900: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 02:59:08.71 ID:+HILaFa/0
とある地方都市。
当時は現代風に言えばナンパ族()ローリング族()等々が、
夜になると駅前近辺に混在してた頃。
その頃は複数の連れと冷やかしがてら、よく出張ってた。
その日は翌日が休みという事もあり、いつもより多めの人出だった。
「ポコペンやろうず」って事になったんで、
近くの病院の正面駐車場(昼間は係員がいるけど、夜は開放している)に車を置き、
多分10人くらいでしばらく遊んでた。
その中に春に女子大生になったばかりの女の子2人がいた。
この子達はいつも会うので仲良し&片方は19歳になるかならないかなのに、
ものすっっっごい色気+超美人+性格良くて、地元情報誌のモデルもやってた。
三瀬真美子似なので以降は三瀬(仮)と呼称。
相方はまぁ…なんというか、残念てほどではないが…ん~、ありがちなレベルww(ただし性格は良し)。
前田敦子のニキビ多めっぽいんで、以降敦子と呼称。
901: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:01:44.33 ID:+HILaFa/0
で、あれこれ遊んで夜も更け(1時過ぎだと思う)、そろそろ解散しよかって流れに。
「じゃーねー」「おやすみー」「またねー」それぞれ思い思いに帰途につく。
俺はその時、高校時代の連れを乗せてきてたんで、送るために一緒に駐車場へ。
女子大生コンビも同じ場所に停めてたそうで、こちらも一緒に歩く。
駐車場に着き「じゃまたー」「気をつけてねー」などと挨拶を交わし、エンジン始動。
当時乗ってた車は280km/h出せる、今で言うDQN仕様というか、結構賑やかな排気音がするものだった。
「キュキュッ ボンッ ドゥドゥドゥ…」このセル、点火、排気音の途中に
「キャー」か「ワーー」みたいな感じで歓声が紛れ込んだ。
この大きい排気音でも聞こえるってのは相当デカい声なはず。
連れと「なんか盛り上がってんなwww」などと言葉を交わしたところで、
車オーナーのブs…敦子がダッシュでこちらへ。
902: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:03:23.38 ID:+HILaFa/0
俺ら「どした?」
敦子「車…」あとは絶句。
イタズラでもされたのかと思い連れと敦子の車へ。
助手席のドアは開いたままで、少し離れた所で三瀬が座り込んでる。
静かに号泣(器用)+残像拳かってくらい震えてる。
リアルgkbrて初めて見たwwww
などと笑ってる場合でもないらしいのはすぐに理解した。
どうやら敦子も原因がよく分からないらしいので、
優しく肩を抱きながら(←重要)聞いてみると三瀬いわく、
「助手席のドア開けたら、知らないオッサンが「なぜお前がここにいる?」とすごんだ」と言う。
てか、シャンプーの香りがいいなwww相変わらず巨乳だしww等とのん気に構えてた。
903: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:04:50.48 ID:+HILaFa/0
もちろん、Fカップ三瀬を脅す不遜なオッサンなんぞ影も形もないし、
敦子も見てないと言う。
落ち着かせてよくよく話しを聞いてみると、
どうやら普通は見えないオッサンに言われたそうだ。
笑い飛ばしたいところだが、俺も多少だが見える(その時は全く感じなかった)ので、
言われてみれば病院の前だし、人の生き死にに関係する場所だ。
色々見えてもおかしくはないなと思い、はよ帰りなと促した。
三瀬「だが断るっ!」
そりゃそーだw
考えてみりゃ、さっきまで人じゃない知らんオッサンが勝手に座ってたシートだものw
なので出た折衷案が俺の車に三瀬、敦子の車に連れ。
それで敦子のマンソンへ行き、敦子の部屋に三瀬を置いて俺の車で連れと帰路へ。
三瀬は敦子大好きで入り浸り。
自分のアパートは近所だが着替えに帰る程度らしい。
904: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:05:55.68 ID:+HILaFa/0
出発~到着。
そしたら連れが降りて来て、
「明るくなるまで一緒に部屋にいるべって事になりますたwww」
「いいぞw連れww」←俺の心の声
で、明るくなるまで話したり(霊の事には触れないでいた)、
酒飲んでた(当時はおおらかな時代でしたゴメン)。
その後、連れを送り届け俺も帰宅。
朝方就寝…したのだが、これが眠れん。
どう頑張っても30分も寝てられない。
と言うのも、三瀬が困ってる夢を連続で見る。
具体的にどうのって夢じゃないんだけど、とにかく困ってるという夢。
しかも起きる→寝る→起きる→寝る→起きる→寝る→を繰り返したところで、
さすがにこれはおかしいなと思い、夕方敦子マンソンへ電話してみた(当時携帯?なにそれおいしいの?)。
案の定、敦子が「三瀬がおかしい。どうしたらいいか分からなくて、俺さんへ電話しようと思ってた」。
905: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:08:48.26 ID:+HILaFa/0
夜に敦子マンソンへ到着。
ドア開けるやいなや敦子が
「三瀬ちゃん、今さっきまでおかしくなってた。」
「今は元に戻ってるけど、何回かおかしくなった。」
あまり要領を得ないんだけど、どうやら憑依→解除→憑依→解除の繰り返しみたい。
三瀬に憑依状態に意識はあるの?と聞いてみたら全然ないそうだ。
その間の会話等、微塵も覚えてないとの事。
しかも寝ていると三瀬の夢に件のオッサンが出てきて
「逃がさない…絶対に殺してやる」
など物騒な脅しをされるらしい。
見える人間見つけて、マンソンまで憑いて来ちゃったワケです。
906: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:10:18.98 ID:+HILaFa/0
三瀬が「寝るのが怖い」と言うので、夜は俺が寝ないで一緒に敦子のマンソンで過ごす事になる。
日中は大学あるし、友達が沢山いるから大丈夫だろうとの事。
で、何日か夜勤してると、当然その間に何度も憑依される状態が繰り返される。
ヒマだったし、興味深い事もあり色々聞き出してみた。
話によると、憑依されてる間の記憶はないが、そのせいなのか相手の事が少し分かったそうだ。
オッサンは40代で、少し前(どのくらいなのか分からん)に心筋梗塞で死んだとの事。
なぜ自分が?死にたくなかった等、まぁ逆恨みと言うか知らんがな(´・ω・`)状態。
それから、三瀬は昔から霊感強めな人なんだと。
県内トップレベルのスポットに行けば、何百メートルもの石段の両脇にビッシリ座ってる罪人が見えたり、
中学の時に電車に飛び込んだ先輩が尋ねてきたりと、
大小その手の話しには事欠かないらしい。
907: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:11:20.50 ID:+HILaFa/0
だが状態は段々悪化し、講義中にうたた寝した僅かの時間にすら、
夢で心臓を刺される等殺されるという事態に発展。
「きゃーーーー」って叫びながら講義中に飛び起きたりしたそうです(敦子その他談)。
歩いてるのを見てると、
マンソン前の国道でフラフラと車道へ飛び出そうとして、慌てて敦子に腕を引っ張られる等
ちょっとシャレにならん程になってくる。
908: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:12:40.96 ID:+HILaFa/0
そんで1週間くらい経った頃に、決定的な事態が起きますた。
いつも通りの夜勤、夜中の3時半くらい。
あれこれ他愛も無いこと話してたら、たまたま俺が当時ハマってるCDの話しになった。
聞いてみたいと言うので、車から持って来て聞く。
「あらステキ、いいね」
てな感想を言う。言う。言う。言う。おい?
三瀬に目線を向けると、
なにか本能的に「マズい!!!!!」と思わず目を逸らしてしまったんだが、
なんていうか、説明が難しいんだけど、ただただ単純に「 怖 い 」目をしてコタツの天板を睨んでた。
909: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 03:46:40.27 ID:Q41SSbsK0
しえん?
910: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:33:10.40 ID:+HILaFa/0
すみません、さるでした。
続き
こう言っちゃなんだが、俺はへたれな部類には入らない(はず)人種です。
一族の半数は反社会勢力だったりするんで、
幼い頃から怖い方々には免疫ありますし、
問答無用で目を逸らしちゃう事って記憶にないんですけど、
なにか分からないけど、とりあえずごめんなさいってオーラを撒き散らしながら、
三瀬が今度は自分の巨乳(と言うか、限りなく体の真ん中に近い部分)を血がにじむほど握り締めてる。
911: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:34:46.39 ID:+HILaFa/0
そしてかすれた声でぽつりと
「苦しい…」
え?リアルで苦しいの?覚醒してる状態なのに?え?えぇ!?
にしても、乳でけぇwwwつりがね型もグッドwwwww
などとアホな事考えてたら、
更に今度は苦悶の表情のまま
「え?なに?うん…え?でも…分かった…え?今?」
と、ボソボソと今度は誰かとお話し始める始末、俺涙目wwww
912: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:35:57.26 ID:+HILaFa/0
そのまま玄関へフラフラと歩き始め、サンダルを引っ掛けて外へ出る。
もちろん放っておけないので俺も続く。
三瀬は3階の部屋から階段を使い、1階へ降りそのまま歩き続ける。
その間、相変わらずお話中。
そのまま夜中でも大型バンバン走ってる国道へ。
さすがに止める…のだが、力がハンパじゃない。
筋骨隆々とは言えない俺だが180cm70kgは150cm代の女に力負けは普通しない。
それが引きずられる!
おいおいマジか!?
913: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:37:21.34 ID:+HILaFa/0
至近距離を大型がクラクション鳴らしながらすっ飛んでく。
本気で身の危険を感じたんで、羽交い絞め状態で足を浮かせマンソン方向へ引き戻す。
身長差を生かして、足が地面に着かないように持ち上げてるので反力もクソもない。
背筋が寒くなるのは、決して彼女は暴れてるワケじゃない事。
静かに力強いの。
振りかぶったり、勢いつけたりっていう予備動作が全くないの。
それなのに2回りも大きい人間が本気にならないととめられない力が出てる。
914: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:38:12.93 ID:+HILaFa/0
彼女をなだめながら、これはさすがに…と思い、お祓い行く事を考えてたら、
三瀬が唐突に
三瀬「あれ?なんで外にいるの?」
とぼんやり話す。
どうやら意識が戻ったみたい。
とりあえず一安心だなと思い「ふぅ」と一息つき、
俺「部屋に戻ろうか」
と三瀬の手を取り階段へ向かった次の瞬間、残像拳発動。
915: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:43:30.62 ID:+HILaFa/0
俺「どうしたの?大丈夫?」
の問いに対して三瀬が震えながら一言
三瀬 「 そ こ に い る 」
俺、本日2度目の涙目ww
そして、再び見えない何かと話し始める。
今度は俺がビビリながらも三瀬の会話に割り込むように話しかける。
俺「三瀬ちゃん、なんて言われてるの?相手は誰?なにをして欲しいの?」
三瀬「分からない、よく…聞こえないの。なんか…聞きづらいラジオ…みたいな感じ?」
916: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:46:08.86 ID:+HILaFa/0
その間も震え続ける三瀬。
そして1階の階段脇を指差し
三瀬「俺さん、見えないの? そ こ に 立 っ て る よ 」
続く言葉が
三瀬「え?なに?なんか…え?すっごい笑われてる」
平日の夜中と言うか、まだ真っ暗な朝方の4時近く。
そんな時間に笑いっぱなしの女なんかいるはずない、いるワケがない。
だが聞こえる。
俺にもはっきりと。
起こってる事が信じられなかったが、俺はおかしくないし、狂ってもいない(はず)。
917: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:48:09.38 ID:+HILaFa/0
俺の真後ろなのか、100mくらい先の公園なのか、距離感が全く掴めないのだが、
確かに笑ってる。
笑ってると言うより、哄笑ってヤツかな?
なにかTV見て笑うとか、友達とバカやって笑うっていう類じゃない。
言い方は悪いがキチガイが笑ってるような感じ(実際見たことはないけどね)。
で、すぐに気づいたんだけど(気づかなきゃいいのにw)、
笑ってるのは絶対に人間じゃない。
普通、人が笑うと
「あはははwww」
こんな感じ。
918: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 04:51:04.21 ID:Xa6yYyfk0
しえん
919: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 05:53:26.55 ID:+HILaFa/0
件の笑い声は
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
息継ぎしないの。声が途切れないの。女が狂ったように全力で笑い続けてるの。
モウネ…生まれて初めて、恐怖で髪の毛が逆立った。
920: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 05:55:31.06 ID:+HILaFa/0
だが、いつまでも外にいる訳にもいかないし、
なにより怖いんで哄笑を聞ききつつ、
二人でgkbrしながらなんとか部屋に戻り二人でしばし無言。
ふと三瀬がコタツに置いてるCDを見て
三瀬「これは?」
俺「ん?さっき聞いたじゃん。」
三瀬「あ、そっか…?」
921: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 05:57:03.22 ID:+HILaFa/0
明るくなり、敦子起床。
三瀬がシャワー浴びてる最中に敦子に
俺「俺が出すから一緒に三瀬ちゃんをお祓いに連れてこう。ちょっとマズいわ。」
敦子「分かった。」
俺「日どり決まったらもう一度話すね。」
彼女らが講義に向かうと同時に、帰宅した俺が昔ちょっとお世話になった事のある霊能者に朝一で電話。
霊能者いわく
霊能者「すぐにでも連れて来て下さい。(三瀬ちゃんに)この事は話さないでね。
気づかれると嫌がったり、最悪どこかへ逃げ出したりする場合があるから。」
その翌日にお祓いに行く事に決まり(前もって敦子に休講日を確認しておいた&お祓いも予約済み)、
俺、三瀬、敦子の3人でデートという、よく分からん口実で出発。
922: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 06:00:12.04 ID:+HILaFa/0
霊能者も霊もすげーww
祈祷所に近づくにつれ、段々口数が減り
三瀬「帰らない?帰ろう?行きたくない!降ろして!!」
と徐々にヒートアップw。
着いたら今度は車から降りたくないと言う。
引きずり出すように降ろしたあたりで、霊能者登場。
三瀬硬直wwwwカエルかww
で、やっとこ中に入ると時系列で説明。
大体の事は分かったと言いお祓い開始。
よく見る感じで、お祓い中は結構嫌がる。
が、なんとかお祓い終了。
923: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 06:02:54.86 ID:+HILaFa/0
三瀬がお札(お守り?)を渡されたんだけど、
その時に霊能者が、
霊能者「今、お祓いしたからこの瞬間から効力が出るワケではないです。
効きはじめまで時間が掛かる場合もあるのでそこだけ留意して下さい。」
俺三瀬敦子「ありがとうございました。」
霊能者「あ、それから」
俺三瀬敦子「はい?」
霊能者「 三 瀬 さ ん に は 6 人 入 っ て ま し た か ら 」
俺「くぁwせdrftgyふじこl!」
敦子「ふじこふじこ!!」
三瀬「ふじこっこーーーーーー!!!」
925: 本当にあった怖い名無し 2013/09/01(日) 06:09:59.12 ID:+HILaFa/0
大昔の話しです。
もう全員いい大人ですし、交流は途絶えて久しいですが、
風の噂では皆幸せに暮らしているようです。
ちなみにその病院は現在は移転しており、
跡地は公共施設になっていますが、
色々な噂が絶えませんwwww
支援ありがとうございました。
また、至らない所が多く申し訳ありませんでした。
940: 本当にあった怖い名無し 2013/09/03(火) 00:29:42.59 ID:gD69vuxu0
「したらば」から転載
泥人形と"にえ"
小学校の3・4年生くらいのときだったと思う。
当時もゲームはあったけど、まだまだ外で遊ぶ子どもが多かった時代。
俺も学校から帰るなりランドセルを放り出して外に遊びに出た。
だれかと約束してるわけじゃなくて、学校と家の中間地点にある公園に行くと、
たいがいは何人か子どもが集まっていて、同学年のやつが多ければそいつらと遊ぶし、
違う学年の子がパラパラといるような状況なら、
上級生が何かみなでできる遊びを考えてくれたりもした。
夏頃のことだったと思うけど、その日は公園に行ってもだれもいなかった。
しかたなく自転車を置いてブランコに乗っていると、男の子が一人来た。
それは俺とは同じ学年だったけど違うクラスのやつで、
家も近所ではなくどうにか顔を覚えてる程度。
この公園でも前に見かけたことは一度もなかった。
だから最初は話すこともなくて2人で並んでブランコをこいでいた。
けどその日はいつまでたっても他の子どもがやってこない。
するといきなりそいつが「面白いこと教えてやるよ」と言って、誘われて近くにある神社に行った。
941: 本当にあった怖い名無し 2013/09/03(火) 00:30:14.85 ID:gD69vuxu0
神社はちょっと小高くなった住宅地の中にあり、その一帯だけ少し林になっていた。
赤い鳥居がたくさん並んでいたからお稲荷さんだったんだと思う。
小さいところで、ふだんは常駐している人もいなかったはずだ。そのときにも人の姿はなかった。
自転車を平らな場所に置くと、そいつは鳥居のある石段の参道を通らず、
ササの斜面を駆け上がって落ちていたペットボトルを拾った。
何をするのかと見ていたら、そのまま境内の手水場に行って水道からペットボトルに水をくみ、
「こっち、こっち」と言いながら右脇のほうから高くなっている社殿の床下にもぐり込んだ。
俺は神社に一人で来ること自体始めてだったし、当然お参りするものだと思ってたから、
お賽銭はあげなかったし手も叩かなかったが、
拝殿の前で形だけ手を合わせてからそいつの後に続いた。
高床といっても床下はクモの巣だらけで高さは1mもなく小学生でも立ってはいられない。
そいつは斜めから日が差し込んでいるところと暗いところの境目あたりにいて、
下の地面にペットボトルの水をこぼしていた。
「何すんの」と聞いたら「泥で人形を作るとちょっとの間生きてるんだよ」と言った。
意味がわからないでいると「やってみせるよ」と水を注いだ上に土を集めてこね始めた。
土といっても灰色がかってかなり細かかったが、すぐにねばりがでてきて人の形になっていった。
かなり慣れているみたいだ。
942: 本当にあった怖い名無し 2013/09/03(火) 00:31:02.65 ID:gD69vuxu0
もちろん人形といっても芯のないただの泥土だから手足を長くすれば折れてしまうし、
ヒトデみたいなものなんだが、そいつは「さあできた」と言って人形を地面に置き、
「こうしないとダメなんだ」と、
外から松葉のようなのを拾ってきて顔の部分にぽち、ぽちと目の穴を開けた。
するとその10cmばかりの泥人形が、
バネでも入っているようにぐいんと上半身を起こして座った形になった。
「えっ、嘘!」と思わず声を出してしまった。
人形はそのまま立ち上がり、
奇妙な踊りのような格好をするとそのまま前にぱたっと倒れて動かなくなった。
「これだけなんだけどね。やってみれば」そう言ってペットボトルをよこしたんで、
俺も土を湿らせてやってみた。
粘土よりもずっと粘りがなくてだ円形に数センチの手足の突起をつけるしかできなかったけど、
こねている土がだんだん熱くなってきた感じがした。
だいたい形ができると、そいつが「自分で目を入れなくちゃダメじゃないかな」と言って
松葉をわたしてよこしたんで、さっきやってた通りに顔にあたる部分に2つ目を入れた。
そのとき差し込んだ松葉からものすごく嫌な感じが伝わってきて手を離すと、
下に落ちた人形がビョンと跳ね上がって真ん中あたりで前後に数回折れ曲がり、
前のめりの形でぽっきりと折れた。
943: 本当にあった怖い名無し 2013/09/03(火) 00:32:52.01 ID:gD69vuxu0
そのとき、床下の神社の中央部分あたりから急に湿った風が吹いてきた。
そっちを見たら暗い中に青白い光が二つ、何か生き物の目だと思った。
急に心臓がドキドキしてしかも胸が痛くなってきた。
ここにいてはいけない、という気が強くしたんで「ごめん、もう帰る」と叫んで床下から走り出た。
そいつを一人残して石段を駆け下り自転車に乗って家まで帰った。
息はきれていたが胸の痛みはなくなっていた。
その後学校ではそいつと顔を合わせる機会がずっとなかったし、公園でも見なかったんだけど、
体育祭かなんかの臨時の実行委員会でいっしょになった。
その帰りにそいつのほうから寄ってきて、
「この間泥人形やっただろ、あれもっと長く動かせるようになった。にえが必要だったけどな」
と早口で話しかけてきた。
「・・・にえって何?」と聞き返すと、
「カエルとかフナとか、生き物の内蔵を土に練り込むんだ。
そうすると・・・長く生きてる。1分以上は踊ってる」
「・・・どうしてそうやればいいってわかったの?」
「お告げがあるんだよ。次はこうしろ、これをやれって」
あまりに常軌を逸した話だったんで「嘘つくなよ」と言い返したいとこだったが、
この間たしかに泥人形が動いたのを見ている。何だかわからないものの気配も感じた。
それにこの話をしているそいつの目や息づかいから、子どもとは思えない冷たいものを感じて怖くなった。
だから「もう一度、いっしょにやろう」という誘いに生返事をして、逃げるように別れて家に帰った。
944: 本当にあった怖い名無し 2013/09/03(火) 00:36:13.99 ID:gD69vuxu0
ひと月くらいして、そいつは学校に来なくなった。
他のクラスのやつの話では、授業の時間はバケツを持って山や川に出歩いているらしかった。
学校の帰りに、釣り竿をもったそいつが自転車に乗ってるのを見たというやつが何人かいた。
「にえを捕まえてるんだろうか」そう考えるとますます怖くなり、一度でもかかわったことを後悔した。
それから10日くらいして、台風の接近のために学校が午前中で終わった日の午後、
大雨の中であの神社の神木に落雷があった。
近くの消防団が駆けつけたが、雨のせいか火事にはなっていなかった。
薄暗い中で、消防団の一人が神社の床下から子どものような足が片方出ているのを見つけた。
そいつが死んでいた。
ここからは子どもの噂なので、真偽のほどはわからない。
むろん警察や目撃者、そいつの親なんかは状況を知ってるだろうけど、確かめたことはない。
まあ漏れたとすればこの人たちからだから。
そいつは雨ガッパを着ていたが、
露出している手や顔の部分には直径5mmくらいの穴が数えきれないほどあいていたという。
ただそれらは命にかかわるほどのものではなく、
病死した後に小動物にやられたという結論になったらしい.。
床下はむっとする生臭さで、そこらじゅうに魚や蛇などの頭が落ちていた。
そしてそいつが倒れていたところから神社の床下の中央部分に向かって、
何百体、もしかしたら千をこえる数の泥人形が積み上げられていた。
964: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 04:52:17.73 ID:qslrbpYe0
「したらば」から転載
引越のバイト
某引越センターでバイトしてたときの話。
朝に支所に行けば当日の仕事内容の割当がわかるんだが、
その日は一軒家の長距離で手当がついて1万円以上になる。
バイト4人で午前中に荷造りをして10tトラックに積み、片道4時間ほどの距離。
運転手は正社員の山田さんで、俺が補助として助手席に乗り込んだ。
荷の降ろしと運び込みは向こうの支所のやつがやる。
で、帰りはやはり遅くなり夜の8時頃高速を走ってた。ここらは車通りはほとんどない。
かなり疲れていたが乗車中寝てはいけないので山田さんにときおり話しかけていると、
合流で大型トラックが前に入ってきた。ボデイはアルミのような色をしていて商用には見えない。
後部ドアに黒で大きく紋章のようなものが入っていた。
それを見て山田さんが「うーん」と困ったようにうなった。
俺が「変わってますね」と言うと、
「あの紋章は◯◯教のものだよ。さっきのインターチェンジ下の支部から来たやつだろ」
「今、うなりましたけど?」
「いや、前もいっしょになったことがあって、そんときに変なものを見た」
「変なものって?」「・・・言っても信じないと思うが、またあるかもしれん」
965: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 04:52:51.01 ID:qslrbpYe0
そのトラックもリミッターが入ってるらしく、80mほど前をゆっくり走っていた。
20分くらいついていったら、なんだかさっきと比べてトラックの形がゆがんで見えてきた。
飾りもなく四角かった後部がいびつになったような感じだ。
「ああ前と同じだ。ちょっと寄ってみるか」山田さんはそう言ってリミットまでスピードをあげた。
だんだん細部がはっきり見えてきて「えっ!」と驚いた。トラックの鉄板の表面に顔が浮きだしていた。
顔は輪郭だけで、内部から人面の型を押しつけてたたき出してるような感じだ。
と、見ているうちに「にゅぼっ」と一つ顔が出てきた。
はっきりとはしないが側面や上部にも出ているようだ。
顔は目の部分がくぼんでいて、口はそれよりも大きくくぼんで、しかも何かを叫ぶように動いていた。
「何ですあれ?」俺が聞くと、「わかるわけないだろ。まあ見てれば次の段階にうつるから」
「次の段階・・・?」トラックは全体に顔が浮きだして、いぼだらけの皮膚のように見えた。
それから5分くらいすると、トラックの下部から犬のような黒い影が這い出してきて、
重力を無視するように車体を垂直に登っていった。四つ足の黒い影は次から次へと出てきた。
20匹くらいか。トラックの車体上に散らばると、浮き出た顔を囓り始めた。
囓られた顔は泣き叫ぶようにゆがんでふっと消える。見ているうちに顔はなくなっていった。
するとトラックの天井に集まっていた影の獣たちも、八方に分かれてトラックの下部に消えた。
が、後部下にもぐろうとした一匹がふっとはずれるような形で道路に落ち、
それはぐるんぐるんと道路上で回転してまた浮き上がり、俺らのトラックに迫ってきた。
966: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 04:59:55.77 ID:qslrbpYe0
大型犬ほどの影がフロントガラスに当たった、と思ったが衝撃はなく、
ガラスには縦長のお札が一枚貼りついていて、しばらくパタパタしていたがはがれて後ろに飛んでいった。
お守りには読めない字で何か書いてあって、黒いヒモがついていた。
山田さんが「・・・終わったみたいだな。質問するなよ、わかんないから」と大声で言った。
それでも俺が「前のときも同じだったんですか?」と聞くと、
「そうだ・・・何かたいへんなものを運んでるんだろうな」と一言だけ答えてくれた。
宗教団体のトラックはそれから10分ほど前を走って、インターで降りていった。
俺はその夜から高熱を出し、バイトをしばらく休んでしまった。
969: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 12:16:22.77 ID:qslrbpYe0
「したらば」から転載
あと17時間ちょっと
ちょっと差し迫った話があるんで聞いてもらえるかな。
思えば昨日の会社の帰りから始まったんだと思う。俺は電車とバスを乗りついで帰宅するんだが、
バスの下り口で料金箱に回数券を入れたとき、運転手がこちらを見るともなしに、
「あと17時間ちょっと」と小声で言ったんだよ。
そのときは俺に言ったんじゃなくて、なんかのひとり言だろうと思った。
目も合わせないし、あとに言葉が続いたわけでもなかったから。
時間は8時ちょっと過ぎくらいだったと思う。
それで家に帰って飯食ってから下の子を風呂に入れてたら、
3歳の男児なんだけど、浴槽ではしゃいでたのが急に黙って「あと16時間ないね」と言ったんだ。
そのとき「あれ、こいつ時間なんてわかるのか」と疑問に思ったんで、
「16時間て何のこと?」と聞き返したら、きょとんとしてる。
で、「何にも言ってないよ」という答え。
「でも今、時間のことしゃべっただろ」「知らない」こんな感じ。
まあ無意識にテレビで聞いたことを言ったのかもしれないと、こんときもあんまり気に留めなかった。
970: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 12:16:54.31 ID:qslrbpYe0
んで今日の朝、電車でラッキーにも座れたんで目を閉じてたら、
すぐ耳元で「5時間切りました」という女の声がする。
「あ~れまた時間だ」と思って声のしたほうを見ると、
隣で30代くらいのOLが下を向いて文庫本を読んでて、こっちに話しかけた雰囲気はまったくない。
今思うと、気になりだしたのはこのときからかな。
朝の8時半くらいだったから、5時間後といえば昼の1時過ぎってことになる。
で、昨日のことを思い返してみると、バスの運転手や息子がつぶやいた時間と合ってる。
奇妙だけどこのときは面白く感じたんだよ、まだ。
会社に着いて少ししたら関連会社から来客があり、小会議室で打ち合わせしようとした。
するとそいつがカバンから書類を出しながら、「3時間くらい」とぼそっと言う。
こんときには「おっ来たな」という感じで、年下でわりに親しいやつだったから、
「今、3時間って言ったよね、それ何のこと」と聞いてみたんだ。
「・・・え、そんなこと言いましたか。いや言ってないですよ」
「いや確かに聞いたんだけどな」
「昼休みまで3時間もないですよね。でもそんなこと言ったかなあ」
と、わけがわからないといった様子だったんで、「いや、いいよ。自分の勘違いかもしれない」
と答えるしかなかった。
971: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 12:17:29.57 ID:qslrbpYe0
それでついさっき昼は社員食堂で済ませたんだが、定食の列に並んでオバサンに皿を渡されるとき、
「もう1時間です・・・・ぬまで」と鼻歌のような感じに言う。
語尾がよく聞き取れなかったんで、「ん、何です?」と聞き返したけど、
「えっ・・・何にも」という、これまでと同じ反応。
予想はついてたんで、そのまま箸なんかを取ってテーブルに座ってから、
「あと1時間・・・ぬまで、ぬまで、ねえ・・・・・・死ぬまで!・・・まさか」
しかしこう思いあたると、たしかにそう言ったとしか考えられなくなってきた。
で、1時になってから仕事をしないでこれを書いてるんだ。
だれかこういう経験した人っています?いたら詳細を聞きたい。
973: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 15:16:26.67 ID:cUcrKs9U0
「したらば」から転載
24年前の荷
8年ほど前、俺が高校生でまだ実家にいた頃のことだけどな。
夜中の2時近くだったから家族は全員寝てて、俺だけゲームやって起きてたんだよ。
すると玄関のチャイムが鳴ったような気がした。
俺の部屋は階段をあがってすぐなんでよく聞こえる。
それで、こんな時間にだれか来たんだろうかと思って降りていったんだ。
そのときは怖いという気持ちはまったくなかったな。
行ってみると、玄関の曇りガラスの戸ごしに外にだれかが立っているようにも見える影がある。
で、インターホンで「どなたですか?」と尋ねると、やや間をおいてから、
「・・・ご当主様ですか」という声がした。
インターホンを使ってるんじゃなくガラス戸ごしにしゃべってるんだけど、
大声ではないし、今思い出しても男か女かもわからなかった。
俺が「いいえ息子ですが、何でしょうか?」と返すと、
「・・・跡継ぎの方ですね。・・・もうすぐ24年前に出した荷が届きます。第一便です。
ここで待っていますか?」そう言ってふっと気配が消えた。
974: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 15:16:57.03 ID:cUcrKs9U0
「おっかしいな・・」と思って外に出てみようとしたら、ダガーン!とすごい音がした。
驚いてサンダルを履きかけてたのを脱いで廊下に上がった。
二つの丸い光が、ガラス戸ごしに近づいてきて一瞬で玄関が壊れ、
目の前に小型トラックが飛び込んできた。俺は後ろにひっくり返るように倒れそのあと記憶がない。
・・・気がついたら病院にいた。
脳震盪と右の足首の骨折、それから下半身のあちこちにガラスによる切り傷をうけていた。
あとで聞いたところでは、居眠り運転のトラックが一度電柱に激突して、
それから俺んちに突っ込んだみたいなんだ。
運転手もかなりのケガをしたらしかったが命に別状はなく、
後でそこの会社の社長が謝りにきた。玄関はすべて相手持ちで弁償してもらって新しくなった。
入院中に「なんで玄関にいたんだ」と両親に聞かれたんで、あったことをそのまま話したら、
親父は「寝ぼけたんじゃないか」みたいな反応だったけど、
母親は24年前という俺の言葉を聞いてちょっと顔色が変わった。けど何も言わなかったな。
その後、俺は大学に進学して実家を出、そっちで就職した。
あれは何だったんだろうといまだに不思議だけど、特に「第一便」という言葉が気になる。
これまでのところは俺も実家のほうもなんともないが・・・。
975: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 16:16:41.76 ID:cUcrKs9U0
「したらば」から転載
左手首
親しくなった下請けの社員とプライベートで飲みにいったときに聞いた話。
そいつが小学校4年生の頃だったそうだ。
土曜日の午後に遊ぶ約束をして、友だち数人と近くの公園で待ち合わせた
公園といってもいくつか遊具があるだけで砂場には幼児がいるし、
野球なんかは当然禁止されてるので、
ベンチで少しだべってから誰かの家に行ってゲームをする予定だったという。
自転車を置いて公園に入ってみるとまだ友だちは誰も来てなかったが、
シーソーの横に新しい遊具があるのを見つけた。
それは半径50cmくらいの土管をH字型につなげたもので、1mくらいの土台の上に置かれてる。
あとH字の中央に2箇所上に出られる短い管もついていた。
鮮やかなピンク色に塗られていたんで、きっと小さい子がくぐって遊ぶものだろうと思った。
で、見てたらなんだか入ってみたくなった。
Hの4つある入り口のうちの一つから入って途中のたて穴から顔を出し、
入ったのと反対側の穴の一つから出る。
それだけのことなんだけど、穴のふちに両手をかけようとしたら上手くいかず転げ出てしまった。
で、芝の上にうつぶせに手をついたときに左手の手首から先がなくなってることに気づいた。
976: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 16:17:15.56 ID:cUcrKs9U0
ひじょうに驚いたが、痛くもなんともなかったそうだ。
それに手首がなくなっている切り口も骨が見えたり血が出たりしてるわけでもなく、
アルミのお皿のように平らになって鈍く光ってる。驚いて立ち上がって土管を見ると、
上に出る短い管の縁を片手だけが握っていた。
他に入った子どももいなかったので、自分の手だと思って登ってみた。
確かに手首から先だけがそこにあるが、引っぱってみてもピクリとも動かない。
強く握ってるから動かないんじゃなく、まるで土管の一部になってしまったような状態だったそうだ。
かなりあせったけれど、さっき入った口からもう一度もぐっていって上をあおぐと、
左手の手首から先が下から見えたが、切り口はやはり銀色に輝いていた。
そのとき、もしかしたらと思って左手を上に伸ばしてみた。するとブウンというモーターのような音がし、
磁石がくっつくときのように軽くひっぱられる感じがして、ぴたっとくっついたのだそうだ。
すると指の感覚が戻ってきて、そおっと手を降ろしてみると何事もなかったようにつながってた。
土管から出て手首をよく見てみたが、傷のようなのもなかった。
そしたら今あったことが何か夢の中のような出来事のように思えてきた。
そのうち友だちがパラパラとやってきたが、どうせ信じてもらえないだろうと、
手首の話はしなかったそうだ。
977: 本当にあった怖い名無し 2013/09/07(土) 16:18:09.90 ID:cUcrKs9U0
飲み屋でここまで聞いて左手を見せてもらったが、
薬指の爪の上に絆創膏をしているだけで、まあ特に変わったところもない。
ちょっと信じられないが、作り話にしてはあまりに奇妙なんで言葉をつなげないでいると、
そいつは「一ヶ所だけのぞいて変なことはないです」そう言って絆創膏をとった。
すると爪が黄緑色になっていて、1cmばかりのちょうどもやしの芽のようなものが生えていた。
「あれ以来ずっとこうなんです。しょちゅう切ってるんですけど枯れることはないみたいですね。
親に見せたら医者に連れてかれたんだけど、植物ではなくて爪の形が変化してるだけなんだそうです。
実害はないんですが、伸びると何かが起こりそうな気もするんです」
「それから、公園はもうなくなってるんですけど、その土管は10年以上設置されてたと思います。
その10年の間に、その公園にいったという消息を最後に小学生が2人行方不明になってるんです。
いまだに見つかっていませんが、あの土管と関係があるような気がしてならないんです」
とつけ加えた。
980: 本当にあった怖い名無し 2013/09/08(日) 11:34:39.54 ID:H/hQA2ji0
「したらば」から転載
鬼の面
私は銀行でテラーをしていますが、不思議な出来事があったので投稿します。
私が勤務している支店では「こども絵画展」を主催したり、
ほかにも近辺のカルチャークラブ様の作品を店内に展示させていただいたりなど、
地域のみなさまとの親睦を深めるための企画があります。
先月は節分に合わせて学区の幼稚園の年長組の子どもさんたちが作った鬼の面を、
待合ロビーの壁に全部で40面ほど、3段にわけてはり出しました。
鬼の面といっても園児さんが作ったものですから、
最初から面の型に切り抜かれており目の部分の穴もあいていて、
それにクレヨンでまゆ毛を描いたり色をぬったり毛糸の髪をつけたりしたものです。
中に一面だけとても特色のある作品がありました。
ほとんどは地の色が一色程度なのに、
その面は深緑とこげ茶、黒が厚く何度も塗り重ねられて立体感が出ていました。
しかも本来の目の穴の上のまゆにあたる部分に、
真っ赤な目と黄色の縦長の瞳が描かれていたのです。
それを手にしたとき、
背筋がぞくぞくするような何ともいえない感じがしたのを覚えています。
他の行員もその面を見て強い印象を受けたようで、
「これすごいな」「幼稚園児が作ったとは思えない。鬼気迫るようだ」
「もしかしたら将来は岡本太郎のようになるんじゃないか」
などと感想を述べあっておりました。
981: 本当にあった怖い名無し 2013/09/08(日) 11:35:13.01 ID:H/hQA2ji0
この面は二十日ほど展示されていましたが、その間にさまざまなことがありました。
ロビーの長イスでこの面の正面近くに座ったお客様は、
面が目に入るとハッとしたような顔になります。
それから立ち上がって面のほうに近づいていきそうになりますが、途中でやめ、
離れた場所に席をかえてしまわれるのです。
ほとんどの方が同じような反応で、これは掲示してから3日目くらいに気づきました。
さして広くもないロビーですから席をかえても目には入るのですが、
その面の前の長イス3つで、そこだけ縦に人が座っていない状態が続きました。
また小さい子どもさんは、
同年代の子が作ったものであるせいかすぐに展示に興味をひかれるものの、
その面を見てしまうとくしゃっと顔がゆがみ、かといって泣き出すわけでもなく、
どんなにはしゃいでいた子でもひじょうに大人しくなってしまうのです。
いつもの月にくらべてロビーで具合が悪くなってしまったお客様も多かったと思います。
それと、これは関係がないかもしれませんが、
面を展示していた期間中、私も含めて業務上のミスが多く、
支店長からの訓示めいたことまでありました。
展示から10日くらいたって、他の面はなんでもないのですが、
その面だけ彩色が溶けたようになり、
目の縁や口の端からしずくとなって垂れ下がり、床を汚すようになりました。
これだけクレヨンでないのかもしれません。
そしてこれも偶然と思いたいのですが、
週2回派遣で来られている60代の清掃員の方が急にお亡くなりになったのです。
982: 本当にあった怖い名無し 2013/09/08(日) 11:36:10.25 ID:H/hQA2ji0
この面は何かがおかしい。そう気づいているのは私だけではないようでした。
窓口に出ている数人は絶対にその面の不気味さとよくない出来事の関連を感じ取っていたと思います。
でも昼休みや退社時などにも、だれもそのことを口に出す人はいませんでした。
私もそうでした。なぜだか、話題にしてはいけない、
言葉に出してはいけないという気が強くしたのです。
あと3日で展示が終わるという日でした。
その日私はロビーに一番近い窓口にいたのですが、
横の入口から黒いスーツを着た、普通の男性より頭ひとつ半くらい高い、
長身のお客様が入ってこられました。
50代くらいだと思いましたが顔にはしわがほとんどなく、
体格に比して小さい頭はオールバックになでつけておられました。
そのお客様は整理番号札を取りもせず、あのお面のほうに近づいていかれました。
長身のため、掲示してある面とその方の顔がほとんど同じ高さになっていました。
お客様はつぶやくように「ああ、ここにいたのか」こう言われました。
小さな声でしたが、お客様が面の前に立ったときから注意していた私には聞こえました。
そして両手で赤ちゃんを抱きとめるような仕草をすると、そのまま出ていかれました。
あまり不思議だったので、手が空いたときにロビーに回ってみました。
するとあの面の、色や造作には違いはありませんでしたが、
見るものをかき乱すような不吉な感じは消え去っていて、
ただの子どもが作ったお面としか思えなくなっていました。
983: 本当にあった怖い名無し 2013/09/08(日) 11:37:22.40 ID:H/hQA2ji0
展示期間が終了して幼稚園の先生がお面を取りに来られとき、
好奇心に負けてこのお面の話を出してしまいました。
先生はだまって話を聞いていましたが、
「これを作った子は、今児童相談所にいます」とだけ答えられました。
言ってから、ああいけないという顔をされ、
雰囲気が気まずくなって、お茶でもといったのを断って帰っていかれました。
これでお話は終わりですが、
いつも年金を引き出しにこられる顔見知りの女性のお客様から、
「あの化け物いなくなったんだね、よかったね」と帰りがけに言われました。
あのお面のことだと思います。
992: 本当にあった怖い名無し 2013/09/11(水) 03:30:30.42 ID:lW4jAii80
死んだことになっている
もやもやしてるし夜中だし寝れないし書くぞー!
って思ったんだけど凄い長くなって意味分からなくなったから、めっちゃ端折って書かせて。
4年会ってなかった友達Aとこの前再会した。
浮かない顔の友達A。
話をきいてみると、何故か友達Aは死んだことになっているらしい。
田舎育ちの私だけど友達Aはさらに急遽の田舎育ち。
実家には連絡も取らず県外で4年一人暮らししてたらしい。
ニートの友達Aが免許とろうと地元に帰って何だか忘れたけど役所に貰いにいったら自分が死んでたって。
んで、実家に電話するとA子は死にましたって言われたらしい。嗚咽交じりで。
何故か保険証は持ってなくて、学生でもないし、何の身分証明書もない。どうしたらいいのー!!!って言われた。
私本当に世界音痴?社会音痴?一般常識全くないからどうしたらいいのか分からず、色々試行錯誤した結果何もできずに解散。
気になって友達Aの実家に電話。
そしたらAママ号泣。
全然嘘ついてるとかには見えなくて、え?じゃあさっき会った友達Aは幽霊?ってレベル。
それでもどうすればってなってググ先に聞くも分からず…。
仕事から帰ってきた母さんに話すと「A子んとこはね、あんまりいいあれじゃないからねー。あんたも社会人なんだからそんなこと気にするひry」と言われ、詳しく聞くもだめ。
友達Aの幼馴染に電話したら「A子は死んだよ…」ってかなり低いトーンで言われて、死因については話したくないって言われた。
仕事のためにこっち帰ってきたんだけどやっぱり気になる…
こういう場合って役場に聞けばいいのか?葬儀屋?誰か教えてほしい。。
1000: 本当にあった怖い名無し 2013/09/11(水) 11:31:52.07 ID:J6PTMbhc0
実家に連絡とってなかったところに、
身元不明の遺体でも見つかって、Aと特徴が似てたから
Aだと思い込んで弔っちゃった…とか?
Aが生きてたことが証明できれば、死亡届は撤回できるはずだよ
996: 本当にあった怖い名無し 2013/09/11(水) 07:00:03.61 ID:Qx7Jh2of0
これってA子を実家に連れてけばいいんじゃね
A子にもう会えないのなら幽霊だろ