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    【昭和の怪奇事件】国鉄に現れた「ロハ少年」2年に渡る旅の結末

    少年の珍事件

    ロハ少年

    今週の「昭和の怪奇事件」は昭和時代の初期に発生した、とある「珍事件」についてご紹介したい。

    昭和8年(1933年)9月7日の朝日新聞(東京版)に「二年間を車中に ロハ乗り少年」という記事が掲載されている(ロハとは「タダ」「無料」を意味する符帳で「只」を分解すると「ロハ」になることからそう呼ばれる。芸能の世界で使われることが多い)。

    記事によると、この年の9月5日、神奈川県は藤沢市の国鉄藤沢駅(現在のJR藤沢駅)で浮浪者らしき少年が保護された。この少年はカーキ色のズボンにズックを履いており、お金など持ち物は一切、持っていなかったことから「家出少年」として藤沢署が保護したのだ。
    ところが、藤沢署がこの少年の近辺を調べたところ、ただの家出少年ではないとんでもない秘密が判明してきた。





    鉄道マニアの終らない旅

    あくまで少年いわく……ではあるが、彼の名前は千葉県香取郡出身の鹿島守(仮名13才)。彼は数年前に千葉県から東京の深川方面へ移住してきたのだが、11歳の時に父親が死亡

    父親の通夜と葬儀が終わった後、鹿島少年はひとりで新潟県長岡市までひとりで大好きな鉄道旅行へ出かけた。
    ところが、しばらくして東京の自宅へ帰ってきたところ、母親は他の男の元へ行ったのか蒸発しており、行方がわからなくなっていたのだ。
    父が死に母親に見捨てられ天涯孤独となってしまった鹿島少年は、そのまま家を後にし、なんと、そのまま鉄道旅行を続行することを決意。

    鹿島少年は2年間に渡り、あてもなく日本全国を旅した。

    鹿島少年いわく、北は北海道は函館、南は山口県は下関まで……、自由気ままに無賃乗車で鉄道旅を続けたのだという。

    もちろん、そのまま何事もなく旅をするのは不可能であり、本人の記憶によれば神戸、三宮、京都七条、山口県徳山署で保護されている、という。

    しかし、それ以外は特に問題がなく旅行を続けられており、どうしてもお金に困った際にはお小遣い稼ぎとして、旅行客への観光案内や、時刻表の案内など、得意の鉄道知識を活かして現在の「ツアーコンダクター」に近い活動も行っていたという。



    海外へ飛ぼうとしたロハ少年

    さて、彼が東京に帰らず、2年間も日本全国を旅していた理由は、やはり父親の死があったようで、親戚に頼っても蔑ろにされており、人生に絶望した彼は、たったひとりで大好きな鉄道に乗りながら(11歳ながら)余生を過ごすことを決意したのだという。

    なお、食料に関しては客が残した駅弁や観光案内をした際に客から貰えるお菓子や果物を中心に食べており、夏場は涼しい北へ、冬場は南へ野営先を求めることで過ごしていたという。

    さらに驚くことに、この少年、2年あまりも鉄道旅行を続けた結果、最終的に行くところが無くなってしまったようで、最終的には海外進出も視野に入れていたという。

    最初の国外脱出計画は1931年に行われた。アメリカの飛行機家・リンドバーグが来日した際に、飛行機に搭載するタンクの中に隠れていたが関係者に見つかり追い出されたのだという(いくらなんでも、この話はさすがに冗談半分であろう)。



    終着駅は突然に

    保護された後も「ロハ少年」の旅は終わらなかった。
    9月9日の新聞によると、鹿島少年は保護され収容された児童保護施設をこっそり抜け出しまたも鉄道の旅に出てしまったのだという。

    鹿島少年は「今度こそは捕まらないように」とリンドバーグ来日時に断念した海外行きを画策。しかし新聞沙汰になった影響もあり、横浜の港で船に乗り込もう(もちろん無賃乗車である)としたことろ発見されてしまい再び保護されたのだ。

    9月16日の朝日新聞によると、鹿島少年はうつ病に罹ってしまい「もう。これ以上旅はできない」と諦めてしまったという。

    ロハ少年2

    その後、少年は半年後の1933年(昭和8年) 10月 25日にまたも朝日新聞の紙面に登場することになる。
    記事によると、2度児童保護施設を脱出した鹿島少年は、10月24日、電車の屋根に乗った状態で平塚駅に姿を表した。

    駅員が大急ぎで鹿島少年を迎えにいくと
    「もう旅行は飽きた!おれは薫育院(現在の児童保護施設)入って偉い人になるじゃ!」と大声をあげていたという。

    そして、鹿島少年は当人の希望通り、神奈川県内にある児童保護施設に入所。これにて2年に渡る少年の旅は無事「終点」を迎えることとなった。

    鹿島少年が2年もの長年に渡り、日本国内を回っていた理由は定かではないが、自分が輝ける「居場所」を心から求めていたのかもしれない。

    参照:「朝日新聞」縮刷版
    文:穂積昭雪(昭和ロマンライター / 山口敏太郎タートルカンパニー / Atlas編集部



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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2019年04月06日 22:12 ID:7Eq9tikB0*
    洞窟おじさん思い出した
    2  不思議な名無しさん :2019年04月06日 22:25 ID:Zyq7vMlY0*
    少年のその後が知りたい。
    第二次大戦を生き延びられたんだろうか。
    生きてのびて、幸せをつかめていたらいいのにな。
    3  不思議過ぎる名無しさん :2019年04月06日 22:34 ID:H5SV6DK40*
    この時代だからこそ出来た無賃乗車。
    今考えるとなんだか切ないなあ。
    4  不思議な名無しさん :2019年04月06日 22:35 ID:byUA3mVt0*
    眼を見張る生存能力だな
    5  不思議な名無しさん :2019年04月06日 22:50 ID:LclpBBm70*
    電車の屋根の上って。映画みたいやん。
    6  不思議な名無しさん :2019年04月06日 23:03 ID:Ei1UTFIn0*
    すごい行動力。
    なんだかんだ、その後もなんとかなっていそう。
    7  不思議な名無しさん :2019年04月06日 23:12 ID:.AUlbns80*
    学生運動やってるってほんと?
    8  不思議な名無しさん :2019年04月06日 23:21 ID:.SAm0Tc20*
    その後どうなったんだろうなあ
    9  不思議な名無しさん :2019年04月06日 23:35 ID:lh..BNPt0*
    その後は・・?
    10  不思議な名無しさん :2019年04月06日 23:57 ID:iLSxc14C0*
    この少年、どんな大人になったんだろうな…幸せな余生は送れたのかな……
    11  不思議な名無しさん :2019年04月07日 00:37 ID:YwVuUmNY0*
    11歳にしてこのバイタリティ、昭和の人間はこういう人物がたまにいるよな...悪にしても善にしても突き抜けてる人間
    12  不思議な名無しさん :2019年04月07日 01:29 ID:L2BuFw9Y0*
    徴兵出来てたら相当有能そうだな
    13  不思議な名無しさん :2019年04月07日 02:27 ID:zVDBcMgz0*
    昭和の新聞の記事
    まず嘘に決まってる
    14  不思議な名無しさん :2019年04月07日 02:53 ID:.4jUlaNK0*
    新聞で小僧呼ばわりは草
    15  不思議な名無しさん :2019年04月07日 03:05 ID:0JG5BqtW0*
    たくましいな
    俺にも少しそれを分けてほしいよ
    16  不思議な名無しさん :2019年04月07日 03:10 ID:yD5GSn3z0*
    駅で観光案内して金をもらう
    つまり、自らの知識で仕事をして終わったら全国旅行を続行
    11歳の少年にしては精神力と知恵と頭脳、そして体力をうまく活用している
    家族には恵まれなかったがこの人間なら時代が違かったらきっといい人生を送っていただろう
    17  不思議な名無しさん :2019年04月07日 06:50 ID:NyWea6Lu0*
    調べてもこの少年についての記事が何1つ見つからない
    18  不思議な名無しさん :2019年04月07日 07:49 ID:vrkX0lXl0*
    ホーボーって言葉はまだ一般的じゃなかったのかな
    19  不思議な名無しさん :2019年04月07日 08:36 ID:dJTy.mBu0*
    鹿島さんは地元の方です、
    戦争には病気で出征なさらず、地元で療養して
    長く文化記念会館の職員をされていました

    ご結婚もされず生涯独りで生活されたようですが、
    電車少年として地元の方から親しまれ、寂しさとは無縁の人生だったようです。

    今は地元のお寺にお父さんお母さんと鹿島さんの
    お名前が刻まれたお墓で皆さんゆっくり休まれていますよ
    20  不思議な名無しさん :2019年04月07日 10:28 ID:CfmVRn6x0*
    >>19
    その後が気になったけど無事に戦争を生き延びて長くお勤めになられたんだな。
    なんか救われた。ありがとう。
    21  不思議過ぎる名無しさん :2019年04月07日 11:10 ID:1NDjhn4Z0*
    >>13
    新聞記者の人は嘘を書いたって事?
    それはないな。じゃあ今までの新聞記事は全て嘘だったって事になっちゃうじゃん。何でもかんでも嘘嘘いう前にそのひねくれた性格を直せば!?
    22  不思議な名無しさん :2019年04月07日 11:37 ID:wMhAa9bn0*
    戦前のニュースいいよね
    23  不思議な名無しさん :2019年04月07日 13:51 ID:AT0ZkXAr0*
    え、何!?本当!?
    千葉に戻って生涯を閉じたのかな。

    香取郡は一時姉夫婦が住んでいて親しみがあるから、余計気になる記事だった。
    24  不思議な名無しさん :2019年04月07日 15:16 ID:t93i87fI0*
    >>19
    上と同じく、その後が聞けてよかった。
    辛いだけの人生ではなかったんだよね。
    25  不思議な名無しさん :2019年04月07日 20:34 ID:i.7K5zhF0*
    ロハ小僧の憂うつw
    26  不思議な名無しさん :2019年04月07日 22:04 ID:QC.W5Mmt0*
    鉄道系YouTuberのスーツって人に無茶苦茶
    顔が似てるんだが、もしかして転生した?
    27  不思議な名無しさん :2019年04月08日 04:09 ID:WVtDRiuR0*
    >>17
    その調べた、つーのはまさかネットポチポチしただけじゃないだろうなw
    28  不思議な名無しさん :2019年04月08日 19:12 ID:jQ8hKgth0*
    TVで取り上げられてもいい話
    1920年頃の生まれだからもう死んでるだろーが
    1980年代頃ならひっとしたら存命だったかもと思うと惜しい
    29  不思議な名無しさん :2019年04月08日 20:51 ID:exBk4GBu0*
    山下清のドラマってこんなかんじだった
    30  不思議な名無しさん :2019年04月09日 01:11 ID:cg9T8bS30*
    >>19
    前半生が前半生だもんね…。寂しさと無縁の人生だったのならよかった。
    サバイバル能力凄すぎて羨ましい
    31  不思議な名無しさん :2019年04月09日 17:09 ID:Atv3lplw0*
    新聞に顔まで載ってるのに親族が誰一人として助け船を出さなかったんだな。
    32  不思議な名無しさん :2019年04月09日 17:10 ID:Atv3lplw0*
    >>17
    すでに新聞記事があるのに一つもってw
    33  不思議な名無しさん :2019年04月11日 13:01 ID:5vCUkJr70*
    僕は5歳という作品がこんな感じだった。知ってる人はオレと同じジジイ
    34  不思議な名無しさん :2019年05月06日 18:08 ID:w5qwcTE.0*
    結構かっこいい生き様やな

     
     
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