2. 患者を囚人扱い

当時の精神病院はとても非人道的だったため、精神病患者の中には、あえて症状を隠して入院させられないようにしていた人もいたそうです。
1887年、ジャーナリストのネリー・ブライは、内部の状況を知るため、病院に身元を隠して潜入します。ブライによると、病院内では医師が患者に対して、髪の毛を引っ張る、監禁するなどの酷い扱いをしていたそうです。まるで囚人のような扱いだったとも語っています。
ブライの証言:
全てのドアは施錠されており、窓は厳重に占められていたので、逃げることは不可能だった。
一つの建物に女性患者が300人いて、1から10まである部屋は鍵がかかっていた。鍵が開けられない限り、外に出られなかった。
3. まるで人体実験

20世紀初頭まで、多くの精神病院は患者に梅毒検査をしていました。そして、オレゴン州立病院では、抗生物質がなく不治の病とされていた梅毒の患者に対して、マラリア治療が行われています。
マラリア治療とは、「マラリア熱で梅毒が治る」というユリウス・ワーグナー・ヤウレック博士が提唱した説のもと、
梅毒患者にマラリアの細菌を注射するものです。マラリアの細菌を注射したことにより、半数の梅毒患者の症状が軽くなったそうですが、少なくとも15%の患者は亡くなっています。
4. 冷酷な治療

昔の治療はとても残虐なものでした。19世紀初めのイギリスの精神病院では、
車輪を使って患者を高速で回す治療をしています。また、19世紀の終わりには、
治療として高温の鉄で患者に焼き印をしていたこともあったようです。
その後も、技術の向上が必ずしも良い方向に向かうわけではありませんでした。1930年代まで、大脳の一部を切断破壊するロボトミー手術や電気ショックなどの残虐な治療が行われています。
5. 子どもの患者もいた

1900年頃、大人だけでなく多くの子どもも精神病院に入院していました。1854年から1900年までの間、ウスター郡精神病院は、16歳以下の子ども数百人に対し、入院が必要かどうか選別したそうです。そして、200人の子どもの入院を認め、彼らの暴力的な傾向や自殺の可能性を記録しました。
ある研究によると、入院後、
家族が全然会いに来なかった子どもたちは死亡率が高かったそうです。医師は年齢を考慮せず、子どもにも大人と同じ治療を行いました。
6. 小さな部屋に押し込められた

精神病院内で、入院患者は1人部屋もしくは寮で就寝しました。ブライの報告では
小さな一部屋に10人の女性が入り、鉄格子のついた窓がある、鍵のかかった部屋に入れられたそうです。
19世紀後半になると美しい建物や手入れの行き届いた敷地へと外観が改装され、立派な建物を見学する観光客が増えました。病院の外観や庭に観光客はとても魅了されたようですが、
病院中での囚人のような患者の扱いは全く変わっていませんでした。
7. 入院までの手順

新たな患者は入院に際して、しばしば非人道的な検査を受けたそうです。オレゴン州立病院では、持ち物を没収されたうえで、服を脱がされお風呂に入れられました。
精神状態の検査の後は血液検査と梅毒検査を受けます。そして、最後に鉄格子が取り付けられた窓の部屋を見せられ、そのまま入院させられたのです。
8. 病院内で起きた混乱

オレゴン州立病院では制服がなく、
患者もスタッフもみんな白い服装だったので、見分けがつかなかったそうです。
9. 食事療法

ハリー・ハマー博士は、125人の患者に毎日17ダースの卵を食べさせ、病気の治療に卵が効くことを推奨しました。また、てんかん患者には、消化の悪い食べ物は症状を悪化させるため食べさせませんでした。
潜入取材をしたブライは、食事は
お茶と一切れのパン、悪臭がするバター、5粒のプルーンのみで最悪だったと話しています。しかし、別の病院の患者の中には、病院内の食事はレストランのように良かったと答えた人もいたそうです。
治療の一環として患者に農作物を育てさせ、運営の経費を浮かせていた病院もあったと言われています。
10. 夜に響く患者の悲鳴

州の精神病院は、多くの患者を居心地の悪い兵舎のようなところに収容していました。オレゴン州立病院のある患者は、部屋にプライバシーがなかったと答えています。ブライの報告によると他にも、
一晩中、死にたいと泣き叫ぶ女性や人殺しと叫ぶ女性もいたようです。
11. 巨大で豪華な病院を建てた

19世紀になると、改革論者は国家に精神病院を作らせることを推奨します。オレゴン州立病院は1883年にオープンして、1936年までに2つの施設を追加し、病院を拡大しました。当時、施設は2,400人の患者を治療していたそうです。
改革論者は、精神患者の治療には安静が必要で、そのために施設を改良したと主張しました。19世紀の終わりには病院の建物を見学しに多くの観光客が訪れ、ツアーはとても人気だったそうです。
12. 医者はとにかく精神病院へ送った

医者は、様々な病気の原因を精神疾患と考え、患者を精神病院へ送りました。患者の家族には、精神病院への入院が唯一の選択だと説明していたそうです。1800年代後半のニューオリンズシティー精神病院には、以下内容を含む医者が書いたメモが残っています。診断の多くは雑だったのかもしれません。
・フランク・カンバは、マラリア熱によって発狂している
・ウィリアム・バーンは馬から転落して、脳の軟化を引き起こした
・ヘンリー・シュライバーは、先天性白痴で生まれつきのバカ
・ウィスキーを飲みすぎたと思われるジェーン・デパサイを、慢性のアルコール依存症による発狂と診断した
昔は恐ろしかった精神病院
アメリカに限らず、日本などでも同様に昔の精神病院では患者に残虐な治療を行なっていたのかもしれません。医学が進歩してなかったといえども、当時の患者の扱いはとても恐ろしいものですね。
via:Ranker
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