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    十年巻き戻って、十歳からやり直した感想


    1: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:38:00.45 ID:oIV6bjxg0
    これは多分、君が想像してるのとは、
    正反対の話になるんだと思う。

    だって、二十歳の記憶を持ったまま、
    十歳の時点に戻ってやり直せるとしたら、
    普通、その記憶を利用して色々するだろう?

    一周目の反省や教訓を活かして、
    もっと優れた二周目を目指すはずだ。

    でも僕がしたことと言えば、
    まさにその正反対のことだったんだ。
    今思うと、馬鹿なことをしたと思うよ。本当に。
    ※神様の宿題ってなんでしょうか?

    神「人間よ、宿題やっとるか」 彡(゚)(゚)「え?」(20万年前に出された神の宿題とは)
    http://world-fusigi.net/archives/8920434.html






    3: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:39:03.78 ID:oIV6bjxg0
    自分の人生が十年巻き戻されたことを知ったとき、
    僕は思ったよ、「なんて余計なことをするんだ!」ってね。

    というのも、僕は自分の人生が気に入っていたんだ。
    可愛い恋人がいて、友人にも恵まれていて、
    まあまあの大学に通っていて、前途洋々でさ。

    人生をやり直すチャンスってのは、もうちょっと、
    自分の人生に心底絶望しきってるような、
    そういう人に与えられるべきだったんだと思うよ。

    それで、僕は余計なことを思いついちゃったんだ。

    4: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:41:30.25 ID:oIV6bjxg0
    僕が思いついたことと言うのは、一周目の人生を、
    二周目でも、そのままやり直そうということだった。

    自分がこれから犯す間違いが分かっていても、
    あえて全部、そのまま繰り返そうって思ったんだ。
    十年分の巻き戻しを、まったく無意味にしてやろうってわけ。

    これから起こる事件や災害、危機や変革のことも
    大体頭に入っていたけど、僕は口をつぐむことにした。
    とにかく、徹底的に一周目を模倣しようとしたんだよ。

    5: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:42:15.13 ID:2qLC+8Wz0
    面白そうだ

    6: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:43:04.62 ID:oIV6bjxg0
    二周目の人生は、ちょうど十歳のクリスマスから始まった。

    僕がそれに気付けたのは、枕元に置いてあった、
    スーパーファミコンの入った紙袋のおかげだったんだ。
    当時はそれが欲しくて仕方なかったんだよ。

    紙袋の中には、一緒にゲームソフトも入っていた。
    そのゲームの言い方を借りれば、僕の人生は、
    『つよくてニューゲーム』にあたるわけだな。

    結露した窓をパジャマの袖でこすって外を見ると、
    まだうす暗く、雪に覆われた街が一望できた。
    かなり寒いはずなんだけど、子供の体は温かかったな。

    7: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:45:42.87 ID:oIV6bjxg0
    僕が紙袋をごそごそやっていたせいで、
    二段ベッドの下で寝ていた妹が、目を覚ました。
    妹は眠たげな目で枕元のテディベアを眺めて、
    少し遅れて、「わあー」と歓声をあげた。

    僕ははしごを下りて、妹のベッドに腰掛け、
    テディベアに夢中な妹に、「なあ」と話しかけた。

    「兄ちゃんは、十年後から戻ってきたんだよ」

    妹は寝ぼけた様子で、「おかえりー」と笑った。
    僕はなんだかそれが気に入っちゃって、
    「ただいま」と言って妹の頭を撫でた。
    妹は不思議そうな顔で僕の顔を見つめた。

    9: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:52:27.68 ID:oIV6bjxg0
    僕は自分の最高の思い付きを誰かに披露したくて、
    目の前にいる七歳の妹に、こう言った。

    「今の僕には、これから自分が犯す過ちだとか、
    本当にやるべきことというのが、分かるんだ。
    今からなら、神童にだって、予言者にだってなれる。

    でも、僕はなにひとつ変える気がないんだ。
    前と同じ人生を送られれば、それだけで十分だからね」

    テディベアを抱えた妹は、僕の顔をぼうっと見つめて、
    「よくわかんない」と正直なところを答えた。

    10: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:56:03.68 ID:oIV6bjxg0
    一周目の再現に関して、僕は妥協しなかった。

    周りの連中をコケにしたくなるのを我慢して我慢して、
    わざわざ一周目と同じ事故に遭いさえしたんだ。
    何をするにも、手を抜くことに真剣だったね。

    我ながら、僕はよくがんばった方だと思うよ。
    それでも、蝶の羽ばたきひとつ程度の違いで、
    人生ってやつは、かなり変わってしまうものらしい。

    二周目に入って五年も経つ頃には、僕の人生は、
    一周目のそれとは、大きく様変わりしていたんだ。

    8: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:49:46.17 ID:Vh3O1dLl0
    タイムトラベラーか

    11: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 22:58:53.15 ID:17W4Fft10
    これは斬新。期待。

    二周目も同じ人生かぁ・・・
    そう言える人生が良かったな

    12: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:01:05.84 ID:oIV6bjxg0
    何から話せばいいかも分からないけど、
    とにかく、一から十まで変わってしまったんだ。

    一言でいうとね、僕は、落ちぶれたんだ。
    一周目の人生からは、とても考えられないほどに。

    理由は後で詳しく説明するけど、一例を挙げると、
    一周目で親友だった人物にいじめられたり、
    一周目で恋人だった女の子にふられたり、
    一周目で通っていた高校の受験に失敗したり。

    奇跡的な悪循環が生じたわけだよ。

    14: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:05:14.62 ID:oIV6bjxg0
    そんなこんなで、高校生になる頃には、
    僕はすっかり暗い人間になってしまっていた。

    志望校には落ちて、ろくでもない高校に入って、
    芽生えかけていた人間嫌いに磨きがかかってさ。
    絵に描いたような孤独な人間になったんだ。

    だから二周目の高校時代の思い出ってのは、
    ほとんどないんだ。卒業アルバムも捨てちゃった。
    寂しいもんだよ。修学旅行さえ苦痛だったんだ。

    15: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:10:47.95 ID:oIV6bjxg0
    でも、ひとつだけ、悪くない思い出がある。

    高校二年生の冬、ひどい吹雪の日だったな、
    僕はがたがた震えながらバスを待ってたんだ。

    その時、僕はふと、少し離れた場所で
    僕と同じようにバスを待っている女の子が、
    見たことのある顔だってことに気付いた。

    いや、忘れるはずもないんだ。
    それは一周目では僕の恋人だった女の子だ。
    十五歳で付き合い始めてからは、ずっと傍にいたんだ。

    それが、二周目では、あっさり告白を断られてさ。
    思えば、悪循環の始まりはそこだった気もする。

    16: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:16:14.33 ID:oIV6bjxg0
    向こうは、僕に気付いてないみたいに見えた。
    そうでなくても、僕の存在なんて、
    とうの昔に忘れちゃってたかもしれない。

    それでも僕の目には、寒さに震える彼女が、
    なんだか寂しそうに見えて――隣に誰か、
    温かい存在を必要としているように見えたんだ。

    いやあ、実に自分に都合のいい想像だよ。
    それでも僕は幸せだった。だってさ、
    自分が必要とされている気がしたんだ。

    あの子にはやっぱり僕が必要なんだって、
    幸せな勘違いをすることができたんだ。

    17: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:20:47.12 ID:oIV6bjxg0
    生きる気力をすっかり失っていた僕だったけど、
    かつての幸せな日々を取り戻したくて、
    彼女と同じ大学へ行くために猛勉強した。

    おかげで僕の学力は最後まで伸び続けて、
    一周目で通っていた大学に、無事合格できた。
    悪くない気分だったな。奇跡みたいだったよ。

    そこまではいい。そこまでは良かったんだよ。

    入学式が終わって、僕は彼女の姿を捜し回って、
    ついに見つけ出したわけなんだけど、
    むしろ、そっからが問題なんだ。

    18: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:24:40.95 ID:2qLC+8Wz0
    みてるぞ

    19: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:24:56.03 ID:oIV6bjxg0
    体温が三度くらい下がった気がしたね。

    かつての恋人が、知らない男と腕を組んで歩いている。
    それだけなら、まだ我慢することができたかもしれない。

    でも、その男と言うのが、どこからどう見ても、
    一周目の僕にそっくりだとなると、さすがに話は違ってくる。

    僕のかつての恋人の隣を歩いている男は、
    背格好、仕草、声、喋り方、表情の作り方、
    どこをとっても、一周目の僕と瓜二つなんだ。

    ドッペルゲンガー、という言葉が僕の頭に浮かんだ。

    21: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:27:02.13 ID:VUCcYmnF0
    そのドッペルゲンガーの奴とは話したりしてないの?

    22: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:28:24.67 ID:oIV6bjxg0
    >>21
    のちのち

    23: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:30:16.01 ID:kuA/49jL0
    気になってねれなくなったじゃねーかww

    24: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:30:28.30 ID:oIV6bjxg0
    二周目の僕は、一周目の僕と比べると、
    身長は四センチ小さかったし、体重は十キロ軽く、
    比べ物にならないくらい表情が暗くなっていた。

    仮に一周目の人生を正確に再現できていたら、きっと、
    目の前にいるその男みたいになれていたんだと思う。

    どうりで僕が彼女と付き合えなかったわけだよ。
    二周目では、僕の代役がいたんだ。

    25: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:32:52.65 ID:Ln++FqBZ0
    ひさーしぶりに+来たら面白いのに遭遇
    面白いスレを見つけた時ってすごく新鮮なきもち

    27: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:34:51.95 ID:YsRXavUc0
    創作だとしても面白い。期待。

    29: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:36:22.31 ID:VoAsN12l0
    いいスレの予感

    30: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:36:42.95 ID:oIV6bjxg0
    誰かに対して敵意を抱いたのは、久しぶりだったね。

    『おい、違うだろ、それは僕の役だろうが!』って、
    狂ったように頭の中で言いつづけていたと思う。

    それからの数か月は本当に驚きっぱなしだったよ、
    なにせ、かつての僕の大学生活というものを、
    僕の分身が次々と正確に再現してみせたんだから。

    それにしても、客観的に見ることで、あらためて、
    一周目の僕って幸せだったんだなあって思ったよ。
    そのくせ嫌味もないし、人に親切だし。

    31: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:40:57.87 ID:oIV6bjxg0
    秋頃になって、僕の頭の中で何かが切れた。

    その頃になると、僕はほぼ引きこもりになっていて、
    ほとんど大学には行かず、一日中安酒を飲んで、
    ろくに食事もとらず、寝てばかりいたんだ。

    このままじゃ発狂すると思ったね。
    何をしていても、例のドッペルゲンガーと、
    今の自分とを比較してしまうんだ。

    そうすると、それまで当たり前だったことさえ、
    急に耐えられなくなっちゃうんだよ。

    32: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:45:07.18 ID:oIV6bjxg0
    変なところで、僕は冷静だったんだよ。
    今の自分が、彼女にふさわしい男ではなくて、
    分身に勝てないことは、重々承知していたんだ。

    でも、その上で考えたやり方と言うのは、
    とても正気の沙汰とは思えなかったね。

    つまり僕は、僕の代役を務めるあの男を、
    ぶっ殺してしまおうと思ったわけなんだ。

    そしたらあの子も、また寂しくなって、
    僕の方に傾くんじゃないか、ってね。

    いやあ、追い詰められた人間ってのは、
    本当にろくなことを考えないよ。視野が狭くて。

    35: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:52:36.82 ID:oIV6bjxg0
    そういうわけで、僕の恋人奪還作戦が始まった。
    別の言い方をすれば、ドッペルゲンガー殺害計画。

    以後、僕は定期的にその男を尾行するように
    なったんだけど、おかげで引きこもりが治ってさ。
    皮肉なことに、殺害計画を思いついてから、
    しばらく僕の性格はとっても明るくなるんだよ。

    妹に指摘されて、僕は自分の変化に気付いたんだけど、
    ――そう、すっかり妹の話を忘れていた。
    僕に匹敵するくらいの変化を遂げた妹の話。

    37: 名も無き被検体774号+ 2012/10/18(木) 23:58:10.82 ID:oIV6bjxg0
    本来、僕の妹は、運動と太陽をこよなく愛していて、
    年中健康的に日焼けしている、活発な女の子だった。

    ところが二周目においては、僕の影響を受けたのか、
    読書と日陰を好む、色白の眼鏡の子になったんだ。

    一周目を知る人から見たら、何かの冗談みたいだよ。

    兄妹揃って暗い人間になって、家は毎晩お通夜みたいだったな。
    両親も自分に自信がなくなったのか、嫌な人間になっていった。
    いやあ、人一人の持つ影響力ってのは、馬鹿にならないね。

    38: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:03:30.44 ID:oIV6bjxg0
    かつて僕と妹は、周りがあきれるくらい仲良しで、
    僕に恋人ができるまでは、どこへ行くにも一緒だった。

    でも二周目では、口をきかないどころか、
    目さえ合わせようとしなかったね、お互いに。

    妹は僕のことを嫌っていたんじゃないかな。
    だって、たまに珍しく口を開いたかと思えば、
    それは大抵、僕に対する文句だったからね。
    「目つき悪い」とか。人のこと言えないだろ。

    いやあ、実に悲しいもんだったよ。
    娘に嫌われた父親って、こんな気分なんじゃないかな。

    39: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:09:19.30 ID:vRIuLzlA0
    ところが、僕がドッペルゲンガー殺害計画を立て、
    嬉々として殺害方法を考えていた夜、その妹が、
    一人で僕のアパートにやってきたんだ。

    僕のことが大嫌いなはずの妹がだよ。

    ちょうど、初雪が観測された日のことだったな。
    あまりに寒いから、やむなくヒーターを点けて、
    懐かしい感じのする灯油の匂いが部屋に満ちて、
    そのとき、部屋の呼び鈴が鳴ったんだ。

    制服にカーディガンを重ねただけの格好の妹は、
    白い息を吐きながら、僕の目を見ずに言った。
    「しばらく、ここに泊めてちょうだい」

    41: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:14:26.01 ID:vRIuLzlA0
    本人はその言い方をしたがらなかったけど、
    妹のしていることは、いわゆる「家出」だった。

    らしくないことをするな、と僕は思ったな。
    たとえ家に不満があっても、家出のような
    意味のない行動に出るやつには見えなかったし。

    「どうやってここまで来たんだ?」と僕がたずねると、
    妹は「どうだっていいでしょう?」と模範解答をした。

    「汚い部屋」と妹は言った。「趣味も悪いし」
    「嫌なら出てけ」と僕も模範解答をした。

    一周目の妹だったら、苦笑いしながら掃除して、
    美味しい料理でも作ってくれたんだろうけど。

    42: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:19:50.27 ID:vRIuLzlA0
    妹だって、僕のところに来たくはなかったはずだ。
    友人の少ない妹には、他に行く当てもないから、
    やむを得なくここに家出してきたんだろうな。

    まだ冬休みも始まっていないだろうし、
    そんなに長くは滞在しないとは思うけど、
    さっさと出て行ってくれないかな、と僕は思った。

    けれども妹に強く言う勇気もなかった。
    二周目の僕はとことん臆病者なんだよ。
    そして二周目の妹はちょっと怖いんだよ。

    かくして、非常にぎすぎすした二人暮らしが始まったんだ。

    43: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:46:29.47 ID:DKZW9IOqO
    続きまだー?
    なんとなく口調がライ麦畑~を思いだしたわ

    44: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:50:53.18 ID:vRIuLzlA0
    >>43
    眠くなってきたのでちょっと今日はここまでで
    そうですね、ぶっちゃけホールデンですね

    45: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 00:53:08.03 ID:DKZW9IOqO
    >>44
    了解~
    続き楽しみしてるね!

    46: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 01:36:46.83 ID:Lms0cMdO0
    ここで終わるというのか・・・

    49: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 02:31:41.02 ID:OkqKUhEh0
    これは面白い
    続きはよおおおおお

    51: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 04:36:40.17 ID:C/9+uoNK0
    良スレの予感

    53: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 08:33:51.22 ID:2RqfQw/90
    なんだこのスレ!
    面白いじゃないか

    57: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 17:56:48.46 ID:wMYKeNpR0
    期待

    58: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 18:05:08.59 ID:UO/D64dt0
    かえってきたらつづきあがりますよーにー

    59: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 19:54:05.52 ID:8dIRb2Jo0
    これは楽しみだな
    オレも妹の時点でライ麦を感じてしまった

    60: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:09:48.94 ID:vRIuLzlA0
    翌朝の八時くらいに、妹は僕を揺り起した。
    驚いてすっかり目が覚めてしまった僕に、
    妹は「この街の図書館に連れてって」と言った。
    それからちょっと間を置いて、「いますぐに」と付け足した。

    二周目に入ってから、僕の睡眠時間は激増して、
    十時間は眠らないと辛い体質になってしまっていた。
    多分、起きてる時間が苦痛だからなんだろうけどさ。

    それでも、相手が家出少女だろうと不登校児だろうと、
    女の子に起こされるってのは、悪い気分じゃなかったね。
    そういうのって、なんだかとっても人間的だよ。

    61: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:11:35.93 ID:8VwAVkpK0
    キタ!!

    62: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:21:16.55 ID:vRIuLzlA0
    車に乗った妹の第一声が、「煙草くさい」だ。
    そして後部座席を見て、「きたない」と言った。
    「持主の性格が分かるね」とのこと。そいつはすごい。

    空は曇っていて、辺りは薄い霧に覆われていた。
    図書館へ向かう最中も妹は文句を言い通しで、
    勝手に借りている僕のコートが煙草くさいとか、
    何か音楽は流さないのかとか、好き勝手言っていた。

    無視し続けたら、ティッシュの箱で叩いてきた。
    「人の話はちゃんと聞きなさい」と言われた。ごもっともだ。
    ちなみに図書館では、本選びに時間をかける妹に
    「まだか」と聞いたら、「しゃべるな」と本で叩かれた。
    二周目の妹ってのは、こんな感じなんだよ。

    63: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:26:31.27 ID:xgH/76tr0
    妹結構かわええやん

    64: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:30:59.57 ID:vRIuLzlA0
    妹は、僕の部屋で一日中本を読んで過ごすらしい。
    僕が家を出て行こうとすると、妹は顔を上げて、
    「おにいちゃん、大学行くの?」と聞いてきた。

    「殺害したい相手の生活パターンを知りたいから、
    ストーカーしに行くんだ」と言うわけにもいかないから、
    僕は「そう、大学だよ。七時には帰る」と答えておいた。

    今年中には、この問題に決着をつけたかったんだ。
    ドッペルゲンガーと元恋人が共にクリスマスを過ごしたり
    新年を迎えたりすることなんて、考えたくもなかったからね。

    65: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:38:33.01 ID:vRIuLzlA0
    その頃になると、殺害方法は既に決まっていて、
    ドッペルゲンガーの行動様式も大体把握して、
    実を言うと、とっくに行動に移っても良い頃合だったんだ。

    それでも僕がだらだらと尾行を続けていたのは、
    多分、踏ん切りがつかなかったからと思う。

    つまり僕は、彼が欠点を晒してくれるのを待っていたんだな。
    僕は、彼が死ぬべき人間だって思い込みたかったんだ。
    殺すに値する理由が、ほんの少しでも欲しかったんだよ。

    困ったことに、数か月に渡ってあら探しを続けても、
    彼は短所らしい短所をまったく見せないでいた。

    どっちかと言うと、僕の方が死ぬべき人間なんだろうな。

    66: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:45:07.83 ID:vRIuLzlA0
    妹と図書館に行ってきた時に借りた本によると、
    ドッペルゲンガーには、以下のような特徴があるらしい。

    ・周囲の人間と会話をしない。
    ・本人に関係のある場所に出現する。
    ・ドッペルゲンガーに出会った本人は死んでしまい、
     ドッペルゲンガーがオリジナルになってしまう。

    ちょっと考えればわかることだけど、これらの特徴、
    どちらかというと全て、僕の方に当てはまるんだよな。

    友人のいない僕はめったに人と会話しないし、
    同じ大学に通う僕らは出現場所が似ているし、
    死ぬとしたら彼の方だし(僕が殺すからね)、
    向こうの方が見た目も中身も一周目の僕に近い。

    これじゃあまるで、僕が偽物みたいじゃないか。

    67: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 20:50:58.15 ID:V5Br9KirO
    それでそれで?

    68: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 21:51:34.69 ID:Ut7FdsL10
    今日はゆっくり付き合うぜ
    面白いわ

    69: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 21:57:05.56 ID:vRIuLzlA0
    友人がいないと言えばさ、一周目の僕は、
    仲良く談笑できるくらいの相手は、大学中に、
    控え目に見積もっても二百人はいたんだよ。

    当時の僕は、そいつらが皆、癖こそあれ、
    それぞれにいい所を持った奴に見えたんだけど、
    今になって少し離れた場所から見ていると、
    どいつもこいつも、ろくでなしのように見えたね。

    自分と関係のある人間が良いやつに見えて、
    関係のない人間が嫌な奴に見えるのは当前だけどさ、
    変な話、そういうことに僕は慰められたんだよ。

    ああ、少なくとも、一周目の僕は、全てにおいて
    恵まれていたわけじゃなかったんだ、って思うとね。

    惨めな話だよ、そんなことに喜びを感じるなんて。

    70: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 22:08:42.41 ID:vRIuLzlA0
    かつての友人たちが、一周目とは違う顔を
    僕に見せるのは、なかなか興味深かったね。

    優しいと思ってた奴が利己心の塊だったり、
    謙虚だと思ってた奴が自己顕示欲の塊だったりさ。

    ただ、これは僕の憶測だけど、一周目において、
    僕が彼らのことを良い人間だと感じていたのは、
    けっして勘違いではなかったと思うんだよ。

    73: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 22:19:58.26 ID:vRIuLzlA0
    人ってのは、極端に優れた人物を前にすると、
    無意識にそいつの影響を受けてしまって、
    一時的に良い人間になれるんじゃないかな。

    一周目の僕を前にしているときに限定すれば、
    おそらく彼らは、実際に良い人間だったんだよ。
    逆に、今の僕みたいなのを前にすると、
    肩の力を抜いて、安心して屑になれるんだ。

    僕が何を言いたいかっていうとね、
    相手が嫌な人間だと感じたら、その時点で、
    少なからずこちらにも責任があるってわけさ。

    74: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 22:31:56.64 ID:vRIuLzlA0
    ただ、いくら自分と関係がなくなっても、
    これっぽっちも魅力を減じないどころか、
    ますます魅力を増すような人間もいたね。
    まあ、もちろん、元恋人のことだけどさ。

    手に入らないものほど欲しくなるってのもあるけど、
    二周目の僕は、下手をすれば一周目の僕より、
    更に彼女を好きになっていたように思うな。
    うん、崇拝していたと言っても過言ではないね。

    今こそ、今こそ人生をやり直すチャンスをくれよ、
    そう僕は思った。今度こそ上手くやってみせるからさ。

    僕は布団にもぐり、目を閉じて、その晩も祈る。
    目が覚めたら三周目が始まっていますように。

    75: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 22:50:05.67 ID:vRIuLzlA0
    さて。妹が家出してきてから、五日が経過した。

    さすがにそろそろ邪魔になってきたから、
    勇気を出して、「いつ頃帰る?」と聞いてみると、
    「おにいちゃんが帰れ」と返された。僕が悪かったよ。

    ちょうどその日、母親から電話があって、
    妹がそちらに行っていないかと聞かれたから、
    五日前から居座っていることを正直に話してやった。

    そのことを妹に伝えると、彼女は「そっか」とだけ言い、
    しばらくすると、荷物を丁寧にまとめ始めた。
    こういうところは、異様にものわかりが良いんだよな。

    76: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 22:57:00.94 ID:vRIuLzlA0
    バスターミナルまでは見送ることにした。
    雪が結構ひどくて、あまり街灯もない道で、
    妹一人で行かせるには心配だったからね。

    隣と呼んでいいのかどうか分からないくらいの
    絶妙な距離を保ちながら歩く僕たちは、
    あいかわらず、終始口をつぐんでいた。
    一周目だったら、手を繋いで歩いてたとこだよ。

    妹は、僕のことを恨んでるんじゃないかと思ったな。
    まあ、とっくに嫌われてるからいいけどさ。
    それに、これから人一人殺そうって人間が、
    誰にどう思われるか一々気にしてたら、きりがないよ。

    77: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:00:01.51 ID:ZIWBTlIe0
    面白そう④
    読みやすくていいね。

    79: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:03:49.33 ID:vRIuLzlA0
    バスターミナルの建物は老朽化してて、
    壁や床はあちこち黒ずんで、蛍光灯は黄ばんで、
    椅子のクッションは破れて中身が飛び出し、
    売店には薄汚いシャッターが下りていた。

    バスを待つ客も数人のみで、しんとしていた。
    あまりにも陰鬱な感じがして、まるでここにいる皆が、
    家出先から実家に帰るとこなんじゃないかって感じ。

    「汚いところ」と妹は言った。「お兄ちゃんの部屋みたい」
    「情緒があるよ」と僕は自分の部屋をフォローした。

    81: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:14:55.55 ID:vRIuLzlA0
    僕と妹は、40cmくらい距離をとって椅子に座り、
    カップ式自販機のココアを飲みながらバスを待った。

    ひどい場所だったね。ここからバスに乗ったら、
    昭和や大正に連れてかれるんじゃないかと思った。
    まあ、本当にそうだとしたら、僕は進んで乗っただろうけどね。

    僕がココアを飲み終えると、妹は「ん」と手を差出し、
    僕のカップを自分のカップに重ね、捨てに行った。
    すたすた歩く妹の背中を、僕は後ろから眺めていた。

    一周目の妹と比べると、ずいぶん頼りない感じがしたな。

    82: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:22:12.87 ID:vRIuLzlA0
    突然僕は、妹に、ものすごく悪いことをしたような気になった。

    妹が家出した十六歳の女の子だってことを、
    僕は、きちんと配慮していたと言えるだろうか?
    本当は、母親には嘘をつくべきだったんじゃないか?

    そもそもこの子は、家出なんてするタイプじゃないんだ。
    よっぽどの考えがあって、僕のもとに来たんだろう。

    せめて本人が満足するまでの間くらいは、
    かくまってやった方が良かったんじゃないか?

    83: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:33:45.66 ID:vRIuLzlA0
    妹がバスに乗り込む寸前、「なあ」と僕は言った。
    「また家出したくなったら、来るといいよ」

    こんな台詞でも、言うのにずいぶん勇気を必要とした。
    二周目の僕は、家族に対してさえ臆病なんだよ。

    振り返った妹は、めずらしく目を見開いて、
    しばらく立ち止まって僕の顔を見て、
    「そうする」と言って笑い、バスに乗り込んだ。

    バスが行ってしまうと、僕は待合室に戻り、
    帰り道に向けて、再びココアで体を温めた。
    妹の笑顔を見て、やけにほっとしている自分がいたな。

    84: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:37:20.49 ID:UO/D64dt0
    なんだろう、笑ってくれただけなのに妹がかわいい

    85: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:44:28.71 ID:vRIuLzlA0
    妹は僕の言葉に甘えることにしたらしく、
    三日後、再び僕の部屋を訪れた。

    家にいるときに妹がすることと言えば、
    一方的に僕の悪口を並べ立てた後、
    「おにいちゃんは駄目だねー」と言うことだった。

    そして僕の夕飯をおいしそうに食べ、
    僕のベッドを占領してすやすや寝た。

    翌日、父親が迎えに来て、妹を連れて帰った。
    この分だと、またすぐに戻ってくるだろう。
    何が彼女をここまでさせるんだろうか?

    86: 名も無き被検体774号+ 2012/10/19(金) 23:56:07.72 ID:1lzDpgtC0
    なんか人間臭い部分がすげぇ共感できるわ

    87: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 00:14:06.17 ID:z9P33ux30
    引き込まれるわ
    面白いなぁ

    93: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 13:06:32.49 ID:Sy59MbBv0
    >>87
    本当引き込まれる!続き読みたいわくわく!

    88: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 00:22:01.67 ID:8fxptPBA0
    続きは明日かな?

    89: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 00:59:16.36 ID:59nn09Wt0
    げんふうけいのひと?

    91: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 11:09:44.28 ID:N1uuF5S10
    発想も面白いけど文章もわかりやすくていいね
    無駄な説明がないから理解しやすいしな

    92: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 11:39:33.95 ID:XHzimpB/0
    追い付いた
    続きが気になる

    94: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 16:36:35.08 ID:JuWNwpCZ0
    ところで、二周目の僕が、擁護しようがないくらい
    明らかに一周目の僕より劣っているとは言え、
    部分的には、優れているところもあったんだ。
    第一、そうでなきゃ、やってらんないよね。

    二周目の僕は、一周目の僕と比べると、
    百倍くらい本を読む人間だったんだ。
    それはもちろん、孤独を紛らすために、
    図書室に通ったことが起因してるんだけどさ。

    そして、これから話す出来事において、
    その趣味がそこそこ役に立ったんだよ。

    96: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 16:44:08.20 ID:JuWNwpCZ0
    かつての僕は、恋人のことを、完全に分かった気でいたな。
    五年間、ずっと一緒にいて、実に色んなことを話したからね。
    ところがさ、案外、僕の知らない面も存在したみたいなんだよ。

    その日も僕は、妹に踏まれて目を覚ましたんだ。
    「図書館に本返すから」と妹は言った。「市民の義務だから」
    まあ、午後四時にぐっすり寝てる僕も悪いんだけどさ。

    図書館につくと、妹は本の束を抱えて歩いて行った。
    辺りは早くも薄暗くなってて、街灯が点きはじめてたね。

    97: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 16:52:29.83 ID:JuWNwpCZ0
    僕は駐車場のすみっこ行って、煙草に火を点けた。
    そこは物置みたいになってて、色んなものが散乱してたな。
    錆びた自転車とか、ポールとか、柵とか、そういうもの。
    ガラクタの中で、室外機だけが辛うじて息をしていた。

    僕は柵に腰かけて、煙草を吸っていたんだ。
    なぜかそこには、きちんとした灰皿があったからね。
    二周目の僕は、こういう寂しい場所にくると、
    心が安らぐような人間になってたんだ。

    ふと見ると、こっちに向かって誰か歩いてくるのが見えた。
    どうやら僕と同じ用らしくて、手には煙草を持っていて、
    ――そう、それが僕の元恋人だったわけなんだよ。

    98: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 16:54:25.30 ID:9mFNFs3p0
    きたー
    みてる

    99: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 16:55:10.71 ID:z9P33ux30
    お、始まってる!

    102: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 17:04:10.70 ID:JuWNwpCZ0
    僕の元恋人はとっても礼儀正しい子だったからさ、
    気まずそうな顔をしながらも、僕に挨拶したんだ。
    相手が誰であれ、笑顔で挨拶してくれる子なんだよ。

    僕も同じように挨拶しかえしたけど、内心、取り乱してたな。
    彼女が喫煙者だなんてこと、僕は知らなかったし、
    この図書館の利用者だってことも知らなかったんだ。

    あれだけ話す機会を欲しがっておきながら、
    いざとなると、何にも言葉が出てこないんだよ。
    何か喋んなきゃ、って焦るばかりでさ。
    なんとか会話を繋いで引きとめよう、ってね。

    103: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 17:12:37.38 ID:JuWNwpCZ0
    「本、借りに来たの?」と彼女は僕にたずねてくれた。
    「僕じゃなくて、妹がね」と僕は正直に答えた。
    「そっか、妹さんか。……君は本、読まないの?」

    「そこそこ」と答えると、元恋人は嬉しそうな顔をした。
    周りに本を読む人間が少なかったんだろうね。
    それから僕たちは十分くらい、本の話をしたんだ。

    他愛もない話だったよ。大した意味のない会話。
    一周目の僕だったら、二秒で忘れるような会話さ。

    でもさ、たったそれだけのことで、僕は、
    嬉しさで胸がはちきれそうだったんだ。
    この時間が、少しでも長く続けばいいって願ったよ。

    104: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 17:21:55.14 ID:JuWNwpCZ0
    「煙草、吸うんだね。意外だな」と僕が言うと、
    僕のかつての恋人は、困ったような顔で笑った。
    「彼にも秘密にしてるんだ。今の所、君しか知らない」

    僕はその言葉を脳に刻みつけたね。
    ”君しか知らない”。実に心地よい響きだよ。

    辺りが真っ暗になって、彼女は帰って行った。
    僕はしばらく、彼女との会話の余韻に浸っていたな。
    止まらない体の震えは寒さによるものなのか、
    興奮によるものなのかは、分かんなかった。
    こんなんで喜べるなんて、エコの極みだよね。

    それに、このとき僕はまだ、自分のしている
    致命的な勘違いには気づいていないんだ。

    105: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 17:28:23.13 ID:JuWNwpCZ0
    妹はすでに車で待機していて、僕が戻ると、
    「五分の遅刻」と頭を五回たたいてきた。
    一時間遅刻したら大変なことになってたと思うよ。

    図書館を出てからしばらくして、妹が言った。
    「おにいちゃん、さっきの女の人、仲良いの?」

    「いや。僕と口をきいてくれるくらい、あの子が優しいってだけ」
    「ふうん。じゃあ、私も優しいね。口きくから」
    「違うな。僕たちは単に仲が良いんだよ」
    「ええ、そうなの?」と妹は迷惑そうに言った。

    107: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:04:05.46 ID:JuWNwpCZ0
    街路樹や店先にイルミネーションが灯り、
    いたるところでクリスマスソングが流れ、
    駅前には巨大なモミの木が設置され、
    いよいよクリスマスが近づいてきていた。

    妹は四回目の家出から無念の帰宅をして、
    僕は駅にあるカフェでコーヒーを飲んでいた。
    そこからだと、広場の様子がよく分かるんだ。

    そして駅前の広場は、僕の元恋人が、
    待ち合わせによく使っていた場所なんだよ。
    僕はそこで、彼らが落ち合うのを見張っていた。

    この日は、ちょっと特別な日なんだ。

    110: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:17:52.71 ID:JuWNwpCZ0
    言い忘れてたけど、僕の誕生日って言うのは、
    十二月二十四日、クリスマスイブなんだよ。

    そして僕の恋人は、クリスマスと誕生日が被るのは
    嫌だということで、一週間前に祝うようにしていたんだ。

    ドッペルゲンガーも僕と誕生日が同じらしくて、
    lクリスマスツリーの下で恋人と落ち合った彼は、
    綺麗に包装されたプレゼントを受け取っていた。

    こんな立場じゃなきゃ、微笑ましい場面だったんだど、
    僕はそれを見て思わず頭を抱えたね。

    111: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:26:39.97 ID:JuWNwpCZ0
    それでね、ふと横に目をやると、おかしいんだよ、
    僕とまったく同じように頭を抱えている人がいたんだ。

    そいつをよく見ると、知らない顔じゃなかった。
    というのも、その子は小中高と同じ学校に通っていて、
    さらには大学の学部まで一緒の子だったから、
    人の顔を覚えられない僕でも、さすがに覚えてたんだ。

    でも、あんまり口をきいたことはなかったな。
    だって、向こうも僕には言われたくないだろうけど、
    ひどく話しかけづらい子だったんだよ。

    彼女の視線は、僕と同じで、駅の広場に向いていた。
    そりゃあ、ここにいたら、他に見るものはないんだけどさ、
    彼女を見ているうちに、僕の中で何かが引っかかったんだ。

    112: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:29:17.39 ID:ogMOPFN+O
    ほうほう

    113: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:39:16.67 ID:JuWNwpCZ0
    人ってさ、一緒にいる時間が長いと、
    口癖とか仕草とかが伝染るじゃないか。

    だから、一周目において、僕と恋人の間には、
    いろんな共通する「癖」があったんだ。

    そのとき隣の女の子がやっていた、
    左手で後頭部の髪をやたら触る仕草は、
    偶然にも、僕から恋人に伝染った癖の一つだった。

    なんだか、すごく懐かしい感じがしたね。

    114: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:44:22.82 ID:z9P33ux30
    そうきたか

    115: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:58:18.78 ID:9NcAP9/U0
    まさかの展開

    116: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 18:59:52.07 ID:JuWNwpCZ0
    彼女が顔を上げたとき、僕らの目が合った。
    その一瞬で、どうしてか、僕は彼女に関して、
    色んなことが分かっちゃったんだ。

    その一。彼女は僕の代役に恋している。
    限りなく似たような感情を抱いていると、
    目を見ただけで、分かるものなんだよ。

    その二。彼女は僕の元恋人に嫉妬している。
    たしかに、思いを寄せている人間と
    あれだけ親密にされたら、そうもなるよね。

    その三。彼女には”一周目”の記憶がある。

    117: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 19:07:09.75 ID:Sy59MbBv0
    鳥肌っ

    118: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 19:10:35.94 ID:JuWNwpCZ0
    何ていうかさ、「やり直しにおける失敗」の
    スペシャリストである僕から言わせるとね、
    二周目で失敗した人間に特有の感情があるんだ。
    隣にいる女の子から、僕はそれを感じ取ったんだよ。

    そんでさ――これについては最初から
    説明しておくべきだったんだろうけどさ、
    実を言うと、僕が持つ一周目の記憶には、
    いくらか致命的な欠陥があったんだ。

    119: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 19:18:14.75 ID:JuWNwpCZ0
    それは、「思い出し方に制限がかかっている」ってこと。
    自分はこういう特徴の人間とこういう関係がある、
    みたいなことはしっかり覚えてたんだけど、
    実際の名前、顔、声みたいな具体的情報は、
    いくら思い出そうとしてもはっきりしなかったんだ。

    「表情が豊か」とか「日焼けしている」とか、
    「大人しそうな名前」とか「目つきが悪い」とか、
    そういう風には思い出せるのに、だよ。

    でも、二周目の僕は、そのことを軽視していたんだ。
    一周目の再現をするだけの二周目においては、
    記憶に制限があっても、さほど支障はないように見えたからね。
    それに、記憶ってのは、多かれ少なかれ、
    はじめからそういう不確かな性質があるものだから。

    121: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 19:25:47.34 ID:JuWNwpCZ0
    さて、僕の言わんとすることはもう分かると思うけど、
    以上の情報をまとめると、導き出される結論は一つ。

    隣にいる女の子は、僕のかつての恋人が、
    人生のやり直しに”失敗”した姿なんだよ。

    そう。席を奪われたのは、僕だけじゃなかったんだ。
    僕が中学の頃に告白したのは見当違いの相手で、
    殺人を犯してまで取り戻そうとした恋人は人違いで、
    僕がいつも影から見ていた二人は、両方とも代役だったんだ。

    そして僕の本物の恋人は、いつだって傍にいたんだよ。

    124: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 20:02:18.96 ID:8fxptPBA0
    もっかい人生やりなおしてー・・・


    なんて思う必要ないってことだな

    125: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 20:36:53.77 ID:YEpkHUy70
    予想の斜め上をいかれた
    これは期待

    126: 名も無き被検体774号+ 2012/10/20(土) 21:18:51.59 ID:qSxvCUMD0
    今日の分は終わったか

    131: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 00:08:19.58 ID:N2VltCWT0
    すげぇ展開
    鳥肌もんだよ

    132: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 00:50:27.49 ID:RS2ZrIW00
    面白い。

    134: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 04:11:00.14 ID:eGgdSn1D0
    まさかの急展開。
    1は作家になれるよ。
    その辺の小説やドラマなんかより数倍面白い。

    139: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 13:27:18.68 ID:8G/YcbW00
    一気に読みこんだ。これはおもしろい

    144: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:05:29.89 ID:z96bEzcG0
    不思議と引き込まれる

    145: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:22:20.49 ID:0NqI+JUK0
    かつての恋人が自分と同じような状況にあって、
    同じ苦悩を抱えていると知ったとき、
    けれどもね、僕は喜びはしなかったんだ。
    いや、むしろ絶望を深めたと言ってもいい。

    どうしてかと言うとね、たとえ隣にいるその子が、
    僕の本当の恋人だったとしてもね、今僕が好きなのは、
    より一周目の彼女に近い、”偽物”の方なんだよ。

    僕が気にするのは「オリジナルかどうか」じゃなくて、
    「一周目と同じ気持ちにさせてくれるかどうか」だったんだ。
    変わっちまった本物には、もはや興味がないんだな。

    146: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:27:43.66 ID:zZA7FXEz0
    おっ!始まったぞ

    147: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:34:36.70 ID:0NqI+JUK0
    それに、勘違いも十年も続けば、それはもう
    本人にとっては修正しようがない事実なんだよ。

    そして、僕の求める”偽物”の子が、そもそも僕とは
    赤の他人だったということが分かって、僕はがっかりした。
    こうなると、彼女と僕が結ばれる根拠は、いよいよ無いじゃないか。
    僕が信じてきた赤い糸は、広場にいる彼女じゃなくて、
    隣で頭を抱えている女の子と繋がっていたわけだからね。

    しかし、見れば見るほど、本物の元恋人は、
    僕と似たような変化を遂げていて、驚いたね。
    二周目の自分を客観的に見てる気分だったよ。
    あんまり良い気分じゃなかったな。

    148: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:44:49.87 ID:0NqI+JUK0
    そういうわけで、運命の再会とはいかなかった。

    寂しそうな目で広場を見つめる本物の元恋人は、
    隣に誰か、温かい存在を必要としているように見えた。
    うん、今度ばかりは、勘違いじゃなかったと思うよ。

    けれども僕は、彼女に話しかけず、店を出た。
    僕が必要としているのが彼女でないように、
    彼女が必要としているのも、僕の代役の方だろうからね。

    149: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 20:58:45.16 ID:0NqI+JUK0
    僕は街を当てもなく歩いた。そうしたい気分だったんだ。
    どこもかしこもクリスマスムードでむなしくなったけど、
    とことんそういう気分に浸りたい気分でもあったな。

    考えてみると、色んなことが馬鹿馬鹿しかったね。
    そもそも僕は、あの代役を殺す気でいたわけだけど、
    本当にそんなことができる気でいたんだろうか?

    そして奇跡的にそれに成功したところで、
    その相手の子は、今の僕を好きになると、
    本気で考えていたんだろうか?
    だとしたら、頭がおかしかったんだろうな。

    150: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 21:02:38.45 ID:0NqI+JUK0
    そういうわけで、僕はドッペルゲンガーの
    殺害計画を諦めたわけなんだけどさ、
    願いってのは、腹立たしいことに、
    願うのをやめた頃に叶うものなんだ。

    151: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 21:07:59.95 ID:cfy7UGur0
    な・・・んだと?

    152: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 21:12:02.59 ID:32fOe/5d0
    これまた急展開!!

    154: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 21:50:20.71 ID:0NqI+JUK0
    僕は頭をからっぽにしたかったんだ。
    今まで以上に、色んなことを忘れたかった。
    尾行する必要もなくなって、時間も余っていた。
    それで、目についた短期アルバイトに、
    片っ端から応募することにしたんだ。

    毎日夜遅くにくたくたになって帰宅する僕を見て、
    五回目の家出をしてきていた妹は、
    「おにいちゃん、恋人でも出来た?」と聞いてきた。
    今一番聞きたくない言葉だったね、まったく。

    そんでね、どうせ予定もないのだからと、
    年末までアルバイトを詰め込んだ僕だったけど、
    ろくに内容の説明も読まなかったせいで、
    クリスマス当日に、恋人の集まるデパートで、
    抽選会の係をすることになっちまったんだよ。

    157: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:06:06.26 ID:0NqI+JUK0
    浮かない気持ちで現地に集合すると、なんとね、
    思いもよらない人間がバイトに来ていたんだ。

    そう、本物の方の、僕の元恋人さ。
    うん、実に気まずい感じだったよ。
    やることも考えることも一緒なんだね、僕たちは。

    向こうは僕の顔を見ると、軽く頭を下げた。
    僕も同じように返したけど、この分だと、相変わらず、
    彼女は僕の正体に気付いていないみたいだった。

    僕たちは知り合いと言うことでペアにされて、
    暑苦しいサンタのコスチュームを着せられて、
    浮かれた夫婦やカップルなんかを相手にした。
    かつては僕たちも向こうの人間だったんだけどな。

    思えば、高校時代も、友達のいない僕たちは、
    他に組む相手がいないときなんかに、
    こうやって二人気まずく作業していたんだよ。
    それを思うとおかしかったね。

    158: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:25:14.99 ID:0NqI+JUK0
    休憩時間になると、僕は元恋人を放って、
    一人で外に煙草を吸いに行ったんだ。
    彼女といると、過ぎたことばかり考えてしまうからね。

    何気なく駐車場の様子を眺めていると、
    見覚えのある青い軽自動車が入ってくるのが見えた。

    それは僕がストーカー時代によく目にした車なんだ。
    つまり、代役二人が乗っている車というわけさ。
    結構めずらしい車種だったから、すぐに分かった。

    そういえば、二十歳のクリスマスの夜、
    僕たちはにここを訪れたんだっけ。

    162: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:41:02.54 ID:0NqI+JUK0
    休憩が終わってさ、再び抽選会場に戻って、
    まあこのあと起こることは予想できると思うけど、
    四人は、そこで初めて一堂に会することになるんだ。

    いつも以上に幸せそうなその二人は、まさかその幸せが、
    目の前にいる二人の冴えないサンタクロースによる
    クリスマスプレゼントだったとは、思いもしなかっただろうな。

    本物の元恋人の方を見ると、やっぱり、
    僕の代役の方を見て、辛そうな目をしてたな。
    多分僕も、そういう目をしていたんだと思うよ。

    163: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:43:06.62 ID:EOR5Xkzb0
    人って簡単に変わっちゃうもんなんだな・・・

    164: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:50:59.76 ID:0NqI+JUK0
    代役の二人たちが行ってしまってから、僕はしばらく、
    彼らがこれからどう過ごすのかを思い出していた。
    隣にいる元恋人も、同じことを思い出していたんじゃないかな。
    こんなに気分の悪いことって、そうそうないよ。

    抽選会場の傍には家電コーナーがあって、
    僕は気を逸らすために、そこに置いてある
    大型テレビの映像を眺めることにした。

    なんてことはないニュース映像が流れていて、
    たまに駅前のイルミネーションが映されたりして、
    ――そして僕は突然、さっきの二人が、
    これから死ぬ運命にあるってことに気付いたんだ。

    166: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 22:59:22.49 ID:0NqI+JUK0
    人間の運ってものは、長い目で見れば、
    釣り合いの取れてるものなのかもしれないな。

    その考え方は、大抵は運のない人間が
    自分を慰めるために使う言葉なんだけど、
    この時ばかりは、そう思わずにはいられなかったよ。

    不思議と、どんな感情も湧いてこなかったね。
    そうか、あの二人は死んでしまうのか。それだけ。

    どちらかと言えば、喜ぶべきことだったと思うよ。
    あの男のことが憎いことには変わりがないし、
    あの女の子はどうせ僕のものにはならないんだし。

    そう、手に入らないものなら、最初っからない方が幸せなんだ。

    170: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 23:09:38.12 ID:xdSlEgev0
    ワクワクが止まらない

    171: 忍法帖【Lv=28,xxxPT】(1+0:8) 2012/10/21(日) 23:19:23.96 ID:7Scmm85G0
    引き込まれるってのはこういうのをいうんだなぁ。

    177: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 23:36:49.37 ID:NxR621130
    かっこいい文章だな。応援してまする。

    179: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 23:39:34.95 ID:0NqI+JUK0
    でも、次の瞬間には、僕はアルバイトを放り出して、
    かつての恋人の手を取って走り出していた。
    いやあ、自分でも意味わかんなかったなあ。

    でも仕方ない話なんだ。これからすることが、
    一人でどうにかできるものなのか分からなかったし、
    話を信じて協力してくれるとしたら、彼女だけだろうからね。

    デパートの中を駆け抜けていくサンタ二人を見て、
    子供なんかは僕らを指差して騒いでいた。
    実際、奇妙な光景だったと思うよ。

    彼女が何も言わずについてきたのはさ、握られた手に、
    どこか懐かしいものを感じたからだと思うんだよ。
    なんでかっていうと、僕がまさにそのように感じたから。

    184: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 23:50:11.30 ID:0NqI+JUK0
    外に出ると、既に吹雪になりかけていた。
    僕は車に乗り込んでエンジンをかけた。

    珍しく僕の頭は冴えわたっていたんだ。
    さっき見たニュースの進行具合から言って、
    間に合うかどうかの瀬戸際だったな。

    そんな緊迫した状況なのに、一方で僕は、
    おかしくて仕方がなかったんだ。

    自分が自分らしくない行動に出るのってさ、
    多分人生で起こることの中で、一番面白いんだよ。
    二周目の人生を主にそれに悩まされてきた僕だけど、
    でもやっぱり、人が「らしくない」ことを出来るのって、
    何かに対して一矢報いたような気がして、気持ちがよかったね。

    188: 名も無き被検体774号+ 2012/10/21(日) 23:59:52.96 ID:0NqI+JUK0
    「二十歳のクリスマスで、ひどい雪の日だったな」
    車を飛ばしながら、僕は助手席の彼女に言った。

    「覚えてるかな? プレゼントを渡しあった僕たちは、
    紅茶を飲みながら、テレビを見ていたんだ。
    わざとヒーターはつけないで、二人で毛布を被ってさ。
    ロウソクの火でわざわざ暖まったりして……、
    そういうのが楽しかったんだ、その頃の僕たちは」

    彼女は目を見開いて、僕の方を見つめる。
    しかし彼女が何か言う前に、僕は先を続ける。

    190: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:07:12.91 ID:T7AA0Ab80
    「テレビでは事故のニュースがやってた。というのも、
    あまりに雪がひどくて、その夜、一部で停電が起きたんだよ。

    それはそれでロマンチックではあるんだけどさ、
    場所によっては信号までつかなくなっちゃって、
    吹雪で視界も悪くて、案の定、痛ましい事故が起きるんだ。

    そのとき僕らが聴いてたCDは『レノン・レジェンド』で、
    ちょうど『スタンド・バイ・ミー』が終わって、
    『スターティング・オーヴァー』が始まった辺りだったな。
    それくらい鮮明に覚えてるよ。クリスマスに死ぬなんて、
    運の悪い人間もいるもんだなって思ってさ」

    191: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:08:46.53 ID:gOSq5fGp0
    ロウソクか・・・!フラグ立ったな

    193: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:15:04.18 ID:T7AA0Ab80
    「ニュースの映像では、数台の車がぐちゃぐちゃになってて、
    ――その中に、青い軽自動車があったことを覚えてるんだ。
    実を言うとそれは、二周目の僕にとっては、馴染み深い物でね。
    何せ、自分の役割を奪った男が乗っていた車だったから」
    そこまで言って、僕は一度、横目に時計を見る。

    「このまま放っておけば、同じ事故が起きて、彼らは命を落とす。
    それは本当なら、僕にとっては望ましい展開のはずなんだ」

    彼女は何も言わず、黙って話を聞いていた。
    視界の端で頷く彼女に、僕はまた懐かしい感じを覚えたな。

    「でもさ」と僕は言う。
    「そういう悲劇を見逃すには、今日はあまりにもめでたい日だ。
    それに僕は、一周目の人生を愛しているのと同じように、
    それを再現してる彼らのことも、どっか愛してるところがあるんだよ。
    僕も、たまには、二周目らしいところを見せてやろうと思う。
    一周目の反省や教訓を活かして、もっと優れた二周目を目指すんだ」

    194: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:16:26.79 ID:E3+Ysevu0
    これはむねあつてんかい

    195: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:19:31.43 ID:WqxJ3uq/0
    >>1
    氏ぬなぁぁぁぁ

    196: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:27:18.60 ID:T7AA0Ab80
    事故現場に到着した僕らは、停電に備えて待機した。
    彼女はおそるおそる僕の肩を叩いて、聞く。
    「これまでにも、こうやって、人を助けたりしてきたの?」
    相変わらず、いいところに目をつけるんだよな。

    「いや。これが初めてだね」と僕は答える。
    「だから、今やってるのは、あんまり良くないことだと思うよ。
    本来、数えきれないくらいの命を救えたはずの人間が、
    いまさら自分の助けたい相手だけ助けるなんてさ」

    「そっか……私も、これが初めて」と彼女は言う。
    「私、二周目に入ってからも、一周目の記憶を使って
    何かしようとしたことは、一度もなかったんだ。
    今はこんな風になっちゃったけど、本当は、
    私、前の人生を、そのまま繰り返そうと――」

    「僕もそうさ」被せるように僕は言った。

    197: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:28:24.42 ID:kzbyqIXi0
    この安定感は癖になる

    198: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:30:48.29 ID:rrkUXgBj0
    約束を守ったんだな

    199: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:33:07.89 ID:T7AA0Ab80
    「あのさ」と彼女は言った。
    「停電で、見えなくなっちゃう前にね、
    最後に一つだけ、確認させて欲しいんだ」

    「何を?」と僕が言い終える前には、
    彼女は背伸びして、僕の頬に唇を当てていた。
    「ごめんね」と彼女は言った。「それだけ」

    確かに、確認はそれだけで十分だったんだ。
    それだけで、色んなことを、僕は思い出せた。

    僕はずいぶん表面的なことに捉われていたんだろうな。
    二周目における記憶の制限は、僕の考え方にまで、
    致命的な欠陥を与えてしまっていたようなんだ。
    言葉にできない感覚を、僕は軽視し過ぎていたんだよ。
    このことにしたって、口で言っても伝わんないんだろうけどね。

    「こんなに傍にいたんだね」、目を伏せて彼女はそう言った。
    彼女が振り返るのとほぼ同時に、辺りの灯りが一斉に消えた。

    200: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:42:03.35 ID:T7AA0Ab80
    それは実に馬鹿げた光景だったと思うよ。
    サンタクロース二人が袋から色んな灯りを出してさ、
    誘導棒を持って交通整理をし始めたんだから。

    用意した色とりどりの回転灯なんかは、見方によっては、
    クリスマスのイルミネーションに見えなくもなかったな。
    馬鹿みたいに沢山並べたんだよ、僕たち。

    しかも僕はその馬鹿らしさに当てられちゃって、
    窓を開けてねぎらいの言葉をくれたカップルとかに、
    何回か「メリークリスマス!」を言っちまったんだ。

    一番言いたくなかったはずの言葉なのにな。
    格好と寒さで頭がどうかしてたんだと思うよ。

    本当に酷い吹雪でさ、目を開けているのも辛かったし、
    無意識に奥歯を噛みしめちゃって、顎が痛くて、
    自分がどこまで服を着てるのかも分かんないくらい、
    体のあらゆるところが冷え切ってたね。

    201: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:47:52.28 ID:T7AA0Ab80
    僕のやり方が正しかったかどうかは分からない。
    でも、結局、事故は一件も起こさずに済んだんだ。

    何回か僕たちの方が轢かれそうになったけど、
    まあ目立つ服装だったからね、何とか生き延びた。
    この日ばかりはサンタクロースの格好に感謝したね、
    これがジャックランタンとかだったら、間違いなく死んでたよ。

    そして、例の青い車が通り過ぎるのを、僕たちは見送った。
    かつての僕たちが通り過ぎていくのを見送ったんだ。

    最初っから最後まで、彼らはなんにも知らない。
    でも、それでいいんだと思うよ。

    それどころか、自分が助けられたということに
    彼らがまったく気付いていないことが、
    僕にとっては、たまらなく痛快だったんだ。

    202: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:53:02.12 ID:T7AA0Ab80
    電気が復旧した頃には、僕たちの体は死体みたいに冷えて、
    風邪でも肺炎でもなんでも来いって感じだったね。

    どこかで暖まりたかったけど、既にどこの店も閉まっていて、
    携帯にはバイト先から着信が何件もきていて、
    雪にタイヤをとられて車が動かなくなって、
    どっから手を付けていいのか分からないような状況だったな。

    けれどもそのとき、時計の針が、十二時をさしたんだ。
    そう、この瞬間、繰り返しは終わりを告げる。

    ここから先は、僕たちも完全に知らない世界だ。

    本物の元恋人は、歯をがちがち言わせて震えながら、
    消えそうな声で、「さむいね」と僕に微笑みかけた。
    それだけ喋るので精いっぱいだったんだと思う。

    思えばさ、ここ十年、僕は寒さを分かち合う相手さえいなかったんだ。

    204: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:01:16.11 ID:T7AA0Ab80
    なんでかな。その時ふいに、僕は幸せな気持ちになったんだ。
    代役の二人は今後も僕らの席に座り続けるだろうし、
    後期の単位は既に取り返しがつかないし、友達はいないし、
    おまけに今すぐ凍えて死にそうで――けれども、幸せだったんだ。

    これからは、何があっても、大抵のことは平気な気がしたんだ。
    僕たちなら、それなりに上手くやっていけそうな気がした。
    それはいかにも根拠のない自信だったけど、
    根拠がない自信ほど、強力なものもないんだよ。

    混乱してたのかもしれないけど、ひょっとすると、そのときの僕は、
    一周目の二十歳のクリスマスより、幸せだったかもしれない。
    だとしたら、それって、本当に本当にすごいことだよ。

    十年ぶりの、ハッピークリスマスってやつだったんだ。

    205: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:05:02.90 ID:T7AA0Ab80
    朝方に帰宅した僕は、眠気もまったくなくて、
    なんだか生まれ変わったような気分だった。

    僕が恋人から貰ったプレゼントをごそごそやっていたせいで、
    僕のベッドで寝ていた妹が、目を覚ました。
    眠たげな目で、枕元にある僕からのプレゼントを眺めて、
    少し遅れて、「おおー」と満更でもなさそうに言った。
    寝起きの妹って、ちょっとだけ一周目の面影があるんだよ。

    僕はベッドに腰掛け、「なあ」と話しかけた。

    「兄ちゃんは、十年後から戻ってきたんだよ」

    妹は寝ぼけた顔で、やっぱり、「おかえりー」と笑った。
    僕はそれが大のお気に入りだったから、
    「ただいま」と言って妹の頭を撫でた。
    妹は不服そうに僕の顔を見つめたけど、
    内心、そんなに悪い気はしていないみたいだった。

    203: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 00:55:26.47 ID:EJ5lqQ4T0
    これは眠れないー!

    206: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:07:29.74 ID:kzbyqIXi0
    目から体液が出そうなんですがどうすればいいでしょうか

    207: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:08:53.37 ID:Gi1fzlQp0
    ( ´;ω;`)ブワッ

    208: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:10:14.22 ID:T7AA0Ab80
    「兄ちゃんは、十年後から戻ってきてたんだ。
    僕は十歳から二十歳の人生を、もう一度やり直したのさ。

    そのときの僕には、これから自分が犯す過ちだとか、
    本当にやるべきことというのが、分かったんだ。
    なろうと思えば、神童にだって、予言者にだってなれた。

    でも、僕はなにひとつ変える気がなかったんだ。
    前と同じ人生を送られれば、それだけで十分だったからね。

    しかし僕は、一周目の再現に失敗してしまったんだ。
    周りの幸せだったはずの人たちにも、悪い影響を与えてしまった。
    ――ただ、だからこそ、僕は知ってるんだよ。
    僕たちは、もっとまともになれるはずだったってことを。
    微妙な違いで人は変わるし、変われるんだってことを。

    ちょっと歯車がずれて、こんな風にはなってしまったけれど、
    それは些細な違いであって、僕らがまともになれない理由はないはずなんだ。
    だからさ、もう一度、あの日々を取り戻そう。そろそろ、反撃開始と行こうじゃないか」

    プレゼントを抱えた妹は、やっぱり、「よくわかんない」と答えた。
    いずれわかるさ、と僕は言った。

    209: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:16:18.67 ID:T7AA0Ab80
    というわけで、物語はここまでです。
    最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。

    今日もこの場を借りて宣伝……というか、
    すでに何人かに指摘されちゃってますが、
    そうです、作者は「げんふうけい」の僕でした。
    http://fafoo.web.fc2.com/other.htm

    214: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:30:16.54 ID:PgRitVbC0
    >>209
    乙!面白かったー
    リアルタイムで見れたの初めてだ

    211: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:21:18.02 ID:GYHPYDpI0
    乙でした!
    >>200 の交通整理のシーンは胸があつくなったよ
    後、ちょこちょこ絡んでくる妹の話がいいね

    やっと眠れるおやすみ

    218: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:44:12.89 ID:T7AA0Ab80
    >>210
    夜遅くなって、皆さんにはもうしわけないです
    行き当たりばったりでやってたから遅くなってしまって

    217: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 01:38:47.09 ID:MMhwP1ZfO
    明日も朝早いのに眠気ふっとんじまったww
    でも読み終えてすごく充実感があるよ
    ありがとう

    225: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 02:48:15.03 ID:p5C347Hy0
    俺はB’zのいつかのメリークリスマスをBGMに読み進めてた

    228: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 06:31:14.88 ID:nnu/z0ZG0
    こんな面白いのは初めてだ

    230: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 07:52:19.59 ID:RWSeM8zNO
    面白かったぁ~。
    その後みたいな物語も書いて欲しいなぁ

    237: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 10:11:15.54 ID:B5iijsjq0
    おもしろかったー!

    240: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 12:30:32.11 ID:hvR8Rcoz0
    よかった。やっぱげんふうけいさんいい。

    244: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 15:25:05.72 ID:RNuHcpeL0
    久しぶりの神スレ

    253: 名も無き被検体774号+ 2012/10/22(月) 23:28:50.23 ID:ZJJvWmW80
    非常に引き込まれそうになりました!
    目から体液出そうです

    254: 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) 2012/10/22(月) 23:39:24.16 ID:+mRt3wjYO
    >>253俺はガチでボロボロだった

    256: 名も無き被検体774号+ 2012/10/23(火) 00:51:29.63 ID:1PWBCKHI0
    これが天才か

    257: 名も無き被検体774号+ 2012/10/23(火) 02:43:12.27 ID:zigxpxQD0
    >>1

    面白かったぞ

    265: 名も無き被検体774号+ 2012/10/23(火) 12:51:02.07 ID:96JFUOWm0
    サイト行ってみたけど、この作者、普通にプロで、しかも大学生なのかよ
    そんで無償で作品公開してんのか……ため息が出るわ

    267: 名も無き被検体774号+ 2012/10/23(火) 15:21:59.00 ID:rATtbrqg0
    大学生かよ
    すげーな

    272: 名も無き被検体774号+ 2012/10/23(火) 21:53:14.74 ID:8dG5MDde0
    こんな引きつけられるのはげんふうけいさんだけだ

    284: 名も無き被検体774号+ 2012/10/26(金) 20:00:20.07 ID:rdsShMONO
    久しぶりに神スレ開いたわ!
    乙でした!









    引用元: 十年巻き戻って、十歳からやり直した感想

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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:05 ID:ShOmsT1q0*
    今の俺たちは未来の俺達が過去を変えたくて記憶を消してまで戻ってきた存在なんやぞ
    2  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:16 ID:2ip8WMHN0*
    ※1未来の自分には悪いけどあんまり活かせてるとは、思えないわ
    3  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:25 ID:WndCLMgO0*
    はやくリトライさせろ
    こんな人生クソげーだ
    4  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:34 ID:125LEYOs0*
    ※3
    リトライはできないけどリセットはできるよ
    息を止めて数分待っとくだけ
    隠しコマンド
    5  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:39 ID:QhkI0O9W0*
    文才すげぇなぁ
    6  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:42 ID:VA15qj9H0*
    めんどくさそう
    7  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:46 ID:plTMlcOY0*
    ※1みたいなこと良く考えるわ
    8  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:47 ID:ALAf5v2i0*
    面白い
    9  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:53 ID:.biwve1O0*
    三秋さん好き
    10  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:53 ID:3MZnnQ6L0*
    作者がリメイク版書籍で出してたよね
    スターティング・オーヴァー
    11  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:55 ID:tdGn788L0*
    三秋縋さんすき
    三日間の幸福
    12  不思議な名無しさん :2018年02月18日 23:55 ID:QLEkuK1q0*
    何で一週目の事故を知ってるの?タヒんだはずなのに?
    13  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:21 ID:SdiyDkOA0*
    ネタ切れか?、こんな古いスレ引っ張ってきて・・・
    昔は、結構こういうスレ立ったからな
    なろう小説の源流が、この手のネタスレにあるような気がしないでもない
    14  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:24 ID:4VK6J4tV0*
    句読点がキモい
    15  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:26 ID:idZM3Poe0*
    正直文章がなんか受け付けんわ
    さもいいの出来たで、読んでくれや!みたいにみえる
    16  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:35 ID:CXmmcU9Z0*
    実際それが良いの出来てたから出版まで漕ぎ着けたんだよなあ
    17  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:37 ID:Mx8t5aMs0*
    良さがよくわからなかった
    解説してくれんか?
    18  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:38 ID:aegaZvez0*
    ※12
    一週目の事故で死んだんじゃないよ
    事故を部屋で彼女とTVのニュースで知ってたんだよ

    「ニュースの映像では、数台の車がぐちゃぐちゃになってて、
    ――その中に、青い軽自動車があったことを覚えてるんだ。
    実を言うとそれは、二周目の僕にとっては、馴染み深い物でね。
    何せ、自分の役割を奪った男が乗っていた車だったから」

    本文>>193のこの部分ね。なんで巻き戻ったのかは明記されてない
    19  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:42 ID:AT9WYn.v0*
    なろうに投稿したらうけそう
    20  不思議な名無しさん :2018年02月19日 00:43 ID:aegaZvez0*
    ※18だけど二行目の文が変だww
    「部屋で彼女と一緒にいるときに事故のニュースを見て知ってた」
    だな。
    21  不思議な名無しさん :2018年02月19日 01:05 ID:pjkN3xoh0*
    同じ人生をやり直そうとしてすぐに妹にタイムトラベラーを告白する兄
    最初だけでなんだかな~って感じだわwww
    22  不思議な名無しさん :2018年02月19日 01:44 ID:TTR90Lk.0*
    この作者統失か?
    23  不思議な名無しさん :2018年02月19日 02:24 ID:k1RoWjpu0*
    やり直してえなぁ。次は逃げない
    24  不思議な名無しさん :2018年02月19日 02:32 ID:ev1dNP5a0*
    とりあえずビットコイン買い漁る
    25  不思議な名無しさん :2018年02月19日 02:40 ID:sHQqhqrE0*
    例え創作でも、創作かどうか分からないリアルタイムさが滲み出た文の書き方が好きなのに、これはモロ創作の文体として書いてあるから 自分の趣向とは違った。
    26  不思議な名無しさん :2018年02月19日 03:04 ID:kOj1LqMD0*
    クソつまんねくて草
    27  不思議な名無しさん :2018年02月19日 03:17 ID:IjVXDq0h0*
    芥川賞獲ってもこりゃぁ相当薄いハードカバー本になるなw
    28  不思議な名無しさん :2018年02月19日 03:30 ID:xYpIiYRS0*
    ケータイ小説読んでるみたいだった
    29  12 :2018年02月19日 03:45 ID:YZbo9ROk0*
    ※18分かった。ありがとうございます。勘違いしてたとこが違った。代役が2人とも完全に別人って事を勘違いしてた。ありがとうございます。
    30  不思議な名無しさん :2018年02月19日 04:07 ID:sd3lpfjM0*
    語り口が外国映画の一人称語りを日本語に翻訳した感じで
    すごくわざとらしくて見ていられなかった
    31  不思議な名無しさん :2018年02月19日 04:18 ID:l7pxXsFH0*
    スターティング・オーヴァーだっけ。げんふうけい大好き
    32  不思議な名無しさん :2018年02月19日 04:32 ID:zu4.6Rx80*
    コメ欄が批判ばっかでもそれを気にさせないくらい面白かった
    33  不思議な名無しさん :2018年02月19日 06:09 ID:lZtzzkeM0*
    自分は逆にハタチ程度で若返るよりもうんとトシとってからやりなおすほうが
    味わい深いと思うんだけどね
    コレ系のヤバイ話は案外書かれているし
    34  不思議な名無しさん :2018年02月19日 07:01 ID:9RWK9zEC0*
    妹を撫でる描写がきもちわるい
    35  不思議な名無しさん :2018年02月19日 07:10 ID:YbBKprgN0*
    もうのっけからダメ
    36  不思議な名無しさん :2018年02月19日 07:55 ID:afJxJujN0*
    ※25
    もう少し自然体な語り口のほうが俺も好きだな
    37  不思議な名無しさん :2018年02月19日 08:01 ID:hiQR21Wr0*
    なんか読みやすくて惹かれる文章だよな。
    コメ欄では批判が多いけど俺は好き。
    38  不思議な名無しさん :2018年02月19日 09:39 ID:TKC60f3d0*
    作家先生変化球で来たね。
    文章は良いのに女性の設定が現実に存在
    しないような人で、そこで一気に冷める。
    39  不思議な名無しさん :2018年02月19日 09:39 ID:IOFHUADa0*
    すごく面白くて引き込まれたわ
    一歩間違えばくどくなる口調なのに終始読みやすい
    プロと聞いて納得した
    40  不思議な名無しさん :2018年02月19日 11:14 ID:m2J5.4IV0*
    はじめて読んだ
    久々に文章を読む喜びを味わった
    まるで映像の中に飛び込んだような感じだった

    世にも奇妙な物語の原作いけるレベル
    41  不思議な名無しさん :2018年02月19日 11:47 ID:yKvraM3I0*
    また三秋縋か!
    42  不思議な名無しさん :2018年02月19日 13:33 ID:cxXShSlX0*
    創作でも普通に面白かった!
    43  不思議な名無しさん :2018年02月19日 13:33 ID:jpnEGTd.0*
    まぁ小説版は、清書されてるんやろ?
    前の三日間の幸福の方がファンタジックで好きだけど
    この人のスレは手軽なラノベとして楽しめて良い
    創作なのは1番最初から語り口調で分かりやすいし起承転結あるしね
    でもこの人が書く女の子は、良い意味でも悪い意味でもラノベの域を出ない感じが毎回する
    44  不思議な名無しさん :2018年02月19日 14:20 ID:ouMGgXKX0*
    本になってこの書き方だったら大丈夫なんだけど、スレで実体験風に創作書かれるとなんか気持ち悪くなっちゃうんだよね
    最初乗り越えられれば行けるとは思うんだけど
    45  不思議な名無しさん :2018年02月19日 14:58 ID:tHnNJ0Cq0*
    何で6年前のスレまとめてるんや
    46  不思議な名無しさん :2018年02月19日 15:23 ID:ruewsBr10*
    本スレのレスが絶賛ばかりなので俺がおかしいのかと思ったが、やはり俺がおかしかったのかw
    内容文体とも鼻について入り込めなかったが、書籍になるほどに好評だったとは。
    47  不思議な名無しさん :2018年02月19日 15:45 ID:OUJETVoG0*
    スレで発表会しないで本でも出せばいいのに
    48  不思議な名無しさん :2018年02月19日 16:04 ID:jht8ouBW0*
    2012年!?
    49  不思議な名無しさん :2018年02月19日 16:19 ID:R8yHHxFX0*
    感動しました ありがとうイッチ
    50  不思議な名無しさん :2018年02月19日 18:15 ID:.tui.T790*
    これ売れるだろと思ってたら売ってるのか
    51  不思議な名無しさん :2018年02月19日 18:32 ID:Fy8LVCw50*
    ところで巻き戻しってビデオテープを知ってる世代が言ってて下は早戻しなんだと。意味は分かるけど使わないらしい。
    52  不思議な名無しさん :2018年02月19日 19:00 ID:1Gi6ImVS0*
    まーたげんふうけきか
    もうみた
    53  不思議な名無しさん :2018年02月19日 20:57 ID:30.7oB8l0*
    読みやすいんだけど終始自己陶酔していて気味が悪かった
    誇張も雑だし
    54  不思議な名無しさん :2018年02月19日 21:24 ID:HHQZbLIH0*
    わーすごーい(笑)
    55  不思議な名無しさん :2018年02月19日 21:29 ID:4rG.4ch30*
    なんでこんなにウケが良いのか謎すぎるぐらい駄作、駄文
    将来性ないね
    56  不思議な名無しさん :2018年02月19日 23:01 ID:5neFqSBH0*
    好みじゃないけど小説としてのレベルは高いと思う
    が、言い尽くされてるように女性がラノベのキャラっぽくてそこでいちいち冷めてしまう
    57  不思議な名無しさん :2018年02月20日 01:17 ID:j8su.VwQ0*
    自分は今の自分の周りの家族や友人が好きだから巻き戻って欲しくない
    それはきっと別人だから
    自分だけ巻き戻っても周りは戻って居ないよ、きっと
    58  不思議な名無しさん :2018年02月20日 10:40 ID:dJkiBp.R0*
    過去に遡ったとしても、死んで生まれ変わったとしても…
    「今」を良いものに変えようと思わなければ不本意な人生は続くもの。
    それを心から理解して、わずかな希望でも諦めなければいくらでもやり直せる。

    「不平不満を言うよりも、進んで明かりをつけましょう」
    って宗教の番組で昔に言っていたけど(宗教には興味が無いが)、その言葉には納得。
    この話にも共通するね。
    59  不思議な名無しさん :2018年02月20日 14:44 ID:67xxgCA10*
    面白い。
    相手を変えたければ自分、何かを変えたければ自分。
    まずは一歩、違う道を進もうってことだね。
    60  不思議な名無しさん :2018年02月20日 15:19 ID:OIJ7r6c60*
    この作者って
    作品の発表が2016年で止まってて
    ツイッターも2017年で止まってるんだね・・・
    61  不思議な名無しさん :2018年02月20日 15:52 ID:B.b.gm.f0*
    語尾にやたら「ね。」がついていて気になるわ
    62  不思議な名無しさん :2018年02月20日 20:44 ID:hkRMVGFo0*
    おまえらホントこういうの好きだな。
    どうしていつも主人公は高校生で、妹が居るんだよ。
    しかも、身の回り10mくらいの日常だけが淡々と
    綴られてるだけで、主人公が輪廻転成してる以外
    何の変哲も無い暮らし。。。何が面白い?
    グリムウッドの「リプレイ」みたいな展開期待してたのに。
    63  不思議な名無しさん :2018年02月20日 21:43 ID:zJ4ANQcn0*
    ※62
    ものがたりの中に普通の人生ではありえない激しい展開とかのわくわくを求める人もいれば割と人生でもありそうな何の変哲もないような話の中に共感出来るものを求めてる人もいる
    もちろんその他いろいろなものを求めてる人が居る、それぐらいのことは本・ゲーム・映画諸々のこの世に溢れてる数考えればわかるだろ
    どんだけ視野狭いんだ君
    64  不思議な名無しさん :2018年02月20日 21:50 ID:zJ4ANQcn0*
    文体無理な人は多そうだよね
    読んでる人はすぐわかると思うけど、この文体はライ麦から取ったって感じのこと言ってた気がする
    でもライ麦よりも話し手が大人なせいか少年的な許せる生意気さが無くなって気取ってるように感じられちゃうよね。そう感じたら辛そう
    まぁ自分はめちゃくちゃ好きだけど
    65  スマートnightさん :2018年02月21日 03:48 ID:489rupWw0*
    タイトルは手っ取り早く読み易くドッペルゲンガーの僕で しっくりくる 頭の中に流れてた曲は尾崎豊の太陽の瞳だった副題はラストクリスマスみたいだしピッタリだと思う。僕の知らない僕を見てるみたいな歌詞があるもん。
    ヴァニタスや輪郭よりは相応しいかな
    当てずっぽうで すまない。
    66  不思議な名無しさん :2018年02月21日 03:54 ID:8La1nCYW0*
    いつ見たか忘れたけど
    これ、昔見たことある!
    久々に見れて良かった(´∀`*)
    67  不思議な名無しさん :2018年02月22日 04:34 ID:QMr8D.6F0*
    ※63
    「この世に溢れてる数考え」て「おまえらホントこういうの好きだな。」と言ってる。それぐらいのことは分かるだろ?
    「どんだけ視野狭いんだ君」はそのままお返しする。
    68  不思議な名無しさん :2018年02月22日 21:34 ID:WC29.pBu0*
    天才
    69  不思議な名無しさん :2018年02月22日 21:37 ID:WC29.pBu0*
    >38
    なんかモヤモヤしてたけど原因はそれだわ
    70  不思議な名無しさん :2018年02月22日 21:46 ID:0yQXGTAo0*
    全く面白くねー...
    コレはひどいと思ったけどコメ見る限り面白いと思う人もいるもんなんだな
    71  不思議な名無しさん :2018年02月23日 21:22 ID:P2Fo.Sc40*
    スターティングオーヴァーか
    直感で買ったけどめちゃくちゃ面白かった
    この作者は本当に才能あると思う
    72  不思議な名無しさん :2018年02月23日 23:54 ID:ispTYjEU0*
    10年前にタイムスリップ?テメー、海江田組の阿久津か?
    73  不思議な名無しさん :2018年02月24日 02:27 ID:SXjBh.Ir0*
    過去に出会った人たちを具体的に思い出せない設定とか、なんかやっつけ感あって一瞬で萎えた
    74  不思議な名無しさん :2018年03月16日 17:16 ID:0VkWbZ9X0*
    春樹好きそうやなって
    75  不思議な名無しさん :2018年03月21日 13:14 ID:MLpFKi0N0*
    なんだ作り話か
    76  不思議な名無しさん :2018年03月22日 18:37 ID:ROHM0atP0*
    村上春樹のパクリかと思った
    77  不思議な名無しさん :2018年03月22日 23:52 ID:UlMYssI80*
    ストーリーは良いのに言い回しが諄いので胸焼けがする でも楽しめた
    78  不思議な名無しさん :2018年03月31日 01:16 ID:wdE2pxG80*
    俗に言うところの素人にしてはのレベルだろ

     
     
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