191: N.W 2005/06/21(火) 07:11:02 ID:ig+oVX600
俺が何も言わないせいか、新谷が一生懸命しゃべってくる。もう少しで行きたかった避難小屋に辿り着けたはずだとか、このシーズンに霧に出くわすのは珍しいとか。
適当に相槌を打ちながら、俺は別の事を考えていた。俺は狭いのが嫌いだ。まして、一人用のテントに野郎同士で寝るなんざ、大嫌いだ。他にもまだ言いたい事はある。
が、明日にしよう。昔、祖父ちゃんからこう言われたから。
「いいか、海も山も異界だ。人間の世界じゃねぇ。そこでは決して怪しい事と不満を口にしてはならん。一言は百言に、二言は千言になって返ってくる。不審と不信は人里へ戻ってから言え。わかったな」
ふと、なんだか表が明るいような気がしたので、顔を表へ出してみた。さっきまでの霧が嘘のように晴れている。雲一つない夜空に、満月がまるで真冬のように強く煌々と輝き、満天にちりばめられた星々が瞬いている。
いいな。タバコが吸いたくなって表へ出た。ウエストバッグをごそごそやっているとかすかに法螺貝のような音が聞えた、それは下の方から徐々に強く上がってくる。
しまった、ここは行者道だったのか?
192: N.W 2005/06/21(火) 07:11:56 ID:ig+oVX600
焦る俺の目に、白っぽいヒラヒラしたものの大群が映った。
蝶か?いや、飛び方はよく似ているが蝶ではない。
「なんだあれ?」後から出てきた新谷が、うきゃあと叫んで腰を抜かした。
それは無数の人魂たちだった。
きれいに表現すれば横向き涙型、ぶっちゃけて言えば尻尾の短いオタマジャクシで、それらが尻尾を上下あるいは左右にくねらせながら、ヒトの腰ぐらいの高さをあるものはオオムラサキのように素早く、あるものはモンシロチョウぐらいの早さで飛んでいた。かすかな法螺貝のような音は、この群れが発する音だったのだ。
それまでにもいろんな人魂を見た事はあるが、こんな人魂の群れを見たのは初めてだ。怖さや恐ろしさは全然感じなかった。
大部分は俺を除けていったが、俺の体に当り、ほわんと跳ね返るものも幾つかあった。
(その感触は、目一杯ふくらませた風船を何日か放置した時の感じに近い)
人魂であるからにはきっとどこかの誰かのご先祖さんだろう、そう思うからその都度、ご免なさい、済みません、と謝りつつ彼らの行過ぎるのを待った。
やがて、最後の一つが通り過ぎ、後には静かな夜が還ってきた。
俺はタバコを一本吸い、眠りについた。不思議な夜だった。
翌朝、俺が先になって歩き出した。
俺たちが昨夜テントを張ったのは、二ノ池からすぐのサイノ河原らしかった。
新谷は昨夜からずいぶんと口数が減っている。
黒沢口へ下り、そこで新谷に言った。
「いい山だったよな。」
うん。ヤツは頷いた。
「けどな、俺はもう二度とおまえと山はやらん。次は誰か他をあたれ」
それ以上何も言う気にはなれず、泣き笑いのような奇妙な顔になった新谷を残し、俺は一人町へ帰った。
196: N.W 2005/06/21(火) 13:45:26 ID:ZBjpHUOR0
ワラ人形
先輩諸氏にはとても及びませんが、今日はもう一話お届けします。
今は昔。
頃は春。甲山へピクニックに行った時の事。
西宮に甲山という、ファミリーハイクにはもってこいの小さなかわいい山がある。
付近には六甲山系を水源とする川と、飯盒炊爨の出来る河原があった。
俺が青色(小坊)1年、弟が幼稚園へ上がる前の事だ。
俺たち兄弟は母親に連れられて、そこへ来ていた。
メニューはご飯と鋤焼。だが、ご飯が出来なければ次が始まらない。
俺たちは母に火の番を任せ、河原で遊んでいた。
ふと、川の方に目をやった弟が声を上げた。
「あ、人形。ほら」
弟の指さした先の浅瀬に、ワラ人形が足をこちらに向けて流れ着いていた。
現物を見るのは初めてだったが、本などで見るものとまったく同じで、きっちりと束ねられており、大きさは15センチくらいだったと思う。しかし、釘などが刺さっていたような形跡はどこにもない。
197: N.W 2005/06/21(火) 13:45:59 ID:ZBjpHUOR0
(なんでこんなものが?)
訝しむ俺に構わず、弟はそれを拾おうとして一歩踏出した。すると、
「だめよ」
いつの間に来たのか、母が俺たちの真後ろにいた。
「そんな物、拾っちゃダメ」
静かだがドキッとするほど鋭い母の言葉の響きに、弟が思わず後ろをふり返った。
その時、弟の後ろでワラ人形が体を起した。
そして、眼無き顔で母と俺をさも悔しそうに睨め付けると、自ら仰向けになり、川の深みへ入ってそのまま流れて行ってしまった。
あれはいったい何だったんだろう。
母に後で聞いてみた。家の母方の人間はわりと霊感が強い人間が多く、中でも母はずば抜けてそれが強い。その母をしてよく分らないと言う。ただ、川の方から弟に向って厭な視線が向けられているような気がしたので、そっちを向くと、真っ黒な小人が蛙のようにうずくまっているのが見え、慌てて駆け寄ったのだと言う。
瞬間、弟が捕られると思ってゾッとしたそうだが、その時、小人が俺の方をずいぶん忌々しげに睨んでいたので、少しほっとした、と母は言った。
俺には全然そんな物は見えていなかった。
ヤツは一体どこへ流れて行ったのか。それともあそこで繰返しああしているのだろうか。
198: 本当にあった怖い名無し 2005/06/21(火) 13:53:37 ID:K6dNYC2l0
>>197
GJ!
この暑さだというのに、鳥肌が立った。
200: U.G 2005/06/21(火) 14:29:52 ID:U6uS1FrZ0
廃道
4年前、友人と、神奈川県にあるとある山に登りに行ったことがあった。
もちろん心霊目的である。自分を含めて3人、男ばかりで山に登った。
友人を、仮に鈴木と佐藤としておこう。鈴木はチャックのYシャツ姿でリュックを背負い、首から一眼レフのカメラをかけた、真面目系の眼鏡君である。
佐藤は茶髪で黒いTシャツを着ており、ほぼ手ぶら。チャラ男とまではいかないが、鈴木とは対照的な感じの男である。鈴木が、地図を見たり写真を撮ったりしながらゆっくりと歩くのに対し、佐藤は行き先も何も分からない癖に、どんどん先に進もうとする。しかも「後ろから誰かついてくるぞ」「おいっ!なんだあれ!?」などと悪ふざけをして、俺たちをビビらせて来る。ただ、佐藤は根っから悪い奴ではないし、そうこう言って盛り上げてくれる楽しい男なので、俺も鈴木もまんざらではなかった。
目的地である心霊スポットは、山の頂上を目指す登山道を途中まで歩き、途中から、今はもう使われていない廃道を行き止まりまで進むと、突き当たりにあるという水道橋の跡である。登ってみると思ったより結構薄暗い山で、山というより鬱蒼とした森という感じであった。傾斜もところどころ急なので、かなり不安に思って引き返そうともしたが、地図でみれば大した距離ではなさそうだし、時間もまだ昼だったのでまぁ大丈夫だろ、頑張って見るだけ見てみよう、ということになった。
201: 本当にあった怖い名無し 2005/06/21(火) 14:30:57 ID:U6uS1FrZ0
だいぶ歩いた感じがしたのだが、廃道に入るための目印となる分岐点が見つからない。登山道を行ったり来たり、登ったり降りたりしながら、それらしきものを探すのだが、今はもう使われていない道であるというだけあって、どれが道なのか確証を持てない感じでいた。俺と鈴木が地図を覗き込んでいると、佐藤が「ちょっとあそこにいる人に聞いてくる」といった。登山客なんかに聞いて分かるのかな、と思ったが、やがて「どうもありがとうございます」という声がして、佐藤が「こっちだってさ。行こうぜ!」と、足早に俺たちを先導し
た。「おいおい、そんなに急ぐなよ」と鈴木が後を追ったので、俺もそれに続くことにした。
佐藤は、廃道を進むというより、山の斜面を滑り落ちるかのようにしてどんどん進んでいく。「おいおい…これは人が歩くようなものじゃないぞ」と言うと、「でもここが一番近道らしいぞ」「もともとそういう場所に行くんだしさあ」などと言って返し、なおも休まず進み続ける。「結構迷っちゃったし、佐藤の奴、シビレを切らしたかな」と、少し申し訳なくも思ったので、俺と鈴木は我慢して佐藤にならって山の斜面を滑り落ちるように進んでいった。
「おお!すげ~ぞここ!」佐藤の足が止まったかと思うと、山から突き出したかのような、広くて明るい場所に出た。断崖絶壁とまでは行かないが、かなり高さを感じさせるように、山の下が一望できる場所である。佐藤は嬉しそうにはしゃいで、また悪ふざけで鈴木を揺さぶって下に落とすマネなどをした。
202: U.G 2005/06/21(火) 14:31:30 ID:U6uS1FrZ0
「ねえねえ、ここ見てよ」俺は、ふと、その場所から見下ろしたところに、水道橋の跡らしきものを見つけた。「ああ、あそこが水道橋なんだ」と鈴木がいい、佐藤にも見せてやろうと思って、俺と鈴木が同時に佐藤の方を向いた。
すると、佐藤の顔からみるみる血の気が引いていき、顔が真っ青になっていくのが分かった。佐藤は鳥肌を立て、目を見開きながら放心状態になって、棒立ちのまま水道橋の方向に一直線にスタスタと歩き始めた。俺はまた、佐藤が悪ふざけし始めたと思った。「おいおい!危ない!」鈴木が静止するが、どうも様子がおかしい。日頃ならこの辺で悪ふざけをやめそうなものを、佐藤は真顔で真っ青な顔のまま、吸い込まれて行くかのように水道橋の方に向かっていく。
「やめろやめろ!マジで危ないって!」「おい!佐藤!やめろ!」俺と鈴木が必死になって佐藤にしがみついて止めようとすると、佐藤はそのまま顔面からモロ地面に手を着かずに倒れこみ、泡を吹いてしまった。
その後、俺と鈴木は、取るものもとりあえず携帯電話で連絡をし、近くの林道まで救急車に来てもらった。病院でしばらく手当てを受けて休んだ後、佐藤は両親に車で迎えにきてもらって、家まで帰っていった。
その後回復した佐藤から話を聞くと、俺たちが廃道に入るための目印を探していたとき、山の斜面から工事作業員風の男たちが列をなして這い上がってきたため、ヤバイ!と思って、俺たちにそのことを知らせようとしたところまでしか覚えていないという。もちろん、そんな男たちの姿など、俺と鈴木には見えなかったのだが…。
275: 本当にあった怖い名無し 2005/06/23(木) 00:51:29 ID:29yFzDUo0
どれが現実なのか
山といえば山梨だ、といって、一人で山梨県に行ったことがあった。
ただ、山は好きでも登山は好きではなかったので、車で際どい山道をずっと走ることにした。
県境を越え、いざ山梨県に入ったかと思うと、いきなり大雨が降って来た。僕の車ではワイパーを最速に動かしても、とてもじゃないが前が全く見えない。できるだけスピードを落とし、ライトをハイビームにしてゆっくり進んでいると、急に雨がやんだ。
一休憩しようと思って、道沿いに大きなラーメン屋を見つけて入り、店の人に「さっきは凄い雨でしたねぇ」と言うと「雨?雨なんて降ってませんけど…」と言われた。山の天気は変わりやすいというが、局地的でもあるのかな…?と思って店を出たあと、ほんの少し走っただけなのに、道に迷ってしまった。
近くにガソリンスタンドがあったので、給油がてらそこに寄り、「ラーメン屋さんの方から来たのですが」と道を訪ねると、「この近くにそんなラーメン屋はないですけど」と言われた。
そして、「今日はさっきまで大雨が降っていたし、この先の山道は通行規制で通れなくなる」と言われた。仕方なく、ガソリンスタンドから少し走ったところで旅館が見えたので、まだ少し早い時間ではあったがチェックインすることにした。
旅館の女将さんのような人が「今日はお天気も良いし、お夕食までの間、この先のパノラマラインをドライブしてみてはいかがでしょう」「この近辺にはガソリンスタンドがないので、給油はその先になりますが」と言われた。
確かに雨は降っていたし、ラーメンを食べてお腹いっぱいだったし、車のガソリンは満タンである。次に訪れた先でこの旅館のことを話し、「そんな旅館はないですよ」と言われたくなかったので、宿泊をキャンセルし、東京に戻ることにした。僕が行ったあの地域は、一体何だったんだ・・?
277: 本当にあった怖い名無し 2005/06/23(木) 01:09:36 ID:pTFQ+zmW0
>>275
だんだんどっちが現実かわからなくなってくるな
280: 本当にあった怖い名無し 2005/06/23(木) 01:55:41 ID:bwT70B0P0
>>275
なんだか同じコースを走りたくなるなー
332: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 11:21:03 ID:pFevZ/Zl0
タヌキ
あんまり怖くない話ですが
嫁ぎ先は結構山で近くに週末になると走り屋が来るスポットがあります
旦那は走り屋なので結構攻めに行ってるのですが
数年前夜中に軽く走った後休憩してると山の中で建物の明かりが見えないような所なのにポツンと明かりが灯ってるのが見えて不思議に思って明かりの方向に向かって走ったそうです
でも何故かいくら走っても明かりが近くならなくて
諦めて一周してから休憩してた場所に戻ったら
狸が逃げていくのが見えたそうです
この時代になって狸にだまされる人間も居るって何だか凄い・・・
分かりにくい文でスマソ
338: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 12:44:56 ID:0BQGV0MS0
母方の爺さんが山で炭作ってる時によく天狗の石つぶてやら
高笑いやら聞いた事があるって母親から聞いたなぁ。
タヌキにも化かされたとかあったな。
よくある、集会で飲んだ帰りに畑を一晩中ぐるぐる歩かされて
家族にハケーンされたとか。ちゃっかり手みやげが取られてたって。
もう随分前に亡くなって、一度も会う事が出来なかったからちょっと残念。
(って言っても目新しい話は多分ないだろうけど)
ちなみに九州の山間部での話し。
348: 里人 2005/06/24(金) 22:40:20 ID:msr/EreH0
激遅レスなんですが>>332,>>338の方々の書き込みを読んで
去年97歳で亡くなった祖母が50年くらい前に狸にバカされた話を
思い出したんで書き込ませていただきます。
その日、村内の墓地がある丘の向こうに有る隣家へ出かけた祖母。
用事が済んで隣家→村内墓地→実家まで片道徒歩10分の道程の筈が
延々1時間近く歩いても歩いても中間の墓地が見えてこない。
ははぁ、これは狸の奴の仕業だな、と思った祖母は大声で
「くりゃあ!なんしょんならあ!その汚なげな皮ぁ鎌で剥ぐでぇ、
家の鎌ぁよー研いどるけえ、まちょおれぇよぉ!」
(訳:こら!何をしてるんだ!その汚い皮を鎌で剥ぐぞ、
家の鎌はよく研いであるから待ってろよ!)
・・・と、山中で大声一喝したそうです。
その甲斐あってか、数歩で見えてきた村の墓地を抜け無事帰宅出来たそうです。
狸の引き回しには気迫が有効なのか?って言う与多話でしたm(_ _)m
それにしても古今東西狸の芸って引き回ししか無いのでしょうかね?
340: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 18:24:59 ID:N1uW9jil0
天狗って、厳しい修行で命を落とした山伏の霊らしいけどね。
342: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 19:28:09 ID:NyZ7VrSr0
平田篤胤の勝五郎再生記聞によると、天狗は熊でも狼でも、烏や鳶でも
天狗になることが可能とされ、中でも人が変化した天狗が最も高級と
捉えられている。
かたや昭和初期の心霊家・浅野和三郎によると、天狗は一度も肉体に
転生した事のない自然霊で、他の人間を含む生き物の霊と違い、
浄化向上の道を歩まない、不変の精霊とされている。
351: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 23:17:45 ID:PrZZd3Oc0
地方の古い民俗誌の一説に書かれていた話によると、狐は悪戯されたり、
食べ物を持って通行する相手に対し、引き回しを掛ける事が多いらしい。
それは飽くまで生活防衛の為であり、からかうのが目的では無いようだ。
対して狸の引き回しはすこぶる残忍で、狐は必ず人を家に帰すのに比べ、
人を帰還不能な山奥や岩の上に誘い込んだり、殺傷確実な崖に落とそうと
謀る幻覚を見せる事も多いらしい。
二種の生態を考えても、狐は子育ての為に身の危険を晒し、ストイックな
生き様を歩むが、狸は常に野放図で規律の無さを感じる。
そのうえ狸は物真似や遊びを好むだけでなく、食物連鎖の逆を行く行動、
即ち強肉弱食を実践し、強者の人間を殺害する事で道通を得ようとする
魔性を兼ね備えているのだと信ずる向きもあるようだ。
341: 本当にあった怖い名無し 2005/06/24(金) 18:53:15 ID:Z+MsWWIv0
昔山登りしてた時ウサギの死骸が大量にあった
どう見ても他の動物の餌になったとは思えない死に方だった
縦や横い引き裂かれたようにされてて、あたり一面に肉片とかが散乱してた
今考えれば動物虐待者かなんかが山の中にウサギを連れてきて殺したのかもしれんが、発見当初はすごい恐かった
462: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 08:06:42 ID:QUzBI5s6O
先ほどの話
毎日してる早朝ランニングの途中の事
山際の道を走り、折り返しから戻る途中、小さな女の子とすれ違った
珍しいな、そう思い振り返ったが誰もいない
子供の背丈なら隠れれそうな場所は、周りに少々ながらある
果たして、汚らしい川に隠れる必要があるのかどうかは知らないが…
467: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 14:01:15 ID:EVK3TdIGo
姿の無い足音
奥多摩の自然観察保護員(?)の写真家が、日原川の奥に釣りに行った時の話。
深夜に着いて、林道の奥に四駆車を停めて朝を待つことにした。
早朝から釣りを始めるつもりだったが、何故かいつものように寝着けない。
暫く眠気を催した深夜、車の近くを誰かが歩いている音がした。
〝ザク、ザク、ザク…〟
昵っと聞耳を立てていたが、不審な足音は車の周りをずっと歩き回り続けているようだった。
写真家は奥多摩に生息する動植物の写真を撮っていたので、ある程度生き物に触れる機会は多い。
「鹿かも知れない。しかし、道に迷った登山者だったら…」
妙な寒気も感じ、写真家は寝るどころではない。
それから長い間、足音は車の周囲に積もった秋の落ち葉を踏み鳴らしていたが、急に足音が止んだ。
「あれ…?」
益々訝しく思った写真家は、暫く迷った末、とうとう車外に出て確認する事にした。
ドアを開けると山の冷気が鼻孔を突く。
車の周りは漆黒の闇。
「何だ誰も居ないじゃないか…」
念のため足元を確認したが、野生動物の足跡らしき物はない。
おかしいな、確かに誰か歩いていたのに…。
日原の奥では、今も姿の無い足音を聞く釣り人がいるらしい。
468: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 15:26:46 ID:eitU8j710
心霊関係ないけど、個人的には怖かった話。
数年前の夏、実家に帰省中に兄に誘われて山に登った。
そう高い山でもないし、小中学校の遠足で散々登った地元の山だ。
兄も私も登山は素人。Tシャツとジャージに弁当程度の軽装で挑んだ。
山頂の神社でお参りしてから山を下る。行きとは違うルートだ。
だが道は二つあった。どちらも同じような規模の道。
兄が私に「どちらかを選べ」と言うので、適当に選んだ道を下りる。
その道は、途中で道と呼べるものではなくなった。
何故か瓦礫のような石の散乱する斜面を、滑りながらも必死で下りる。
まさかこんな所で遭難なんてしないよな、と思い始めた頃、ようやく道らしきものに出会った。
安堵に胸をなでおろしつつ進む。と、川の下流の藪の中に、場違いな鳥居を見つけた。
下は白かっただろう塗装の剥げた、朽ちかけた小さい木の鳥居。何でこんなものが。
道はどんどん歩きやすくなっていく。明らかに整備されている。
道の傍に立て看板があった。曰く、「行者以外の当山道の使用を禁ずる」
…行者ってナニ!?
やばい雰囲気を感じつつもとりあえず下る。壮年の男性とすれ違う。物凄い目で睨まれた。
川沿いになおも下る。川の中に忽然と不動明王像が立っている。何でだ。
更に下る。もう一体の仏像をスルーしつつどんどん進む。
山道の出口だ。喜びに足どりも軽く道を抜ける。
そこにあったのは小さな駐車場と、人気のない殺風景な二階建ての建物。
たてもの脇に座っていたおじいさんに睨まれて、そそくさと敷地から出る。
振り返って見上げた建物の看板には、
「○○教××支部 修行場」
とりあえず走って逃げた。もう二度とあの道は行かない。
469: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 15:33:21 ID:8J3gkP4U0
日原の奥は山が深いもんねぇ。
多摩川の本流は観光客や登山者も多いし、山深い感じの所は
山梨県が大部分になるからね。
日原周辺には熊や猿も生息してるし、カモシカも集落から
目撃できるらしい。行った事は無いけど巨樹の生い茂る原生林もあるとか。
土木工事のダンプが煩いのが玉に瑕だけど。
日原周辺は島々を除いた東京都の中では一番の秘境かも。
476: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 17:20:19 ID:OU/P86Xeo
>>469
そう、案外原生林とか残ってるね。
天祖山の辺りも苔鮮やかな岩の重なる場所などある。
今の勤め先のビルに常駐している警備の隊長さんが山歩きが好きで、
あちこちに遠征している人なんだけど、酉谷かどこかの避難小屋に
一人で泊まったとき、綺麗なんだけど何か嫌な感じがしたと言っていた。
あの付近は武田の敗走者が討たれたりした場所で、色々不気味な
四方山話しが残っている。
暮れの山の神の日に、山に行ったきり帰って来ない親父がいた。
息子が心配して探したけども、何も見付からない。
大分経った頃、息子より若い甥が、その山でおっかない物を見た。
丁度雨の降りそうな日で、ヌタになってる場所を通り掛ったら、
呷めきながらヌタの中を、うつ伏せになって這う物がいる。
大蛇のような姿の物で、上半身は人の形をしていたが、
下半身が長い木の根のようになっていたそうだ。
恐ろしくて逃げ帰り、以降その山に仕事に入らなくなった。
晩年、この甥が亡くなる前に家族に打ち明けた話では、
あの禿げ頭は山の神に隠された親父だろうと話したそうだ。
この辺りでは山の神の日に山に入ると、木と一緒に数え込まれるという。
478: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 19:32:19 ID:ubTkwnZb0
>>476
想像したら怖気立った。
480: N.W 2005/06/27(月) 20:30:12 ID:Njoligy20
単眼オヤジ
今は昔。
頃は夏。遠縁の田舎へ連れて行ってもらった時の話。
俺が黄色(小坊)2年、弟が幼稚園の時。
場所は岐阜県。他県と接する山間の村で、今回はちょっと差し障りがあるからそこまでしか言えない。ごめん。
〈その1〉
俺たちは山の中腹にある神社の境内でセミ採りをしていた。近所の子供たちは勝手知ったる場所だから、ずっと奥のへ散らばっている。
いくら夏でも、日暮は何となくわかる。もうじき誰かが「帰ろうぜー」と言い、二言三言、言葉を交して家路を辿らねばならない。まだ1匹も採れていない弟は、網を握りしめ、セミの声のする辺りを一生懸命睨んでいる。俺に任せればすぐ2・3匹は採れるのに、どうしても自分で採りたいらしかった。
俺たちの背後から、誰かの足音がした。
隼人か圭一だろうと思ってふり向いた俺は驚いた。
茶色いオヤジゾウリにグレーのズボン、青っぽいジャンパーを腕まくりしている、短いごま塩頭の男がそこに立っていたのだが、そいつの目玉がたった1個。普通2個並んで存在しているはずの場所に、10センチくらいのアーモンド型の目玉、そいつがたった1個しかなかったのだ。
人見知りの激しい弟は、“知らない、変な大人”の出現に怯え、俺の背中に隠れるようにしっかりしがみついている。
しかし、不思議と怖さは感じず、それより、なんだか懐かしい、昔引越していった近所の人に再会したような気持ちだった
481: N.W 2005/06/27(月) 20:30:49 ID:Njoligy20
そして、驚いたのは俺たちだけではなかった。
「おっ?」
この単眼オヤジも俺たちを見て、何か思いがけないモノを見たような顔をしたのだ。
何でコイツが驚くのか?訳がわからず混乱する俺たちに、単眼オヤジは優しく言った。
「一緒に帰るか?」
?????帰る???どこへ?????
錯乱する俺に代って即答したのは弟だった。
「イヤだ。まだ遊ぶ」
目の前の怖さより、セミへの執着の方が勝ったらしい。
単眼オヤジはあっさり「そうか」と頷き、神社に向って歩きかけたがふり返り、「早く帰らないと、ヒトに捕られるぞ。気を付けな」
さも心配げにそう言って神社の裏へ姿を消した…
俺たち兄弟が単眼オヤジに会ったのは、後にも先にもこれっきりだ。
あの時、ヤツは一体どこへ俺たちを連れて帰ってくれようとしたのか。
弟と時折その話をするが、いくら考えてもわからない。
そして一番わからないのが、単眼オヤジは俺たちの事を何だと思って声をかけたのか。
今、もし単眼オヤジに会えるなら、あの時の事を酒でも飲みながらじっくり話を聴いてみたい。そんな事を考えている。
489: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 22:06:25 ID:vHbGbnTk0
>>481
「一つ目」ってなんだかたたら製鉄に関わりのある山の神様みたいですね。
一つ目おじさんにはもしかして481さん達が同種の「モノ」に見えたのかも。
490: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 22:23:25 ID:80SfDUEm0
>>481
「ヒトに捕られる」ってのが不思議だね。
何かの化身だったんだろか
484: 本当にあった怖い名無し 2005/06/27(月) 20:57:44 ID:9tkQLi0H0
>>480-481
不思議な話ですな。
目の数以外は本当にどこにでもいそうな普通のおじさんってかんじで。
497: 本当にあった怖い名無し 2005/06/28(火) 03:11:07 ID:7X9VUYNO0
山岳写真家の白籏史朗のエッセイにあった話です。
夕方、山梨の西沢渓谷の遊歩道を歩いていると奇妙な服装の人と行き違った。気になったので同行していた奥さんに話を振ると誰も見なかったと言う。前を歩いていた夫が急に立ち止まって道の脇に寄ったので不思議におもったそうだ。
もう一つ白籏さんの話。
真冬に山岳写真の撮影に行き、南アルプスの真ん中にある荒川小屋という無人の山小屋に宿泊した。
現在は建て替えられて立派な山荘になったが、当時は粗末で小さな小屋だった。
天候が急に崩れて猛吹雪になったので数日間山小屋に閉じ込められた。
ある夜、目には見えないが酷く邪悪な物の気配を感じて全身に鳥肌が立った。
しかし吹雪がやまないと外に出るわけにもいかず、夜毎まとわり付くその気配に何日か耐えてようやく吹雪がおさまったので、ほうほうのていで山小屋を後にしたそうだ。
かなり前に読んだ話を記憶をたよりに書いたので細かい所は違っているかもしれません。
212: 林道・川上牧丘線 2005/06/21(火) 22:39:36 ID:/l22mKXu0
怖さを求める退屈な若者と違い、遠出をすることで日々の発散をしようと考える労働者は社会に蔓莚している。
車やバイクを差し向ける孤独な輩の行く先は何時だって山であり、開放的な海志向と違い、人間性が屈折している率は高い。
自分もそんな嫌らしい一人だが、何時もバイクで行きたくても行けない山があった。
林道・川上牧丘線のピークは、勿論山の頂点ではなく峠だ。
東京都内の青梅街道近くに住む私にとって、その大弛峠までの距離は日帰り往復が可能なものである。
しかし、何故なのかこの峠を目指すとき、常に悪天候や様々なトラブルに阻まれて行き着く事が出来なかった。
去年も、一昨年も、先一昨年も、いやもっと前から…。
2,000mを超す高地となると天候は常に流動変化する事は仕方ない。
しかし年に何回も休日に出向いては、驟雨に泣かされ帰るのは不可解だ。
去年から麓の金桜神社に手を合わせたが、山の神様が私を嫌うのか一向に山に登るタイミングがあわない。
今年も日曜の休工日を狙い、出向いたついでに金桜神社に詣でたところ、大嫌いな青大将が拝殿の前に長々と横たわり、こちらを透かして見てる。
その日もやはり悪天で、合羽の出番を待たずして帰った…。
しかし拒否されると諦めが悪くなるのも屈折した人間本来の習性である。
三回まで出向いた今年、当々不満が爆発した。
先週の日曜に四回目を決行したが、何としても登るつもりだった。
すると柳平付近で案の定降雨がはじまり、やっと大弛峠に来たものの強い降りと厳しい寒気に襲われた。
「こりゃあ、本物だわ…」
遅巻きながら合羽を着込んで帰路に着こうとしたが、雲に入って全く視界が見えない。
二度と此処には来ないと誓ったが、下りの道を徐行しながら走る内心は、腑に落ちない気持で一杯だった。
山というものは、偏屈者には偏屈な対応をするものだろうか…。
500: N.W 2005/06/28(火) 08:13:02 ID:xPMOrOYQ0
水妖伝説
今は昔。
頃は夏。知合いの田舎へ連れて行ってもらった時の話。
場所は岐阜県。他県と接する山間の村で、今回はちょっと差し障りがあるからそこまでしか言えない。ごめん。
〈その2〉
その村の中を川が流れていた。上流では渓流釣が出来るくらいのきれいな川だ。
途中に、両側に大きな石がありその下が水深2メートル程度の淵になった場所があって、そこが近所の子供たちのお気に入りの場所だった。
今日は朝からそこで遊んでいて、昼からもまたみんなで川遊びをしていた。
みんなは岩の上から淵へ向って勢いよく飛込んで遊んでいる。弟は、朝一度それに挑戦したのだが、足が底につかなかったのが恐かったらしく、昼からはそっちへ行こうとしない。で、しょうがないから俺は浮輪を持った弟に付き合い、浅瀬でパシャパシャやっていた。
派手な水音とみんなの喚声をうらやましく思い、そっちへ目をやった時の事だ。
水の中に見慣れない子供が一人、みんなから少し離れて頭を出していた。俺たちも地元じゃないが、1週間もいれば人の顔ぐらい覚えている。そのイソノワカメのような頭をした子には全然見覚えがなかった。
501: N.W 2005/06/28(火) 08:13:40 ID:xPMOrOYQ0
その子供がふっと俺たちの方を向き、こっちへ泳ぎ始める。泳ぐと言うよりも、ビーチボールが水に流されているような、なんだか妙な泳ぎ方だった。
俺の視線を辿った弟がその子に気付き、怖がって俺の手をぎゅっと掴む。俺は弟の手を引いて水から上がった。人見知りの激しい弟は俺の後ろに身を隠す。
その子は、水から顔を出した蛙のような変な格好で、さっきまで俺たちがいた浅瀬に腹這いになった。水着は着ていない。男か女かもよく分らない。
こいつ、もしかしたら“ふちぬし”かも。“河童”と違って“渕主”は頭を水面に出し、獲物を探すんだといつか祖父ちゃんが言っていた。
瞬きもしない、まん丸な魚の目玉を思わせる目をしたそいつは俺たちに話しかけた。
「ねえ、あそぼう」
「もう帰るんだ」
俺はきっぱりとそう言い、向うで遊んでいる仲間たちにも大声で帰る事を告げた。
502: N.W 2005/06/28(火) 08:15:48 ID:xPMOrOYQ0
弟の手を引き、浮輪を持ってやって家まで帰ると、畑仕事をしていたおばさんが何かあったかと聞いてきたので、知らない子が来て弟が人見知りしたと答えた。
それから俺たちはザリガニ採りに出かけ、自分で大物を捕まえられてご機嫌の弟と再び家に戻ったのは夕方だった。
夕飯を食べていると、隣の良雄のお父さんが訪ねて来た。良雄がまだ家に帰らないと言う。今日は一日皆で川遊びをしていたようだから、誰か何か聞いていないかと思って、一番近くの家から聞きに来たらしい。
「うちの子らは3時頃にいったん戻って来て、二人でザリガニ採りに行ったよ」
「そうですか」
肩を落す良雄のお父さんに、ウチの大人たちは「それはみんなで探す方がいい」と言い、電話をかける者、近所へ知らせに走る者、急に慌ただしくなった。
そんな中、弟がぽつんと言った。
「河童がいた」
その言葉に、みんなの動きが一瞬止った。
この間、単眼オヤジを見た時も、弟は「小僧のお面のおじさんがいた」と言ったが、その時はそうかそうかと大笑いされてそれで終った。でも、今度は何か様子が違う。
「ああそう言えば、帰って来た時、知らない子がいたって言ってたっけ…」
大人たちが真剣に俺たちの顔を覗き込んだ。
「河童って?」
弟が一番懐いているおじさんが、真剣な顔で弟に聞いた。
503: N.W 2005/06/28(火) 08:16:21 ID:xPMOrOYQ0
代って俺が、妙な泳ぎ方をする短いおかっぱ頭の丸い目玉の子がいたと説明すると、とたんに蜂の巣を突いたような騒ぎになった。俺は“渕主”だとは言わなかったが、何かこの地方には違う名で呼ばれる水妖伝説があったらしい。
地域の子供たちは全員神社に集められ、お払いをしてもらった後、周囲に注連縄を張り巡らされた神楽殿で一晩を過させられた。
消防団と青年団、警察も来て、夜遅くまで良雄の行方を捜していたが、一向にらちがあかず、いったん打ち切りになる
翌朝早くから再び捜索が開始され、10時頃、下流の方で子供の死体が見つかった。
但し、それは良雄ではなく、十年前行方不明になった春子という女の子だった。
後で聞いた話だが、死体がロウのようなミイラになっていたらしい。
“渕主”は時々出て来てお気に入りを選ぶ。そして、新しいお気に入りが出来た時、前のお気に入りを返すのだと言う。
俺が青色(中坊)3年の時、良雄は見つかった。しかし、良雄が見つかる前の日にいなくなった茂と言う子供は今も行方不明のまま。いつ見つかるか誰も知らない。
510: 本当にあった怖い名無し 2005/06/28(火) 14:46:41 ID:+nuut1WO0
隠し村
自分の地元のA県で戦後まもなくの事
営林署の職員が休日に山菜取りをしたあと帰ろうと思ったが入り慣れた山のはずなのに何故か迷ってしまった。
日も西に傾き始め野宿を覚悟したころ見たことも無い大きな屋敷の前に出た。
その屋敷は古い萱葺き屋根の建物で人のすむ気配はあるが家の外には人の姿はなかった。
ここは人外の住む場所かと不安もあったが結局野宿するよりはましと考え、一晩の宿を請おうと玄関をくぐると30人分程の数多くの靴が合ったらしい。
応えて出てきた主人は特に怪しい所もない普通の人間で道に迷った旨を告げると快く泊めてくれることになった。
食事の時に広間にはやはり30人ほどの人間がいて幼子から若い女性まで年齢は様々でいくつかの家族がまとまって暮らしているらしかった。
そして何事もなく次の日を迎え
帰りの道を教えてもらいいざ屋敷を去ろうとしたとき主人が
「ここで見た事を誰にも話してはならん。営林署にも街の役人にも俺達の手下はいる。
長生きしたければ大人しく言うことを聞いいた方がいい。」
と言い出したらしい。
主人の顔が余りに真剣であったこと、また話してもいない自分の職場の名を出されたことで
職員は怯えてしまい、70を過ぎ平成の世になるまでその話は胸に秘めていたそうだ。
A県には隠し村の噂もあったりするようなのでちとビビった、て話
511: 本当にあった怖い名無し 2005/06/28(火) 14:54:02 ID:59rQ+2k80
>>510
乙です。
日本にもまだまだ怖い話がありますね~。
現在でもその屋敷はあるんでしょうか。
512: 本当にあった怖い名無し 2005/06/28(火) 15:37:21 ID:/pIcm05U0
マヨイガ
鹿児島。昔話なので、江戸時代くらいの話だったと思う。
ある男が山(どの山だったのかは不明)に入って道に迷い、一軒のの大きな屋敷にたどり着いた。そこは山奥とは思えないほど美しい屋敷で、中に住んでいた人たちもみな美しい衣をまとい、美味珍味が山ほど供されたという。
やがて男がその屋敷を後にして里に戻るときに、何やら一冊の書物を渡された(んだったか盗んだんだったか)が、その書物はセミの羽のような素材でできており、そこに書かれていた文字は誰にも読めないものだったらしい。その書物は近年まで残っていたが、戦争で焼けてしまったらしい。
20年以上前に読んだ本(鹿児島県の伝説・民話系)なのでうろ覚えなのだが。
513: 本当にあった怖い名無し 2005/06/28(火) 15:49:30 ID:TX3d5xQ10
>>512
遠野(東北)のマヨイガみたいな話だな。不思議
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