5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:49:21.021 ID:2iuI0Lqp0
女「ほら」
毒蛇「シャーッ!」
男「な……!」
男「君はいったい……!?」
女「私、ヘビ使いやってるの」
男「ヘビ使い……!?」
女「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」
男「へ、へえ~……」
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:50:14.613 ID:Ox5W1JbSa
期待
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:54:09.306 ID:2iuI0Lqp0
<自宅兼事務所>
女「なんでフラれたのかしら」
毒蛇「なんで分かんねえんだよ」
女「なんで?」
毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」
毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」
女「だって寒いんだもの。首回りは特に」
毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」
女「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」
毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」
女「あんたはいつも毒舌よねえ」
毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」
女「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」
毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:54:57.886 ID:fpy3bJk+r
ヘビーな話になりそう
12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:57:04.369 ID:/YWyd7OM0
蛇だけに蛇魔したか
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 21:57:24.418 ID:2iuI0Lqp0
女「きっと私の魅力が足りなかったのよ。もっとシェイプアップしなくちゃ」
女「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」
毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」
女「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」
毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」
女「いち、に、さん」ピョンピョンピョン
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:00:21.428 ID:2iuI0Lqp0
<爬虫類ショップ>
店長「いらっしゃい!」
女「こんにちは」
毒蛇「ちわーっす!」シャーッ
店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」
毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」
店長「今日も毒吐くね~」
毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」
女「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」
店長「毎度!」
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:03:20.214 ID:2iuI0Lqp0
女(さて、帰ろうっと)
女「……ん」ドンッ
銀髪「おっと、失礼」
白蛇「シュルルルル…」
女「…………」
女「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」
毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」
女「只者じゃないわね」
毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:07:14.944 ID:2iuI0Lqp0
ある日――
<古い民家>
チューチュー… ドタバタ…
家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」
女「分かりました。すぐに駆除します」
女「頼んだわよ」
毒蛇「おう、任せとけ!」
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:09:25.672 ID:2iuI0Lqp0
毒蛇「いたいた……ネズミどもが」ニョロニョロ
ネズミ「チュッ!?」
毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ
チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…
ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!
…………
……
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:12:28.176 ID:2iuI0Lqp0
毒蛇「ほらよ、こいつでラスト」ペッ
毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…
女「ご苦労様」
家主「ありがとうございます!」
家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」
家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」
家主「あなたたちに頼んでよかった!」
毒蛇「へへへ、毎度~」
女「…………」
毒蛇「どうした?」
女「その手があったか」
毒蛇「オイ」
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:13:57.572 ID:IX7u4h1Vr
オイオイオイ
21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:16:40.191 ID:2iuI0Lqp0
帰り道――
女「あら?」
毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」
チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」
女子高生「この後、用事あるんで……!」
チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」
チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」
女子高生「お金なんて持ってません!」
チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」
22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:19:23.744 ID:2iuI0Lqp0
女「やめなさいな」
毒蛇「シャーッ!」
女子高生「えっ」
チンピラ「なんだてめえ!?」
チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ
女「やっちゃいなさい」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
チンピラ「ぐわっ!?」
24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:22:25.550 ID:2iuI0Lqp0
ドサッ…
チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…
女「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」
女「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」
チンピラ「…………」ゾクッ
女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」
女「気にしないで。気をつけて帰りなさい」
女子高生「は、はいっ!」
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:26:21.894 ID:2iuI0Lqp0
……
<民家>
ニュルニュルニュル…
毒蛇「お、あったあった!」
毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ
依頼人「ありがとうございますぅ!」
依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」
女「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」
女「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」
毒蛇「ヒャッホウ!」
26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:29:09.045 ID:2iuI0Lqp0
<爬虫類ショップ>
女「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ
銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ
女「あっ」
銀髪「あっ」
女「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」
銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:32:18.224 ID:2iuI0Lqp0
女「悪いけど、これは譲れないわ」
銀髪「ボクもです」
女「お互い引く気はないってわけね」
銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」
女「望むところよ」
≪ガラガラ勝負≫とは――
どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。
28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:36:06.699 ID:2iuI0Lqp0
女&銀髪「勝負!!!」
女「ガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラ…」
女「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
女「……ぐっ!」ガクッ
銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」
女「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」
白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ
毒蛇「!」
毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」
29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:39:33.708 ID:2iuI0Lqp0
店長「いい勝負だったけど、惜しかったね」
女「あの人は何者なの?」
店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」
女「同業者か……」
毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」
毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」
女「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」
毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…
女「おお、よしよし」ナデナデ
毒蛇「ううう……」
30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:42:02.621 ID:YHUsG13Br
可愛い
31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:42:18.593 ID:Xn2JYUxT0
なんだこの妙スレ
おれの好奇心に蛇のように巻き付いてくるぞ
32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:43:51.846 ID:kIFtAjW70
蛇巻いて見てる
34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:44:30.637 ID:2iuI0Lqp0
<自宅兼事務所>
女「今日のスケジュールは?」
毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」
毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」
女「今日も忙しいわね」
女「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」
毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」
女「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」
毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」
女「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」
毒蛇「絶対いねえよ!」
35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:47:21.847 ID:2iuI0Lqp0
……
女「…………」
女「二人も応募が来たわ」
毒蛇「マジで!?」シャーッ
毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」
毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」
女「コラコラ、あまり毒吐かないの」
毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」
女「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」
37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:50:24.573 ID:2iuI0Lqp0
後日――
女子高生「こんにちは!」
チンピラ「ちわっす!」
女(あら……?)
毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)
女子高生「なんだあんたが!?」
チンピラ「なんでテメェが!?」
女「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」
39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:54:05.365 ID:2iuI0Lqp0
女子高生「私、以前あなたに助けていただいた女子高生です!」
女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」
女「なるほどね」
女「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」
女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」
ハブ「シューッ!」ニュルニュル
女「あら、いいじゃない。採用よ」
女子高生「やった!」
毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)
毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』
ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』
毒蛇『流石ハブ……』
41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 22:57:57.928 ID:2iuI0Lqp0
チンピラ「俺、あんた……いえ、あなたに睨みつけられた時……」
チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」
チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」
女「ヘビを扱ったことは?」
チンピラ「ない……っす」
女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」
チンピラ「ぐうう……!」
女「他になにか特技は?」
チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」
毒蛇「どういうチンピラだよ!?」
女「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」
チンピラ「あざーっす!」
42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:01:07.384 ID:2iuI0Lqp0
女子高生「それじゃ、ハブを連れて老人ホームの人達と将棋指してきます!」
ハブ「シューッ!」
女「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」
毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」
~
女「今月の収支はどう?」
チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」
女「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」
毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ
女「二人ともよく働いてくれてるわ」
毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」
女「私たちも負けられないわね」
毒蛇「おう!」
43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:02:36.315 ID:BxOE4usKa
見てるぞ
45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:04:07.713 ID:2iuI0Lqp0
ある日――
<自宅兼事務所>
女「いらっしゃいませ」
紳士「こんにちは」
金髪「こ、こんにちは……」
女(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)
46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:07:57.279 ID:2iuI0Lqp0
女「本日はどのようなご用件でしょう?」
紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」
女「ええ、かまいません」
紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」
紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」
紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」
紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」
女「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」
毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」
47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:11:12.476 ID:2iuI0Lqp0
紳士「これで面白くないのが、他のご子息の方々です」
女「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」
紳士「それで、どうしたかというと……」
紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、殺し屋を雇ったことが分かったのです」
女「えっ、殺し屋?」
女「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」
紳士「はい、隣に座っているこのお方です」
金髪「…………」
紳士「あなたには、この方を狙う殺し屋を退治して欲しいのです!」
48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:15:51.547 ID:2iuI0Lqp0
女「ちょっと待ってちょうだい。そんな話は警察に任せた方が……」
紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」
女「だからって、なんで私に?」
紳士「なぜなら……相手の殺し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」
女「ヘビ使い……!」
紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ
女「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。死んではいないようだけど」
紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」
紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う殺し屋を倒して欲しいのです!」
女「蛇の道はヘビ……ってわけね」
49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:18:26.456 ID:2iuI0Lqp0
女「分かりました」
女「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」
女「その殺し屋を何とかしてみせるわ」
紳士「引き受けて頂けますか!」
金髪「ありがとうございます!」
女「ただし、私は殺し屋じゃないから、その殺し屋の命を奪うようなことはしないわよ」
紳士「もちろんです!」
紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」
毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)
50: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:22:44.671 ID:2iuI0Lqp0
女「……というわけなの」
女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」
チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」
女「…………」
女子高生「…………」
毒蛇「…………」
チンピラ「え、何か?」
女「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」
女子高生「喜んで協力しますよ!」
チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」
51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:25:18.281 ID:2iuI0Lqp0
チンピラ「しかし、その殺し屋が今どこにいるかってのは分かってるんですかい?」
女「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」
女「今はあるホテルに滞在してるみたい」
女子高生「いかにも殺し屋って感じですね!」
チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」
チンピラ「俺らでホテル向かって、その殺し屋をブチのめしましょうや!」
女「くれぐれも慎重にね」
52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:30:29.254 ID:2iuI0Lqp0
<ホテル>
女「あの部屋にいるみたい……」
毒蛇「出てくるまで待つか」
女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」
チンピラ「おっ、サンキュー!」
女「……出てきたわ」
ガチャッ…
銀髪「…………」スッ
白蛇「シュルルルル…」
女&毒蛇「!?」
女(あの人は……!)
毒蛇(あの白蛇は……!)
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:33:36.044 ID:2iuI0Lqp0
チンピラ「あの野郎が殺し屋っすね? よーし、荒事は俺に任せて下せえ!」ダッ
女「あ、ちょっと」
チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」
銀髪「! ……またか!」
チンピラ「くたばれぇっ!」
銀髪「ハッ!」シュバッ
ビシッ!
チンピラ「ぎゃんっ!」
女「あれは……中国拳法の蛇拳!」
毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」
女「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」
54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:36:40.505 ID:2iuI0Lqp0
チンピラ「ま、まだだ……!」
チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」
銀髪「!」
チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ
ゴンッ!
チンピラ「あうっ!」ドサッ
チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ
毒蛇「なにやってんだあのバカ……」
女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」
55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:38:05.481 ID:wFDxML08r
チンピラェ…
56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:39:17.297 ID:2iuI0Lqp0
女子高生「いっけーっ、ハブ! 王手喰らわせちゃいなさい!」
ハブ「シューッ!」
銀髪「…………」
銀髪「キーキーッ!」
ハブ「!?」ビクッ
女子高生「どうしたのハブ!?」
57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:41:21.016 ID:2iuI0Lqp0
女「あれは……マングースの鳴き声!」
毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」
女子高生「どうしちゃったの!?」
ハブ「…………」ガタガタ…
銀髪「キーキーッ!」
ハブ『と、投了します……』
女子高生「どうしちゃったのよー!」
58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:44:16.271 ID:2iuI0Lqp0
女「ウチのバイト二人をあっさり倒してくれちゃって……やるわね」
銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」
銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」
女「私もよ」
毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ
白蛇『…………』シュルルル…
女&銀髪「勝負!!!」
女「いきなさい」
毒蛇「シャァァァァァッ!」
銀髪「噛みつけ」
白蛇「シュルルルルル…」
59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:46:57.285 ID:2iuI0Lqp0
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
白蛇「シュルルルルル…」ガブッ
グルグルグルグルグル…
女「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」
銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」
女(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)
銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:48:44.314 ID:2iuI0Lqp0
グルグルグル…
毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ
白蛇「シュルルルルル…」パッ
毒蛇「…………」ジリ…
白蛇「…………」ジリ…
毒蛇「シャッ!」
白蛇『きゃっ!』ビクッ
毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)
白蛇『バカねえ』ニヤッ
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:50:51.161 ID:2iuI0Lqp0
白蛇『もらったわ!』ガブッ
毒蛇『ぐあああああっ……!』
女「しまった!」
銀髪「よし!」
銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」
白蛇『分かったわ!』シュルルルル…
毒蛇(ぐ……俺としたことが!)
62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:53:42.681 ID:2iuI0Lqp0
白蛇『銀髪君は私が守るわ……いくわよぉ!』シュバッ
女「…………」
白蛇(え、全く動かない!?)
銀髪「……ストップ!」
白蛇「…………」ピタッ
銀髪「なぜかわそうともしない?」
女「あっ」
女「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」
毒蛇「アホか……」
女「うるさい」
銀髪「…………」
銀髪「あなたは……殺し屋じゃないな?」
女「え?」
銀髪「ボクを殺しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」
女「ちょっと待って。私が殺し屋? どういうこと?」
銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」
63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:56:19.676 ID:2iuI0Lqp0
チンピラ「なにいいいいいい!?」
女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」
銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」
銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」
銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」
銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」
チンピラ「マジかよ……」
女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」
女「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」
女「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな殺し屋だったんだわ」
毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」
64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/26(水) 23:59:10.580 ID:2iuI0Lqp0
銀髪「君のヘビは人間の言葉をしゃべるのか。すごいね」
毒蛇「へへっ、照れるぜ」
女「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」
白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…
毒蛇『うるせえブス!』シャーッ
白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』
銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」
女「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」
女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」
ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ
チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」
女「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」
65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:04:06.116 ID:0Z3g/FR40
<自宅兼事務所>
銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…
チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」
女「しばらく、ここにいればいいわ」
女「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」
毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」
銀髪「ありがとう……」
ハブ「シュー…」
毒蛇『どうした、ハブ?』
ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』
毒蛇『なにっ!?』
66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:07:23.025 ID:0Z3g/FR40
――ドガァンッ!
タタタタタッ タタタタタッ
殺し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」
手下A「てめえらぁ!」
手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」
女「まぁっ……」
毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」
銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」
67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:09:39.915 ID:0Z3g/FR40
女「窓から逃げましょう」
女子高生「だけどここ二階ですよ!?」
女「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…
女子高生「なるほど!」シュルルルル…
銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…
チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」
女「自力で頑張って」
チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ
タタタタタッ… タタタタタッ…
68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:13:29.925 ID:0Z3g/FR40
紳士「どうだったかね? アナコンダ君」
金髪「…………」オドオド…
殺し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」
紳士「なかなか勘が鋭いようだな」
紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」
紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆殺しにしてくれ!」
紳士「むろん、その分金は払う!」
殺し屋「お任せ下さい」
殺し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」
紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」
70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:17:08.218 ID:0Z3g/FR40
<爬虫類ショップ>
女「……というわけで、かくまって欲しいの」
店長「いいとも!」
店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」
女「ありがとう」
女「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」
毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」
銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」
女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」
チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」
71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:20:22.589 ID:0Z3g/FR40
コツッ… コツッ…
店長「……ん?」
殺し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」
店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」
バキッ!
店長「ぐわっ!」
殺し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」
女「どうやら、もうバレちゃったようね」
毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ
72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:23:22.019 ID:0Z3g/FR40
女「店長さん、大丈夫?」
店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」
銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」
殺し屋「我らの情報網を甘く見たな」
殺し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員死んでもらうことになった。やれ」
手下A「へっへっへ……」パキポキ…
手下B「覚悟しやがれ!」
女「もう、やるしかないようね」
毒蛇「おう、ここで決着だ!」
73: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:27:27.774 ID:0Z3g/FR40
チンピラ「だったら、俺がいきやす!」
チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ
手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」
ドカッ!
手下A「ぐああっ!」
女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」
ハブ「シューッ!」ギュッ
手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」
チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」
毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」
チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」
75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:30:20.443 ID:0Z3g/FR40
女「じゃあ、殺し屋は私が――」
銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」
銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」
殺し屋「勇ましいな。それでこそ殺しがいがある」
銀髪「いくぞ!」シュバババッ
殺し屋「ほう、拳法使いか」バババッ
銀髪(かわされた!?)
殺し屋「もらった!」ガシッ
銀髪「ぐっ!?」
76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:34:20.461 ID:0Z3g/FR40
殺し屋「俺は裏社会じゃ“アナコンダ”って呼ばれてるんだが」グググッ…
銀髪「あ、が……!」
殺し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…
殺し屋「この太い腕で、標的を絞め殺すからだよォ!」グググッ…
殺し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…
銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…
白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ
殺し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ
白蛇『きゃっ!』
77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:37:20.533 ID:0Z3g/FR40
女「毒蛇、助けてあげて」
毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
殺し屋「……む」
女「終わったわ」
毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」
殺し屋「それはどうかな?」
毒蛇「なに?」
78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:38:25.074 ID:0udZGxWgr
ぬね?
79: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:40:10.287 ID:VVKOYHYu0
爬虫類ショップの独特な臭い好き
80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:41:32.141 ID:0Z3g/FR40
殺し屋「どおりゃあっ!」ブオンッ
バキッ!
毒蛇「ぐおあっ!」
毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」
女「なんて奴なの……!」
殺し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」
殺し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」
殺し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」
銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」
殺し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…
銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」
白蛇『いやぁぁぁっ!!!』
81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:44:42.639 ID:0Z3g/FR40
女「なるほど、毒が効かないとは驚きだわ」
毒蛇「ああ」
女「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」
毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」
女「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」
毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」
女「じゃ、やるわよ」
毒蛇「おう!」
殺し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」
82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:47:48.142 ID:0Z3g/FR40
女「行くわよ」ガシッ
ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!
銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)
殺し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」
女「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ
バチィンッ!!!
殺し屋「…………」
殺し屋「……い」
殺し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」
83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:52:21.356 ID:0Z3g/FR40
女「毒蛇は、私に振るわれることで最高の“毒”になるの」ヒュンッヒュンッ
女「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ
殺し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」
ベチィッ!
殺し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
バチィンッ!
殺し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」
殺し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)
殺し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)
銀髪「す、すごい……!」
銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)
銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)
85: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:55:21.879 ID:0Z3g/FR40
ビシィッ!
殺し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
殺し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」
女「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ
女「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ
バチィン!!!
殺し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ
86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 00:59:19.578 ID:0Z3g/FR40
女「ふぅ……やっと倒れてくれたわね」
毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」
チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」
女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」
女「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」
毒蛇「多分炎上すると思うよ……」
女「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ
紳士「ひっ!」ビクッ
金髪「ひえっ!」
87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:02:20.702 ID:0Z3g/FR40
金髪「ボ、ボクは“隠し子のふりをしろ”って雇われただけで……大富豪の息子はこの人の方なんです!」
紳士「き、貴様ァ!」
女「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」
紳士「ひ、ひいい……」
女「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」
女「でないと……今殺し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」
紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」
紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」
88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:05:28.958 ID:0Z3g/FR40
銀髪「すっかり助けられてしまって……どうもありがとう」
女「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」
銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」
銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」
女「うん、それがいいわ」
白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…
毒蛇『別にいらねーよ!』
白蛇『だけど……』チュッ
毒蛇『!』
女「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」
毒蛇「な、なってねーよ!」
90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:08:56.280 ID:0Z3g/FR40
女子高生「じゃあ皆さん、事件解決祝いにハブ酒でも飲みましょー!」
ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』
チンピラ「おっ、いいねえ!」
銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」
店長「いやぁ、嬉しいねえ」
女「あ、だけど……」
女「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」
女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」
毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)
…………
……
91: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:13:26.381 ID:0Z3g/FR40
しばらくして――
<自宅兼事務所>
女「…………」ボケーッ
毒蛇「どうした? ボケーッとして」
女「ああ、あの殺し屋と戦った事件を思い出してたの」
毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」
女「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」
毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」
女「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」
毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」
女「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」
92: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:16:14.786 ID:0Z3g/FR40
女「あれから、女子高生ちゃんは女子大生になって――」
女「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」
毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」
毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」
女「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」
女「結局変わらないのは、私たちだけか」
毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」
女「そうだったわね」
93: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:19:05.925 ID:0Z3g/FR40
女「とはいえ仕事は忙しいし……今度は正式な従業員を雇おうかしら」
毒蛇「お、正社員ってやつか?」
女「うん、できればヘビ使いをね」
毒蛇「いるわけねえって――」
ガチャッ…
銀髪「だったらボクなんかどうだい?」
白蛇「シュルルルル…」
女「あっ」
毒蛇「あっ」
94: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:23:13.897 ID:0Z3g/FR40
女「あなた……大富豪の息子として生きるんじゃなかったの?」
銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」
銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」
女「そうだったの……」
毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」
白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』
毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』
女「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」
毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ
白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…
女「まだっていっちゃってるじゃない」
銀髪「アハハ……」
95: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:27:06.551 ID:0Z3g/FR40
銀髪「……というわけで、このフリーのヘビ使い……雇ってもらえるかな?」
女「ええ、もちろんOKよ」
白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』
毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」
おわり
96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:29:17.009 ID:LWzHq+vP0
おつ
97: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:32:48.322 ID:CDlGqKMSr
乙!
俺もヘビ使いになりたくなったよ
98: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:43:16.892 ID:ah1FiH7M0
乙
99: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/27(木) 01:47:12.473 ID:c5c1LfO3p
おつ!
珍しく読み入ってしまった