昭和39年(1964年)「イブの町に泣き虫強盗が現れる」
これは昭和39年(1964年)12月25日に掲載された記事である。
「イブの町に泣き虫強盗が現れる」との見出しで12月24日、クリスマスイブに現れた珍妙な強盗についての記事が掲載されている。
記事によるとクリスマスイブの日、東京都武蔵野市の産婦人科に出刃包丁を持った男が乱入「金を出せ!」と脅したという。
男は恐怖にブルブル震えながら患者に出刃包丁を突きつけ当時のお金で200円が入った財布と腕時計を奪取。その後も強盗男は別の家へ出刃包丁を片手に再度侵入。「金を出せ!」と脅したが家人に「バカなことはよせ!」と逆に説教を受け強盗男は観念したという。
男は強盗に入った理由として「スキー用具を買う金が欲しかった」と泣きながら自供したという(自供中にもう一箇所、未遂に終わった団地があったことを認めている)。
こうしてクリスマスイブに現れた「真っ赤なお鼻のトナカイ」ならぬ「真っ赤な目の泣き虫強盗事件」は幕を閉じたのだ。まったく人騒がせな話である。
昭和39年(1964年)「新宿・中野に現れた変なサンタ事件」
これは昭和39年(1964年)12月30日の同じく朝日新聞に掲載された記事である。
「変なサンタ」という見出しで東京都内に現れた怪人物についての記事が掲載されている。
記事によると昭和39年12月頃から東京都内で郵便受けに差出人不明の封筒が多数投函される事件が発生。封筒のなかには現金のほかスイス製の腕時計など高価な品が入っておりいつしか人々はこの何者かのプレゼントを「変なサンタ」の仕業と考えるようになったという。
近年で例えるとこれは2010年頃に全国の児童施設にランドセルが届けられた「タイガーマスク運動」と同じような「善意による寄付行為」ということになるが、プレゼントされた側も金品を貰う理由は特に見当たらないため非常に気味の悪い事件ではある。
この「変なサンタ事件」は掲載時期から見てもわかるとおり、クリスマスを超えて年末まで活動しており、今回の調査では少なくとも翌年昭和40年1月26日の新聞にて変なサンタのひとりではないかと思われる人物が千葉県で空き巣の現行犯で逮捕された、という記事まで突き止めているが「変なサンタ」の正体はいったい誰だったのか、の記事についてはまだ発見できていない。
なお、この「変なサンタ」事件については警察側もご立腹な様子で当時の中野区の署長が「サンタ君に一言。いいかげん名乗りをあげたらどうだい。もっと常識的な方法で堂々とやってくれ!」と新聞紙面でガチ説教しているのが微笑ましい。
聖なる夜に現れた「弱虫強盗」に「変なサンタ」…彼らも(生きていれば)この日本のどこかで我々と同じようにクリスマスを祝っているのかもしれない。
参照:読売新聞縮刷版、朝日新聞縮刷版

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