不思議.net

5ちゃんねる まとめブログ

アクセスランキング(5日間)
    本日のおすすめニュース

    不思議ネット
    とは

    不思議.netでは5ちゃんねるで話題になっているスレを厳選してお届けするサイトです。普段5chを見ない人でも気軽にワクワクできる情報サイトをころがけて毎日絶賛更新中!

    本日のおすすめニュース
    30

    デスピサロ『グオォォ……ァトは……キサマダケダ……ライアン』

    maxresdefault


    1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 09:20:08.788 ID:KtfOcLsWd
    バトランド王国

    ライアン「城下町に来るのも久しぶりだ」

    商人「あ、ライアン様!お久しぶりです」

    ライアン「道具屋の主か。久しぶりだな」

    商人「今回の遠征もご活躍されたそうで」

    ライアン「いやいや、私などまだまだだ。おっと大臣殿に呼ばれていたのであった。それではな」

    商人「ええ、機会があれば私の店にぜひ」

    商人(まだまだなどとご謙遜を)

    商人(ライアン様はこの王国一の戦士、義に厚く品行方正。まさに男の中の男)

    商人(……ポッ)

    バトランド王宮

    ライアン「大臣殿、お久しぶりです」

    大臣「ふむ、今回の遠征も大活躍だたったそうだな。帰ってきてそうそう悪いのがお主に頼みたいことがある」

    ライアン「なんなりと」

    大臣「お主には本来は休暇に入ってもらうはずだったのだが……何しろ緊急事態でな」

    ライアン「……して、任務の内容はどのような?」

    大臣「それはこれから王が正式にお主に申し渡す」

    ライアン「王が自ら?」

    大臣「さよう、このまま謁見の間に行くとしよう」

    引用元: デスピサロ『グオォォ……ァトは……キサマダケダ……ライアン』







    4: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:23:28.129 ID:KtfOcLsWd
    バトランド、謁見の間

    大臣「王、ライアンを連れてまいりした」

    王「うむ」

    ライアン「……」カシコマリ

    王「表をあげよ、ライアン」

    ライアン「はっ!」

    王「実はな、今この国では大変なことが起きている」

    ライアン「と、申されますと?」

    王「王国周辺の町や村から子供がたくさん行方不明になっている」

    ライアン「な、なんと」

    王「子は国の宝。お主には子供たちを拐かしてる者を突き止めて欲しい」

    ライアン「御意」

    王「大勢で動けば目立つ。一騎当千の強さを持つお前にしか頼めないことだ。頼んだぞ」

    再び城下町

    ライアン(子供たちが行方不明になる事件が起きていたとは……)
     
    ライアン(遠征で多少疲れているが休んでいる場合ではないな)

    ライアン「まずは城下町で聞き込みをするとするか」

    娼婦「はーい❤戦士様!遊んでかない?」  

    娼婦2「バ、バカ!何やってんの?その方はライアン様よ!」

    娼婦1「えっ?あの有名な?」

    娼婦2「申しわけありません。失礼をいたしましたライアン様。この子はまだ世の中ことを知らなくて」

    ライアン「はは、構わんよ。そうだな、この店で遊んでいくとしよう」

    娼婦2「……相変わらずお好きですねえ」

    ライアン「ルーシーを指名したい」

    娼婦「あ、やっぱりですか」

    5: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:26:40.301 ID:KtfOcLsWd
    熟女娼婦「煙草いいかしら?」

    ライアン「かまわんよ」  

    熟女娼婦「知りたい情報とは辺境のいくつかの村で子供たちが行方不明になってる件ですよね」

    ライアン「これは驚いた。さすがはルーシーだ」

    熟女娼婦「ここには自然とたくさんの話が集まって来ますからね」

    ライアン「して?」

    熟女娼婦「ライアン様はもしかしたら盗賊の類が子供たちを浚い売り飛ばしてでもいるとお考えでは?」

    ライアン「違うのか?」

    熟女娼婦「ええ、違います」

    ライアン(まさか……王国内部の者の?)

    熟女娼婦「それも違います」

    ライアン「何も言っておらんが?」

    熟女娼婦「顔に書いてあります。大丈夫、お仲間にそんなことをしている者はいないですよ」

    ライアン「……」ほっ

    熟女娼婦「行方不明の子供たちは自分から親の目を盗んで抜け出していたという話をたくさん聞きます」

    ライアン「……ほう、してお前の見解は?」

    熟女娼婦「魔術絡みかと、もしかしたら魔物の仕業かもしれません」

    ライアン「なんと」

    熟女娼婦「イムルの村へ行くのがよろしいかと。そこにあなたの求める情報があるはず」

    6: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:31:33.089 ID:KtfOcLsWd
    城下町 酒場 ライアン鎧を店に預けてカウンターで酒を飲んでいる

    ライアン(さて、ルーシーの話ではイムルの村周辺で事件が相次いでいるという話だが……)

    ライアン(もうバトランドでは有効な情報は集まらないか)

    店員「ご注文の品です」

    ライアン「ありがとう」

    店員「……」シュン

    ライアン(乳がデカいし美人だな今の店員。何やら元気がなかったが)

    ゴロツキ「ようフレア」

    店員「キャッ」

    ライアン(むっ、あのゴロツキ。美人店員に肩を回して……乳を掴んでいる!)

    ゴロツキ「相変わらずいい乳してんな」

    店員「や、やめてください」

    マスター「お客様、ここはそのような行為をする店ではありませんよ」

    ゴロツキ「ちっ、うるせえな。わかったよ」

    ライアン(……)スッ

    マスター「あの者、命拾いしましたねライアン様」

    ライアン「はて、なんのことか。それよりもマスター。あの女性、こんな遅くまで働かせててよいのか?見たところ若い娘さんのようだが」

    マスター「いえ、それが彼女本人に遅くまで働かせてくれと頼まれてましてね」

    ライアン「ほう」

    マスター「あの子は若いですが既婚者なんですよ。そして夫は現在行方不明中でしてね」

    ライアン(行方不明?……大人の行方不明者か)

    マスター「あの子はその夫の捜索費用を稼ぎたいってことで朝から晩まで働き詰めなんです」

    ライアン「……」

    7: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:33:09.679 ID:KtfOcLsWd
    次の日 朝

    ライアン(夕べは飲みすぎたな)

    ライアン(イムル村までは馬車で半日か)

    ライアン(大臣の話では馬車は使わないで欲しいとの話だったからな。歩いて行くとするか)

    ライアン「しかし、ルーシーの言うとおり子供たちを浚っているのが魔物の類なら馬車の手配から捜索の情報が漏れるということはないと思うがな」

    ライアン「せい!」

    スライム「キュウー」バタン

    ライアン「この辺は剣を抜くまでもない雑魚ばかりだな」

    ライアン「しかし群がってくるのはうざったい」

    ライアン「ふん!」ゴオオオオ

    魔物たち「!?」スタスタスタスタ ピュー

    ライアン「抑えていた闘気を解放した。しばらくは雑魚は寄って来ないだろう」
     


    他国の行商人「……すげえの見たわ」

    他国の行商人「熟練した戦士や武闘家は体内のエネルギーを自在に操ると言われるが……あの戦士はおそらく世界最高峰の実力を持つな」

    8: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:36:45.945 ID:KtfOcLsWd
    イムル村

    ライアン「ここがイムル村か。何気に初めて来たな」 

    村人「お、鎧の旦那。あんた冒険者かい」

    ライアン「ああ、そんなとこだ」

    村人「へえ、最近多いな」

    ライアン「ほう、ところでお主。聞きたいことがあるのだが」

    村人「なんだい?」

    ライアン「この村でたくさん情報の集まる場所ってどこかな?」

    村人「そりゃあ、宿屋がやってる酒場さ。と、言ってもあそこは村の連中が身内ネタ話してしてるだけのところだ。『湖の塔』の情報なんか出てこないぜ」

    ライアン「『湖の塔』?あの誰も入れない遺跡のことか?」

    村人「なんだ知ってるのか。そういや半年ほど前にあそこを攻略するなんて息巻いてた奴がいたな」

    ライアン「ほう、その者の名前は?」

    村人「たしか、アレクス」

    9: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:37:30.937 ID:KtfOcLsWd
    村の酒場 ライアン、カウンターで昼食をオーダー

    宿屋「冒険者さん、本当に酒はいいんだな?」

    ライアン「ああ、昨日飲みすぎてな。飯だけ頼む」

    宿屋「かしこまりましたぜっと」

    ライアン「……」

    ライアン(一見普通の村の宿屋兼酒場だが……やはり暗い雰囲気が漂っているな)

    村人「お前飲み過ぎだ」

    村人2「フレッド、私のかわいいフレッド。どこへ行ってしまったの?」

    村人「きっと無事さ。そのうちひょっこり見つかるさ」

    村人2「いつかっていつよ!」

    ライアン「……」パクパク

    ライアン(行方不明の子供の親か)

    宿屋「おい、お前。あの盗っ人に飯を持っててくれ」

    女将「ええ、またかい?あんなの飢え死にさせときゃいいだろ?」

    宿屋「そうもいかんだろ。村長からの以来だ」

    女将「はいはい」

    ライアン「……親父、盗っ人とは?」

    宿屋「ん?ああ、この間パンを盗んだ若者だ。ガキみたいなしゃべり方をする奴でな」

    ライアン「ほう」

    宿屋「そいつ、盗みを働いておいて『お腹が空いたからパンを食べただけ』とか言ったんだぜ」

    ライアン「ほう、なんだか興味が湧いたな。その盗っ人に食事を届けるのに同行してよいか?」

    女将「そんなことならアンタが届けてくれないかい?忙しくてね」

    ライアン「了解した」

    10: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:42:22.624 ID:KtfOcLsWd
    村の外れの地下の牢屋
     
    ライアン(わりと頑丈な造りの地下牢だな)

    ライアン(アレがパン泥棒か)

    アレクス「おじさん誰?」

    ライアン「ライアンという。お主の食事を届けに来た」

    アレクス「わあい、ありがとう。お腹ペコペコ」

    ライアン(ふむ、本当に子供のような話し方をする青年だな)

    アレクス「……」パクパク

    ライアン「……」

    アレクス「ごちそうさま」

    ライアン(この青年、髪はボサボサでヒゲは伸び放題どが……締まった体、手の豆。そこそこの実力者のはず。頭の足りない大人の雰囲気にはみえんのだが……)

    アレクス「どうしたの?おじさん」

    ライアン「お主、名前は?」

    アレクス「僕、アレクスだよ。もう7才になるんだ!」

    ライアン「……?もしやお前は半年前にここに訪れたという……」

    12: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:43:34.292 ID:KtfOcLsWd
    再び村の入口
     
    ライアン「少し聞きたいことがあるのだが」

    村人「ん、さっきの冒険者さんか。なんだい」

    ライアン「先ほど聞いたお主に冒険者と名乗ったアレクスという者。村の地下牢に捕まってる盗っ人と同一人物ということはないか?」

    村人「まさか?半年前にあった冒険者さんは凛々しい男前。あの盗っ人はボロを纏ったヒゲぼーぼーの浮浪者だぜ。俺の家に勝手に入りやがって」

    ライアン「よく思い出してくれ」

    村人「んん?そう言われると……あっ、そう言われると髪の色や背格好も同じだし鼻筋とか似てる」

    ライアン「何らかの原因で頭がおかしくなったのかもしれぬな」

    村人「本当かよ。じゃあこれ、もらわないほうが良かったかな?」

    ライアン「ん?」

    村人「パンの代金代わりにあいつからぶんどったんだが……」 

    ライアン「バンダナ……か。特に魔力等はこめられてないな」

    村人「やっぱりか?まあ野良仕事するときに頭に巻いてたんだが」

    ライアン「そのバンダナ。30ゴールドで私が買い取ろう」

    村人「へっ、30ゴールドも?いいのかい」

    ライアン「ああ、デザインが気に入った」

    村人「へへ、毎度」

    ライアン「……さて」

    ライアン「……」

    ライアン「バンダナの刺繍の文字『フレアより愛をこめて』……か。いろいろ繋がって来たな」

    ライアン「まずはバトランドに帰るか」

    13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 09:44:01.638 ID:NioCTNp00
    ライアンだけのDQ4やってみたい

    16: 以下、2ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 09:45:00.558 ID:pBOD6vEW0
    続き楽しみ

    17: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:46:18.095 ID:KtfOcLsWd
    バトランド城下町

    ライアン(ふう、しんどい。まさか短期間で往復することになるとわな)

    ライアン(もう早朝か。夜の仕事のフレアは今は寝てるか)

    ライアン(歩きづめだ。私も宿屋で仮眠を取ることにするか)

    ゴロツキ「よお、姉ちゃん。いいケツしてんな」

    フレア「きゃ、やめてください。配達が遅れます」

    ゴロツキ「ういー、ひっく。そんなことより俺と良いことしようぜ。夜は長い」

    フレア「もう朝ですよ?きゃっやめて触らないで」

    ゴロツキ「いいじゃねえか減るもんじゃねえし、な?」

    ライアン(……フレア、いつ寝てるんだ。それにいつもセクハラされてるな)

    フレア「誰か助けてえ!」

    ゴロツキ「へへ、誰も来やしねえよ」

    フレア「いやあ」

    ライアン「おい!」

    グイッ 

    ゴロツキ「な、何しやがる!」

    ライアン「女性に乱暴するのは許さんぞ」

    ゴロツキ「何ぃ?……って!てめえは?いや、あなたは王宮の戦士ライアン」

    ライアン「失せろ」

    ゴロツキ「く、くっわかったよ」

    ライアン「……」

    フレア「うわーん、ありがとうございます。怖かったぁ」

    ひしっ

    ライアン「お、おい」

    ライアン(くそっ抱きつかれてるのに鎧のせいで乳の感触がわからん)

    18: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:48:05.550 ID:KtfOcLsWd
    酒場

    フレア「ひっく……ひっく」

    女将「あんた。また悪いのに絡まれたのかい」

    フレア「……」 

    女将「注意力が散漫になってるからゴロツキにつけいられるんだよ。仕事どれか減らして毎日しっかり休みな」

    フレア「でも……でも……アレクスの捜索の依頼をお願いするにはお金がかかるし」

    女将「アレクス……もう半年も見つからないんだよ?あんただって本当は気づいて……」

    フレア「う、うわーん」

    女将「ご、ごめんよ。失言だった」

    ライアン(……声がかけづらい)

    女将「あ、ライアン様。本当にありがとうね。良かったらお礼に朝ごはんでもどうだい?」

    ライアン「それはいただきたいが、それよりも。偶然だが昨日そのアレクスと思われる人物を見つけたのだが」

    女将「……!?」

    フレア「……なん……ですって?」

    ライアン「このバンダナ、見覚えがないか?」

    フレア「こ、これは!私がアレクスに送ったバンダナ」

    ライアン「アレクスは今イムルの村にいる」

    フレア「そんな近くに……なぜアレクスは私に会いに来ないの?」

    ライアン「それが正気を失っているようでな」

    19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 09:50:33.276 ID:YQbfSbD90
    しえん

    20: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:50:47.017 ID:KtfOcLsWd
    バトランドの外

    フレア「早く、早くイムルの村に参りましょうライアン様。馬車の手配など待ってられません」

    ライアン(私は昨日一睡もしてないのだが)

    フレア「道具屋のおじさんをたたき起こして聖水をたくさん買ってきました。これで道中モンスターは寄ってこないはず」

    ライアン(この辺の雑魚はそんなの無くても少し闘気を放てば寄ってこないがな……眠い)

    フレア「さあ、行きましょう。ライアン様」

    ライアン「う、うむ」

    イムル村 地下牢  

    ライアン「この者、アレクスで間違いないか?」
     
    アレクス「お姉さんだれ?おっぱい大きいね」

    フレア「間違いありません!髪はボサボサでヒゲは伸び放題ですけど夫の顔を見間違うもんですか」

    村長「こりゃ、驚いた」

    フレア「アレクス、私よ!フレアよ!わからないの!?」

    アレクス「お姉さん、怖い。うわーん」

    フレア「思い出せないのね?じゃあこれならどうかしら?」

    ライアン「なっ!?フレア、何をしている」

    村長「ブー」鼻血タラタラ

    ライアン(上半身裸になって何をしているのだ?)

    アレクス「お、おっぱい」

    フレア「さあ、おいでアレクス」

    ライアン(鉄格子ごしに……フレアが乳をアレクスの顔に……あれは!ぱふぱふ!)

    ぱふぱふ ぱふぱふ

    アレクス「……ここは?お前は……フレアか」

    村長「き、奇跡だぱふぱふの刺激で正気を取り戻したか」

    フレア「アレクス-!」

    アレクス「フレア、一体どうしたんだ」

    村長「……良かった。良かったな。……うっ」

    21: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:55:15.819 ID:KtfOcLsWd
    フレア「ライアン様、村長、本当にありがとうございました」

    アレクス「聞けば私は正気を失っている間に盗みを働いたそうで」

    村長「何、パンの1つだ」

    アレクス「なぜあなたは私を保護してくださったのですか?」

    村長「正気を失っていたとは気付かなかったが、お主は綺麗な目をしていた。頭の足りない者でもしっかりと教育すれば更正すると考えておった」

    アレクス「な、なるほど」

    村長「なんせこの村は過疎が進む一方じゃ、あんた男前だしいい村の働き手になって嫁でももらってたくさん子供を作って欲しかったのだが」

    アレクス「……すみません。私たちはバトランドに帰ります」

    村長「ほっほ、冗談じゃ」

    ライアン「してアレクス、聞きたいことがあるのだが?」

    アレクス「はい、ライアン様。なんなりと」

    ライアン「そもそもお主はなぜ正気を失っていた?」

    アレクス「それが……その辺の記憶は未だに曖昧なのです。湖の塔で何か恐ろしいものと出会った記憶があるような」

    ライアン「湖の塔?あそこの湖は岩が多くて舟は出せない。特殊な流れで泳ぐのも無理だろう。どうやってあそこに行った?」

    アレクス「すみません。覚えていません」

    ライアン「そうか」

    アレクス「そうだ、この村の枯れ井戸!」

    ライアン「ん?」

    アレクス「この村の子供たちの秘密の遊び場になっている枯れ井戸の中、あそこで何かを見つけた覚えがあります」

    ライアン「……ほう」

    村はずれ 枯れ井戸

    村長「まったくけしからん。子供たちめ、こんな危なそうなところで遊んでいたとは」

    村長「ふむ、枯れ井戸の底には洞窟が広がっているようですな」

    ライアン「ここは何なのだ?」

    村長「私が子供の頃の時代に地下の洞窟の川から水を得るための井戸だったものですな。洞窟にはモンスターが住み着いているし、この下の周りの水は涸れてしまったので何十年も放置しています」

    ライアン「なるほど……村長、ここはもしかしたら一連の子供の行方不明に関係している場所かもしれない」

    村長「なんと……ライアン殿、まさかあなたはその調査中で?」

    ライアン「そのとおりだ。今から降りて調べてくる」

    村長「村の者……特に子供たちには絶対にここには近づかないように厳しく言っておきます」

    ライアン「うむ、それがいいだろう」

    22: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:58:04.526 ID:KtfOcLsWd
    枯れ井戸の底 洞窟が広がっている

    ライアン「なるほどこの辺は涸れているが奥のほうから水の流れる音がするな」

    ライアン(これは……お菓子の包み紙?イムルの子供たちが散らかしたのか。ここで遊んでいたのは間違いないな)

    ライアン「……それにしても……子供が遊ぶ場所にしてはずいぶんと物騒な気配が漂っているな」

    ライアン「とにかく奥に進んでみるか」

    ライアン「……」

    ライアン「……」

    ???「こっちへおいで」

    ライアン「!? 誰だ!」

    ???「こっちへおいで」

    ライアン(なるほど、これは永続的に誰にでも作用するトラップの一種か)

    ライアン(この声に……行方不明の子供たちは誘われたのか?)

    ???「こっちへおいで」

    ???「メラ!」

    バヒュン

    ライアン「!?」バチーン

    見習い悪魔「なっ?俺のメラを弾き返しただと?」

    ライアン「さて、モンスターか。1つ目にその衣装。『見習い悪魔』か、雑魚だな」

    見習い悪魔「な、なにい?ふん、大人には用はないお前はここで死ね」

    ライアン「ご託はいいかかってこい。これでも忙しい身だ」

    見習い悪魔「お前達、来い!」

    キラースコップ「キー!」

    見習い悪魔2「なんだ?どうした?ガキが来たら隠れろって命令だろ?」

    見習い悪魔3「うおっ!大人じゃねえか」

    キラースコップ2「キー!」

    見習い悪魔「5対2だおまえに勝ち目はない」

    ライアン「……」

    見習い悪魔「すぐには殺さねえぞ!お前が殺してくれと言い出すまでなぶってやる!」

    ライアン(……やれやれ)

    23: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 09:59:31.478 ID:KtfOcLsWd
    キラースコップ2「グギャアーーー」グチャ

    見習い悪魔2「ひいっメラっ!メラァ!な、なんで効かねえんだ ひっ」グチャッ

    見習い悪魔「……ひっ」ガクガク

    ライアン「お前で最後だな」

    見習い悪魔「頼む、見逃してくれ」

    ライアン「ダメだ。お前のさっきの発言は見過ごせない。ここで逃がせば誰かに危害を加える」

    見習い悪魔「情報を提供する!俺たちを使役してるのは……ウギャッ」グチャッ

    ライアン「モンスターもバカじゃないんだ。お前のような口の軽いものには詳細な情報を最初から明かさないのが奴らの手口だ」

    ライアン「……さて、『見習い悪魔』か」

    ライアン(新米の兵士でも時間をかければ倒せるような雑魚だが……こいつらはそれなりに知能が高い)

    ライアン(何かの役割を持たせて知能の高いモンスターを配置している。そしてこいつが最後に語った『自分たちを使役してる者』の存在)

    ライアン「これは一筋縄では征かなそうだ」

    ???「こっちへおいで」

    ライアン「またか」

    ???「そっちじゃないよ」

    ライアン(いいだろう。誘導に従ってやる)

    ライアン(さて、この先に何があるのか)

    25: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:00:59.843 ID:KtfOcLsWd
    涸れ井戸の底の洞窟、深部

    ライアン(だいぶ歩いたな。モンスターはあれ以来襲ってこないが……) 

    ???「そっちじゃないよ」

    ライアン「おっと、こっちか……ん?あれは……ホイミスライムか。一応退治しておくか」

    ???「そっちじゃないよ」

    ???「そっちじゃないよ」

    ライアン「ええい、すぐに戻る」

    プルプル

    ライアン(ん?なんだこのモンスター、襲ってこないし逃げもしない)

    ホイミン「こんにちは、ボクホイミン。人間になるのが夢なんだ」

    ライアン「う、うむ」

    ホイミン「人間と仲間になったらボクも人間になれるかな?」

    ライアン「それは無理だ」

    ホイミン「ボクを仲間にしてくれる?」

    ライアン「ん?まあ、いいよ」

    ホイミン「わーい、ありがとう」

    ライアン(ふふ、毒気のないやつだな。まあいろいろ情報を持ってるかもしれないし、連れていくとしよう)

    27: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:02:46.194 ID:KtfOcLsWd
    ???「こっちへおいで」

    ライアン「行き止まりか」

    ホイミン「声が止んだね」

    ライアン「お前はこの誘導トラップのことを知らされてないのか?」

    ホイミン「何のこと?」

    ライアン「もしかしてお前、この洞窟で生まれて育ったのか?」

    ホイミン「そうだよ」

    ライアン(これは情報は期待できないな)

    ホイミン「あれ?宝箱!?」

    ライアン「ん?そんなもの無かったぞ……本当だ」

    ホイミン「不思議だねえ。さっきまで何もなかったのに」

    ライアン「いや、これもトラップの一種だろう。そもそもこれを取らせたいからここに誘導していたはず」

    ホイミン「へえ」

    ライアン「開けるか。ホイミン、下がってろ!」

    ホイミン「え?どうして?」

    ライアン「この宝箱自体がモンスターかもしれん」

    ホイミン「え?わかった」スタスタ

    ライアン(さて、人食い箱なら問題ないが……ミミックならちと厄介だな)

    ライアン「それっ!」

    パカーン

    ライアン「……」

    ホイミン「……」

    ライアン「ホイミン、もうこっちへ来ても大丈夫だ」

    ホイミン「それは……靴……かな?」

    ライアン「そのようだな」

    29: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:04:14.484 ID:KtfOcLsWd
    イムルの村の涸れ井戸 外

    ホイミン「ねえ、結局その靴なんなの?」
     
    ライアン「おそらく……だが、何者かが魔力を込めたアイテムだな」

    ホイミン「へえ、しかし大きな靴だね」 

    ライアン「それは、これは宝箱を開けた者の足のサイズに大きさを変えるからだろう」

    ホイミン「なるほど、ライアンさん足大きいもんね」

    ライアン「さて、履いてみるか」

    ホイミン「……履くとどうなるの?」

    ライアン「これを作った者の立場で考えると……どこかに飛ばされるだろうな。おそらくこれはキメラの翼が素材に使われている」

    ホイミン「つまりどういうこと?」

    ライアン「見習い悪魔たちの発言からすると奴らは大人しか襲わないような節があった。そしてあの宝箱をわざわざ開けさせる……」  

    ホイミン「んー?例えば誰かが強くて好奇心の強い子供を探してる?」

    ライアン「そんなとこだろう。さて、ホイミン。お前は井戸の底に帰れ」

    ホイミン「え、ええ?」

    ライアン「ここからはおそらく危険だ」

    ホイミン「そ、そんなあ。ボクたち仲間でしょ?」

    ライアン「仲間だからこそだ。それでは達者で暮らせよ」

    はきはき

    ホイミン「……」

    ホイミン「えい!」ひしっ!

    ライアン「あ、こら」

    バヒューン

    30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:06:25.675 ID:6L4VoUl+0
    支援

    31: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:06:36.426 ID:KtfOcLsWd
    湖の塔

    バヒューン

    ライアン「やはりキメラの翼と同じ効果」

    ホイミン「わあーい。お空を飛んでる」

    ライアン「まったく。ホイミン、自分の身は自分で守れよ。おそらくここからは私は余裕が無くなる」

    ホイミン「りょーかーい」

    ヒューン スタ!

    ホイミン「わわ!」ズデーン

    ライアン「だ、大丈夫か?ホイミン」

    ホイミン「うん、大丈夫。ライアンさんは着地上手いねえ」

    ライアン「キメラの翼を使うのは慣れてるからな。その応用だ」

    ホイミン「へえ、ところでここは……もしかして湖の中の島かな?飛んでるときにチラっと見えたけど」

    ライアン「……!?ホイミン、さっさと浮いて離れろ!」

    ホイミン「え?」

    ライアン「敵だ」

    リリパット「おいおい大人だぜ。ガキを射殺すだけの簡単な仕事じゃなかったのかよ?」

    ベビーマジシャン「大して変わらんだろ?たったの一体だ」

    リリパット2「まあ、そうだけどよ」

    ライアン「くそっ、嫌な予感はしていた。待ち伏せか」

    ベビーマジシャン2「お、なんだ?この数を前に動揺してんのか?おっさん」

    ライアン「貴様ら!ここに飛んできた子供たちはどうした!?」

    リリパット3「ガキ?決まってんだろ。そこに転がってるの見ろよ。けけけ」

    ライアン(……!?子供の死体、それに白骨死体も多数)

    リリパット4「けけけ」

    ライアン「貴様らぁ!」

    ベビーマジシャン「おっさん、お前もそこの死体の山に加えてやるよ!……ヒャド!」

    キュイイン

    33: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:09:01.100 ID:KtfOcLsWd
    ライアン 暗黒闘気を纏う

    ライアン「子供たちの苦しみ!思い知れ!」

    ベビーマジシャン「……」

    ライアン「この!……この!」

    グチャッ グチャッ

    ライアン「……くっ」

    ホイミン「ライアンさん!もうみんな死んでるよ!」

    ライアン「……ホイミン」

    ホイミン「憎しみの心で戦ってはダメだよ。目的を果たしたのに敵を踏みじってはダメだよ!」

    ライアン「……」

    ホイミン「ボクはそうやってモンスターになってしまった人間をたくさん見てきたんだ」

    ライアン「……!?」

    ホイミン「……子供たちを弔ってあげよう」

    ライアン「……そうだな。すまなかった」

    ホイミン「……」

    ライアン「どうかしてた。まずはイムルの村に戻ろう」

    ホイミン「うん」



    ??? 「ほう、逸材だな。できれば我が配下に加えたい。ライアン……か、覚えておこう」

    34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:09:07.139 ID:SDjAA/7/0
    支援

    35: 以下、2ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:09:18.464 ID:M990xw2ra
    わくわく

    36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:10:40.710 ID:6L4VoUl+0
    ダイの大冒険かよ!

    38: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:12:42.501 ID:KtfOcLsWd
    イムルの村 葬式が行われている
    村中のみんなが泣いている

    村人「うわああフレッド、フレッドーーーー!!」

    村人2「どうしてこんなことに……」

    村長(薄々と覚悟はしていたが……まさか行方不明の子供たち以上の死体が見つかるとは)

    ライアン「……」

    村長「ライアン殿、心から礼を言う。貴殿のおかげでこの子らを弔ってあげれる」

    ライアン「……うむ」

    村長「……」

    ライアン「村長、後で王国に報告しておく、身元不明な子供たちの遺品を整理しておいてくれるか?おそらく他の町や村の子供だ」

    村長「了解した。遺族が訪ねて来たら即座に遺品と骨つぼを渡せるようにしとく」

    ライアン「頼んだ。私はこれで失礼する」

    村長「ライアン殿……どこへ?」

    ライアン「私はこの惨劇の首謀者を倒してくる!」

    村人「!?」

    村人2「!?」

    ライアン「皆、待っていてくれ!子供たちの仇は私が取ってくる!」

    39: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:13:58.014 ID:KtfOcLsWd
    再び、湖の塔 ライアン、鬼神のごとくモンスターをなぎ払い塔を登る

    モンスター「ひっ……化け物……ギャッ」 グチャッ

    ライアン「うおおおおお」
     
    モンスター2「おい、これ以上は進ませるな!あのお方のところに辿り着いてしまうぞ!」

    モンスター3「ってもお前、あの化け物どうやって止めるよ?あっ、階段登ってきた。俺は逃げるぞ」

    モンスター2「お、おい!グギャアーーー」グチャグチャッ

    ライアン「ふーっ……ふーっ」

    ホイミン「ラ、ライアンさん!落ち着いて!」

    ライアン「大丈夫だホイミン。自分を見失ってはいない」

    ホイミン「……」

    ライアン「首謀者を倒さなければまた新たな犠牲者が出る」

    ホイミン「でも!でも!もう剣がボロボロだよ?」

    ライアン「何?」

    ホイミン「ほら、崩れ落ちちゃった」

    ボトッ

    ライアン「くっ、長年愛用してきた『銅の剣』が」

    40: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:16:08.608 ID:KtfOcLsWd
    ホイミン「いったん町に戻ろう?」

    ライアン「ダメだその隙に逃げられるかもしれん」

    ホイミン「うーん……あ、宝箱!」

    ライアン「今はそんなのにかまってられん」

    ホイミン「素手で戦うわけにもいかないでしょ?もしかしたら武器が入ってるかも。行ってみよう」

    フワフワ

    ライアン「……」

    ホイミン「中身武器だといいね」

    ライアン「そんなわけなかろう。なぜモンスターたちが……待て、何か書いてある」

    ホイミン「ふーん?」

    ライアン「ここまで辿り着いた強者よ汝に『破邪の剣』を授けよう」

    ホイミン「破邪の剣?強そうな名前だね」

    ライアン「この遺跡を建てた古代人の残したものか……ありがたく使わせてもらうとしよう」

    ホイミン「なんでモンスターはこれ開けなかったんだろ」

    ライアン「結界だな。邪悪な心を持つモンスターは宝箱周辺に近づけない仕掛けだ」

    ホイミン「え?ボクは平気だよ」

    ガチャッ

    ライアン「だろうな。……ふむ、良い剣だ」

    ホイミン「なんだか魔力もこもってるね」

    ライアン「うむ、よし!ホイミン、いくぞ!首謀者を倒すぞ!」

    ホイミン「うん!」

    41: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:20:02.927 ID:KtfOcLsWd
    最上階 法衣を纏った悪魔風のモンスターと目玉の化け物が2体そこに待ち構えていた

    ピサロの手先「まったく、とんでもない人間もいたものだな」

    ライアン「言い残す言葉はそれだけか?」

    ピサロの手先「……待て、話を聞け」

    ライアン「……なんだ?」

    ピサロの手先「実は私はある尊いお方の命で動いている」

    ライアン「……」

    ピサロの手先「その内容は『勇者の子供を見つけ出し、成長しないうちに抹殺せよ』だ」

    ライアン「!?……勇者?」

    ピサロの手先「予言にあったのだ。近々勇者が現れ、地獄の王を倒すだろうとな」

    ライアン「地獄の王……エスタークのことか?何をバカなそんなものは伝説上の存在た」

    ピサロの手先「くくく、そう思ってるのは人間たちだけだ」

    ピサロの手先「ライアンと言ったな。こちら側にこないか?」

    ライアン「……」ギロッ

    ピサロの手先「お前にはその素養がある。実は何をかくそうワシも元人間でな」

    ライアン「お前が……元人間だと?」

    ピサロの手先「自分で気づいてないのか?お前が先日この塔の入り口に現れたときは暗黒闘気を纏って戦っていた」

    ライアン「……!?なん……だと?」

    ピサロの手先「今日は光の闘気を纏っているようだが……お前は今、魔と人間の間で揺れている」

    ライアン「!?」

    43: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:22:46.723 ID:KtfOcLsWd
    ホイミン「ライアンさん、耳を貸しちゃだめだ!あなたは人間だよ」

    ライアン「……ホイミン」

    ピサロの手先「はっーはっは。どこの世界に!モンスターと行動を共にする人間がいるというのだ?」

    ライアン「……」

    ピサロの手先「暗黒闘気に身を委ねよ。快楽のままに殺戮を繰り返せ、さすれば私のようにいずれ肉体すら変化して強くなれる」

    ライアン「……」

    ピサロの手先「私の仲間になれば何でも用意してやろう。酒、女、いたぶる相手、何でもだ」

    ライアン「……黙れ……だまれ!」

    ピサロの手先「闇に墜ちろライアン、快楽はいいぞぉ。私の場合それは真面目に人間の神官なんぞしていたのがバカバカしくなるくらい素晴らしいものだった」

    ホイミン「黙れ!」

    ピサロの手先「むう」

    ホイミン「ボクは人間になりたい!ライアンさんのような立派な人間になりたい」

    ピサロの手先「……?」

    ホイミン「そんなボクの目標のライアンさんがお前の仲間になんかなるもんか!」

    ピサロの手先「この、ホイミスライム風情が!」

    ライアン「はっーはっは」

    ピサロ(……なんだ?ちっ、光の闘気の力が増した)

    ライアン「そうか、ホイミン。お前は人間の私に憧れてくれるか」

    ホイミン「うん!」

    ライアン「なら、少し恰好付けなければな」

    ゴォォォォ

    ピサロの手先「くっ……なんたる出力」

    ライアン「話し合いは終わりだ。お前を倒す」

    ピサロの手先「クソォ!大目玉ども、かかれ!」

    ライアン「ホイミン!階段の下まで下がっていろ!」

    ホイミン「うん!」

    44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:23:55.082 ID:6L4VoUl+0
    ミストバーンかよ!

    45: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:27:36.069 ID:KtfOcLsWd
    大目玉「ケェ~」

    ライアン「ふん!」スパァーッ

    大目玉「ギャアーーー」ボトッ

    大目玉2「……」ビクッ

    ライアン「はっ!」スパァーッ

    大目玉2「グギャッ」ボトッ

    ライアン「……」ユラリ

    ピサロの手先「そんなバカな!大目玉共が……一瞬で」

    ライアン「あとはお前だけだ」

    ピサロの手先「この……化け物がァァ!……ギラーーーー!」

    ボォッ!

    ライアン「ふん!」

    シュウウ

    ピサロの手先(……私の最強の魔法が……単なる闘気の放出でかき消された……万事休すか……)

    ライアン「死ね」スパァーッ

    ピサロの手先「ピサロ様ーーー」ボトッ

    ライアン「……終わったか」

    ライアン「子供たちよ、仇はとったぞ」

    ホイミン「……」ヒョコッ

    ライアン「ホイミン、もう登ってきて平気だぞ」

    ホイミン「うん」

    フワフワ スイーッ

    ライアン「……『ピサロ』か。何者か知らんが覚えておこう。そいつを倒さないかぎり惨劇は終わらないかもしれない」
     

    ???「行ったか。さて、ライアン……これからどちらに転ぶか。ルーラ!」

    ヒューン

    48: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:32:08.626 ID:KtfOcLsWd
    バトランド王宮 謁見の間

    王「此度の活躍、誠に大義であった」

    ライアン「はっ!有難きお言葉、身に染みいります」   

    王「イムルの村からも礼が来ておる。子供たちの仇を取ってくれてお前に本当に感謝してるそうだ」

    ライアン「ははっ!」

    王「して、湖の塔の最上階に潜んでいた魔物のことなのだが……」

    ライアン「……?」

    王「お前の報告通り、元々は人間だったようだ。そやつの容貌は著しく変わっておったが、死体のアザや傷に見覚えがあったものがおった」

    ライアン「なんと」

    王(娼婦の発言ね)

    王「とにかく、今回の件でお前に特別な報酬を出そう。何か望みはないか?」

    ライアン「……」

    ライアン「さすれば王、ぜひに希望することがございます」

    王「なんだ?」

    ライアン「無期限で……お暇をいただきたいのです」

    王「な、なに?それは王宮の戦士を辞めるということか?ならぬ、それはならぬぞ」

    大臣「そうだ。お主のような優秀な人材を失うなどありえん」

    ライアン「まだ若き勇者を……探し出して守護したいのです」

    王、大臣「!?」

    ライアン「それはいずれバトランドの繁栄にも繋がると考えております」

    王「う、うーむ」

    49: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:33:44.547 ID:KtfOcLsWd
    バトランドの国境付近

    ホイミン「お別れだね。ライアンさん」

    ライアン「ああ、そうだな」

    ホイミン「もうついて行きたいなんてわがままは言わないよ。これからのライアンさんの旅は過酷なものになるんだよね?」

    ライアン「……ああ」

    ホイミン「ボクは……必ず人間になる」

    ライアン「お前なら……なれる。今は本当にそんな気がする」

    ホイミン「へへっ」

    ライアン「湖の塔の最上階での戦いでのお前の言葉、本当に心強かった」

    ホイミン「……」

    ライアン「私たちは仲間だ。またいつか会おう」

    ホイミン「……うん」

    50: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:36:02.861 ID:KtfOcLsWd
    5年後 ハバリア地方、キングレオ城下町

    娼婦「おじさーん、また遊んでね」

    ライアン「ふむ、また来る」

    ライアン(今の子、美人だがずいぶん若かったな。もう少し私と年の近い女性が良いのだが)

    ライアン(それに……情報は……また空振りか)

    ライアン「勇者……どこにおるのだ」

    ドカッ

    ライアン「こ、これは失礼した」

    盗賊「どけっおっさん」

    商人「泥棒ーーー!」

    ライアン「盗っ人か?待て!」

    盗賊「へへっ、ウスノロ共が俺に追いつけるかよ。あばよ!…………って!速えええ!なんだお前は?」

    ライアン「ふん!」

    盗賊「ギャア!」

    ライアン「動くな。キングレオ城の衛兵に突き出してやる」

    盗賊「アイテテテ、何者だよおっさん」

    商人「ああ、ありがとうございます。その商品を失えば私は破産するところでした。ぜひお礼をさせてください」

    ライアン「む?礼など言葉だけで良いが?」グギュルルー

    ライアン(む、先ほどハッスルしたせいで腹の虫が)

    ライアン「失敬」

    商人「どうやら空腹のようで、夕食をご馳走させていただけませんか?」

    ライアン「む、まあそれくらいなら。お言葉に甘えるとするか」

    51: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:40:07.295 ID:KtfOcLsWd
    酒場 商人が豪勢な料理をたくさん注文している

    ライアン「おいおい、こんなに食いきれんぞ」

    商人「まあそう言わずに、粗末な食事のお礼では私の気がすみませぬ」

    ライアン「むう、そうか。では遠慮なくいただくとしよう」

    商人「しかし、どこかでお見かけしたと思っていたのです。まさかバトランド王国の戦士、ライアン様だったとは」

    ライアン(ああ、一応私はまだバトランドに所属してるんだっけな)パクパク

    ライアン(うまっ!)パクパク

    商人「実は5年ほど前に私はバトランドであなたにお会いしています」パクパク

    ライアン「む、すまぬ。記憶にない」

    商人「ははは、そうでしょう。私は魔物除けに闘気を放つあなたを陰から見ていただけですから」

    ライアン「……ふむ」パクパク

    商人「あんな力強い清々しい闘気は滅多にお目にかかれない。そういえば、以前お会いしたサントハイムのお姫様も同じような闘気を放っていました」

    ライアン「アリーナ姫か、よく聞く名だな。しかし、なんなのだ?この国は。3日ほど前に流れてきたがずいぶんと治安が悪いな」パクパク

    商人「……確かにそうですね、王が先々代の頃はとても豊かで住みやすい国だったのですが」

    ライアン「ほう」

    商人「ある日バルザックとかいうどこの馬の骨ともわからない者が王に即位しましてね。それからこの国はおかしくなった」

    ライアン「それが先代か……して、その王は?」

    商人「暗殺されたとされています。噂では大男一人と年場もいかぬ少女2人の犯行だったとか」

    ライアン「……ほう」

    商人「そして今の王は先々代の息子を名乗っているのですよ」

    ライアン「名乗っている?」

    商人「それがですね。誰もその姿を見たことがないのです」

    52: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:41:54.733 ID:KtfOcLsWd
    ライアン「それは実は存在しないとかいうオチでは?ほら、実は家臣が謀反を起こしていたとか」

    商人「はは、面白いことを言いますな。あり得るでしょうね」

    ライアン「……」

    商人「しかし、こんな噂もあるのです。今の王は魔物になってしまった元人間だと」

    ライアン「……!?」ガタン

    商人「どうされました?」

    ライアン「いや、何でもない。して、その根拠は?」

    商人「はあ、依然商人仲間が王に謁見したのですがね。ベールの奥から聞こえてきた王の声は先々代のご子息のものそのものだったと」

    ライアン「ふむ、それでは王は単にその元王子なのでは?」

    商人「それが……その商人が献上した珍しい獣の肉をあっという間にその場で平らげてしまったとか」

    ライアン「……ベールの奥でか?」

    商人「はい。物凄い音を立てて食べてしまったと」

    ライアン「ちなみに……その珍しい獣の肉の量は?」

    商人「ウシ1頭分だったそうです」

    ライアン「……」

    53: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:46:43.999 ID:KtfOcLsWd
    3日後、キングレオの城下町 娼婦の館

    娼婦「あん……あっあっあっ……激しい、激しいわライアン様」

    ライアン「うおおおおお」ピュルピュルピュルピュル

    娼婦「ハアハア……こんなの……初めて」

    ライアン「ハアハア……良かったぞ。これはチップだ」

    娼婦「こ、こんなに?ありがとうライアン様」チュ



    ライアン「同僚が次々と王宮に召し抱えられる?」

    娼婦「ええ、特に人気が無くなった娼婦とか……その、年増の娼婦とか」

    ライアン(だからここの娼婦はみんな若いのか)

    娼婦「でもモンバーバラの若い美人の女の子の一団が城に入っていったのを見た人もいるわ。王様、何がしたいのかよくわからないわね」

    ライアン「……?」

    娼婦「はぁ、実はね私だってこんな仕事に就く前は……そこそこの家庭で育ったの」

    ライアン「ほう」

    娼婦「ある日両親が失踪して、なぜかたくさんあったはずの財産は借金ってことになって……って暗い話をしちゃったわね」

    ライアン「いや、構わぬ。……もしかしてお主も王宮で働きたいのか」

    ブンブン

    娼婦「まさか!」

    ライアン「む?」

    娼婦「実は……王宮務めとして召し抱えられた身寄りのない者たちは……その後音信不通になるの」

    54: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:50:39.475 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ周辺 ライアンが路銀稼ぎ兼鍛錬で徘徊するモンスターを倒してる

    キングスライム「プルプルー」ボンッ

    ライアン「ふぅ、この王冠は高く売れそうだ」

    ライアン(しかし……ヘルビートルにキングスライム。ずいぶんと強いモンスターが徘徊してるな)

    ライアン(強いモンスターが徘徊してるのはその地域の兵士がサボってる証拠だからな)

    ライアン(バトランド地方など無限に湧く雑魚はともかく、強いモンスターなど一匹もいなかったものだが)

    娼婦「はーい❤ライアンさん奇遇ね」

    ライアン「お、お主は昨日の……何をしているのだ?こんな危険なところで」

    娼婦「ちょっと遠征でーす。少し離れたところに住んでる貴族様に呼ばれて」

    ライアン「護衛は?」

    娼婦「そんなの雇えるわけないじゃないですか。まあ、モンスターに遭遇するかどうかなんて運次第ですよ。昼間ならよほど運が悪くないかぎり大丈夫」

    ライアン「それはまあ、そうだが」

    娼婦「……」

    ライアン「どうした?」

    娼婦「く、腐った死体かな?あれ」

    ライアン「遭遇したではないか。私の後ろに隠れろ」

    娼婦「は、はい」スタスタ

    55: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:52:37.181 ID:KtfOcLsWd
    ライアン 娼婦を庇いながら剣を構える。遭遇したモンスターは博識なライアンでも知らないものだった。

    ライアン(ゾンビ系か?返り血で臭いが付くと嫌だな)

    娼婦「……」ワクワク

    ライアン「唸れ、破邪の剣よ!」

    ゴォォ

    娼婦「す、すごおおい。ライアンさん、魔法が使えるの?」

    ライアン「いや、この剣の性能だ」

    ライアン(もっとも、普通に切ったほうが強いから滅多に使わんが)

    モンスター「あ、あ、熱い……助けて」

    ライアン「……?喋った?」

    娼婦「あれ?腐った死体って単なる誰かが動かしてる死体じゃなかったっけ?」

    モンスター「助けて……レナ……」

    娼婦「……え?……そんな」

    ライアン「……どうした?」

    娼婦「いやあアアア 母さん!母さん!」

    ライアン「ど、どうしたのだ?落ち着け!」

    56: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:55:23.786 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ城下町 酒場

    商人「薬が効いたようでよく寝てます。落ち着いたようですね。実はあの子は私も懇意にしてる子でして」  

    ライアン「いったい……どういうことだ?」

    商人「彼女が言った通りでしょう。……失踪した彼女の母親が……モンスターとして徘徊していた」

    ライアン「!?」

    商人「……進化の秘法」

    ライアン「な、なんだそれは?」

    商人「私が裏ルートで手にした情報です」

    ライアン「だからなんだそれは?」

    商人「簡単に言うと……人間を怪物に変えてしまう何かです」

    ライアン「……なん……だと?」

    商人「私は……キングレオ城内では何らかの大規模な人体実験がされていると睨んでいます」

    ライアン「許せん!キングレオ王め!成敗してくれる!」

    商人「……焚き付けた形になってしまいましたな。申し訳ない」

    ライアン「いや、いい。もっと情報をくれぬか?」

    商人「……はい」

    ライアン「……何人も城に入れない?」

    商人「ええ、このキングレオの圧政を嘆いた有志が今まで何人も王の暗殺を試みました」

    ライアン「……」

    商人「しかし、衛兵にガチガチに固められた通路以外から城に入ろうとすると……なぜか元の場所に戻ってしまうのです」

    ライアン「幻術の結界か。面倒だな。正面突破すれば問題なかろう」

    商人「あ、ライアン様!」

    57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 10:55:40.680 ID:/I/FjoFM0

    58: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 10:59:06.438 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ城 門

    衛兵「なんだ貴様は?夜は何人たともこの城には……うっ」

    衛兵2「え?相棒どうした…あっ」

    ライアン「しばらく眠っていてもらうぞ」

    ライアン「むっ、扉が開かぬか」

    ゴォォ

    衛兵2(ッ……なんてデタラメな量の闘気だ?やばい、このまま気絶したふりしとこ)

    ドカーン

    ライアン「よし、押し通る!」

    キングレオ城内深部 そこは異臭と血と死体であふれかえり、異形の怪物が徘徊していた。『進化の秘宝』とはいったい何なのか!   

    異形の怪物の群れがライアンに襲いかかる。

    ライアン「うおおおおお!」

    モンスター「ギャアーーー」ブチッ

    ライアン「元罪なき人間のなれの果てかもしれぬが……容赦はせん!」

    モンスター「グォオオ!」

    ライアン「来い!」

    スパァッ!

    グチャ!

    ゴォォ

    ライアン「ハアハア……謁見の間には誰もおらぬか」

    ライアン「というより人間は一人もいないではないか!何なのだ?この城は」

    モンスター「ガルルル」

    ライアン「遅い!」スパァッ

    モンスター「グッ」ボトッ



    ライアン「異形の者の数が減ってきた……この奥から凄まじい闘気と魔力を感じるな」

    ライアン「……この感じは暗黒闘気か」

    59: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:01:51.598 ID:KtfOcLsWd
    ライアン、不穏な気配が漂う扉の前で前進を躊躇する。

    ライアン(くっ、この私が……足が震えているだと?)

    ガクガクガク

    ライアン(この奥にいったい何がいるんだ?)

    グッ

    ライアン「しかし、見過ごすわけなはいかん。行け、ライアン!」ズズズ

    ヒュン!

    ライアン「後から!……ちっ」

    ガキン!

    ライアン(……破邪の……剣?)

    勇者「マーニャさん!ミネアさん!少し下がって!このモンスターは今までの奴とは別格だ」 

    ライアン「……」

    ライアン「……なんと……間違いない……あなたは……」

    マーニャ「バカッよく見なさい!」

    ミネア「その方は人間よ!」

    勇者「ええ?」

    ライアン(この、輝くような剣に込められた闘気……間違いない……この少年は……勇者だ)

    60: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:03:44.293 ID:KtfOcLsWd
    マーニャ「どうやったらこの人をモンスターと間違うのよ?」

    勇者「あれ?おかしいな」

    ミネア「とりあえず謝りなさい」

    勇者「あの、斬りかかってすみませんでした」

    ライアン「……」フルフル

    マーニャ(何?このおっさん)

    ミネア(号泣してる)

    勇者「……?」

    ライアン「あなたは……勇者殿ですな?」

    勇者「え?ええ、まあ」

    ライアン「私はバトランドの戦士ライアン……!?」

    ???「オオオオオオォォ」

    勇者「……くっ」

    マーニャ「キングレオ……この雄叫びはできればもう聞きたくなかったわ」

    ミネア「申し訳ありません。戦士様、私たちは急いでいます」

    ライアン「……奥の魔物を討伐するのか?」

    勇者「……はい!」

    ライアン「勇者殿、私も加勢しよう」

    61: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:05:30.673 ID:KtfOcLsWd
    ライアン「はあ!」

    ゴオォォォ

    勇者「!?」

    マーニャ「!?」

    ミネア「!?」

    ブンッ

    ライアン「僭越ながら私が先頭を務めよう。3人とも相当の手練と見た」

    勇者「……ゴク」コクン

    ミネア(この光の闘気)

    マーニャ(アリーナすら遙かに上回る。この人が加勢してくれるなら……いける)

    ???「オオオオオオォ」

    ライアン(足の震えはいつの間にか止まってる)

    ライアン「いくぞ!」

    62: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:08:05.342 ID:KtfOcLsWd
    扉の中に押し入るライアン、勇者、マーニャ、ミネアの4人
    そこには四本の足と四本の腕を持つ獅子のような怪物が待ち構えていた。

    キングレオ「オオオオオオ」

    勇者「な、なんだ?あれ」

    マーニャ「一通り説明したでしょ」

    ミネア「キングレオ王よ」

    ライアン「……手強いな」

    キングレオ「誰が侵入してきたかと思えば、あの時の小娘2人か。今度は八つ裂きにしてやる。あの男のように無様にな」

    ミネア「……!?」

    マーニャ「それは……オーリンのことかぁぁ」

    ライアン「……」

    キングレオ「オオオオオオォ」

    ライアン「お主、熱くなるな」

    マーニャ「ああ?」

    ライアン「挑発して相手を揺さぶる。……余裕がないと白状しているようなものだ」

    キングレオ「……くっ」

    ライアン「せい!」ブンッ

    63: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:10:51.263 ID:KtfOcLsWd
    ゴォォ

    ライアン「はっ!」ブンッ

    ガギン!

    キングレオ「……ォォオオ!」

    ズズズッ

    プシュー

    マーニャ(嘘でしょ?)

    ミネア(何をやっても効果がなかったキングレオの鋼のような肉体が……出血して押されてる?)

    勇者「……」バチバチ バチバチ

    ライアン「ハア!」ブンッ

    ガキン!

    ガキン!

    キングレオ「ぬうう」

    ライアン「何をしている!?援護してくれ!」

    マーニャ「!?…………」キュイイイン

    勇者(今から詠唱始めるの)

    ミネア「わ、わかったわ」

    勇者「ライデイン!」

    キングレオ(!?……デイン系だと?)

    ピカッ

    ドーン!

    キングレオ「ぐおおおおお」ビリビリ

    65: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:13:32.992 ID:KtfOcLsWd
    ライアン(勇者殿、肝が据わってるようだな。それに今の魔法は……デイン系の魔法か。初めて見た)

    ミネア「バギ!」

    ヒュン!

    マーニャ「メラミ!」

    ボォ!

    キングレオ「ぐぬぬぬ」ジュウ

    勇者「効いてる!」

    ライアン「はあ!はあ!」

    ギン!

    ガキン!

    キングレオ「……調子に……乗るなあ!」

    ゴオオ

    ライアン(くっ……ブレス攻撃!しかもドラゴン並みの威力)

    勇者「……くっ」

    マーニャ「……ちっ」

    ミネア「……」ガクッ

    66: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:15:18.079 ID:KtfOcLsWd
    マーニャ「勇者、ミネアが気絶した」

    勇者「また!?」

    マーニャ「下がって魔法で治療して!こいつはこの戦士さんと2人で仕留める」

    勇者「……了解」

    ライアン「……」

    マーニャ「聞こえてたかしら?戦士さん」

    ライアン「ああ」

    マーニャ「とっておきを出す。時間を稼いで欲しい」

    ライアン「!?……承知した」

    キングレオ「むうっさせるか!」

    ライアン「おっと!お前の相手は私だ」

    ギン!

    ギン!

    ライアン(くっ、パワーが違いすぎる)

    ライアン(少しでも気を抜いたら死ぬ)

    ライアン(……しかし)

    ライアン(この怪物はあのハレンチな恰好の娘を異常に警戒している。時間を稼げさえすれば!)

    ライアン「ふん!」ゴオォ

    キングレオ「オオオオオオ」

    ライアン「うおおおおおぉぉ!」

    67: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:17:37.469 ID:KtfOcLsWd
    しばらくは善戦していたライアン しかし、とうとうパワー負けして吹っ飛ばされ壁に激突する。

    ドンッ

    ライアン「グフッ」ゴプッ

    キングレオ「後はお前だけだーーー!小娘!」

    ライアン「す、すまぬ……娘」

    マーニャ「いいえ、上出来よ。戦士さん」

    キュイーーーン

    ライアン(おお、何という魔力)

    マーニャ「終わりよ……キングレオ」

    キングレオ「……ひっ!」

    マーニャ「メラゾーマ」

    ゴオォォ

    ゴオォォ

    ゴゴゴゴゴゴオオオオオオ

    キングレオ「ひっ、炎……あっ……グギャアアアアア」

    ゴゴゴゴゴゴオオオオオオ

    ライアン「ゲホッゲホッ……見事だ!」

    68: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:19:28.871 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ城内 キングレオの焼死体が転がってる

    アリーナ「まーた美味しいとこマーニャに持ってかれたわね」

    マーニャ「……あんたは本当に戦いが好きなのね。わからないでもないけど」

    ライアン「ゴフッ」コポコポ

    アリーナ「クリフト、助かりそう?その人」

    クリフト「もちろんです。全身を複雑骨折してますが……何とかしてみせます」ポヮ

    ライアン「かたじけない」

    クリフト「あ、喋らないでください」

    ???「姫様、城内の怪物、一掃できました」

    ???「わっ、破邪の剣が……2本?」

    ???「ミネアさんが目覚めませんが怪我は大したことないしほっときましょう。クリフトさん。僕もその人の治療に参加します」

    ライアン(……意識が……)

    ライアン(遠く……)

    69: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:21:25.184 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ城下町の宿屋にライアンが寝かされている 例の商人や娼婦 それにアリーナが見守っている

    ライアン「ぐっ……うぬぬ」ガバッ!

    ライアン「勇者殿!危ない!」

    ライアン「……夢か……ん?」

    娼婦「わあっ良かった!ライアン様。死んだかと思った」ヒシッ

    商人「ふう、良かった」

    ライアン「……む?キングレオ城は?どうなった?」

    アリーナ「城の中は今、町の人たちが見聞に入ってるわ。私の仲間もそれに大忙しでね」

    ライアン「……そ、そうか。キングレオ、倒せたのだな」

    アリーナ「あなた、骨折は?」

    ライアン「む?……」グワングワン

    ライアン「どこも折れてないようだ。お仲間の術士、大した腕だ」

    アリーナ「良かった」

    ライアン「……あなたは何者だ?見たところ高貴な血筋の方のようだが」

    アリーナ「アリーナ」

    ライアン「おお、あの有名な武闘家、アリーナ姫かお初にお目にかかる。私はバトランドの戦士、ライアン」

    アリーナ「もちろん知ってるわ。よろしく」

    70: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:24:57.463 ID:KtfOcLsWd
    キングレオ城 導かれし者たちや多数の学者がいろいろ見て回ってる。異形の怪物は一カ所にまとめられている。

    学者「どこを探しても進化の秘法はありませぬな」

    ブライ「むう。新たな地獄の帝王に関する情報もなしか」

    ミネア「……」

    学者「異形の怪物の正体はモンバーバラの若い娘たちがほとんどのようです」

    マーニャ「……くっ」 

    学者「あとはこの城下町の少し年のいった女性なども……」

    ブライ「キングレオは進化の秘法に若き乙女の魂が必要と妄信してたと言いましたな?」 

    学者「ええ、残された記録からの想像に過ぎませんが」

    ブライ「なぜこの城下町の若い女性は無事だったのでしょう?」

    学者「それは……言い辛いですが経済水準をなんとか保つためでは?デタラメな政治でこの国はガタガタでしたからね」

    ブライ「なるほど」

    マーニャ「この国は数年前から治安が悪いが買える女は最高って評判だったからね」

    勇者「許せませんね。若い綺麗な女の人を娼婦として働かせるために……まずはその保護者を浚ってたなんて」

    ブライ「しかも浚った人間は実験に活用か」

    アリーナ(……輪に入って行きづらい。難しい話してる)

    ライアン「……許せん」

    71: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:27:18.989 ID:KtfOcLsWd
    勇者「あ、ライアンさん。体は大丈夫なんですか?」

    ライアン「ああ、どこも何ともない。皆さん、私を治療していただいたこと、感謝する」

    マーニャ「とんでもないわ。お礼を言うのはこっちのほうよ。あなたがいなければおそらくキングレオは倒せなかった」

    アリーナ「……ちっ」

    ブライ「……」ギロッ

    アリーナ「……」

    ライアン「して、実は皆さんに頼みがある」

    勇者「なんでしょう?」

    ライアン「私を皆さんの旅に同行させて欲しい。地獄の帝王を倒す力を持つ勇者を守護する、それが私の使命なのだ」

    一同「!?」

    勇者「それは心強い、心から歓迎します」 

    ライアン「うむ、よろしくお願いいたす」

    73: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:30:07.544 ID:KtfOcLsWd
    学者「……!?その方はもしかしてバトランド王国のライアン様ですか?」

    ライアン「そうだが?」

    学者「なんと、お噂はかねがね。……実はキングレオの残した記録にあなたの名前がありまして」

    ライアン「?」

    アリーナ「ライアン、あなたキングレオと面識があったの?」

    ライアン「いや、まったく」

    勇者「ですよね。闘いのときキングレオはあなたを見ても何の反応もなかった」

    マーニャ「そうね、突如現れた戦士として警戒はしてたみたいだけど」

    ミネア(……突入したときの記憶がない)

    ブライ「して、記録にはなんと?」

    学者「えっと、これです」

    ブライ「なになに、『ピサロ様、バトランドのライアンがお気に入り。見つけたらこっそり殺すべき』……これは?」

    ライアン「……ピサロ!」

    勇者「ピサロ?……まさか、デスピサロのことか?」

    74: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:33:44.891 ID:KtfOcLsWd
    海 船の上 ライアンを加えた一行はスタンシアラ王国を目指してる。そこに彼らが探している『天空の兜』があるとの情報があるのだ。

    勇者「マーマンだ!アリーナ、右の頼む」

    アリーナ「了解!」

    ライアン「スースー」ウトウト

    ブライ「ヒャダルコ!!」

    コォオオオオ

    ライアン「……グガ……グーグー」

    ミネア(この人、よくこの状況で熟睡できるな)

    マーニャ「スー……スー……」コックリコックリ

    ミネア(相変わらずこっちもか)

    ミネア(あ、戦い終わった。治療いるかな?)

    勇者「ハァハァ、なんとか全滅」

    アリーナ(……勇者、相変わらず剣の腕はイマイチね。マーマンごときに息あがってる) 

    勇者「ハアハア。ブライさん、次にモンスターに襲われたら……魔法使っていい?」

    ブライ「なりませぬ。何度も申しますが勇者殿は魔法は一流ですが闘気の使い方がまったくなっておりませぬ」

    勇者「……」シュン

    アリーナ「あんたは剣と魔法両方鍛えていかなきゃね」

    勇者「……」コクン

    ブライ「そろそろ交代の時間ですじゃ。寝てる者たちを起こしましょう」

    75: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:37:55.798 ID:KtfOcLsWd
    見張り交代。ライアンが海原を睨んでいる

    トルネコ「ライアンさん、ちょっといいですか?」

    ライアン「ああ、構わぬよ」

    トルネコ「……仲間全員の実力のほど、知っておきたくないですか?生き残るためにも使命を果たすためにも必要でしょう」 

    ライアン「ほう、おおよそは把握していたつもりだが……目利きの精度はトルネコ殿がはるかに高そうだ。聞こう」

    トルネコ「……では」

    ライアン「ふむ」

    トルネコ「すでにお気づきでしょうがこのパーティー8人はそれぞれの実力にかなり差が出ています」

    ライアン「そのようだな」

    トルネコ「まずは、ライアンさんとマーニャさん。お二方は世界トップレベルの実力を持っていると思われます」

    ライアン「恐縮だ」

    トルネコ「ともに闘気使いと魔力使いの最高峰。パーティー内で頭1つ分抜けてるイメージですな」

    ライアン「……他の者のお主の評価は?」

    トルネコ「次に戦闘に長けるのは勇者様とアリーナ姫。しかしこのお二方は精神的に未熟なところがあります」

    ライアン「そのようだな。2人ともいずれ私など追い越してしまうだろうが」

    トルネコ「……私もそう考えています。だからこそ、今は保護しなければならない」

    ライアン「同感だ。お主も見かけによらず相当強いと見た」

    トルネコ「ええ、ここは自信を持って『はい』と答えておきましょう。私も昔はダンジョンをアホみたいに冒険したりしましたからね」

    ライアン「ブライ殿もクリフト殿も相当な手練だな。2人とも有益な魔法を使えるし頭も切れる」

    トルネコ「ええ。しかし、私も含めてこの3人はあくまで凡人の鍛えあげた姿。あまり実力を過信せぬように」

    ライアン「……む、心得た」

    トルネコ「あとは……ミネア殿ですな」

    ライアン「あれはまったくダメだな」

    トルネコ「ええ、戦闘に出ても他者の足を引っ張るばかりです。特にミネア殿がピンチになるとエースのマーニャ殿が保護に走るのが痛い」

    ライアン「そうやって過保護にされてきたからインフレに置いてかれたのであろうな」

    トルネコ「ええ、とにかく我々がすべきはなるべくミネア殿を前線に出さないように配慮することです」

    76: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:40:31.902 ID:KtfOcLsWd
    ザパーン ザパーン

    ミネア「あ、ライアンさーん。ちょっといいですか?」

    ライアン「……」ギクッ

    トルネコ「……」ギクッ

    ミネア「ここのところゴタゴタしていい忘れていたのですが、ホイミンという方から伝言を預かっていました」

    ライアン「なん……と」

    ミネア「その方は魔法の鍵の在りかを教えてくれたり、キングレオの結界をかき消してくれた方なのですが。ライアンさんのご友人だそうですね」

    ライアン「して、ホイミンはなんと?」

    ミネア「ライアンさんが無事に旅を続けられるように祈っている。そしてライアンさんにとても感謝している、とのことでした」

    ライアン「ミネア殿、お主……あたかも普通の伝言のように話しているが……ホイミンの容姿はどのような?」

    ミネア「え?容姿端麗な青年でしたが。え?ご友人なのでしょう?」

    ライアン「……」ポロポロ

    ミネア「……?」

    トルネコ(ふむ、あの時の青年か……これは……)

    トルネコ「付け加えますがライアンさん。私の目利きではその青年はモンスターが人間に化けた姿などではなく、正真正銘の人間でしたよ」

    ライアン「……ホイミン」フルフル

    ミネア「……?」

    77: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:42:51.507 ID:KtfOcLsWd
    一行、スタンシアラ王国にたどり着く

    ライアン「ここに伝説の天空の兜があると?」

    勇者「ええ、ここの王が所有しているそうです」チラ

    ブライ「さよう」

    勇者「正直……僕はそんな兜はいらないのですが」チラ

    ブライ「……」ギロッ

    勇者「いえ、何でもありません」

    ライアン(……どうやらこのパーティーの影のリーダーはブライ殿のようだな。あとで機嫌とっておこう)

    ブライ「して、笑わせ役。誰が行きますかのう?」

    アリーナ「何それ?」

    ブライ「呆れましたな。船でさんざん説明したでしょう。天空の兜を所有する王が自らを笑わせたものに兜を贈呈すると宣言してるのです」

    アリーナ「ああ、私パス」

    ライアン「私もそういうのは苦手ですな」

    ミネア「私も」

    ブライ「それでは姫、ライアン殿、ミネア殿、クリフト。馬車のこと、頼みましたぞ」

    ライアン「承知した」

    78: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:46:16.905 ID:KtfOcLsWd
    ライアン みんなが帰ってくるまでにアリーナと実戦形式の試合をする
    連戦連勝

    アリーナ「……くっ」

    ライアン「姫、あなたは小柄で男に比べて筋力も少ないのですから……今まで以上に光の闘気を扱う技術を磨かなければならない」

    アリーナ「……了解」ボソッ

    トボトボ

    クリフト「あ、姫。いじけて行ってしまいましたね。……ってどうされました?ライアンさん」

    ライアン「いや、なに。なんとかポーカーフェイスを保ったがギリギリだった」

    クリフト「本当ですか?」

    ライアン「うむ、あれで10代半ばだというのだから末恐ろしい」

    クリフト「はぁ……姫」うっとり

    ライアン(クリフト殿……ミネア殿に聞いてはいたがサントハイムなんて大国の姫に惚れてるのか)

    ミネア「クリフト、そういえば勇者とアリーナって最近本当仲いいわよね。微笑ましいわ」

    ライアン(ミネア殿、正直人間関係をかき回さないで欲しいのだが)

    ガシャーン

    クリフト「……え?そうですかね?」ギギギギ

    ミネア「……」ニヤニヤ

    ライアン(これでクリフト殿が勇者殿のサポートを無意識に手を抜いたりしたら……)

    ミネア「あ、みんな帰ってきた」

    勇者「王様笑わせるの無理でした」

    クリフト「……」ジロッ

    79: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:50:46.714 ID:KtfOcLsWd
    一行 モンバーバラに向かう

    ブライ「本当にそのパノンという方は笑わせることに長けているのですな?」

    マーニャ「私が知るかぎりは1番ね」

    ブライ「ふむ、行ってみる価値がありますな……ルーラ!」

    ライアン「うおっ!」

    ミネア「きゃあ!」

    トルネコ「む、これは空を飛んでますかな?」

    ライアン(ルーラを使うときは馬車の中の者に一声かけて欲しいものだ)

    ヒューン

    勇者「それではみなさん、パノンさんと交渉してきます」

    トルネコ「はい」

    ライアン(寝るか。いろいろ考えごとがしたい)

    ライアン(なぜキングレオの記録に私の名前があった)

    ライアン(『こっそり殺す』……これは……ピサロにバレないように秘密裏に私を殺す気だったのか?)

    ライアン(『ピサロ様はライアンをお気に入り』……なぜピサロと呼ばれる者は私を知っている?)

    パノン「や、これはなかなか立派な馬車ですな。お邪魔しますよ」

    ライアン「……ライアンと申す」

    パノン「あなたがあの有名なバトランド王国の?」

    ライアン「よろしく」

    ライアン(5年前……あのピサロの手先に報告を受けたか。それともどこかで見られていたか?)

    爺「ルーラ!」

    一同「わあっ」

    80: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 11:53:18.157 ID:KtfOcLsWd
    一行 天空の兜を手に入れる

    勇者「パノンさん……素晴らしい言葉でした」 

    パノン「いえ、私は思ったことを口に出しただけです」

    勇者「本当の笑い、そういうことですよね」

    ライアン「……」

    パノン「それでは!みなさんの旅のご無事を祈っています」 

    ライアン(……ホイミンと同じ言葉か)ノシ

    ライアン(ホイミンは何らかの方法で人間になれた。そして人間はいともたやすく魔物になる)

    ライアン(案外人間と魔物の境界線とは曖昧なのかもな)

    勇者「ライアンさん、最近考えごと多いですね」

    ライアン「む、すまぬ」

    ミネア「そういえば初めて会ったとき勇者はライアンさんを魔物と間違えて斬りかかったのよね。ほら、そんな怖い顔してるからですよ」

    ライアン「……!?」

    勇者「その件は本当にすみませんでした」

    ライアン(そうだ。なぜあの時勇者殿は私に斬りかかった?)

    ライアン(いかに勇者殿がまだ未熟といっても、人間と魔物の区別がつかないはずがない)

    ライアン(まさか、私はあのとき暗黒闘気を放っていた?)

    81: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:02:50.421 ID:KtfOcLsWd
    天空の兜を手に入れてからしばらく経った。一行はマグマの杖というものを探していた。
    それはアリーナたちの故郷のサントハイムの城の宝物庫にあるという。

    一行はモンスターの巣窟と化した無人のサントハイムに向かう。

    ミネア、占い中

    ミネア「……」

    アリーナ「……どう?ミネア」

    ミネア「信じられない。私たちの宿敵がサントハイム城にいる」

    マーニャ「……!?……バルザック。やはり死んでなかったか」

    ミネア「……一応言っとくけど占いの結果は確定ではないわ」

    マーニャ「でもあんたの占い、だいたい当たるわよね」

    ライアン(ミネア殿、役立たずとか言ってすまぬ)  

    トルネコ(ごめんなさい)

    ミネア「強大な力を感じる。でも……バルザックはそこまで強いはずがない」

    ライアン「進化の秘法」

    一同「!?」

    ブライ「ありえますな」

    ライアン「バルザック、その者は瀕死の状態から進化の秘法を使ったのかも」

    ブライ「なるほど。では、ミネア殿の占いを考慮して……バルザック襲撃チームと活路を開くチームに分けるとしましょう」

    一同「……了解」

    マーニャ「私とミネアはバルザックと戦わせて。因縁の相手なの」

    ライアン(え?)

    トルネコ(え?)

    勇者(それ、どうせ早々にミネアさんが気絶して僕がおもりになるやつ)

    87: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:19:44.054 ID:Lf1RcWPqd
    ライアン、トルネコ。強敵相手にマーニャとミネアが組まないように言葉巧みに誘導する。

    ライアン「マーニャ殿、ミネア殿。憎しみの感情で戦ってはいけない。私は古い友人にそう教えられた」 

    ミネア「……でも!」

    トルネコ「少し冷静になりましょう」

    マーニャ「そう……かもね」

    ミネア「姉さん、どうしたの?姉さんらしくないわ!」

    マーニャ「ミネア、バルザックへの本当の復讐は……すべてを終わらせて私たちが幸せになること」

    ミネア「……!!」

    マーニャ「あの時ならいざ知らず、今は頼りになる仲間がいる。私情より勝率の高いメンバーをブライさんに選んでもらうのがいい」

    ミネア「……わかった」

    マーニャ「私たちは今回は引きましょう」

    勇者(いや、マーニャさんは引かないでくださいよ)

    88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 12:22:08.942 ID:8geXVwyW0
    今回はミネアどうなるんだろうな

    89: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:22:27.161 ID:Lf1RcWPqd
    サントハイム城内部 マーニャ、ミネア、ブライ、クリフトが活路を開く

    アリーナ「今回は私情を挟むと危険って……それなら私が1番危険じゃない?ここ私の生まれ育った城よ」

    ライアン(ノーコメント)

    トルネコ(ノーコメント)

    勇者「ほら、アリーナはいつも何も考えてないから信用されてるんだよ」

    アリーナ「そっか」

    トルネコ(納得するのか)

    ライアン(とはいえ……かなり厳しいパーティーだな。キングレオ戦のときのように戦闘中大怪我したら……回復の役は、本来回復魔法が専門ではない勇者殿だけが頼りだぞ)

    勇者「あ、そうだみなさん。僕先日ベホマズンって魔法覚えたので」

    ライアン「べ、ベホマズン?」

    トルネコ「それはどんな高名な僧侶も精霊と契約出来なかったという……机上の空論のような魔法ですよ?」

    勇者「でも契約できちゃいました」

    アリーナ「じゃああんた今回は回復専門ね」

    勇者「了解、ライアンさん。この前の全身複雑骨折くらいなら一瞬で直すんでガンガン攻めちゃってください」

    ライアン「……う、うむ」

    91: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:26:00.571 ID:Lf1RcWPqd
    バルザック戦

    バルザック「ふん!」ブオン!

    ライアン「ぐっ」全身バキバキッ!

    勇者「ベホマ!」

    キュイーーン

    ライアン「かたじけない」

    トルネコ(あのケガを一瞬で治癒?)

    アリーナ「はっ!」

    トルネコ「ふん!」

    バルザック「……ぐっ」ビキビキ

    バルザック(くそっバトランドの戦士ライアンや武闘大会で優勝とかしてる姫はともかく、なんだ?あのデブは?下手すると1番強いぞ)

    勇者(全員元気だなー待機か)

    バルザック「くそっ!これならどうだ!」

    ヒュオオオオ

    ライアン(ちっ、広範囲型のブレス!これでは皆を庇えない)

    トルネコ「……くっ」

    アリーナ(……まずい凍傷で動けない)

    勇者「ベホマズーン」

    一同「……」

    バルザック「いや、反則だろ。まっいか……こっちも、ベホ……」  

    トルネコ「みなさん、敵が怯んでます、一気にたたみかけましょう」

    ボコボコ

    ボコボコ 

    バルザック(ちょ、回復魔法の詠唱させて……このデブ執拗に変な武器で舌を……何?あの武器)

    トルネコ「は!って転んじゃった!」

    ズザザーン!

    バルザック(……)ガクッ

    バルザック(そんなバカな?デスピサロをも凌ぐ力を手に入れた俺が……神に最も近い俺が)バタン

    92: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:28:12.961 ID:Lf1RcWPqd
    一同、バルザックの死体の前に集まる。雑魚モンスターはサントハイム城から逃げていった。

    ライアン「マーニャ殿、ミネア殿。改めて確認するが、この異形の怪物も……元々は人間、なのだな?」 

    ミネア「ええ、前にも話した通り、この男は錬金術師である私たちの父の弟子だった男」

    マーニャ「ようやくこいつとの因縁が終わったわね。1度目はキングレオにトドメを刺すのを邪魔されてね」

    ブライ「……念のためだ。マーニャ殿、この死骸を完全に燃やしてくれるかのう?聞けばこやつは再生能力に長けていたそうではないか」

    マーニャ「わかった」

    ライアン「しかし、こやつ。戦闘前に気になることをいっておった」

    マーニャ「なんて言ってたの?」

    ライアン「自分はデスピサロを遥かに凌ぐ力を手に入れた。とか、自分は最も神に近いとか」  

    マーニャ「単にハイになってたんじゃない?酔っぱらいもそういうこと言うでしょ?」

    勇者「……デス……ピサロ」

    クリフト「ブライ様ーありました。サントハイムの宝、『マグマの杖』です」

    ライアン(そういえば元々はその杖を回収しにここに来たのであったな)

    クリフト「それと、妙なものを見つけました。こんなものは宝物庫のリストに記載されてないのですが」

    ブライ「それは……笛か?」

    94: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:30:46.582 ID:Lf1RcWPqd
    一行 天空の盾を手に入れるためにガーデンブルグに向かう 
    行く手は大きな岩の塊に遮られる
    マグマの杖はこれを排除するために必要なのだ。

    ブライ「これが噂の壁か」 

    アリーナ「確かに登って超えるのは無理そうね」

    ライアン「ちなみにガーデンブルグは我が故郷バドランドと交流が盛んだったが、この岩壁ができてからは陸の孤島となっている」

    ブライ「ふむ」

    ライアン「厳密にはルーラやキメラの翼でガーデンブルグと行き来する人間は少数はいるのだが」

    ブライ「む、それは知らなかった。さて、クリフト頼む」

    クリフト「はい。マグマの杖よ!」

    ズズズズズズ

    ドッドッドッドッドッドッ

    ドーン

    アリーナ「ちょ、あっつ」

    勇者「離れろー!」

    ライアン(……岩が……吹き飛んだ)

    96: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:34:50.944 ID:Lf1RcWPqd
    ガーデンブルグ城下町の近く

    ライアン「さて、また留守番だな」
     
    アリーナ「じゃあ私も残る。ライアンと修業しないと」

    ライアン「姫、それはダメだ」

    アリーナ「は?」

    ライアン「ガーデンブルグには女性しか入れない。姫が抜ければマーニャ殿とミネア殿だけで行動することになる」

    アリーナ「女性しか……入れない国?」

    ブライ「さよう、ガーデンブルグは女性のみで構成されている国なのです」

    勇者(どうやって子供作ってるんだろう) 

    マーニャ「そういうわけで3人でいろいろ情報探ってくるわ。夕方には一回戻るから」

    男性陣 野営中
    ライアンが勇者に剣の稽古をつけている

    ライアン「それ!」ヒュン

    勇者「くっ……まいった」

    ライアン(危なかった。姫に続いて勇者殿もメキメキと腕を上げているな)

    トルネコ「みなさーん。昼食ができまきしたよ」

    ライアン「勇者殿、ひとまず稽古は止めにしよう」

    勇者「はい。うわあ、いい匂いがしますね」

    ライアン(トルネコ殿、料理上手いからな)

    ブライ「……」パクパク

    クリフト(……姫)パクパク

    勇者(デスピサロ……)ビキビキ

    ライアン(素直な少年なのだが……たまに険のある表情を隠せなくなってきているな)

    ライアン(精神の乱れは闘気のコントロールにも影響する)

    ライアン(光の闘気のコントロールに天賦の才を持つ姫と違い、勇者殿は危うい)

    ライアン(……人のことは言えぬか。私が1番危ういのかもしれない)

    ミネア「み、みんなー大変よ!」

    勇者「あれ?ミネアさん、早いですね。夕方まで探索する予定だったのでは?」

    ミネア「それどころじゃなくなったわ」

    97: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:36:09.132 ID:Lf1RcWPqd
    ガーデンブルグ城内 一行が全員いる

    ライアン(男は入れないんじゃなかったのか?)

    トルネコ(みんな殺気だってますね) 

    マーニャ「だから盗んでなんかないってば!」

    女兵士「素直に盗品を返せば不問にすると言っているのだが?」

    マーニャ「やってない!」

    アリーナ「だから何度も言ってるでしょ、女装した詩人風の男がそこのシスターから盗んだんだって」

    女兵士「話にならんな」

    勇者「何事ですか?」

    ミネア「姉さんが盗みの罪を着せられてる。あそこのシスターのブロンズの十字架を盗んだって」

    勇者「ブロンズ?……そんなもの安物盗むやついないですよね」

    ミネア「そもそも姉さんは盗みなんかしないわよ」

    98: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:37:09.305 ID:Lf1RcWPqd
    トルネコ「ライアンさん」ヒソヒソ

    ライアン「うむ、盗まれたと主張したシスターがうつむいて申し訳無さそうな顔」ヒソヒソ

    トルネコ「それに女兵士の態度」ヒソヒソ

    ライアン「何かおかしいな」ヒソヒソ

    女兵士「そこの中年2人、何をコソコソ話してる」

    ライアン「何でもない」

    女兵士「お前達を女王様の元へ連れて行く」

    ライアン(たかだか小物の盗難疑惑で……女王の元に?しかも男が大勢)

    ゾロゾロ ゾロゾロ

    勇者「ブライさん。もうこんな面倒くさいことになるならこの先僕用の強い装備なんかいりませんよ」ヒソヒソ

    ブライ「勇者殿、天空の名がつく装備を集めてるのは単に強い武具を求めてではありませぬ」ヒソヒソ

    勇者「え?」

    ブライ「お告げなのです」ヒソヒソ

    女兵士「そこの老人と少年、うるさいぞ」

    99: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:39:08.478 ID:Lf1RcWPqd
    ガーデンブルグ 謁見の間

    ライアン(ここが陸の孤島になる前から、ガーデンブルグの女王を目にするのは至難の業と言われてきたが)  
     
    ライアン(ずいぶんしょうも無い理由で人前に姿を現したものだな)

    女王「何者かがブロンズの十字架を盗んでその者に罪をなすりつけたと主張するのですね?」

    アリーナ「そうよ!たしかにこの目で見たわ」

    女王「……」ジロジロ

    ライアン(女王、まるで品定めをするような目だな)  

    女王「そのような罪人がいると証明できますか?」
      
    ミネア「……」シャッシャッシャッシャッ

    マーニャ「アリーナが見たって言ってるでしょ」

    女王「仲間の証言は信用できませんね。その罪人をあなたたちで捕まえないかぎりは何も……」

    ミネア「その盗っ人を捕まえてくればいいのね?」

    女王「あなたたちの主張ではその盗っ人はガーデンブルグから逃げたのでしょう?どうやって捕まえるのです?」

    ミネア「盗っ人は今この城の近くの洞窟に潜んでるわ」

    女王「え?なんでそれを?」

    勇者「……」

    女兵士「……」

    ミネア「占いで」

    ライアン(ミネア殿、この前は無能扱いしてすまぬ)

    100: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:40:33.644 ID:Lf1RcWPqd
    女王「罪人を探しに行くなどと言って逃亡する気ではないのですか?」

    マーニャ「なにをー!」

    女王「あなたたちの中から一人この城に残ってもらいます。さもなくばこの城から出ることは許しません」

    マーニャ「付き合い切れないわ。もう私が罪人でいいわよ。弁償でもすればいいかしら?」

    ライアン「まて、マーニャ殿。私が城に残ろう」

    マーニャ「はあ?」

    ライアン「女王様、それでよろしいか?」

    女王「……いいでしょう」

    マーニャ「ちょっと何言ってるのよ?こんな頭のおかしい奴らに付き合ってることないでしょ」ヒソヒソ

    ライアン「いや、流れに乗ろう。おそらく向こうもお主が盗みなんて働いてないのは百も承知だろう」ヒソヒソ

    マーニャ「はあ?」

    ライアン「まったく、そういうやり口は関心せぬな」ヒソヒソ

    マーニャ「……?」

    女王「その鎧の戦士を地下牢へ」

    女兵士「はっ!」

    102: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:42:11.992 ID:Lf1RcWPqd
    地下牢 ライアンが閉じ込められている

    ライアン「ふむ、ベッドはあるし思ったより快適そうだ」

    勇者「さっきのはどういうことですか?」

    ライアン「おそらくすべて茶番だ。勇者殿、向こうはお主を人格をはかるためにいろいろ揺さぶっていただけだろう」

    マーニャ「そんなくだらないことのために私は濡れ衣着せられたの?」

    ブライ「まあまあ、耐えてくだされ。向こうも逃げた盗っ人の居場所を特定されるとは思ってなかったでしょうが、誠心誠意行動すれば勇者殿を勇者と証明できるでしょう」

    ミネア「え?私余計なことした?」

    ブライ「いや、そのようなことはないが、ミネア殿が盗っ人の居場所を占わなければ向こうはこじつけで勇者殿に試練でも与える腹だったでしょうな」

    勇者「盗賊も王国とグルってことですか?女王のさっきの反応見ると……なんで盗賊の隠れ家知ってるの?って感じだったし」

    ライアン「おそらくそれもないだろう。たまたま勇者殿の仲間であるマーニャ殿の近くで盗みが発生したから利用されただけ」

    ブライ「ですな。どちらにせよなんらかの因縁をつけて勇者殿に何か試練を受けさす腹だったと思われますな」

    アリーナ「……とりあえず誰を殴ればいいのかな?女王?」

    勇者「試されてる……か」

    104: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:43:41.658 ID:Lf1RcWPqd


    ライアン「さて、鍛錬も終わったし」

    ライアン「寝るか」 

    女兵士「……戦士殿。何か足らぬものはないか?」

    ライアン「……?とくにないが、食事も十分に出してもらったし」

    女兵士「……人肌は恋しくないか?」

    ライアン「はあ?」

    ガシャン スルスル

    ライアン「お主、何をしているのだ?今夜は満月だから……その、しっかりと見えるぞ」

    女兵士「殿方の前で裸になるのは初めてだ」モジモジ

    ライアン(なんだ、下半身がふっくらしてきた) 

    女兵士「頼む戦士殿。お主を一目見たときから体が火照ってたまらぬ」

    ライアン「……」

    ガチャン

    ライアン(え?兵士の立場的に鍵開けちゃダメだろう?)

    女兵士「戦士殿」ウルウル

    ライアン「……む」ニョキニョキ

    105: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:44:39.295 ID:Lf1RcWPqd
    女兵士「アッ……まって……ゆっくり」 

    ライアン「初めてなのであろう?ここでやめておくか?」

    女兵士「いや、最後までお願い」

    ライアン「……む」ズンッ

    ヌチュッ

    女兵士「アッ」

    ライアン「やっと奥まで入ったな」

    女兵士「あっ……戦士殿のモノが私の中に……はぅっ!……あっ……あっあっ」

    ライアン「すまぬ、もう止められぬぞ……くぅ」

    ギシギシ ギシギシ

    女兵士「ひぎぃ……あっあっあっあっ

    106: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:45:52.160 ID:Lf1RcWPqd
    女兵士「……」ガチャリ

    女兵士「戦士殿、今宵のことは何とぞ内密に頼む」

    ライアン「う、うむ」

    女兵士「それでは」

    ライアン「あ、お主!」

    女兵士「なんだ?」

    ライアン「お主の鎧、太股を露出する型だから……そのな」

    女兵士「……なんだ?」

    ライアン「血が滴り落ちてるぞ」  

    女兵士「……!?」フキフキ

    ライアン「……」

    女兵士「失礼する」

    ライアン「……」

    ライアン「中に出してしまった。娼婦と違って避妊の魔法は施されてないはずだが……」

    ライアン「……」

    ライアン「誰かいるのか?」

    女僧侶「戦士様、実は内密にお願いがあるのです」

    ライアン「……何かな?」

    女僧侶「一晩だけ……お情けをいただけないでしょうか?」

    ライアン(また裸)ニョキニョキ

    107: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:48:03.720 ID:Lf1RcWPqd
    朝 牢獄のベッドにライアンと女僧侶が裸で抱き合って寝ている

    女僧侶「はっ、つい寝てしまいましたわ」

    ライアン「う、うむ」

    女僧侶「戦士様、昨晩の事は何とぞ内密に」

    ライアン「うむ。お主その、太股に血が」

    女僧侶「え?」フキフキ

    ライアン「……」

    女僧侶「そ、それでは」

    ライアン「……」カチャカチャ

    アリーナ「ライアン!」

    ライアン「……」ビクッ

    アリーナ「酷いことされなかった?」

    ライアン「ゴホン、大丈夫。丁重に扱われた」

    アリーナ「でも眠れなかったみたいね。目の隈が酷いわ」

    ライアン「なに、つい鍛錬で徹夜してしまってな」

    ライアン(……ここ窓大きいから臭い抜けてるよな?)

    アリーナ「そうだ。盗賊は捕まえた。今からここに来る」

    ライアン「む、そうか」

    108: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:49:43.959 ID:Lf1RcWPqd
    ガーデンブルグ城 宝物庫

    ライアン「それで、女王が特殊な鍵を渡してきたと?」

    ブライ「うむ、鍵穴に合わせてどんな形状にも変わる奇跡の鍵、その名も最後の鍵」

    勇者「それと、この部屋の宝は持っていっていいと言われました」

    ライアン「ブロンズの十字架とずいぶんつり合わないですな」

    ブライ「おそらく、我々……いや、勇者殿をこの鍵を渡して良い人物か測っていたのでしょうな」

    ガチャ

    勇者「これが……天空の盾か。ゴツゴツして使いにくそう」

    ブライ「あとは天空の鎧と天空の剣」

    ライアン「それらについて何か新しい情報は?」

    ブライ「ない。ただガーデンブルグ女王が気になることを言ってましてな」 

    ライアン「ほう」

    ブライ「ロザリーヒルと呼ばれる場所にはエルフやホビットが住んでいるそうだ」

    ライアン「なるほど、そこに行けば新しい情報が入るかもしれないなから」

    109: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:55:09.346 ID:Lf1RcWPqd
    ロザリーヒル
    一行 船から下りてからけっこう長い距離を徒歩で移動

    ライアン(ここに来るまでのモンスターがやけに強かったな。……ミネア殿、まあ足引っ張ってたな)

    ミネア「ブツブツ ブツブツ」

    マーニャ「ほら、ね?今日は調子わるかったのよ」

    ミネア「ブツブツ」

    ライアン「……」

    トルネコ「ずいぶんパーティー内での強さの差が開いてきましたね」ヒソヒソ

    ライアン「トルネコ殿」ヒソヒソ

    トルネコ「元々経験を積んできた我々中年や才能に溢れた者はともかく……今回のこの周辺への上陸でメッキが剥がれた者が数名」ヒソヒソ

    ライアン「ふむ」

    クリフト「どうしてザラキが効かないだ?」

    ブライ(こりゃもうワシは戦闘では役にたてんかの)

    トルネコ「もし、人間がどのくらい自分の成長の限界に近づけたかを数値化したとしますよ……」ヒソヒソ 

    ライアン「興味深いな。聞かせてくれ」ヒソヒソ

    トルネコ「トルネコLV65 ライアンLV52 勇者LV41 アリーナLV39 マーニャL34 ブライLV27 クリフトLV25 ミネアLV8こんなところかと」ヒソヒソ

    ライアン「お主、自分をずいぶん追い込んでるんだなヒソヒソ」

    トルネコ「ええ、前にも申しましたがその昔アホみたいにダンジョンに潜ってた時期がありまして」ヒソヒソ

    ライアン(勇者殿はみんなで寄ってたかって鍛えてるし、姫は自主的に真面目に修業するし、マーニャ殿はなんだかんだで常に前線に立ちたがるからな)

    ライアン「これからも差は開くか」ヒソヒソ

    トルネコ「でしょうね」ヒソヒソ

    110: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 12:58:02.083 ID:Lf1RcWPqd
    ロザリーヒル

    ライアン「ホビットとエルフの村か」 

    トルネコ「平和なところですな」

    ライアン「えっと、情報収集に来たのだよな?」

    ブライ「ふむ、天空の鎧と天空の剣の情報……どこかにないものか」

    勇者「8人で手分けして探しませんか?そのほうが効率がいい」

    ミネア「みんなごめんなさい。私の占い肝心なところは占えなくてごめんなさい」ズーン

    マーニャ「ミネア、私たちは一緒に行動しよっか」  

    ライアン(過保護だなあ)

    ロザリーヒル 村の端っこの木陰
    小さな泉がある

    ライアン(皆集落の中心で情報収集をしてるな)

    ライアン(私はこっちのほうをあたるか)

    女エルフ「誰?」

    ライアン「む?旅の者だが」

    ライアン(藪の奥に女性がいるようだ)

    女エルフ「人間?……今私は服を着ていないわ。向こうに行ってくれるかしら?」  

    ライアン(水浴び中か)

    ライアン「失礼した」クルリ

    女エルフ「ごめん、やっぱり待って」

    ライアン「どうした?」

    女エルフ「あなたここまでたどり着けてるってことは相当の腕よね?」

    ライアン「ま、まあそれなりに」

    女エルフ「助けて、目の前にハンババがいる」

    ライアン「何?ハンババ?」

    ライアン(先ほどまでさんざん遭遇した獣系のモンスターだな)

    ライアン「何匹だ?」

    女エルフ「一匹。こんなところまで魔物が入り込んでくるなんて思わなかった」

    ライアン「わかった。とにかく任せろ、お主は獣を刺激しないようにジッとしてろ」

    女エルフ「お願い」ガクガク

    117: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:32:30.907 ID:gZ15wHQ2d
    バシャバシャ

    ライアン「お主、私の後ろに隠れろ」

    女エルフ「う、うん」

    ライアン(む、エルフの裸を初めて見た。乳がデカいのに腰はキュっとくびれて)

    ハンババ「グルルル」

    ライアン(長身で手足はスラッと長く大人びた美しい顔立ちにきめ細かな白い肌)

    ライアン(私のタイプどストライクだ)

    ハンババ「グルルル」

    女エルフ「なんっでっ!私の体を凝視してるのよ!」

    ライアン「す、すまぬ。お主があまりにも魅力的でつい」

    女エルフ「……も、もう!」モジモジ

    ハンババ「グオオ!」

    ライアン(あ、ハンババのこと忘れてた)

    女エルフ「ひっ!」パクパク

    ???「ラリホーマ」

    ライアン「!?」

    118: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:34:00.675 ID:gZ15wHQ2d
    ハンババ「……?……グーグー」バタン  

    ライアン(このレベルのモンスターを一瞬で眠らせた?)

    ???「斬れ、ライアン」

    ライアン「どなたか知らぬがかたじけない!せい!」

    スパッ!

    ハンババ「……グギャッ」ボトッ

    ???「ライアン、こんなところで出会うとはな。ふふ、相変わらずいい腕だ。……今は五分五分といったところか」    

    ライアン(五分五分?容姿端麗な青年だな。エルフ……か?まったく面識はないが私を知っているのか)

    女エルフ「……あっ……あっ」パクパク

    ???「まったく、ロザリーに会った帰りにたまたま泉の近くを通ってみれば。ここで水浴びはするなと言ったろう」 

    女エルフ「……」コクン

    ???「恐怖で声が出ぬか。今度からは気をつけろよ」

    女エルフ「……」コクン コクン 

    ???「ではさらばだ。ルーラ!」

    ヒューーン

    ライアン「なんだったのだ?」

    女エルフ「……ピサロ様」ポッ

    ライアン「……な、なに?……ピサロ?」

    120: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:36:34.318 ID:gZ15wHQ2d
    ロザリーヒルのはずれの泉
    ライアンと女エルフが半分泉に浸かりながら愛し合っている



    女エルフ「……ごめんね。人間の戦士」カサカサ キュッ

    ライアン「……何がだ?」ガチャガチャ

    女エルフ「想い人の代わりに火照りを沈めて欲しいなんて……考えればあなたに失礼な話だったわ」

    ライアン(……いや、単に役得だったが)

    女エルフ「ふふ、人間と交わったのは初めて。もし子供が出来てたらどんな子になるのかしら?」

    ライアン「うぬ?エルフは避妊の魔法は持ってないのか?」ドキドキドキドキドキドキ

    女エルフ「さあね? 1年ほど経ったら確かめにでも来てみれば?じゃあね
    、ライアン」チュッ

    ライアン「……あわわ」ドクン ドクン

    123: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:38:58.800 ID:gZ15wHQ2d
    ロザリーヒルの宿屋のテラス
    一同が集まり情報交換をしている

    トルネコ「へそくりで買いました。ここは良い武器を扱ってます」

    勇者「何ですか?この扱いづらそうな武器」

    トルネコ「ドラゴンキラー。ライアンさんの分もあります」
     
    ライアン「ほう」

    トルネコ「アリーナさんにはこれを」

    アリーナ「何これ?アクセサリー?」

    トルネコ「両手に持つ武器です」

    アリーナ「どっちにしろ私は素手で十分」

    トルネコ「私の目利きが信じられませんか?」

    アリーナ「……わかったわ。とりあえずは使ってみる」

    ブライ「ふむ、それでは皆さん。集めた情報を述べてくれ。ワシがまとめる」

    クリフト「ピサロという人物がこのロザリーヒルではずいぶんと慕われてるようですね」

    アリーナ「みたいね。ホビットもずいぶんとそいつを持ち上げてた」

    勇者「まさか……デスピサロと同一人物?」

    ブライ「その可能性は低いと思われますな。これまでデスピサロと思われる者が関連していた事件。それらから得られるイメージとここの噂の者のイメージはかけ離れてる」

    勇者「そう……ですか」

    マーニャ「ここのエルフのロザリーって人と恋人らしいし、そいつもエルフなんじゃない?」

    ライアン「……いや、私はその者はデスピサロ本人だと思う」

    一同「!?」  

    ライアン「私は先ほど偶然ピサロ本人と出会った。もっとも、すぐにルーラでどこかに飛んでいったのだが」

    勇者「……詳しく聞かせてください」

    125: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:41:41.500 ID:gZ15wHQ2d
    マーニャ「ピサロってやつがエルフではない?」

    ライアン「ああ、その者は容姿端麗でエルフに酷似した青年だったが、おそらく魔族だ」

    ブライ「して、その根拠は?」

    ライアン「その者は私を見かけただけでライアンと呼んだ。エルフが私の姿を知っているのは不自然だ」

    ミネア「……」シャッフル シャッフル

    勇者「でもそれはライアンさんが有名人だからじゃ?それに魔族だってライアンさんの容姿を普通知らないですよね」

    ライアン「キングレオの記録を思い出してくれ」

    勇者「あ、『ピサロ様』『ライアンがお気に入り』!」

    ライアン「うむ、奴らが崇拝するのがエルフの青年とは考えにくい。それに、私はどこかで魔族に同行を見られていたような気がするのだ」

    マーニャ「それだけでそいつが魔族って根拠うすくない?」

    ライアン「うーん、少し仲良くなった女性のエルフの反応を考慮しての勘だ。どうも彼女のピサロの見方は同族をみる目ではなかったような。……たしかに根拠が薄いな」

    ミネア「……」シャッフル シャッフル

    ライアン「あとはその辺をうろついてたスライムに王家の墓というところに変化の杖というものがあると聞いた。この情報が何だか気になる」

    ブライ「ふむ」カキカキ

    ミネア「出たわ。占い結果」

    ブライ「え?」

    ミネア「このロザリーヒルで1番高い塔の前で笛を吹くと前進できる」

    126: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:43:08.476 ID:gZ15wHQ2d
    一同、塔の前であやかしの笛を吹く

    マーニャ「これ、意味あんの?」
     
    ミネア「さ、さあ?」

    勇者「普通に入れますね。もしかして最初から何もなかったんじゃ」

    ミネア「……」

    ブライ「とにかく登ってみましょうぞ」

    ゾロゾロ ゾロゾロ

    ピサロナイト「待て」

    一同「!?」

    ピサロナイト「どうやってこの塔に侵入したかは知らんが……ここから先は何人たりとも通さん」

    勇者(この鎧の者……強い。下手したらライアンさん並み)

    ピサロナイト「静寂の玉よ!」

    マーニャ(あれは!?静寂の玉?いえ、私たちが前に手に入れたものとは若干デザインが違う)

    ミネア「……」パクパク

    マーニャ「……?」パクパク

    ライアン(……!?なんだ?言葉が手出てこない。発声しているはずなのに)

    ピサロナイト「……!!」

    ライアン(危ない……!?剣と剣が撃ち合う音もかき消される。何なのだ?この状況は?)

    ミネア(間違いない、これは静寂の玉の効果)

    マーニャ(つまり、誰もこの空間では詠唱ができない。ん?……トルネコが指でサインを8?)

    トルネコ(冷静に8人全員で囲みましょう)

    一同(了解)

    127: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:44:43.022 ID:gZ15wHQ2d
    戦闘が終わった。ピサロナイトが8人に囲まれて横たわっている。

    ピサロナイト「くっ……殺せ」

    勇者「いや、殺しはしないよ。そっちが急に襲ってくるから迎撃しただけ。じゃあね」

    ピサロナイト「ロザリー様!お逃げください!」

    ゾロゾロ ゾロゾロ

    勇者「やっぱり8人でかかれば楽勝でしたね」  

    ライアン「うむ」

    トルネコ(実質は私を含めて4人がかりでしたがね)

    ライアン「ミネア殿、この上に我々が望む情報があるのだな?」

    ミネア「ええ、あくまで占いの結果だけど……」

    ゾロゾロ

    バタン

    ライアン(美しい。……エルフの女性か)

    ロザリー「まあ、あなたたちは人間なのですね」

    ブライ「ええ、そうです。そちらから攻撃を加えてこないかぎり危害を加えりはしませぬ。お話をお聞きしたい」

    ロザリー「あなたたちは済んだ目をしている。信用しましょう」

    ライアン(……)

    ロザリー「塔の上から見ていました。私の友人があなたに体を許した理由もわかる気がします」

    ライアン「え?」

    一同「……」ジーッ

    ロザリー「あなたたちになら話せます」

    ブライ「……何を?」

    ロザリー「どうかピサロさまを、いいえ、デスピサロの野望を止めていただきたいのです」

    129: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:46:55.041 ID:gZ15wHQ2d
    海 船上 会議中

    ブライ「つまり、ピサロというロザリーヒル出身の魔族が野望を持ち、デスピサロを名乗り人間を滅ぼそうとしている」  

    トルネコ「あとはロザリー嬢の流す涙がルビーに変わるために人間に狙われている……そんなところですか」

    ブライ「奴らの世界を滅ぼす手段とは具体的に何なのか気になりますな。やはり、地獄の帝王を復活させる気か」

    勇者「デスピサロ……」

    ライアン「変化の杖というものを使って魔物になりすまして情報を得るというのはどうだろうか?」  

    ブライ「な、なんと」

    ライアン「聞けば変化の杖は一定時間様々な姿に変身できるとか」

    ブライ「うーむ。変化の杖は王家の墓と呼ばれる場所に眠るとの情報でしたな」 

    アリーナ「海鳴りの祠ってとこに天空の鎧があるって情報入ったばかりなのにね」

    ブライ「うーむ、どちらを優先させるか。時間は無駄にできませぬぞ」

    マーニャ「二手に分かれましょう」

    ライアン(え?)

    トルネコ(え?)

    マーニャ「あ、私とミネアはセットでね」

    130: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:48:04.100 ID:gZ15wHQ2d
    王家の谷深部 ライアン アリーナ トルネコ ブライが変化の杖を手に入れる

    ライアン「ふむ、ブライ殿とトルネコ殿の知恵と頭のキレには脱帽だ。この難解な仕掛けをやすやすも解いてしまうとは」

    ブライ「いえいえ、姫やあなたがほとんど魔物との戦闘を負担してくれたので余裕を持っていろいろ考えることができた」

    トルネコ「私も余裕があったのでいろいろ集めてしまいました」

    アリーナ「終わり?じゃあ帰ろうよ。この変化の杖って奴で遊んでみたい」

    ブライ「……」ギロッ

    アリーナ「この変化の奴の性能を前もっていろいろ検証したい」

    ブライ「こちらは予定よりかなり早く攻略が終わりましたからな。勇者殿たちをしばらく待つことになるかもしれません」

    アリーナ「待ち合わせの宿どこだっけ?」

    131: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:49:42.643 ID:gZ15wHQ2d
    待ち合わせの宿 二手に分かれたパーティーが合流する約束の日になっても勇者たちが現れない

    ブライ「こ、これは」ダラダラ ダラダラ

    ライアン「まさか、勇者殿たちに何かあった?」ダラダラ ダラダラ 

    トルネコ(パーティーを分けるべきじゃなかったな)ダラダラ ダラダラ

    アリーナ「海鳴りの祠に様子を見に行くしかないんじゃない?」

    ブライ「しかし、船を持っていったのは向こうのパーティー。ルーラやキメラの翼では精霊と契約上、街などにしか行き先を設定できないのです」

    アリーナ(やばい、状況が把握出来てきた)ダラダラ ダラダラ

    トルネコ「どうします?何とかどこかの街の商人に頼んで船を出してもらいますか?」

    ライアン「いや、私一人で様子を見てこよう」

    アリーナ「え?」

    ライアン「実は私は闘気を上手く利用して海面を走れる」

    132: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:51:30.170 ID:gZ15wHQ2d
    海鳴りの祠 入口
    ライアン、最寄りの町から海面を走ってたどり着く

    ライアン「ふう、こんな姿は人に見せられないな」  

    ライアン「人間離れした使い方に必要なのは闇黒闘気。間違いない、私はいつの間にか闇黒闘気の扱いも上達している」

    ライアン「あのとき、ロザリーヒルでデスピサロは私に五分五分と言った。これはこのことなのか?」

    シュウー

    ライアン「くっ闇黒闘気が消えない」

    ライアン「これではまるで魔族ではないか……ん?あれは、我々の船!」

    スタスタ

    ライアン「船の中は無人か。む、航海日誌がある……これは勇者殿の字だな。なになに?」

    『〇月×日、僕たちは海鳴りの祠を攻略する。半日ほどで終わる予定だが、念の為クリフトさんが船の見張りにつくことになった』

    ライアン「これが3日前か、どうやら洞窟には勇者殿とマーニャ殿とミネア殿で入ったのか」

    ライアン「次のページは……2日前か……これはクリフトの字か」

    『勇者様たちが船に戻ってこない。船を無人にするが僕も祠に入って様子を見に行くしかない』

    ライアン「日記はここで途切れている」

    133: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 13:52:29.180 ID:piXQjXc5a
    支援
    ドラクエ4やりたくなってきたな

    134: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:55:30.841 ID:gZ15wHQ2d
    海鳴りの祠 内部
    ライアン、水面を走るのをやめてイカダで祠の内部を捜索する

    マヒャドフライ「……」ブンブン   

    マヒャドフライ2「……」ブンブン

    ライアン「何っ?マヒャドフライだと」

    マヒャドフライ「……」キュイーーン

    ライアン「させるかぁ!」スパァー
     
    ボトッ バシャン

    バシャン バシャン

    ライアン「フーッ、フーッ。さすがに集団でマヒャドを唱えられたら死ぬ」

    マヒャドフライ「……」ブンブン

    ライアン「また来た!逃げるが勝ちだ!」  
     
    スタスタ スタスタ

    ライアン「ハァハァ、この辺はモンスターはいないようだな。少し休むか」

    ライアン(……しかし、そこら中にモンスターの死骸が転がってるな。まだ新しい)

    ライアン(あれはプレシオドン?あんな大物を殺せる者は限られているはずだが……)

    ヒュン!

    ライアン「新手か……!」サッ

    ガギン!

    勇者「マーニャさん、クリフトさん、下がって!このドラゴンライダーは今までのより遙かに手強い」グッ

    グググググッ

    ライアン(勇者殿、無事だったのは良いが……またか)

    マーニャ「あんた、いい加減にしなさいよ!」バチっ

    勇者「痛っっ何で僕を叩くんですかって……ライアンさん!?」

    ライアン「ふむ、無事で何より」

    マーニャ「様子を見に来てくれたの?……ちょっと大変なことになっててね」

    クリフト「……どうしましょう」

    ライアン「マーニャ殿、ずいぶんと狼狽してるな。何があった?」

    135: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:57:29.907 ID:gZ15wHQ2d
    海鳴りの祠の外
    一同が野営している。勇者、再び斬りかかったことをひたすらライアンに謝っている。

    勇者「ライアンさん。ごめんなさいごめんなさい」

    ライアン「もう良い。勇者殿、これは私に非があることなのだ」

    勇者「え?」

    ライアン「それよりも、今はミネア殿の件だ。詳しく説明してくれ」

    マーニャ「ええ、あの子いつの間にドラゴンに乗り出して私たちを攻撃してきたの」

    ライアン「なるほど、ドラゴンライダーか。それでミネア殿を置き去りにするわけにも行かずここに留まっているわけか」

    マーニャ「話が早くて助かるわ。あの伝説は本当だったみたい」

    クリフト「その、伝説とは?実は私も勇者様たちと合流したばかりで事態をよく把握してないのですが」

    ライアン「クリフト殿。ドラゴンライダーの伝説とはな。簡単に説明するとドラゴンライダーはドラゴンのほうが本体というやつだ」

    クリフト「え?じゃあ竜に乗ってる戦士は何者なんですな?」

    ライアン「冒険者のなれの果てだろうな」

    クリフト「そんな、まさかドラゴンに操られている?」

    ライアン「そのとおり」

    マーニャ「……ミネア」

    136: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:58:36.557 ID:gZ15wHQ2d
    船上 ライアンとマーニャ備品や食料を袋に詰めている

    ライアン「勇者殿、お主はマーニャ殿とクリフト殿と共に船でアリーナ姫達と合流するのだ」  

    勇者「え?」

    ライアン「事情を説明してきてくれ」

    勇者「はい、でもライアンさん1人で大丈夫ですか?」

    マーニャ「いえ、伝説のもう一つが本当ならね……さすがに一人じゃないと……」

    ライアン「……」 

    マーニャ「と、とにかく。ライアン、姉として許すわ。ミネアが正気を取り戻さないなら……お願い」

    ライアン「む、しょ、承知した。ところで天空の鎧は?」

    勇者「ああ、初日に手に入れてます。船に積んでますが見ますか?」

    ライアン「いや、後でいい」 

    クリフト「ライアンさん。これ、キメラの翼です」
     
    ライアン「かたじけない」

    137: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 13:59:45.692 ID:gZ15wHQ2d
    再び、海鳴りの祠

    ライアン「むう、ミネア殿。ドラゴンを倒したらできれば正気を取り戻して欲しいぞ」

    ライアン「さすがに旅の仲間とは……そのあとが気まずすぎる。しかし、昔似たような場面に遭遇してるからな。あれはたしかフレアとアレクスという夫婦だったかな」 

    はしりとかげ「キュー」スタスタ

    はしりとかげ2「キュー キュー」スタスタ

    ライアン「フン!」スパーッ

    ボトッ ボトッ   

    ライアン「襲ってくるのがこんな雑魚ばかりだと良いのだが……っと」

    ブワッ

    ライアン「上か!」サッ

    キンッ

    バサッ バサバサ
     
    ライアン「ホーリーランスか。新たな鎧を着こんでいてわかりづらいが……ミネア殿だな!」

    ミネア「……ブツブツ」

    バサバサ バッサバッサ

    ドラゴン「……」

    138: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:00:49.625 ID:gZ15wHQ2d
    ライアン「ふん!」 

    ドラゴン(バカな?この人間……跳躍力がおかしすぎる)

    スパーッ ボトッ

    ドラゴン(くそっ!我が羽根が……落下するしかないか)

    ライアン「ミネア殿ーーーー!」

    ドラゴン(む、この人間。新たな奴隷と知り合いか。どちらにせよ油断するはず。隙を見て洗脳してやる)

    ドーーン

    ドラゴン(死んだふり死んだふり。奴隷は人間に助けられたか。そっちに気を取られている隙に……詠唱を始めるか)

    ライアン「させんぞ」スチャッ

    ドラゴン「!?……む、無念。我の正体を知る者であったか……ギャッ」

    ボトッ

    ミネア「キーッ、キーッ。コロス……コロス」

    ライアン「やはり、術者が死んでも正気を取り戻さぬか。ミネア殿、すまぬが縛らせてもらうぞ」

    ミネア「コロス コロス」

    ライアン「かつてのアレクス、フレア夫妻がやったように……魔術でかけられた洗脳は性的な刺激で目を覚ますことがある!」キリッ

    139: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 14:02:06.035 ID:piXQjXc5a
    ついに仲間を手にかけるのか…

    140: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:03:39.903 ID:gZ15wHQ2d
    ミネアが正気に戻っている。
    2人とも気まずそうに服を着ている

    ミネア「……」ソソクサ フワッサ

    ライアン「……」カチャカチャ

    ミネア「……」

    ライアン「……」

    ミネア「ライアンサン。タスケテクレテ、アリガトウゴザイマス」  

    ライアン「う、うむ」

    ミネア「みんなにはドラゴンを斬ったら正気に戻ったことにしておいてくださいね」
     
    ライアン「……すまぬ」

    ミネア「猿ぐつわしちゃったらですね、途中で正気に戻ったかどうかわからないですよね?」

    ライアン「……す、すまぬ」

    143: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:06:24.963 ID:gZ15wHQ2d
    ドラゴンライダーの騒動が起きている間。トルネコは単身敵の本拠地『デスパレス』への潜入を成功させていた
    変化の杖を有効に使い、有益な情報を得たり、貴重なアイテムを魔物たちからパクってきたりしていた。

    トルネコ「アッテムトです」

    マーニャ「アッテムトってアッテムト鉱山のこと?」

    トルネコ「そうです。地獄の帝王エスタークはアッテムト鉱山に眠っていた」 

    ライアン「……」

    ミネア「……」プイッ

    ライアン「……」

    ブライ「なんと、アッテムトの者たちが金を掘る過程で地獄の帝王の封印を解いてしまったのか」  

    トルネコ「ええ、ドサクサに紛れて魔物たちの会議に加わり、デスピサロ本人の演説を聞いてきたのでまず間違いないです」

    ブライ(すげえなコイツ)

    ライアン「人間の欲が地獄を呼び寄せてしまったということか……」

    147: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:12:29.325 ID:gZ15wHQ2d
    アッテムト鉱山
    視界が悪くなるほどの瘴気が充満している

    ライアン「これは瘴気か」

    勇者「死体がたくさん転がってますね」

    ブライ「金を探して掘り進める過程で長年地中に溜まっていた地獄の帝王の瘴気が流れ出て来たんだろうな」

    トルネコ「先に述べた通り、デスピサロの軍がすでに進軍しています。もちろん、奴らの目的はまだ眠っている地獄の帝王を保護するためです」

    トルネコ「少数精鋭で潜り込み、速やかに地獄の帝王を倒して脱出しましょう」

    勇者「はい」

    ライアン(勇者殿、いい表情だ)

    ブライ「少数精鋭……そうですな。瘴気にさらされ続けても危険、デスピサロの軍と鉢合わせしても危険」

    トルネコ「地獄の帝王討伐は……勇者様とライアンさんとアリーナ姫。そして私の4人で行きます。皆さんいいですね?」

    ブライ「むっ、姫を危険にさらすわけには」

    アリーナ「ここで地獄の帝王を倒せないで完全に復活されたらどっちにろ終わりでしょ」
     
    ブライ「むむ」

    ライアン「地獄の帝王か。つい数年前まではそんなものは伝説上のものと考えていたのだが」

    152: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:16:17.569 ID:gZ15wHQ2d
    トルネコ「単身で探索したり、カジノの景品で取った武具です。皆さんお使いください」

    ブライ(すげえなこいつ) 

    トルネコ「奇跡の剣3本に力の盾が3つにグリンガムのムチです」

    アリーナ「ムチか……それ凄いね」

    トルネコ「姫は状況に合わせて範囲攻撃と白兵戦を使い分けてください。できますね?」

    アリーナ「わかった」

    トルネコ「我々男性陣は治癒効果のある武具を纏いゲリラ戦を行います。ライアンさんと私はいざとなったら命を捨ててでも若い2人に活路を開くこと」

    ライアン「承知した」

    トルネコ「勇者様は地獄の帝王の前にたどり着くまでは極力魔力を温存してください。それと基本的に攻撃魔法は使わないように」

    勇者「了解!」

    トルネコ「姫、地獄の帝王攻略はあなたが鍵になるはずです」

    アリーナ「わかった」

    トルネコ「では突入しますよ。瘴気の中では常に生命力が削られる。時間との勝負です!」

    ライアン「おう!」 

    155: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:18:42.196 ID:gZ15wHQ2d
    そうして4人はアッテムト鉱山に突入した。基本的に足を止めずに進み続ける作戦。

    鉱山には元々そこに住み着いているモンスターしかいないが、強力なモンスターが徘徊していた。

    後方から迫るデスピサロ軍、前方に群がるモンスター。

    そんな高難度なミッションも、手練の4人はものもせず全身していく。

    トルネコ「メダパニバッタの群れです!姫、前に出てムチでなぎ払ってください!」

    アリーナ「ハァハァ……了解!」

    ヒュンヒュン ヒュン

    メダパニバッタ「ギー!」バタバタ

    アリーナ「……ゴフ」ガクガク

    トルネコ「勇者様!姫に回復の魔法を!瘴気で肺がやられ始めてます」

    勇者「了解!」

    ライアン(むう、治癒効果のある武具の性能が引き出せない姫だけはちと苦しいか。何もしてなくても肺にダメージが蓄積する)
     
    トルネコ「ドラゴンライダーが2体きます。ライアンさん。我々で仕留めますよ!」

    ライアン「うむ」

    トルネコ「わかってると思いますが、本体はドラゴンですからね」

    ライアン「了解!」

    ライアン「おのれ!ドラゴンめ!」

    156: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:20:07.834 ID:gZ15wHQ2d
    そうして4人はどんどん鉱山を下っていく。
    しばらくすると……だだっ広い空間に出た。

    ライアン「こ、これは……遺跡なのか?」

    アリーナ「というか……神殿かな? ゴフッ」

    トルネコ「……」

    勇者(瘴気がさらに濃くなってきたな。この奇跡の剣ってやつと力の盾って奴のおかげで僕たちはほとんど影響ないけど……)

    アリーナ「……ゲホッ……ゲホッ」ゴパー

    勇者(アリーナはもう限界か)

    アリーナ「水の匂いがする」

    ライアン「む?」

    アリーナ「この先に回復の泉があるかも」

    ゾロゾロ ゾロゾロ

    トルネコ「この辺は瘴気がありませんね。泉の聖なる力のおかげですか」

    アリーナ「……ふう。生き返った」
     
    勇者(良かった)

    トルネコ「……姫はここに残ってください」

    ライアン「……!?」

    157: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:21:38.838 ID:gZ15wHQ2d
    アリーナ「そんな、私だって命をかけて戦う!」
     
    トルネコ「勘違いしないでください。あなたはここで後方からくるデスピサロ軍の足止めをしてください」

    ライアン(ええええ?)

    勇者(な、何?このおっさん)

    アリーナ「……」

    トルネコ「私の判断ミスでした。奇跡の剣と力の盾がない人間は予想以上に瘴気の影響を受ける」

    アリーナ「だね」

    トルネコ「だから、あなたは泉の力を借りながら私たちが地獄の帝王を倒すまで時間を稼いでください」

    アリーナ「……了解」

    勇者(若い2人に活路を見出す作戦じゃなかったのかよ)

    トルネコ(世界の命運がかかってる。非情に徹しなければ)

    159: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:24:30.466 ID:gZ15wHQ2d
    アリーナを欠き、エスタークの神殿最深部まで進んだライアン、勇者、トルネコの3人。
    待ち構えていたライノスキングたちに苦戦する

    ライノスキング「グオオオオ」ブンッ
     
    トルネコ「勇者様!危ない!……グハッ」

    ヒューン

    ビチャッ

    勇者「ト、トルネコさーーーーん!」

    ライアン(まずい、司令塔がやられた)

    トルネコ「……」ピクピク

    ライアン(よかった。壁に貼り付いてるが生きてはいるようだ)

    ライノスキング「はっは!次はどいつだ!」

    ライアン「はああああー」ゴオオ

    ライノスキング(凄まじい闘気……しかし)

    ライノスキング「だからどうした!」

    ゴオオオオ

    ライアン「うおおおおおお」

    ライノス「せいやぁぁぁぁあ」

    スパッッ ボトッ

    ブン グチャ

    勇者「ラ、ライアンさーーーーん」

    ライアン「くっ相打ちか。私も壁に貼り付けられるとは……格好悪いな」ガクッ

    勇者「……」

    勇者「えっと、ベホマズーーン」

    キュイイイン
     
    ライアン、トルネコ元通りになる。

    ライアン「ベホマズン。これ時間でも巻き戻ってるのか?」

    トルネコ「そう勘違いするほど細胞レベルで元に戻りますな。折れて吹き飛んだ歯まで修復してる」

    勇者「2人とも大丈夫ですか?」

    ライアン「え?うん」

    160: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:25:30.520 ID:gZ15wHQ2d
    そうして3人は自己紹介王エスタークの元へたどり着く

    勇者「これは……石像?」

    ライアン「違う、禍禍しい波動を感じる」

    トルネコ「何ですか?この音は?」

    ゴオオオオ

    ゴオオオオ

    ゴオオオオ

    ライアン「規則正しいリズムの轟音……まさか……イビキなのか?」

    トルネコ「!?」

    勇者「寝ている?」

    ライアン「好都合だ!畳みかけるぞ!」

    エスターク「…………」ユラッ

    ピカーーー

    一同「うわあああああ」

    164: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:30:39.016 ID:gZ15wHQ2d
    ライアン「なんだ?今のあやしい光は?体を中から蝕むような」

    トルネコ「くそっ!」ブンッ

    ギンッ

    勇者「はあ!」ブンッ

    カキーン

    エスターク「……」パチッ

    ライアン(目が……開いた!)

    エスターク「……」ギロッ

    コォォォォー

    ライアン「冷気!皆、盾を構えろ!」

    キュルルルルルル キーン

    勇者「うわあああああ」ピキッピキッ

    トルネコ「……グッ」ピキッ

    ライアン「そんな……たった二回動かれただけで全員瀕死なんて」

    勇者「こっちの攻撃はイマイチ手応えがない……ですし」

    トルネコ「それが私がアリーナ姫を討伐チームに選んだ理由でした。彼女ならセンスで固い外表の弱い部分を見つて攻撃できるはずだった」

    ライアン(会心の一撃というやつか……)

    アリーナ「呼んだ?……ゴプァ」

    一同「!?」

    そこには片腕が無いボロボロのアリーナが立っていた。

    ライアン「姫!腕が!」

    アリーナ「斥候部隊みたいの全滅させてね。何にも来なくなったから応援に来たんだけど……ごめんなさい、もうダメみたい。片腕じゃ何もできないよね」バタン

    ライアン「姫ーー!」

    165: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:32:51.259 ID:gZ15wHQ2d
    勇者「ベホマズーーン」

    キュイイイン 

    アリーナ「え? 腕が生えてる?さっき魔物に食われたのに」

    トルネコ「恐怖すら感じますな」 

    ライアン「怪我を治すというレベルじゃないな。粘土細工でも直してるみたいだ」

    勇者「みんな、ボーッとしないでください」ゴクゴク

    ライアン「む、承知した」

    勇者「ふくろにトルネコさんが集めた魔法の聖水たくさんあります。あと20回はベホマズン行けるんで」 

    アリーナ「……」

    3時間後

    アリーナ「はあ!」

    ズドーン

    ライアン(見事だ姫。光の闘気の衝撃が地獄の帝王の内部に貫通した)

    エスターク「グオオオオ」

    ピキッ ピキッ ドドドドドド

    ライアン「エスタークが、粉々になり、崩れていく」

    アリーナ「……」

    トルネコ「……」

    勇者「……勝った」

    ライアン「地獄の帝王を……倒した」

    トルネコ「うおおおおおお」

    166: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:34:06.741 ID:gZ15wHQ2d
    その時、神殿の入口のほうから数体の魔物が現れた。いや、先頭の者は遠目では人間のシルエットに見える。

    デスピサロ「ええい!斥候部隊は何をやっているのだ?道に迷ってしまったではないか!」 

    魔物1「それが……全く音信不通で」

    デスピサロ「とにかく、まだ覚醒していない弱り切ったエスターク様が人間共に見つかる前に保護するぞ!」

    ライアン(……よ、弱り切った?) 

    勇者「デスピサロ……」ピキッピキッ

    魔物2「デスピサロ様!向こうに人間が数体います!」 

    デスピサロ「な、なに?」

    トルネコ(デスピサロか……地獄の帝王を倒した今となっては放っておいてもかまわない……とはならないな)

    ライアン「数の上でもこちらが上だ」

    トルネコ「ここで殲滅させましょう」

    アリーナ「了解」

    勇者「あいつが……デスピサロ」

    167: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:35:33.550 ID:gZ15wHQ2d
    デスピサロ一団、ライアンたちの元に近づく

    デスピサロ「お前は!ライアン!」

    ライアン「また会ったな。そしてここで死ぬがよい」

    デスピサロ「ぐっ今はお前にかまっている隙はない。見逃してやる」

    勇者「デスピサロォォーーーー!」ピキッピキッ 

    魔物1「何か人間の子供が雄叫びをあげてますが?」

    デスピサロ「放っておけ!まずは地獄の帝王を探すのだ」

    トルネコ「……」

    ライアン「貴様の目は節穴か?我々の足元にある残骸が何かわからないのか?」

    魔物2「あ、あのツノ……まさか」

    勇者「地獄の帝王は僕たちが倒した。次はお前だ!」

    デスピサロ「なん……だと?」

    168: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 14:37:53.336 ID:gZ15wHQ2d
    ライアンたちとピサロたちが睨みあっている

    デスピサロ「間違いない、地獄の帝王のご遺体だ」

    デスピサロ「そんなバカな。地獄の帝王が倒されてしまうとは」

    ライアン「……」スチャ

    デスピサロ「しかし、予言ではエスターク帝王を倒せるのは天空の血を引く勇者のみ」

    勇者「ブツブツ……」バチバチ バチバチ

    アリーナ(まずい。勇者が冷静じゃなくなってる)

    ライアン(デイン系の魔法を放つ気か?このパーティはゾンビアタックこそ真骨頂なのだぞ)

    トルネコ(さて、どうする) 

    デスピサロ「はっ!まさかお前たちは?」

    勇者「殺してやるデスピサロ」

    デスピサロ「お前、その姿……そんなバカな!お前はあの時しっかりと殺したはず」

    ライアン(……まずいな。本当は勇者殿には後方に下がってベホマズンを詠唱していて欲しいのだが)

    バチバチ

    勇者「ギガデイン!」

    ピカッ  

    ドッドッドッドーーーン!

    ライアン(くっ、広範囲を巻き込む無数の雷!何という出力だ!)

    魔物1「ひっギャアー」プスプス

    魔物2「……」プスプス

    デスピサロ「……ちっ」ビリビリ ビリビリ

    勇者「デスピサロォー!」

    デスピサロ「貴様、どうやら本当に勇者のようだな。ちょうどいい、ここで息の根を止めてやる」

    ライアン(向こうが乗り気だ。4vs1……いける)

    新手の魔物「ピサロさまー。恐れながら報告があります!」

    トルネコ(不味いな。一気に叩かないとどんどん援軍がくるか)

    170: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 14:40:47.376 ID:ZyvDU+eFa
    しえん

    176: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 15:01:51.209 ID:O4gDHX6Ux
    支援

    178: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 15:10:55.606 ID:ygbgqHaKd
    魔物が一体、デスピサロに何かを伝えようとしている

    デスピサロ「後にしろ。まずは勇者を殺してからだ」

    ライアン「……来い」スチャ

    勇者「……」バチバチ バチバチ

    魔物「そ、それが。ロザリーヒルのロザリー様が人間にさらわれたそうなのです」

    デスピサロ「……!?なに?」

    魔物「どうされますか?」

    デスピサロ「くっ、とにかく引き上げるぞ」

    勇者(……なに?)バチバチ バチバチ

    アリーナ「デスピサロが逃げていく」

    勇者「ま、まて!」

    ライアン「逃がすか!」

    デスピサロ「リレミト」ズズズ

    ズズズ

    トルネコ(……空間を入口とつなげた。まずい逃げられる)  

    勇者「みんな僕の近くに集まってください!」
     
    アリーナ「……」スタスタ

    勇者「リレミトォ」

    ズズズ

    180: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 15:17:43.990 ID:gxFYislgd
    アッテムト鉱山入口
    デスピサロ軍はいない

    勇者「くそっ逃げられた」

    トルネコ「おそらくデスピサロたちは別の入口から入り神殿に辿り着いたのでしょう」

    勇者「……」  

    ライアン「今回は地獄の帝王を倒せたのだ。それで良しとしよう」

    勇者「……」

    トルネコ「しかし、奴ら気になることを言っていましたな」

    ライアン「うむ」

    勇者「……ロザリーヒルに行ってみましょう」

    183: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 15:35:12.860 ID:gxFYislgd
    ロザリーヒル
    住人たちが悲しんでいる

    勇者「ロザリーさんが人間に殺された?」

    ブライ「住民たちの話を聞くかぎりそのようですな」

    勇者「……」

    トルネコ「見つかったロザリーさんの死体は見るも無残な姿だったとか」

    勇者「何のためにそんなことを?」

    トルネコ「涙を流させてルビーを得るためでしょうね」

    ミネア「……」シャッフル シャッフル 

    ライアン「……」

    ミネア「……」シャッフル シャッフル

    勇者「どちらにせよ、デスピサロは倒さなけばならない」

    ミネア「天空の剣を探しましょう」

    一同「……?」 

    ミネア「占いではそれがデスピサロを倒す1番の近道とでました」

    ライアン「……」 

    ミネア「それと、ライアンさん」

    ライアン「……?」 

    ミネア「あなたは私たちと別行動を取り、黄金の腕輪を探すのが良いと出ました」

    186: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 15:48:28.662 ID:gxFYislgd
    ライアン 世界を1人で回り、黄金の腕輪を捜索している

    ライアン(ミネア殿の占いによると……デスピサロはロザリーを殺されたことにより自暴自棄になっていると)

    ライアン(自分自身に進化の秘法を使う可能性が高いとのことだったな)

    ライアン(そして、究極の進化には闇の力を増幅させる黄金の腕輪の存在が不可欠) 

    ライアン「つまり、黄金の腕輪を抑えてしまえばデスピサロは不完全な進化を遂げて自滅する可能性すらある」

    ライアン「と、いうことなのだ。何か情報はないか?」

    商人「黄金の腕輪……ですか」

    187: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 15:57:50.814 ID:04TKp7nKd
    ライアン キングレオの酒場で例の商人と酒を飲んでいる 

    ライアン「勇者殿たちと別れてずっと黄金の腕輪を探しているが手がかりすら見つからないのだ」

    商人「その言い方は少し語弊があるのでしょう?」

    ライアン「う、うむ」

    商人「そう、黄金の腕輪絡みのいわく付きの話はすで世界中に出回っている」

    ライアン「実はそうなのだ。ガセかどうかもわからん情報も含めると膨大な数の話が出てくる」 

    商人「私が聞いた噂は……サントハイムの姫を名乗る一団が先日封印を解いてしまったとのことでしたが?」

    ライアン「む、それは姫本人が封印を解いたことを嘆いていたが?」

    商人「……?おかしいですな。その偽姫は別の意味で有名になるほど失笑を買うよな容姿とのことでしたが……封印を解いたのがご本人とは。やはり噂はアテになりませぬな」

    ライアン「うむ」

    188: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 16:04:14.844 ID:raC3ETTud
    商人「私はこう考えています」

    ライアン「……聞こう」

    商人「アリーナ姫たちが封印を解いて以来、黄金の腕輪は目まぐるしく所有者を変えている、と」

    ライアン「……?」

    商人「怪しい魅力で欲の深い人間を引きつけ、所有した者を破滅させてしまう」

    ライアン「ふむ」

    商人「黄金の腕輪のこの2つの特性が真実なら、それは欲深き人間の間を常に行き来していてもおかしくない」

    ライアン「なるほど」
     
    商人「まるで魔性の女の話のようですな」

    189: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 16:08:14.443 ID:BW9CgJxn0

    190: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 16:16:06.982 ID:Q9hi3wvqd
    使用人「お話中申し訳ありません。旦那様。少しよろしいでしょうか?」

    商人「なんだ?」

    使用人「キャラバンにお宝を売りたいと申す者が現れまして」

    商人「後にしてくれ、今話が面白いところなんだ」

    ライアン(何だろう?なぜか気になる)  

    ライアン「行商の者に売りつけようとする輩か。盗賊かな?」

    使用人「私もそう思いました。売りに来たのは顔を隠した怪しい男でして」

    商人「足が付かないように……か。面白そうだな、会ってみよう」

    ライアン「……お主。盗賊と関わるのは危険とは考えないのか?」
     
    商人「そんなことを気にしてたら商売なんかやってられませんよ」

    ライアン「なるほど」

    商人「そうだ。ライアン様も立ち合ってみませんか?」

    ライアン「む?」 

    商人「盗賊が売ろうとしてるのが黄金の腕輪だったなんてオチがあるかもしれませぬ」

    192: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 16:27:05.490 ID:Lx3B5mUta
    支援

    193: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 16:28:17.789 ID:Q9hi3wvqd
    ライアン 鎧を預けて商人風の衣装で商人たちに同行する。
    商人は馬に乗り、ライアンはそれを引いている

    ライアン「旦那様。それではキャラバンに向かいましょう」

    商人「ラ、ライアン様。変装してさえいれば口調まで変えることはないのでは?」

    ライアン「どこで誰が見ているかわかりませぬ。しばらくは私を使用人として扱いくださるようお願いいたす」

    商人「は、はあ」

    使用人(ライアン様。ノリノリだな)

    商人「今は私のキャラバンはどの辺にいる?」

    使用人「けっこう遠出してまして、モンバーバラの近くでキャンプをしています」 

    商人「そうか」

    ライアン「ふむ」

    商人「キャラバンは一昔前は炭鉱と城を往復していた」

    ライアン「ほう」

    商人「今はハバリアの町やモンバーバラを行商の対象にしている」

    ライアン「さようですか旦那様」

    194: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 16:42:54.548 ID:dvSsUs9od
    ライアン一行 キャラバンにたどり着く

    商人「さすがはライアン様。この程度の距離なら息切れ1つしませぬか」

    ライアン「旦那様」

    商人「む、すまない。大したスタミナだなお前は」

    ライアン「鍛えてますゆえ」

    商人「あちらのほうも、相当鍛えておるのではないか?ええ?」

    ライアン「はっはっはっ、適いませぬなあ。旦那様には」

    使用人「しっ、お二方!」

    商人「どうした?」

    使用人「囲まれているようです」

    ライアン「……そのようだな」

    商人「まあ、慌てるな。護衛は多めに雇っているし、ライアンさ……この者すらいるのだぞ」 

    使用人「そ、それもそうですね」

    ライアン「……いえ、旦那様。そうもいかないようです」

    商人「……?」

    ライアン「囲んでいる奴らは、気配からすると……魔族のようです」

    商人「ま、魔族?」

    195: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 16:58:48.105 ID:p1OhLPj4d
    ???「まずは皆殺しにしろ。黄金の腕輪は痕から死体から探せばよい」

    商人「!?」

    使用人「!?」  

    ライアン(……この声は!)

    女エルフ「しかし、もし無関係なら何も殺す必要はないのでは?」 

    ライアン(こちらも聞き覚えがある声だな)

    ???「やかましい!目に映る人間などすべて殺してしまえ」

    女エルフ「わかり……ました。デスピサロ様」

    使用人「な……?」

    商人「デ……スピサロ?」

    女エルフ「というわけだ。悪いが死んでもらう」

    魔物「キー!」

    魔物2「キー!」

    女エルフ「すぐに仲間のところに送ってやろう」

    使用人「ま、まさか」

    商人「貴様ら!まさかキャラバンを襲ったのか!」

    197: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 17:15:47.559 ID:5SzZc2p1d
    デスピサロ「ブツブツ……ブツブツ」
     
    ライアン(……) 

    商人(……)

    ライアン「ヒイーーお助けぇ(裏声)」ジタバタ ジタバタ
       
    商人(……なるほど)

    使用人「……」

    商人「貴様ァ、体を張って私を守らぬかっ!」ゲシッ

    ズザザ

    ライアン「お、おやめください!旦那様ァ(裏声)」ガクガク ブルブル

    魔物1「おい、この人間。頭を抱えて震え出したぜ」

    女エルフ「ふん、人間なんて皆そんなものだ。私欲のために弱い者を理不尽に踏みにじるような奴ら」

    デスピサロ「……黄金の腕輪さえあれば」ボソボソ ボソボソ

    魔物「コイツから殺してやる」

    ライアン「ヒイーー」

    護衛1「おっと、お前の相手は俺だ」

    ガッ  

    魔物「ちっ小癪な!」
     
    ガッ ガッ
     
    護衛2「どけ、おっさん」ゲシッ

    ライアン「ひっ」  

    護衛2「うおおおっ」

    魔物2「ケケケケケ」

    女エルフ「ん?1人森のほうに逃げたか。まあ、後で追いかけるか」

    デスピサロ「……」

    ライアン「商人、お主の部下や雇った護衛はずいぶんと優秀だな」スチャ

    198: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 17:32:56.959 ID:Lx3B5mUta
    支援

    199: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 17:36:49.099 ID:/zyD2yfNd
    突如現れた魔族の一団と襲われた商人の一団との戦いが始まる。
    商人が雇った護衛は思いのほか優秀で魔物たちと善戦している。  

    ライアンは匍匐前進で木の隙間をコソコソと移動している

    護衛「ロレンス!援護にまわれ」

    護衛2「……わかりました」チラ

    ライアン「……」コソコソ

    護衛2(ライアン様が魔族の首領らしき者の背後に回り込むまで……時間を稼ぐ)

    魔物1「ケケケケケ」ブンッ

    ガッ ガッ 

    護衛1「なめるな!」ヒュンッ 

    ガッ

    護衛2「ベギラマ!」

    ゴォ!

    魔物2「ちっ!」チリチリ

    ライアン(本来は不意打ちなどという卑怯な真似はせぬのだが……デスピサロはルーラやリレミトを使うからな)

    女エルフ「お前ら何をやっている。早く片付けろ」

    魔物1「黙ってろホイミ要因が!こいつらなかなか手強いんだよ」

    女エルフ「ちっ」

    女エルフ(たしかに私は回復魔法には長けるが他はからきしだからな。言い返せない)チラッ

    デスピサロ「……」ボソボソ ボソボソ

    女エルフ(人を殺したことはない。でも……私はピサロ様の意思に従う。せめて森に逃げた男だけでも……)

    女エルフ「殺す」

    201: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 17:46:52.172 ID:QwWhPhhrd
    ライアン すでに匍匐前進でデスピサロの背後に回り込んでいる。

    デスピサロ「人間め……よくも」ボソボソ

    ライアン(得物は『聖なるナイフ』……ちと頼りない武器だが。闘気を込めれば!)

    ゴオオッ!

    デスピサロ「なっ!光の闘気だと?」

    ライアン(気づかれた!だがもう遅い!)

    デスピサロ「……くっ!」

    ライアン「終わりだ!デスピサロ!」

    デスピサロ(この声は……ライアン!まずい、ガードが間に合わない!)

    ザクッ  

    女エルフ「……グフッ」

    ライアン「な、なに?」

    210: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 18:15:22.715 ID:mnl3FH+md
    デスピサロを庇い女エルフはライアンに胸を刺される。

    ライアン「くっ、外したか」

    女エルフ「ピサロ様……お逃げください」ゴフッ 

    デスピサロ「くっ……ライアン、お前がここにいるということは……勇者も来ているのか!」

    護衛2「……?」

    商人「まんまと罠にかかったな!その通りだ。黄金の腕輪は渡さない」

    使用人(さすが旦那様、ハッタリ上手)

    ライアン「デスピサロー!」ヒュンッ  

    デスピサロ「くっ!」

    ヒュンッ

    キンッ

    キンッ

    211: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 18:17:27.206 ID:nvR5QW6Td
    デスピサロ(ライアン!こいつ短刀術も極めてるのか)

    魔物「デスピサロ様。あまり長びかせると勇者たちが!」

    デスピサロ「引くぞ。お前は自分に回復魔法をかけろ!」

    女エルフ「グフッ……心の臓を突かれました。私はもう助かりません」

    デスピサロ「何?」

    女エルフ「お逃げください」ガクガク

    デスピサロ「く、くそ!お前たち!私の近くに集まれ!」

    魔物1「はっ!」

    護衛1(ルーラを使うのか?)

    魔物2「お前だけでも殺してやる!」

    ヒュンッ

    護衛1「……!?……グワッ」 

    ズブッ   

    護衛2「スコットォォォ!」

    ライアン「……くっ……デスピサロォ!」
     
    ヒュンッ  

    デスピサロ「ルーラ!」 

    魔物「ケケケケケ、あばよ!」

    ヒューン

    商人「……」

    護衛2「スコットォしっかりしてください!」

    トマース「ワン!ワン!」

    ライアン「……くそ!」

    213: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 18:31:00.767 ID:GaYQGa1md
    惨劇が終わった。
    ライアンは女エルフを抱きかかえる
    護衛2は護衛1に回復魔法をかけ続けるが効果がない模様。

    女エルフ「ゴフッ……相変わらずいい男ね。ライアン」

    ライアン「同情はせぬぞ。世界を滅ぼそうとする魔族に組みしたのだ。自業自得だ」 

    女エルフ「人間を滅ぼす……ね。そこ、間違わないでね」

    ライアン「……」

    商人「ロレンス君。スコット君は?」

    ロレンス「魔力が切れました。私では彼を救えませせんでした」

    商人「……そうか」

    トマース「……クーン」

    ライアン「……」

    女エルフ「ふふ、実はねライアン。私のお腹には赤ちゃんがいたの」

    ライアン「……!?」

    女エルフ「でもあなたの子ではないから安心してね」ガクッ

    ライアン「……?」

    使用人「死にましたか。エルフ……か。こんな若い娘がなぜ」

    商人「弔ってやろう」

    護衛2「ダメです。こいつらは『進化の秘法』に関わったかもしれない奴ら。死体は解剖して徹底的に調べます」

    商人(そうか。だからこのエルフの娘はライアン殿にあのような嘘を)

    勇者「あの……お取り込み中申し訳ありませんが」

    ライアン「勇者殿!なぜここに?」

    勇者「え?ミネアさんの占いを聞いて気球で駆けつけました」

    ライアン「気球?」
     
    勇者「とりあえず……ベホマズーン!」

    キュイーーン

    女エルフ「……あれ?」ガバッ

    護衛1「……生き……てる?」

    215: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 18:44:41.408 ID:5qIvZ4aT0
    便利だなぁ

    214: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 18:43:46.781 ID:CYVQw71W0
    ほっしゅ

    216: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 18:46:20.102 ID:Ws7P9DFQd
    女エルフは勇者たち一行に軟禁されることになった。
    致命傷を受けた護衛も何事もなく商人の護衛の仕事に戻る。

    ライアン「皆、すまない。千載一遇の好機を逃した。もう少しでデスピサロを仕留められたのに」

    勇者「……」

    ミネア「いえ、ライアンさん。あなたは十分に使命を果たしました」

    ライアン「……?」

    商人「どういうことですかな?」

    ミネア「商人さん。あなたの咄嗟についた噓も大きかったようです。デスピサロは『黄金の腕輪』を勇者一行が所持していると誤解しました」

    女エルフ「……!?」

    ライアン「つまり?」

    ミネア「デスピサロは黄金の腕輪を諦め、不完全なまま進化の秘法を自分に施し始めるでしょう」

    女エルフ「……」 

    ミネア「今はスパイとして活動しているトルネコさんが言葉巧みに進化の秘法を使うように誘導してるはずです」

    ブライ(あいつすげえな)

    217: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 18:59:30.267 ID:Ws7P9DFQd
    デスキャッスル
    デスピサロがトルネコの口車に乗って不完全な進化の秘法を自分に施している
    トルネコはもちろんモンスターに化けている

    デスピサロ『……ロザリー……ロザリー……』

    トルネコ「デスピサロ様。ロザリー様の仇を討ちたいでしょう。苦しみに耐えて人間共へ鉄槌をくだす力を得てください」

    デスピサロ『……わ、わかった』

    トルネコ(さて、これでもうデスピサロは後戻りは出来ないな)

    トルネコ(本当は暗殺が成功するか自滅してくれるかがベストだったんだが……)

    トルネコ(完全な進化を阻止しただけで良しとするか。……あとは勇者様に任せよう)

    デスピサロ『グ……グオォォ』

    トルネコ「デスピサロ様。私はこれより地上に出向き、1人でも多くの人間を抹殺してきます」

    デスピサロ『……』 

    トルネコ(反応無しか……さて、ずらかるか)

    221: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 19:14:19.608 ID:ZwXNqz230
    保守

    223: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 19:23:45.135 ID:Ycoc4gEga
    オリジナル展開いいぞ

    244: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 21:19:23.435 ID:Tf5mYbhid
    久しぶりに集結した仲間たち
    それぞれの情報を照らし合わせる

    ドラン「グルルル」

    ライアン(……どういう経緯でドラゴンが仲間になったのだろう)

    勇者「ライアンさん。マスタードラゴン様のお力で天空の剣も真の力を発揮できるようになりました」

    ライアン「うむ」

    ライアン(そもそも天空の剣の真の力を発揮する以前の状態がわからん)

    勇者「もちろん、いろいろ思うところはありました。しかし、マスタードラゴン様に協力することが正しいこと、今はそう自信を持って言えます」

    ライアン「うむ、勇者殿。しばらく見ぬうちに見違えるように成長したな」

    勇者「へへっ」

    トルネコ「ライアンさん、ちょっとこっちへ」カモン カモン

    ライアン「う、うむ。トルネコ殿も久しいな」

    トルネコ「あなたはしばらくパーティーを抜けていたからまったくみんなと話が噛み合わないでしょう?」

    ライアン「うむ、実はそうだ」

    トルネコ「ライアンさんがパーティーを抜けてる間に起きたことを小説風にまとめて起きました。よろしければあとでどうぞ」

    ライアン「うむ、助かる。さすがトルネコ殿」

    ブライ(てかそいつも長期間スパイとかやってたんだが)

    246: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 21:33:20.551 ID:yQvluqlKd
    ライアン トルネコの手記を眺めながら会議に参加

    ライアン(リバーサイドの学者に気球を作ってもらい)

    ライアン(世界樹で天空人ルーシアの力を借り、『天空の剣』を手に入れ)  

    ライアン(『バロンの角笛』なる遠くから馬車を呼び寄せることができる道具を手に入れ)

    ライアン「勇者殿の天空の装備を通行証に天空城にいき、この世界の神であるマスタードラゴンと会ってきたか」

    ライアン(この手記を何も知らぬ者が見たら架空の物語だと思うだろうな)

    251: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 21:49:13.428 ID:cZ81g9rnd
    ミネア「運命がいろいろ変わっているわ」

    勇者「どういうことですか?」  

    ミネア「詳細はわからない。でも最初に占ったときはデスピサロの元へたどり着くには四つの強大な敵を打ち破らなけばなかったはず」

    勇者「今はその力を感じないのですか?」

    ミネア「ええ」

    トルネコ「ああ、それはデスピサロの城を守る結界のことを指していたのでしょう。その結界を生成する源の4つの『結界の祠』はそれぞれ強力な魔物に守られていた」

    勇者「指していた?守られていた?過去形ですね」

    トルネコ「四体とも暗殺してきました。デスピサロを暗殺出来なかったのです。それくらいは当然です」

    ブライ「……」

    勇者「そ、そうですか」

    ライアン「そ、その。トルネコ殿、お主はスパイ活動をしてデスピサロの近くに潜り込んでいたのだよな?」

    トルネコ「そうですが?」

    ライアン「その結界とやらはどうやって突破したのだ?」

    トルネコ「それは変化の杖での変身とハッタリと賄賂を駆使してですね」

    ライアン「そ、そうか」

    ブライ「……」

    253: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 21:51:52.620 ID:YQbfSbD90
    トルネコやべえ
    勇者よりトルネコ消すべきだったな

    254: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 21:53:25.084 ID:CYVQw71W0
    不思議のダンジョンで鍛えたトルネコすげえなw

    255: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 21:55:33.732 ID:tfg07gSO0
    もはやクリフトが空気

    257: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 21:59:09.712 ID:ykWsHTDid
    ミネア「トルネコさんがいろいろ運命を変えたようね」

    トルネコ「なんと……良い変化だけだといいのですが」

    ミネア「悪い変化はないはずだけど……いろいろと腑に落ちない点もあるわ」  

    トルネコ「と、いうと?」

    ミネア「私が最初に占ったときはトルネコさんがスパイ活動をしない未来だったの」     

    ライアン(……ふむ)

    ミネア「それでもデスピサロは今と同じように黄金の腕輪を諦め不完全な進化に手を出す未来だった」

    トルネコ「うーむ」

    ライアン「つまり、トルネコ殿がやらなくてもデスピサロは誰かにそそのかされる運命だった?」

    ミネア「そうかもしれません。まあ、あくまで占い。必ず当たるわけではありません」

    マーニャ「でもあんたの占いだいたい当たるからね」

    261: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:11:00.193 ID:ylngFNy0d
    会議の場に軟禁されていた女エルフが連れてこられる

    ドラン「グルルル?」

    女エルフ「さて、何をされるのかしら?1度は死んだ身だし、人間の敵に回ったわけだし、どんな責め苦も覚悟してるわよ」  
      
    ブライ「ワシらを何だと思っとるんじゃ」 

    ミネア「あなたを解放するわ。ロザリーヒルに帰るなりデスピサロの元に帰るなり好きにして」

    女エルフ「……?」

    勇者「え?この人、黄金の腕輪を僕たちが持ってないって情報持ってるんですよ?解放するのは危険じゃないですか?」

    ブライ「いや、勇者様。デスピサロはもう後戻りが出来ない状態です。仮に今さら黄金の腕輪を手に入れたとしても無意味」

    勇者「あっ、そうか」

    アリーナ「……???」

    女エルフ「そう、デスピサロ様はもう助からないのね」

    学者「でしょうな。仮にそやつを誰も倒さなかったとしても……不完全な進化を遂げたからには数年生きれるかどうかだろう」

    女エルフ「……」  

    学者「しかも苦しみ抜いたあげくにね。……向こうも独自の実験をしてそうなるのがわかっていたはずののだが。理解に苦しむね」 

    女エルフ「……そう」

    262: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:19:38.509 ID:iCNGbgOCd
    女エルフ「じゃあ、お言葉に甘えて逃げさせてもらうわ」

    ミネア「あ、女エルフさん」シャッフル シャッフル

    女エルフ「なに?」 

    ミネア「あなたのこれから行動、サービスで無料で占わうわよ」シャッフル シャッフル

    女エルフ「……けっこうよ」
       
    ミネア「まあ、そういわずに」シャッフル シャッフル  

    シャララー

    女エルフ「……」 

    ミネア「あなたのこれからの運勢。イムルの村に行き、人間の宿に一拍すれば……裏切りの後に幸せを得るでしょう」

    女エルフ「……?そのイムルの村ってのがどこにあるかもわからないしそもそも人間の宿に泊まるなんてあり得ないわね」

    ミネア「……」シャッフル シャッフル 

    女エルフ(無視?)  

    ミネア「想い人の元へ帰れば……あなたは幸せな最後を迎えるでしょう」

    女エルフ「……悪いわね。占いは信じないことにしてるの。じゃあね、人間たち」

    ドラン「グルルル」

    トーマス「ワン!ワン!」
     

    263: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:21:49.724 ID:iCNGbgOCd
    女エルフ運命安価>>264

    ハッピーエンドかバッドエンド二択で

    264: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 22:26:03.568 ID:oyOUt5xl0
    ハッピー

    265: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:26:55.681 ID:iCNGbgOCd
    >>264了解

    266: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:40:06.602 ID:iCNGbgOCd
    一同、最終決戦に挑む覚悟を決める

    学者「先に申した通り、放置してもデスピサロは数年後には絶命するでしょう」

    ブライ「……む」 

    学者「しかし、強大な力を持つ魔族が不完全とはいえ進化の秘法を使ったとすれば……想像もつかない力を持つ怪物になるはず」

    マーニャ「ただの人間だったバルザックやキングレオがああなるんだから当然か」

    学者「そんな者が地上に這い出て来て暴れでもしたらどんな被害がでるかは想像もつかない」

    アリーナ「そういえば……サントハイム城の人達はどこにいるんだろ?」

    学者「何としてもでも無理な進化の影響の酩酊期間である今のうちにデスピサロを撃つべきです!」

    一同「おお!」

    267: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 22:58:45.765 ID:gyqBOFTQd
    勇者とトルネコを除いたエンドールの宿屋で待機してる。

    ブライ「皆さん、心を静めて決戦に備えるように。時間がくればトルネコ殿がバロンの角笛を使ってデスピサロの前へ誘(いざな)ってくれます」   
      
    ライアン(……ふむ)

    アリーナ「なんで勇者はトルネコについていったの?」

    ブライ「本当は潜入はダンジョン探索能力が高いトルネコ殿1人で十分だったのですが……決戦前にある祠を勇者様に見せたいとのことでしてな」

    アリーナ「ふーん」
        
    ブライ「どれ、私も冥想を始めるとしましょう」  

    ミネア(どうしよう。戦闘で役に立つかな?) 

    マーニャ(新呪文を披露するわ。みんなの目の前でドラゴンに変身して驚かせてやる。……巨大化したら服って破れるかな?)
      
    ドラン(俺がみんなの盾になる)

    クリフト(とにかくザラキだ)

    アリーナ(腕が鳴るわ)

    ライアン(……)

    269: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 23:04:58.132 ID:CYVQw71W0
    クリフトやべえw

    268: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:03:19.672 ID:PyuVj13ld
    一同が自主的に冥想を始めてしばらく経ったころ
    不思議な笛の音が辺りに響きだした。
    そして周囲の空間が歪み始める

    ブライ「バロンの角笛の音」クワッ

    ヒューン ヒューン ヒューン

    一同はいつの間にか不気味な小山の前に立っていた。
    馬車ごと空間を移動したようだ

    271: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:07:43.007 ID:LqwtiJzwd
    ブライ「ここは?」
     
    トルネコ「デスマウンテンとでも名づけましょうか」  

    ブライ「トルネコ殿」

    勇者「この上に……デスピサロがいます」

    トルネコ「バロンの角笛の存在を知らないデスピサロ軍は出し抜きました。彼らは今頃見当違いな所を固めていることでしょう」

    ライアン「……うむ」

    トルネコ「さあ、登りましょう!最終決戦です!」

    272: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/06(日) 23:11:40.943 ID:3mmwYNwA0
    トルネコがスペック高すぎるwww

    274: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:23:28.448 ID:HSIqIo67d
    トルネコ曰く、デスマウンテンを足早やに登る8人と1頭
    頂上には見覚えのあるシルエットが待ち構えていた

    ライアン「エ、エスターク?」

    トルネコ「そう、そっくりですよね」

    アリーナ「……」

    ブライ「ふむ、姫様が描いたエスタークの絵そのものじゃな」

    クリフト「つまり、……エスタークも不完全な進化をした魔族だった?」

    ブライ「それはわからん。そして今考察することではない!」

    ライアン「うむ」

    勇者「デスピサロ!因縁に決着を付けてやる!」

    デスピサロ『グォォ……なにものだ?……おまえたちは?』  

    ライアン(片言? それに私たちがわからないだと?)

    デスピサロ『わたしは……デスピサロ……まぞくの……王として……いま……めざめた……り……だ』

    勇者「……?」

    デスピサロ『うわああ……なにも……なにもおもいだせない』

    ライアン「……」

    トルネコ「不完全な進化の影響でしょうか?もしかしたら記憶が無くなっているのかもしれません」

    ブライ「もしかすると……放置すれば地上に這い出てこないか?」

    デスピサロ『しかし……やるべきことはわかっている……がああ……』

    ライアン「……いやブライ殿、それは無理そうだ」スチャッ

    デスピサロ『おまえたち……にんげんを……ねだやしにしてくれるわ!』   

    ブライ「そのようですな」キュイーン

    277: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:37:26.166 ID:Qm+GERNSd
    ブライの言葉を皮切りに全方位から一斉に攻撃をしかける8人と1頭。
    デスマウンテンに様々な音が轟く。

    クリフト「ザラキィ!」ドゥルドゥルドゥル

    トルネコ「クリフトさん、次は全員の身を守る闘気を上げる魔法を!はっ!」ブンッ  

    ドラン「グォォ」ブンッ

    ミネア「バギ!」ヒューン

    マーニャ(とっておき出すわよ)

    ブライ「マーニャ殿、その呪文は中断じゃ、単体に効果がイマイチ!バイキルト!」ブゥゥン

    アリーナ(バイキルトか。力がみなぎる)

    アリーナ「はっ!はっ!」

    ズガン ズガガガーン 

    勇者(僕は防御だな)

    ライアン(!?姫の攻撃した所にヒビが入った?)

    ライアン「はあ!」スパーッ  

    ボトッ

    デスピサロ『グォォォォ!』  

    グワン グワン

    ブライ(さい先いいぞ。初手でデスピサロの片腕を切り落とせるとは!)

    278: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:54:23.211 ID:j/Op4grnd
    パーティーが押していたものの、デスピサロは剣を持つ残った片方の腕を振り上げていた。 
    狙いはアリーナだ。

    アリーナ(ちっ、体勢を崩してる……闘気を高めて受けるしかないか)

    クリフト「姫-!」サッ

    トルネコ(スクルト唱えろって言いましたよね?アリーナ姫なら何とか耐えれたのに)

    デスピサロ『グオオオ』ブォン!

    バキッ

    ビューン

    クリフト「……」ガクッ 

    勇者「……ベホマ!」キュイーン

    クリフト「……」ピクピク

    勇者「なんで?クリフトさんが目を覚まさない。怪我は直したのに」

    ライアン「暗黒闘気の影響だ。精神にダメージを受けた。クリフト殿はおそらくあと半日は目を覚まさない」

    ブライ「……くっ!」

    ミネア「……」ガクッ ドロドロ

    マーニャ「ミネア!」
     
    ブライ「くっ、ミネア殿。小石が跳んだのを頭にくらったか」

    マーニャ「ドラン!ミネアとクリフトを連れて下がって!そのまま気絶した2人を護衛!」
     
    ドラン「……」コクン

    279: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/06(日) 23:55:15.541 ID:j/Op4grnd
    マーニャ「メラゾーマ!」ギュイーーン

    ゴォ 

    ボッ

    ゴオォォォォォ!

    デスピサロ『グ、グギャアーーーーー』

    ゴオォォォ!

    メラメラ メラメラ

    アリーナ(うわ、相変わらずマーニャの魔法すっご)

    ブライ「怯んだ!」

    ライアン「もう1本!」スパーッ

    ボトッ

    デスピサロ『グギャアーーーー』

    マーニャ「よし!もう1本腕が落ちた!」

    280: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 00:04:23.616 ID:5tIeA3LKd
    死んではいないものの、早々に何人かの仲間を失うことになった。
    両腕を失ってもピサロは呪文攻撃やブレス攻撃の手を緩めない。

    しかし、こちらもマーニャの高火力の呪文を中心に確実にデスピサロの硬い外骨格を削っていた。

    アリーナ「はっはっ!」

    ズガン ズガン  

    ブライ「マヒャドーーー」キュイーン  

    ピキッ ピキピキピキピキッ

    デスピサロ『……ウググ』ギギキ

    ライアン(よし、ブライ殿の魔法で奴の動きが鈍くなった!首を狙う!) 

    ライアン「これで終わりだ!」スパーッ

    ボトッ

    デスピサロ『……』 

    ゴロン ゴロン

    アリーナ「……やった」

    勇者「デスピサロの首が……落ちた」

    284: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 00:25:39.147 ID:VHVoLEJY0
    ドラクエ4面白いから一度はプレイしてみると良いぞ
    今ならスマホでも出来るしな

    285: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 00:26:17.574 ID:XQK4lMXKa
    >>284
    主人公いつ出てくんだよwwwって思いながらやってたわ
    めっちゃ面白いよな

    287: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 00:29:13.136 ID:5tIeA3LKd
    デスマウンテンの頂、デスピサロの首のない死体を6人が囲んでいる


    マーニャ「勝った」 

    ブライ「デスピサロを倒した」  

    勇者「……やっと……終わった」

    アリーナ「……」

    トルネコ「長い……戦いでしたね」

    ライアン「……」スッ

    一同は進化の秘法を施されたと思われる魔物を多数相手にしてきた。
    それらは他の生物とはかけ離れた再生能力を持っていたが、さすがに黒焦げにされたり首を落とされたりしたら絶命していた。

    その経験が仇になってしまった。

    首を落とされた生物が生きているわけがない。

    それは……思い込みだったのだ。

    デスピサロ『……』ギロッ

    アリーナ「!?」

    トルネコ(なっ!腹に顔が……)

    マーニャ(まずい!防御が間に合わない)

    ブライ(ベホマズンを使える勇者様を守らねば!)  

    勇者「……やった!勝ったぞーーー!シンシア……これで……え?」

    デスピサロ『ゴオォ』ボッ

    ゴオォォォォ!

    ライアン(ブレス攻撃!勇者殿を………間に合わない)

    ゴオォォ

    勇者「うわああああああ」

    289: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 00:35:30.077 ID:5tIeA3LKd
    腹から顔を浮き出させての……デスピサロのまさかのブレス攻撃。
    無防備で受けてしまったパーティーは大半が気絶していた。

    トルネコ「……くっ、くそ!油断しました」 

    ライアン「爆煙でわからぬ。勇者様は無事か?」

    トルネコ「……残念ながら、生きてはいるようですが」

    ライアン「……なんと!」

    勇者、アリーナ、マーニャ、ブライが全身に火傷を負い気絶している。
    自力で目覚めるのは無理だろう。

    ライアン「……」

    トルネコ「爆煙が……晴れていく」

    ライアン「……くっ化け物め」ガクガクガクガク

    291: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 00:39:04.658 ID:Qsw1zcLy0
    頭潰したと思ったら腹が蠢いて顔になって頭と手足生やすって文字におこしたらヤベェクリーチャーだなww

    294: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 00:49:31.402 ID:vyr54s1Pd
    ライアンとトルネコ。幾多の戦いを経験してきた大の大人が……足をガタつかせ震えていた。
    それほど目の前の怪物の姿は恐ろしいものだった。

    トルネコ(顔が……2つ)ガタガタガタガタ

    ライアン(腕も再生している)ガタガタガタガタ

    デスピサロは変身していた。
    銅のような茶褐色だった代表は禍禍しい緑がかった色に変わり、苦労して切り落とした両腕は再生していた。
    そして……新たな首までもが……。

    トルネコ「か、勝てるわけがない」ブルブル

    ライアン「トルネコ殿。時間を稼ぐ……全員を連れて逃げてくれ」ガタガタガタガタ

    トルネコ「それなら私が!」

    ライアン「ダメだ。お主を欠くわけにはいかない。幸い誰も死んではいない」

    トルネコ「……ライアンさん」

    ライアン「非情になりきれ。お主はそれが出来る男だ」

    トルネコ「……」

    ライアン「今回は私1人の犠牲で手打ちにしよう。次の戦いではまた大きく成長した勇者殿たちが必ずデスピサロを倒す」

    トルネコ「……」  

    ライアン「光の闘気を消して暗黒闘気を最大で解放する」

    トルネコ「な?それは人間が魔物に変身してしまう禁忌」

    ライアン「もう、選択肢はこれしかない。行け!トルネコ殿!」

    トルネコ「……くっ」
      

    296: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 00:53:33.644 ID:y8/xievo0
    支援

    297: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:02:58.465 ID:z5WDV4OFd
    トルネコが器用に4人を背負い逃げていく。
    デスマウンテンの頂には異形の巨大な怪物と、1人の中年だけが残された。
    デスピサロはもう勇者に執着してないようだ。
    目の前の男にだけ注意を向けている。
    暗黒闘気の高まりを感じたのか……デスピサロは目の前の男が何者か把握しているようだ。

    デスピサロ『グオォォ……ァトは……キサマダケダ……ライアン』

    ライアン「……震えが止まった」

    ライアン(5年前に戦った湖の塔にいた魔物、キングレオ、バルザック……進化の秘法の実験台にされた者たち)

    ライアン(この世界において人は簡単に人で無くなるものなのかもしれない)  
      
    ライアン「だからこそ、私は暗黒闘気を使うのを恐れてきた。今でも吐き気がするほど怖い」

    ライアン「それでも!仲間を逃がす時間を稼げるなら!」   

    ライアン「私は喜んで……魔に身を落とそう!」    

    ライアン「はあぁぁぁ」ズズズ  

    ズズズ

    ゴオォォ

    ビキッ ビキッ

    デスピサロに気に入られるだけあって……ライアンには元々魔族化の素養があったのかもしれない。

    暗黒闘気を高めるほどにその姿は少しずつ異形のものに変わっていく。

    298: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:11:35.251 ID:RKialKr0d
    ???「ダメです!そんなのは私が憧れたライアンさんではない!」 

    デスピサロ『……』

    ライアン「……?」ズズズ 

    緊張感の張りつめた中……突如乱入してきた青年の声にライアンは我に返る。

    ライアン「どうやってここまでたどり着いた?」

    ???「あなたに恩を返すためには……どこへだって駆けつけますよ!」

    ライアン「……」

    ???「さあ、暗黒闘気を静めて光の闘気を!」

    ライアン(人間の姿で初めて目にしたはずなのに……お前なんだな?)

    ???「5年前、あなたは『憧れてくれるなら恰好つけたい』といいました」

    ライアン「……そうだったな。今回も……恰好つけさてくれ」

    デスピサロ『グオオオ』

    ライアン「光の闘気で戦う!」

    ライアン「援護を頼む!……ホイミン!」 

    ホイミン「任せてください!」

    299: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:12:52.350 ID:3DTzwhm40
    いい展開

    300: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:13:11.786 ID:/I04PpKUa
    いいね
    終わるまで寝ないよ

    301: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:13:45.060 ID:yYu5PpNA0
    惚れてまうやろ

    302: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:14:00.264 ID:x071RRwTd
    支援

    304: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:26:40.154 ID:isIq1L/5d
    突如現れた青年はかつての仲間、そしてかつて魔物だったホイミンだった。

    ライアンは心強い味方の増援に涙を流していた。
    その涙には様々な意味が込められていた。

    ホイミン「ベホマァ!」キュイーン

    ポワァ   
     
    ライアン「……!?」

    ライアン(暖かい光、そして勇者殿並の完成度。見事な回復魔法だホイミン)

    デスピサロ『グオオオ』

    ライアン「デスピサロォ!何度でも我が身を切り刻むがよい!何度でも我が身を黒焦げにするがよい!」

    デスピサロ『グガァァ』ボッ

    ゴオォォォ

    ホイミン「ベホマァ!」キュイーン

    ライアン「ハァッ」ヒュッ

    ガキン!

    デスピサロ『……グゥ』ギギ

    ライアン「頼もしい仲間がいる!」

    ライアン「私は!」

    ライアン「いくらお前に打ちのめされようと!何度だって立ち上がってみせる!」  

    ホイミン「ベホマァ!」キュイーン  

    デスピサロ『グオオオォォォォ』

    ライアン「うおおおおおおおおぉぉ」

    307: 以下、2ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:31:52.463 ID:zgXAS3rZ0
    ホイミンきた

    305: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:28:14.719 ID:N7GJsPWR0
    熱い展開

    306: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:31:29.991 ID:3DTzwhm40
    MP切れすんなよホイミン

    308: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:36:13.854 ID:jj1sOpsTd
    1時間後
    ホイミンの魔力も切れ、いよいよ万事休すかと思われたとき……デスピサロの体に異変が起こる。
    いかに進化の秘法で強化された肉体といえど、ライアンの幾多の光の闘気を込めた斬撃を受け続けたために……とうとう限界が来たのだ。

    ホイミン(デスピサロの外骨格全体にヒビが!)

    ライアン(これは!エスタークのときと同じ!)

    デスピサロ『グ、グオオオォ』

    ライアン「……」

    デスピサロ『からだが……あつい』

    ホイミン「……」

    デスピサロ『わたしは……やぶれたのか?……からだが……くずれていく』

    ホイミン「……デスピサロ」

    ライアン「今度こそ、終わりだ」

    デスピサロ『グオオオォ』 

    ビキッ ビキッ ビキッ

    ズッズッズッ

    ドドドドドドドドドドドド

    309: 以下、2ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:37:55.035 ID:zgXAS3rZ0
    おおおおお

    310: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 01:43:50.546 ID:N7GJsPWR0
    きたああああ

    311: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:46:22.444 ID:6M323cSDd
    エピローグ 
    デスピサロとの死闘から1年後

    バトランド王国 
     
    新米兵士「はあ!やあ!」ブン ブン

    カンッ カンッ    

    ライアン「筋力に頼りすぎるな。闘気を上手く使わなければ魔物には太刀打ちできんぞ」

    新米兵士「はい!もっと……もっと稽古をお願いします」

    ライアン「す、すまん。今日はこれから人と会う約束がある。一人で鍛錬してくれ」
     
    新米兵士「そう……ですか。残念です」

    ライアン「勇者殿、元気かな」

    新米兵士「え?もしや……世界を救った英雄10人の筆頭、勇者様がこのバトランド王国に?」 

    ライアン「ま、まあな」

    313: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 01:57:41.534 ID:x2y3K40Wd
    バトランドの酒場
    ライアンと勇者が食事をしている。

    勇者「しかし、久しぶりですね。奥さんとお子さんはお元気ですか?」

    ライアン「もちろんだ。むしろ元気すぎて困っているくらいだ」

    勇者「そうですか」モグモグ

    ライアン「勇者殿、また背が伸びたんじゃないか?」

    勇者「あ、わかりますか?けっこう伸びて」

    ライアン「はっはっは、成長するのは良いことだ。して、今はどんな感じだ」 

    勇者「愚痴を言わせてもらえば……今はマスタードラゴン様の奴隷って感じですね。休む暇もない」

    ライアン「これ!天空の神になんて言葉を」  

    勇者「大丈夫ですよ。いくらあの方でもこんな陰口まで把握してるわけがない」

    ライアン「そう、か」

    ライアン(しかし、勇者殿。ますます凛々しい顔つきになったな。天空の命を受けて各地の問題を対応してまわる勇者……素晴らしいことだ)

    勇者「そうだ。今日は仲間みんなの近況をお知らせに来たんですよ。ライアンさんは新しい世代の育成に忙しくてほとんどバトランド王国を出ていないた聞いたので」

    ライアン「ほう、それはぜひ聞きたい。頼む」

    314: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:03:19.764 ID:/NOAkCzQd
    勇者「アリーナとブライさんとクリフトさんは相変わらずでした」

    ライアン「そういえばサントハイムも一時期衰退したそうだな」 

    勇者「ええ、でも戻って来た城の人たちが少しずつ元のサントハイムに近づけてるみたいです。ブライさんとクリフトさんも大忙しだとか」 

    ライアン「はは、姫は?」 

    勇者「城をしょっちゅう抜け出しては修業の旅に出ちゃうそうです。もうサントハイム王はアリーナの放浪癖は直らないと半ば諦めていると聞きました」

    ライアン「そ、そうか」

    315: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:06:43.306 ID:Qsw1zcLy0
    ついにここまできたな…

    316: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:11:00.698 ID:WrBDjif5d
    勇者「マーニャさんとミネアさんはモンバーバラで毎日劇場を盛り上げています」

    ライアン「ふむ、そこに落ち着いたか」  

    勇者「パノンさんに対抗するとかではなく、一緒に劇場を大きくしていく考えみたいです」  

    ライアン「ふむ」    

    勇者「マーニャさんの踊りもミネアさんの占いも他の大陸に名を轟かすくらい人気になってますね」

    ライアン「あの姉妹のことだ。これからも力強く生きていくだろうな」
     
    勇者「2人の恩人のオーリンさんも徐々に体が動くようになってきてる用です」  

    ライアン「暗黒闘気をモロに喰らった後遺症か」 

    勇者「こればっかりは自然に治るのを待つしかないですからね」

    318: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:13:44.844 ID:/r2cYybA0
    終始トルネコが強かったな

    319: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:16:13.914 ID:D0kpJlLLd
    勇者「トルネコさんはさらに店を大きくしました。相変わらず奥さんに頭が上がらないみたいですが」  

    ライアン「はははっ」

    勇者「ドランは相変わらず天界をブラブラしてますね」 

    ライアン「天界か、私は結局一度も行ってないな」

    勇者「そうでしたよね。今度一緒にいきましょうよ。マスタードラゴン様がライアンさんに会いたがってました」

    ライアン「……え?」
     
    勇者「ライアンさんは優秀な手駒になりそうだって」  

    ライアン「い、いや。バトランド王国の仕事で忙しくてな」 

    勇者「そ、そうですか」

    323: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:21:45.216 ID:D0kpJlLLd
    勇者「ホイミンさんは……神出鬼没みたいですね。僕は結局会ったのは一回だけですよ」   

    ライアン「まあ、ホイミンはたまーにウチの子たちに歌を聞かせに来てくれるよ」
     
    勇者「まあ、同郷ですもんね。イムルの村」  

    ライアン「まあな。……私も今はイムルの村の住人だ。バトランド王国に毎日通うのけっこう大変なんだが」  

    勇者「え?ライアンさんは魔法使えないし……毎日キメラの翼を使ってるんですか?」

    ライアン「いや、走って城に通ってる」

    勇者「そ、そうですか」

    324: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:26:04.562 ID:Qsw1zcLy0
    ライアンは洞窟通らなくても水上渡れるからなぁ

    325: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:33:13.409 ID:DO28vRthd
    勇者「そういえば……ライアンさんのかつての裏の噂もいろいろ聞きました」

    ライアン「ブッ」プシュー

    勇者「ライアンさん、天然ジゴロとか性豪とか呼ばれてたんですね」

    ライアン「い、いつの話だ!今は嫁一筋だ」 

    勇者「へえ、そんなこと言って……暇なときこっそり娼婦とかと遊んだりしてたりして」 

    ライアン「勇者殿……大人をからかうもんじゃない」

    勇者「ははは、冗談ですよ」

    ライアン「まったく、妙なところがませてきたな」

    ???「あ・な・た~!」

    ライアン「ひっ!」

    勇者「あ、どうも。女エルフさん」

    女エルフ「あ、こんにちは勇者様。それで!どうして今女遊びのところでドモッたのかしら!」
     
    ライアン「な、何を言ってるんだ?そもそもなぜここに?」

    女エルフ「お弁当忘れたから届けに来たのよ!それよりもちゃんと今の件を説明しなさい!」

    ライアン「ひい!」

    歴然の猛者のライアン。

    しかし、美人のエルフの奥さんにはまったく適わないようだ。

    ライアン「ご、誤解だ!」

    女エルフ「あ・な・た~!」

    fin.

    327: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:34:35.195 ID:DO28vRthd
    終わったーーーー!(´;ω;`)

    みんな!保守とか
    アドバイスとか超サンクス!

    326: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:34:05.772 ID:yYu5PpNA0
    本当におつかれ

    328: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:34:39.113 ID:Qsw1zcLy0
    お疲れ&お疲れ
    誤字脱字はあったが面白かったぞww

    330: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:35:39.230 ID:DO28vRthd
    >>326サンクス
    >>328サンクス 自作気をつける

    329: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:34:42.556 ID:4n20rPy60
    乙 バッドエンドだったら他の嫁さんだったの?

    332: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:36:27.861 ID:DO28vRthd
    >>329
    候補は3人いた
    筆頭ミネア

    331: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:35:59.601 ID:lEvn3wV10
    おつ
    バッドエンドならしんがりだったんじゃね?

    334: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:37:31.971 ID:DO28vRthd
    >>331
    一応デスピサロ倒してから魔物になって仲間に討伐されてからホイミンが悲しい歌を歌うエンドも考えてた

    333: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:37:13.017 ID:DdWa9WWJa
    おつかれ
    いい感じ

    336: ◆exf7hZ.TLaV6 2018/05/07(月) 02:38:15.315 ID:DO28vRthd
    >>333サンクス サンクス(´;ω;`)

    じゃあな!みんな

    寝るわ

    337: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:38:33.802 ID:3DTzwhm40
    おつおつ
    よかったぞ

    338: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:40:04.639 ID:Qsw1zcLy0
    おう、おやすみ
    俺も寝るわ

    347: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 04:45:20.509 ID:jnZNoa0t0
    お疲れ様。
    面白かった!

    351: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 06:46:16.966 ID:xWF4V8C6d
    こういうSSのタイトル回収はやっぱり熱い

    345: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 03:46:16.130 ID:4Eq5Ukk00
    おつおつ
    ドラクエ4やりたくなった

    340: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/05/07(月) 02:44:32.151 ID:b9okb34xp
    いつかドラクエ4をやるときはトルネコを馬車から出してあげようと思ったよ
    乙です





    不思議ネタ募集中
    不思議.netで扱ってほしいネタ、まとめてほしいスレなどがあれば、こちらからご連絡ください。心霊写真の投稿も大歓迎です!
    面白いネタやスレは不思議.netで紹介させていただきます!

    ■ネタ投稿フォームはこちら
    https://ws.formzu.net/fgen/S13082310/









    本日のおすすめニュース1
    本日のおすすめニュース2

    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2018年08月21日 23:16 ID:cEqohWFi0*
    僕はマヨネーズになりたい。
    2  不思議な名無しさん :2018年08月21日 23:33 ID:lEgra..30*
    僕はケチャップ
    3  不思議な名無しさん :2018年08月21日 23:40 ID:spI3.Mc60*
    私はお醤油
    4  不思議な名無しさん :2018年08月21日 23:43 ID:95L.F37Z0*
    バルサミコ酢
    5  不思議な名無しさん :2018年08月21日 23:44 ID:95L.F37Z0*
    デスピロサ「・・・」
    6  不思議な名無しさん :2018年08月22日 00:33 ID:xqgGrd5U0*
    やっぱり天空装備が塔の入場許可証以外には役に立ってない
    7  不思議な名無しさん :2018年08月22日 01:03 ID:h49p1RQl0*
    ダンジョンで鍛えまくったって不思議か
    そりゃつええわ
    8  不思議な名無しさん :2018年08月22日 01:17 ID:y6BZuHYA0*
    面白かった
    ドラクエ4SSは良作多いな
    9  不思議な名無しさん :2018年08月22日 03:53 ID:mpGrZylR0*
    >ライアンさん、天然ジゴロとか性豪とか呼ばれてたんですね

    ヒゲとピンク装備ってそういう…
    10  不思議な名無しさん :2018年08月22日 07:06 ID:hrbk3ejp0*
    こういうのってどういうスタンスで読むの?どこに面白さを感じるのかわからないんだけど
    11  不思議な名無しさん :2018年08月22日 08:04 ID:IeoEjFD10*
    18ページってこれもはやSSじゃないだろ
    無理
    12  不思議な名無しさん :2018年08月22日 08:29 ID:DK6GHtcX0*
    タイトルが「デスピンサロ」だと思ってワクワクしたのに、
    開いてみたら「デスピサロ」だった・・・、

    おれの期待を踏みにじった件で謝罪と賠償をw

    13  不思議な名無しさん :2018年08月22日 08:41 ID:cub6F9e00*
    FF4のバロンの門番のやつがみたい。

    けど、勇者じゃないから無理かな
    14  サワダ :2018年08月22日 09:58 ID:APLzi8L80*
    32歳おれ、めちゃくちゃ面白かった!感動した。作者ありがとう。
    15  不思議な名無しさん :2018年08月22日 10:26 ID:gfzXvpne0*
    米10
    貴方が面白いと思ってても、他人からしたら面白くないと思うのと同じで人それぞれ
    自分が面白いと思う記事だけ読んでればいいよ
    16  不思議な名無しさん :2018年08月22日 10:29 ID:AvCsG.Pq0*
    なんで大臣は王に向かって「王」って呼ぶの?
    不遜過ぎない?
    立場対等なの?
    書いた人世間知らず?
    17  不思議な名無しさん :2018年08月22日 12:50 ID:xEwK.VPP0*
    もっと不思議なダンジョンで装備なしから始めて、生還するぐらいだからな。そらトルネコ強いわ。
    18  不思議な名無しさん :2018年08月22日 13:17 ID:HboCmBBA0*
    自己紹介王エスタークはちょっと笑っちゃった
    19  不思議な名無しさん :2018年08月22日 13:20 ID:LUoxsgSb0*
    まとめサイトの転載に対してSS警察湧いてて草
    20  不思議な名無しさん :2018年08月22日 13:58 ID:KIdVF.tf0*
    「ライアンですが馬車の空気が~」よりずっといいよw
    21  不思議な名無しさん :2018年08月22日 14:03 ID:LFxCYXnX0*
    ベホマズンマシーンと化した勇者に笑うwww

    ホイミン可愛いよホイミン
    再登場には熱くなった
    22  不思議な名無しさん :2018年08月22日 17:22 ID:KrJ.LEpX0*
    という話を、馬車の中のトルネコとライアンはしたってさ。。
    23  不思議な名無しさん :2018年08月22日 18:42 ID:lSfIQSaD0*
    バロンの兵士だけど王様が亀だった件

    こんなタイトルだったかな
    24  不思議な名無しさん :2018年08月22日 22:42 ID:vg62RnYB0*
    DQ4ではライアンが一番好き
    面白かったがあまり文才はないねぇ
    25  不思議な名無しさん :2018年08月23日 18:32 ID:W465WEJb0*
    アリーナと勇者とマーニャかブライ、ミネアかクリフトがスタメンだったわ
    ライアン出してもライアンの攻撃来る前に敵倒してる事が多かったし
    今度やるときは素早さの種を全てライアンにあげてやってみるか
    26  不思議な名無しさん :2018年08月23日 23:39 ID:.BLF.s1x0*
    自己紹介王で大笑いした
    トマースでちょっと笑った

    湖の塔は空飛ぶ靴で行くんだから、最初は最上階に降り立つ
    どんどん降りていって、ピサロの手先は最下層にいる
    グリンガムのムチって4にあったっけ?
    8回逃げてアリーナのキラーピアスで改心の一撃2発でいいじゃん
    ロザリーヒルってホビットとエルフの村じゃなくてホビットの村じゃなかったっけ
    エルフの村は世界樹の麓だよね

    自分的に一番使えないトルネコに、ミレーユの祖先でもあるミネアを事ある毎にボロクソに言われて苛ついた
    ライアンはFF6のカイエン同様硬派な武士キャラでしょ
    頑張って全部読んだけどやっぱり気持ち悪かったわ
    27  不思議な名無しさん :2018年08月26日 21:29 ID:hoAErmzU0*
    FCDQ4で、デスピサロ相手に、リセットはせず2~300回ほど全滅繰り返すと、ザラキは効かないことをクリフトが覚えるらしいぞ

    リセットしたり、倒してクリアすると、AIの学習がセーブデータに持ち越されないけど、全滅して教会から再スタートする場合は学習が引き継がれるかららしい
    28  不思議な名無しさん :2018年09月01日 21:55 ID:dnUoSJ860*
    エビルプリーストはトルネコに暗殺でもされたんだろうか…
    29  不思議な名無しさん :2019年08月29日 05:12 ID:quexgCze0*
    デスピンサロ??
    30  不思議な名無しさん :2019年12月04日 03:20 ID:IuClGhRX0*
    ※17
    ロト装備付けれるしな
    ロトの勇者説まで浮上する強さ

     
     
    topページに戻るボタン
    カテゴリ一覧
    おすすめ人気記事