不思議.net

5ちゃんねる まとめブログ

アクセスランキング(5日間)
    本日のおすすめニュース

    不思議ネット
    とは

    不思議.netでは5ちゃんねるで話題になっているスレを厳選してお届けするサイトです。普段5chを見ない人でも気軽にワクワクできる情報サイトをころがけて毎日絶賛更新中!

    本日のおすすめニュース
    11

    戦争の体験談を語るわ【3】(ユーゴスラビア紛争での出来事)



    64: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 11:33:52.18 ID:y2Mdiyxn0
    あーもうあれだ。日本帰ってきてから、些細な事でカッとなったり、落ち込んだり、
    自分の感情を上手くコントロール出来ないんだわ。社会人なって生活では大分改善したけど、
    ボスニアでの事考えてる時とか、絡んでる時は、未だに頭おかしい人間になるんだわ。

    最初に言っとくべきだったな。もう俺がへんちくりんな事言っても、スルーしていいよ。
    煽り苦手みたいだから、心ここにあらずで書いていくよ。構ってちゃんでごめんねー

    それと、心配させてしまった人、ごめんね。ありがとう。

    読んでてイラつく人もいるだろうけど、無理して読む必要ない話だから、
    無理しないでね。それじゃ、自分のペースでゆっくり書くよ。
    12時位には寝るので、それまでの時間で。
    もう、長々と書く時間もないと思うので、明日、遅くても日曜日までには終わらせるよ。
    それじゃー
    ※前回

    戦争の体験談を語るわ【2】(ユーゴスラビア紛争での出来事)
    http://world-fusigi.net/archives/9290015.html




    65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 11:42:19.78 ID:0gK6Vmt20
    >>64
    お疲れ!
    待ってたぞ!

    >>1は本当に想像を絶する体験をしたんだと思う。
    何も知らなずぬるま湯の中で生まれ育った俺がなにか言うのもおこがましいが、
    ただ、無理はしないで自分の思うようにして欲しい。

    書きたいなら書いて、書きたくなければ書かないで。


    引き続き、荒らしはスルーでな
    レスしにくい書き込みもスルーでな



    66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 11:42:35.29 ID:rKs49dmA0
    これはいいスレ

    67: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 11:48:55.51 ID:y2Mdiyxn0
    彼の帰りを待ち続けてから、4時間か5時間ほど経過していたと思う。時計を持っていなかったから、何時頃かまでは正確にはわからないけれど、お昼近かった、もしくは過ぎていたかもしれない。
    待っている途中に、何度か道路を車が通り過ぎて、その度に皆で伏せたりして身を隠し、物音を
    立てないようにしていた。普通であれば、通り過ぎる車は市民であったり、伐採した木材を運ぶ
    トラックだったりしたのだけれど、この時通過していった車は、武装警察か民兵、あとはユーゴから抜けたスルプスカの軍隊ぐらいだったと思う。

    74: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 11:57:05.94 ID:y2Mdiyxn0
    もしかすると、フォーチャも既に同じ状況かもしれないという不安が、車を目にするたびに
    確信に変わってきていた。それでも、街から彼が戻ってこない限りは、どうする事も出来ない。
    何時になったら戻ってくるんだろう。もしかして何かあったのかもしれない。そんな不安も過ぎっていた。
    だけど、何かあれば街から音がしたりするんじゃないか、いや、距離があるから聞こえないといったやり取りを、大人たちはしていた気がする。俺やメルヴィナたちは、特にする事もなく、息を潜めながら、小さい子ども達をあやしたりして待っていた。

    76: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:05:33.38 ID:y2Mdiyxn0
    すると、朝に食料や水を取りに行ったボシュニャチの人が、スルツキの青年二人を連れて、俺達の隠れている方向に向かってきたんだ。皆混乱した。何人かの大人は、彼が俺達を売ったと言ったり、仲間になってくれるんじゃないかと言ったりして、話し合っていたんだ。しかし、このままここで待っているのは危険すぎる。もし本当に彼が俺達を裏切ったとしたら、俺達の運命は終わったも同然なんだ。だから、この場から離れて逃げようといったり、隠れてスルツキの青年たちの様子を見て、隙があれば殺そうといったりして、揉めたんだ。この時、話し合いを聞いていたけれど、子ども達は長時間の移動と、緊張の連続で疲れ果てていた。だから、淡々と、「どうなるんだろう」と考えたりしていて、子ども達は静かだった。

    80: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:17:31.18 ID:y2Mdiyxn0
    結局、すぐに結論が出る話ではないわけで、俺達は見つかる前に、とりあえず隠れる事にしたんだ。
    様子を見てから決めても遅くは無いってね。相手は武器も持たない青年二人。両手に大きな荷物を持っている。
    例え武器だとしても、取り出す前に殺せると考えたんだろうと思う。恐らく、100メートルぐらいまで近づいてきた頃かな。
    ボシュニャチの彼と、スルツキの青年二人が、手を振り出したんだ。

    83: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:29:26.30 ID:y2Mdiyxn0
    もしかして、俺達を狙っていないんじゃないかって大人が言い出した。でも、また別の人が、いや、これは罠だ。
    って言い出した。どっちかわからないんだ。他民族どころか、もう同じ民族の人間ですら、朝まで仲間として共に行動していた人間ですら信用できなくなっていた。おれ自身も、日本人ではあるけれど、この時は自分もボシュニャチの仲間・同胞といった様な意識が芽生えていたように思う。

    84: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:39:21.85 ID:y2Mdiyxn0
    それからしばらくの間、俺達は三人のことを注意深く観察したんだ。実際に観察していたのは大人で、俺達子どもはその様子をちらっと見たり、聞いたりするぐらいだったけれどね。
    何か手を振る以外に何らかの行動を取ると大人たちは思っていたみたいだけど、
    彼らが何かをする素振りは見せなかったんだ。ただ、手を振って、そしてじっと待っているだけだったんだ。

    87: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:49:10.73 ID:y2Mdiyxn0
    そしたらさ、こんな時に限って、先ほどまで静かにしていた赤ちゃんが泣き出したんだ。
    そりゃそうだよね。もう丸一日以上ろくに水分補給もしていないし、赤ちゃんが泣くのは仕方が無い。でも、タイミングが最悪だった。当然、彼らはすぐにこっちに気づいたよ。
    大人たちは、彼らと目があったのか、それとも彼らがこっちに振り向いたのか、
    「あぁ・・・。」といったような諦めの言葉を発した気がする。

    88: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 12:56:27.69 ID:y2Mdiyxn0
    気づかれてしまい、もう駄目だといったような雰囲気が、俺達の中を包み込んだんだ。
    だけど、彼らはこっちに気づくとさ、ニコニコしながら向かってきたみたいで、
    俺達の目の前まで来た時も、安心したような表情を浮かべて、3人で来た経緯を話してくれたんだ。
    彼らが話していた内容は、長くて殆ど覚えてないから、簡単に要約するけれど、
    スルツキの青年二人の街ミジュヴィナでもカリノヴィクと同様の事が起きたんだ。
    つまり、非スルツキの人々にスルツキの警察が襲い掛かってさ、
    連れて行ったり、抵抗する者は見せしめに殺害・レイプしたりしたらしいんだ。
    それでさ、ハーフの彼が街に入った時、ちょうど亡くなった遺体とかを積み上げていたところだったらしい。

    90: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 13:07:18.71 ID:y2Mdiyxn0
    それでさ、この時一緒についてきたスルツキの青年二人が、ハーフの彼に気づいたらしいんだ。
    そして、ここは危ないから、早く逃げるように言ってくれたんだって。だけど、食料と水が
    ない状態ではゴラジュデどころか、近くのフォーチャにもたどり着けないって言ったんだって。
    小さい子どもや、年配の老人もいるから、食料と水が必要って。そしたら、二人がわけてあげるって
    言ってくれてさ、そして自分たちもついていくと言ったんだって。ハーフの彼は断ったらしいんだけど、もし自分達がついていけば、万一民兵や警察に見つかった時でも、二人が出て行けば誤魔化せるかもしれないからってさ。

    92: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 13:23:47.79 ID:y2Mdiyxn0
    彼らが言うには、ミジュヴィナの街で、その虐殺というか、さっき言った様な事態が発生した時に、
    何人かのスルツキの人々は、ボシュニャチやフルヴァツキの人々に危害を加えるのに反対したらしいんだ。
    昨日まで隣人として暮らしていた人を[ピーーー]のは止めようって。でも、そう言った人たちの殆どは、警察に酷い暴行を受けたり、殺されてしまったんだって。だから、自分たちはこんな所に居れない。
    居たくないって事だったらしいんだ。

    93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 13:32:45.97 ID:Jfo+sPcA0
    支援

    参考までに、google map
    https://goo.gl/maps/9BtVaUMCt1Q2

    112: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:05:04.63 ID:y2Mdiyxn0
    あ。ごめん。写真で見れるんだ…。少し見てていいかな。少し時間を下さい。

    113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:11:38.18 ID:T3mo9FLz0
    >>112
    ゆっくり見てください。
    双眼鏡の光の反射の件のように祐希さんが知らなかった事も
    レスでわかる事があるかも知れません。

    自分へのレスとかも自分がしたいのだけはしてもらいたいですが
    イヤなレスは返さないようにと自分の心のままにしてください。
    もちろんこのレスに返事しなくてよいですよ。

    あと皆さんにスレ落しをなるべく避けるためにsageでいったほうが
    いいように思います。

    114: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:14:05.23 ID:y2Mdiyxn0
    話を聞いた後、大人たちだけで話し合って、結果的には一緒に行動する事になったんだ。
    それで、山の中で食事や休憩を済ませた俺達は、夕方になるのを待ってから、
    フォーチャに向けて歩き出したんだ。フォーチャへの道のりは、車だとそこまで遠い
    わけでもないのに、とても長く辛く感じた。これからどうなるかもわからない不安の中で歩くのは、とても根気のいる事だったんだ。夕方の時間帯は何とか大丈夫でも、
    夜になればどうしても眠くなるんだ。ただ、夜のうちに行動したほうが安全だからと
    言われて、歩くしかなかった。

    117: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:29:28.98 ID:y2Mdiyxn0
    人間ってさ、本当に眠い極限状態の時は、どんな状況でも寝れるみたいでさ、
    子どもだけでなく、大人でさえも、半分寝ながら歩いていたんだ。
    子どもに至っては、ふらふらしながら歩いていてさ、危ないからということで、
    皆で手を繋いで、一列になったんだ。小さい子がうとうとしても、大きな子や
    俺達ぐらいの年の子が転ばないように注意しながら支えて歩いたんだ。
    それで何とか、朝が明ける前にフォーチャ付近までたどり着いた。

    118: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:34:56.96 ID:y2Mdiyxn0
    フォーチャの街に入るには、本当は橋を渡った方が近いし楽だったんだ。
    だけど、橋の付近にはスルプスカの警察や軍が検問を張っているかもしれない。
    一緒について来てくれたスルツキの二人が、橋は避けたほうが良いと言うので、
    俺達はフォーチャ手前で川を直接泳いで渡り、超えることにしたんだ。

    119: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:44:35.60 ID:y2Mdiyxn0
    ただ、体力的にも限界が近づいていた俺達には、水の中を泳いで渡るのは
    とても過酷だった。渡る途中で、母親におんぶされていた幼児が流されてしまってさ。
    助けなければいけないのに、誰も泳いで幼児の所まで行く体力が残っていなかったんだ。
    母親は子どもの元へ泳いでいこうとしたんだけど、他の男の人に止められたみたいで、
    結局俺達は、その幼児が流されて沈んでいくのを見ているだけしか出来なかった。

    120: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:48:53.50 ID:y2Mdiyxn0
    川を渡って、山の方からフォーチャ市内へ向かった。街は、カリノヴィクやミジュヴィナと違って、
    家が燃えたり人の悲鳴が聞こえたりといった状態にはなっていなかったんだ。
    俺達はほっとして、そしてスルツキの二人が念の為様子を見てくると言って、先に街の中へ入っていった。多分1時間くらいして戻ってきて、大丈夫だから行こうという事になった。

    124: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 20:01:36.82 ID:y2Mdiyxn0
    この日は、カリノヴィクから逃げてきてから大体二日ほど経った日で、92年の4月7日だった。
    もし、フォーチャでもカリノヴィクと同じ事が起きていたらどうしようと思っていたけれど、
    実際にはまだ何も起きていなくてさ。とりあえず、皆安堵して、親戚や知人がいる人たちは
    その家に向かい、行き場のない人達はモスクへ向かったんだ。以前ソニアやソニアパパと来た時は、街もかなり活気があって、人々が溢れていたのだけれど、この時は人が少なくて、多分外に出ていなかったんだと思う。それがとても印象的だった。

    125: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 20:11:17.20 ID:y2Mdiyxn0
    俺達が向かったモスクはさ、前にソニア達と一緒に来たモスクだったんだ。あの時は、まさかこんな形で再び来ることになるとは思わなかったけれど、安心した気がする。これからどうしたらいいのかとか、父さんは無事なのかとか、色々と聞きたいことや不安は山積していたのだけれど、緊張や疲労から体力的に限界がきていた俺やソニア達は、着いてからすぐに寝てしまったんだ。

    127: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 20:13:49.40 ID:y2Mdiyxn0
    たったの数日、二日ほどの出来事だったのに、ゆっくりと安心して建物の中で寝られるのが、とても久しぶりに感じた。

    142: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 22:24:57.99 ID:y2Mdiyxn0
    目が覚めたときには、もう辺りは暗くなっていて、夜になっていたんだ。かなり長時間、
    寝入ってしまっていたんだ。起きたら何だかトイレに行きたくなってさ、俺は大人の人を呼んで一緒に行ってもらおうと思ったんだ。早朝まで暗い山や森の中を歩いて来たというのに、
    トイレに一人で行くのが怖かったんだ。変だよね。
    でも、周りを見渡してもモスクの中には大人が誰も居なかった。
    あれ?おかしいな。もしかして夢なのかな?とか、まだ寝起きで頭がぼーっとしていた俺は思っていたんだ。だけど、少ししてさ、外が騒がしいのに気づいた。

    145: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 22:30:12.89 ID:y2Mdiyxn0
    どうしたんだろうと不思議に思って、モスクの外に出て周りを見渡したんだ。
    そしたら、街中から人の悲鳴とかが聞こえてきてさ、時々、つい先日耳にしたのと
    同じような乾いた銃声の音が聞こえたんだ。嘘だと思った。やっと安心できると思ったのに、
    たった一日、いや一日も経たずにこんな事ってあんまりだと思って、自分の目を疑った。

    146: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 22:34:25.67 ID:y2Mdiyxn0
    でも、何か目を擦っても、耳を叩いても、目に見える光景や音は変わらなかったんだ。
    そしてよく見るとさ、街の所々から火とか煙が上がっていて、信じたくなかったけれど、
    これが夢の世界の出来事なんかじゃなく、現実に起きている事だと受け入れるしかなかった。
    そう考えたらさ、さっきまで何ともなかったのに、急に足の力が入らなくなってしまって、
    地べたにペタンと座って立てなくなったんだ。心のどこかで、もう逃げ切れないんだな、
    ここで死ぬしかないんだなと感じた。希望を持たなければここまでショックを受けなかったと思う。だけど、フォーチャに着いて、もう大丈夫かもしれないと希望を持ってしまったんだ。
    それをもがれるのは、まだこの時は耐えられるものではなかった。

    147: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 22:37:01.96 ID:y2Mdiyxn0
    それから少しの間、その状態のまま座っていたと思う。気づいたら、周りに一緒にここまで
    行動してきた大人達が居て、その人たちも同じように唖然とした表情で街を見つめていた。
    恐らく、最初から近くにいたのかもしれないけれど、街の状態でショックを受けていた俺は、
    気づかなかったのかもしれない。そのまま俺はまたじっと、燃える街を見ていたんだ。
    そしたら、ソニアが起きてきて、俺の隣に来たんだ。

    151: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 22:55:36.03 ID:y2Mdiyxn0
    「祐希ー、街綺麗だねー。わー赤い星がいっぱいだよー。」

    といった感じの事を笑いながら言うんだ。一瞬、俺はソニアが何を言っているのか
    理解できなくてさ、表情を見たら、何か笑っているけど、ぼーっとしていてさ、
    目の焦点が合わないような変な表情をしていた気がする。おかしいって思って、
    何言ってるのか何度も聞いたんだ。だけど、ソニアは笑って綺麗だね、しか言わないんだ。物じゃないけどさ、
    ソニアが壊れちゃったと思った。

    154: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 23:08:33.48 ID:y2Mdiyxn0
    俺はどうしたら良いのかわからなくて、ソニアの事も相まって少し混乱しちゃってさ。
    もう考えるのは無駄かもだとか、諦めようとか、マイナスの事を考えたりしたんだ。
    だけど、このまま諦めたらソニアやメルヴィナ、サニャはどうなるって思って、
    このままだとカミーユの行動が無駄になるって考えたんだ。
    サニャ達を守るって誓ったのに、このままだとその誓いも破ることになってしまうって。
    だから、3人を連れて街から逃げようとしてさ。
    行くあてもないし、ましてやこの国の人間ではない自分には頼れる人もいない。
    それでも、ここに留まっているよりは、マシな選択に思えたんだ。

    218: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 17:51:14.09 ID:Fels6Q1N0
    逃げるなら、今のうちしかないと考えた俺は、ソニアの腕を引っ張って、
    モスクの中に戻った。そしてまだ寝ていたメルヴィナやサニャを起こして、
    「ここは危ないから街の外に逃げよう。」
    と言ったんだ。メルヴィナもサニャも、起こしたばかりだから
    少し寝ぼけて反応が薄かったけれど、外の音が聞こえたみたいでさ、
    何が起きているの気づいたらしく、「うん。」と答えてくれた。

    219: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 17:59:49.15 ID:Fels6Q1N0
    だけど、遅かったんだよ。余っていた食べ物とかを集めていたら、
    もうモスクの直ぐ近くにスルプスカの警察が来てしまったらしく、
    大人達が騒ぎ出したんだ。大人達がスルツキだ警察だって叫んで、
    早く逃げなきゃって思ったんだ。ソニアは警察だから大丈夫だよって笑っていたけれど、
    その警察がボシュニャチやフルヴァツキの市民を連行したり暴行したり、
    殺したり、レイプしたりしてるんだよ。
    もうこの街に正義の味方、少なくともボシュニャチを助けてくれる味方はいなかったんだ。

    221: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:09:37.28 ID:Fels6Q1N0
    そんな感じでモタモタしている内に、モスクの周りのは更に騒がしくなっていた。
    外に居た大人たちは、慌てながらモスクの中へ逃げ込んできたり、
    他の場所に逃げようとしたみたいだった。だけど、他の場所へ逃げようとした人に向けて、
    警察は銃を発砲したらしく、乾いた銃声が周りから聞こえて、外の悲鳴とかは少しずつ聞こえなくなった。
    その状況を見ている内に、もうモスクは警察に囲まれていたんだ。

    222: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:27:57.89 ID:Fels6Q1N0
    モスクから逃げようにも、幼い俺達が走って警察から逃げ切れるはずもない。
    最悪、カミーユのように俺がお取りになって、サニャやメルヴィナ、ソニアの
    3人だけでも逃がそうと思った。もう9人の中で、男は俺しか居ない。俺しか
    3人を守れる人間はいないって思ったんだ。

    224: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:31:50.87 ID:Fels6Q1N0
    でも、現実はそんな英雄的な行動をおいそれと取れるものじゃなかった。
    少し間をあけて、警察たちが銃を手にしながらモスクの中に入ってきたんだ。
    多くの人は、隅っこに下がったり、布を被ったり、伏せたりした。
    だけど、そんな事をしても意味なんてないんだよね。彼らは俺達の様子を見に来た
    わけじゃないのだからさ。警察官達は、大人の男だけじゃなく、
    隅っこで震えている子どもや女性、お年寄りの顔を一人ひとり確認していった。
    俺達の所にも近づいてきて、俺はさっきまであんなにお取りになろうと
    考えていたのに、怖くて足も動かないし、声も出ないんだ。本当に動かないんだ。
    動かそうと思っても、心が折れてしまっていたんだ。

    226: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:37:10.89 ID:Fels6Q1N0
    警察の人の顔は、暗くてよく見えなかったけれど、その時はとても怖い顔をしていた
    ように見えた。一通り、性別や年齢とかを確認し終えると、警察官は大人の男性や女性を
    無理やり引っ張って連れて行ってしまったんだ。当然、男の人は暴れたけれど、
    外に引きずり出された後に銃声が聞こえて、その人の声はもう聞こえなくなっていた。
    変な話だけど、この時ぐらいからだと思う。人が殺されても、あまり感情とかが
    湧き上がらなくなってきていたんだ。ああ、またかといった感覚に似ているけれどさ。

    228: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:42:54.12 ID:Fels6Q1N0
    警察が去った後は、皆ぼーっとしながら、夜が明けるまで座っていたと思う。赤ちゃんとかは泣いたりしていたけど、それをあやす母親はとても憔悴しきった顔をしていた。もしかしたら夫があの時連れて行かれたのかもしれない。
    だけど、そんな事を聞けるような状況でもないし、正直に言えば、もうソニア達3人以外の事を考える余裕なんて俺にはなかった。

    229: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:50:09.90 ID:Fels6Q1N0
    それから数日経ったけれど、時々街中で銃声や悲鳴が聞こえるぐらいで、
    初日ほど騒々しい状況になることはなかった。
    スルプスカやスルツキに忠誠を誓う印として、生き残ったボシュニャチの人々は家の前や屋根に白い布とかを掲げて、自分もスルツキの一員だといったような合図をしていた。後で調べて、これが警察とかから指示されたものだと知ったよ。
    この白い布や旗っていうのはさ、今考えてみれば、自分がボシュニャチですと公言しているようなものなんだよね。
    この家や建物にはボシュニャチがいるぞ!って。
    かといって、白い布を掲げなければ、殺されたり拷問されたりするんだ。
    掲げても暴行やいやがらせを受けて、時には見せしめとして殺害されレイプされ、
    掲げなくても殺害・レイプ・暴行をされる。自分が標的にならないように祈ることしか出来なかった。

    231: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 18:58:46.46 ID:Fels6Q1N0
    もう希望なんて正直消え失せていた。この街から逃げたくても逃げ出せない。
    街の所々にはボシュニャチの人々の収容所とかが作られたりしてさ、
    男の人は暴行、処刑されて、女性は数人がかりでレイプされていたらしい。
    この時は、そんな事になっているとは知らなかったけどさ。

    何もする気力が起きないし、する事が無い。何日もぼーっとしてたんだ。
    そしたら、モスクに元々いた年配の人がさ、
    「君はムスリムなのか?」
    って聞いてきたんだ。だから、違うって答えた。そしたら、
    「何で我々と一緒に行動するんだ」って言うんだ。
    何でってそんなの俺が知りたかったよ。だけど、
    友達と離れたくないから、友達を守らなきゃいけないからって答えたんだ。

    そしたらさ、君は異教徒で異民族かもしれない。だからこそ、生きて目にしたものを
    伝えなさいって言って、藁半紙みたいなノートを数冊くれて、鉛筆も何本かくれたんだ。

    今こうして書いている内容の元は、この時にもらったノートに書いてある日記というか、
    起きたことを書いた文なんだ。元々さ、カリノヴィクに居た頃から
    絵日記みたいのはつけていたんだけど、あの時は急だったから持って居なかったし、
    取りに行ける状況じゃなかった。だから、このカリノヴィクから逃げる時期や
    フォーチャでの出来事、これから先の出来事は多少細かく書けるんだけど、
    その前の出来事は、時々思い出みたいのが書いてあるぐらいだから、
    今じゃどんどんその時の記憶が思い出せなくなってきているんだ。
    それがとても怖い。

    232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:05:07.29 ID:7pYTqPiz0
    >>231
    このおっさんかっこいい

    233: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:07:51.36 ID:Fels6Q1N0
    ちょっと休憩。書き始めるの遅かったので、一応1時まで書いてみます。
    細かく書くと、全然進まないから、これから先書くのはもっと短く要約するね。
    ごめん。わからない所があれば聞いてください。

    239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:29:06.30 ID:kYIVqL3s0
    >>233
    お疲れ。無理すんなよ
    あと戻ってきてくれてありがとな

    235: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:11:49.59 ID:Fels6Q1N0
    あー、この人のお陰で記録を書くことは出来たし、この人との約束も、
    俺が前に書いた約束の一つではあるんだけれど、こうして体験を
    書き込まなきゃいけないっていうのは、この人との約束ではないんだ。

    後でぱぱっと書くけど、この後、ボシュニャチの民兵と一緒に行動する事に
    なるんだけれど、その人との約束なんだ。

    そして、その後に死なずに今まで無様に生きてきたのは、
    ボシュニャチの民兵と離れた後に行動を共にしたスルツキの民兵の
    お陰なんだ。 とりあえず書いていくね。
    前のよりも出来るだけ短く書きます。

    372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/20(木) 23:12:58.37 ID:W5lFORPT0
    話の内容と子猫のミルク

    同じ人間の人生の出来事とは思えないな

    376: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/20(木) 23:32:29.36 ID:iRC5X2Fy0
    殺しや暴行をしていたのは警察だけ?そのときスルツキの市民はどうしてるんだ?

    383: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 00:33:30.71 ID:ilB6lZp/0
    >>372
    昨日書くのが12時近くになったのは、子猫を拾ったからなんだよね。
    でも俺は猫アレルギーで咳が止まらなくなるから、友達に連絡しまくって、
    里親が見つかるまで預かってもらう事になってさ。
    だからミルク買って来てと頼まれたら、買いにいくしかないじゃん…。

    >>376
    それには答えにくい。場所によって違うんだ。
    警察だけのとこもあれば、民兵や市民も混じって暴行や霊王、殺人をしたりしていた場所もある。
    それに反対する人だって当然いたけど、反対したらその人も民族浄化の対象になって、
    反対できなかったりとかもあったと思う。逆もまた然り。

    384: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 00:39:14.40 ID:ilB6lZp/0
    日にちは経って、4月22日になった。
    この日も、ここ数日のように過ぎていくと思っていたんだ。
    だけど、違った。スルプスカ軍か、民兵か、警察かはわからないけれど、
    フォーチャにある歴史あるモスクが次々に破壊され、爆破されたんだ。

    385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 00:42:44.80 ID:HizMIsjkP
    日本って平和だな

    387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 01:11:02.56 ID:2VvUG82X0
    >>385
    平和ボケしすぎて戦争の怖さがわからなかった

    394: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 03:24:29.19 ID:ilB6lZp/0
    もう俺達が気づいた時には、街中から轟音が聞こえて来ていた。
    また始まったと思ったけれど、この日はいつもと違ったんだ。
    この日の標的は、俺達とは関係ないボシュニャチの人ではなく、
    俺達自身だったんだ。急いで荷物をまとめて、モスクから逃げようとした。
    大半の人は逃げていたけれど、サニャが忘れ物をしたといって、モスクに走って
    戻ったんだ。俺は駄目だよ。危ないよって何度も叫びながら止めようとしたんだ。

    396: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 03:34:10.87 ID:ilB6lZp/0
    でも、サニャはカミーユの荷物があるから取りに行くって言って、止まってくれないんだよ。

    397: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 03:42:03.65 ID:ilB6lZp/0
    必死に追いつこうとしたけど、この時のサニャの足は速くて追いつけなくてさ、
    モスクのすぐ隣に生えている木の所でやっとサニャの手を掴んだんだ。
    そして、危ないから俺がとりに行くって言った瞬間だったと思う。
    耳がつぶれるかと思うくらいの轟音と一緒に、目の前が真っ暗になって、
    気づいたら10数メートル吹き飛ばされてたんだ。

    400: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 03:59:00.56 ID:ilB6lZp/0
    一瞬、何が起きたのかわからなくてさ、耳もキーンとして聞こえないし、目もよく見えなかった。
    体中にも激痛が走ってた。だけど、感覚はあるし、どうやら自分が無事だって事は何とかわかったんだ。

    401: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 04:06:34.53 ID:ilB6lZp/0
    それではっとしてさ。そういえばサニャはどこだって。
    でも、自分の手はサニャの手を握ってるんだよ。だから、
    無事で良かったって思ったんだ。

    403: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 04:15:44.69 ID:ilB6lZp/0
    だけど、違ったんだよ。耳とか目の視力が回復してきて、よく見たら、サニャの手しかないんだよ。
    俺は丁度木の陰に隠れて、打撲で済んだけれど、サニャは木の陰に隠れてなかったんだ。

    俺よくわからなくなっちゃってさ。サニャどこに隠れたんだろってサニャの事必死に探したんだよ。
    でも、周りにサニャ居なくてさ。あ、モスクの中に隠れたかもって思ってさ、
    崩れ落ちたモスクに行こうとしたんだ。モスクの中に運よく隠れたんだって思ってさ。

    404: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 04:19:50.60 ID:ilB6lZp/0
    そしたら、メルヴィナが俺のところに駆けてきてさ。
    危ないから早く離れるの!って言うんだ。
    でも、まだサニャがモスクにいるから、いるから!って俺何度も言ったんだ。
    サニャに手を返さないと、くっつかなくなっちゃうから早くしないとって。

    452: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:14:29.19 ID:ilB6lZp/0
    よくわからないけど、俺泣きながらサニャ早く出てこないと、手返さないよって叫んだんだ。
    そしたら、メルヴィナにビンタされてさ。かなり痛かった。
    「サニャはもう駄目なの!祐希まで死んじゃったら私たちどうしたらいいの!」
    みたいな事を泣きながら言うんだ。

    もう駄目だってそんなのわかってるんだよね。わかってるんだ。
    木の陰がとか、そういうのはその時は気づいてなくてもさ、
    手首から少し先がもぎ取られたみたいになってるのを見れば、そんなのわかるんだよ。

    でも、そういった現実は俺には認められないんだよ。だって、俺はカリノヴィクでカミーユに
    サニャを守ってねって言われて、約束してるんだよ。その後、カミーユの代わりに俺が
    サニャを守るって誓ってるんだよ。

    454: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:22:28.25 ID:ilB6lZp/0
    情けないけどさ。俺それから数日の記憶なくてさ、気づいたらフォーチャからソニアやメルヴィナ、そして
    何人かの大人と、赤ちゃんとか小さい子ども数名と一緒に山の中にいたんだ。

    456: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:32:16.10 ID:ilB6lZp/0
    俺さ、サニャよりも足はずっと速いんだよ。
    怪我でもしてない限り、サニャに追いつかないはずないんだ。

    あの時、俺が追いつけなかったのは、多分、俺がビビッてたからなんだ。
    俺は守るとか調子良い事言ってたにも関わらず、またビビッて、何も出来ずに
    今度はサニャを見殺しにしたんだって気づいてさ、悔しくて、悲しくて、
    そして憎くて涙が止まらなかったんだ。

    458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:35:27.55 ID:3NZ2og4z0
    >>1すごいよ・・・
    俺とたいして年が変わらないのにこんな地獄をを生き延びいて
    しかもそれを記録して誰かに伝えることを考えてるなんて・・・

    460: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/21(金) 19:41:00.65 ID:ilB6lZp/0
    はぁ。ごめん。今夜はここまでにして寝ます。
    また明日の夜、書いて、出来れば明日には書ききれるようにしたいと思う。
    もしくは明後日の日曜までには。
    ごめん。それじゃ、お休み。



    >>458
    そんなたいそうなもんじゃないんだよ。こんな話、思い出したくもないし、早く忘れたかったよ。
    でも毎日のように夢に出てくるし、ボシュニャチやスルツキの民兵の人と行動を
    共にしなかったら、例え生き延びてもとっくに自殺してる。もしくは犯罪者になっていたと思う。
    彼らのせいで人生が狂ったけど、彼らのお陰で生きているってのもあるし、
    約束して色々と託されたから、それをやらないまま勝手におしまいなんて出来ないんだ。
    ただそれだけなんだよ。

    頭おかしくなるし、マイナスな事ばかり考えるようになるし、自分が嫌で嫌でたまらなくなるんだ。
    夜寝ようとして、暗くすると、銃声が聞こえるような気がして目が覚めたりするんだ。
    未だに、ちょっとした物音がするだけで、反射的に目が覚めるんだ。

    あーもう何が言いたいのか自分でもよくわからない。ごめん。それじゃ、おやすみ。

    462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:56:33.40 ID:Vhc7Uz9S0
    >>460
    おつかれさま
    本当に毎晩ありがとう

    463: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 19:59:46.63 ID:2VvUG82X0
    書き込む事が少しでも心の闇が少なくなる事につながれば
    いいんだけど… 難しいよな~

    464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 20:01:12.24 ID:Vhc7Uz9S0
    >>1が今夜はよく眠れますように

    乙おやすみ

    465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/21(金) 20:05:43.17 ID:N1qq/D+F0
    俺は21の大学生だけど国境なき医師団の看護師を進路として考えてる
    でも(ほぼ)日本を捨てて海外に単身行くのは勇気がいるし、この話読んで決心できたらなんていうか
    俺の人生のターニングポイントになる気がする。そんな感じ。興味深く読んでるよ

    22: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 09:25:48.08 ID:y2Mdiyxn0
    今日も遅くなってごめん。それじゃ、またゆっくり書いてくね。

    えっと、皆には心配をかけてしまって申し訳ないけど、俺の事はどうでもいいんですよ。
    一連のユーゴ紛争について少しでも関心を持っていただければ、それでいいんだ。
    わがままなことを言ってごめんね。

    前のスレ>>465
    看護系の大学で学んでいるのかな。それとも大学を出た後に看護学校へ行くつもりなのかな。
    俺なんかに何も言う資格もないんだけれど、貧しい地域やインフラが整っていない地域で
    活動するのは、とても大変な事だと思うんだ。もしかしたら、失うものの方が多いかもしれない。
    得られるものは、人々の貴方への感謝の気持ちと生きる素晴らしさだけかもしれない。
    それがもし、貴方にとってお金や物にもかえがたい素晴らしい事であるなら、
    是非、彼らの力になっていただければって思う。あ、そっちに行く前に
    日本で経験を積んだほうが、きっと後で役に立ってくると思うけれどね。

    24: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 09:29:31.60 ID:y2Mdiyxn0
    それから1ヶ月か2ヶ月ちょっとは、山の中で生活していたんだ。
    フォーチャにはもう戻れないから、結構離れた山中で静かにしていたんだ。
    幸運な事にさ、一緒に脱出した人の中に、ミジュヴィナからついてきてくれた
    青年の一人が居て、薬とかを時々歩いて5時間くらいかけた所にあるらしい集落に
    取りに行ってくれていたんだ。

    27: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 09:37:39.76 ID:y2Mdiyxn0
    ただ、食料は毎回のように貰いに行くわけにはいかなかった。
    なぜなら、それで俺達の存在がスルツキの人々に知られてしまう可能性があったんだ。
    だから、この山中での生活は、食べ物が少なくて辛かった。
    食べられそうなものは何でも食べたんだ。葉っぱも食べたし、変な虫も食べた。
    動物も居たけれど、捕まえられたのは数回だった気がする。食べ物が少なくて、
    大人の人も生きている動物を捕まえるほど体力がなかったんだ。

    28: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 09:42:47.06 ID:y2Mdiyxn0
    それでさ、動物を捕まえたとしても、火は起こせなかったんだ。
    夜といっても、月だとか星の光で煙が見えちゃうらしいんだ。
    だから、動物の肉は生のまま、皆でわけあって食べていた。

    水も、何時間も歩いた場所にある池から取ってきて、
    濁ったまま飲んでいたんだ。それでも水が足りなくてさ、
    ずっと空腹と喉の渇きに飢えていた。それに耐えられなくなった
    俺達より少し上の子が、木の窪みみたいな所に溜まった水を
    飲んでしまって、お腹を壊して、何日か経った後に亡くなった。

    31: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 09:49:22.44 ID:y2Mdiyxn0
    男の人が、何日かごとに結構離れた農地へ作物を盗りにいって、
    野菜とかを手に入れてくるんだ。だけど、その食べ物は幼児や
    赤ちゃんにおっぱいをあげなきゃいけないお母さんに食べさせて、
    俺達を含めた他の人は、食べられそうなものを食べて我慢してた。

    葉っぱはさ、たまに毒があるものがあって、最初のうちは見分けられなくて
    舌がしびれたり、唇が腫れたりした。だから、食べる時はまず唇に10分くらい
    つけて、それで大丈夫だったら口の中に入れて、そこからまた10分ぐらい
    口の中に入れたまま、咬まずにしておくんだ。それでさ、舌に痺れだとか
    痛みがなければ、よく噛んで飲み込んでた。美味しくはなかったけど、
    食べられずにはいられなかった。

    36: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:00:07.21 ID:y2Mdiyxn0
    その点、虫は栄養もあるっぽくてさ、最初は気持ち悪かったけど、途中から抵抗なく
    食べられるようになってた。特にイモムシみたいなのとか、何かの幼虫はおいしかった。
    結構大きめのクモも、肉に歯ごたえがあって、味は鶏みたいな感じだった。
    とはいっても、この時はずっと空腹で味覚も狂っていたと思うから、実際はそんなに
    美味しいものではなかったと思うんだけどね。

    39: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:06:14.12 ID:y2Mdiyxn0
    色々と慣れてくるものだけど、一つだけ慣れないものがあったんだ。
    それは夜の山なんだ。時折、別の山とかに移動して転々としていたけれど、
    どの山も怖かった。別に幽霊だとか、動物が怖いわけじゃないんだ。

    もしかしたら、スルツキの警察や民兵、軍がくるかもしれない。
    もしかしたら、この場所が知られているかもしれない。
    そんな恐怖が子どもや大人全員にあって、夜は必ず大人二人と
    子ども一人が起きて、見張りをしていた。
    それでも、物音がしたり、風で木が揺れる度に、皆が目を覚まして、
    息を潜めてさ、場所を移動してもそれはその恐怖は消えなかった。

    48: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:28:29.17 ID:y2Mdiyxn0
    ごめん。書くのを躊躇っていたけれど、やっぱり書く。
    この山中の生活でさ、子ども一人と年配の人が一人亡くなったんだけど、
    俺達はその人の遺体を食べたんだ。とても気持ちが悪くて、最初は
    吐いたんだ。吐いたけれど、食べないと死ぬぞって言われて、
    皆泣きながら食べた。俺はさ、この時、別の肉もソニアやメルヴィナと
    食べたんだ。そんな多い量じゃないんだけどさ。

    51: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:35:56.34 ID:y2Mdiyxn0
    フォーチャから脱出した時、俺はずっとさ、サニャの手を持ってたらしくて、
    目を覚ました時にサニャの手がバックに入っていたんだよ。
    捨てるに捨てられなくてさ、腐ってきていたけど、ずっと手元に置いていたんだ。
    それでさ、今書いた人の肉を食べた後、お腹がすいたって鳴いているソニアを見てさ、
    じゃあ、サニャの手を食べようって言ったんだ。

    もう、サニャの手は腐ってて、臭いもきつかった。それでも、栄養があるものを食べなきゃって
    自分達に言い聞かせて、メルヴィナも呼んで三人でこっそり食べたんだ。口の中に入れた瞬間、
    へんな臭いと味が広がって、思わず吐きそうになったけど、サニャの分まで生きようって
    三人で言い合って、食べた。

    53: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:39:48.70 ID:y2Mdiyxn0
    この時が、空腹とかの絶頂だったように思う。友達を食べるって、やっぱ違うんだよ。
    一緒に行動していた人も大切な仲間だけど、やっぱりその人のとは違うんだ。
    味とか臭いだけじゃなくて、言葉に言い表せない気持ち悪さとか悲しさとか
    色んなのがごちゃまぜになった状態で、涙が出そうになるんだ。
    声を出して泣きたい位の涙が出そうになるんだ。でも、出ないんだ。
    水が殆どなかったからかもしれないけれど、サニャの手を食べた時は、
    ソニアもメルヴィナも、もう泣かなかった。

    55: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 10:45:44.87 ID:y2Mdiyxn0
    ご飯食べてた人はごめん。それとちょっと少し落ち着きたいので、
    休憩させて下さい、
    今日は、可能な限り朝まで書くからさ。ごめん。

    58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 11:07:15.14 ID:XZSCfABLP BE:2662821195-PLT(14072)
    現実なんだよな
    釣りじゃないんだよな

    59: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:11:15.75 ID:y2Mdiyxn0
    待たせてしまってごめん。もう大丈夫。

    >>58
    信じるも信じないも、全て皆の判断にお任せするよ。ここで俺が本当だ、信じてといっても、
    俺が嘘をついて本当だと言っていたとしたら、意味がないでしょ。
    ただ、こういった事が実際に起きた紛争だったと、起きたんじゃないかな、
    そう思って、この紛争に、この地域にもっと関心を持ってもらえればそれでいいんだ。
    辛ければ、信じなくてもいいんだ。ただ、どうかこの地で起きた一連の出来事を、
    知って欲しい。そして、もっと関心を持って欲しい。上手く言葉に出来なくてごめんよ。

    60: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:20:39.15 ID:y2Mdiyxn0
    この時ぐらいからだったと思う。俺も含めて、ソニアやメルヴィナも
    あんまり感情を表に現さないようになっていった。

    そんな生活をして1・2ヶ月経った頃、皆の体力もかなり落ちていて、
    このまま生活していても先がないという話になったんだ。
    それで、本来の目的地だったゴラジュデに向かうことになった。
    毎日日記はつけていたつもりなんだけど、フォーチャから脱出して
    数日は記憶が殆どなかったせいで、正確な日にちはわからない。
    だけど、恐らく6月に入って数日程度経った頃だったと思う。

    62: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:28:18.65 ID:y2Mdiyxn0
    ゴラジュデへの道のりは、大体3日間ほどだったんだ。
    それでも、体力が落ちていた俺達には、過酷で辛かった。
    ああ。

    64: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:33:52.18 ID:y2Mdiyxn0
    ゴラジュデに向かいだして二日目の昼頃。
    山の中を進んでいくとは行っても、道路とか人の生活圏を完全に避けて通過するのは厳しかったんだ。
    本来であれば、夜にそういった場所を通過した方が安全なのだけれど、
    俺達には体力的にもそんな余裕がなかった。

    この時は、丁度山道を横切る時だった。道の200Mぐらい手前で、道に銃を持った人間がいるのが見えたんだ。
    警察か民兵か、それとも軍の兵士なのかは見分けがつかなかった。だけど、そこを通らないと山が越えられなかったんだ。

    67: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:48:55.51 ID:y2Mdiyxn0
    俺達、というか大人達は選択に迫られたんだ。このまま気づかれないように進むしかない。
    だけど、それには大きな障害があったんだ。それは、赤ちゃんだったんだ。
    赤ちゃんはさ、泣くのが仕事っていう位、よく泣く。このときは、元気もあまりなくて、
    そんな泣くほどでもなかったんだ。それでも、もし万が一泣いてしまったら、俺達はつかまってしまう。
    全員の安全の為には、赤ちゃんを連れて行くことはさ、出来なかったんだ。

    74: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:57:05.94 ID:y2Mdiyxn0
    でもさ、さっきも書いたように、俺ぐらいの子どもも、大人達も、赤ちゃんや幼児の為に
    どんなにお腹が空いていても、我慢して、耐えて、その子たちに優先的に食べ物を
    まわしていたんだよ。そんな簡単に、皆の為にといって、赤ちゃんを連れて行かない
    なんて、決断は出来なかったんだ。

    76: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:05:33.38 ID:y2Mdiyxn0
    少しの間、沈黙が流れてさ、言いたいことはわかってる。だけど、誰も言い出せない状況が続いた。
    ここまで一緒に行き抜いてきたんだ。こんな小さい赤ちゃんでも、皆にとっては大切な仲間で、
    気持ちとしては、家族同然のようなものだったんだと思う。

    80: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:17:31.18 ID:y2Mdiyxn0
    赤ちゃんの母親はさ、皆が言いたいことは十分わかっていたんだと思う。そして、皆がそれを
    言い出せないという事も理解していたんだと思う。誰も言い出さない中さ、笑いながら、
    皆が言いたいことはわかるって。自分もこの子も、自分たちの為に皆が危険な目に合うのは
    望まないって言ってさ。自分が母親だから、きちんと責任を持つって言ったんだ。
    だから、皆は先に進んでください。この子とお別れをしたら、私も後から追からって。

    何とも言えない空気の中で、そう言った母親は、さっき来た道を戻って行ったんだ。
    大人たちは、母親の姿が見えなくなった後に、「すまない。」って一言二言いって、
    武装したスルツキの近くを通過していくことにしたんだ。

    83: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:29:26.30 ID:y2Mdiyxn0
    スルツキ達が居る場所を過ぎて、少し数百メートル歩いたところで、俺達は数時間待ってたんだ。
    母親が後から来るっていってたからさ。でも、結局母親は来なかった。

    今思えばだけど、後から追うっていうのは、赤ちゃんの後を追うって意味だったんだろうな…。

    81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 12:25:28.47 ID:9uKaQLIW0
    もしかしたら殺せず二人で逃げたのかもしれないな

    84: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:39:21.85 ID:y2Mdiyxn0
    >>81
    逃げ場なんてないんだ。前にも言ったけど、俺達がいた場所はさ、スルプスカ共和国って名乗る、
    スルツキの領内だったんだ。どこに逃げても、味方なんていないんだよ。
    だからこそ、俺達はゴラジュデへ向かったんだ。それ以外の選択肢なんてなかったんだ。

    例え逃げたとしても、待っているのは死か、スルツキに捕まるかのどれかだったんだ。
    そして、この時、スルツキに捕まるのは死も同然だったんだ。

    87: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:49:10.73 ID:y2Mdiyxn0
    次の日になると、先頭を進む人と、後方の人の距離がかなり広がっていた。
    もう休んでいる時間も体力もない。もし休んだら、そのまま動けなくなってしまうような
    状態だったんだ。だから、この時になると、暗黙の了解じゃないけど、
    体力のない人はどんどん遅れていくようになった。幼児とかは、まだ小さいから、
    体力のある大人が背負えるんだ。だけど、俺達ぐらいになると、体重が多少あるから、
    背負えないんだよ。

    88: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 12:56:27.69 ID:y2Mdiyxn0
    そして、丁度最後尾に居たのは、俺とソニア、メルヴィナだったんだ。
    ソニアは体力的にも、精神的にも参っててさ、俺とメルヴィナが引っ張りながら歩いていたんだけど、子どもだからただでさえ歩くのが遅いんだ。引っ張りながらだと、さらに遅くなって、全然追いつけないんだ。

    90: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 13:07:18.71 ID:y2Mdiyxn0
    気づいたら、俺達は皆とはぐれてたんだ。遠くの方からは、爆発音みたいな音とかが聞こえてきてて、どこかでまたあのような惨状が繰り広げられているかもといった考えが過ぎった。
    もしかしたら、大人が心配して引き返してきてくれるかもって思った。
    だから、俺はメルヴィナにここで大人達を待とうって言ったんだ。
    だけど、メルヴィナは駄目って言うんだ。
    「戻ってこないよ。自分達で進まなきゃ。」
    って言うんだ。

    92: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 13:23:47.79 ID:y2Mdiyxn0
    俺達は三人だけで、道もわからないのに、進んだんだ。メルヴィナがさ、
    もしかしたら、味方が来てスルツキの兵士をやっつけてるかもって言うんだ。
    確かに、そうかもって。何かにすがりつかないと前に進めなかった。
    だから、俺達は、音がする方に味方がいるって希望を持って、
    そっちに向かったんだ。

    112: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:05:04.63 ID:y2Mdiyxn0
    でも、それが間違いだった。

    114: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:14:05.23 ID:y2Mdiyxn0
    山と山の間に、少し開けたところがあって、俺達はそこに出たんだ。
    あんなに体力が落ちてなければ、疲れていなければ、
    もっと冷静に考えられたのかもしれない。
    だけど、この時の俺達は、子どもでそこまで思考能力もなかったし、
    そして疲れ果てていて、頭が回らなかったんだ。

    117: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:29:28.98 ID:y2Mdiyxn0
    開けた場所の半分くらいまで歩いた時だった。
    横の道から、振動と共に何かが近づいてくる音がしたんだ。
    もうさ、前の方からは爆発音とかがしてて、そんなの聞こえない
    はずなのに、聞き間違いだって思いたかったんだ。
    だけど、爆発音の合間に、何かが向かってくる音がするんだ。

    118: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:34:56.96 ID:y2Mdiyxn0
    味方かもしれない。でももしスルツキだったらどうしよう。色々不安と期待があった。
    俺は怖くて、迷って、そしてその場で止まってたんだ。
    そしたら、メルヴィナがとりあえず逃げなきゃって言ってさ、
    俺はソニアの手をつかみながら全力で前の森というか、山に向かって走ったんだ。

    119: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:44:35.60 ID:y2Mdiyxn0
    それで、何とか木のところまで来て、良かった。何とか隠れられたって。そう思ったんだ。
    それで後ろを振り返ったら、メルヴィナがいないんだよ。
    何でって思ったら、メルヴィナがさ、メルヴィナがこんな時にだよ。
    こんな時に限ってさ、転んじゃってるんだよ。

    120: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:48:53.50 ID:y2Mdiyxn0
    もう近づいてくる音もかなり大きくなっていて、振動もしてきていたんだ。
    メルヴィナ早く立ってこっちに来いって叫んだんだ。
    だけど、メルヴィナは立たないんだ。いや、立てないんだよ。
    3日間も、殆ど寝ないで飲まず食わずで歩いてきたんだ。
    体力的にも精神的にも、限界なんてとっくに通り越してたんだよ。

    124: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:01:36.82 ID:y2Mdiyxn0
    俺は助けに行かなきゃって、もう見つかってもいい。ここで俺がおとりになれば、
    もしかしたら二人は助かるかもしれないって。それで飛び出してメルヴィナの所に
    走って駆け寄ったんだ。
    でも、メルヴィナを起こそうとしても、メルヴィナは足に力が入らない、立てないって
    言うんだ。だけど、こんな所で見捨てるなんてできるわけないじゃないか。
    ここまで一緒に行きぬいてきたのに、もう三人だけになってしまったのに、
    見捨てるなんて出来るわけじゃないないか。

    125: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:11:17.20 ID:y2Mdiyxn0
    だから、メルヴィナを背負ったんだ。だけどさ、情けないよ。全然前に進めないんだ。
    この時、俺は8歳で、小学3年ぐらいだったんだ。男女の差といっても、体格的にも、
    肉体的にもまだそこまで差がなかったんだ。普段だったら、それでも何とか歩けたはずなんだ。でも、この時の俺にはそんな力なんて残っていなかったんだよ。
    頼むから前に進んでくれって頭の中で思っても、全然前に進めないし、
    足のふんばりも効かないんだ。もう、向かってくる音はかなり鮮明になっていて、
    金属音も混じっていたんだ。俺とメルヴィナの姿が相手に見られるのも、
    時間の問題だった

    127: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:13:49.40 ID:y2Mdiyxn0
    俺はメルヴィナに大丈夫だから、俺が何とかするからって言ったんだ。
    だけど、メルヴィナがさ。泣きながら、
    「もういいから、ソニアの所に行って隠れて」って言うんだ。
    そんな事出来るわけないじゃないかって怒ったんだ。
    だけど、メルヴィナはこのままじゃ見つかるって。
    今ならまだ間に合うって。今隠れれば、ソニアと俺は助かるって言うんだよ。

    142: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:24:57.99 ID:y2Mdiyxn0
    俺は嫌だ嫌だって言って、背負ったまま前に進もうとしたんだ。
    そしたら、メルヴィナが暴れてさ、地面に落ちてしまったんだ。
    すぐにまた背負おうとしたんだけど、メルヴィナがあばれて、
    背負えないんだよ。何するんだって言ったらさ、
    お願いだから隠れて!って。俺とメルヴィナが見つかったら、
    ソニアはどうなるって、このままじゃ全員捕まっちゃうって叫ぶんだ
    だから二人だけでも逃げてって泣きながら叫ぶんだ

    俺は弱虫なんだよ。俺はメルヴィナの所に留まっておくべきだったんだ。
    それなのに、体が勝手にソニアの所に向かってるんだよ。
    何やってるんだよ やめろって自分にいっても、
    体が勝手に逃げちゃうんだよ。

    145: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:30:12.89 ID:y2Mdiyxn0
    ソニアの所へ入る直前か、直後かわからない。
    隠れて振り返ったら、戦車が向かってきていた。
    メルヴィナは俺が隠れたのを確認したら、横になりながら体を
    動かして俺達の方向に背を向けたんだ。

    146: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:34:25.67 ID:y2Mdiyxn0
    頼むから味方でいてくれって、敵だとしたら、気づかないでそのまま通り過ぎてくれって
    そう祈った。だけど、現実は全然幸運なんてないんだよ。思ったとおりにならないし、
    神様なんていなかったんだ。戦車はメルヴィナの横で止まって、上からスルツキの軍服を着た兵士が出てきたんだ。

    147: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:37:01.96 ID:y2Mdiyxn0
    ごめん。あんまり細かく書きたくない。ごめん。

    降りてきた兵士はさ、メルヴィナの事を蹴ったんだ。メルヴィナは濁った叫び声を一瞬だしてさ、
    生きているって確認した兵士は、笑いながら何かを言った。そしたらもう一人、兵士が出てきて、
    暴れるメルヴィナを叩いて、服を脱がせて乱暴したんだ。たった8歳の少女に乱暴したんだよ。
    メルヴィナは泣き叫んでもおかしくないのに、自分の口を手で押さえて、叫ばないようにしてるんだよ。

    150: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:43:21.61 ID:y2Mdiyxn0
    俺らに助けを求めないように、俺らが見つからないようにしてるんだよ
    自分が酷い目にあってるのに、怖くて痛くて辛いはずなのに、
    メルヴィナは自分よりも俺達を心配して、自分の口を押さえてるんだよ。

    俺とソニアを助ける為に必死に耐えてたんだ

    151: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:55:36.03 ID:y2Mdiyxn0
    すぐにでも飛び出さなきゃいけない。助けなきゃいけない。
    でも、それをしたらメルヴィナの行動は全て無駄になってしまう。
    俺には決断できなかった。何でこんな選択をしなきゃいけないんだって、
    山中の生活を通して、感情をあまり外に出せなくなっていたソニアや
    俺は泣きながら見ていることしか出来なかった。

    これが戦争なんだって。これが人間なんだって。これが神様の作った世界なんだって。
    神様なんて、残酷な悪魔だと思った。

    俺は本当に無力で、何も出来ない弱虫で、本当は俺があそこで殺されているべきなのに、
    俺はメルヴィナに代わって死ぬほどの勇気を持っていなかったんだ。
    持っていたとしても、それは本当の勇気だとか決意じゃなかったんだ。

    日本に居る頃は、自分は何でも出来る、やろうと思えば何でも出来る人間だと思っていた。
    だけど、実際の俺はあまりに無力で何も出来ない弱虫だったんだ。

    154: ◆B6h8tfWQSo 2010/05/23(日) 23:08:33.48 ID:y2Mdiyxn0
    ソニアはずっとごめんなさいと繰り返し言っていた。
    俺は、メルヴィナが乱暴されて、連れ去られるのを見ている事しか出来なかった。
    この時だったよ。今まで憎しみだとか、悲しみだった心が、自分には抑えられないぐらいの
    怒りと殺意みたいなのに変わっていた。絶対にあいつらをころすって。
    ころしたいって。

    156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 23:35:25.40 ID:uB8WOKbc0
    ごめん。少し休ませてください。

    157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 23:39:35.73 ID:G5TPWZs50
    ゆっくり休んで

    辛いのに書いてくれて本当にありがとう

    159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 23:42:33.59 ID:Etk+i8jI0
    言葉も出ない

    160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 23:42:51.75 ID:VkaNAOPr0
    でもこれで>>1がそいつらを殺したら
    今度はそいつらの遺族が>>1をぶっ殺したいって思うよね

    161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 23:44:14.06 ID:cTwG0dfr0
    >>160
    それが歴史的に繰り返されて民族の根深い対立が起こるんだろうね・・・

    218: ◆B6h8tfWQSo 2010/05/23(日) 17:51:14.09 ID:Fels6Q1N0
    >>160
    だから俺は書いて誰かに伝えなきゃいけないんだ
    それを誰かに伝えて、何かを感じて欲しいから書いてるんだ
    もう少し待って、そしたら俺が伝えたいことが、何となくわかってもらえるかも
    しれないんだ。

    もうちょっと、少し時間をください

    219: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 17:59:49.15 ID:Fels6Q1N0
    それから数時間くらい、俺とソニアはそこから動けないでいたんだ。
    だけど、ここにずっと居たって何も変わらない。
    俺とソニアは手を繋ぎながら、轟音止まない方向へ向かった。
    世界は不幸なことばかりじゃなくて、幸せもあるかもしれない。
    だけど、不幸幸せ不幸みたいに、交互に来るとは限らないんだ。
    俺達は、ずっと目指していたゴラジュデに、沢山の大切な犠牲を払って
    辿り着いたと思ったよ。だけど、街には入れないんだ。

    221: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:09:37.28 ID:Fels6Q1N0
    近づくことも出来ないんだ。もう、街はスルプスカの軍に包囲されて、
    攻撃を受けていたんだ。山の中にもスルプスカの兵士が大勢居て、
    全ての希望を打ち砕かれてさ。声も出なかった。

    222: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:27:57.89 ID:Fels6Q1N0
    ここに留まることも、街へ入ることもできない。
    俺とソニアは、世界で二人だけ取り残された気分になってさ、
    でも諦めたら駄目だって。自分に言い聞かせて、
    ゴラジュデから離れて延々と、山の中をあり着続けたんだ。

    224: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:31:50.87 ID:Fels6Q1N0
    ごめん。山の中を歩き続けたんだ

    226: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:37:10.89 ID:Fels6Q1N0
    ここらへんは、日記もちゃんとかいてなくてさ、何日歩き続けたかわからない。
    でも、今思えば、約2ヶ月くらい山中で生活した経験がなかったら、
    俺とソニアはここで死んでいたと思う。

    227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 18:39:19.21 ID:0KsSDdEoO


    紛争時のサラエヴォの映像
    >>1はこんな状況の中、街に居ることもままならなかったんだな

    232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 19:05:07.29 ID:7pYTqPiz0
    というか、>>227の動画でなんでこの人たちこんなところにいるの?
    なのに、子供だけで山の中放浪って・・・

    238: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:25:52.81 ID:Fels6Q1N0
    >>232
    街から出れないからだよ。陸路で街に入る事も、出ることも出来ないんだよ。
    包囲された街に残された人々には、包囲が解けるのを待ち続けて、
    生き抜くしかないんだよ。援軍も見込めない中、いつ包囲が解けるのか、
    それとも死ぬのか、わからないままそこで生き抜くしかないんだ

    228: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:42:54.12 ID:Fels6Q1N0
    歩き続けて何日目かわからないけどさ、小さな川というか湧き水みたいなところがあって、
    そこで休んでいたら、銃をもった人が駆け寄ってきたんだ。スルプスカの兵士かと思ったけれど、
    そうじゃなくてさ、ボシュニャチの民兵の人たちだった。

    229: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:50:09.90 ID:Fels6Q1N0
    それから93年の10月くらいまで、一年半くらいボシュニャチの民兵の人と行動を共にしたんだ。
    俺はさ、彼らと過ごして1ヶ月ほど経った頃に、俺も戦わせてと頼んだんだ。
    何でもするって。死んでもいいって。だから俺も戦わせてって頼んだんだ。

    230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 18:53:34.98 ID:0KsSDdEoO
    >>1
    楽になるために書くならまだしも辛い思いをして書くこたねえと俺は思うぞ

    231: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 18:58:46.46 ID:Fels6Q1N0
    >>230
    辛くても書かなきゃいけないから書いてるんだ。
    これは俺の為でもあるんだ。

    233: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:07:51.36 ID:Fels6Q1N0
    勇気を出すって。勇気を出して戦う。もう逃げないって。だからお願いって。
    でも、彼らはそれを許してくれなかった。中学生くらいの子どもにも銃を持たせているのに、
    何で俺は駄目なのかってしつこく聞いたんだよ。スルプスカの兵士が許せないって。
    そしたら、名前は書けないけど、民兵の一人が俺に言うんだ。


    戦いに勇気なんて必要ない。
    生きる事にこそ勇気が必要なんだ。
    君は戦う以外にも出来る事があるだろう。
    君だから出来る事があるだろう。
    俺達は戦争が終わるまで生きていられないだろう。
    君は、ここで何が起きたかを伝えなさい。
    同じ事が起きないように。
    辛くても生き抜いて、そして胸を張って
    友人に天国で会えるようにしなさいって。

    235: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:11:49.59 ID:Fels6Q1N0
    彼らと過ごした間、俺は色んなものを目にした。
    俺の中で、この時スルツキの人々や軍、警察、民兵は絶対的な悪のような
    存在になっていたんだ。そして、ボシュニャチは被害者だと。
    だけど、違ったんだよ。民兵の人たちはさ、スルツキの集落を襲って、
    食料を奪ったり、スルツキの大人や子どもを殺害したり、
    女性をレイプしたりしていたんだ。

    俺はわからなくなっちゃったんだ。何が正しくて、何が間違っているのかとか。
    何が悪で、何が正義なのか。あんなに被害を受けて、その苦しみを知っているはずの
    人たちが、同じ事を、相手の民族に、人々にするんだ。

    236: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:17:16.99 ID:Fels6Q1N0
    俺は、何でそんなことをするの?やめようよって何度も言った。
    それはやっちゃいけないことだよって。

    そういうと、決まって民兵の人は悲しそうな顔をしてさ、
    そんなのはわかっているんだって。でもこうしないと、自分達の仲間が同じ目に合うって。
    矛盾に気づいているのに、それをしなければいけない状況だったんだ。
    ボシュニャチもスルツキも。
    俺はこの時、まだ彼らの紛争の歴史も何も知らなかった。
    前にも書いたと思うけれど、スルツキの人々も同じように、歴史上で何度もこういった
    虐殺の被害に合ってるんだ。どちらも被害を受ける苦しみや怒り、恨みをしっているのに、
    それでも尚、お互いにそうしなければ、やられる状況になっていたんだ。

    237: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:23:28.78 ID:Fels6Q1N0
    恨みや禍根は残されたまま、次の世代へと引き継がれて、また同じ悲劇を繰り返している。
    それがこの時の紛争だったんだ。

    383: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 00:33:30.71 ID:ilB6lZp/0
    前に、国は3つの勢力に別れたって書いたよね。
    ボシュニャチ、フルヴァツキ、スルツキの3勢力に。

    ボシュニャチとフルヴァツキは最初は味方同士のような感じだったけれど、
    連携は取れていなくてさ、国内で、つまりヘルツェグ=ボスナでは
    フルヴァツキの軍や人々によって、ボシュニャチやスルツキの人々が虐殺された。
    一つの民族が、一方的に虐[ピーーー]るのではなく、お互いに民族浄化の応報を
    繰り広げていたんだ。

    385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 00:42:44.80 ID:HizMIsjkP
    レイプする必要あんのかよ

    394: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:24:29.19 ID:ilB6lZp/0
    >>385
    レイプは単に性的欲求を満たす為の行為じゃないんだ。
    敵対する、憎む民族の女性をレイプする、それは自分達の民族が、
    敵対する民族に勝利する、やっつけるといった優越感を示す行為でもあったんだ。
    だから、女性は標的になったんだ。

    384: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 00:39:14.40 ID:ilB6lZp/0
    9月に入ると、フルヴァツキとスルツキの二つの勢力が同盟を結んでさ、
    ボシュニャチは二つの民族から挟まれる状況になったんだ。
    その理由は、フルヴァツキの人々も、自分たちによる、自分達の国が、
    このボスニア・ヘルツェゴビナの領内で欲しかったんだ。そして、
    最初は共に戦ってもヘルツェグ=ボスナ内でスルツキの人々が
    一掃されて、領地の争いが減ったんだ。フルヴァツキからすれば、
    次はボシュニャチだったんだ。

    396: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:34:10.87 ID:ilB6lZp/0
    10月の中旬ぐらいだった。
    ボシュニャチの勢力は、スルツキ・フルバツキの二つの勢力に挟まれ、絶望的な状況になっていた。
    俺はそういった経緯は、日本に帰ってきてから知ることになったけど、この時、自分達が
    かなり追い詰められているというのは何となく認識していた。

    397: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:42:03.65 ID:ilB6lZp/0
    俺とソニアが一緒に過ごしていた民兵達の部隊も、人数がどんどん減っていって、
    人手が不足していた。この日も、殆どの人が離れた街に行ってしまって、
    拠点としていた洞窟には十数人しか残っていなかったんだ。

    400: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:59:00.56 ID:ilB6lZp/0
    もう秋になって、辺りが暗くなる時間も早くなってきていた。
    拠点に残っている大人はさ、殆どが負傷した人だったんだ。
    だから、俺は暗くなる前にさ、水を汲んでくる必要があった。
    この時、ソニアも一緒につれて行けば良かったんだよ・・・。
    だけど、誰かが負傷した人を見てなきゃいけなくて、
    俺が水を汲んできて、その間ソニアが負傷した人を看ているってするしかなかったんだ。

    401: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:06:34.53 ID:ilB6lZp/0
    水を汲む場所までは、山を下らなきゃいけなくて、子どもの足で往復4時間くらいかかるんだ。
    水を汲んで洞窟の近くまで来た時には、もう辺りは暗くなっていた。
    ソニアはちゃんと看てるのかなって心配しながら、水汲んできたよって洞窟の中に入ったんだ。

    403: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:15:44.69 ID:ilB6lZp/0
    だけどさ、洞窟の中に明かりが点いてないんだ。もう外は暗くて、洞窟の中も真っ暗なのに、
    明かりが点いてないんだよ。最初はおかしいなって思ったんだ。だけど、ソニア疲れて
    寝ちゃったのかって。ちゃんと看病しなきゃ駄目じゃないかって。
    ソニアちゃんと看ててって言ったでしょって言いながら、スイッチを押したんだ。

    404: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:19:50.60 ID:ilB6lZp/0
    だけど、明かりが点かないんだ。何回押しても点かないんだ。俺さ、民兵の人たちと
    過ごしている間、前のように本当に危険な目に合う事が殆どなかったんだ。
    ソニアを守るって、だからどんな時でも俺はソニアから離れちゃ駄目だし、
    どんな時でも警戒して、気をつけてなきゃいけないんだ。
    でも、馬鹿な俺はその大切なことも忘れて平和ぼけしてさ、それを怠ったんだ。
    信じたくなかった。ただ電球が切れただけだと思いたかった。

    452: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:14:29.19 ID:ilB6lZp/0
    確かめるのが怖かった。誤解であってくれって、神様どうか誤解であってくださいって
    祈ったんだ。だけど、洞窟の奥に進んでいくに連れて、真っ暗で何も見えなくても、
    嗅いだ覚えのある臭いがするんだ。錯覚だって。これは錯覚だって。気のせいだって。
    でも、うめき声とかも微かに聞こえてきて、何かが焼ける臭いもしてきてさ、
    気づいたら両手に抱えていた水の入れ物を落としていた。

    454: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:22:28.25 ID:ilB6lZp/0
    ソニアの名前を何度も呼んだんだ。ソニアソニアどこにいるのって。隠れないで出てきてよって。
    だけどソニア全然出てこないし返事しないんだ。

    456: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:32:16.10 ID:ilB6lZp/0
    酷い話だけどさ、横で兵士の人がうぅって苦しそうに声を出していたんだ。
    だけど、俺はそれどころじゃなかったんだ。必死に地面に這いつくばって、ソニアが
    居ないか手探りで探したんだ。何人か、冷たくなった大人の死体とかに触れたけど、
    それに驚いたり気遣ってたりする余裕なんてなかったんだ。

    460: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:41:00.65 ID:ilB6lZp/0
    どれくらい探してたのかわからない。もう時間の感覚とかもよくわからなくなっていた。
    気づいたら、洞窟の奥まで来ててさ。壁に手を付きながら探していたら、小さな体に触れたんだ。
    すぐにわかった。夜になると、いつも一緒にくっ付きながら寝てたんだ。すぐにソニアだってわかった。

    461: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:46:13.86 ID:ilB6lZp/0
    頭が真っ白になって両手でソニアに触れたんだ。でも、ソニアの体は温かかったんだ。

    467: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:08:48.48 ID:ilB6lZp/0
    息もしていて、ソニアは生きていたんだ。良かった。何が起きたかわからないけど、ソニアは生きてる。
    良かったって。ソニア大丈夫?って声をかけたら、小さい声でうん。って言ったんだ。

    469: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:13:54.15 ID:ilB6lZp/0
    離れてごめんねって。ソニアを追いて水汲みにいってごめんって言いながら、ソニアを抱き寄せたんだ。

    472: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:19:14.30 ID:ilB6lZp/0
    そしたら、手に生暖かい液体がついてさ、最初は何かわからなかった。でも臭いを嗅いだら、
    血ってすぐにわかったんだ。慌ててソニア怪我してるの?ソニア大丈夫なの!?って聞いたんだ。
    ソニアはまた小さな声で、うん。って言ったんだ。俺は急いで傷の手当しなくちゃって思って、
    洞窟の中は暗くてよく見えないから、ソニアを背負って外に出ることにしたんだ。

    ソニアの体がいつもより軽く感じて、そしてソニアの体から垂れる血のピチャ、ピチャ、って音が、
    洞窟の中で響いていたんだ。不安になった。だけど、ソニアは返事をしているし、ちょっとした怪我なんだって、
    ちょっとした怪我だって、悪いことを考えないように必死に自分に言い聞かせたんだ。

    473: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:24:28.68 ID:ilB6lZp/0
    洞窟の外に出た時は、もう外も真っ暗で、月が綺麗に輝いていたんだ。
    俺はソニアを草の上に下ろしたんだ。最初は見間違いかと思った。
    だけど、何回目をこすってもさ、ソニアのお腹から血が一杯出てるんだ。

    475: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:28:24.99 ID:ilB6lZp/0
    頭の中で理解できないような色んな感情とかが渦巻いてきたんだ。だけど、
    血を止めなきゃって。俺は上着を全部脱いで、ソニアの上着を捲ってさ、
    血を止めようとしたんだ。そしたら、ソニアのお腹に大きな穴が何個も空いてて、
    そこから沢山の血が流れてたんだ。俺ってば、分厚いコート着ててさ、背負ってるのに、
    こんなに血が出てるのに気づかなくて・・・

    シャツでソニアのお腹を抑えたんだけど、全然血が止まらなくて、どうしようどうしよう、
    誰か来てよって泣きながらソニア大丈夫だよ大丈夫だよって何度も叫んだんだ。

    でも血が止まらないんだ。そしたら、ソニアが血を口から垂らしながら、
    うん。だいじょうぶ。って言ってさ。 しゃべっちゃ駄目って言ってるのに、
    小さな声で喋り続けるんだよ。月が綺麗だねって。どうして祐希泣いてるのって。

    476: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:32:55.39 ID:ilB6lZp/0
    ソニアを心配させちゃ駄目だって思って、泣いてないよ。だから喋らないでって言ったんだ。
    だけどソニアはそれでも話すのをやめなくて、声を出すたびに血が溢れてくるんだ。
    混乱してて、慌てて、怖くて、正確には覚えてないんだ。だけど、ソニアは昔の話をしだしてさ。

    477: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 20:35:27.50 ID:ilB6lZp/0
    特別な日覚えてる?って。俺すぐには思い出せなくて、何?って言ったんだ。そしたら、
    祐希にお友達になってくれたお礼をした日って言うんだ。
    俺は覚えてるよ。忘れるわけないじゃんって泣きながら答えたんだ。
    そしたら、ソニアはちょっと笑いながら良かったって言って、
    あの時も綺麗な月だったねって。

    俺はうまく言葉が出せなくて、うん、うん、って相槌しか打てなかったんだ。
    それでもソニアは喋り続けて、
    ずっと一緒にいれなくてごめんねって言うんだ。

    ソニアはわかっていたんだ。自分が大怪我して、もう助からないってわかってたんだ。
    もう俺は何て言葉を返したらいいかわからなかった

    492: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:39:23.22 ID:ilB6lZp/0
    ソニアは、もうお腹押さえなくていいって、その代わり手を握ってって言うんだ。
    もうソニアは手に力が入らないみたいで、俺の手を握り返せないんだ。

    495: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:45:00.69 ID:ilB6lZp/0
    手を握ってさ、目の前にいるのに、ソニアが言うんだ。
    祐希、ちゃんと手にぎってる?そこにいる?って。

    俺はちゃんと握ってるよ。隣にいるよって答えたんだ。

    そしたら、そっか。良かったって言ってさ、ごめんね、ありがとうって小さな声で言った後、
    何も喋らなくなったんだ。

    497: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:49:33.37 ID:ilB6lZp/0
    息はまだしてたんだ。もし医者がいれば、医者じゃなくても大人が居ればソニアは助かるかもしれないんだ。
    でも、俺は何も出来ないんだよ。大切な子がソニア以外いなくなったり死んじゃったりして、
    もうソニアしかいないのに。たった一人の大切な人なのに何も出来ないんだよ。

    ソニアの息が少しずつ弱くなって、体が冷たくなっているのに、横でただ泣きながら見ているしか
    出来ないんだよ。

    499: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:55:18.19 ID:ilB6lZp/0
    ごめん、ちょっと時間ください。

    500: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 22:56:50.60 ID:OTHbviGz0
    涙が止まらん
    ゆっくりでいいから
    がんばれ

    最後まで付き合うから

    501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 22:56:59.70 ID:JJsZO0Zo0
    最後まで付き合うつもりだ
    そして、周りのVIPPERでも2ちゃんねらーでもない人達にも、
    この手記を伝えていきたいと思ってる

    505: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:03:30.40 ID:ilB6lZp/0
    俺は目の前で起きた現実を受け入れることが出来なかった。
    やらなければいけない事は沢山あったんだ。
    洞窟の中にはまだ生きている民兵の人がいたんだ。

    でも俺はソニアの傍から離れる事が出来なかった。

    この日まで、沢山の人に助けられて生き延びてきた。
    沢山の人の、仲間の友達の犠牲の上で、生きてきたんだ。
    なのに、何もお返しも出来ずに、逃げてばかりで、
    まだ生きている民兵の人だけでも助けなきゃいけないのに、
    その人たちに助けられて、今まで面倒をみてきてもらっていたのに、
    頭で理解してても何も行動できないんだ。

    515: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:20:36.83 ID:ilB6lZp/0
    気づいたら朝になっていて、洞窟の中でまだ息のあった人たちも、皆亡くなっていた。
    もう心が耐えられなかった。情けない自分が、同じ過ちを何度も繰り返す自分が許せなかった。

    518: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:27:13.40 ID:ilB6lZp/0
    それから数日間、ソニアや民兵と一緒に過ごしていたんだ。
    でも、外に出ていた民兵の人は誰も帰ってこなくて、
    もう全てが終わった事に気づいた。本当はとっくに気づいていたけど、
    もう現実を受け入れるほど俺の心は強くなかったんだ。

    519: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:32:32.74 ID:ilB6lZp/0
    それから、少しして、俺は皆の遺体を埋めることにしたんだ。
    スコップとかがないから、木の棒でひたすら彫り続けて、
    全員の遺体を埋めるには数日かかった。

    俺ムスリムじゃないからさ、お墓に何をすればいいかわからなかったんだ。
    だから、棒を立てて、咲いていた花を移して植えるぐらいしかできなかった。

    ボシュニャチの民兵の人に、辛くても生き抜けって言われたけど、
    もうそんな気力もなかった。もう全てを失って、希望だとか光も何もないんだ。
    その場で死のうと思って、銃を探したんだけど、銃が全部なくなってるんだ。

    少量もとっくに尽き果てていて、飲まず食わずでいた俺は、
    もう疲れて眠くなっちゃってさ、そのままソニアを埋めた場所の前で寝たんだ。

    532: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:39:27.80 ID:ilB6lZp/0
    目を覚ましたら、夢の中みたいで、どこかの家のベットに寝てたんだ。
    おかしいな、これは夢なのかなってそれとも今までのが夢なのかなって思ってたんだ。
    そしたら部屋の中に中年ぐらいの女の人が入ってきてさ、
    何か俺にいいながら、水とか食べ物をくれたんだ。

    539: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:47:11.21 ID:ilB6lZp/0
    それから少しして、これが夢じゃないってわかってさ。
    俺は山で倒れていた所を、スルツキの民兵に保護されて、
    そこから結構離れた民兵の暮らす集落に連れて来られていたんだ。

    544: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:53:34.75 ID:ilB6lZp/0
    もう死にたいって思ってた俺はさ、スルツキの民兵がソニア達を撃ったんだろって、
    絶対に許さないって暴れたんだ。

    549: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:59:34.52 ID:ilB6lZp/0
    でも、この家の奥さんや、民兵の旦那さんは悲しそうな顔しながら、自分たちはしていないって言ってさ、
    俺が暴れてるのに抱きしめてくるんだ。

    553: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 00:05:36.55 ID:02UNt6sC0
    俺は嘘つきめ、嘘つきめって叫びながら暴れたんだけど、離してくれなくてさ、
    寝るって言って部屋に篭ったんだ。

    575: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 08:02:35.95 ID:02UNt6sC0
    それから何日も、部屋にもって来てくれたご飯とかも食べないで、
    ずっと篭っていてさ、そうだ、ここから逃げればいいんだって思ったんだ。
    それで夜になるのを待って、窓から外に飛び出して、辺りを見渡したら、
    十何キロ先かわからないけど、前いた山っぽいのが見えたんだ。

    628: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:34:41.31 ID:02UNt6sC0
    俺はソニア達の所に戻らなきゃって、あそこに戻らなきゃって思って、山に向かったんだ。
    途中で、道がわからなくなったりして、何とか洞窟についた時には3日以上経っていたと思う。

    その後、2日くらいまた洞窟で一人過ごしていたんだ。
    そしたらさ、集落の民兵の人が来たんだ。
    気づいた時にはもう洞窟の入り口の所まで来ていて、逃げ場はなかった。

    614: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:00:08.26 ID:02UNt6sC0
    ああ、俺も撃たれるんだな、良かったってほっとしたんだ。
    だけど、彼らは俺を撃たないんだ。撃たないどころか、一人で何してるって怒るんだよ。
    意味がわからないんだよ。お前らスルツキは子どもでも女の人でも殺して、
    子どもに乱暴だってするだろって。俺の事も同じようにしろって泣きながら叫んだんだ。

    616: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:05:07.17 ID:02UNt6sC0
    だけど、彼らはただ無言のまま俺を担いでさ、洞窟から連れ出そうとするんだよ。
    嫌だ嫌だって言っても離してくれなくて、バックがバックがだから離しせって
    言っても離してくれなくてさ。バックはどれだって言うから、答えたら、
    俺が預かるとかいってさ、俺の事を下ろさないまま山を下ったんだ。
    疲れていたのもあって、俺は途中で寝ちゃってさ、起きたらもう集落のすぐ近くまで来てたんだ。

    619: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:11:31.31 ID:02UNt6sC0
    その後、また同じ家に連れて行かれて、家に入ったら、あの二人が怒りながら俺の事をビンタしたんだ。
    それから俺の事、この前よりも強く抱きしめてきて、また暴れようとしたんだけど、力が強くて
    暴れられなかった。

    624: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:24:38.97 ID:02UNt6sC0
    それから知ったことなんだけど、この集落の人たちは元々民兵じゃなかったんだ。
    ボシュニャチの民兵に襲われて、村の女の人や男の人、子どもも何人か殺されたり連れ去られたりして、それで武装してたんだ。俺を世話してくれた夫婦にはさ、俺よりちょっと年上ぐらいの子どもがいたんだ。
    だけど、彼は襲われた時にボシュニャチの民兵の人に殺されてしまっていてさ…。
    その時、漠然と皆が苦しんでるっていう感じだったものがさ、スルツキの人も苦しんでいるんだ、被害にあってるんだ、皆が辛いんだって確信に変わったんだ。

    626: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:27:49.31 ID:02UNt6sC0
    多分だけど、俺がお世話になっていたボシュニャチの民兵の人達なんだ。
    この集落を襲ったのはさ。そして同じような事を他の集落でもやっていたんだ。

    627: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:29:22.49 ID:02UNt6sC0
    中には、本当に悪い奴もいて、虐殺や暴行、レイプをしている人間もいるんだ。
    それは否定しようがない事実なんだ。そしてスルツキが今回の紛争で大勢のボシュニャチの
    人々を殺してたり、暴行したり、レイプしたのも事実なんだ。だけど、彼らもまた、同じような被害にあってるんだ。

    自分達を守る為に、家族を守る為に、お互いにお互いを殺しあってるんだ。
    望んでいるのは、形は異なっていても、同じ 平和に暮らす ってことなのにさ。

    631: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 19:42:48.96 ID:02UNt6sC0
    でも、昔に起きた虐殺や戦争の禍根が未だに残っていて、それがお互いの理解とか
    そういうのを邪魔するんだ。積もりに積もったものが、阻むんだ。

    660: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:26:17.82 ID:02UNt6sC0
    今までの歴史が、彼らに人を殺させるんだ。やらなきゃ、やられるって思わせるんだ。

    661: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 21:27:01.64 ID:ShlohYIL0
    根が深すぎる・・・

    どうすりゃいいんだよ・・・

    662: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 21:32:12.50 ID:x9XPU2Pb0
    >>661
    「外敵」を作って呉越同舟になるように仕向ければよい。
    けどここまで拗れると無理か…内戦の悲惨は一般市民が知らない間に戦地に放り込まれる所だな。
    外国から敵が来る訳じゃないから猜疑心の塊になってしまう。

    663: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:32:51.21 ID:02UNt6sC0
    それから俺は、彼らと1年ちょっと生活した。
    スルツキの人を憎む気持ちは薄れることはないんだ。
    だけど、彼らにも彼らの事情があって、それを俺は否定出来ないんだよ。
    否定する事が出来ないんだ。少なくとも、全員が望んで人を殺しているわけじゃないんだ。
    罪悪感とかそういうのと戦いながら、それでも殺さなきゃいけないって、
    それで相手を殺している人たちもいたんだ。

    665: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:37:18.90 ID:02UNt6sC0
    彼らと暮らして半年ぐらい経った頃だったと思う。
    アメリカを始めとするNATOが、スルツキの勢力下の地域に爆撃を始めたって聞いた。
    後で知ったけどさ、もっと前から国連として活動はしていたんだけど、
    遅すぎるんだよ。もう何もかもが遅すぎるんだ。

    667: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:43:06.00 ID:02UNt6sC0
    そして彼らと暮らして大体1年2ヶ月ほど経って、1994年の12月になったんだ。
    1月から停戦になるから、祐希はサラエヴォへ行って、そこから国に帰りなさいって
    言われたんだ。

    でも、俺はもう嫌だった。というより、これから先、全てを背負って生きていく自信がなかったんだ。

    集落を出発する朝、俺を世話してくれた夫婦とか、民兵の人が集まってくれたんだ。
    だけど、俺はもう無理だって、もう死にたいって思ってさ、頼んだんだ。
    頼むから俺を殺してって。痛くても我慢するから、殺してって。大切な友達達も
    皆いなくなってしまったのに、生きていても辛いって言ったんだよ。

    669: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:48:13.22 ID:02UNt6sC0
    そしたら、周りの兵士たちもお世話をしてくれた二人も
    悲しそうな、少し困ったような顔したんだ。そしてお互いに見つめあいながら、
    何かを早口でいってさ、俺を取り囲んだんだ。


    俺はソニア達に、もうすぐそっちに行くよって、心の中で呟いたんだ。

    670: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 21:52:00.08 ID:02UNt6sC0
    やっと終われるって思ったんだ。

    だけどさ、彼らは俺に何かをするわけでもなく、
    歌を歌いだしたんだ。

    何が起きたかわからなかった。違う国の言葉だし、
    意味もわからなかったんだ。

    意味を知ったのは、日本に帰って数年してからっだ。

    672: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:01:47.89 ID:02UNt6sC0
    ちょっと待って

    674: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:06:06.17 ID:02UNt6sC0
    今、youtubeのを貼るけれど、クリックして聞くのは、
    日本語訳を書くまで待って欲しいんだ。
    歌を聴きながら、日本語訳を目で追ってくれれば、
    俺が伝えたいこと、彼らが俺に伝えたかったことが
    わかってもらえるかもしれないから。

    675: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:11:18.28 ID:02UNt6sC0
    歌詞はね、

    ※歌詞の部分は削除しました。
    http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=58627
    ↑この歌詞が貼ってありました。

    676: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:13:36.66 ID:02UNt6sC0
    日本語訳です。音楽を聴きながら、読んでみて下さい

    ※日本語訳の歌詞はこちらです。
    http://camoq.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/what-a-wonderfu.html



    680: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:41:24.55 ID:02UNt6sC0
    この歌はさ、今の戦争の世界が素晴らしいって言ってるんじゃないんだ。
    きっと、世界は素晴らしくなるんだ。そう皆が願い、思えば、
    素晴らしい世界になるんだって意味なんだ。愛でね。

    皆、好きで殺してるわけじゃないんだ。そうしないと自分達の仲間が
    子どもが殺されてしまうからなんだ。そして、相手も同じなんだ。

    それをお互いにわかっているんだよ。わかっているのに、止められないんだ。
    泣きながら歌ってるんだ。ボシュニャチやフルヴァツキを殺した民兵たちが
    泣きながらさ。
    彼らは好きで殺してるわけじゃないんだ。そしてそれが許されない行為だと
    知っているんだ。知っていながら、どうすることも出来ないんだ。お互いにね・・・。

    681: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:46:54.87 ID:02UNt6sC0
    この時、英語が理解できていれば、彼らに何か言えたかも知れない。
    でも、当時の俺には何の歌かわからなかったんだ。悲しい歌なのかと思った。
    平和を願う歌とは知らなかったんだ。

    685: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 22:54:19.54 ID:02UNt6sC0
    その後、俺はサラエヴォまで連れて行かれてさ、解放される時に手紙を貰ったんだ。
    その手紙の内容は、ちょっと長いから要約するけど、



    人生は不公平だ。一生平穏に暮らす者もいれば、一生紛争や貧困に喘ぐ者もいる。
    だけど、人生には、神様が皆にチャンスをくれるんだ。学校やお父さん、お母さん、
    大人や友人、彼らは何度でも君にチャンスを与えるんだ。それを活かすかどうかは、
    君次第なんだよ。

    小さな贈りものになるけれど、私は君に生きるチャンスを与えよう。
    強く優しく、そして誠実に人生を全うしなさい。そして、
    素晴らしい世界を作りなさい。子どもが笑いながら育つ世界を。
    君達子どもに託そう。素晴らしい世界を。


    こんな感じの内容なんだ。

    687: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:00:53.52 ID:02UNt6sC0
    その後、1995年1月から4ヶ月の停戦が結ばれ、俺は首都で再会した父と共に、
    オーストリアに向かい、後に日本に帰ってきた。
    結局、この一連のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が終結するのは、
    俺達がこの国から脱出した10ヶ月後の事だった。

    1995年7月、安全地帯となっていたスレブレニツァが包囲され占領されたんだ。
    多くのボシュニャチが処刑、強姦、拷問され、生き残った中から一部の女性は
    解放されたけれど、男性は殆どが順次処刑されていった。

    殺されたのは、大人、子ども、男女、老若女男問わず虐殺されたんだ。
    犠牲者は、8000人を超えていて、未だに身元がわからない人も多く居る。
    もし、サラエヴォから脱出できなければ、僕らはそこにいたかもしれない。

    689: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:07:38.37 ID:02UNt6sC0
    良い人もいれば、悪い人もいる。スルツキが憎い。憎いけど、全てのスルツキが悪というわけじゃない。
    どうしたらいいんだ。どうやって生きていけばいいんだ。平穏な日々に戻ってからも、それを悩んでいた。
    そして、いつの間にかドラガンに責任を押し付け、うらんで、生きていくようになった。

    それも間違いだった。前に書いたとおり、彼は裏切ってなんか居なかった。Facebookで彼の弟を見つけ、コンタクトを送ったら、俺達がカリノヴィクで襲われた日に、彼は殺されていた。俺達を庇おうとして。
    俺達を庇ってくれた仲間を裏切り者として、15年以上も憎んできた、「ずっと仲間だ」って約束したじゃないか、
    それなのに、その言葉を忘れて、俺が彼を裏切っていたんだ。

    709: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:51:14.49 ID:Iva39hBt0
    今までの人生が全て崩れるような感覚に陥って、俺はもう生きていけないと思った。
    罪悪感だけじゃない。
    俺には荷が重過ぎるんだよ。気づいたら、会社に退職願を出していた。

    丁度さ、いい機会だったんだ。ドラガンの弟から、サニャとかの家族の現住所も教えてもらえてさ。
    サニャとカミーユの家族は、全員ではないけれど、生きていたんだ。
    だから、まずはドラガンのお墓で謝って、そしてドラガンの家族に謝罪して、そして感謝を述べて。

    それでさ、その後は、カミーユの家族に会いに行って、サニャの家族に、サニャの遺品を渡してさ。
    全てを終わらせようと思ったんだ。

    710: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 03:56:32.47 ID:Iva39hBt0
    ただ、ボシュニャチの人との約束の一つ、話を広めるというのは俺には出来なかった。
    そして、もう時間もなかった。だから、こうして色々考えた末、vipにスレをたてて、今に至るんだ。

    713: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:02:54.57 ID:Iva39hBt0
    もし何かを感じてくれれば、それでいい。

    欲ではあるけれど、俺自身、彼らが何を伝えようとしていたか、そして俺が何を伝えればいいか考えて、それを少しでも感じ取ってくれれば、なお嬉しい。

    714: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:10:24.70 ID:Iva39hBt0
    大切なのは、素晴らしい世界を願い、それを伝えて、実現に近づけていくことなんだと思う。
    文章を書くのが苦手な俺には、俺の気持ちだとか、どんな事が起きたかを上手くは伝え切れなかったと思う。
    だけど、もし、読んでくれた中で、何か感じるものがあったとしたら、バルカン半島、ボスニアのことにも少し目を向けてくれると嬉しい。日本だからこそ出来る事があると思う。

    断罪するだけではなく、罪を犯してしまった民族にも、救済の手を、救いの手を差し伸べて欲しいんだ。
    それは偽善かもしれない。それは意味がないことかもしれない。だけど、今ある禍根を…もしだよ。
    もし取り除くことが出来れば、いつか素晴らしい世界になるんじゃないかな。
    僕はそう思うんだ。

    715: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:18:23.96 ID:Iva39hBt0
    彼らが歌ってくれた歌に、そのヒントがあるような気がしたんだ。

    ”この子たちは皆、僕が知らない世界も目にしていくんだろう”

    彼らが知らない世界、それは、民族融和かもしれない。
    でも、それは簡単なことじゃないんだ。

    恨みや禍根は、今現在一時的に裁きによって蓋をすることが出来たかもしれない。
    だけど、それが消えたわけじゃないんだ。

    行いが間違っていても、全ての民族に正義や大義名分があったんだ。一方的に絶対悪にして
    断罪しても、その恨みや禍根は蓋で隠されているだけで、子どもたちに継承されていくんだ。

    716: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:25:14.34 ID:Iva39hBt0
    子どもたちに継承された恨みや禍根が、何度も、何度も同じ悲劇を繰り返してきたんだ。

    それを断つには、周りの、世界の人々の手助けが必要だと思う。
    そして、そういった時に、日本だからこそ出来ること、日本だからこそ
    手助け出来る事があると思う。パレスチナとイスラエルの子どもを結びつけたように。

    最後になるけれど、この紛争で亡くなった全ての方々のご冥福をお祈り申し上げます。

    717: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 04:27:40.25 ID:Iva39hBt0
    このスレは、約束を果たすケジメみたいなものだからさ。
    読んで何かを感じてくれた人に、ボスニアについてもっと関心を持ってもらえれば、
    それで俺の役目は果たした事になると思う。

    俺が伝えたかったのは、ボスニアの話であって、俺の事じゃないんだ。ごめんね。
    別に悲観的になる必要はないんですよ。安心してください。大丈夫です。

    720: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 05:12:15.98 ID:97JtBgIo0
    すまんいくつか質問させてくれ。答えにくかったらスルーで構わないから

    メルヴィナの行方は分からないままか
    >>1は向こうで死ぬつもりなのか
    もし何らかの形でこの話が金銭を生んだ場合、>>1が望む使い道(出来れば「勝手に使ってくれ」という解答以外で)

    734: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 11:47:14.00 ID:Iva39hBt0
    メルヴィナの行方はわからない。
    ドラガンの弟も知らないんだ。
    探しても、どこにも情報がないんだ。

    あっちに行ったら、探してみようとは思う。

    出来れば、ボスニア・ヘルツェゴビナの為に使ってくれると嬉しい。
    民族融和の活動もやっていたと思うから。

    今、あの国は綺麗に民族の分布といったら失礼だけど、住んでいるところが綺麗にわかれているんだ。
    そして未だに問題は解決していない。あっちの偉い人が言ってたけど、
    未だに「世界の火薬庫」のままなんだ。それを解決する為に使って欲しい。

    それじゃ、長い時間、そして長文なのに最後まで読んでくれてありがとう。

    735: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 11:47:22.78 ID:qcrM4W550
    多くの人が目にするvipにスレを立てたことは間違ってないと思うよ
    実際、俺はこの戦争に興味を持って話に耳を傾けているし知るきっかけを作ってくれたお前に感謝してる
    でも祐希がこれから出会う人々、嫁、子供、孫に直接話し聞かせてやるって選択肢も間違いじゃないと思うよ

    とりあえずカミーユやドラガンたちが命を張って守ってくれたお前の成長した姿を胸を張って見せてこい
    何年恨んでたってドラガンとは謝っても許してくれないって仲じゃなかったんだろ

    742: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 12:48:08.53 ID:Kxdo1V2h0
    >>1乙 考えるきっかけをくれてありがとう

    779: 祐希◆.0dKn/WD26 2010/05/23(日) 23:58:37.27 ID:Iva39hBt0
    ああ・・・。ごめん言い忘れてた。この話の全ては信じないで。
    日記を元にしているから、実際は間違っている事もあるかもしれない。
    こんなこともあったんだと、感じてくれればいいんだ。
    自分自身で調べてくれるのが一番いいけどね。

    俺よりも辛く壮絶な経験をした人は沢山いるんだ。
    紛争を生き抜いた孤児たちは、心に大きな傷を負って暮らしているんだ。
    それは一生消えることはないと思う。

    さっきボスニアのためにっていったけど、こういった世界の子ども達や人々の為に、たとえ金額が少なくても寄付なり何なりしてもらえれば、嬉しいです。 

    俺の事は本当に大丈夫だから。心配しないで下さい。それじゃ、元気でね

    784: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 00:06:41.75 ID:Oi1dieFp0
    お疲れ。ありがとな
    でもやっぱり俺が感じてた「書き終えた時の不安感」は残ってしまったよ
    皆がくれた小さな贈り物は手放してほしくないなあ
    できればまた日本に戻ってこいよ

    785: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 00:07:15.49 ID:Ku6P8NBn0
    答えてくれてありがとう

    最初のスレからずっと張り付いてきたけど、このスレは本当に色々な事を考えさせてくれた
    結末を知っていたから、続きを読むのが辛くて厳しいと思ったこともあったけど
    最後まで読んで良かった。あまりにも無知だった自分はたくさんの事を教えてもらったよ
    >>1が言う何かを感じることが出来たと思う。ボスニアについても興味がわいた
    いつか行ってみたいと思うよ。相当先のことになるだろうけど、カリノヴィクや色々なものを見てみたい

    これだけの辛い経験をしたんだから、>>1はもう十分生きた。あっちに行くのもそれで正解だ、って思ってたんだよ
    でもスルツキの人たちの話を聞いたら、やっぱり>>1には人生を最後まで全うしてほしいと思ったよ
    生きろなんて無責任なことは言えないんだが、生きてほしいと思うよ

    本当にありがとう>>1
    >>1のこともこの話も、絶対に忘れないぞ

    789: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 00:17:25.52 ID:5pmnmLjw0
    もう一つ約束が残ってるじゃないか

    >>141の民兵が言ってた
    >辛くても生き抜いて、そして胸を張って
    >友人に天国で会えるようにしなさいって。

    この約束を果たすためにちゃんと帰ってきてくれよ

    794: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 01:50:42.08 ID:eUN/AHY80
    お疲れ様
    書いてくれてありがとう

    もし>>1が手記を親父さんに託すならこのスレのことも伝えておいてくれないか
    そうすれば>>1の思ってること、もっと多くの人たちに感じてもらえるかもしれない
    選択肢は少しでも多くしておいたほうがいいと思うんだ

    でもできればもう一度お前に会いたいわ
    >>1の思ってること>>1の言葉で聞きたい

    じゃあ精一杯生ききってくれな
    おやすみ

    796: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/23(日) 02:46:18.55 ID:FKD489NW0
    全ての行動には理由があって、どれだけ愚かに見えても当事者達は必死なんだよね…
    誰か一人だけが悪い訳じゃなからやるせないけど、それでも働きかけいかんで
    これからを変えていければいい

    貴重な体験、語ってくれてホントにありがとう
    続きはこちら

    ※事の真相が語られる「後日談」です。
    戦争の体験談を語るわ【後日談】(ユーゴスラビア紛争での出来事)
    http://world-fusigi.net/archives/9300148.html
    (30分後の2018年12月25日・23:30分にアップします)





    不思議ネタ募集中
    不思議.netで扱ってほしいネタ、まとめてほしいスレなどがあれば、こちらからご連絡ください。心霊写真の投稿も大歓迎です!
    面白いネタやスレは不思議.netで紹介させていただきます!

    ■ネタ投稿フォームはこちら
    https://ws.formzu.net/fgen/S13082310/









    本日のおすすめニュース1
    本日のおすすめニュース2

    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2018年12月25日 23:24 ID:RC3Y.pX50*
    更新遅いからもう他のまとめサイトで全部読んじまったわ
    現在進行形のスレならともかく、大昔のスレまとめるのに無駄に間を空けるのやめようよ
    2  不思議な名無しさん :2018年12月25日 23:52 ID:pBj9EIA60*
    古いスレをもったいぶって纏めるのって結局他サイトの宣伝してるようなもんだよね
    3  不思議な名無しさん :2018年12月26日 00:28 ID:LY52Qzds0*
    長く纏めると長いだの嘘松だの幼稚な文句を言うお子ちゃまが沸くしな。仕方ないんじゃないか。
    4  不思議な名無しさん :2018年12月26日 00:57 ID:g4LoVo.g0*
    このブログのタイトルんとこダサくなっとるなw
    5  不思議な名無しさん :2018年12月26日 01:02 ID:g0x.6Xji0*
    》1
    俺もなんだぜ
    6  不思議な名無しさん :2018年12月26日 01:17 ID:uWLdOSQc0*
    >>3
    いや、分割するのは別に問題ないけど、その分割の合間を1日も2日も空けられちゃうとね まあ気になる話なら別のサイトで先に読んじゃうよね
    7  不思議な名無しさん :2018年12月26日 01:58 ID:SPlJuszi0*
    信じよう信じようと思って読んでたけどサニャの手の件でギブアップ
    8  不思議な名無しさん :2018年12月26日 06:27 ID:yBL84Otn0*
    ※7
    おま俺。
    漫画じゃあるまいし、いくらなんでも物理法則無視し過ぎでしょ。
    それとも子供のこいつ手は万力かなんかなのかね。
    9  不思議な名無しさん :2018年12月27日 00:22 ID:TA0SqA6X0*
    管理人、このまとめの広告収入だけは民族融和や戦争孤児のために使えよ
    10  不思議な名無しさん :2018年12月27日 06:33 ID:mvPnV6dY0*
    ありがとう
    11  不思議な名無しさん :2018年12月27日 06:36 ID:2QuDA3w30*
    >>8
    どのような爆発物がどの場所へどの角度であたったかも正確に分析できる君偉いですねぇ
    日記をもとに再構築したもので多少の脚色はあるだろ普通

     
     
    topページに戻るボタン
    カテゴリ一覧
    おすすめ人気記事