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    本日のおすすめニュース
    94

    >>5が自分の人生語るってよ

    shutterstock_557866891


    1: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:36:40.02 ID:RfeZiM0z0
    まあテキトーに頼むわ
    忘れられない夏がある
    http://world-fusigi.net/archives/8698564.html




    2: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:38:01.06 ID:FmGpaXVn0
    ksk

    3: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:38:29.68 ID:P63h9GP/0
    ksk

    4: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:39:50.29 ID:FmGpaXVn0
    ksk

    5: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:39:59.33 ID:DBPwjHtc0
    ksk

    6: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:40:42.11 ID:P63h9GP/0
    頼むぜ
    ID:DBPwjHtc0

    7: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:41:27.29 ID:DBPwjHtc0
    マジかよ踏むとは思わなかった

    人生…人生…か
    こんな落ちこぼれの俺の話だけど聞いてくれるか?

    8: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:42:21.22 ID:FmGpaXVn0
    >>7
    期待してる、聞きたい

    10: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:43:13.17 ID:P63h9GP/0
    >>7
    きちんと聞くから
    よろしく頼むぜ



    9: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:43:07.62 ID:DBPwjHtc0
    けっこう長くなるんだけどもいいかな?
    つまらなかったらすまん

    12: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:43:50.02 ID:RfeZiM0z0
    頼むわ

    13: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:47:28.93 ID:DBPwjHtc0
    ありがとう、んじゃ慣れないけどやってみるわ。

    スペック
    現在底辺大学生男
    容姿は不細工だな

    今でこそどうしようもない俺なんだが
    俺は中学の時は成績が良かった
    田舎の中学だったんだが、その中で常にテストは3番以内に入っていた

    14: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:49:16.44 ID:P63h9GP/0
    >>13
    きいてるぞ

    15: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:50:02.88 ID:DBPwjHtc0
    俺は中学が大好きだ
    友達も、先生も、風土も、全てが大好きだった
    今で言ういじめとかとは到底無縁。
    思い出補正ってやつかもしれないな、でも好きだった

    中学の頃は「優等生」として扱われていたから
    教師の信頼も厚かったし、友達からも頼りにされてた

    16: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:53:14.96 ID:DBPwjHtc0
    毎日がキラキラしていたな
    絵に描いた青春だったかもしれない
    ただブサメンだったから恋愛は上手くいかず失恋続き
    でも、人を好きになってフラれるってのも若気の至り。
    それすらも楽しかったことのように思える

    中3の受験期になると、俺は先生たちに県で一番の進学校への受験を薦められた
    ものすごく期待されていたし、俺もそれに応えたかった
    だから俺は進学校への受験を決意して、毎日頑張ったよ

    17: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:56:58.19 ID:DBPwjHtc0
    そして俺は進学校に合格した
    学校の先生も友達も、みんな祝ってくれた
    「お前が◯◯高に行くなんてすごいな!!」
    「先生も嬉しい。おめでとう」

    まさか自分でも受かるとは思っていなかった
    〇〇高に行ってる、と言えばちょっとした自慢になるくらいなんだ
    それほどの快挙だった
    人生の頂点だったと思う。

    18: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:58:08.31 ID:DBPwjHtc0
    でもこの高校への入学が
    俺の人生を大きく狂わせるきっかけだったんだ
    今でもどうしてここに行ったんだって後悔してる
    自分がいけないんだけど、もっと真剣に色々考えていれば…って今でも思う

    20: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 02:58:50.14 ID:P63h9GP/0
    >>18
    続けてくれ

    21: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:00:41.86 ID:DBPwjHtc0
    高校内でも成績順にクラス分けがされていて
    入試の成績が良かった俺は一番いいクラスになってしまった
    最初こそ鼻が高かった

    「〇〇高で一番上のクラスよ」って自慢してまわったもんだ
    でも、俺の高校生活は徐々に崩れていくんだよね

    23: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:04:35.71 ID:P63h9GP/0
    >>21
    うむ

    22: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:04:06.24 ID:DBPwjHtc0
    まず、話の合う奴がいなかった
    そもそも運動部に所属している奴もほとんどおらず
    中学3年間運動部だった俺は愕然とした
    しかも学校の方針で部活にあまり力を入れていない

    勉強の方も、中学時代は塾に頼って自学習の習慣が全く無かった俺は
    あっという間に遅れをとっていった

    24: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:06:30.26 ID:DBPwjHtc0
    高校一年のくせして周りはみな「勉強第一」「受験第一」
    遊びに誘っても誰ものってこない
    一緒に自転車を並べて帰る奴すらいない!

    5月を過ぎても友達と呼べる友達すらできず
    俺は高校生活の現実に絶望していた

    25: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:10:10.92 ID:M3IN2k/y0
    みてるよー

    26: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:10:40.25 ID:DBPwjHtc0
    おかしい、思い描いていた高校生活はこんなんじゃない
    恋愛フラグどころか、友達と呼べる奴すらできないなんて…

    そして魔の行事、中間試験がやってくるわけなんだが
    俺はなんとケツから二番目の成績をとるwww
    一番上のクラスの奴がほぼ最下位、この状況はよっぽどの事だったらしく
    職員室に呼び出されて教頭に小一時間説教された

    28: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:13:38.67 ID:DBPwjHtc0
    この中間事件以来、先生たちも俺に対する態度が変わる
    「あいつはダメだ」「もうあいつはいいや」
    そんな心が透けて見えるようだった

    宿題を忘れてこようが何のお咎めもなくなり
    分からないことがあって授業後に質問しても異常に素っ気なく振舞われたり
    あれ、俺なんでここにいるんだろ?って気持ちが込み上げてきた

    30: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:15:14.09 ID:P63h9GP/0
    >>28
    オレの高校時代思いだして泣けてきた

    31: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:17:04.61 ID:DBPwjHtc0
    見てくれている人、ありがとう。続けるぜ

    子供心に「見放された」事がとてもショックだった
    教師と言えど大人、大人に必要とされない俺。
    よくテレビにいる「もっとがんばろうぜ!俺が見てやる!」
    なんて言う先生は一人ったりともいなかった

    「お前がやる気ないならそれでいいよ。他は優秀だから」
    そんな先生しかこの時はいなかった

    32: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:20:18.26 ID:DBPwjHtc0
    それでもこの時はまだ挫けなかった
    プライドもあったし、かすかな希望に懸けていた
    俺だって勉強して、先生に認めてもらいたい、いい成績を取りたいって思ってた

    だから教室にいながらにして「ほぼいないもの」にされながらも
    必死で授業に食らいついたし、負けるもんかって気持ちだった
    正直苦しかった

    33: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:22:03.95 ID:ypvRcBqt0
    いきなりこんな語れるもんかすごいな

    35: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:25:59.88 ID:DBPwjHtc0
    >>33
    今年で大学卒業なんだ俺。
    単位も取り終わってやることなくて毎日昔のことばっか思い出しててな
    なんつーか、難しいもんだ

    34: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:24:21.75 ID:DBPwjHtc0
    相談する相手もいなかった
    高校には無論友達がいなかったし
    中学の友達には、見栄があって学校のことを相談できない
    連絡があっても「勉強とか余裕っしょ。高校楽しいぜ」みたいに嘘をついていたんだ

    そんな風に言うと中学の友達は「やっぱお前はすげえな~」
    とか言ってきて
    俺の中で見えない不安がどんどん積み重なっていった

    37: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:30:43.20 ID:DBPwjHtc0
    俺は夏の期末試験に向けて必死に頑張った
    この時は一番辛い時期だったかもしれない
    新しい環境にも慣れきれてないのに
    毎日先が見えない勉強をずっとして…

    そして夏、期末試験が訪れる
    今度は真面目に頑張った
    きっと前回のようにはならないだろう、と自信を持って臨んだ
    もう晒し者にされるのは勘弁だったからね

    38: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:33:10.96 ID:P63h9GP/0
    >>37
    ごくり

    39: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:34:45.70 ID:DBPwjHtc0
    結果から言うと、理系科目がほぼ赤点だった
    前回ほど悪くないにはしろ、クラスではぶっちぎりの最下位
    答案を返される時、周りの目が怖くて体がめっちゃ熱くなった

    また先生になんか言われる…
    と思ったが
    何もなし。まったく何も言われなかった

    40: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:36:46.85 ID:P63h9GP/0
    >>39
    とことん冷たい先生だな

    41: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:38:11.87 ID:DBPwjHtc0
    俺は怖くなった
    もう誰も何も言ってくれないんだ
    先生には俺は「クズ」に見えてるんだろうか
    クラスメートが俺が平均をとれなかった科目のことを「簡単だったよなー」と話している

    こんな状況が初めてで、もうどうしていいか分からなくなった
    「俺は実は馬鹿だったんじゃないのか?」
    そんなことを思い始めた

    43: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:42:14.12 ID:DBPwjHtc0
    もう勉強なんていいわ、学校なんていい
    俺はきっと他にやりたいことがあるんだ
    そんな事を考えて逃避していたけど
    「やりたいこと」なんてまだ何も見つかってなくて
    期末試験のあと、俺は帰り道に一人で自転車に乗りながら泣いた

    惨めすぎて親にも何も言えなかった
    この高校に入った時、泣いて喜んでくれた親に
    学校がもう嫌だなんて、言えるはずがなかった

    45: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:44:55.23 ID:ID0lBpaQ0
    みてるよ
    辛かったな…

    47: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:46:57.96 ID:DBPwjHtc0
    期末試験のあと、夏休みになった
    夏休み、やったーーーー!!
    と健全な高校生ではなるところだが
    課題の量が尋常ではなかった

    数学はいわゆるチャート式というものの問題が100近く
    英語が入試過去問の長文や文法の参考書…その他の科目もだ

    宿題はまだ良かった
    どうせ俺はやっていかなくても溜め息をつかれるだけだ

    48: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:50:35.43 ID:DBPwjHtc0
    期末試験の成績が芳しくなかった俺には、補習が待っていた
    せっかくの夏休みだというのに
    暑い中自転車を走らせて学校に行かなくてはならない

    俺はそれが心底嫌だった
    夏休みのあいだくらい学校のことなんか忘れていたかった
    あの重々しい雰囲気の教室に行くのが嫌で仕方なかった

    51: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 03:55:07.89 ID:DBPwjHtc0
    でもこの補習は俺にとっての大きな転機だった

    世間の同世代の学生は夏休みに浮かれる最中
    俺はブツブツ文句を言いながら自転車で学校に向かう
    駐輪場に自転車を止めると、いつもより静かな学校
    心なしか普段の重い雰囲気がなく、休日の学校はいいもんだって思えた

    54: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:02:59.57 ID:DBPwjHtc0
    補習の教室に入ると、やけに和やかな雰囲気
    普段の授業と雲泥の差だった
    言ってみればここは「落ちこぼれ」の集まりなんだよな、と思うと気が楽だった

    最初こそ嫌で仕方なかった補習だったが
    寝ていたり、外の景色を眺めていても特に怒られない空気で
    この学校にもこういう一面はあるんだな~って思えて逆に嬉しかった

    57: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:08:02.97 ID:P63h9GP/0
    >>54
    いいな

    56: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:07:35.52 ID:DBPwjHtc0
    とは言え一番上のクラスから補習者が出てるということが恥ずかしくて
    なかなか他の人に話しかけられずにいた

    補習がひと通り終わって帰ろうと思って駐輪場にいると
    一人の男に話しかけられた
    補習中、俺の隣の席で終始PSPをやっていた奴だ

    58: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:13:15.62 ID:DBPwjHtc0
    オードリー若林に似ている奴で、一見陰気そうな奴だった
    若林「今日隣だったよね~一人なん?一緒に昼飯でもどう?」
    俺「お、おっす…あ、一人だよ。どっか食べてく?」

    会話を交わすことができた
    高校に入って初めてだった、一緒にメシを食べて帰る
    そんなごく当たり前のことに誘われたことに感動した

    61: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:19:41.96 ID:DBPwjHtc0
    そのまま二人で自転車を走らせて二人でコンビニに向かった
    初めて!誰かと自転車を並べて高校から下校した

    コンビニに着くと若林に色々質問された
    若林「どこ中から来たの?」
    俺「俺は◯◯中から!」
    若林「けっこう遠いの?」
    俺「自転車でギリギリかなぁ…」

    些細なやりとりが新鮮で仕方なかった

    63: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:27:19.54 ID:DBPwjHtc0
    若林「俺は電車でさ。あとは駅から自転車で来てんだよね。」
    俺「あーけっこう遠いんだなー」

    会話は弾むが、この男なかなかひょうひょうとしていて
    こんな奴がこの高校にいた事に驚いた
    まあ、そりゃいてもおかしくないんだけどね。

    若林「最近なんか面白いゲームあった?」
    俺「いや…なんだろな…」
    と、勉強とは程遠い会話が続いた

    65: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:31:15.88 ID:DBPwjHtc0
    感覚が麻痺していたんだろうか
    ごくありふれた高校生の会話だろうに
    それが出来ていることに感動した

    その日は、コンビニの駐車場でおにぎり食ったりカップ麺食べたりして別れた
    家に帰ってから気付いたんだけど
    この日若林が俺に「何組なの?」とクラスを尋ねてくることはなかった
    この高校にいる奴らなら、誰もが気にかけていることだろうに

    68: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:39:03.62 ID:DBPwjHtc0
    俺はなんとなく気が楽になった
    ああいう奴もいるんだな、って思うと力み過ぎていた自分がアホらしくなった

    次の補習日、教室に行くと若林に声をかけられる
    若林「おーっす」
    俺「おいっす」
    若林は後ろの方の席でアドバンスをやっていた

    70: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:42:33.87 ID:DBPwjHtc0
    俺「今更アドバンスかよw」
    若林「いやこれ、面白いからなw」

    若林のやっているゲームはロックマンエグゼ3だった(知らない人すまん)
    俺もそのゲームが大好きでやり込んだことがあるから一気にテンションが上がった

    俺「それ、エグゼ3?俺も超やったわww」
    若林「え?マジで?今度持ってこいよw」
    俺「おっしゃ今度対戦しようぜww」

    71: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:44:57.58 ID:P63h9GP/0
    >>70
    エグゼ3面白いよな。わかるわ

    72: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:50:11.96 ID:DBPwjHtc0
    若林は補習の最中もゲームをしており
    時折小声で俺に「なあここどうすりゃいいの?」と聞いてくる
    先生にばれそうになると咄嗟に隠して、ハラハラだったw
    「あぶねーよ…w」「すまんすまんw」とか言って楽しかった

    ゲームを通じて一気に打ち解けることができた
    帰りも、二人でエグゼの話題でめっちゃ盛り上がった

    76: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:54:33.24 ID:P63h9GP/0
    >>72
    なかなかいい流れ

    75: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:54:30.55 ID:DBPwjHtc0
    中学の時に感じた気持ちと一緒だと確信した
    楽しい、気楽、これが友達って呼べるもんだろう

    同じクラスの連中は取り憑かれたように成績のことばかり気にしてる
    他人を寄せ付けないオーラみたいのがある
    高校に来て初めての友人、それが若林だったんだ

    77: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 04:57:58.52 ID:DBPwjHtc0
    俺はそれからよく若林とつるむようになる
    若林は俺の一つ下のクラス、通称「準クラ」だった
    そして俺が一番上のクラス
    皮肉にも「落ちこぼれコンビ」だった

    ただ若林は俺とは違い、最初から授業中にゲームしたりとやる気がなかったらしく
    その結果あっという間に浮いて成績も下降していったらしい

    80: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:09:09.45 ID:DBPwjHtc0
    夏休みが終わって、学校が始まってからも俺たちはよく一緒にいた
    俺はと言えば、授業に出席はするものの勉強は完全放棄
    若林に出会って、ある種吹っ切れてしまったのだ

    先生の態度など知ったことか、勝手にしてくれ。
    クラスメートに対しても、こいつらがおかしいんだ、俺は一人じゃないって思ってた
    しかしこの時はまだ真面目に授業には出ていただけ良かったのだ

    85: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:17:23.40 ID:DBPwjHtc0
    そんなこんなで俺は若林とテキトーに遊んで日々を過ごしていた
    放課後携帯ゲームの対戦したり
    テキトーにカラオケに行ってみたり

    平凡で楽しい毎日だった
    前より学校のプレッシャーもだいぶ減ったし
    とは言え田舎だったし、遊びのネタも尽きていた
    二人なのでいまいち何をするにしても盛り上がりに欠けちゃうんだよな

    86: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:20:22.43 ID:sObT0bq50
    アーッ展開?!

    88: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:21:48.46 ID:DBPwjHtc0
    >>86
    すまんその展開はまったくない

    87: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:21:26.10 ID:DBPwjHtc0
    気付くとまわりの奴らがカーディガンを着たりマフラーを巻いたりしている
    あっという間に季節が巡って冬に差し掛かっていた
    冬休み前の、期末テストが控えていた

    期末テストは成績が悪いと長期休みの補習対象になってしまうので
    生徒はみな必死になって準備に励む
    もちろん、落ちこぼれである俺たちはそんな事どこ吹く風。
    テスト期間は早く帰れていいね~くらいのクズなテンションだった

    93: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:39:03.77 ID:wd4IRtsn0
    >>87
    懐かしいなぁ
    俺も高校時代は早く帰れるからテンション上がってたわwww

    90: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:27:23.42 ID:DBPwjHtc0
    もちろん俺と若林は補習。
    「冬休み学校行くのだるいけどこれは仕方ないか~」と諦めていた
    ただ若林は電車通いということもあって、結構嘆いていた

    俺は別に補習が嫌いではなかった
    あの雰囲気は悪くないし、もしかしたら仲間がいるかもしれない
    一番上のクラスなのに…とかそんな恥じらいみたいのはもうとっくに無くなってた

    94: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:43:28.37 ID:DBPwjHtc0
    冬休みになる。
    楽しいことが沢山でウキウキの冬休みのはずが…
    補習だ。でもまあ、二回目ともなれば慣れたもんだ

    補習日の朝、下駄箱で若林に遭遇
    「おいっす」「だり~な~」などと言いながら二人で教室に向かう
    落ちこぼれと分かっていつつも真面目に補習には来ちゃうのが俺ららしい

    97: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:48:17.55 ID:DBPwjHtc0
    教室のドアを開けるとすでに何人か人がいた
    ヒーターがきいておらずまだ寒くて、みんな厚着をしたまま席に座ってた
    教室の後ろの隅の席に、なんだか見慣れた顔がいた

    俺「あれ?あいつ…」
    若林「どした?」
    小太りで、少し異様な空気感を放っている
    紛れもなく同じクラスの礼二だった

    99: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:52:45.80 ID:DBPwjHtc0
    太っていてハッキリとした顔立ちのそいつは中川家礼二にどことなく似ている
    でも、そこにいるのは明らかにおかしかった

    俺「いや、同じクラスの奴がいるんだけど…w」
    若林「え、マジで?お前だけじゃないのかよw」

    礼二は見た目は小太りでどんくさそうだけど
    頭は良い奴だった
    いつだかの試験で、現代文の最高点をとって先生に名指しで褒められていた

    102: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:57:25.98 ID:DBPwjHtc0
    面白そうだったので俺はなんとなく礼二の隣に座ってみた
    そして俺の右横に若林
    先生が来て、ダラダラと補習が開始される

    教室の前の方では女子が甲高い声をあげ先生と馴れ合い
    隣の若林はマフラーに突っ伏して寝てしまっていた
    本当に補習なのか…と疑問を覚えつつ
    俺は隣の礼二が何か始めたのでコッソリと観察していた

    104: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 05:59:19.63 ID:P63h9GP/0
    >>102
    ほうほう。

    106: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:01:32.17 ID:DBCBff5E0
    面白い

    107: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:01:40.78 ID:DBPwjHtc0
    礼二はスケッチブックともとれないペラペラの冊子を取り出した
    何かを一生懸命書いている様子だった
    気になったのでしばらく携帯をいじるふりをして見ていると
    それはどう見ても「漫画」だった

    あ…こいつ漫画描きたいのか…
    と瞬時に何かを理解できた気がした

    111: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:05:22.45 ID:DBPwjHtc0
    色んな考えが頭を巡った
    成績優秀であるはずの礼二がここにいる…
    そして今補習中に漫画を描いている

    こいつが今ここにいるのはもしかして…
    でもただ絵を描くのが趣味なだけかもしれない…
    礼二のことが凄く気になった
    これはもう、話しかけてみるしかない
    こいつは面白いやつなのかもしれない

    113: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 06:09:02.30 ID:DBPwjHtc0
    と、申し訳ないんですが今日は一旦ここで落ちますね
    一応、酉もつけておきます

    こんな時間まで付き合ってくれた人ありがとう
    続きは夜にでも書くよ

    114: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:11:10.26 ID:wd4IRtsn0
    乙!
    明日も見るよ

    115: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:11:23.99 ID:SFwa87T40
    いいねぇ

    116: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 06:13:36.17 ID:P63h9GP/0
    残し方が絶妙すぐるwwwww
    お疲れ!
    また続きたのむわ!

    118: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 09:10:24.27 ID:ttniyI8+O
    追いついたー
    さすがに読みやすいな

    再開楽しみにしてるぜ

    132: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 21:51:47.64 ID:DBPwjHtc0
    みんなこんばんは
    ぼちぼち始めてもいいのかな?

    134: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 21:56:16.10 ID:P63h9GP/0
    >>132
    はじめてやってください
    おながいします!

    136: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:08:13.33 ID:DBPwjHtc0
    補習が終わった後
    そそくさと教室を出ていこうとする礼二を引き止めるために肩をたたいた

    俺「中川、俺。同じクラスの…」
    礼二「あぁ、〇〇じゃん。分かってるよw」
    俺「お前、授業中に何描いてたんだ…?」

    若林は俺の隣で黙って見ていた

    139: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:16:37.12 ID:DBPwjHtc0
    礼二「なんのこと?」
    俺「いや、なんか描いてたよな?明らかに勉強はしてなかったろ」
    礼二「…お前には関係ないだろ…?」

    すると礼二はくるっと振り向いて廊下に小走りで出ていってしまった

    若林「行っちまったぞ」
    俺「追いかける…よな?」
    若林「え~…」

    141: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:21:58.47 ID:DBPwjHtc0
    廊下に出ると、礼二がタンタンタンと勢い良く階段を降りる音が鳴っていた
    ほぼ無人の校舎だから嫌なほど音が響く

    若林「あいつ足おせえなw」
    俺「どうせ駐輪場だろ、行こうぜ!」

    俺たちは謎なテンションで「いやっほ~!」とか言いながら階段を駆け下りた
    急げ急げ、とはしゃぎながら下駄箱に上履きを投げ入れて
    駐輪場に行くと礼二がちょうど自転車に乗るところだった

    142: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 22:23:39.38 ID:P63h9GP/0
    ふむ

    143: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:27:12.23 ID:DBPwjHtc0
    俺「間一髪じゃん!待ってくれよ~」
    礼二「なんなんだよ…俺行くからな」
    走りだそうとする礼二の自転車の荷台を若林がつかんで止めた

    礼二「なになに?ちょっとさぁ…」
    俺「中川、お前漫画描いてんだろ?教えてくれよ」
    礼二「まあ少しだけどな…描いてるよ」

    144: 名も無き被検体774号+ 2012/12/17(月) 22:29:57.63 ID:P63h9GP/0
    衝突か・・・?衝突なのか・・・・?

    145: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:32:12.90 ID:DBPwjHtc0
    俺「それってすげえじゃん!そんな人がこの高校にいるって思ってなかったんだよ」
    礼二「いや…まあ凄いなんてことはないんじゃね…」
    俺「将来の夢は漫画家だろ?夢があるってすごいじゃん!」

    そう言うと礼二の目つきが変わった。
    礼二「は…夢?そんなこと簡単に言うんじゃねえよ!」
    いきなり激昂したもんだから俺たちは焦った

    147: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:37:52.41 ID:DBPwjHtc0
    礼二「今日はじめて話して何も知らないくせによ…!」
    礼二「大体お前ら、周りに何て呼ばれてるか知ってんのか…!?」

    俺「いや、知らないけど…」
    礼二「知らないのかよ、気楽なもんだ…」
    若林「何て呼ばれてんの?」

    礼二「落ちこぼれセットって呼ばれてんだよ、お前ら」

    149: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:40:55.82 ID:DBPwjHtc0
    正直こう呼ばれてることはこの時初めて知った
    でも、だからどうという事は何もなかった

    俺「あ、そうなんだ」
    若林「面白いなそれw」
    礼二「何とも思わないのか…?」

    俺「別に、まあ本当のことだしねw」
    そう言うと礼二のさっきまでの勢いはなくなり
    段々と落ち着きを取り戻しているようだった

    154: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/17(月) 22:48:06.97 ID:DBPwjHtc0
    礼二「なんか色々言っちゃって悪かったよ…」
    俺「いや、全然いいけど」
    礼二「ただ俺にはもう関わらないでくれ」
    そう言って礼二は自転車を出して帰って行った

    その後俺と若林は帰りながら、どうしたもんかと話し合った
    帰り道でいきなりせき止めて
    何も考えない事を言ってしまったのは俺の方だ
    もしかしたら、馬鹿にされたと思ったのかもしれない

    163: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) 2012/12/17(月) 23:25:16.99 ID:/YvbvDGL0
    なかなか面白い

    168: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 00:17:44.83 ID:w6kHDxJM0
    なんかズッコケ三人組みたいなかんじ

    171: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:01:02.30 ID:xudrSB3X0
    ごめんちょっと離席してたわ

    そう思うと俺は礼二になんだか申し訳なくなって
    一言謝りたくなった

    次の補習日、教室に行くとやっぱり礼二は一番後ろの席に座っていた
    今日も漫画を描いてるのだろうか
    この前のことがあったので、なんだか話しかけられずにいた

    172: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 01:05:29.62 ID:HsGNu4mK0
    >>171
    寝落ちしたかと思ったじゃないかwwwww
    今度から何かいってくれよwwww

    176: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:12:04.19 ID:xudrSB3X0
    >>172
    すまない ちょっと急だったもんで

    177: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 01:14:48.07 ID:HsGNu4mK0
    >>176
    大丈夫だ

    続きを頼む

    178: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 01:15:04.49 ID:uUnkqZo60
    >>176
    楽しみにしてる

    180: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:18:08.76 ID:xudrSB3X0
    若林も俺も教室にはいるもののまったくやる気はない
    寝てるかぼーっとしてるかゲームしてるかのどれかだ
    礼二を見ると一生懸命ペンを動かしていた
    夢中なようで、顔が必死だった

    補習が終わると、俺はゆっくり礼二の席に近づいた
    若林は席に座ったままだった

    182: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:21:28.54 ID:xudrSB3X0
    俺「な、中川」
    礼二「ん、何?」
    昨日の怒りが嘘のように穏やかな返答だった

    俺「昨日はこっちもさ、なんかいきなり変な事言って悪かったよ」
    礼二「あ、いや…あれはなんつーか俺も…」
    俺「お前一人か?俺たちと一緒に帰らねえ?」
    礼二「え…でもいいの?」

    後ろを見ると若林が笑っていた

    187: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:26:34.57 ID:xudrSB3X0
    俺「全然いいよ!」
    礼二「そっか…じゃあ帰るか?」
    若林「決まりだな」
    そう言って若林は俺達の背中を叩いて笑った
    安心したのか、礼二も照れくさそうに笑ってた

    三人で他愛もない事を話しながら駐輪場に向かった
    冬だったんだけどその日はとても天気が良くて、若干温かいくらいだった

    189: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:32:43.67 ID:xudrSB3X0
    近くのコンビニで冷たい飲み物やチキンなんかを買って
    食べながら三人で駅へと続く河原沿いの道を走ったんだ
    本当に気持ちの良い日で
    自転車こぎながら三人で、いい天気だなー!って騒いだよ

    駅の近くにある小さな公園の前で俺が止まって
    「ちょっと寄って行ってみね?w」
    とみんなを引き止めた

    190: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:36:04.98 ID:xudrSB3X0
    いい天気だというのに、人は親子一組しかいなくて
    公園は静まり返ってた

    俺が一番乗りで走りだして、ブランコに向かった
    俺「はい!ブランコ一番乗りーww」
    若林「くだらねーw」
    礼二も恥ずかしそうにしていたが、ブランコに加わってくれた

    191: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 01:36:51.81 ID:zLzC3ptz0
    青春っやつだなぁ

    192: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 01:38:03.46 ID:HsGNu4mK0
    このノリすきだわwwww

    193: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:42:06.47 ID:xudrSB3X0
    しばらく我を忘れてブランコで遊ぶ
    めっちゃ勢いつけて遊んだり、そこから靴飛ばしたり
    一通り遊んで笑い疲れた辺りで、礼二が話始めた

    礼二「あのさ、昨日のことなんだけど…」
    若林「お、どした?」
    俺も黙ってその様子を見ていた

    礼二「あのさ、あんな風に怒ってごめんな
    俺さ、本当は漫画が凄く好きなんだよ」

    195: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:45:47.85 ID:xudrSB3X0
    俺「そら補習中のお前見てれば分かるよww」
    礼二「こんなこと言うのあれなんだけどさ」
    俺と若林は黙って真剣に礼二の話を聞いてた

    礼二「俺は漫画家になりたいんだ」
    礼二の真剣な態度に、俺と若林は茶化すこともなくただ黙って聞いてた

    197: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:50:27.02 ID:xudrSB3X0
    礼二はゆっくりとだけど真剣に続けた

    礼二「あり得ないよな。正直、クソだよ俺。
    だって〇〇高だぜ俺ら?こんな話、誰が真剣に聞いてくれると思う?」
    確かに、あり得ない事だ。うちの高校で「大学進学」以外の進路など考えられない。

    礼二「先生も勝手に俺のことできる奴だと思ってるし、
    でも俺は本当は漫画が描きたいんだよ。」

    200: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 01:56:30.36 ID:xudrSB3X0
    礼二「親にも、先生にも、ましてや周りの奴らなんかには絶対相談できないだろ?
    勉強しないと授業だってどんどん遅れていくし…
    誰にも言い出せなくて、ずっと悩んでたんだよ…」

    俺「夢があるってのいいk…」
    若林「周りの目が怖い?」
    ここで、若林に遮られた
    礼二「それもある。うちの高校、あんな感じでしょ?」

    201: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:02:53.63 ID:xudrSB3X0
    すると若林の声色が変わった
    若林「やりたい事決まってる奴が、コソコソすんのはおかしいだろ!
    漫画家目指してるとか、そんなことはどうでもいいけどよ。
    やりたい事があるってのは俺はすげえと思うぞ、マジで。」

    若林「俺ら見てみろよ、毎日なんもやることねえw」
    俺「まあねww」
    若林「それで周りに落ちこぼれとか言われても、何も気にしてねえよ。
    俺らなんかもっと恥ずかしいだろ?ww」

    202: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:03:50.58 ID:eM2h3bqE0
    若林みたいな友達が欲しかった

    205: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:13:32.92 ID:HsGNu4mK0
    熱い男、若林

    204: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:11:26.93 ID:xudrSB3X0
    若林「人生なんて人それぞれだろ。あの高校から漫画家目指して、何が悪いよ?」
    俺「俺もそう思うわ。なんつーか、俺らは応援するぜ」
    若林「応援なんて言ったら、なんか安っぽいんだけどなw」

    礼二「マジか…ありがとな…」
    そう言ったきり、礼二は涙目になって黙っていた
    そのあと、しばらく三人で黙ってブランコに乗ってた
    西日が強い時間で、影が大きく伸びてたのを覚えてるよ

    216: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:28:47.42 ID:xudrSB3X0
    夕方になった頃あたりで、俺らは公園を出て若林の使う駅へ向かった
    若林が別れる直前、礼二は俺らに向かって言った

    礼二「俺、絶対漫画家なるわ。絶対だ。もう決めた。」
    若林は笑って「ほどほどにな」と言って駅の駐輪場に消えていった
    その後、礼二と俺の二人で帰った
    道中好きな漫画の話で盛り上がった

    漫画の事を話す礼二はとても生き生きしていて
    普段クラスで見てきた礼二の顔とはまったく違った

    218: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:31:18.23 ID:HsGNu4mK0
    吹っ切ったな、礼二よ

    219: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:34:09.98 ID:xudrSB3X0
    こうして俺たち三人は出会った
    悔しいのは三人が繋がった場所が落ちこぼれの場所ってことだなw
    でもまあ俺たちにはぴったりだと思う

    礼二と若林は俺にとって大事な大事な友達で
    俺の人生を話す上で絶対抜けてはならない二人だよ

    220: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:38:10.39 ID:HsGNu4mK0
    >>219
    親友だな

    続きをどぞ

    222: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:43:55.22 ID:80FvHYZu0
    高校の友達は一生の友達って言うしな

    223: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:45:32.19 ID:xudrSB3X0
    それから俺たちは三人はよくつるむようになった
    「落ちこぼれセット」から「落ちこぼれトリオ」になったわけだが
    そんなことはどうでも良かった

    冬休みが明けて、学校が始まる
    俺と礼二が仲良く話しているのを見て先生に言いがかりをつけられた事もあった
    成績が良かった礼二が半年でガクッと落ちたから
    俺のせいだと思われたんだろう

    225: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:48:19.17 ID:eM2h3bqE0
    礼二は普段教室でも漫画書いてるの?

    228: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:51:25.95 ID:xudrSB3X0
    >>225
    この頃、というか一年の頃は描いてなかったよ
    一番上のクラスだったしね…

    227: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:50:30.83 ID:xudrSB3X0
    そんな事がある度に三人で
    「関係ねーーよwww」とか話しておかしかった
    落ちこぼれの俺たちだったけど
    三人で一緒にいれば何にでもなれる気がした

    学校なんて別にもう何も怖くないし
    周りになんと言われようと、俺たちは俺たちなんだって
    アホみたいに信じていた

    230: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 02:54:40.37 ID:xudrSB3X0
    今日は一旦この辺で落ちようと思う
    みんなこんな話に付き合ってくれてありがとう
    また今日の夜にでも書こうと思う
    落ちないことを願ってる…

    231: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:55:31.86 ID:uUnkqZo60
    5乙!

    ほすほす

    232: それにしても、焦らしの天才である 2012/12/18(火) 02:57:12.84 ID:HsGNu4mK0
    そうか・・・・
    お疲れ!
    今日の夜楽しみにしてる!

    233: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 02:58:00.31 ID:eM2h3bqE0
    一旦乙!
    夜またくるよ

    235: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 03:39:04.15 ID:ByxNWbc+0
    ほしゅ

    236: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 03:54:24.59 ID:ByxNWbc+0
    ほしゅ

    240: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 06:40:56.13 ID:HsGNu4mK0
    ほしゅ

    245: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 16:29:23.82 ID:JsVY02rmO
    こんな面白いスレになるとは思わなかった。

    246: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 18:05:12.97 ID:twsdY+dBi
    保守

    252: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/18(火) 23:54:49.77 ID:xudrSB3X0
    こんばんはー
    遅れてごめんね。
    続き書いていこうと思う

    253: 名も無き被検体774号+ 2012/12/18(火) 23:56:19.96 ID:eM2h3bqE0
    きたああああああああああああああああああ
    待ってた!

    254: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:01:59.77 ID:xudrSB3X0
    高校一年の後半に差し掛かると俺らのクズさに拍車がかかった
    授業を度々サボるようになった
    と言っても無断欠席をしたりはしない、留年は怖い

    嫌な授業の時は消えたり、気持ちが乗らない時に勝手に早退したり
    授業をサボると、流石に先生にもよく怒られた
    当時の俺たちは「関係ねえだろ」って思ってたけど
    今思えばまわりの奴に本当迷惑だよな。
    クラスにこんな奴がいて、さぞウザかったと思うわ

    255: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:06:44.06 ID:xudrSB3X0
    でも俺達にはそれは辞められなかった
    うちの高校には絶好のサボりスポットが満載だったんだ
    まず1つ目が中庭。
    植木や校舎の視界上、良い感じに周りの死角になるんだ

    寒い日や午前中なんかはこの中庭に行く
    慌ただしい時間帯には色んな人の声や足音が聞こえるんだけど
    それを尻目に三人で中庭のベンチでダラダラするのが最高だった

    257: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:11:33.97 ID:++chqLRB0
    2つ目が図書室のベランダ。
    何故か図書室のベランダだけ無駄に広くて
    走ったり寝転んだりしても十分なくらいの広さがあった

    でもここは人目にもつきやすくて
    雨が降った日限定だった
    雨が降った日に行くと独特の空気感があって凄い良かった

    259: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:15:11.60 ID:++chqLRB0
    そして何と言っても一番なのが屋上な
    ベタかもしれないけどww
    当然立入禁止なんだけど、屋上の入り口に窓があって
    その窓が中から鍵を普通に開けられるんだよなw

    生徒を信用してのことなんだろうけどさ
    もちろん俺たちは、これを知ってから足繁く屋上に通ったよw

    261: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:22:08.91 ID:++chqLRB0
    初めて屋上に言った時の俺たちのテンションは異常だったなw
    どっかいいとこねえか?ってなって
    若林が「とりあえず上いこーぜw」って言って授業中に校舎をフラフラしててさ
    屋上に通じる窓が普通に開くのに気づいてなw

    若林「お前ら見ろこれwwwあくわwwww」
    礼二「これは行くしか無いってことだよなww」
    俺「すげえ!ww」
    3人ともめちゃくちゃテンション上がっちゃったよ

    262: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:27:16.10 ID:++chqLRB0
    凄くよく晴れた日だったんだけど、真冬だから寒い寒い
    もちろんコートは教室に置いてきてるからノーマル制服の状態で
    風がびゅんびゅん吹いてて「うわわわわ」ってガクガク震えた

    実は中学の時にはどうやっても屋上に行けなかった俺は
    それが人生初の学校の屋上だった
    もうその開放感は半端無かった

    周りに視界を遮るものが、なんもない
    それがもう本当に爽快で仕方なかったんだ

    263: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 00:29:28.35 ID:26ZDHI0/0
    俺の高校は屋上行けなかった

    気がする

    264: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 00:32:27.70 ID:DmiYkwql0
    普通はなかなか行けないよな

    265: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:33:41.64 ID:++chqLRB0
    俺「すげえなおい!俺実は学校の屋上とかに来るの初めてなんだよねww」
    礼二「俺もwwなんかすげえ得した気分だwww」
    若林「お前らマジかよぉ?w俺は中学の時はよく屋上行ってたぞw」
    そうすると若林がケラケラ笑い出した

    若林「お前らだせーなw」
    俺「お前の中学がおかしいんだろww」
    礼二「そうだよお前がおかしんだよww」
    三人とも意味も分からず笑いがこぼれてきて、完全にハイになってたw

    266: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:40:25.80 ID:++chqLRB0
    ここからさらによく分からないテンションタイムが発生する
    礼二がいきなり「せいやぁぁぁ!」と言って
    でんぐり返しのような前回り受け身のようなよく分からない動きを始めた
    普通の人より体格が大きいので、よりコミカルに見えた

    俺「なんだよそれwwww」
    礼二「お前もやってみwww」

    普通ならつっこむ所であるが、俺もわけも分からず
    「いやぁぁぁ!!」とか言いながらぐるぐる回り始める

    267: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:47:39.99 ID:++chqLRB0
    そうすると見ていた若林がツボにはまったらしく、大笑いしていた
    若林「wwwwwなんだよそれwwwふざけんなwww」

    俺と礼二ももう楽しくなっちゃって奇声を出しながら派手な動きを続ける

    若林「ムービー撮ってやるよww」
    と言われて俺と礼二が狂ったように「よいしょぉぉぉ!」
    とか言いながら前転を続ける様子を動画におさめられた

    268: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 00:51:10.44 ID:++chqLRB0
    見直すとその姿がなんとも滑稽で
    3人で「なんだこれwwww最高www」
    って言ってアホみたいに笑った
    本当にこーんなくだらない事で本気で笑えてたんだよな

    それ以来屋上は俺らの中で「何故か楽しくなっちゃう魔法の場所」として定着した
    サボりスポットの中でもダントツで好きだったし
    滅多なことでは誰にも見つからない
    本当に解放されてる気がする最高の場所だった

    271: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 01:23:05.53 ID:++chqLRB0
    めんどくさい授業になると
    礼二と二人で隣の教室に行ってドアから若林を呼ぶんだ
    そうすると若林はニヤッと笑って
    口パクで「行くか?」って言うんだよ

    それが可笑しくて仕方なくて
    いっつもこの瞬間がワクワクした
    俺たちには逃げ出せる場所がある、そんな風に思えた

    272: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 01:36:13.88 ID:j/kY4sV20
    なんか、妙に切なくなるな。

    273: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 01:42:49.88 ID:++chqLRB0
    晴れた日に屋上に行かない手はない
    日常の中の非日常って感じで、俺らは大好きだった

    いつもやってた礼二の漫画談義がめっちゃ面白かった
    礼二がノートとペンをもってきてて
    どんなストーリーやキャラクタが面白いか聞いてきた
    それに対して俺たちはああでもないこうでもないって議論して

    三人でフェンスに寄りかかって
    「こんな奴がいたら面白い」「こんな学校があったら楽しいんじゃないか」
    とか言い合ってた

    274: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 01:48:35.58 ID:++chqLRB0
    そんなこんなで俺らの楽しくて快適なサボりライフは続いていたんだけど
    一年の終業式を直前に迎えたある日、とうとうそれはほころんだ

    いつものように授業をサボって屋上でダラダラしていた
    いつものように時間が過ぎて、いつものように教室に戻れると思っていた
    「お前ら何してんだ?」
    遠くの方で声が聞こえた
    俺は驚いて思わず「うおっ」って声を上げてしまった

    275: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 01:48:55.35 ID:1x7+WlyTO
    今追いついた
    こんな青春、俺は一つもなかった

    良い話をありがとう。

    276: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 01:49:30.30 ID:26ZDHI0/0
    そういえばバクマンでも屋上で漫画の話してたな
    いいなー

    277: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 01:54:30.92 ID:++chqLRB0
    それはうちの高校でも特に厄介な生徒指導のKだった
    K「最近授業をサボる奴がいるからと見に来れば…
    おめえらだったのか」
    チッ、と若林が舌を鳴らした

    俺たちは思わず睨んでしまった、Kはまだ何も言っていない
    俺たちもガキだったんだ

    K「こんなとこでコソコソやってたんか、どうしようもねえ奴らだな」
    そう言うとKは黙って振り向いてドアと窓を閉めていった

    278: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 01:58:48.20 ID:++chqLRB0
    礼二「おい、中から鍵閉められたらまずいんじゃねえの?」
    思えばそうだった
    中から鍵をかけられるとこの屋上に閉じ込められる形になってしまう

    しかも授業は午前最後の時間だった
    弁当も教室に置いてきていたので、午後まで閉じ込められるのは非常にきつかった

    280: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:00:43.62 ID:++chqLRB0
    俺がとっさにドア付近の窓に近づいて
    俺「先生!ちょっと待って下さいよ!」
    と言ってみたが

    K「しばらくそこにいろよ」
    と言ってKは階段を降りていった

    281: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:03:18.37 ID:++chqLRB0
    礼二「行っちゃった?」
    俺「うん…あれいつ戻ってくるんだよ…」

    若林「わり、俺が舌打ちなんてしたからだわ」
    その場は一気にお通夜ムードになってしまった…
    かと思いきや

    案外のんきなもので
    「屋上に閉じ込められるとかウケるなwww」
    「トイレだけ我慢大会だなwww」
    とか言って案外状況を楽しんでいた
    さすが落ちこぼれの俺達だ

    283: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:09:01.36 ID:++chqLRB0
    でもこれで屋上は使えなくなるかなぁとか
    いやいやまだ使えるっしょ、とか気楽に話してた

    午後の最初の授業が終わった辺りで、Kは戻ってきた
    さすがの俺たちも空腹が限界に達していてやばかった
    授業には戻ることになるけどそれでもいいや、って思った

    K「おうお前ら生きてたか」
    俺「ええまあ…」
    若林「すいませんした」
    とっとと謝って戻ってしまおうと思った

    284: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:12:27.79 ID:++chqLRB0
    Kにはこっぴどく叱られると思っていたが
    俺たちが予想したのはまったく違うものだった

    K「あのよ、お前らが授業受けないとかそんなのは本当にどうでもいいんだけど。
    屋上には来るんじゃねえよ。これは規則だから、破られたら困るの」
    俺「はい…」

    K「分かったら出てけ。いいな。」
    三人「はい…」
    K「あ、それと。別に授業には戻らんでもいいから。勝手にしろよ。
    ただ屋上には来るな」

    291: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:16:33.65 ID:++chqLRB0
    俺「え?…とそれは…」
    K「どうせ授業出たってやることないんだろ?まあいいや好きにしろ」
    Kは半笑いで俺たちに向かって言った

    若林「は?」
    K「いいから。さっさと降りろ。俺も忙しいんだよ」

    促されるままに俺たちは屋上から続く階段を降りていった
    そしてKはそのまま俺たちなんてなかったかのように
    何も言わずに階段を駆け下りていった

    293: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:21:27.40 ID:++chqLRB0
    Kのこの態度は俺の心に深く突き刺さった
    礼二と若林がどうだったかは知らないが
    俺は正直、心のどこかで怒られることを期待していたのかもしれない

    先生からの当てつけ、そんなもの今に始まったわけではないが
    この日のKの俺たちに対する仕打ちを、俺は忘れることができない
    階段の踊り場で呆然と立ち尽くす俺達は
    本当に惨め以外のなんでもなかった

    294: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 02:21:33.10 ID:j/kY4sV20
    なんだこの感じ…?

    299: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:30:49.68 ID:++chqLRB0
    悪いのは俺たちだ
    「ほら急げ!授業に戻れ!」という注意すらされない
    落ちこぼれだって言って、でも本当はどこかで間違ってるってことも分かってたんだと思う
    全部諦めたふりをして、諦めきれていないものがあるんじゃないかって

    俺たちはこの日そのまま帰った
    授業中の教室から荷物だけむしり取って
    三人で自転車に乗って帰った

    礼二と若林は話していたけど、俺だけがずっと黙っていた

    303: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:43:08.38 ID:++chqLRB0
    その後終業式を終えて
    俺たちの高校1年ライフは幕を閉じる
    今思えばけっこう濃い一年だったな、色々あったわ
    でも、高校2年の一年はもっと濃いんだよな

    春休みには、何故か補習がない
    これは俺らにとっては大助かりだった
    礼二の家か俺の家に集まって頻繁に遊んだ
    若林は遠いのもあったが、頑なに自分の家に人を呼ぼうとはしなかった

    309: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:47:35.46 ID:++chqLRB0
    とにかく俺たちはゲームの趣味が合った
    元々若林と俺もゲーム好きだったし、礼二もそういうことに詳しい
    三人で集まって狂ったようにドカポンとスマブラをやってた

    この春休みを利用して「クソゲー探訪」なるものも企画して
    各々クソだと思うゲームを持ち寄って
    クリアするまでやめられないというドMな耐久大会もやったりしたw

    馬鹿そのものだったけど、本当に楽しかったなぁ

    310: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 02:49:09.98 ID:i9HRpQau0
    ちょwwwwwwwwww
    楽しいなおいww

    311: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:52:05.22 ID:++chqLRB0
    そして新年度が訪れる、4月だ
    2年になるとクラス替えがあり、文系と理系も分けられる
    俺と礼二は当然のごとく文系、そして文系のドンケツのクラスだった
    まあまあ予想通り、といったところだった

    若林だけは何故か理系を選択していた
    理系なんて色々大変なのになんで?と聞いても
    「まあどうせケツクラだし、理系でもいっかなと思ってw」
    とてきとうな事を抜かしていた

    312: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 02:54:56.31 ID:i9HRpQau0
    若林の行動には
    なにか裏があるように感じてならない
    もちろんいい意味で

    313: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 02:56:28.32 ID:++chqLRB0
    そして初々しい新入生たちを見て、去年の自分を思い出した
    一年の春は必死だったなぁ…この中から俺のような落ちこぼれが出るんだろうか
    ともあれ、一番上のクラスから脱出して晴れて「ケツクラ」になれた
    その開放感は凄まじいものだった

    始業式当日から礼二と教室でハイタッチしたしなw
    「いえーい!念願のケツクラだぞ!」って
    まあ本当に嬉しかったんだけどな

    315: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:03:04.06 ID:++chqLRB0
    こうして落ちこぼれトリオは三人ともケツクラになって
    真の落ちこぼれになってしまったわけだけど
    そっちの方が気が楽で俺たちには好都合だった

    現に、ケツクラの雰囲気は今までのクラスとはかなり違っていた、と思う
    なんというか張り詰めたいやらしい緊張感というか、そういうのが無かった

    そして始業式から数日たった日、俺は律儀にも掃除に参加していた
    学校の掃除に参加するのなんて、ものすごく久しぶりなことだった

    316: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:06:53.32 ID:++chqLRB0
    場所は保健室
    保健室ってのはいいよな、学校でも異質な空間だと思う
    うちの高校の保健室は広くて、2つの組で保健室の掃除を行う
    片方がベッドや床など、もう一方が器具や水槽、外のベランダなど

    俺も久々の掃除ってこともあって揚々と作業に励んでたんだ

    「先輩?先輩じゃないですか?」
    と、俺を呼ぶ声が聞こえた
    だいぶ聞き覚えのある声だった

    317: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 03:08:53.25 ID:i9HRpQau0
    まじかよ・・・・
    本当に来ちゃったよ・・・

    319: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 03:12:31.24 ID:8K66OvqL0
    追いついた!!

    321: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:13:31.40 ID:++chqLRB0
    振り向くと、小さな女の子が驚いた顔で俺を見ていた
    同じ中学の後輩のTだった
    部活が一緒だった(運動部なので男女違うが)こともあって
    割と仲の良い後輩だったんだ

    俺は凄く驚いた
    「T?Tじゃんか!」
    と一気にテンションが上がった

    324: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:17:58.55 ID:++chqLRB0
    まさか、うちの中学からこの高校に来る奴がいるとは思わなかった
    いるにはいるが、毎年は来ない
    それも見知った後輩のTだ、これは純粋に嬉しかった

    T「先輩がいるのは知ってたんですがwwまさかこんな所で会いますか?ww」
    俺「本当だよな!ってかTがここ来るなんて思ってなかったwwすごいなww」
    T「それは先輩もじゃないですかww先輩中学の時からすっごく頭良かったし!w」

    Tに自分が落ちこぼれであることなんて、絶対に言えない

    326: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:22:36.30 ID:++chqLRB0
    俺「いやいや…それは…w」
    後輩「私準クラ?になっちゃったんですよー…ついていけるか怖いです。」
    俺「凄いじゃんかぁ、頑張りな」

    どうしても見栄が出る、ここで「俺今年からケツクラwww」
    とはどうしても言えなかった

    後輩「あ、先輩!どうせならアドレス交換しときませんか?」
    Tがニコニコして携帯を取り出す
    俺「お、いいね!…あれ…携帯がねえぞ…」
    この時、俺はガチで携帯を教室のカバンに忘れていた

    329: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/19(水) 03:25:24.91 ID:++chqLRB0
    と、申し訳ない今日はここで一旦落ちさせてくれ…
    明日早くて、もう眠気が限界なんだ
    続きはまた今日の夜にでも書くよ!
    今日も遅くまで見てくれた人はありがとう

    331: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 03:28:29.71 ID:i9HRpQau0
    >>329
    お疲れさん!
    どうしてそう切り方が絶妙なんだwwww
    今日の夜にまた!

    330: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 03:27:17.95 ID:26ZDHI0/0
    乙!
    体調くずさないようにね!

    332: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 05:08:53.18 ID:hJsezA2R0
    これは良いスレ
    なんか凄いな
    >>5よ頑張ってくれ

    337: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 12:45:57.20 ID:kbXD6nAV0
    なかなかの良スレ

    343: 名も無き被検体774号+ 2012/12/19(水) 23:44:03.29 ID:YRxHMoNy0
    保守

    348: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:08:49.59 ID:f1eAGm270
    こんばんは
    遅れてすまぬ~
    続きを始めたいと思います

    350: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 00:10:25.12 ID:56MyvoI60
    >>348
    乙!待ってたよ!

    351: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 00:10:47.41 ID:piQBN7qZ0
    きたあああああああああああああああああああああああ

    355: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 00:18:45.11 ID:nlT5tcAd0
    おせえぞこらあああああああ

    356: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:20:28.67 ID:f1eAGm270
    俺「あれ、マジでないや…ごめん…」
    T「えー先輩何言ってんですか…!私とアドレス交換するのそんな嫌ですか?w」
    俺「んなわけないじゃんwおっかしいな教室か?」

    本当に携帯を持ってないことに気づいて焦った
    せっかくの偶然とチャンスだと言うのに

    358: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:23:34.13 ID:f1eAGm270
    俺「ちょっと抜けて教室今から行くわww」
    T「あ、それはダメですよ~w今掃除の時間なんですからw」
    真面目な子である

    俺「あ、そうかな…?」
    T「アドレスはまた機会があったらでいいですよ」

    そう言うとTはニコッと笑って自分の持ち場の方へと行ってしまった
    この時アドレス交換できていれば良かったんだが

    361: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:30:15.66 ID:f1eAGm270
    そしてそのまま掃除は終わる
    持ち場の先生の元に2組が集合して報告会
    その日の反省点や要望を出し合う

    「おつかれさーっしたー」と号令をかけておしまいだ
    帰り際、Tが俺に笑って手を振ってくれた
    か、可愛い
    なんだか調子が狂ってしまうようだった

    362: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:35:36.96 ID:f1eAGm270
    そして俺、この出来事を礼二と若林に伝えられず。
    わざわざ自分の中学から後輩が来たよ、って言うのもおかしいかなと思った

    俺は次の日の掃除の時間が楽しみだった
    驚きなことに、俺は高校一年のあいだ一人たりとも女友達がいなかったのだ
    クラスの女子と会話程度はしていたが
    だからこそTに会えるのが楽しみだった

    364: ID:i9HRpQau0 2012/12/20(木) 00:36:19.13 ID:piQBN7qZ0
    ほほう

    365: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:39:35.04 ID:f1eAGm270
    でも次の日掃除場所の保健室に行くとTの姿はない
    同じ組の子に聞いてみる、「今日Tはどうしたの?」
    「あ、風邪で学校お休みですよー」

    え?なんてタイミングの悪いやつだ、T
    こちとらその日はバッチリ携帯を準備していったというのに…
    でもどうせ明日もあるし明日でいっかって思った

    が…その次の日もTは学校を休んだ
    浮かれていた自分がなんだか恥ずかしくなった

    367: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:43:32.44 ID:f1eAGm270
    そのまま週が変わって掃除場所もチェンジなわけだ
    はい、Tに会える機会は損失しました
    少し落ち込んだけど、同じ学校にいる限りいつか会えるだろうと思っていた

    正直新しいケツクラになってからは
    クラスメイトともそれなりに仲良くできていて
    女友達も数人できていたんだ

    一年の頃のクラスだったらTとの事は凄まじく後悔しただろうけど
    ケツクラでは心に余裕があったんだ

    369: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:51:07.47 ID:f1eAGm270
    しばらくして、俺と礼二と若林は三人で一緒に帰ろうとしていた
    下駄箱に上履きを投げ捨て、「どこ寄ってくよー?」とか言いながら
    いつも通りの帰宅風景だ

    すると正面玄関のはしっこでTがポツンと一人で立っていた
    Tは俺に気付くと笑って手を振った
    俺も笑ってそれに返した

    礼二と若林もこれに気付いたが、特に触れることもなく
    その日はそのまま帰った

    371: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 00:58:26.42 ID:f1eAGm270
    その日は別に何とも思わなかった
    別に正面玄関に一人でいてもおかしくはないだろう
    誰かを待っていたのかもしれないし、そんなのはよくあることだ

    その次の日は、若林が用事があるとかで確か礼二と二人だったんだけど
    またTが正面玄関の端っこの傘立てに座って一人でいた
    そして、俺に気付くと笑って手を振った
    俺は多少驚きつつも、手を振り返した

    372: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:01:42.28 ID:f1eAGm270
    礼二がこれに食いつく
    礼二「あの子昨日もあそこにいなかった?」
    俺「そうだね。誰か待ってんじゃないの?」
    礼二「そっか。知り合い?」
    俺「ああ、中学の後輩よ」
    礼二「あ、なるほど」

    と、この日も特に何も気に留めずこのまま帰宅

    373: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 01:06:04.31 ID:piQBN7qZ0
    なんてやつだwww

    374: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:07:37.71 ID:f1eAGm270
    そして次の日の放課後、また俺と礼二と若林は三人で帰ろうとしていた
    すると、またTが正面玄関の端に立っている
    さすがにこれには俺もすこし驚いた

    そして俺に気付くとまた笑って手を振ってくる
    礼二「あの子今日もいんじゃんw」
    若林「何?昨日もいたの?ってか誰?」
    俺「俺の中学の後輩だよ」

    376: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:11:44.93 ID:f1eAGm270
    若林「お前にあんな知り合いいんだなw」
    俺「ひっでーなそれ」
    礼二「昨日もいたよねww」

    若林「そうなのか、変わり者だなww」
    俺「そんなことないと思うんだけどなぁ…」

    Tは一体何をしてんだろう?
    この時の俺にはTはの行動がよく理解できなかった
    というより、誰かを待ってるだけだろう、と思ってた

    378: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 01:19:11.98 ID:xtS/A9bO0
    アドレス交換したくて待ってるんじゃないの

    379: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:20:58.37 ID:f1eAGm270
    それから数回、俺達が授業が終わって通常の時間に帰る時は
    Tが玄関にいて俺を見つけると笑って手を振ってくるという事があった
    早々にサボって帰る時や、放課後校舎で時間を潰してから帰った日にはいなかった

    それから何回かして、また帰り際に正面玄関にTがいた
    いつものように笑って手を振ってくるわけだが、若林が言い出す

    若林「またあの子いるな。なんなんだろうな一体。
    おい5、お前の後輩なんだろ?」
    俺「そうだけど」
    若林「お前、なんかあった?」

    383: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:25:11.50 ID:f1eAGm270
    俺「あ…」
    帰りながら、俺は礼二と若林に先日の掃除の一件を話した

    礼二「なんだよそれずりーな!ww」
    若林「ってかもう、それ完全にお前じゃん」
    礼二「5のこと待ってたんじゃん、ふざけんなよ」

    俺「いや、まだ分かんなくね?w」
    若林「ってかお前それ早く言えよ。知ってたらもっと早くなんとかしたのに」

    385: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:32:53.16 ID:f1eAGm270
    若林はこういうことに何故だか熱い男だ

    若林「ってかそれお前と話したくてあそこでずっと待ってたってことじゃん。
    どんだけいい子なんだよ。お前、しっかりしろよ」
    俺「本当に俺かー?」

    仲は良かったけど俺に好意を持つなんて考えられなかった

    若林「他の人待ってたら笑って手なんか振るか?」
    礼二「5見つけるとめっちゃ反応するもんねww」

    386: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 01:34:15.35 ID:4UdQOQ03O
    このスレを期に俺も人生振り返ろうかな...


    みてます

    388: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 01:50:31.78 ID:f1eAGm270
    若林「そうとなりゃ、お前明日一人で玄関でろ。
    俺ら靴持って教員昇降口から出っからww」
    俺「えー…なんか恥ずかしいんだけど」

    若林「バカ言え。あのままずっと待たせる気かよ」
    礼二「ちゃんと事後報告してくれよw」
    と言われて、そういう事になってしまった

    392: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:07:36.35 ID:f1eAGm270
    次の日の放課後
    若林「俺ら先行って靴持ってくるからw」
    そう言って若林達は下駄箱から靴を持ってきた

    そして俺は促されるままに、一人で正面玄関に行った
    その日も、Tは正面玄関の端っこに立っていた

    俺が一人で外に出ようとすると
    T「先輩!」
    俺を呼ぶ声がした

    393: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:10:39.05 ID:f1eAGm270
    T「今帰りですか?」
    俺「そうだよーTも?」
    T「私もですww」

    そう言うとTは笑いながら答えてくれた
    T「今日は一人なんですね」
    俺「そうだね…」
    会話がなかなか進まない

    394: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:12:10.54 ID:piQBN7qZ0
    いつもの調子はどうした!

    395: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:12:23.21 ID:Uj/P7dJ/0
    頑張れ!

    398: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:14:25.70 ID:piQBN7qZ0
    がんばれ・・・俺!

    399: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:14:51.13 ID:f1eAGm270
    T「話すの掃除の時以来ですよねw」
    俺「そうだねーwあの時はビビったw」

    T「先輩、今日は携帯持ってますか?」
    俺「持ってるよww」
    T「あ、じゃあ良かったらアドレス交換しませんか?
    こんなところで申し訳ないんですけど…」
    俺「あ、全然いいよ!w」

    どうやら、Tは本当に俺を待っていたようだ

    400: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:17:17.57 ID:Uj/P7dJ/0
    きたああああああああああ

    401: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:18:04.37 ID:nlT5tcAd0
    うおおおおおおおお

    402: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:18:26.76 ID:piQBN7qZ0
    なんてけなげなT・・・・
    いい人や・・・

    404: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:21:26.35 ID:f1eAGm270
    この時、本当に焦った
    まさか本当に俺とアドレス交換したかったって思わなかったから
    そう考えると、Tにすごく悪いことをしたような気になった
    若林の言ってたことがビンゴだったじゃないか

    T「なんか突然すいません…」
    俺「いや、全然いいってwアドレス交換しようって話してたしねw」
    T「ありがとうございます」
    Tは本当に嬉しそうににこにこ笑った

    407: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:29:46.83 ID:f1eAGm270
    T「あ、じゃあ…私これで帰ります」
    俺「うん、気をつけてねw」
    T「さようならー」
    Tはそう言って笑って手を振って帰って行った

    その後俺は少し間をおいて外に出ると、後ろから背中をバシッと叩かれた
    俺「イテッ」
    礼二「お前wwww何やってんだよwww」
    俺「は?教員用の方から出てったんじゃねーの?」

    若林「わり、下駄箱の陰から見てたわw」
    俺「ふっざけんなよww」

    411: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:34:17.16 ID:f1eAGm270
    その後いつものように三人で自転車を並べて帰るわけだが
    いつになくハイテンションモード

    礼二「お前さー!マジさー!一緒に帰れたんじゃねー?ww」
    俺「いきなりは困るだろwww」

    若林「いけたなーアレは。ってかあれもう完全に惚れてるじゃん」
    俺「いや分からんだろー…」

    413: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:39:59.93 ID:f1eAGm270
    礼二「いいねーーー!!青春はさーー!!」
    河原沿いの道を自転車で走りながら礼二と若林は叫びだす
    若林「くそがーーーー!!!」

    馬鹿丸出しだったと思う
    でもそれを見てるのがおかしくって
    俺も一緒に大笑いしてしまった

    414: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:41:08.27 ID:nlT5tcAd0
    微笑ましいなぁ

    417: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:46:46.62 ID:f1eAGm270
    その日早速Tからメールがあった
    確か「今日は本当にありがとうございます」みたいな内容だった
    本当に律儀な子だ

    メールをしてるうちに気付いたが、Tは俺の下駄箱の位置から
    俺がケツクラあるいはそのクラス帯である事はなんとなく分かっていたらしい
    でもそんなことは全然気にしていないようだし
    本当に俺は考えすぎだったんだな

    420: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:53:39.22 ID:f1eAGm270
    Tからメールで、何か部活入ったほうがいいんですかね?みたいに聞かれたので
    部活に入ったほうが居場所は見つけやすいんだろうなぁと思った俺は
    とりあえず気になるところは見に行ったほうがいいよ、と伝えた

    若林と礼二に出会えたからいいものの、俺は部活やらなかった事を少し後悔してたし
    文化系の部活なら勉強とも両立しやすいだろうし
    Tなら大丈夫だろうけど新しい環境にすぐ溶け込めるようにしてあげたかった

    421: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:55:59.90 ID:piQBN7qZ0
    ふむ
    いまのところ
    安定の学生生活。

    423: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 02:59:41.03 ID:kiqIrUUW0
    Kが先輩とくっつきそうで怖い

    424: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 02:59:48.90 ID:f1eAGm270
    すると、Tは軽音部に入ることに決めたらしい
    校内でギター背負ってる奴とかたまに見かけるし
    やる気のないうちの部活の中では貴重な、割とまともに活動してる部活だった
    あの小さなTが、ギターかかえてるところを想像するとなんか可笑しかった

    そしてTと俺との一件があってから、俺たち三人のサボり病がまたぶり返した
    4月最初はなんとかこらえていたが、徐々に耐え切れなくなったんだろう

    427: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:05:21.12 ID:f1eAGm270
    あの一件以来、若林と礼二の中でTがアイドル扱いになっていた
    ずっと待っててくれる健気な天使、と若林が勝手に称し
    それに礼二も悪ノリしていた

    「最近どうなん?」「あれから進展ないの?」と
    しばらくそればっかりになった
    けっこうな頻度でメールは来るが、特に進展はなかった

    正直、俺はすごく複雑な気持ちで
    なんだかモヤモヤしてしまい、授業をよくサボるようになった

    428: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 03:07:43.39 ID:piQBN7qZ0
    あれ・・・?

    429: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:16:38.05 ID:f1eAGm270
    Tは本当に俺が好きなのか
    もし俺を好きでいてくれてるとして、俺はどうしたらいい?
    俺はTが好きなのか?
    この時、本当にモヤモヤ悩んだ

    何をそんなに悩む必要があったのか分からないんだけど
    目の前の状況を受け入れられなかったんだと思う

    それで頻繁に礼二と若林を連れ出して授業を放棄した

    431: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:30:43.75 ID:f1eAGm270
    そんなこんなで、しばらく今までどおりの自堕落な生活を送っていた
    教室にいて寝てるか、中庭で時間を潰すか、帰るか
    反省せずにたまに屋上に行くこともあった

    やる気が起きず、教室でただ寝てるだけって時間も増えていった

    そんなこんなで6月くらいになった
    Tからのメールは相変わらず来ていて、どうやら軽音部はとても楽しい様子
    楽しく過ごせているみたいで良かった

    434: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:40:04.69 ID:f1eAGm270
    その日俺は昼飯の量が少なくて、腹が減ったので午後最後の授業をサボって帰った
    礼二は熟睡していたので放置、若林もメールしたが返答なしだったので
    一人でこっそり教室を出て行った

    この日は運が悪かった
    授業中で生徒に会わないはずなのに
    一階の廊下でプリントを抱えたTとバッタリ会ってしまった

    436: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:45:09.01 ID:f1eAGm270
    T「あ、先輩こんにちわーww」
    俺を見つけてTが笑顔で話しかけてくる
    俺はカバンをかついで完全に帰宅モード、どうするんだ?
    T「あれ、先輩帰るんですか…?」

    もう、どうとでもなれと思った
    俺「帰るよ。サボりってやつだねwwww」

    T「そうなんですか…でもそんな時もありますよね。
    気が乗らない時は無理しすぎちゃダメですもんね。」
    そう言って笑った
    どんだけなんだよ、君は

    437: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 03:46:33.20 ID:piQBN7qZ0
    Tが逆に怖くなったわwww

    438: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 03:49:07.21 ID:f1eAGm270
    俺「そういうTは何してんの?」
    T「あ、先生に頼まれたのでwプリントコピーしてきましたw」
    雑用かよ、真面目過ぎる…と思った

    俺「手伝おうか?」
    T「私を手伝うくらいなら授業に出てください!w」
    Tはそう言ってまた笑った

    440: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 03:52:50.00 ID:kiqIrUUW0
    Tちゃんと付き合いてー(切実)

    441: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:01:22.36 ID:f1eAGm270
    俺も苦笑いしながら
    俺「そういえば、部活は楽しいみたいだね?」
    T「はい!すっごく楽しいです。楽器に慣れてくのも楽しいし、
    何より友達がみんな面白くてw」

    俺「それはなによりだねーw」
    T「先輩が部活入ったほうが良いって言ってくれたからです」
    T「ありがとうございます。」
    Tは笑顔でお礼を言ってそのまま階段を上って行った

    443: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:07:06.34 ID:f1eAGm270
    ありがとうございます
    俺に向けられたその言葉の意味が分からなくて
    何度も何度も考え込んだ
    なんでこんな俺がTにお礼を言われてるんだろう、と思った

    何事も一生懸命で真面目に頑張っているT
    Tと話して、自分の空っぽさに気付いた
    俺は一体何をやってるんだ?
    帰り道で自転車に乗りながらずっとそんな事を考えてた

    445: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:15:46.09 ID:piQBN7qZ0
    どうする・・・・俺・・・!
    どうすんのよ・・・!俺・・・!

    446: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:17:09.68 ID:f1eAGm270
    「変わりたい」そんな事は思わなかったけど
    変わろうともがいていたのかもしれない
    こんな落ちこぼれの自分をTが好きでいてくれるのが嫌だった
    なんというか、申し訳なかった

    それから夏休みまでの間は、極力授業を抜け出さないようにした
    それでも授業はほとんど寝てしまっていたし
    進歩なんてほとんどしていなかった

    447: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:21:14.94 ID:piQBN7qZ0
    やっぱり急には変われないか。
    習慣ってあるもんね。

    448: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:25:40.15 ID:f1eAGm270
    そして何も踏み出せないまま夏休みが近づいていた
    舞い上がった俺達は油断して終業式直前の日に
    授業をサボって中庭で炭酸ジュースで一杯やっていたw

    各々自販機で買った炭酸だ
    礼二「かーっ!やっぱ授業中に飲むコーラ最高だな!」
    若林「おまえそれやめろww」
    とか言って完全に油断して調子こいてたわけです

    449: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:28:08.06 ID:piQBN7qZ0
    ばかやろうwwww

    451: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:35:55.09 ID:piQBN7qZ0
    おまwwwwwばかやろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

    450: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:33:59.87 ID:f1eAGm270
    そこを偶然先生に見つかってしまう
    しかも運悪いことに、俺たちの担任の先生だった

    担任「お前ら何やってんだ?!授業中だぞー!?」
    急いで走って逃げた、後ろから「待ちなさい!!」と怒鳴られる
    それを尻目に俺らは一目散に校舎に戻って走った

    しかし逃げても俺と礼二はダメ
    そりゃそうだ、相手は担任なんだから

    452: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:38:16.63 ID:f1eAGm270
    放課後担任に呼び出された
    結局若林も何故だかバレていて呼び出された

    こっぴどく叱られるかと思ったが半分もう愚痴だった
    「いい加減にしてくれんか?みんな真面目にやってんだぞ?風紀を乱すな。
    お前らは本当に不良だよ。」

    不良、と言われた事が笑えた
    こんな高校の、不良
    不良にもなりきれていない中途半端なもんだ

    453: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:41:57.79 ID:f1eAGm270
    若林「俺たちが不良だってよ!!あほらしーなwwww」
    礼二「いえ~いww俺がヤンキーでーすwwww」
    俺「マジ可笑しかったなwwww」

    帰り道、三人で自転車に乗りながら相変わらずのテンションだった
    いくら俺が今の自分に悩んだところで
    三人でいると不思議と楽しくて、結局いつも通りになっちゃうんだよな
    三人で大笑いして、それが楽しいからいいんだとこの時は思ってた

    454: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:50:38.28 ID:f1eAGm270
    そんなこんなで担任に不良宣告を受けて
    俺たちは夏休みを迎えた

    もちろん補習があって学校に行かなくてはならない
    しかも今回は日程が分散していてなんだかめんどくさい

    それでも俺たちは夏休みが楽しみで仕方なかった
    この夏休みにやりたいことが沢山あったからだ

    455: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 04:52:43.52 ID:f1eAGm270
    ということで今日はこの辺で落ちようと思います
    まだしばらく続くかと思いますが…
    今日も遅くまで見てくれた人はありがとう
    続きはまた今日の夜書きますねー

    457: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:57:40.00 ID:piQBN7qZ0
    >>455
    お疲れ様!
    しかし色んな呼び名が増えてきましたなww
    この三人組ww

    今日のよるにまた!
    乙です!

    458: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/20(木) 05:00:22.76 ID:f1eAGm270
    >>457
    ありがとう。
    基本は「落ちこぼれ」だけどねw
    特に俺ww

    459: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 05:02:32.09 ID:piQBN7qZ0
    >>458
    wwww
    まあ楽しみにしてる!おやすみ!

    456: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 04:54:03.27 ID:Wy2eT9hE0
    おう乙
    今日も楽しめたぞ!

    460: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 06:43:00.95 ID:hCSir2BS0
    久々の良スレ
    ここからどんな風になっていくのか

    465: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 20:27:29.27 ID:WbraXpSG0
    保守

    466: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 21:54:36.58 ID:qUCarX16O

    470: 名も無き被検体774号+ 2012/12/20(木) 22:36:02.48 ID:ftyi79Gn0
    ほしゅ

    473: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:06:07.98 ID:2diupWli0
    こんばんは
    今日も遅くなってごめん!
    続きを書いていこうと思いますー

    475: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 00:06:47.58 ID:E6TkNKc+0
    !!!!.

    476: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 00:11:25.79 ID:wO7ng2d80
    まってたよー!

    477: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:13:52.42 ID:2diupWli0
    この夏休みでやりたい事
    その第一が礼二の漫画の持ち込みだ
    とは言えこれは俺がやりたい事ではなく礼二のやりたい事だが

    それでも俺たちは礼二が漫画を描くことを凄く応援していたから
    礼二が漫画を持ち込みに行くのは他人事ではなかった

    478: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:16:40.13 ID:2diupWli0
    俺たち三人でバカをやっている最中
    俺と若林は本当にただ毎日を浪費していたのに対し
    礼二はコツコツと毎日漫画を描いていたようだ
    それも、この夏に持ち込みに初挑戦する、と息巻いていたからだ

    礼二は基本賑やかで面白い奴なんだが
    時折弱音を吐くこともあった
    「漫画を一人で描くのは難しい」「気が滅入る」

    480: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:21:11.16 ID:2diupWli0
    まったく絵心のない俺と若林は礼二の漫画制作を手伝えなかったが
    弱音を聞くことはできた
    礼二が真剣に語る時は、大抵悩んでいる時なんだ
    そんな時は俺らも親身になって話を聞いた

    やりたい事と現実の狭間で、礼二も不安を感じていたんだろうか
    それでも礼二は最後にはいつも「でもやっぱり漫画が好きなんだ」
    って笑顔で締めてくれる
    そこが礼二のいいところだった

    481: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:24:38.32 ID:2diupWli0
    自分の好きな事を真剣に語る礼二を見て
    俺はいっつも言いようのない気持ちを抱いていた
    憧れのような、焦りのような…
    自分も礼二みたいに何かなすべき事が見つかるのかなって不安だった

    夏休みに入ってすぐくらいだったろうか
    礼二から俺と若林にやけにテンションの高いメールが届いた

    482: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:31:28.22 ID:2diupWli0
    礼二の漫画が完成したことを伝えるメールだった

    その日俺たちは礼二の家に集合した
    礼二「やっとできたんだ…良かったら見てもらおうと思って」
    俺と若林はその出来立ての原稿とやらを恐る恐る眺めた

    俺たちは、礼二の描く漫画が好きだった
    さすがに雑誌に載ってるようなプロよりは絵はけっこう劣ると思うけど
    何より話が面白くて好きだった
    身内補正だったのかな、それでも好きだった

    484: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:38:23.79 ID:2diupWli0
    俺「よく完成させたな、面白い」
    若林「俺も好きだよ」
    俺たちが軒並み褒めると、礼二も安心したのか
    「あ~まじか~~」と唸り声を上げた
    思わず全員でハイタッチを交わしてしまった

    礼二の夢が始まる気配がして、俺は本当に嬉しかった
    「あとは本番だ」と礼二は繰り返し俺らに語った

    486: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:41:38.31 ID:2diupWli0
    その日の帰り道、若林が柄にもなく
    若林「あいつ、頑張ってるよな。俺も、何かしてえわ…」
    と俺に口をこぼしたのが妙に印象的だった

    普段、夢とかやりたい事なんて滅多に言わない若林だけに
    俺は珍しいこともあるもんだって驚いたんだ
    それだけ礼二の夢への前進は俺らにとって大きな事だったんだと思う

    その日からしばらくたって、礼二が東京に行くという日がやってくる

    489: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:47:31.28 ID:2diupWli0
    前日、若林は俺の家に泊まって
    早朝、駅まで礼二の見送りに行った
    行くということは言っておらず、電車の時間だけ聞いていたので
    礼二はめっちゃ驚いていたw

    俺「おい、礼二!自信持って行けよーー!!」
    若林「お前ならいける!!びびんなよ!!」
    と言って俺らは礼二の肩やら頭をバシバシ叩いて励ました

    490: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:48:56.93 ID:2diupWli0
    言葉足らずですまんwww
    この「礼二が東京に行く」ってのは漫画の持ち込みに行くってことなww
    転校とか引越しじゃないよ、間際らしくてすまんw

    491: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 00:53:55.76 ID:wO7ng2d80
    郵送しろよ馬鹿野郎w勘違いしたじゃねーかww

    493: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:55:46.33 ID:2diupWli0
    >>491
    礼二はなんか几帳面な奴で、郵便事故をめっちゃ恐れていたらしいw
    で、こういう形にしたらしい
    詳しくはよく覚えてないし知らないのだが

    492: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 00:53:56.55 ID:2diupWli0
    礼二「分かってらw行ってくる」
    礼二は緊張していたのか、口数も少なく
    改札で俺たちに向かって深く頷いて電車に乗って行った

    若林「なんとか上手いこといくといいよな」
    俺「だね。あんだけ頑張って描いてきたんだし」

    俺たちも礼二から良い報告を聞けることを楽しみにしてた
    と、同時に漠然とした不安も当然あった

    494: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:00:15.57 ID:2diupWli0
    礼二が帰ってくる電車の時間は夜だった
    俺たちはそれまでしばらく俺の家に戻ってダラダラしたり
    市民プールなんぞに行って涼をとったりしていた

    そんなこんなで夜になって、俺達は再び駅に行き
    礼二の到着を心待ちにしていた

    495: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:04:35.53 ID:2diupWli0
    静かで人影まばらなホームに電車が着いて
    「これじゃね」と俺達が気づく
    が、その電車から礼二は降りて来ず
    一本、二本…と後続の電車からも降りてこない

    結局それからだいぶ待って、礼二が降りて来たのは
    予定より三本も遅い電車だった

    496: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:07:05.30 ID:2diupWli0
    俺たちは礼二を見つけると
    「おつかれさーん」と手を振った
    が、礼二は反応しない

    俺たちの前まで来ると、顔も合わせず「ごめん」とだけ言って
    駅の出口から走って行ってしまった

    497: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 01:10:58.19 ID:hAlGewgH0
    礼二・・・

    498: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:11:40.02 ID:2diupWli0
    「礼二どうしたんだよ!!」と言っても
    声をかける間さえないまま礼二は走って行ってしまった
    俺たちも急いで駅の駐輪場の方へ走って追いかける

    駐輪場で自転車の鍵を開けている礼二を若林が捕まえる
    若林「おい!俺たちずっと待ってたのに黙って行っちゃうなんてあんまりじゃねえか」
    俺「何があった?」

    499: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:16:24.72 ID:2diupWli0
    若林「そんなにダメだったのか…?」
    俺たちが何だか励ましムードみたいなものを発動した瞬間
    礼二はカバンから原稿が入った封筒を取り出した

    礼二「こんなのじゃ…無理なんだ…!」
    礼二はそう言ってその原稿をビリビリに破り捨てた
    突然の事に、俺も若林もあっけにとられた
    そして礼二はそのまま自転車に乗って行ってしまった

    500: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:22:58.28 ID:2diupWli0
    若林「おい!俺はこれ拾ってくから、お前早く追いかけろ!」
    礼二は捨てられた原稿を集めながら俺に言った
    俺は促されるまま急いで自分の自転車に乗って礼二を追いかける

    立ち乗りで、全力で自転車を漕いだ
    前方に小さく見える礼二を必死で追いかけた
    すると、夕方降った雨のせいで路面が悪かったのか
    礼二は角で曲がりきれずに派手に転んだ

    501: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:27:06.10 ID:2diupWli0
    礼二はそのまま道にうずくまった
    俺は焦ってすぐに自転車を止めて礼二に駆け寄る
    礼二「ぅぅ…いってえ……」
    俺「おい、大丈夫かよ…」

    礼二「くっそ…なんでだよ…なんでだよ…」
    礼二はそのまま下を向いて泣き始めた
    俺は泣き崩れる礼二にかける言葉が思いつかず
    そのまま黙って見ているしかなかった

    502: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:30:29.69 ID:2diupWli0
    しばらくして、若林が俺らに追いついた
    若林「なんだこれ」
    俺「転んだ」

    503: 【Dnews4vip1347903019949350】 2012/12/21(金) 01:31:29.76 ID:J0jrEASP0
    しえん

    504: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:36:17.45 ID:2diupWli0
    若林「おい、礼二。お前これどういうつもりなんだよ」
    そう言って若林は雨水でぐしゃぐしゃになった原稿をヒラヒラさせた
    俺「礼二、いきなり逃げるなんてあんまりだぞ」

    礼二「ごめん…ただ、申し訳なくて…」
    礼二は泣き崩れた顔で必死に謝った
    礼二「あんなに二人とも楽しみにしてくれてたのに、自分情けなくなっちゃってさ」

    505: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:42:53.97 ID:2diupWli0
    礼二「俺もう漫画描くのやめようかなぁ…向いてないんだよ」

    若林「たった一度の失敗でやめんのか?本当にやめんのか?」
    礼二「もういいんだ…漫画家なんてなれっこねえよ…」

    すると若林が拾った原稿を礼二につきつけた
    礼二「…は?」
    若林「書けよ、続き。俺は読みたいんだよ、その続きが」

    506: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:47:25.83 ID:2diupWli0
    若林「漫画家になるのが難しいなんて、そんなのお前が一番分かってんじゃねえの?」
    礼二「ああ…」
    若林「漫画が好きなんだろ?」
    そう言うと礼二は黙って原稿を受け取って、泣きながら頷いた
    なんだか俺も泣きそうだった

    若林「忘れんなよ、読者一号は俺だからなw5は二番目なww」
    俺「は、なんでだよww」

    508: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 01:51:17.37 ID:2Go2bcZG0
    若林が主人公過ぎて辛い

    509: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 01:51:17.88 ID:2diupWli0
    その日俺たち三人は、その場で泣き笑いしながら遅くまで話した
    めちゃくちゃに腹が減って帰りに三人で一緒にラーメンを食べて帰った
    その日に三人で食ったラーメンが信じられない程に美味くて
    いまだにこの時のラーメンを超えるラーメンに俺は出会っていない

    三人とも、なんというか凄い全力だった
    本気でぶつかり合えるっていいよなって実感した日だった

    515: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 02:51:57.40 ID:2diupWli0
    この一件からしばらくたって
    長期休暇の定番とも言える補習がやってくる
    補習はしんどくて嫌だったのだが
    何故だか今回の補習は午後からだった

    教室や、自習室との解放の兼ね合いなのだろうか
    俺たちは朝遅くまで寝ていられることに狂喜したね

    516: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:07:51.59 ID:2diupWli0
    でも午後開始だったので
    家から出る時間が一番熱くて仕方なかった
    毎回汗だくになって学校まで自転車をこいだ
    補習に行くっていうのにタオルと制汗スプレーを持っていくのが馬鹿らしかった

    補習何日目かの帰り、正面玄関で楽器を担いだ連中と出くわす
    軽音部のご一行のようだった

    518: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:18:53.15 ID:2diupWli0
    あ~補習が午後だと部活やってる連中らと帰りがかぶるのか
    と気づいてなんだか恥ずかしい気持ちになった

    T「先輩、こんにちは!」
    Tが、俺に声をかけてきた
    若林と礼二も一緒だったので、Tはその二人にも笑って「こんにちは」と声をかけた

    若林「やべー!!」
    若林が急に声を上げた

    519: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:22:32.48 ID:2diupWli0
    若林「おい、礼二のあれ、やばいんじゃねーか?」
    礼二「あ、そーだわwww」
    若林「ちょっと俺ら一旦教室戻るから、今日は先帰ってww」

    と言って若林と礼二はそそくさと正面玄関から引き返していった
    俺「あれって何!!?」
    と聞いてももう遅くて二人は一目散に階段を上って行った

    520: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:30:00.41 ID:2diupWli0
    正直迫真の演技だった
    本当に何か忘れてて教室に戻ったかのように見えただろう、Tには
    俺「なんかあいつら、大変みたいね。」
    T「大丈夫なんですかね…?」

    俺「Tも、部活の人と一緒に帰らなくていいの?」
    T「大丈夫ですよ、同じ方向の子あんまりいないんですw」

    521: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:33:03.87 ID:2diupWli0
    これはやられた!と思った
    もうこれは完全に二人で帰る流れじゃないか
    この時俺はTに大して色々複雑な気持ちだったから
    正直二人きりで帰るのが怖かった

    俺「じゃ、途中まで一緒に帰ろうか?w」
    T「はい、いいですよw」
    そう言うとTは頷いて笑った

    522: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:37:16.30 ID:2diupWli0
    俺「そのギター、重そうだねw」
    T「あ、今ギターって言いました?これベースなんですよw」
    Tはその小さな体に重そうなベースを背負っていた

    T「間違えないでください!」
    そう言うとTは怒ったふりをした
    俺がごめんごめん、と言うと
    T「許しますww」
    って言って笑った

    524: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:43:09.90 ID:2diupWli0
    俺が駐輪場の方に向かうとTが正門に向かっていった
    俺「あれ?自転車はどうしたの?」
    T「今日昼間親の車で来ちゃったので…」
    Tが申し訳無そうに言った

    俺「じゃあ迎え呼ぶのかい?」
    T「歩いて帰ろうかな、ってw」
    俺らの中学の方まで歩いたら一時間近くかかるんだが
    Tはそれを平然と言ってのけた

    525: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:48:02.25 ID:2diupWli0
    俺も自転車を引いて歩いた
    自転車を挟んで、右隣をTがが歩いた

    T「先輩は今日は…」
    俺「あ、俺補習なんだよww恥ずかしいことに…w」
    T「あ、そうなんですかー?ちゃんと勉強しないとダメじゃないですかw」
    Tには俺がケツクラとか補習とか本当にどうでも良かったんだろう

    527: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 03:54:06.37 ID:aU+Dg16y0
    >>525
    >俺も自転車を引いて歩いた
    >自転車を挟んで、右隣をTがが歩いた

    これ青春だわwww
    あーこれ可愛い子と付き合ってやりたかったやつw

    526: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:53:26.17 ID:2diupWli0
    俺「Tは?部活楽しいの?」
    T「それはもう、楽しいですw」
    俺「楽器はベースなんだ。シブイねw」
    T「ベースかボーカルなんですよね」

    Tがマイクの前で歌ったりベースを弾いてるところを想像すると少しワクワクした
    T「でもボーカルの方が結構誘われるんですよねw」
    ああ、きっとまだベースはそんなに上手くないのかな?
    って思うとなんか微笑ましかった

    528: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 03:57:42.17 ID:2diupWli0
    T「いつかライブもやるんで、その時は先輩来てくださいね」
    俺「うん、行くよー!」

    T「先輩は最近どんな感じですか?」
    そう聞かれたので、俺も負けじと
    渾身のケツクラエピソードやサボって怒られたエピソードを披露した
    Tは要所要所で「なんで?w」とか「どうしてそんなことをw」
    とかツッコミを入れながら笑ってくれた

    529: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:03:58.49 ID:2diupWli0
    ふとTが急に真面目な顔になった
    T「先輩はいつも楽しそうです」
    俺「え?」

    T「たまに見かけるんです。先輩がまだ昼休みなのに帰ってたり、
    中庭でジュース飲んでサボってたり。」
    俺「知ってたんだww恥ずかしいなおいww」
    T「いつも友達と一緒に笑って楽しそうにしてますよね。」

    530: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:06:55.16 ID:2diupWli0
    T「そういうのって、私は素敵だと思います」
    Tはそう言うと俺の方を見てにっこりと笑った
    俺「…かな?w」

    こっちを見て笑われたので、俺もなんだか照れてしまった
    Tは、俺のことを見ていたんだ…
    そう思うとTの俺への気持ちが、いよいよ確信を帯びてくる気がした

    531: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:10:59.97 ID:2diupWli0
    その日の空はめちゃくちゃ真っ赤で
    Tが空を指さして「先輩見てください!空がめっちゃ綺麗ですよww」
    と言って俺の自転車のかごを揺らしてはしゃいでいたのを覚えてる

    二人で綺麗だねーって言って空を眺めて一緒に帰った

    それからしばらくして、無言が続くようになったので
    Tが疲れちゃったのかな、と俺は思った

    532: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:14:13.73 ID:2diupWli0
    あんまり歩かせて疲れさせるのも悪いかな、と思った俺は
    俺「T、後ろ乗る?二人乗りして帰っちゃお」
    と誘ってみた

    けどTは思い切り首を横に振った
    T「やや、恥ずかしいです恥ずかしいです…!」
    と言ってもの凄く焦っていた

    Tが恥ずかしがって二人乗りを頑なに拒否するので
    俺たちは地元まで1時間かけて歩いて帰った

    533: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:17:20.82 ID:2diupWli0
    今思えば、とてつもなく幸せな時間だったというのに
    この時の俺は、この一日でだいぶ疲れてしまった

    女の子と一緒にいるのはすごく楽しいけど、疲れる
    何よりあの変にドキドキする感覚が、俺はなんだかむず痒かった
    そして、俺は今女の子と歩いてるぞ、と周りに優越感を持つような
    そんな感覚も嫌だった

    俺はまだまだ子供だったんだと思う

    534: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 04:18:52.40 ID:kVycOAml0
    胸キュンが止まらねーw

    535: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/21(金) 04:19:28.56 ID:2diupWli0
    と、今日は一旦ここで落ちますね
    おそい時間まで見てくれた方は本当にありがとう
    そしてこんな遅くまでごめんなさい…

    続きはまた今日の夜にでも
    もうちょっと早めの時間帯に来れるようにしたいです

    537: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 04:22:40.18 ID:aU+Dg16y0
    >>535

    毎日楽しく見てるよ!
    俺も高校時代戻りたいわw学校は違うところにするべきだったw

    536: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 04:22:26.62 ID:kVycOAml0
    おやすー

    538: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 04:28:51.15 ID:JvrMdW6/0
    おつでした!
    明日も楽しみに待ってるよー
    おやすみー

    539: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 07:12:38.74 ID:agPEoB+F0

    541: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 11:44:37.05 ID:pUtE1ZGwi
    wktkが止まらんww

    542: 名も無き被検体774号+ 2012/12/21(金) 15:11:15.00 ID:agPEoB+F0

    543: 忍法帖【Lv=9,xxxP】(1+0:8) 2012/12/21(金) 15:17:34.29 ID:j/bFtj4Q0

    547: 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) 2012/12/21(金) 20:33:10.67 ID:j/bFtj4Q0

    551: 名も無き被検体774号+ 2012/12/22(土) 00:51:49.43 ID:zsb5KNQe0

    552: 名も無き被検体774号+ 2012/12/22(土) 02:05:07.38 ID:tOMxNGCC0
    ほしゅ

    579: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:03:58.39 ID:GXKkqmTx0
    遅くなってごめんなさい…
    こんな時間になってしまいましたが
    続きを投下していきたいと思います

    580: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:06:08.57 ID:Q4ZFz/MX0
    まじかあああああああ
    きたああああ

    581: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:08:39.64 ID:Q4ZFz/MX0
    みてるよ
    二日間空いちゃったけどww

    582: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:10:07.34 ID:GXKkqmTx0
    次の補習の時
    礼二と若林に散々このことを茶化された

    若林「一緒に帰ったなら良かったじゃねえか」
    俺「別に…よくはねえだろ…」

    俺がこう言うと若林がなんとも不思議そうな顔をした
    若林「お前さぁ…何言ってんの?」

    584: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:13:29.82 ID:GXKkqmTx0
    若林「お前…Tちゃんの事どう思ってんの?」
    俺「いや…それは…」
    若林は、痛いところを突いてくる

    若林「俺達があの子のこと可愛い、とか言うとお前嫌がるじゃん」
    俺「それは…」
    若林「好きなの?」
    俺のTへの気持ちは本当に何て言ったらいいか分からなかった

    585: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:16:22.01 ID:GXKkqmTx0
    俺「そりゃ好きか嫌いかって言ったら…好きな方には入るけど…」
    若林「けど…?」
    俺「Tは、俺なんかと一緒にならない方が良いというか…」
    この時、礼二は黙って聞いていた

    若林「なんだそれ」
    若林はひどく馬鹿にしたような顔だった
    若林「めっちゃ自分勝手な事言ってんのな」

    586: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:18:01.50 ID:Q4ZFz/MX0
    するどい若林
    どうすんの俺・・・・!

    587: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:21:20.37 ID:GXKkqmTx0
    若林「強がってんじゃねえよ。お前はどう思ってんだよ」
    俺「だってTは俺なんかとじゃ…」
    若林「お前、絶対後悔するからな。よく考えろよ?」
    俺は何も言い返せなかった

    このあと、礼二も若林もTのことについては触れなくなった
    困ったら俺から言い出すし、人の恋愛にあまり口出ししたくなかったんだろう
    後々、若林の言った通りになっていくんだけどな…

    588: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:21:34.65 ID:jBz0Tqln0
    wktk

    589: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:23:20.15 ID:EYMdxPKa0
    素直になるって大切だよね

    590: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:25:44.18 ID:Q4ZFz/MX0
    >>589
    ほんとだわ・・・・

    591: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:26:41.89 ID:GXKkqmTx0
    それからまた数回後の補習の時
    帰りの正面玄関で、Tが立って待っていた
    T「先輩一緒に帰りませんか?」
    今度は偶然じゃない、Tが待っていたんだ

    あの重そうなベースを背負って
    少し暗くなった正面玄関の端っこに立っていた

    若林と礼二も一緒だったのに、Tは意を決したかのように
    俺に向かって話しかけてきた

    594: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:34:04.49 ID:GXKkqmTx0
    まあ、この日が運命の日だったんだけどな
    後にも先にもずっと忘れない日だわ

    俺はその場で若林と礼二に「わり、先帰ってくれ」って頼んだ
    そうするとあいつらは黙って笑って「じゃあな」って言って帰った
    俺がTに「じゃ、一緒に帰ろっか」と言うと
    Tは笑って俺の方を見て「はい」って頷いてくれた

    596: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:37:39.78 ID:GXKkqmTx0
    その日は時間が少し遅かったのだろうか
    太陽はほとんど沈みかけてて
    空のふちはオレンジ色なんだけど、上の方は既に暗くなっていた

    駐輪場に行くまでのあいだ、
    Tがやたらとニコニコしていて、
    T「先輩とまた一緒に帰れて嬉しいですw」
    なんて言っていた

    598: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:41:20.58 ID:GXKkqmTx0
    俺も嬉しかったんだけど
    なんだか怖かったんだ俺は
    何が怖かったんだろう、こんなにいい子が自分の前にいることか
    はたまた自分に素直になれないチキンだったのか

    そのまま二人で並んで自転車に乗って
    地元の方に向かって走りだした
    走ってる間もTがずっとこっちをチラチラ見てくるので凄く緊張した

    599: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:46:03.85 ID:GXKkqmTx0
    帰り道の、いつも通る神社の前が異様に賑わっていた
    太鼓のような音や、人の賑わいの音に食べ物の匂い
    そしてチラホラ通り過ぎる不良の群れに、警察官

    Tが「先輩、縁日ですよ、縁日!」
    Tが嬉しそうに指をさして言った
    俺「本当だ、賑やかだと思ったら、お祭りなんだね。」

    T「少し寄って行きませんか?」
    Tが申し訳なさそうにはにかんで言った
    そんな風に言われたら、ダメとは絶対に言えない

    601: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:53:22.85 ID:GXKkqmTx0
    気が遠くなるほど自転車がとめてある(倒れている)駐輪場に自転車をとめて
    「先輩はやくはやくw」
    とTに急かされて縁日をやっている神社の方へと向かう

    出店の並ぶ道に出ると、色とりどりの灯りや人々で一杯だった
    さすがに俺もそれを目の前にしてワクワクした
    俺「なんかいいね、こういうのw」
    T「テンション上がりますよねw」

    602: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 02:56:40.52 ID:GXKkqmTx0
    ここは一つ先輩の甲斐性を見せてやろうと思った
    俺「何か食べたいものとかないの?おごるよw」
    T「え?本当ですかー!でも悪いですよ。」

    俺「いいのいいのw今日は特別w欲しいのあったら言ってよ」
    そう言うとTは「じゃあどうしよう…w」と言いながら
    目をキラキラさせて脇の出店をじっくり見回した

    603: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 02:58:11.34 ID:EYMdxPKa0
    自らフラグを立てるとは罪なやつだな

    604: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:01:58.10 ID:GXKkqmTx0
    T「綿飴が食べたいです」
    Tは恥ずかしそうにそう言った

    二人で綿飴屋さんの前に行った
    制服だったので、店のおっちゃんに
    「学校帰りかい?いいね~仲良しでw」と茶化されたw

    これには二人で笑ってしまった
    Tも「仲良しですもんねw」と言って笑っていた

    605: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:07:34.71 ID:GXKkqmTx0
    神社のわきの石段に二人で座って綿飴を食べた

    T「綿飴ってお祭りっぽくて大好きなんですw」
    俺「そうだよね~こういう時じゃないと食べれないもんね~」
    Tが綿飴の食べ方が下手くそだったので
    俺「お前下手だな~w口についてるぞww」
    と言うと
    T「先輩だって制服に綿ついてますよ?w」
    と二人で下らないやり取りをしてしまった

    606: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:11:43.38 ID:GXKkqmTx0
    わきの石段だったので
    少し離れた出店の群れの灯りがまぶしかった
    急にTが思い立ったように石段からぱっと降りた
    石段に座る俺を見上げるようにしてTが喋り始めた

    T「今日先輩と一緒に来れてすごい楽しかったですw」
    俺「俺も楽しかったよw」
    この雰囲気は、もしかして…

    607: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:15:41.21 ID:GXKkqmTx0
    T「私…先輩の事が、好きです。
    この学校に入って、先輩が居てくれて本当に嬉しかったです。」
    俺はTの言うことを黙って聞いていた
    ところどころ詰まりながらも、必死に伝えようとする気持ちが分かった

    T「私と、私と…付き合って下さい…」
    俺は自分の心臓が止まるんじゃないかって思うくらいドキドキしてるのが分かった

    俺「ありがとう… 俺はTは凄くいい子だと思う… でも…」

    608: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:25:13.26 ID:GXKkqmTx0
    俺「付き合うことはできないよ…ごめん。」

    そう言うと、Tは途端に涙目になって必死で笑顔を作った
    T「私じゃ、ダメですか…」
    俺「ごめんね…」

    もうほとんど泣きながら、でも必死に笑ってTは
    「なんか変な事言ってごめんなさい、せっかく楽しかったのに…」
    「私、今日は帰りますね」
    そう言って、俺の前から顔をおさえて走って行ってしまった
    俺は、一人になってしまった

    609: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/23(日) 03:29:16.24 ID:GXKkqmTx0
    なんで、俺はこの時こんな事を言ってしまったのか?
    今でもずっとずっっと後悔してる
    全て、若林の言った通りになったんだ
    俺は、Tが好きだった、大好きだった

    でもこの時の俺はまだそれに気づいてなくて
    後々Tへの気持ちがぶり返してしまう時が来るんだけど
    それはその時が来たら、書きます

    今日はこのあたりで落ちようと思います
    続きはまた明日

    612: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 03:33:39.71 ID:sb2EwnOJ0
    まってるぞ

    622: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 05:40:11.49 ID:zAmeeDiY0
    俺も思い出してしもた12年前のあの時を・・・・・・切ねえ

    628: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 15:35:08.75 ID:F8DGEBIJ0
    保守

    629: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 16:15:04.25 ID:J6XMVaIA0
    保守

    630: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 16:57:39.57 ID:K5iSeLuP0
    ほしゅ

    634: 名も無き被検体774号+ 2012/12/23(日) 20:41:37.95 ID:kTFsvaGs0
    ほす

    638: 名も無き被検体774号+ 2012/12/24(月) 01:15:44.90 ID:zOywlyVM0

    642: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/24(月) 02:22:23.40 ID:+tIK0j4C0
    すまない…
    盛大に体調を崩してしまってな…
    申し訳ないけど今日は書けない…ごめん

    643: 名も無き被検体774号+ 2012/12/24(月) 02:24:08.57 ID:fw0GDN2d0
    >>642
    お大事に

    644: 名も無き被検体774号+ 2012/12/24(月) 02:26:10.17 ID:IQk8UGKq0
    >>642
    ゆっくり休んでくれい

    647: 名も無き被検体774号+ 2012/12/24(月) 02:53:11.60 ID:77VUSLvC0
    お大事に
    ほす

    670: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 01:36:10.59 ID:DYNEJ8Xb0
    こんな時間にこんばんは
    体調は相変わらずですが少しよくなったので
    続きを少しでも書きます

    671: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 01:37:17.59 ID:rttYu9mW0
    >>670
    待ってたよー
    無理しない程度にね

    672: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 01:40:23.59 ID:DYNEJ8Xb0
    >>671
    ありがとな、頑張るよ

    こんな俺が、Tを「ふった」その日から
    俺はとてつもなく無気力になった
    何をするにも、やる気が起きない
    どんなことも無意味に感じる
    何をしても面白くなかった

    673: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 01:40:42.03 ID:H0CWy1S30
    おつーぶり返さないようになー

    676: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 01:50:22.35 ID:DYNEJ8Xb0
    若林にも礼二にも、散々言われた
    「お前何やってんだよ」
    「お前今後あんな子と一生付き合えないぞ?w」

    夏休みの途中だったというのに
    毎日悩んでばかり
    どうしてTをふってしまったのか、自分でも分からなかったんだよ
    Tは俺なんかと一緒じゃないほうがいいって?
    じゃあ俺は一体誰と一緒になるんだよ

    でも当時の俺にそんな考え方をする余裕はなかったんだよな

    678: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:07:19.44 ID:DYNEJ8Xb0
    夏が何もしないままどんどん過ぎてった
    Tのことは悩んだけど
    時間が過ぎていくにつれだんだん忘れていったよ

    Tとの一件、礼二の持ち込みの事件、そんなことがあって
    俺の高校二年の夏休みは終わった
    本当はもっともっとやりたいことがたくさんあったんだけど
    なかなか実行に移せなかった
    正直、後悔の多い夏休みだ

    できることなら、もう一度戻ってやり直したいくらいだよ、本当に

    680: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:12:57.82 ID:DYNEJ8Xb0
    でも正直、俺に彼女ができなくて良かったのかも、とも思える
    もしこの時俺がTと付き合っていたら
    礼二と若林とつるむのも終わっていたかもしれない

    俺がTと付き合わなかったので、夏休みが明けても
    俺たちは相変わらず3人で馬鹿なことをする毎日だった
    道の脇の水路に自転車突っ込んで遊んだり
    神社で野球してる小学生に乱入してみたり
    やることが無さ過ぎて中学生みたいなことばかりしてた

    682: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:25:41.78 ID:DYNEJ8Xb0
    そんな中、夏休みが明けてしばらくしてから礼二に異変が起き始めた
    しょっちゅうノートを持ち歩いては授業中も絵を描いていたのに
    俺たちの前で絵を描く素振りを見せなくなったんだ

    「最近漫画の調子はどう?」
    と聞いても曖昧に答えるばかりでハッキリとしない
    少し前までは自分から漫画の進み具合とか
    考えたキャラクターとか見せてきたくせに、
    これはどう考えもおかしかった

    685: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:36:06.55 ID:DYNEJ8Xb0
    これを若林に聞いても「そんな時もあるんだろ、もの作りって」
    と大して気にしていない様子だった
    ただ、俺とTの一件以来礼二はひたすら
    「俺も彼女が欲しいなー」と言ってたのでひっかかったのだ

    そして礼二のおかしな行動は更に加速した
    俺と若林とあまり一緒に帰らなくなったのだ
    今までは必ずと言っていいほど一緒に帰っていたのに
    礼二に何か起きてるんじゃないかって心配だった

    687: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:43:55.26 ID:DYNEJ8Xb0
    それから、ある日の放課後礼二が「今日は予定あるから先に帰っていいよ」
    と言ったので俺と若林は礼二をおいて先に帰った
    「あいつやっぱり最近付き合い悪いなー」とか言いつつ
    近所のコンビニに寄って立ち読みしたり結構時間を使ってから帰った

    それから若林が「欲しい漫画がある」と言って
    帰り道の本屋に寄ったんだ

    688: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 02:47:10.32 ID:uQhyCNZx0
    ふむ

    689: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:47:51.24 ID:DYNEJ8Xb0
    自転車を止めてすぐに若林がニヤニヤしながら俺に話しかけてきた
    若林「おい!これ見ろよw」
    そこには礼二の自転車があった
    あいつは自転車の後輪のカバーに変なシールを貼っていたので
    礼二の自転車だとすぐに分かったんだ

    俺「うわww誰かと一緒なのかな?」
    若林はガラス戸の入り口から店内をのぞきに行った

    若林「いたいたwwwレジにいたwwww」
    と言って急いで戻ってきた

    690: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 02:49:23.89 ID:uQhyCNZx0
    礼二w

    691: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:50:48.96 ID:DYNEJ8Xb0
    若林「女の子と一緒だったわwww
    つかやばい、隠れるぞwww」
    そう言って若林はすぐに自転車に乗った

    俺たちはそのまま来た道を戻って
    反対側の遠くの歩道から本屋を眺めるような体制をとった

    693: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 02:56:43.93 ID:DYNEJ8Xb0
    本屋の駐車場から自転車に乗った男女が出てきた
    礼二の奴、なかなか可愛い女の子と一緒だった
    俺「あの制服…××高かな?」
    若林「ああやっぱりそうなんだ。たまに見かけるもんな」

    相手の子は俺たちの高校の近所の高校の子だった
    礼二も女の子と一緒に帰る…
    正直この事実は俺にとってショックだった

    695: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 03:02:29.99 ID:DYNEJ8Xb0
    この帰り、俺は妙なテンションだった
    俺「そっか礼二…こういうことだったんだな…」
    若林「ま、俺ら高校生だぞ?好きな子の一人くらいできるだろ?w」


    俺「でもなんていうか…言ってほしかったな…」
    若林「そりゃ俺らの勝手な言い分だろ。言う必要もないしな」
    俺「でもさぁ…」
    若林「ま、そのうち耐えきれなくて向こうから言ってくるさw」
    俺はそんなもんなのか、と少々納得できなかった

    696: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 03:04:04.27 ID:qfnhA01q0
    期待

    697: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 03:04:15.18 ID:rttYu9mW0
    みてるで

    698: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 03:06:21.64 ID:DYNEJ8Xb0
    俺「でも、漫画描くのやめちゃうのかな」
    若林「ばかwやめるわけねーだろw
    恋ってのはまわりが見えなくなっちまうもんだろwそのうち元に戻るよw」
    俺「そんなもんか」

    若林「まあ、Tちゃんをふったお前にはいまいち分かんねーかもなw」
    俺「は?じゃあお前は分かるのかよ?w」
    若林「さあww」
    若林は俺の質問をはぐらかした

    正直俺も、この時恋ってのがどんなものなのか分からなかったし
    本当の恋ってどんな風になるんだろうってピンと来なかったんだ

    699: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/25(火) 03:07:09.57 ID:DYNEJ8Xb0
    ごめん
    やはり体調が安定しないので
    今日は一旦ここで落ちます
    また明日、よろしくおねがいします

    700: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 03:10:17.25 ID:uQhyCNZx0
    >>699
    いやいや寧ろ
    頑張った方ですよ

    お疲れ様!

    701: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 06:33:38.89 ID:iKfIvoVs0
    無理するなよー
    よく寝てよく休めよー

    702: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 11:42:14.14 ID:+djIf3Q70

    703: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 11:52:25.97 ID:E9Y8xjzH0
    ほし

    704: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 12:58:13.65 ID:Ugog6R6X0
    やっと追いついた
    保守

    712: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 21:44:09.75 ID:gb20bWxD0

    713: 名も無き被検体774号+ 2012/12/25(火) 23:25:29.24 ID:Svc8wM9p0

    715: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 02:28:44.33 ID:D9CGTjux0

    716: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 02:40:23.58 ID:Sa9xggly0
    こんばんはー!!
    今日もこんな時間で申し訳ない
    続きを書いていきますね

    720: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 02:48:32.94 ID:4z7/OsWg0
    まってたよー。無理しないでね。

    718: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 02:47:35.05 ID:Sa9xggly0
    それからの礼二はさらに行動が加速していった
    授業が終わるととっさに教室を出ていなくなる
    土日も大抵予定がある、と言って遊ばなくなった
    付き合いがどんどん悪くなっていった

    別に好きな子(あるいは彼女?)ができたのは全然いいが
    俺たちに黙ってこそこそされるのはあまりいい気がしなかった
    でも礼二は礼二なりに気を遣っていたのかもしれないな

    721: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 02:50:46.13 ID:Sa9xggly0
    ある日、授業をサボって抜けだして
    中庭に三人でいる時にとうとう若林が仕掛けたんだ

    若林「礼二、最近何か忙しいの?」
    礼二「い、いやぁ…まぁ…」
    若林「わり、実は俺たち見ちゃったんだよ」
    礼二「え?」

    722: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 02:53:59.43 ID:Sa9xggly0
    俺「??高の子と一緒にいたよね」
    礼二「え、なんで…?」
    不意をつかれたのか礼二はすごく驚いていた

    若林「いや、偶然なんだよ…本屋で見かけて」
    礼二「あぁ、そうだったのか…」
    すると礼二は下を向いてなんだかおとなしくなった

    723: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:01:16.41 ID:Sa9xggly0
    礼二「あれ、中学の同級生なんだ。
    なんかごめんな、隠すようなまねしちゃって…」
    若林「いや、別にいいよ。あえて言うことでもないしなw」

    礼二は申し訳なさそうに苦笑いしていた
    礼二「なんだか俺馬鹿みたいだな…なんか言い出せなくてさ」
    俺「いや、気にすんなよw 彼女なの?」
    礼二「うん、そうだねww」

    嬉しそうにはにかむ礼二を見て
    本当に好きなんだろうなって気持ちが伝わってきた

    724: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:04:23.98 ID:Sa9xggly0
    俺と若林はそれを聞いて
    「ふっざけんなよーw」「やるじゃねーかww」
    とか言ってふざけてバシバシ背中を叩いた

    若林「漫画は描いてんの?」
    礼二「いや…正直、微妙だ…」
    若林「そっか。まあペースがあるしそんな焦ることでもねえか。」

    俺は漫画を描かない礼二が心配で
    正直嫌な予感がしたのだけど、そんな事は言い出せなかった

    725: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:07:48.40 ID:Sa9xggly0
    正直ここで
    「漫画描かねえのかよ?そんなんでいいのか?」
    とか言っても、なんか彼女が出来たことへのひがみみたいになってしまうし
    俺は「良き友人」を演じるため本音を言えなかった
    「やったなーおめでとうーw」
    などと上辺だけの言葉を吐いてしまった

    俺は、漫画を描く礼二が好きだし
    漫画について熱く語っている礼二が好きなのに
    色ボケしたような礼二が、なんだか嫌だったんだ

    727: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:19:54.93 ID:Sa9xggly0
    俺たちの高校の前の道にある金木犀が咲いて
    なんだかいい感じの香りがし始めた頃
    礼二の様子がもっとおかしくなった

    学校を数日連続で休んだかと思うと
    学校に復帰してきても一日中机に突っ伏して一言も喋らない
    普段うるさい礼二がこの状況になるのは明らかにおかしい
    俺の嫌な予感が的中してしまったんだ

    728: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:22:36.63 ID:Sa9xggly0
    俺「おい、礼二、どした」
    礼二「……」
    俺「なんかあったか?」
    礼二「……」
    俺「そうだ、あれ描いてくれよ、エアギアのキャラ。俺あれ好きなんだ。」
    そう言うと礼二は顔を上げた

    礼二「漫画なんかなぁ…もう一生描かねえんだよ!」
    あまりのことに俺はただあっけにとられた

    729: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 03:23:27.06 ID:sBQPz1WE0
    礼二。。。

    730: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:26:54.38 ID:Sa9xggly0
    そう言うと次の授業が最後だというのに礼二は教室を出て帰ってしまった
    「あんま帰りすぎると留年するぞ…」
    俺はそんなことをつぶやいて必死に冷静になろうと思ったけど
    無理だった 礼二のやつ、また何かやらかしたのか?

    俺一人じゃどうにもならない
    放課後、若林のところに行こう
    すぐにそう考えた

    731: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 03:29:03.93 ID:+EkLoKaU0
    振られたか?

    732: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:30:47.29 ID:Sa9xggly0
    若林「どーせふられたんだろ。」
    若林に事情を話すと笑ってすぐにそう答えた

    若林「想定内のことだろw」
    俺「でも漫画を描かないって凄い剣幕だったんだけど。」
    若林「それがなぁ…なんで漫画を描かない、になるんだ?」

    俺「行ってみる?」
    若林「それしかないか…手間のかかる奴だなマジで」
    俺たちはその帰り、礼二の家に行ってみることにした

    733: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:37:01.43 ID:Sa9xggly0
    俺たちは急いで自転車をこいで礼二の家を目指した
    だが、礼二の家に着いても誰もおらず
    肝心の礼二がまだ帰っていなかった

    若林「あいつどっかで寄り道してやがんな。」
    俺「どうする?」
    礼二の家の前にも金木犀が植わっていて
    俺たちはその前に自転車を止めて、時間を潰してみることにした

    734: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:40:53.85 ID:Sa9xggly0
    金木犀の花をむしり取ったり携帯をいじったりして時間を潰したが
    一向に礼二が帰ってくる気配がない

    俺たちがただその場で時間を潰して2時間弱くらい礼二を待った頃
    夕方6時になってチャイムが鳴って
    「さすがにもう帰るか」ってなった時だった

    自転車に乗った礼二が目の前に現れて
    「なんで?なんでいるんだよお前ら…」
    と俺達に向かって言った

    735: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:44:05.56 ID:Sa9xggly0
    若林「ようw遅かったじゃねーか。」
    俺「お前が心配だから来てやったんだよ」

    すると礼二は涙目になって「ふざけんな…」と言いながら自転車を倒して
    服の袖で顔を隠して泣き始めた

    若林「何があったんだよ?ふられたか?」
    俺「話せよ。聞いてやるぞ」

    736: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:48:57.54 ID:Sa9xggly0
    礼二「ふられたんだ…彼女に…」
    そう話し始めた礼二は、夕焼けの濃い光を浴びて一層悲しそうに見えた

    俺「なんで?仲良かったんじゃないの…?」
    礼二「俺、ずっと漫画描いてること秘密にしてたんだ。
    彼女は俺が進学校で、めっちゃ勉強頑張ってると思ってた」

    若林「それで?」
    礼二「本当の事、話したんだ。本気で漫画になるのが夢だって。
    大学行かずに高校出て漫画家目指すって。」

    737: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:52:24.89 ID:Sa9xggly0
    礼二「最初こそ、彼女も笑って応援してくれてたんだ。
    でも、俺が本当に本気だって分かってくるうちに言われたんだ」
    若林「なんて?」

    礼二「○○高に行ってそんな事言ってるなんて馬鹿みたいって。
    そんであっという間にフラれた。」
    俺「ああ…」
    俺はなんて言ったらいいか分からなかった

    礼二「もう、漫画なんて二度と描かねえよ。
    やっぱり普通じゃねえんだこんな事。」
    若林「なんだって?」

    738: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 03:57:50.58 ID:Sa9xggly0
    若林の様子が変わったことにすぐ気づいた
    若林「お前、女にフラれたくらいで漫画描くのやめるのか?」
    礼二「フラれたくらいって!お前に俺の気持ちが分かるのかよ?」

    若林「知るかそんなもん!!お前何いってんだよこの野郎!!」
    礼二「なんだてめえ!!知ったような口きくんじゃねえ!!」
    その場で取っ組み合いのケンカになってしまった

    もう日も沈みかけてて、あたりは暗くなっていたので
    誰も止めにも来ない
    俺は必死になって二人を止めた

    739: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 04:02:24.00 ID:Sa9xggly0
    若林「そんな事でやめちまうのか!!お前の夢はそんなもんか!!」
    礼二「うるせえよ!どうしようが俺の勝手だろうが!!!」
    もみくちゃになりながら俺は二人の間に入って必死に止めた

    しばらく口論が続いたあと、礼二が言った
    礼二「大体夢、夢って、お前には何も夢がねえくせに!!」
    これを言われて若林がピタっと言い返すのをやめた

    礼二もこれにはしまった、と思ったのか
    「あ…」としゃべるのをやめた

    740: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 04:06:35.79 ID:Sa9xggly0
    若林はすごく小さな声で言った
    若林「俺に何もねえから…お前を応援してるんだよ」
    俺はこんなに寂しそうにしゃべる若林を初めて見た
    いつもひょうひょうとしていてテキトー、そんな若林とは程遠かった

    若林「でもやっぱり、大きなお世話だったか。」
    若林は「ごめんな」とこぼしてそのまま自転車に乗って行ってしまった

    すると礼二も黙って下を向いたまま家の中に入ってしまった

    741: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 04:09:48.76 ID:Sa9xggly0
    俺は一人、取り残されてしまった
    もうだいぶ暗くなっていて、若林も見失ってしまった
    俺は礼二の家に向かって「明日絶対学校来いよ!!」と言って
    その場を後にした

    三人でつるむようになってから、ここまで大きなケンカは初めてだった
    何も言えずにただ仲裁していた俺
    仲直りできるのか不安な反面、本音でぶつかれる礼二と若林が
    少しうらやましいとも思っていた

    742: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/26(水) 04:11:10.21 ID:Sa9xggly0
    すいません今日はここで落ちます
    今日も遅い時間までありがとうございました
    続きは明日書きます、早めに来れるといいな

    あと少しで終わると思います

    745: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 04:19:04.77 ID:QGl/FvI70
    >>742
    乙!

    743: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 04:14:23.33 ID:gDAHdbv00
    おつなんだぜ!

    744: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 04:19:01.07 ID:+EkLoKaU0
    期待しとく

    749: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 09:58:45.31 ID:AiPhirAN0
    乙!

    754: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 20:08:20.83 ID:XLQWyVa80

    758: 名も無き被検体774号+ 2012/12/26(水) 22:05:31.67 ID:2/pB/yTz0
    ほす

    760: 名も無き被検体774号+ 2012/12/27(木) 02:42:38.56 ID:VvcS/wMK0
    ほしゅー

    764: 名も無き被検体774号+ 2012/12/27(木) 11:25:58.69 ID:dLngmbzvi
    ほす

    774: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 01:48:26.97 ID:ioxVtwrr0
    こんばんは
    実は今日、随分と久しぶりにある人と会って来ました
    会って…うん
    この事もスレの最後に書きますね

    とりあえず今日も続きを書いていきます

    775: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 01:51:15.29 ID:9QdJn1ZG0
    おかえり
    頑張って

    776: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 01:59:00.43 ID:ioxVtwrr0
    その若林と礼二が盛大にケンカをした次の日
    礼二は学校には来たものの、俺ともほとんど喋らなかった
    放課後、「5、ごめんな俺先に帰る」
    と言って申し訳なさそうに帰ってしまった

    俺はその後若林のクラスまで行った
    俺「なあ若林、礼二先に帰っちゃったぞ」
    若林「そっか。」
    若林はなんとなく寂しそうな顔で言った

    777: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 02:07:38.61 ID:ioxVtwrr0
    どんな事があろうと大抵三人で一緒にいた俺たち
    俺はもしこのままバラバラになったらどうしようと不安だった

    若林「そうだな、お前グローブ家にあるか?」
    俺「グローブ?まあ一個くらいならあるんじゃねえかな」
    若林「よっしゃ、明日それ学校に持ってこいよ」
    俺にはこの時若林が何を考えているのか分からなかった

    778: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 02:11:25.82 ID:ioxVtwrr0
    若林は中学時代野球部だった
    顔に似合わず野球が好きなスポーツ少年だったらしい

    若林「だからさ、面と向かって話すのは少しアレだろ」
    俺「まあそうだよな」
    若林「笑うなよ?野球すんだよ、礼二と」
    俺「は?」

    779: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 02:14:37.22 ID:ioxVtwrr0
    若林「明日なら、ちょうどよさそうだな」
    俺「待って待って。それマジで言ってんのか?」
    若林「マジだけど。駅前のあの公園、あそこでいいだろ」

    俺は唖然とした
    たまにわけの分からん事を言い出す奴だけど
    この時は本当に驚いた

    780: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 02:15:55.50 ID:AqXeQkU60
    青春だな

    781: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 02:19:35.35 ID:ioxVtwrr0
    若林「ちょうどお前らと野球したいと思ってたしな」
    とヘラヘラして言う
    本当に憎めない奴だよ

    俺は次の日、自分の家から引っ張りだしてきたグローブを持って学校へ行った
    放課後、そそくさと帰ろうとする礼二を引っ張り止め
    強引に一緒に帰ろうと誘った

    若林は先に駅前の公園に向かっていた

    782: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 02:22:42.36 ID:ioxVtwrr0
    よく晴れている日で、西日がまぶしかった
    礼二と二人で自転車に乗って学校を出た

    俺「礼二、久々に駅前の公園寄って帰らないか?」
    礼二「いいけど。寄って何するんだよ…?」
    俺「まあとにかく行ってみよーぜ」
    上手いこと礼二をあの公園に誘導することができた

    783: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 02:56:43.00 ID:mKgCY5XC0
    しえん

    786: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:01:08.36 ID:ioxVtwrr0
    公園に着くと、若林が俺たちを見つけて笑っていた
    若林「よ、来たか。」
    ニコニコとしてとてもごきげんなように見えた

    礼二「なんで、若林が…」
    困惑する礼二に向かって
    俺は持ってきたグローブをカバンから出して礼二に投げた

    礼二「は?なんだよ、これ…」
    俺「いいからさ」
    俺も若林につられて何だかニヤニヤしてしまった

    787: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:06:08.33 ID:ioxVtwrr0
    若林「キャッチボールすんだよ、いいか?」
    そう言って若林は持っていたボールを礼二に向かって軽く投げた
    礼二も黙って、若林にボールを投げ返す

    礼二と若林の間をボールが何往復もするうちに
    若林が投げるのと同時に喋り始めた
    若林「あのさ」
    礼二「どうした?」

    788: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:09:41.87 ID:ioxVtwrr0
    若林「お前だって、色々辛いんだよな」
    礼二「うん」
    若林「なんか、勢いで色々言いすぎちまった。ごめん。」

    若林がそう言うと、礼二はボールをキャッチしてから大きく深呼吸した
    礼二「今、見せたいもんがあるんだよ」
    そう言って礼二はグローブを手から外して、かばんを取りに行った

    789: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:12:09.51 ID:ioxVtwrr0
    礼二「若林も、5も来いよ」
    礼二は真面目な顔をして俺たちを手招きした
    俺「一体なんだ?w」

    礼二「これだ」
    礼二はカバンのクリアファイルから原稿用紙を一枚取り出した
    そこには一人の少年の絵が描かれていた

    若林「お前、これ…」
    礼二「うん」

    790: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:16:15.87 ID:ioxVtwrr0
    礼二「新しく描く漫画の主人公考えたんだ。これ、どう思う?」
    俺「お前…もう漫画は描かないって…」
    礼二「色々考えたんだ。でもやっぱり、漫画描きたくてしょうがないんだよw」

    そう言われて、俺と若林はあからさまに見合ってニヤニヤしてしまった
    若林「いいんじゃねーか、俺は好きだけどよ。もう少し個性が欲しくねーか?」
    礼二「まじかwよっしゃもっと練ってみるぜw」
    不思議と俺たち三人は笑って話していた

    791: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:20:40.36 ID:ioxVtwrr0
    いつのまにかブランコに三人で座って
    久々に三人でずっと漫画談義をしてた
    すっかり夕暮れの時間帯で、公園がどんどん夕焼けに染まる中で
    俺は三人でいられる事がどんなに楽しいことか痛感した

    やっぱり俺は夢を語る礼二が好きで
    それを見て楽しそうに話す若林が好きだった
    いつまでもこんな時間が続いたらいいのにって
    そんなベタな事をこの時本当に思ったんだよ

    792: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:24:15.30 ID:ioxVtwrr0
    礼二だって人間だし、失恋して何もやる気が無くなることだってある
    それを見て思いっきりキレた若林も同じだ
    そしてその二人の間をなんとなく繋ぐ俺…

    この一件で俺たち三人はまた今までとは違う
    より一層親密な仲になったんだと思う

    793: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:30:34.79 ID:ioxVtwrr0
    この出来事があったのが秋のこと
    それから俺達は修学旅行へ行ったり色々とあったけど
    毎日楽しくそれなりに過ごしていた
    何もかもが普通だった

    授業もけっこうサボるがそれなりに出席はして
    成績は相変わらず相当悪いものだったけど
    学校には順調に毎日通って楽しくやっていたんだ

    794: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:41:22.60 ID:ioxVtwrr0
    冬休みに入った頃
    忘れかけていたTから突然メールがあった
    「年明けに吹奏楽の演奏会と合同で軽音部のライブがあります。
    良かったら見に来てみてくださいね。」

    というものだった
    そういえば、Tはライブをする時は見に来てくださいって言ってた
    俺はこの時忘れかけていたものを突然思い出したような気持ちになった

    795: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 04:42:42.77 ID:6YV3Vx6B0
    Tきたああああああああ

    796: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:44:22.27 ID:ioxVtwrr0
    正直、最初はあまり乗り気ではなかった
    音楽はそこまで好きじゃないし
    吹奏楽の定演なんて俺がいっても浮くだけだ

    でも、せっかくTがメールまでしてくれて誘ってくれたから
    どうせ暇でやることないんだし見に行ってみようと思った
    Tがどんな風に軽音部でやっているのか見てみたい
    そんな好奇心だった

    でも、この軽い気持ちが良くなかった

    797: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:52:02.82 ID:ioxVtwrr0
    一人で行って友達がいない奴だと思われたくなかったので
    俺は嫌がる若林を強引に連れて行った
    この時礼二は何故か寝込んでいて来なかったんだと思うw

    高校近くの市民ホール的な場所で
    吹奏楽と軽音の合同演奏会が行われていた
    駐車場も沢山の車でうまっていて

    中に入るとホールは思ってたよりも大きくて
    人も保護者やら他校の生徒やらで随分とうまっていた

    798: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:55:42.89 ID:ioxVtwrr0
    入り口でパンフレットをもらって若林と一緒にしげしげと眺めた
    プログラムは吹奏楽→軽音の順番だった

    若林「俺こんなん初めてだぞwなんかすごいもんだなw」
    俺「思ってたよりかなり本気だよね…なんかすごいわ…」
    ホールの中はなんというか厳かな雰囲気に包まれていて
    ステージは照明が強く当たっていて凄くまぶしく見えた

    とても高校生の演奏会には思えなかった
    なんかプロが出てきてもおかしくないような雰囲気に思えた

    799: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 04:58:43.77 ID:ioxVtwrr0
    若林「お前の愛しのTのちゃんはいつだよ?w」
    俺「なんだよそれwさーいつだろうな…」
    なんて話してるうちに吹奏楽の演奏が始まった

    ステージ上に楽器を持った一団が現れると
    場内は凄まじい拍手に包まれた
    俺は驚いて思わずまわりをキョロキョロ見渡してしまった
    若林に「ばか、きょろきょろすんな」って注意されたのがしゃくだったw

    800: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 05:01:54.80 ID:ioxVtwrr0
    吹奏楽の演奏が始まって、俺は唖然とした
    正直、高校生ごときの演奏が…となめていたのだけど
    初めて生でブラスバンドというものの演奏を聴いて
    俺はめっちゃ感動したんだ

    音の束が俺の腹に突き刺さってくるような不思議な感じだ
    ステージ上で光を浴びて演奏してる人たちが
    いつも学校で一緒にいる連中に思えなかった

    俺も若林もただ「すげ…」とか「うわ…」とかつぶやくだけだった

    801: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 05:04:34.19 ID:ioxVtwrr0
    吹奏楽の演奏が終わって
    軽い休憩時間になっても、俺達はあっけにとられてた
    「なにか打ち込むってのは凄いことだわ…」
    二人でそんな事を大真面目に話してた

    Tも頑張ってるんだろうか
    軽音の演奏になってTが出てくるのが
    怖いような楽しみなような、なんとも言えない気持ちになった

    802: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 05:04:46.45 ID:1+b6g2KzO
    おもろい

    803: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 05:07:35.27 ID:ioxVtwrr0
    ごめんなさい、ここまでにします
    限界なので落ちます
    こんな時間まで書いちゃってすいませんでした!

    今日続きを書きます
    多分、今日終わるんじゃないかと思います

    807: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 06:36:38.60 ID:caDjqL3Q0
    追いついた
    おもしろすぎるぞこれ。画面が滲む

    808: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 08:25:07.61 ID:f7V5Xrr9O
    Tとどうなるかな

    809: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 10:23:35.94 ID:r1ED55GZ0
    青春だ…(°_°)

    811: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 13:16:01.22 ID:vq5XZkH40
    追いついた
    保守

    812: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 14:38:45.76 ID:7QYbiPkr0
    ほしゅほしゅ

    813: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 15:53:56.00 ID:30ui6TES0
    ほしゅ

    817: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 18:35:51.52 ID:ioxVtwrr0
    こんばんは
    続きを書いて行きたいと思います
    保守してくれた人ありがとう!

    818: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 18:48:32.92 ID:9QdJn1ZG0
    今日は早いな!

    819: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 18:48:41.95 ID:ioxVtwrr0
    休憩時間にホールの中が明るくなって
    俺たちは後ろの席のほうで何もすることなく座っていた
    沢山の人が座ったり立ったりを繰り返していて、場内は慌ただしかった

    「先輩!」
    声のする方を見ると、通路の方でTがピョンピョン跳ねて手を振っていた
    T「来てくれたんですか!」
    俺「来たよー!」

    821: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 18:54:05.84 ID:ioxVtwrr0
    T「私もうすぐなんです…緊張します」
    俺「頑張ってね~楽しくやればいいよーw」
    俺がそう言うとTは笑って頷いて、ホールの外へ駆けていった
    Tのその姿がとても微笑ましく思えた

    若林「可愛いもんだなw」
    俺「そうだね」
    若林「…なんでふったの?」
    俺は若林のその質問に黙るだけで、答えられなかった

    822: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 19:06:57.57 ID:7QYbiPkr0
    >>821
    はよはよっ

    824: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 19:10:17.52 ID:ioxVtwrr0
    軽音部の仲間に囲まれて楽しそうに話しているTが
    なんだか遠くに行ってしまったように感じた

    そしてホールが暗転し、軽音部のライブが始まる
    どうやら1,2年生のライブから始まるようだ
    いくつかのバンドの演奏が終わってから
    とうとうその時がきた

    825: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 19:25:55.10 ID:ioxVtwrr0
    照明が照りつけるステージの真ん中にTのバンドが現れた
    Tはボーカルのようで、緊張した様子で真ん中のマイクの前に立った
    ホールの前の方では友達だろうか、数人の人だかりがTに熱心に手を振ってた

    大勢の人が見つめるステージの真ん中にTが立っている
    あの小さなTが、いつもの様子とは違う真剣な顔だった

    827: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 19:40:04.00 ID:ioxVtwrr0
    Tたちのバンドの演奏が始まる
    「車輪の唄」だった
    もちろん、俺もよく知っていた歌だ
    真ん中に立つ小さなTが歌い出す

    「錆びついた車輪…」初めて聴くTの歌声だった
    恥ずかしい話、俺はこの時まで「女子の歌声」を聴いた事がなかった
    それも今聴いているのはよく知っているTの熱唱だ

    Tが歌い出した瞬間、俺は鳥肌が立った

    828: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 19:48:12.09 ID:Cc8DNnVW0
    見てるぜ!

    829: 名も無き被検体774号+ 2012/12/28(金) 19:48:41.73 ID:s+uPJDVv0
    しえん

    830: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 19:49:22.33 ID:ioxVtwrr0
    この時のTが歌った5分間は、今でも本当によく覚えてる
    とても楽しそうに懸命に歌うTの姿が、俺の目に焼き付いて離れない
    俺のTのイメージは、真面目で優しくておとなしい、そんな感じの子だ

    それが、目の前にいるTはどうだろうか
    とても楽しそうに情熱的に、大声を出して歌を歌っている
    熱い、本当に熱かった

    バンドが凄く好き好きでたまらない、Tのそんな気持ちが伝わってくるようだった

    832: 5 ◆UZlMbTFLBs 2012/12/28(金) 19:56:46.01 ID:ioxVtwrr0
    演奏が終わってTが笑顔で「ありがとうございました!」
    と言った瞬間場内から割れんばかりの拍手が溢れた
    俺も無意識のうちに思い切り拍手をしていた

    すごい、すごすぎる、あれが本当にTか?
    俺は演奏が終わった後もドキドキが収まらなかった

    「Tはどこだ?Tはどこに行った?」
    俺は溢れる気持ちが抑えきれなくなり
    そのまま若林と二人でホールを出て、Tを探しに行った

    910: 名も無き被検体774号+ 2012/12/29(土) 07:05:26.29 ID:+fYnj+0O0
    >>5乙!
    また立ててくれよ!

    4: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 00:39:37.70 ID:PcfU24xR0
    必死だった。何か自分の中で小さく収まっていたものが大きく羽ばたいたかのような
    とにかく、猛烈に「Tに会いたい」という気持ちが込み上げた
    Tに会って、話したい
    すごく良かったよ、すごく素敵だったよ、と伝えたかった。

    でも、見つからない。
    ホール中を駆けまわっても、軽音部が溜まってる所を見ても、見つからない。
    Tどこだ、会いたい、ただそう思った
    この時、俺は本当にTのことが好きになったんだと思う
    本当に、きっかけなんて何処にあるか分からない

    5: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 00:42:41.87 ID:YT1tdidh0
    いつかの>>5じゃねーか!!
    お前を待ってた…
    はよ、と言いたいがとりあえず俺も前スレチェックしてくるw

    7: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 00:56:33.88 ID:PcfU24xR0
    この時俺は本当に必死だったんだと思う
    演奏会が終わって、関係者が出てくるまで出口で待とうって決めた
    早く帰りたがる若林を強引に引き止めて、外が暗くなるまでTを待った

    吹奏楽の部員、軽音部っぽい人たち
    段々とそれっぽい人たちは出てくるのだが
    待っても待ってもなかなかTは出て来なかった
    1月の夕暮れ時だ
    外で待つのは寒くて辛かったな…

    8: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:06:46.18 ID:PcfU24xR0
    しばらくすると、Tがホールの出口から出てきた
    俺らは出口の脇にいたから、遠くから声をかけようとした

    でも、Tは男と2人でいた
    男と、向い合って手を握って何かを話している

    俺「あれ…?あそこにいるのTだよな…」
    若林「うん…Tちゃんじゃないの?」
    俺、猛烈に焦る

    9: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:11:00.75 ID:PcfU24xR0
    そして、その男と手を繋いで2人で歩き出した
    あれ?一体どういう事なんだろう

    俺はもうただただ呆然とした
    何が起きてるんだ?もう訳が分からなくなって、走ってすぐにTを追いかけた
    気まずいとかKYとか言ってられない、声をかけずにいられなかった

    俺「T、お疲れー」
    たまらず、2人が歩く後ろから声をかけた

    10: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 01:12:06.49 ID:i0K+dS620
    やっぱそういう展開になるのか…
    Tちゃん、良い子だからな

    11: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:17:58.21 ID:PcfU24xR0
    T「先輩?」
    Tは不意をつかれたようにくるっと後ろを向いた

    俺「いきなりごめんね…今日の演奏、本当に良かったよ」
    T「いえいえ…今日はわざわざ見に来てくれて、嬉しかったです」
    その間、隣の男は黙って俺の方を見ていた でもニコニコしてた

    話さなくても、その雰囲気で全てが伝わってくる気がした
    ああ、ここは俺がいていい場所じゃない

    俺「またいつか、演奏会あったら教えてね」
    T「はい、もちろんですwそれじゃ、先輩も気をつけて帰ってください」
    隣にいた男も笑って俺に会釈して、2人はそのまま歩いていってしまった

    どんどん小さくなっていく2人 とてもむなしかった

    12: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:28:49.66 ID:PcfU24xR0
    俺が呆然と立ち尽くしていると、後ろから若林
    若林「ふられたか」
    俺「ふらてねーよ…」

    若林「ま…どんまい。こうなるのは分かってた事だな」
    俺「そうだね」
    若林「あの男、俺らとタメの理系の神ちゃんだな」
    俺「神ちゃん?」

    13: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:32:17.03 ID:PcfU24xR0
    若林「ま、知らねーよな。良い奴だぞ、明るくて人気もんだな」
    俺「そうなんだ…」
    俺があからさまに落ち込んでたので、しばらく若林も黙る

    そのまま2人で駐輪場へ行って、自転車に乗っていつもの駅への道を走る
    もうすっかり真っ暗だった
    若林「これからどうすんの」
    俺「何を」
    若林「何って、Tちゃんだろ」

    14: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:39:11.11 ID:PcfU24xR0
    俺「正直言っていい?」
    若林「いいよ」
    俺「俺、今日行かなきゃ良かった」
    若林「誘ったのはお前だけどな…」
    若林が笑う

    俺「俺、Tの事好きだって分かったんだよ」
    若林「まあ、気持ちは分かるけどな。俺もあのステージ見てたし」
    若林「今更どうしようもないんだけどな…」
    そして、再び俺が黙ってあからさまに落ち込む

    15: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 01:47:16.56 ID:PcfU24xR0
    若林「ラーメンでも食って帰ろうぜ」
    話題に困ったのか、若林はラーメンを提案 そのまま2人でラーメン屋へ
    この時、若林に言われたことは本当に印象的だった

    「ちゃんとTちゃんと向き合わなかったお前が悪い」
    「Tちゃんがお前にフラれた時は今のお前よりずっと悲しかったはずだ」
    「仕方ない」

    その全てが正論で、もっともすぎて何も反論できなかった
    ただ、若林と話せた事は大きかった
    その日、俺は家に帰ってからひたすら泣いた

    17: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 02:18:05.12 ID:PcfU24xR0
    この一件以来、俺はTへの気持ちを引きずり続けた
    Tの事を、本当に好きになってしまった
    冬休みが終わって学校が始まっても、ずっと腑抜けだった

    礼二と失恋同盟という悲しい同盟を組んだ
    そしてそれを見ると若林は
    「俺は絶対入らないようにしよっと…」
    と言うのが定番だった

    辛いことも三人一緒にいれば笑いになる
    それだけが本当に俺の救いだったように思う

    19: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 02:36:50.05 ID:PcfU24xR0
    その後Tとメールして「実は彼氏できちゃったんです」
    という報告を受けさらにダメージを受け
    それから、春までは特に変わった事もなく
    辛い想いと共に俺の高校2年ライフは幕を閉じた

    年度が変わって4月になれば、いよいよ高校3年生
    もう、今までのようにヘラヘラもしていられない
    今までひたすら向こう見ずに暮らしてきた俺達も、色々考えださなければならない時期に入る

    20: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 02:49:20.48 ID:PcfU24xR0
    新入生の一年生が入学してきて、学校内は再び活気あふれる
    2年前に自分が入学した時の事が、もう遠い昔のように感じられた
    クラス分けも、もちろんケツクラ。
    俺と礼二は文系の、若林は理系のケツクラだった

    3年になってからも、帰り道でたまにTが例の彼氏と一緒に帰る所を目撃して
    それを見る度に吐きそうになるくらい辛くなった

    時間はあっという間に過ぎた
    というより、1,2年の頃のエネルギーと無鉄砲さが凄まじかっただけだろうか
    時たま、高校に来てから初めてTと会った時の事を思い出して
    死にたくなる時がある以外、元気に普通に過ごした

    21: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 02:51:56.15 ID:i0K+dS620
    >>20
    おまwwww
    まあ分かるわ、逃した魚は大きいな

    22: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 02:56:29.24 ID:PcfU24xR0
    進路就職ガイダンス
    進路希望調査、志望校の決定
    模試、模試、模試…
    そんな字面の行事が俺たちを取り巻いた

    高校3年生という立場の一学期はあっという間に消えた
    気づけば夏休みに入っていて、流石の俺達も前のようなテンションで遊べなくなっていた
    一緒にいても
    「進路どうしよっか」
    という話題になることが増えていた

    23: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:05:36.63 ID:PcfU24xR0
    周りが自分の目標、進路をしっかりと見据え勉強に打ち込む中
    俺達は今までのツケがまわって、何も出来ずにいた
    そりゃ、散々サボって授業すらまともに受けなかった落ちこぼれの三人組だったしね

    夏は受験の天王山、なんてどこ吹く風…
    毎日三人で集まって遊ぶか、家でアイス食ってゲームしてるのがいいとこの夏休み
    でもみんなどこか落ち着かなかったんだと思う
    若林は特に「まずいよなぁ…」って心配してることが増えた

    24: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:20:55.27 ID:PcfU24xR0
    そんなある日、若林から珍しい誘いが来た
    「俺の家に来てみないか」
    今まで、頑なに自分の家に呼ぶことを拒んできた若林
    一体、何があるんだろうか

    若林の家は、俺と礼二の家の最寄り駅から電車で数駅
    少し遠いところにある
    だから今まで行けなくても不思議ではなかった
    ただ、若林が家の事を全然話さないことには違和感があったんだ

    25: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:26:41.57 ID:PcfU24xR0
    後日、俺と礼二は電車に乗って若林の家に向かった
    お互い、電車に乗って出かけるなんて慣れないことだったので何だか違和感。
    駅に降りると、若林がへらへらして待っていた

    若林「おう、よく来たなw」
    礼二「ここの駅降りたの初めてだわww」
    若林「ま、こっからは遠くないよ。少し歩くくらいだ」

    若林の最寄り駅はけっこう田舎で、駅の周りもこれといって栄えていなかった

    26: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:31:27.30 ID:PcfU24xR0
    駅チカのコンビニでみんなでパピコを買って、食べながら歩く
    歩きながら、ふと若林が口を開いた

    若林「ずっと言ってなかったけどさ」
    俺「なに?」
    若林「俺の親、医者なんだわ」

    俺と礼二はしばらく言葉が出ない
    礼二「マジ…?」
    若林「俺さ、医学部目指そうと思って」

    27: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:35:51.21 ID:PcfU24xR0
    若林の口から次々ととんでもない言葉が出てくるので俺は動揺を隠せなかった
    俺「今からか…?」
    若林「はは、笑えるだろ?」

    俺と礼二は何も言えなかった
    というより、驚いて何も言えなかったんだと思う

    そうして歩いていると、若林の家に着いた
    三階建てくらいの、立派な家だった 俺と礼二は2人で
    「すごい家だな…」って言ってたと思う

    28: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:39:41.18 ID:PcfU24xR0
    若林「ま、入れよ」
    そう若林に促されて、家の中に入った
    若林がただいまー、と言うと親父さんらしき人の声がした

    俺「親父さんが医者…?」
    若林「そうだよ」
    そんな会話をしながら、2階にある若林の部屋に向かう
    家の中もかなり綺麗で広くて、お医者さんの家だな…って感じがした

    29: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:46:10.50 ID:PcfU24xR0
    若林の部屋には、野球雑誌が転がってて部屋の隅にはグローブも会った
    壁には沢山の野球選手のポスターが貼られていた

    若林「前にも言ったけどさ」
    若林が真剣な顔になって話し始め
    若林「俺野球大好きでさ、中学の時はめっちゃ部活頑張ってた」

    俺と礼二は、黙って聞く
    若林「俺は、高校野球にずっと憧れてたんだ」

    30: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 03:52:24.68 ID:PcfU24xR0
    若林「野球やってれば、誰だって憧れるだろ?w毎日一生懸命練習して、甲子園なんか目指しちゃったりとかさ…」
    俺「わかるぞ、部活は楽しいよな」

    若林「自慢じゃないけどさ、本当はもっと野球の強い高校に行きたかった」
    若林「でも、将来の事もあるからさ…親に強く言われて俺はこの高校に入ったんだ」

    若林「ほら、めっちゃ緩いけどうちにも野球部はあるだろ?wだから部活くらいできると思ってたんだ」

    31: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:00:20.77 ID:PcfU24xR0
    若林「でも違ったんだわ。うちの親は、俺が部活に入ることを許さなかった」
    若林「将来は必ず医学部だぞ、ってさ。だったら部活なんてやってられないだろって」

    礼二「ああ…そういう事か…」
    若林「少しだけ期待してた自分がアホらしくなったな。だからやけくそになって、全部放棄してやったんだ」
    若林「それが、一年の最初の頃の話だ」

    若林「野球部に入ることもなく、勉強もせずただひたすら反抗して過ごしてた頃に…」
    若林「5に会ったってわけだ。」

    32: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:04:53.28 ID:PcfU24xR0
    若林「それから礼二にも会って、毎日3人で馬鹿してさぁ… 本当良かったよな」
    若林「で、この前久しぶりに親父とちゃんと話し合ってさ…」

    若林「俺、また今から真面目に医学部目指すことにしたんだ」
    若林「何年かかるか分からんけどねw」
    ここまで話して、若林がやっと笑いをこぼした

    若林「これを決めたなら、やっぱりお前らには黙っておけないなって思って」

    33: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:10:34.51 ID:PcfU24xR0
    俺「話してくれてありがとな。なんつーか応援するし、俺も頑張るわ」
    礼二「お、俺も。お互い頑張ろうぜ」

    俺達がそう言うと若林は笑った
    若林「お前らならそう言ってくれると思ってたぜw」

    なんというか、衝撃の事実だった
    若林のテキトーな印象の裏に、こんなものを背負っているとは思ってもいなかった

    34: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:19:10.12 ID:PcfU24xR0
    若林が礼二の好きな事を追いかける所に惹かれていたのも、
    礼二が漫画を捨てようとした時にあそこまで激怒したのにも、納得ができた

    若林も高校に来てから、様々な葛藤や矛盾と戦ってたんだろうな
    そして、それを俺たちになかなか言い出せなかったのも辛かったんだろう

    しかし、若林も医学部受験となると
    俺ももう自堕落な生活は送っていられない

    35: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:24:35.52 ID:PcfU24xR0
    若林は医学部受験を目指して努力を始める
    礼二も漫画家目指してめっちゃ頑張ってる
    だから、俺も頑張ろう…!!

    それからの夏休みは、若林も急に勉強熱心になり
    俺も家に篭もってとりあえず学校の課題をやっつける事に熱中した

    夏休み明け一発目の進路希望調査に、地元の国立大学を書いてやった
    それを見て、担任がひどく驚いてたのを覚えてる

    36: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 04:26:53.73 ID:PcfU24xR0
    とりあえず今日はここまでにします
    長々続いたスレでしたが、明日には終わらせようと思ってます
    では!

    37: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 04:27:51.18 ID:i0K+dS620
    おつおつ!
    若林まさかの展開だな
    ここからどう収束して今に繋がるのかすげえ気になるわ

    38: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 04:30:58.11 ID:xPrwmYVU0
    とうとう完結の時か
    なんというか青春の全てが詰まってるな
    大人になってゆく>>5たちがどう変わるのか

    41: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 15:21:24.03 ID:qafOu+Xk0
    追いついた
    これはなかなか…
    そして今日終わるのか

    42: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 21:21:12.28 ID:PcfU24xR0
    こんばんは、続きを書いてきますねー
    今日完結に持ってこうと思ってますんでどうか一つ

    43: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 21:23:01.10 ID:ok5AvR4O0
    楽しみにしてます!

    44: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 21:40:51.54 ID:PcfU24xR0
    3年の秋になってから俺は完全なる受験生に変わってた
    しかし、今までロスしてきた分は到底取り戻せなかった
    模試を受けても志望校の判定は大体E、良くてもD

    勉強しても勉強しても、一向に結果に反映されない
    この頃になると、若林も塾に通いだしてなかなか三人で一緒にいられる時間は減っていった
    正直、挫けそうだった

    45: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 21:45:22.98 ID:PcfU24xR0
    若林も自分のことで手一杯だし、勉強の事に関しては礼二にもなかなか相談できない
    今までのツケがまわって自業自得だったのもあるし、俺は一人で悩んだ
    今更一丁前に勉強を始めた所で、やっぱり無駄なんだろうか…

    しかも俺は極度の緊張しいで、模試の日の朝などはいつも体調を壊した
    プレッシャーとかに凄く弱かったんだ
    こんなんで受験に臨めるのかと、不安になった

    46: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 21:50:27.06 ID:PcfU24xR0
    特に俺は英語が苦手で、英語のO先生のところへしょっちゅう質問に行った
    このO先生が凄くいい人で、いつも俺のことを気にかけてくれていた

    勉強や受験の悩みを、いつもO先生にぶつけた
    この時、O先生に会えたのは大きかった

    「気楽に行こうぜ。気楽にやろう」
    それがO先生の口癖だった
    「やる気あんのか」「もっと勉強しろ」という先生ばかりの中で、俺はO先生のそのスタンスに惹かれた

    47: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 21:56:11.99 ID:PcfU24xR0
    そしてあっという間に受験一色の秋・冬は過ぎてセンター試験を迎えた
    前日に、若林と礼二の三人で学校近くの神社に行って円陣を組んだ
    ちなみに、礼二はセンターは受けるが無関係なので、応援である

    俺はセンター試験の当日に時計を忘れるというファインプレーを見せた
    なんとかO先生の腕時計を借りてしのいだが

    結果は惨敗だった
    腕時計の動揺で腹を壊し、一日目がしんだ
    二日目も同様に散々たる結果で、国立に挑むにはどう見ても無謀な点数を叩き出す

    48: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:02:09.35 ID:PcfU24xR0
    若林も俺と同じく絶望的な点数をとった
    結果、俺も若林ももう一年コースを選択した 浪人だ
    礼二は漫画を描くということで、卒業後はフリーターになった
    上京するためのお金を貯めるんだそうだ

    俺達全員、流浪者になってしまったんだw

    そして、3月に入ってすぐ、卒業式を迎えた

    49: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:11:32.04 ID:PcfU24xR0
    前期の結果もまだ出ていない上、後期に懸けてる奴もいる
    卒業式を迎える3年生は、みんな心ここにあらずと言った感じだ

    それに比べて俺たち3人はもう自分の進路が確定したも同然だったので、のんきなもんだった
    式が終わると、俺達は待ち合わせて屋上に行った
    泣きながら抱き合ったり、先生と握手したりする人がいる中、俺たち3人は屋上に向かった

    屋上の入り口には厳重にカラーコーンみたいのが置かれて「立入り厳禁」と書かれていた

    50: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:16:46.53 ID:PcfU24xR0
    それを乗り越えて、屋上に出る
    三人ともどこかしんみりとした雰囲気だった

    若林「あーあ…今日で最後か…」
    晴れていたとはいえ、3月でまだまだ寒さが残る屋上
    俺たち三人は体を丸くしながら景色を眺めた
    若林「俺らしょっちゅうここ来てたよな…」

    この周りに遮るものが何もない開放感を味わえるのも、その日が最後だった

    51: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:21:30.42 ID:PcfU24xR0
    俺「明日から、学校に来ないって思うと、ほんとなぁ…」
    礼二「でもさ」
    若林「ん?」

    礼二「楽しかったよな」
    若林「そうだな」
    三人ともなんだかセンチメンタルな感じになって、今にも泣きそうって雰囲気だった

    そんな時、俺の携帯に一通のメールが来た

    52: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:25:46.38 ID:PcfU24xR0
    Tからだった
    「先輩まだ学校にいますか?下駄箱で待っています」
    というような内容だった

    若林「どうした?」
    俺「いや、Tが来てほしいって…」
    若林「いってこいよw終わったらメールしろ」
    礼二は黙って笑って頷いていた

    屋上が名残惜しかったが、俺は2人をおいて下駄箱を目指した

    53: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:31:57.21 ID:PcfU24xR0
    下駄箱に着く。そこには、花束を持って待っているTがいた
    T「先輩、卒業おめでとうございます…」
    俺「ありがとう…」

    顔を赤くして涙目になったTが俺に花束をくれた
    T「先輩…卒業してからも、頑張ってください…」
    言葉に詰まりながら、必死に話しかけてきた

    この時、自分が初めて「卒業する」という事を実感して涙腺が壊れた
    Tの前で涙をボロボロ流して「頑張るね、ありがとう…」と繰り返した

    54: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:35:04.87 ID:PcfU24xR0
    ああ、俺の高校三年間は終わったんだ
    若林と礼二に会って毎日馬鹿して大笑いしたことや
    Tと一緒に夏祭りに行ったことや、失恋してしまったこと
    そして最後には真面目に勉強もしてみちゃったり

    嫌だ嫌だと言っていた高校だったが、こんなにも色々あった
    俺はこの高校が好きだった
    そう気づいて、もうボロボロ泣けた

    55: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:40:06.35 ID:PcfU24xR0
    最後職員室でO先生に、「来たくなったらいつでも帰ってきな」と言われた
    ああそうなんだ、ここは俺の母校
    それは現実的なものでもあり、思い出という俺の心の中に残るものでもある
    最近は、それを痛感してる

    そして、その後は若林と礼二と三人で自転車を並べて帰った
    そうやって三人で学校から帰るのも、この日が最後だった

    今思えば、何気なく一緒に帰ったりするのも、本当にあの3年間だけなんだよな
    特別な行事だけじゃなくて、こういうなんでもない日常も、本当に大切なものだったんだよ

    56: 名も無き被検体774号+ 2013/03/05(火) 22:40:46.35 ID:qafOu+Xk0
    痛いほど分かる
    故に、辛いな

    57: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 22:46:11.87 ID:PcfU24xR0
    若林「卒業しても俺たちは変わらねーよ」
    俺「そだね」
    礼二「みんな地元に残るしな。いつだって会えるぞ」
    変わってゆくものに、変わらないもの
    自分たちは一生変わらないだろうって思ってたよな、この時は

    あと補足だけどw
    Tが花束をくれた事は嬉しかったが、この時もTは彼氏と続いてた
    それゆえに、特に何も期待もできなかったんだよなぁ…

    58: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 23:06:53.84 ID:PcfU24xR0
    高校卒業
    この大きなイベントが終わって、灰色の浪人生活がスタートする

    俺と若林は、駅前の予備校に通うことにした
    浪人生活、それは本当に辛抱の毎日だ
    毎日勉強に勉強…
    ちょっとでも遊んだり息抜きしても、「勉強しないとなぁ…」
    という感覚に常に襲われる

    正直、浪人して少し後悔した部分もあったよ

    59: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 23:28:39.53 ID:PcfU24xR0
    それでも必死に勉強した
    もう、俺に残されてる事は勉強することしかなかったんだから
    幸い、若林も同じ予備校で頻繁に会うこともできたしね

    一緒に昼飯食べたり、息抜きしたり
    浪人しても俺と若林がいつも一緒にいたよ
    でもやっぱり浪人生だからか、お互いどこか余裕はなかったけど…

    60: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 23:32:17.00 ID:PcfU24xR0
    俺の通ってた予備校は塾も併設しているところだったので、
    頻繁にTの姿も目撃した
    相変わらず彼氏とも順調に続いていたようで、俺はその報告を受ける度に胃痛がした

    Tの志望校はとある旧帝大だった
    やっぱり真面目に勉強してるだけあって、少々俺とは次元が違ったようだ
    すっかり落ちぶれたこんな先輩(恐らくTより遥かにアホ)にも
    優しく接してくれるTは本当にいい子だったよな、マジで…

    61: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/05(火) 23:38:08.57 ID:PcfU24xR0
    ちょっとでも気を抜いたらあっという間に泥沼いきな気がしたので
    俺は必死に現実に食らいついた
    笑顔で同級生と話すTを見る度に辛くなったけど、そんなのは関係ない

    とにかく大学に受かって、そこからまた新しい生活がスタートする、そう信じた
    時には高校の時のO先生ともメシを食べに行ったりして、勉強や恋の悩みを打ち明けた

    ちなみに、O先生は生粋のオッサンだ
    メシに行くと、いつも子供と奥さんの自慢しかしないパパ系オッサンだ
    「5と早く酒が飲みたい」それが口癖だった
    それも含めて俺は、早く大学に行きたかった

    65: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:05:32.95 ID:h4RbRsB70
    そんな風にして俺の浪人の一年は過ぎ
    センター試験も、高校の引率で来てたO先生に会ったりしてリラックスできて
    受験は成功した

    俺は、地元の国公立大学に通うことになった
    若林は、医学部に落ちた
    私立で2,3受かっていたが、医学部一本ってことで再び浪人

    今年受験だったTからも連絡が来る

    66: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:10:17.89 ID:h4RbRsB70
    合格発表の後に、Tから電話が来た
    T「先輩、どうでしたか?」
    俺「俺、地元大学に受かったよ!Tは?」
    T「おめでとうございます…!私も、〇〇大(旧帝)受かってました…!」

    やっぱり、Tは凄いな…
    でも、〇〇大に行くとなると、Tは地元を出て引っ越すことになる

    67: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 01:10:51.87 ID:j/OHa/Ji0
    支援

    68: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:16:30.72 ID:h4RbRsB70
    国公立に行くことが決まって、やっと親にも報告できる…
    なんて安心したもの束の間だったわ

    Tが地元を出て行ってしまう事は俺にとって一大事だった
    とは言え、Tは彼氏がいるし、もうどうしたら良いかまったく分からなかった
    大学に受かって、浮かれるどころではなかった

    そんな中、3月の中旬過ぎた頃だろうか
    俺の大学合格祝いで、若林と礼二の3人で温泉に行ったんだよ

    69: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:19:15.06 ID:h4RbRsB70
    3人でぬる~い露天風呂に入りながら色々と話したんだ
    なんでだろうな、風呂とかって一緒に入ると腹を割って色々話しちまうよな

    俺「Tがさ…」
    若林「あ、あの子どうなったんだ」
    俺「〇〇大だってさ…」
    礼二「うわ、すげえなwww」

    若林「ってことは引っ越すって事なんじゃねーの?」
    俺「そうなんだよな……」

    71: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:27:42.02 ID:h4RbRsB70
    俺「なあ、どうしたらいい?」
    若林、礼二「諦めればいい」

    俺「いや…え……」
    若林「だって、お前の話だともうあの子2年以上彼氏いるじゃん」
    礼二「さすがに気持ち切り替えろよ」

    この2人の言ってることがもっともすぎて死にたかった

    72: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:42:45.54 ID:h4RbRsB70
    若林「お前大学行くんだし、そろそろTちゃんから卒業しろよ」
    俺「でも、きっかけとかないと、なかなかな…」
    礼二「気持ちはわかるわ…」
    若林「いやもう彼氏いるんだけどなw」
    すっかり談笑の雰囲気

    若林「お前はもちろん、Tちゃんの卒業式を見に行ったりはしてないよな?」
    俺「してないけど?」
    若林「あー分かったわ。お前Tちゃんが引っ越す日に見送ってやれ」
    俺「うん?」
    若林「それで今生の別れってことでw」
    礼二「ひでーww」

    73: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 01:43:19.64 ID:j/OHa/Ji0
    さあ、どんな答えを出す

    74: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:46:52.48 ID:h4RbRsB70
    ちなみに、Tの彼氏は俺らより一年早く大学に行って県外なので
    Tを見送ることは現実的にできそうだった

    それを話すと、若林も礼二も賛成した
    Tを見送って気持ちに区切りをつけ、俺も新しい大学生活で新しい人を見つける
    このプランは、なかなか悪くないものに思えた

    75: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:51:35.85 ID:h4RbRsB70
    温泉から帰った次の日、さっそくTにメールで聞いてみた
    「引越しはいつ?」
    「3月の◯日ですね~」
    「車?電車?」
    「◯時◯分(昼間くらい)の電車で行きますね」

    メールは滞り無くできた
    これで、特に何もなければ当日、駅にTを見送りに行くことになる

    76: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 01:56:53.57 ID:h4RbRsB70
    Tの引越し日の前日、俺は朝から家に若林を呼んでいた
    大学に行くこともあり、いらなくなった参考書たちを若林にあげようとしていたのだ
    あれはいる、これはいらないとか2人でワイワイやっていたら、突然メールが来た

    それはTからだった
    「ごめんなさい先輩」
    俺「何のことだ?」
    若林「なんだそれ。とりあえずすぐ返信しろよ」

    77: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:03:09.98 ID:h4RbRsB70
    俺「どうしたの?…っと」
    「本当は今日が引越しで…今もう駅にいるんです」
    俺、唖然

    すぐにメールを若林に見せる
    若林も目を丸くした
    そしてすぐに勢い良く部屋から飛び出した

    若林「何してんだ!?行くぞ!!」

    78: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:05:16.43 ID:j/OHa/Ji0
    なんつー展開だ…
    間に合うのか

    79: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:08:15.24 ID:h4RbRsB70
    俺たちは家の前に止めてあったチャリに夢中でまたがった

    若林「お、おい!時間、時間あるのかよ!?」
    俺「元々の時間だとすると、もう20分もないよ…」
    若林「だーマジかっ」

    俺たちは駅への道を必死にこいだ
    本当に必死だった
    これを逃したら、Tにもう会えない?そんな感覚が頭をよぎっていた

    80: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:12:12.35 ID:h4RbRsB70
    街路樹や車が、俺の目の前をビュンビュン過ぎてった
    火事場の馬鹿力だろうか、この時の俺の自転車の速度は半端なかったに違いない。
    そして、後ろをついてくる若林も
    本当にめちゃくちゃな速さだったと思う

    ドラマの一瞬かと感じるくらいの真剣さだった
    間に合え、間に合え、って本当に泣きそうなくらい必死だった
    無茶して事故ったっていい、死んでもTに会いたかった

    81: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:13:14.70 ID:N4PLP2G+0
    ドキドキが止まらない!

    82: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:13:31.48 ID:QIeX1RGK0
    鬼気迫る感じが伝わるな
    間に合え…

    84: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:20:59.84 ID:N4PLP2G+0
    間に合えーーー!!

    85: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:21:43.12 ID:QIeX1RGK0
    いけ…!!!

    83: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:20:30.19 ID:h4RbRsB70
    駅に着くと、俺たちは自転車を駐輪場にぶち込んで、全速で走った。
    もう、時計を見る余裕すらなかった

    改札までの階段を無心で登った
    切符売り場で急いで入場券を買う
    すぐさま、改札へ。入場券を突っ込んで改札を抜ける

    何番線だ!?分からない、きょろきょろする。
    若林が後ろ側で叫ぶ
    「バカ!こっちだぁ!!早くしろっ!!」

    86: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:26:42.87 ID:h4RbRsB70
    2番線へと続く灰色の階段を無我夢中で降りる
    ホームに電車が進入する轟音が聞こえる

    階段を降りて、ホームの奥に見つけた
    すぐに分かった Tだ。
    ちょうど電車に乗るところだ

    俺「T…!!T…!!」
    俺は息を切らしながら必死に呼んだ

    87: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:30:21.94 ID:h4RbRsB70
    Tはもの凄く驚いたようだった
    T「なんで…先輩…」
    俺「間に合ったのか…」
    俺はその場で膝に手をついて息を切らした

    T「最後に先輩に会っちゃうと…絶対に寂しくなるから…ごめんなさい…」
    そう言ってTは目の前でボロボロ涙をこぼした
    俺「いいんだよ、その気持ちもわかる…」
    俺はゼエゼエ言いながらTをなだめた

    88: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:37:02.59 ID:h4RbRsB70
    俺「本当は花束でも持ってくるつもりだったのになぁ…」
    T「ふふ…何言ってるんです」
    Tは泣きながら少し笑った

    俺「T、大学に言っても元気でね。バイバイ。」
    Tに、伝えたかったことを言えた。
    このバイバイが、俺の中でいくつもの意味がある「バイバイ」だったのだか。

    Tは涙を拭いてにこっと笑って見せた。あの笑顔だ。
    T「先輩、ありがとう。」
    そう言ってTは電車に乗って行った

    俺は、この時のTの笑顔を今でもハッキリと覚えてる
    まぶしいというか何というか、人が輝く瞬間って、こういう事を言うんだろうなぁと今でも思う
    そんなとびきりの笑顔だった

    90: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 02:38:19.93 ID:2SJMn84J0
    最高だなTちゃん
    俺でも惚れてた…

    93: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:44:06.77 ID:h4RbRsB70
    帰り際、若林に
    「やるじゃねーか。」
    と褒められたあと
    「付き合ってやったんだからジュースくらい奢れよ…」
    とごねられた

    こうして、俺は想い続けたTから、卒業した
    4月からの大学という新生活に、胸を踊らせることにしたんだ

    94: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 02:50:05.78 ID:h4RbRsB70
    ここからの話は、早いぞ
    俺は大学のなんか必要以上にギラギラしたノリが苦手だった
    「マジ〇〇っしょ?ちょーやばくね?」「あの子マジ可愛くね?やばくね?」
    そんな会話にうんざりした俺は、マッタリとした地味なサークルを模索した

    なんの興味もなかったが、何個かあった軽音サークルの一つに所属した
    (なぜ軽音だったのか、もしかしたらまだTの幻影を追い求めてたのかもしれない)

    95: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:02:24.31 ID:h4RbRsB70
    それから、大学での毎日はなかなか楽しくて
    高校の頃みたいにエネルギッシュではないものの、マッタリと順調な日々。

    夏ごろに、若林から「予備校で好きな子ができたw」
    とか言って毎日のように相談を受けたなw
    まったく、浪人生だってのにのんきな奴だ
    でも、若林が誰かの事を「好き」なんて言うと思ってもいなかったから、面白かったなw

    ま、相手も浪人生だったっぽくてあっさりフラレていたけどw
    その後から取り付かれたように勉強してたみたいだ

    96: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:07:28.16 ID:h4RbRsB70
    そして一年はあっという間に過ぎ、3月がやってきた
    若林は2浪の末、県外の国立医学部に見事合格した
    元々の頭も良かったんだろうな、すごい奴だよ

    そして礼二もだ。
    お金もかなり貯まって、東京で漫画のアシだかをやるとかで、上京することに決めた
    この3月で、とうとう俺たち3人がバラバラになる時が来た

    97: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 03:09:30.35 ID:N4PLP2G+0
    おお

    98: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:11:57.64 ID:h4RbRsB70
    3月、若林と礼二が地元を出て行く前に、三人で飲んだ。
    若林がずっと受験で忙しかったので、3人でお酒を飲むのは初めてのことだった。

    俺「こうやって、三人で酒を呑むのが夢だったよな」
    礼二「なんかいいね、こういうの」
    若林「将来の夢でも語るか?w」

    見知った三人、気心知れた三人、落ちこぼれだった三人
    俺たち三人はなんなんだろう?

    99: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:14:44.92 ID:h4RbRsB70
    礼二「俺は漫画家になるぞー!!」
    俺「いいねw」
    若林「じゃあ俺は、立派な医者になるわ。」
    俺「うんうん」
    礼二「5は?」

    俺の夢って、なんなんだろう とっさにこんな言葉が出た
    俺「30年後も、この3人で飲むことかな?」
    若林「おお…」

    100: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:17:24.04 ID:h4RbRsB70
    それは本心だった
    別に、みんながみんな、大層な夢があるわけじゃない。
    この3人で、10年後も、30年後も、笑ってバカ言いながらお酒を飲むこと
    それが俺の夢だった

    礼二「いいねえそういうの。」
    若林「礼二、お前無理して死ぬんじゃねえぞwww」
    礼二「うっせwwww」
    ああそうだ、こういうやり取りを、いくつになっても、オッサンになっても爺さんになっても、やっていたい。

    101: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:21:30.99 ID:h4RbRsB70
    「いい医者になれよ」
    「イケてる漫画家になれよ」
    「5も…幸せにな」

    そう言って俺たちは別れた。
    みんな、別々の道を歩き出す、それぞれの人生が始まる
    それがきっと、大人になるってことなんだろう

    102: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 03:22:33.07 ID:2SJMn84J0
    まさに青春
    友人は一生の宝だな…

    103: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:27:27.63 ID:h4RbRsB70
    そして、俺は大学2年に
    若林は地方の国立医学部へ
    礼二は漫画家目指して東京に出て行った

    そして、俺の平凡な大学ライフは続いた
    大学3年になった時、後輩の女の子と付き合ったが
    一個したの男の後輩に寝取られるという事件が発生して
    寝込んだりもしたが、それ以外は平凡な大学生活だった

    104: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:32:05.81 ID:h4RbRsB70
    大学4年の6月には就職先も決まった
    塾講師だ
    結構志望度が高い職種だっただけに、嬉しかったよ

    内定も出たことだし、毎日気楽に遊んだり飲んだり
    そんな大学4年ライフを満喫していた

    ちなみに、あれ以来礼二は一度も地元に帰って来ず、
    若林も一回帰ってきたきりだった
    三人でもう一度会いたいなぁ…Tは今何してるかなぁ…
    そんな事を思い返してる日々だったんだ

    105: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:35:19.15 ID:h4RbRsB70
    そしたら暮れの12月にさ、たまたまこのスレを見つけたじゃない
    軽い気持ちで書き込んだら、まさかの俺が>>5を踏んじゃって
    自分の人生を振り返る事になっただろ?

    そしたらさ、もう懐かしくなっちゃって
    色んな事が頭をよぎったよな
    ああ、俺の人生、俺の今までの人生ってどんなんだったろう?ってさ

    106: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 03:36:02.50 ID:2SJMn84J0
    なるほどな…

    107: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:39:44.61 ID:h4RbRsB70
    俺、このスレに書き込んでたら
    もうTの事懐かしくなっちゃってさ、フェイスブックを介して連絡とったんだ
    そしたら、12月の終わりに地元に帰るって言われてさ

    未だに彼氏と続いてるみたいだから、さすがにクリスマスはダメだったんだけどね
    12月の終わりに、本当に久しぶりにTに会ってきたんだよ
    Tももう大学4年生だし、進路とか就職先とかどうなってんのか、凄い気になった。

    108: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:47:18.63 ID:h4RbRsB70
    久々に会ったTはなんだか垢抜けちゃっててさ
    びっくりしたよ、でも笑顔が可愛くて、そこには昔の面影が残ってた
    遠くから俺の方見て手を振るのね、昔からの関係性ってやっぱり変わんないのかな
    そこが相変わらず可愛いよまったく…

    そのへんのカフェに入って話したんだ
    T「先輩、塾の先生ですかっ」
    T「っぽいですねぇw先輩だったらいい感じですねw」
    俺「そうかなw」

    俺「Tは?どんな感じ?」
    T「私は〇〇社です(大手出版社)」
    俺「え、マジで…」
    Tは、やっぱりすごかった

    109: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:52:08.61 ID:h4RbRsB70
    Tの話によると、高校の頃から付き合ってる「神ちゃん」と未だに続いてるらしく
    恐らく、将来的には結婚もするだろう、とのこと

    いや、正直悲しいけど、それでいい
    Tは東京で、彼氏と幸せになるんだろう
    俺は地元で、俺の幸せを見つければいいんだから

    とにかく、久々にTと話せて良かった
    もしかしたら会わないほうが良かったかもだけど、
    ある意味「どうにもならない現実」を知れて良かったなとw

    110: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 03:59:04.42 ID:h4RbRsB70
    そして、3月…ついこないだの事だね
    若林と礼二が帰ってきた、地元に。
    本当に久々に3人で飲んで、本当に楽しかった

    俺「めっちゃ会いたかったわww」
    若林「3人揃うのは、久々だよなぁ…」
    礼二「やっぱり地元は最高だわwww」

    俺「みんなどうなん?w」
    若林「勉強マジ大変だわ…医者になるのは楽ねえな…w」
    礼二「俺は最近、やっと担当が着いたわww」
    やっぱり3人揃うと、話にめっちゃ花が咲く

    111: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:02:06.17 ID:h4RbRsB70
    「あの時の事覚えてるか?w」
    「自転車あそこの川に突っ込んで…」
    「礼二がめっちゃ泣いた日なwwww」
    とか、懐かしい話が、腐るほど出てくるんだ
    笑いに笑って、もう一生分くらい笑ったんじゃねえかって思った

    そんでまた、ふと「夢」の話になったんだ
    若林「前に3人で飲んだ時も、夢について語ったよなw」
    俺「あーあったあった」

    112: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:04:50.15 ID:h4RbRsB70
    礼二「俺は漫画家になるぞwwちょっとずつだけど、近づいてる」
    若林「いい医者になれたらいいわw」
    若林「…で、お前は」

    俺「30年後も、この3人で飲みたい」
    礼二、若林「出た出たそれなwwwwww」
    そんな感じで、3人で大爆笑してた

    113: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:08:07.35 ID:h4RbRsB70
    ああ、やっぱり、いつ会っても何年経っても変わらない
    俺たちは、俺たちなんだ

    そして、俺の夢は10年後も、30年後も
    ずっとずっとこの3人で酒のんで一緒に笑っていたい

    俺の人生を振り返った時、自分の何も無さに、少し落ち込んだ。
    けど、俺にとっての人生の原点はあの高校にあって、思い出の中にずっとある
    そして、若林と礼二に会えた事は今に繋がってる

    114: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:13:59.94 ID:h4RbRsB70
    やっぱり、人生は夢や目標がある奴の方が輝いて見えるし
    俺自身、そういう人を羨ましくも思う

    若林や礼二、Tを見ていると、自分の薄っぺらさに気づいて凹んだりもする
    けど、それ以上に俺には大切な親友がいたから、良かったんだと思う
    誰しもが立派な目標や夢を持ってるわけじゃないだろ?

    親友とか、何気ないそういう事に夢を見出してもいいと思うんだ
    俺にとっては夢以上に親友の存在の方が大きかった ま、言い過ぎかもしれないけどw

    115: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:17:05.96 ID:h4RbRsB70
    それにこんな俺でも、来月から好きな仕事も始まるわけで
    心機一転、そこから新しい夢とか見つかるかもしれない
    もしかしたらもっと辛くなるかもしれない

    それは分からないけど、やってみなきゃ始まらない
    とにかく自分のやってみたいようにやってみようと思うんだ

    これから、自分がどんな大人になっていくかは分からないけどさ
    またいつか、30年後にでも、若林と礼二と飲む時が来るんだから
    その時に、笑って話せるようにさ

    116: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:18:24.66 ID:h4RbRsB70
    これで、俺の人生語りは終わりです。
    長い間付き合ってくれて本当にありがとね
    最後まで言えてよかったよ…

    こんなオチですまんねw
    まあ、>>5の冒険はこれからも続く…ってな感じでw

    117: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:20:05.11 ID:2SJMn84J0
    >>116
    おつ!!
    めっちゃ良かったな
    なんというか、友は大事やねー

    118: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:21:09.72 ID:PZyX7ea90
    お疲れさん!!
    新たな人生がこれからも続いていくんだね。

    119: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:22:23.14 ID:h4RbRsB70
    あと、まだ最後に言わなければならない事があります…

    120: 5 ◆UZlMbTFLBs 2013/03/06(水) 04:25:00.25 ID:h4RbRsB70
    このスレに書かれたことは全て創作です
    釣りでした、ごめんなさい。。

    123: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:26:43.97 ID:PZyX7ea90
    >>120
    まさか釣りってアンタ、
    この人じゃないだろね?
    https://twitter.com/Tomizawa_2ch

    125: 5 ◆WiJOfOqXmc 2013/03/06(水) 04:30:03.22 ID:h4RbRsB70
    >>123
    よく分かりましたね…
    そうです、自分です。
    一応、トリップもそのトリップにしておきます

    126: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:31:47.16 ID:PZyX7ea90
    >>125
    こりゃ、たまげた…
    「ゲーセン」の作者さんだったか
    個人的には、今回のこの話はゲーセンよりもリアルに感情移入しちゃったぞこのやろー

    128: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:34:54.48 ID:N4PLP2G+0
    >>126
    「ゲーセン」のって、アレも釣りだったの!??!?

    129: 5 ◆WiJOfOqXmc 2013/03/06(水) 04:36:21.16 ID:h4RbRsB70
    >>128
    そうですね…
    ちょっと前に釣りだったと、暴露しました…
    自分が書いた創作です、ごめんなさい

    130: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:38:16.15 ID:N4PLP2G+0
    >>129
    びっくりっすよ!
    でもリアルタイムで暴露されてうれしいです。
    お前小説書けよ。この野郎!!!wwwww

    121: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:25:49.97 ID:N4PLP2G+0
    見事に釣られた

    124: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:27:55.83 ID:N4PLP2G+0
    くっそおおおおおお!!!!!!!111111111

    131: 名も無き被検体774号+ 2013/03/06(水) 04:59:03.10 ID:aH17Fi4x0
    うわーお!!
    してやられた、、
    でもめっちゃ良い話だし悪い気はしないわwww

    135: 名も無き被検体774号+ 2013/03/07(木) 15:07:44.65 ID:MY6dRqqOP
    創作って最初から分かってたとしても楽しく読めたと思うわ
    またスレたててくれ










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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2017年09月02日 23:19 ID:n9WmJzpT0*
    どんな高校でも友達さえいれば楽しいけど友達いなかったらどんな高校でもつまんないよね
    2  不思議な名無しさん :2017年09月02日 23:53 ID:01DJfJ2g0*
    6ページまでしか読めませんでした。長いですね、、。
    ( ; ゜Д゜)
    3  不思議な名無しさん :2017年09月02日 23:57 ID:07owZdLx0*
    あーしにたい
    4  不思議な名無しさん :2017年09月03日 00:00 ID:xX.JcBBX0*
    自分で語りたくてkskしたでしょ
    5  不思議な名無しさん :2017年09月03日 00:17 ID:62q7hEQt0*
    いや〜、飛ばして良かった
    6  不思議な名無しさん :2017年09月03日 00:22 ID:B6I5.9ST0*
    創作で良かった
    7  不思議な名無しさん :2017年09月03日 00:27 ID:Obj7pt1z0*
    こんな奴ばっかやな、2ちゃんは。
    8  不思議な名無しさん :2017年09月03日 00:50 ID:3KfWvvGx0*
    こんな女いねーよと思ったら創作で安心した。
    9  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:00 ID:fDjibJOR0*
    結構最初の段階で創作だろうなと思ったから安心したwはー救われた
    10  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:00 ID:EeYFzDuJ0*
    俺も進学校行ってたけどこんな社交的じゃなかったな、つーかどっちかというと精神的ぼっちだったな羨ましいって書こうとしたらこれだよ
    がっかりしたような安心したような・・・
    俺もこれから頑張ろう
    11  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:05 ID:J1VheAGk0*
    ここまで詳しくわかるわけないわな
    12  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:09 ID:0VtfE4UQ0*
    面倒くさいから最後だけ読んだら創作だった
    時間を無駄にしなくて良かったな
    13  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:22 ID:BN5XWJZK0*
    最後びっくりしたわww釣りだとは思わなかったw>>5は何か物書きやってるのかな。とにかく面白いスレだったわ~
    俺もこんな高校生活送りたかったわww
    14  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:23 ID:5C1JtzJu0*
    妄想か!
    15  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:33 ID:VQPy.AxM0*
    ひとつの小説を読んだ気分
    16  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:40 ID:Wr21QR6j0*
    金出す価値はないが、時間をかけた価値はあったかな
    なかなか面白かった
    17  不思議な名無しさん :2017年09月03日 01:59 ID:67jtFXY90*
    創作でも青春思い出せて良かったわ~
    18  不思議な名無しさん :2017年09月03日 02:41 ID:1m1lHLV50*
    このスレ一時期流行ったな好きだったわ
    語るのも気持ちいいもんだ
    19  不思議な名無しさん :2017年09月03日 03:30 ID:hFsQG5lk0*
    創作なら付き合えよ。チェリーか
    20  不思議な名無しさん :2017年09月03日 03:33 ID:mqQrBaAo0*
    面白かった!

    キュンキュンしたいわ
    21  不思議な名無しさん :2017年09月03日 03:56 ID:d9gilN3n0*
    創作上等、読み物として普通に面白かったわ
    この人のSS見たことあるけど毎回「ベタだけどそれっぽい」空気感出すのが上手いんだよな
    22  不思議な名無しさん :2017年09月03日 05:30 ID:igmYeat10*
    3ページしか読んでないけど学生時代に戻りたいわほんと
    23  不思議な名無しさん :2017年09月03日 06:00 ID:i.v8vpyG0*
    釣りで良かった
    嫉妬と妬みと懐かしさと後悔で
    死にそうだったwww
    24  不思議な名無しさん :2017年09月03日 07:58 ID:61MxtiUQ0*
    すっげー面白かった!
    実はじゃないのは残念だけど、短編小説を読んだって思って気が楽になったw
    自分が悩んでいる立場だから余計に感情移入しちまったw
    こんな人生もありなんだ。
    そんな気持ちになれました!
    俺も自分の気持ちを大切に、人生を歩んで生く気持ちになれた。
    ありがとう
    25  不思議な名無しさん :2017年09月03日 08:38 ID:lcrlzlaz0*
    面白かった!小説家になればいいのに。
    26  不思議な名無しさん :2017年09月03日 08:54 ID:2Qz0wDkx0*
    1ページ目の途中までしか読んでないけど創作だったのかよ騙された
    つうか自分語りしたすぎで引いた
    27  不思議な名無しさん :2017年09月03日 09:19 ID:oD6qqG0N0*
    あらま。
    でも青春の甘酸っぱさ、戻れないあの頃…っていうほろ苦さが呼び起こされて、よかったよ。
    5の親が出てこないけどさぞかしやきもきしたろうにと思ってたから、なんかほっとしたのもあるw
    28  不思議な名無しさん :2017年09月03日 09:59 ID:3PGCAI.Y0*
    創作の特徴。
    ①交わしたセリフ一言一句覚えて過ぎ!ボイスレコーダーでも持ってたんか?
    ②登場人物に熱い奴がいる。ガキの頃にドラマで観るような言動する奴いねーよ!
    ③主要な人数は男3人女1人という構成。
    ④登場人物の女の子は1の事が好きな設定。

    てな法則が僕の中にあるので読みはじめてすぐオチが分かった。
    29  不思議な名無しさん :2017年09月03日 10:19 ID:HGWi87c90*
    最初からワザと>>5を踏んだ感はあったな
    とは言え面白かったし読んで良かったよ
    30  不思議な名無しさん :2017年09月03日 12:10 ID:RJ2uG76A0*
    いい釣りスレだった
    友達は大事にしなきゃな・・・
    31  不思議な名無しさん :2017年09月03日 12:17 ID:PdOTIfl40*
    ちょっとTだけはこんな奴居ねえだろって思いながら読んでたけど創作かーい!
    いやでも面白かったわ。人生って何なんだろうな
    読んで良かったよ
    32  不思議な名無しさん :2017年09月03日 12:34 ID:TSp6Zl0S0*
    どれもこれも16やそこらで出来るセリフ、判断、行動じゃないなーと思った。

    ①有名な進学校らしいから、実はみんなIQ(精神年齢)が高い
    ②創作

    どっちかだな~と思ったら、②かい。
    33  不思議な名無しさん :2017年09月03日 12:43 ID:nby8fqT.0*
    読み物として面白かったから創作でもなんでもいいや
    34  不思議な名無しさん :2017年09月03日 12:48 ID:KXJcOp7q0*
    なんか鬱になった
    夢も希望もないからこそ心苦しい
    35  不思議な名無しさん :2017年09月03日 13:04 ID:TSp6Zl0S0*
    好意がありながら、告白されて、訳も分からずフってしまい、
    でもやっぱり本気で好きだと気づいたときには手遅れだった女の子が
    予備校にまで出てきて彼氏とイチャつかれたら、文系でしかもろくに勉強してないのに国公立に受かるほど勉強に集中できるわけねーわなw

    現実じゃセンターで足切りだろうな。
    36  不思議な名無しさん :2017年09月03日 14:16 ID:zKGn.i8c0*
    長い、産業で。と思ったら釣りなのか。途中まで頑張って読んで無駄にした(頑張らないと読めない程度の書き物ってこと)
    37  不思議な名無しさん :2017年09月03日 14:24 ID:7i1Y0zvd0*
    途中で創作だろうなと思ったけど(登場人物がかいかにも創作って感じで。特にTは酷い)、飛ばし読みしつつ一応最後まで読んだよ。創作として面白かった。
    38  不思議な名無しさん :2017年09月03日 14:31 ID:vgflFCac0*
    俺の人生の全てを見透かされたようで、なんとも言えない気持ちだ。
    39  不思議な名無しさん :2017年09月03日 15:33 ID:DGt4I2Lh0*
    男3人のところがおもしろかった。
    作者は本物の女の子にあったことないのか。
    40  不思議な名無しさん :2017年09月03日 17:17 ID:pDfYNnr00*
    語りたかっただけやん
    取り上げるようなスレちゃうわ
    41  不思議な名無しさん :2017年09月03日 17:49 ID:b3CrX9fM0*
    ところどころでドラマっぽいからそうかなと思ってたけど、面白かったよ
    42  不思議な名無しさん :2017年09月03日 18:27 ID:DxhB5Y5s0*
    創作でも面白かったな。
    見事に騙されたよ(´・ω・`)
    43  不思議な名無しさん :2017年09月03日 18:53 ID:SKA4tM9x0*
    なんつぅかむぅずむずむずむず痒いわww
    創作でも面白かったぜ
    44  不思議な名無しさん :2017年09月03日 19:23 ID:jocQ2JjD0*
    妄想だけでこんなに語れるなんてすごいな
    1ページ目で挫折してコメ欄みて良かった
    45  不思議な名無しさん :2017年09月03日 20:02 ID:OuoFG46C0*
    ぐーぜん安価踏んだ5がこんな文章書けるんやー思って見てたトコあるけど、そんなんすぐ忘れるくらい読み進めて、そんまま最後釣り宣言言われてアヒィって変な声でたわ
    46  不思議な名無しさん :2017年09月03日 20:18 ID:nbBnkt1B0*
    創作かどうかなんてお前らにとってはそんなに大事な事なのか?と毎回思うわ
    47  不思議な名無しさん :2017年09月03日 23:01 ID:ikv0DtcY0*
    大事に決まってるわ
    松田聖子と違ってまねだ聖子で武道館満杯にできねえだろ それと一緒
    48  不思議な名無しさん :2017年09月03日 23:39 ID:t4NEg.jc0*
    この人すごいな、読んじゃうわ。
    ゲーセンのやつもそうだけど
    49  不思議な名無しさん :2017年09月04日 00:59 ID:IFVCHt1.0*
    面白そうだな。覗いてみよ。

    …ふむふむ(一番下までスクロール)

    1/19

    ゑ!?
    50  不思議な名無しさん :2017年09月04日 01:46 ID:Pu2JElEX0*
    女が都合よすぎるもんな
    51  不思議な名無しさん :2017年09月04日 10:13 ID:Espuv3Rf0*
    ゲーセンの奴みたいな文章やなぁ~と思ったら、ゲーセンやったか。
    創作でも青春を思い出したからスゲェ文章力やと思う。
    52  不思議な名無しさん :2017年09月04日 14:37 ID:BmHvpVOn0*
    ゲーセンの作者じゃなかったら面白かった

    本当こいつ気持ち悪いな
    本出してるのに自演までしてってどんだけ売れてないんだよ
    最終的に釣り宣言して自己顕示欲丸出しだし青春モノ以外書けないのかよこいつは
    物語自体面白かったけど確実に作者が作品を駄目にしてるわ
    53  不思議な名無しさん :2017年09月04日 17:44 ID:mAPxMPaL0*
    いやー薄々勘づいてはいたけどやはり釣られたわ
    それでも面白かった
    54  不思議な名無しさん :2017年09月04日 19:09 ID:OFOZAP850*
    こういう話は実話だと思ってるから感動するのに
    実は創作でした~とか一気に白けるからやめてほしいわ
    読むのにかけた時間が無駄だったとさえ思ってしまう
    55  不思議な名無しさん :2017年09月04日 20:23 ID:Lqi7hy1r0*
    この人の話好きだわ。
    なんか自分にはしっくりくる。
    56  不思議な名無しさん :2017年09月04日 20:33 ID:OICNU78P0*
    こんな切ない体験が、むしろ実話じゃなくてホッとしたけどな。

    まあ、日本中探せば同じような体験をした人間はいたのかも知れないけど。
    57  不思議な名無しさん :2017年09月04日 20:38 ID:wJ6MQkZC0*
    底辺大学生と言いながら進学塾の講師なっていて気づいたがそれまでは思いきり釣られてた
    てか照れくさくなることばかり書いてたので釣り宣言出したってのはないのか
    良い関係の三人に結構潤んだわ
    マブダチはこんな関係だよなあと物思いに耽った
    58  不思議な名無しさん :2017年09月05日 01:57 ID:4XjnTmYI0*
    創作だったけど普通に面白かった。読みやすくて良い文だな。
    59  774 :2017年09月05日 03:40 ID:nykQ3Kdz0*
    どうしてアンタの書いたものは何時も私の人生における最適なタイミングで出現するの!?ここまで清々しい釣りを喰らって思わずモニターに中指立てたよ!
    フォローは出来ないけれど本当に感謝よ感謝。
    60  不思議な名無しさん :2017年09月05日 13:40 ID:.Hy5yVB60*
    台詞回しが創作独特だから一瞬冷めたけど面白く読めた。
    創作でも面白ければ良い。
    61  不思議な名無しさん :2017年09月05日 19:45 ID:aoAAav070*
    言われてみれば確かにゲーセンだわって気付かされた………
    62  不思議な名無しさん :2017年09月05日 20:33 ID:8.vxHsPN0*
    始まってすぐ釣りって判ったら冷めた
    ゲーセンは楽しめたよw
    63  不思議な名無しさん :2017年09月06日 02:00 ID:eriyBWFX0*
    良い釣りだった
    64  不思議な名無しさん :2017年09月06日 14:17 ID:tOb9Jq7K0*
    小説としてはお金出す価値無いけど、良い絵つけて漫画にしたら良い作品になりそうだなww
    礼二よんでこ~いww
    65  不思議な名無しさん :2017年09月08日 02:22 ID:ditgMWIZ0*
    人に歴史あり ドラマ化したら主題歌は尾崎豊の卒業がベストマッチだね。
    66  不思議な名無しさん :2017年09月08日 05:27 ID:wCiwQ5hq0*
    コメの54が俺の言いたい事全部言ってくれてたわ
    時間返して欲しいとすら思う
    67  不思議な名無しさん :2017年09月08日 09:18 ID:.drIMOPJ0*
    Tの口調がイライラして仕方なかったんだが、こんな女存在しなかったんだー!!良かったー。リアルでこんな口調の女いたら殴りそうだ
    68  不思議な名無しさん :2017年09月08日 20:12 ID:06WuBxpl0*
    釣りじゃなかったら自分の人生と比較して死にたくなるとこだったぜ……
    69  不思議な名無しさん :2017年10月08日 22:14 ID:Sq1cZDCC0*
    この作者いっつもこんな女のパターン
    70  不思議な名無しさん :2020年07月14日 23:32 ID:.prp8U0t0*
    女が来た時点でやめた
    71  不思議な名無しさん :2020年07月15日 00:25 ID:1IXa3F7Z0*
    創作でした、の文字を見た時
    「やっぱりか…」と「やるな>>5」と「マジかよ…」という諦観・称賛・驚愕の感情が一気に襲ってきた。
    72  不思議な名無しさん :2020年07月15日 01:23 ID:yTUwnS3x0*
    俺は純粋に楽しめたからいいかなー
    73  不思議な名無しさん :2020年07月15日 01:33 ID:.eVbrDKH0*
    >>54
    実話だろうが創作だろうがまとめスレ読んでる時間なんか間違いなく無駄な時間だろ
    実話だけど身バレが怖いから釣り宣言した可能性だってあるしどこまで行っても真偽の確認なんてできないんだから
    74  不思議な名無しさん :2020年07月15日 02:47 ID:l003M7a20*
    高校1年だが頑張ろうと思えた
    釣りでも面白かったわ
    75  不思議な名無しさん :2020年07月15日 03:14 ID:FnLM2ynJ0*
    まさかゲーセンの作者と同一人物とは思わんかったわ
    76  不思議な名無しさん :2020年07月15日 04:12 ID:uAgvcQP30*
    高校でクラスで2位でやりたいことあるから専門行って最初Aクラスで成績最下位で落ちこぼれたけどBクラスに落ちて友達出来たこととか中2から25歳までずっと好きな女の子がいて別の誰かと結婚してしまうとか自分の人生に重ねて読んでしまったけど、創作かよ
    でもその子と結ばれないおかげで今たくさんの人と飲み会を通して知り合って大人になってからもたくさんの友達が増えたから今は全て納得して前を見つめて生きてるよ
    俺の人生語らせてほしいわ
    77  不思議な名無しさん :2020年07月15日 06:23 ID:ksb8qLrA0*
    三分の一ぐらい読んで後は飛ばしたから
    作者はもう少し簡潔にして欲しい
    78  不思議な名無しさん :2020年07月15日 07:07 ID:tw9PJBY.0*
    5ちゃんで名無し装うならもうちょっと素人っぽさを出してくれや
    (まあこいつは最終的にネタバラシしてるけど)
    電車男といいこういう系といい文章がこなれ過ぎてて臭いんだよ
    79  不思議な名無しさん :2020年07月15日 10:34 ID:ZhCBE2HT0*
    語りじゃなくて会話が入った時点で読むのやめた。
    創作だっのね。よかった。
    80  不思議な名無しさん :2020年07月15日 10:46 ID:Ca2b6x3l0*
    創作なんだけど作者や作者の友達等の実体験が所々に入ってそうな感じだな
    あと作者は男性だろうから、女性キャラに好みが投影されるのは仕方ないような

    Tだけウソくさいのは、友達二人はモデルがいてTは丸ごとオリジナルだからなのかもなw
    81  不思議な名無しさん :2020年07月15日 10:57 ID:Hw7MDFfv0*
    おもしろかったよ
    82  不思議な名無しさん :2020年07月15日 11:39 ID:2Tgm6gMa0*
    日付や出だし見ればわかるだろ2ch先生全盛期いかにもな語り口

    創作なのはバレバレだけど、他の男と付き合いつつ5にも未練タップリな女が気持ち悪い
    83  7c :2020年07月15日 15:02 ID:EdEf7xZN0*
    3ページ目読み終わったとこで19ページあることに気付いて読むのやめたら創作だったんかw
    ってかこの高校に行ったの後悔してる時点でバッドエンド確定だったろ
    84  不思議な名無しさん :2020年07月15日 17:03 ID:ktz9BXQ00*
    キャッチボールで仲直りしたり、Tちゃんを見送るために走り出したり、若林の親が医者だったところで、これは……と思ったけど結局全部読んだ。釣りでも読ませちゃったら勝ちだよね。楽しかった!
    85  不思議な名無しさん :2020年07月15日 20:23 ID:RKNrhGyl0*
    「止める!!」
    若林いい奴だな
    釣られたわ
    86  不思議な名無しさん :2020年07月15日 21:07 ID:TU6JH0J50*
    なかなか良かったぞ。
    87  不思議な名無しさん :2020年07月15日 21:11 ID:X7Z4OKoo0*
    初めから創作臭がプンプンしてたけど、2頁目で限界でした。やっぱり鍵カッコ付きの会話分の再現シーンは、よっぽどうまくやってくれないと生理的に受け付けないです。
    88  不思議な名無しさん :2020年07月15日 22:02 ID:kXVn8bhs0*
    壮大な釣りってなんか清々しいよね。
    あーおもしろかった。
    89  不思議な名無しさん :2020年07月15日 23:03 ID:8Ol73wMj0*
    >>5
    文才ってやつをかんじるわ。すげえ。
    90  不思議な名無しさん :2020年07月16日 01:58 ID:HALjwkaB0*
    これ創作です。って言ったらそもそも読まれないだろうし。
    だからといって、こうやって隠し通すのもなぁ。
    喜んでいる人もいる一方で、本当だと思って読んでいた人に絶望を与える汚い行為であることを重々自覚した上でやってるなら良いが。
    91  不思議な名無しさん :2020年07月16日 17:34 ID:Sziz84EQ0*
    創作だったら時間の無駄になるの!?
    面白かったのは変わらないんじゃないの!?
    事実じゃなくて絶望したって感性が全然わからない…信じてたのに裏切られた
    ってことだろうか まとめには真実しかないと思ってるとかどんだけピュア(笑)だとなってしまうが
    それ以外の理由があれば教えてくれ 純粋に思考を知りたい
    92  不思議な名無しさん :2020年07月16日 21:39 ID:t9vkss0C0*
    創作だったら時間の無駄になるよ
    人のありのままの人生だからこそ心打たれるしそれを期待して聞きに来てるんだから
    これは創作です!って最初に言ったら誰も読んでないよね
    普通に小説書いても注目されないからってこういう詐欺みたいなことしてでも注目されたいしょうもない奴だよ
    自ら5を踏みに行ってるだろうし、本当しょうもないわ
    93  不思議な名無しさん :2020年07月18日 14:50 ID:gIOw5AGP0*
    実際こういうところにまとめられてるものの殆どは創作だからなぁ。裏切られたとは思わんよな。本当にあった話ですと書かれていても、その真偽は確かめようが無い。でも「嘘でしょー?いや本当かも?」と楽しむのもいいし「釣りでした」というオチもまた一興。創作を読むのが時間の無駄だと思うなら、実話だけを集めた書籍を読んだらいいと思うよ。
    94  不思議な名無しさん :2020年10月16日 00:54 ID:JDYbEhBb0*
    オチまで知っていたはずなのに、2回目を読んでガチだと思ってまた泣いた

     
     
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