるんだろうよ
    これは仕方なし
    125  不思議な名無しさん :2022年12月31日 21:57 ID:XAHMNz140*
    ドラクエとか面白く無さすぎるわ
    126  不思議な名無しさん :2023年01月01日 06:47 ID:GfZjnPYX0*
    懐かしい

    今ならフリーレンがマゾ区
    127  不思議な名無しさん :2023年01月02日 11:01 ID:.SCrXMYF0*
    歴代の魔王勇者系でいまだに史上最悪の絶対王者
    これより臭いのを見たことがない
    作者のニチャァって声が聞こえてくるよう
    128  不思議な名無しさん :2023年01月06日 20:04 ID:Z.EvtR7t0*
    面白かった
    勇者ものとかRPG全然知らないからか
    勇者が「惚れた弱み」とか言うまで僧侶をハゲた渋いオッサンで想像してた
    129  不思議な名無しさん :2023年04月02日 18:24 ID:u0.OhaoY0*
    臭いとか言ってる連中が一番臭い説
    130  不思議な名無しさん :2023年06月29日 10:48 ID:MrI2yoAm0*
    似たような話だったら僧侶「ひのきのぼう…?」とか勇者「百年ずっと、待ってたよ」の方が好き

     
     
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