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    12

    男「そのマフラー……よく似合ってるね」女「これ毒蛇よ」

    snake_dokuhebi_kiba


    1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:45:34.629 ID:2iuI0Lqp0
    男「いやぁー、ダメ元でナンパしてみるもんだね」

    男「まさかデートしてくれるなんて……」

    女「私もちょうどヒマだったし、あなたハンサムだから」

    男「…………」ゴクッ

    男「ところで、そのマフラー……よく似合ってるね」

    女「これ毒蛇よ」

    男「え」

    引用元: 男「そのマフラー……よく似合ってるね」女「これ毒蛇よ」



    5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:49:21.021 ID:2iuI0Lqp0
    女「ほら」

    毒蛇「シャーッ!」

    男「な……!」

    男「君はいったい……!?」

    女「私、ヘビ使いやってるの」

    男「ヘビ使い……!?」

    女「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」

    男「へ、へえ~……」

    6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:50:14.613 ID:Ox5W1JbSa
    期待

    9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:54:09.306 ID:2iuI0Lqp0
    <自宅兼事務所>

    女「なんでフラれたのかしら」

    毒蛇「なんで分かんねえんだよ」

    女「なんで?」

    毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」

    毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」

    女「だって寒いんだもの。首回りは特に」

    毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」

    女「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」

    毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」

    女「あんたはいつも毒舌よねえ」

    毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」

    女「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」

    毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ

    10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:54:57.886 ID:fpy3bJk+r
    ヘビーな話になりそう

    12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:57:04.369 ID:/YWyd7OM0
    蛇だけに蛇魔したか

    13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:57:24.418 ID:2iuI0Lqp0
    女「きっと私の魅力が足りなかったのよ。もっとシェイプアップしなくちゃ」

    女「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」

    毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」

    女「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」

    毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」

    女「いち、に、さん」ピョンピョンピョン

    14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:00:21.428 ID:2iuI0Lqp0
    <爬虫類ショップ>

    店長「いらっしゃい!」

    女「こんにちは」

    毒蛇「ちわーっす!」シャーッ

    店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」

    毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」

    店長「今日も毒吐くね~」

    毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」

    女「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」

    店長「毎度!」

    15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:03:20.214 ID:2iuI0Lqp0
    女(さて、帰ろうっと)

    女「……ん」ドンッ

    銀髪「おっと、失礼」

    白蛇「シュルルルル…」

    女「…………」

    女「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」

    毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」

    女「只者じゃないわね」

    毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」

    16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:07:14.944 ID:2iuI0Lqp0
    ある日――

    <古い民家>

    チューチュー… ドタバタ…

    家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」

    女「分かりました。すぐに駆除します」

    女「頼んだわよ」

    毒蛇「おう、任せとけ!」

    17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:09:25.672 ID:2iuI0Lqp0
    毒蛇「いたいた……ネズミどもが」ニョロニョロ

    ネズミ「チュッ!?」

    毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ


    チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…



    ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!

    …………

    ……

    18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:12:28.176 ID:2iuI0Lqp0
    毒蛇「ほらよ、こいつでラスト」ペッ

    毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…

    女「ご苦労様」

    家主「ありがとうございます!」

    家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」

    家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」

    家主「あなたたちに頼んでよかった!」

    毒蛇「へへへ、毎度~」

    女「…………」

    毒蛇「どうした?」

    女「その手があったか」

    毒蛇「オイ」

    19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:13:57.572 ID:IX7u4h1Vr
    オイオイオイ

    21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:16:40.191 ID:2iuI0Lqp0
    帰り道――

    女「あら?」

    毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」



    チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」

    女子高生「この後、用事あるんで……!」

    チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」

    チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」

    女子高生「お金なんて持ってません!」

    チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」

    22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:19:23.744 ID:2iuI0Lqp0
    女「やめなさいな」

    毒蛇「シャーッ!」

    女子高生「えっ」

    チンピラ「なんだてめえ!?」

    チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ

    女「やっちゃいなさい」

    毒蛇「シャーッ!」ガブッ

    チンピラ「ぐわっ!?」

    24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:22:25.550 ID:2iuI0Lqp0
    ドサッ…

    チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…

    女「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」

    女「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」

    チンピラ「…………」ゾクッ

    女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」

    女「気にしないで。気をつけて帰りなさい」

    女子高生「は、はいっ!」

    25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:26:21.894 ID:2iuI0Lqp0
    ……

    <民家>

    ニュルニュルニュル…

    毒蛇「お、あったあった!」

    毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ

    依頼人「ありがとうございますぅ!」

    依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」

    女「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」

    女「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」

    毒蛇「ヒャッホウ!」

    26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:29:09.045 ID:2iuI0Lqp0
    <爬虫類ショップ>

    女「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ

    銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ

    女「あっ」

    銀髪「あっ」

    女「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」

    銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」

    27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:32:18.224 ID:2iuI0Lqp0
    女「悪いけど、これは譲れないわ」

    銀髪「ボクもです」

    女「お互い引く気はないってわけね」

    銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」

    女「望むところよ」



    ≪ガラガラ勝負≫とは――

    どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。

    28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:36:06.699 ID:2iuI0Lqp0
    女&銀髪「勝負!!!」

    女「ガラガラガラガラガラ…」

    銀髪「ガラガラガラガラガラ…」

    女「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」

    銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」

    女「……ぐっ!」ガクッ

    銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」

    女「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」

    白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ

    毒蛇「!」

    毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」

    29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:39:33.708 ID:2iuI0Lqp0
    店長「いい勝負だったけど、惜しかったね」

    女「あの人は何者なの?」

    店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」

    女「同業者か……」

    毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」

    毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」

    女「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」

    毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…

    女「おお、よしよし」ナデナデ

    毒蛇「ううう……」

    30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:42:02.621 ID:YHUsG13Br
    可愛い

    31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:42:18.593 ID:Xn2JYUxT0
    なんだこの妙スレ
    おれの好奇心に蛇のように巻き付いてくるぞ

    32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:43:51.846 ID:kIFtAjW70
    蛇巻いて見てる

    34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:44:30.637 ID:2iuI0Lqp0
    <自宅兼事務所>

    女「今日のスケジュールは?」

    毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」

    毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」

    女「今日も忙しいわね」

    女「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」

    毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」

    女「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」

    毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」

    女「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」

    毒蛇「絶対いねえよ!」

    35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:47:21.847 ID:2iuI0Lqp0
    ……

    女「…………」

    女「二人も応募が来たわ」

    毒蛇「マジで!?」シャーッ

    毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」

    毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」

    女「コラコラ、あまり毒吐かないの」

    毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」

    女「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」

    37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:50:24.573 ID:2iuI0Lqp0
    後日――

    女子高生「こんにちは!」

    チンピラ「ちわっす!」

    女(あら……?)

    毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)

    女子高生「なんだあんたが!?」

    チンピラ「なんでテメェが!?」

    女「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」

    39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:54:05.365 ID:2iuI0Lqp0
    女子高生「私、以前あなたに助けていただいた女子高生です!」

    女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」

    女「なるほどね」

    女「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」

    女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」

    ハブ「シューッ!」ニュルニュル

    女「あら、いいじゃない。採用よ」

    女子高生「やった!」

    毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)

    毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』

    ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』

    毒蛇『流石ハブ……』

    41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:57:57.928 ID:2iuI0Lqp0
    チンピラ「俺、あんた……いえ、あなたに睨みつけられた時……」

    チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」

    チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」

    女「ヘビを扱ったことは?」

    チンピラ「ない……っす」

    女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」

    チンピラ「ぐうう……!」

    女「他になにか特技は?」

    チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」

    毒蛇「どういうチンピラだよ!?」

    女「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」

    チンピラ「あざーっす!」

    42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:01:07.384 ID:2iuI0Lqp0
    女子高生「それじゃ、ハブを連れて老人ホームの人達と将棋指してきます!」

    ハブ「シューッ!」

    女「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」

    毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」



    女「今月の収支はどう?」

    チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」

    女「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」

    毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ



    女「二人ともよく働いてくれてるわ」

    毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」

    女「私たちも負けられないわね」

    毒蛇「おう!」

    43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:02:36.315 ID:BxOE4usKa
    見てるぞ

    45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:04:07.713 ID:2iuI0Lqp0
    ある日――

    <自宅兼事務所>

    女「いらっしゃいませ」

    紳士「こんにちは」

    金髪「こ、こんにちは……」

    女(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)

    46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:07:57.279 ID:2iuI0Lqp0
    女「本日はどのようなご用件でしょう?」

    紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」

    女「ええ、かまいません」

    紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」

    紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」

    紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」

    紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」

    女「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」

    毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」

    47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:11:12.476 ID:2iuI0Lqp0
    紳士「これで面白くないのが、他のご子息の方々です」

    女「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」

    紳士「それで、どうしたかというと……」

    紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、殺し屋を雇ったことが分かったのです」

    女「えっ、殺し屋?」

    女「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」

    紳士「はい、隣に座っているこのお方です」

    金髪「…………」

    紳士「あなたには、この方を狙う殺し屋を退治して欲しいのです!」

    48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:15:51.547 ID:2iuI0Lqp0
    女「ちょっと待ってちょうだい。そんな話は警察に任せた方が……」

    紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」

    女「だからって、なんで私に?」

    紳士「なぜなら……相手の殺し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」

    女「ヘビ使い……!」

    紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ

    女「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。死んではいないようだけど」

    紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」

    紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う殺し屋を倒して欲しいのです!」

    女「蛇の道はヘビ……ってわけね」

    49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:18:26.456 ID:2iuI0Lqp0
    女「分かりました」

    女「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」

    女「その殺し屋を何とかしてみせるわ」

    紳士「引き受けて頂けますか!」

    金髪「ありがとうございます!」

    女「ただし、私は殺し屋じゃないから、その殺し屋の命を奪うようなことはしないわよ」

    紳士「もちろんです!」

    紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」

    毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)

    50: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:22:44.671 ID:2iuI0Lqp0
    女「……というわけなの」

    女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」

    チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」

    女「…………」

    女子高生「…………」

    毒蛇「…………」

    チンピラ「え、何か?」

    女「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」

    女子高生「喜んで協力しますよ!」

    チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」

    51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:25:18.281 ID:2iuI0Lqp0
    チンピラ「しかし、その殺し屋が今どこにいるかってのは分かってるんですかい?」

    女「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」

    女「今はあるホテルに滞在してるみたい」

    女子高生「いかにも殺し屋って感じですね!」

    チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」

    チンピラ「俺らでホテル向かって、その殺し屋をブチのめしましょうや!」

    女「くれぐれも慎重にね」

    52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:30:29.254 ID:2iuI0Lqp0
    <ホテル>

    女「あの部屋にいるみたい……」

    毒蛇「出てくるまで待つか」

    女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」

    チンピラ「おっ、サンキュー!」

    女「……出てきたわ」


    ガチャッ…

    銀髪「…………」スッ

    白蛇「シュルルルル…」


    女&毒蛇「!?」

    女(あの人は……!)

    毒蛇(あの白蛇は……!)

    53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:33:36.044 ID:2iuI0Lqp0
    チンピラ「あの野郎が殺し屋っすね? よーし、荒事は俺に任せて下せえ!」ダッ

    女「あ、ちょっと」

    チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」

    銀髪「! ……またか!」

    チンピラ「くたばれぇっ!」

    銀髪「ハッ!」シュバッ

    ビシッ!

    チンピラ「ぎゃんっ!」



    女「あれは……中国拳法の蛇拳!」

    毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」

    女「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」

    54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:36:40.505 ID:2iuI0Lqp0
    チンピラ「ま、まだだ……!」

    チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」

    銀髪「!」

    チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ

    ゴンッ!

    チンピラ「あうっ!」ドサッ

    チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ



    毒蛇「なにやってんだあのバカ……」

    女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」

    55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:38:05.481 ID:wFDxML08r
    チンピラェ…

    56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:39:17.297 ID:2iuI0Lqp0
    女子高生「いっけーっ、ハブ! 王手喰らわせちゃいなさい!」

    ハブ「シューッ!」

    銀髪「…………」

    銀髪「キーキーッ!」

    ハブ「!?」ビクッ

    女子高生「どうしたのハブ!?」

    57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:41:21.016 ID:2iuI0Lqp0
    女「あれは……マングースの鳴き声!」

    毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」



    女子高生「どうしちゃったの!?」

    ハブ「…………」ガタガタ…

    銀髪「キーキーッ!」

    ハブ『と、投了します……』

    女子高生「どうしちゃったのよー!」

    58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:44:16.271 ID:2iuI0Lqp0
    女「ウチのバイト二人をあっさり倒してくれちゃって……やるわね」

    銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」

    銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」

    女「私もよ」

    毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ

    白蛇『…………』シュルルル…

    女&銀髪「勝負!!!」

    女「いきなさい」

    毒蛇「シャァァァァァッ!」

    銀髪「噛みつけ」

    白蛇「シュルルルルル…」

    59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:46:57.285 ID:2iuI0Lqp0
    毒蛇「シャーッ!」ガブッ

    白蛇「シュルルルルル…」ガブッ

    グルグルグルグルグル…



    女「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」

    銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」

    女(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)

    銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)

    60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:48:44.314 ID:2iuI0Lqp0
    グルグルグル…

    毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ

    白蛇「シュルルルルル…」パッ

    毒蛇「…………」ジリ…

    白蛇「…………」ジリ…

    毒蛇「シャッ!」

    白蛇『きゃっ!』ビクッ

    毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)

    白蛇『バカねえ』ニヤッ

    61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:50:51.161 ID:2iuI0Lqp0
    白蛇『もらったわ!』ガブッ

    毒蛇『ぐあああああっ……!』

    女「しまった!」

    銀髪「よし!」

    銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」

    白蛇『分かったわ!』シュルルルル…

    毒蛇(ぐ……俺としたことが!)

    62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:53:42.681 ID:2iuI0Lqp0
    白蛇『銀髪君は私が守るわ……いくわよぉ!』シュバッ

    女「…………」

    白蛇(え、全く動かない!?)

    銀髪「……ストップ!」

    白蛇「…………」ピタッ

    銀髪「なぜかわそうともしない?」

    女「あっ」

    女「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」

    毒蛇「アホか……」

    女「うるさい」

    銀髪「…………」

    銀髪「あなたは……殺し屋じゃないな?」

    女「え?」

    銀髪「ボクを殺しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」

    女「ちょっと待って。私が殺し屋? どういうこと?」

    銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」

    63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:56:19.676 ID:2iuI0Lqp0
    チンピラ「なにいいいいいい!?」

    女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」

    銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」

    銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」

    銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」

    銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」

    チンピラ「マジかよ……」

    女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」

    女「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」

    女「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな殺し屋だったんだわ」

    毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」

    64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:59:10.580 ID:2iuI0Lqp0
    銀髪「君のヘビは人間の言葉をしゃべるのか。すごいね」

    毒蛇「へへっ、照れるぜ」

    女「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」

    白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…

    毒蛇『うるせえブス!』シャーッ

    白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』

    銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」

    女「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」

    女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」

    ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ

    チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」

    女「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」

    65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:04:06.116 ID:0Z3g/FR40
    <自宅兼事務所>

    銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…

    チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」

    女「しばらく、ここにいればいいわ」

    女「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」

    毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」

    銀髪「ありがとう……」

    ハブ「シュー…」

    毒蛇『どうした、ハブ?』

    ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』

    毒蛇『なにっ!?』

    66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:07:23.025 ID:0Z3g/FR40
    ――ドガァンッ!

    タタタタタッ タタタタタッ

    殺し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」

    手下A「てめえらぁ!」

    手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」



    女「まぁっ……」

    毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」

    銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」

    67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:09:39.915 ID:0Z3g/FR40
    女「窓から逃げましょう」

    女子高生「だけどここ二階ですよ!?」

    女「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…

    女子高生「なるほど!」シュルルルル…

    銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…

    チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」

    女「自力で頑張って」

    チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ

    タタタタタッ… タタタタタッ…

    68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:13:29.925 ID:0Z3g/FR40
    紳士「どうだったかね? アナコンダ君」

    金髪「…………」オドオド…

    殺し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」

    紳士「なかなか勘が鋭いようだな」

    紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」

    紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆殺しにしてくれ!」

    紳士「むろん、その分金は払う!」

    殺し屋「お任せ下さい」

    殺し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」

    紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」

    70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:17:08.218 ID:0Z3g/FR40
    <爬虫類ショップ>

    女「……というわけで、かくまって欲しいの」

    店長「いいとも!」

    店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」

    女「ありがとう」



    女「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」

    毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」

    銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」

    女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」

    チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」

    71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:20:22.589 ID:0Z3g/FR40
    コツッ… コツッ…

    店長「……ん?」

    殺し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」

    店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」

    バキッ!

    店長「ぐわっ!」

    殺し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」



    女「どうやら、もうバレちゃったようね」

    毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ

    72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:23:22.019 ID:0Z3g/FR40
    女「店長さん、大丈夫?」

    店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」

    銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」

    殺し屋「我らの情報網を甘く見たな」

    殺し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員死んでもらうことになった。やれ」

    手下A「へっへっへ……」パキポキ…

    手下B「覚悟しやがれ!」

    女「もう、やるしかないようね」

    毒蛇「おう、ここで決着だ!」

    73: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:27:27.774 ID:0Z3g/FR40
    チンピラ「だったら、俺がいきやす!」

    チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ

    手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」

    ドカッ!

    手下A「ぐああっ!」


    女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」

    ハブ「シューッ!」ギュッ

    手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」


    チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」

    毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」

    チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」

    75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:30:20.443 ID:0Z3g/FR40
    女「じゃあ、殺し屋は私が――」

    銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」

    銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」

    殺し屋「勇ましいな。それでこそ殺しがいがある」

    銀髪「いくぞ!」シュバババッ

    殺し屋「ほう、拳法使いか」バババッ

    銀髪(かわされた!?)

    殺し屋「もらった!」ガシッ

    銀髪「ぐっ!?」

    76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:34:20.461 ID:0Z3g/FR40
    殺し屋「俺は裏社会じゃ“アナコンダ”って呼ばれてるんだが」グググッ…

    銀髪「あ、が……!」

    殺し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…

    殺し屋「この太い腕で、標的を絞め殺すからだよォ!」グググッ…

    殺し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…

    銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…

    白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ

    殺し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ

    白蛇『きゃっ!』

    77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:37:20.533 ID:0Z3g/FR40
    女「毒蛇、助けてあげて」

    毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」

    毒蛇「シャーッ!」ガブッ

    殺し屋「……む」

    女「終わったわ」

    毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」

    殺し屋「それはどうかな?」

    毒蛇「なに?」

    78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:38:25.074 ID:0udZGxWgr
    ぬね?

    79: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:40:10.287 ID:VVKOYHYu0
    爬虫類ショップの独特な臭い好き

    80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:41:32.141 ID:0Z3g/FR40
    殺し屋「どおりゃあっ!」ブオンッ

    バキッ!

    毒蛇「ぐおあっ!」

    毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」

    女「なんて奴なの……!」

    殺し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」

    殺し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」

    殺し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」

    銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」

    殺し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…

    銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」

    白蛇『いやぁぁぁっ!!!』

    81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:44:42.639 ID:0Z3g/FR40
    女「なるほど、毒が効かないとは驚きだわ」

    毒蛇「ああ」

    女「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」

    毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」

    女「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」

    毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」

    女「じゃ、やるわよ」

    毒蛇「おう!」

    殺し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」

    82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:47:48.142 ID:0Z3g/FR40
    女「行くわよ」ガシッ

    ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!

    銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)

    殺し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」

    女「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ


    バチィンッ!!!


    殺し屋「…………」

    殺し屋「……い」

    殺し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」

    83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:52:21.356 ID:0Z3g/FR40
    女「毒蛇は、私に振るわれることで最高の“毒”になるの」ヒュンッヒュンッ

    女「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ

    殺し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」

    ベチィッ!

    殺し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

    バチィンッ!

    殺し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」

    殺し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)

    殺し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)



    銀髪「す、すごい……!」

    銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)

    銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)

    85: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:55:21.879 ID:0Z3g/FR40
    ビシィッ!

    殺し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

    殺し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」

    女「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ

    女「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ


    バチィン!!!


    殺し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ

    86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:59:19.578 ID:0Z3g/FR40
    女「ふぅ……やっと倒れてくれたわね」

    毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」

    チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」

    女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」

    女「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」

    毒蛇「多分炎上すると思うよ……」

    女「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ



    紳士「ひっ!」ビクッ

    金髪「ひえっ!」

    87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:02:20.702 ID:0Z3g/FR40
    金髪「ボ、ボクは“隠し子のふりをしろ”って雇われただけで……大富豪の息子はこの人の方なんです!」

    紳士「き、貴様ァ!」

    女「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」

    紳士「ひ、ひいい……」

    女「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」

    女「でないと……今殺し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」

    紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」

    紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」

    88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:05:28.958 ID:0Z3g/FR40
    銀髪「すっかり助けられてしまって……どうもありがとう」

    女「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」

    銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」

    銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」

    女「うん、それがいいわ」

    白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…

    毒蛇『別にいらねーよ!』

    白蛇『だけど……』チュッ

    毒蛇『!』

    女「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」

    毒蛇「な、なってねーよ!」

    90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:08:56.280 ID:0Z3g/FR40
    女子高生「じゃあ皆さん、事件解決祝いにハブ酒でも飲みましょー!」

    ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』

    チンピラ「おっ、いいねえ!」

    銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」

    店長「いやぁ、嬉しいねえ」

    女「あ、だけど……」

    女「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」

    女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」

    毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)

    …………

    ……

    91: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:13:26.381 ID:0Z3g/FR40
    しばらくして――

    <自宅兼事務所>

    女「…………」ボケーッ

    毒蛇「どうした? ボケーッとして」

    女「ああ、あの殺し屋と戦った事件を思い出してたの」

    毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」

    女「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」

    毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」

    女「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」

    毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」

    女「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」

    92: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:16:14.786 ID:0Z3g/FR40
    女「あれから、女子高生ちゃんは女子大生になって――」

    女「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」

    毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」

    毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」

    女「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」

    女「結局変わらないのは、私たちだけか」

    毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」

    女「そうだったわね」

    93: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:19:05.925 ID:0Z3g/FR40
    女「とはいえ仕事は忙しいし……今度は正式な従業員を雇おうかしら」

    毒蛇「お、正社員ってやつか?」

    女「うん、できればヘビ使いをね」

    毒蛇「いるわけねえって――」


    ガチャッ…

    銀髪「だったらボクなんかどうだい?」

    白蛇「シュルルルル…」


    女「あっ」

    毒蛇「あっ」

    94: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:23:13.897 ID:0Z3g/FR40
    女「あなた……大富豪の息子として生きるんじゃなかったの?」

    銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」

    銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」

    女「そうだったの……」

    毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」

    白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』

    毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』

    女「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」

    毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ

    白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…

    女「まだっていっちゃってるじゃない」

    銀髪「アハハ……」

    95: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:27:06.551 ID:0Z3g/FR40
    銀髪「……というわけで、このフリーのヘビ使い……雇ってもらえるかな?」

    女「ええ、もちろんOKよ」

    白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』

    毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」







    おわり

    96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:29:17.009 ID:LWzHq+vP0
    おつ

    97: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:32:48.322 ID:CDlGqKMSr
    乙!
    俺もヘビ使いになりたくなったよ

    98: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:43:16.892 ID:ah1FiH7M0

    99: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:47:12.473 ID:c5c1LfO3p
    おつ!
    珍しく読み入ってしまった




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    本日のおすすめニュース2

    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2019年01月03日 23:40 ID:4mMBf.YL0*
    レッドスネークカモン
    2  不思議な名無しさん :2019年01月03日 23:53 ID:45kf4efy0*
    毒蛇が小峠の声で再生された
    3  不思議な名無しさん :2019年01月03日 23:58 ID:bNHK0t3i0*
    他愛ない話だったけど、それなり以上に面白かった。アタリでしたね。
    4  不思議な名無しさん :2019年01月04日 00:30 ID:8a9soSeZ0*
    読みやすくて面白いのう
    5  不思議な名無しさん :2019年01月04日 01:04 ID:UpnmLDv90*
    【注意】SSスレ
    6  不思議な名無しさん :2019年01月04日 01:17 ID:v5nsvN5s0*
    このサイトのまとめるSSスレはハズレが少なくて面白いのが多いんだけど、カテゴリ分けに「SS」が無いのが残念だよ
    7  不思議な名無しさん :2019年01月04日 16:36 ID:.oKXTbkv0*
    感動した
    8  不思議な名無しさん :2019年01月04日 20:30 ID:oHVK.kKS0*
    こういう創作できる人は素直に尊敬する
    9  不思議な名無しさん :2019年01月04日 21:18 ID:N9ZwEtdz0*
    ほっこりした!
    10  不思議な名無しさん :2019年01月04日 22:26 ID:a.O5oN5X0*
    面白かったよ。
    11  不思議な名無しさん :2019年01月04日 22:56 ID:8FKxUrQM0*
    いいねこういうの
    12  不思議な名無しさん :2019年01月06日 14:49 ID:yLLV9tob0*
    クレヨンしんちゃんやんけ

     
     
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