あの毎日新聞がオカルト記事?「ネス湖の怪物つかまえた」
Credit: 毎日新聞 1972年4月1日
掲載面はなんと夕刊のトップ。繰り返すがこれは
東スポではなく毎日新聞の夕刊である。
記事によると、ヨークシャーのモールトンにあるフラミンゴ・パークという動物園が、
ネス湖の怪物調査のため「怪物調査団」を派遣。彼らは数週間前からネス湖に滞在しネッシー調査を行っていたのだが3月31日。ついにネス湖の水辺で
謎の怪物の死骸を見つけたという。
体長は鼻先から尻尾まで4メートル、胸ビレと尾ビレがあり全身かっ色の短毛がびっしり生えていたという。さらに口の幅は25センチ、
短い歯が無数に生えていたという(記事によると体重は500キロとあるがこれは流石に「盛りすぎ」ゆえ眉唾と思われる)。
記事によるとこの謎の動物の死骸は
ネッシーの子どもと見られ、大人の個体ならば12メートルにもなるという。何故かネッシーにやたらと詳しいフラミンゴ・パークに勤めている動物心理学者氏は、「これまでネス湖の怪物には家族がいると見られていた。今回、発見された怪物は子供の死骸で間違いない!」と自信満々の見解を見せている。
この記事が本当であるならば、「ネッシーは一度、人間の手によって捕まっている」ということになるが、そろそろここでネタバラシをしたい。
改めてこの記事が掲載された日時に注目して欲しいのだが、掲載日は「1972年4月1日」。
何が言いたいのかというと、つまりこれは
エイプリルフール用の記事である可能性が高いのである。
ついでにこの怪物の正体は、どこかで捕まえた
アザラシの死骸をネス湖に捨てたものという可能性が高いとも書かれている。
その証拠にフラミンゴ・パークの園長は「ネス湖だけにいる
新種の淡水系のアザラシなのかもしれません」と、怪物の正体をアザラシであることをうっかり認めている。また見つかったのが本物のネッシーの場合、ネス湖付近から持ち出すことは不可能なはずだが(
「ネス湖の怪物保護法」という嘘みたいな法律がある)死骸をみた警官が「ああ、これならいいよ」とすんなり通して動物園へ持ち帰らしてしまったという。じゃあ明らかにアザラシじゃないか!
なお、今回の茶番劇に使われたアザラシであるが、
アザラシは死骸になると想像以上に未確認生物のような見た目になる。
Credit: 毎日新聞 1978年7月13日
これは1978年7月13日の毎日新聞に掲載された写真だが、オーストラリア沖で見つかった
ヒョウアザラシの死骸なのだという。しかし詳しくない人が見れば、ネッシーの死骸と見間違えても仕方がないほどの迫力がある……恐らく。
ただ本件も、はっきり「嘘だ」とネタバラシがあったわけではない。もしかすると本物の可能性もまだ捨てきれないだろう。非常に低いが……。
もっともこれだけでは
あまりに夢がないので、最後に1969年9月9日の毎日新聞に掲載された怪物記事をご紹介したい。
世界中に存在する「噂の怪物湖」
Credit: 毎日新聞 1969年9月9
これはスコットランドのモラー湖で目撃されたという怪物に関する記事である。
モラー湖は同じスコットランドにあるネス湖ほどの知名度はないが、古くから「
モラーグ」という未確認生物の目撃が相次いでおり、本記事は
「モラー湖で怪物に襲われた」と証言する地元漁師の証言を掲載したものだ。
残念ながら
モラー湖の証言はニセモノと断定されたが、同様の怪物伝説はカナダ・アイスランド・スカンジナビアと全世界に散らばっており「怪物湖複数説」なる説を唱える見識者が多数いたというのだ。
つまり一つの怪物伝説が否定されたとしても、それはあくまで候補地のひとつがなくなっただけで可能性は全世界に広がっているというのである。人間側が決して諦めなければ怪物の住む湖は見つかる可能性は高いというわけだ。
みんなも是非諦めずに巨大生物探しにチャレンジしてほしい。
※おまけ 湖のUMAたちをご紹介!※
クッシー
クッシーは、北海道屈斜路湖で1973年から目撃証言のある未確認生物(UMA)。有名なイギリスのネス湖に生息するネッシーに倣って名付けられた。目撃証言以外にも、湖面の波紋などが幾つかの写真にも納められているが、正体は不明とされている。
■言い伝え
アイヌの伝説にも湖に住む巨大なヘビの話(『鹿がこのヘビに丸呑みされた』など)や湖に住む巨大なアメマスやヒラメの伝承があり、これらに関連があるのではないかとも指摘されている。また、明治に本土からこの地へとやってきた開拓民も、現地のアイヌから湖の主のことを聞かされ、「湖を見ても誰にも話してはならない。話すと災いが起こる」と言われたという。そのため、開拓民も屈斜路湖で『主』を目撃しても、見て見ぬふりをしてきたとされ、地震が起こる度に湖の主の祟りと恐れたという話がある。このため、湖の怪物の存在はあまり外部に広まらなかったとされる。勿論、これがクッシーのことを指しているとは限らない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/クッシー
関連:屈斜路湖のクッシー:未確認生物と世界の謎chahoo
オゴポゴ
オゴポゴ(Ogopogo)は、カナダブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で目撃される水棲のUMA。
体長は約5?15mで、60cmほどの大きさの頭部は山羊か馬に似ているとされ、背中にコブがある。体は緑色でところどころにチョコレート色の斑点がある。
記録に残っている最古の目撃例は1872年だが、1912年の目撃騒動以来有名になった。近年になっても、大型の生物が水面近くで蠢いている映像が度々テレビでも放映され、テレビ番組で特集されることもあり、ネッシーやツチノコなどと比べると、存在の可能性が高いUMAとされている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オゴポゴ
関連:オカナガン湖のオゴポゴ
モケーレ・ムベンベ
モケーレ・ムベンベ (Mokele-mbembe) は、アフリカ大陸中央部のコンゴ共和国、カメルーン、ガボンなどの広大な熱帯雨林の湖沼地帯に生息しているのではないかと想像されているUMA(未確認生物)のこと。元々は現地人に古くから語り継がれてきた伝説上の怪物である。言い伝えや目撃談を総合すると、体の大きさはカバとゾウの間ぐらい、体長は5〜10mで、ヘビのように長い首と尾を持ち、4本脚で、直径30cm以上の丸い足跡には3本の爪跡があるとされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/モケーレ・ムベンベ
ニューネッシー
ニューネッシーとは、1977年4月25日午前10時40分(現地時間)、日本のトロール船「瑞洋丸」(2460トン、乗員87名)が太平洋上(ニュージーランドのクライストチャーチより東へ約50km離れた海域)で引き揚げた、巨大な腐乱死体。未知の生物(未確認動物)の死骸ではないかとしてマスコミの話題となったが、その後の調査で大型のサメということでほぼ決着している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニューネッシー