56: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:04:15.47 ID:TDBklIiv0
そんなある日のこと。
俺は年の近い親戚の子(島在住)から面白い情報を仕入れた。
祖母の家のある集落から少し山側に入った所にパイナップル畑が沢山ある。
畑の外れには傷付いて売り物にならないパイナップルが捨ててあって、
その山の中に大きなカブトムシやクワガタがいるという。
「でもな~、ホントに朝早いぞ。明るくなるとすぐにいなくなるから。」
「朝早くって、何時だよ?」 正確な時間が分からないとどうにもならない。
「う~ん、オレたちはラジオ体操の前に行くな。」
島に来た後も、ラジオ体操は何度か行った事がある。
祖母はもっと早く起きて出かけるから、たまたま眼が覚めた日に。
「ラジオ体操って6時半だろ。じゃあ、6時頃行けば間に合うかな?」
「明日の朝、一緒に行こう。初めてだと、危ないし。」
その子は得意そうに笑った。
57: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:05:49.41 ID:TDBklIiv0
翌朝、6時少し前にセットした目覚ましで俺は眼を覚ました。
寝ぼけ眼の妹を起こし、6時5分には祖母の家を出た。
祖母は何時も通り既に出かけた後だったから、色々聞かれる事もない。
待ち合わせ場所は集落の外れ、バス停の前だ。
車もほとんど通らない道路を渡り、山側に続く道に入る。
妹もすっかり眼を覚まして元気に歩いていた。やがて、パイナップル畑。
58: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:06:51.28 ID:TDBklIiv0
「良いか。直ぐに手を伸ばしちゃ駄目だぞ。」
「え、じゃあどうするの?」 「こうするんだ。」
運動靴のかかとで、捨てられたパイナップルの山を勢いよく蹴った。
バシッ!!、と湿った音の後に甘ったるい、ジャムみたいな匂い。
「こんな所には虫が集まって、それを食べる鳥も集まる。
そんでたまに、鳥を狙ってハブがいる。まあ、今日は大丈夫だな。」
上の空で、俺はその子の声を聞いていた。
だって、蹴り飛ばしたパイナップルの影に見えていたんだ。
大きなカブトムシ、赤茶色のノコギリクワガタ。その他にも色々。
デパートで売っているのを見た事しか無かったのに、それが眼の前に。
俺と妹は夢中になってカブトムシやクワガタを捕まえた。
上機嫌で祖母の家に帰った時。
59: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:10:56.25 ID:TDBklIiv0
「◎、ラジオ体操行かなかったんだね。★子も。
早起きしたのに、何処行ってた?まさか★子連れて、釣りに。」
見た事も無い、祖母の厳しい表情。
「違うよ。これ。○坊と一緒に。」 虫籠のカブトムシとクワガタを見せる。
「パイナップル畑に行ったんだね?」 「うん。」
「だから、まだ★子連れて水場に行っちゃ駄目だと言ったろう。あんなに。」
「でも、水場は。」 その時、思い出した。
確かに、パイナップル畑に続く道に沿って、小さな川が流れていた。
小さな橋が架かっていたけれど、その先が何処に行く道なのかは知らない。
「...ゴメン、でも、川があるなんて。オレ。」
★子を釣りに連れて行ったらダメなのは、
まだ小さいから万が一の事故で溺れたらいけないって事で、
まさか、あんな小さな、浅い川の事なんて。
60: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:12:53.06 ID:TDBklIiv0
「パイナップル畑の少し前に、橋があったろ?」
「うん、あった。」 それは古い、小さな木造の橋だったと思う。
「橋の近くで、何か変な音が聞こえなかったかい?」
「いや。何も。水の流れる音だけで。」
「そう。でも、これからは気を付けるんだよ。」
「何に、気を付けるの。」 もしかして、ハブよりも怖いものが?
「今日大丈夫だったんだから...でも、念には念を、だ。」
早起きして興奮したから疲れたのか、妹は畳の上で寝息を立てている。
祖母は遠い眼をした。
祖母の夫は病気で早死にしたから、
祖母や母たち(祖母の娘たち)は随分苦労したらしいのだけど、
その前は山沿いの斜面に広い棚田を持っていたと聞いた。
61: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:15:01.84 ID:TDBklIiv0
ここからが、祖母から聞いた昔話だ。
「あのパイナップル畑は元々みんな田んぼだったんだよ。
休みの日は自分も手伝いに行ったさ。遊ぶ暇なんか無かった。
それで、あれは、お盆の少し前だったかねぇ。」
背筋が冷える、でも今更『止めて』とは言えない。
「そう、小学校も夏休みで。
何時も通りに、朝早くお握りを持って田んぼの手伝いに行ったんだ。
それで、あの橋の傍を通った時、変な水音が聞こえた。」 「変な、水音?」
「そう、誰かが川の中で水遊びをしてるんだと思ったよ。」 「それで?」
「赤茶色の、絣の着物を着た姿が見えた。小さな子供くらいの背丈で。」
「そんな朝早い時間に、小さな子供が川で遊んでたの?」
祖母は小さく首を横に振った。
62: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:17:51.67 ID:TDBklIiv0
「今から、もう60年近くも前の話だから、今とは村の様子が違う。
村の人達はみんな顔見知りだし、顔を見れば何処の子か分かる。
親戚の子が遊びに来たとしても、その話は直ぐに島中に拡がるしね。」
そう言えば、俺と妹の事もその日の内に。
「でも、どうしても顔が見えないんだよ。着物の柄はハッキリ見えるし。
川の中で遊ぶ水音も聞こえるのに。何処の子か、分からなかった。」
「それで...どうしたの?」
「遠いのか、と思った。近付けば見えるかと。
橋を渡れば川に降りる道がある。それが、悪かったんだろうねぇ。
次に気が付いた時は家の布団に寝かされていたよ。
いつまでも手伝いに来ないのを訝った父親が探しに来て、
川の中に倒れているのを見つけたと聞かされた。」
63: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:19:56.59 ID:TDBklIiv0
「『それ』は一体、何だったの?」
「キジムナーって知ってるかい?」 「話は、聞いた事がある。」
『お前はキジムナーに呼ばれて遊んだ。たまたま一人だったから。
今回は間に合ったけど。もう、変な水音を聞いても川の方を見てはいけない。』
ユタにきつ~く言われたよ。お陰で少し、朝の手伝いは楽になったけどね。」
「それからキジムナーを見た事は?」 「ない。一度も。」
オカルトに興味があった俺は、思わず祖母に問いかけた。
「じゃあ、キジムナーと遊んだ時の事、何か憶えてる?」
祖母はまた、遠い眼をした。
「何だか楽しかった、気がするよ。でも。」
マズい。これは、ヤバイ奴だ。オカルト的に。
「一緒に行こうって言われたから...駄目って。」
やっばり、そうか。
64: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:22:33.04 ID:TDBklIiv0
「それで?」 『それじゃ、お前の子か、孫と。』
嘘を言っている顔じゃ無い。
既に陽は高く、クマゼミの声は祖母の声を飲み込む程で、それが益々怖い。
「きっとキジムナーなんて、迷信なんだよ。あの日の事は何もかも、気の迷い。
でも、もし、万が一にも◎や★子がキジムナーに。
だから念には念をと言うんだよ。分かるだろ?」
「うん。」 俺は大きく頷いた。
もちろん、それからは早朝の虫取りに行く事もなかった。
その後、俺たちより遅れて島に従姉妹(双子)が島に遊びに来た。
二人は俺より一つ年上。妹よりずっと美人で、俺は有頂天。
毎日毎日楽しく過ごして、祖母からそんな話を聞いた事はすっかり忘れていた。
虫取りでパイナップル畑に行く事も無かったから、思い出す必要も無かったんだ。
65: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:23:32.72 ID:TDBklIiv0
それから数年後。
ずっと本土で働いていた叔父(母の弟・祖母の末子で長男)が結婚して沖縄に戻った。
翌年、叔父の嫁が妊娠して、それを聞いた祖母はとても喜んでいたらしい。
初めての内孫、『生まれたら一番に会いに行く。』と島中で話していたと聞いた。
でも、それを聞いた時、俺は思い出したんだ。あの日の事を。
『その子が生まれた。』と知らせがあった日の午後、
俺は母親と病院を訪ねた。とても可愛い赤ちゃんで、女の子。でも。
もちろん根拠なんか無い。でも、その子の顔を見た瞬間
『祖母ちゃんはこの子に会えない。』
心の奥深くから沸き上がるその思いをどうしても消せなくて、とても憂鬱だった。
66: 夏休み@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:26:22.83 ID:TDBklIiv0
翌日、一便で沖縄本島に来るはずだった祖母が飛行機に乗る事は無かった。
オレの父親がたまたま○×島に長期出張していて、
出勤前に様子を見に行ったら、畑の畦道で倒れている祖母を見つけた。
父に聞いた話では、祖母は既に事切れていて、
その畑はあの川沿いの小さな橋を渡った所にあったらしい。
正式な死因は心臓発作。それまでそんな兆候は聞いた事も無かったのに。
多分、朝一番。祖母は孫へのお土産に新鮮な野菜を取りに行ったのだ。
父親には霊感らしいものが全く無いから、
その時何があったのか知る事は出来ないけれど、
祖母はきっと初めての内孫を、その女の子を護ったのだと、俺は今でもそう思ってる。
そうでないと、とても心が安まらないから、ね。
お終い。
67: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 01:29:20.14 ID:Bu2WV+gr0
とても興味深い話でした
長文乙でした
76: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 15:04:30.31 ID:cH4+x1g40
キジムナーは木の上にいて人は襲わないイメージだったから水辺にいて人を襲うってのにビックリ。
82: 夏休み最終日@\(^o^)/ 2017/08/20(日) 21:27:42.98 ID:nETdHb+t0
>>76
沖縄では結構危険(命に関わる)って話があるね。
村興しとかに使う、ユーモラスな雰囲気だけじゃ無い感じ。
78: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 15:56:34.14 ID:QzWF5KzQ0
キジムナーかどうか知らないけど、奄美大島出身の母から聞いた話だとケンムンっていう赤い猿みたいな妖怪が山に居て危険だから日が暮れてから山に行くなと言われたことがあるそうな。
82: 夏休み最終日@\(^o^)/ 2017/08/20(日) 21:27:42.98 ID:nETdHb+t0
>>78
キジムナーにはブナガヤとかアカガンターって別名があるよ。
奄美のケンムンと本土の河童は同じ妖怪らしいって聞いた事がある。
アカガンターは赤髪って意味だから赤い猿みたいなケンムンと似てるね。
祖母が見たキジムナーの着物も赤茶色だったんだし。
79: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/08/19(土) 16:43:58.90 ID:/0VoFyMd0
ケンムンは木に宿る妖怪(欧州でいう精霊)
こいつの宿る木を伐ると、復讐に伐った者の家に夜半から石を投げつけてくる
しかも集団(群れ)で……
雨戸にバンバン石が飛んでくるので恨まれた家の住人は堪ったものではない
この投石の音にビックリした隣の家でも、窓から外を見ると姿はないのに石だけが
隣家に向けて飛び交っている
隣から「しっかりしろ」と応援の声をかけると住人は弱々しく「おお」と返事
結局明るくなるまで投石は続き、翌朝神降ろしの婆さんに頼んで詫びを入れ、
伐木した場所にお神酒を捧げてきたそうな
82: 夏休み最終日@\(^o^)/ 2017/08/20(日) 21:27:42.98 ID:nETdHb+t0
>>79
キジムナーでも、住んでいるガジュマルだかを焼いたために
散々な目に遭って、最後は一家離散したみたいな話があるよ~。
184: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 21:26:27.36 ID:X566OuOg0
正体がわからない
怖いかどうかわからないけど 山の話で。
もう亡くなった爺ちゃんに聴いたこと。
10歳の頃 沢蟹を取りに 山に入った。
だいぶ山奥まで来ちゃった。
たくさん取れたのでそろそろ帰ろうと山を降り始めた。
ところがいくら歩いても着かない。
まだ陽が高いし そのうち着くだろうと心配もしないで 下って行った。
185: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 21:33:33.39 ID:X566OuOg0
道は沢沿いの道でいつも 歩き慣れた道
他の道に迷い込むこともない一本道
なんだか随分歩くな~おかしいなと思っていると、
下から誰か上がってくるのが見える。
186: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 21:50:50.61 ID:X566OuOg0
男の人が一人。
村の人間じゃない見たこともない人で、
とても綺麗な錦の着物を着ていたそう。
爺ちゃんが子供の頃は 着物を着てるのはさほど珍しいことではなかったんだけれど 普通は木綿、絣の着物で、
地味でペラペラなのにその人の着ていたのは、
町の祭りで見た 歌舞伎役者のような 派手で極彩色、 幾重にも重なった 本当に豪華な着物だった。
187: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 21:57:44.22 ID:X566OuOg0
そんな風貌だから爺ちゃんは 旅芸人の人かと思ったらしい。
爺ちゃんが「こんにちは」と言うと、 その人も話しかけてくれた。
だけど 何を言ってるのか言葉が全然わからない。
188: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:04:52.40 ID:X566OuOg0
こんなところで何をしてるんだと言われたんだと思って爺ちゃんはびくの中のカニを見せて上の沢で採ったんだと言う事を話をしたら、
その人はカニを見たり 爺ちゃんの顔を覗き込んだり、ニコニコして頭を撫でてくれた。
その間も何か色々話をしていたけど言葉は全然わからなかったそうだ。
190: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:16:51.57 ID:X566OuOg0
そこから男の人は下る爺ちゃんに 付き添って一緒に 歩いてくれた。
そして山すそ手前で 爺ちゃんと別れて また山道を上がっていったそうだ。
191: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:23:12.95 ID:X566OuOg0
あの人は何だったんだろうな~不思議だな~って。
話はそれだけ。
後日談もなければ 地元の言い伝えもないよ。
192: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:34:24.10 ID:X566OuOg0
聞いたのは 俺も 同じ10歳ぐらいのころで、
爺ちゃんのこの話が大好きで、 何回も 聞いていた。
で、 疑問に思ったことも質問したんだ。
193: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:36:23.17 ID:X566OuOg0
根掘り葉掘り聞いて 爺ちゃんも答えてくれたけど 、
男の人の正体だけは 後になってもわからなかったって。
196: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:55:28.78 ID:lWjZh0yh0
>>193
そりゃ山窩かもしれんな
普通に着物着るような時代ならまだ各地の山にもいただろうし
197: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/16(土) 00:08:39.20 ID:/xkNwvWn0
>>196
山窩、なるほどね。
時代は大正、9年10年頃のはず。
錦の着物ってどんなの?って聞いたら、桃太郎のようだったと。
とにかく場違いなほど派手で
暴れん坊将軍のようだと言ってたなw。
198: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/16(土) 04:21:40.18 ID:lkWh6KPH0
>>197
面白い話サンクス
195: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 22:41:36.40 ID:e0vvrCWm0
震災の一年後に石巻に仕事で行った時にさ
タクシーで大川小学校のあたりを通ったんだ
津波で逃げ遅れて子供達がたくさん亡くなった小学校だ
時間があったからちょっと降ろしてもらって手を合わさせてもらった
まだまだ震災の被害が残っててそこかしこで工事してたな
ビルがサイコロみたいに転がってたり
そのあと中心部に戻ったんだけど
大川小学校の近くに全く被害受けてない集落があったんだ
海岸の近くだし高台にあるわけでもなく
むしろ坂を下ったから窪地みたいなとこにある集落
あんまり普通で思わず運ちゃんに
ここは津波来なかったんですね?って尋ねたわけ
そしたら
全然被害が無いでしょ?
この集落はなぜか津波が来なかったんです
集落の入り口で津波が引いてったの
ここは熱心に菩薩様を祀ってるからそのおかげですかね?って
その集落はあまりに平和で普通で石巻の他の場所と比べると普通すぎるから逆に異様に見えて少し怖かったな
198: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/16(土) 04:21:40.18 ID:lkWh6KPH0
>>195
観音様を信仰してるって話だったっけ?うろ覚えだけど
210: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/18(月) 23:14:42.73 ID:5JKkS/cK0
>>195
旧丸ビルの観音様エピソードみたいだね
空襲であたり一体が焼けた時も観音入りのビルはポツンと焼け残ったとかいう話
199: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/16(土) 07:13:00.92 ID:naL6dZ/N0
祖父の話を母親から間接的に聞いただけだけども。
祖父は漁師で、ある時、かなり大漁が続いた事があった。
季節外れの魚が一杯獲れて稼ぎまくれそうだったが、
正直船も人も充分ではなく、とにかく人手が足りなかった。
他の漁をやってる仲間にも呼び掛けていたが、その時港で水死体が発見された。
身体は一部欠損していて、色んなものが付着している無惨な状況だったらしい。
そのために身元の確認や事件性を調べようとなって時間が割かれた。
漁師の間でももちろん噂になったが、死体とともにヒトデが大量に見つかったため、
誰かが"その人手は要らんわ"って言ったそうだ。色んな意味で。
203: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/16(土) 12:31:41.84 ID:fHYFqHpf0
>>199
なにこれ怖い
208: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/18(月) 17:44:56.79 ID:CscmukZN0
登れない
まず海ではよくある話なんだけど、
港にある防波堤で人が流されたり行方不明になったりする事があって、
例えば釣りをしてる人が目の前で波にさらわれて行ったりとか、
船を守ろうと何かしようとしてそのまま落ちてしまうとか、
声もなくほんの一瞬だから神隠しにも思われることもあるらしい。
それで田舎の漁港で以前実際に起こった話なんだけど、
ある日、中年の男性が夜に出かけたまま帰ってこなかったんだって。
その次の日に家のすぐ近くの港で亡くなって発見されたんだそう。
港の最奥の、波もほとんどない水深2メートル弱くらいのところで、
海面に男性が浮かんでいて、そこは陸地が目と鼻の先の停泊地。
場所は物揚場と言うところで(正確な名称は知らない)、具体的に言うと、
やや緩やかな傾斜になっていて、海からそのまま小型船舶が乗り上げ、
陸地に停泊させることができる、または海に直接滑って着水できる場所。
そこはかなり前からほとんど使われていなかったらしい。
防波堤あたりで波にさらわれて港の中に流されてきた、
と考えるのが自然なんだけど、
この男性、実は酔っ払いで、手前の道路から普通に海に落ちたらしい。
色々調べられた結果、酒に酔ってガードレールを自ら乗り越え海に落ち、
陸に上がるためすぐ横の傾斜を登ろうとしたが、藻で滑って登れず息絶えたようだ。
ガードレールの側にはサンダルが片方落ちていて、目撃者はおらず。
ちなみに男性には打撲傷があり、特に頭部に集中していたという。
209: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/18(月) 17:45:55.85 ID:CscmukZN0
状況としてはどうやら、藻で滑ったときに身体を陸に強く打ち付けたらしく、
道路から海へは5メートル以上落差があるんだけど、
飛び込んで海底に強打とかそういう感じではないそうだった。
たぶん怪我してそのまま這い上がれずに亡くなったのだろうと。
男性の酔っ払い具合がわからないけど、
港の岸壁を登ったり、迂回して遠くから脱出するのは
決して不可能ではなさそうだったけど、難しかったのだろうか。
それは不幸な事故だったんだけど、
これについて地元に住んでる親戚の人が言うには、”よくある”んだって。
男性が酔っ払って飛び込む事ではなくて、登れないんだってその地形が独特で。
そこは港の最奥で海への出入り口も狭め、少し高い岸壁に囲まれた生け簀のような感じ。
作られたときからほぼ使われてないんじゃないか、とのこと。
よくあるからあそこには1人で入るな、とも。
ちなみにその男性は酒をほとんど飲まない人で、酒癖が悪いとかもなく、
更に言うと漁師でもない。
当日は会社の仲間と飲んで、歩いて帰る際に落ちたとされている。
家の前の港ではあるものの、そっち側に用事があることは基本的になかったそうだ。
ガードレールも海も他にはいっぱいあるわけで、
なんでそこで?と思うし理由がよくわからなかった。
ひどく酔っていたのか、結婚指輪でも落としたのかとは言われてはいたけども。
214: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/23(土) 21:22:55.03 ID:M0BIct480
最初は猫じゃ思うた
今から30年以上前に死んだ爺さんから聞いた話
広島市から少し北に行くと吉田って地域があるんだけど
そこの山の麓に一見の空家があってお化け屋敷として有名だった
それを信じられんという肉体労働者の男達7,8人が
「お化けなんかおるもんかい。わしらが見てきちゃる」と、その空家で
酒盛りをすることになった
しかし何時間も経たないうちに、空家で酒盛りをしてるはずの
男達が何故か山を降りてきた
理由を聞くと「最初は猫じゃ思うたんじゃけど・・・」
「家中から赤ん坊の泣き声が聞こえるんで恐ろしゅうなってのう・・・」
結局、その山の泣く家で何があったのかは地元の人でも知らないらしいが
なにか秘密でもあったのだろうということで、それ以上なにもなかった
今は取り壊されていると聞いた
地元ではかなり有名な事件だったらしい
219: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2017/09/25(月) 19:22:03.80 ID:2nwGJBVy0
赤ん坊で思い出した
実家の2階でベッドに寝ころんで漫画読んでたら
窓のすぐ外から「おい!赤ちゃんの目から血が出てるぞ!」
と、おっさんのクソデカイ声が響いて、マジびっくりして対面の山田さん家に行ったら
「なんのこと???」と言われた
そもそも前の家は平屋だから2階がない
たしかに真ん前から聞こえたんだよな
おっさんのクソデカイ声ってなんだったんだろ?
244: 本当にあった怖い名無し 2017/10/07(土) 01:08:24.08 ID:XfuCADeF0
小学校の校長先生から聞いたんだけど
幼いころ山に入って遊んでたら
「コーンコーン」って音がして
木こりがいるのかと近づいてたらどんどん山奥に入ってしまって
あわや遭難しかけたらしい
村の爺さん曰くよく狐が人間を騙す方法らしい
子供が力尽きたところで肉を食らうんだろうか?
245: 本当にあった怖い名無し 2017/10/07(土) 02:18:04.86 ID:xSXi4pxK0
山の中ってほんとに変な音がするときって有るんだよな。
明らかにナニかが故意に発してるような、山にある物では出ないような音。
かと思えば、一切無音の状態が続いたり。
昼間でも不安になる事有るわ。
246: 本当にあった怖い名無し 2017/10/07(土) 12:15:21.64 ID:My49X5wW0
山に入る時は一人で入っちゃならねえとじっちゃが言ってた
247: 本当にあった怖い名無し 2017/10/07(土) 14:28:50.59 ID:MLL6hxlS0
山で急に音がなくなることがあって、
その時はああ、何か来てるなと思うようにしている。
室内の無音ではなく、屋外の無音って今はなかなかない気がする。
249: 本当にあった怖い名無し 2017/10/07(土) 18:49:35.81 ID:n8inarR/0
狐の曳き回し
母方の曾祖父は千葉の大多喜に住んでいた
生まれは明治初期
曾祖父の親が大多喜藩士だったため、気位が高く、平民となっても働かない
家計は困窮し、曾祖母は干乾びた飯を油で揚げて揚げ煎餅として売り歩くなど辛酸を嘗めた
そんな曾祖父が若い頃に何度か狐に騙されたそうな
大多喜の猿稲に棲む狐は化かす事で有名で、曳き回しと呼ぶ馬鹿し方をする
幻覚を見せて同じ場所を堂々巡りさせるのだ
曾祖父がある晩、遅くなると畑道を周り込むと何度も同じ場所に来る
先程から遠くに宮本さんの家の窓からのランプの灯りがずぅ~と見えている
おかしい「これはもしやと」思って座り込むとキセルを取り出しタバコを吸い始めた
暫くして立ち上がるとなんの問題も無く帰れたという
これは化かす狐がすく足元にいたのである
腰を下ろしてタバコをふかされると煙くて堪らない
狐はそこで退散して、それより術が解けたのだろう
250: 本当にあった怖い名無し 2017/10/08(日) 14:35:45.10 ID:LXtT7iN20
日本昔話みたいで面白い けど、
きっと、そういうことって本当にあるんだろうな
260: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:09:36.47 ID:rXtsSaj+0
「海の一族」
俺の一族は地元でも有名な海の一族
海の一族とは人魚の子孫とされるやつのことだ
だから俺は人魚の一族の子孫ということになる
勿論、現代の日本で俺が人魚の子孫であるというと頭がおかしい奴だとしか思われない
続く
261: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:11:58.25 ID:rXtsSaj+0
>>260
続き
俺が人魚の子孫だと確信できる証拠も勿論ある
一族は俺を含めて全員30分程度息継ぎをせず潜水することができるんだ
だから女達は海女さんやってる人が多い
262: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:15:08.61 ID:rXtsSaj+0
>>261
そして俺達の一族は人里離れたところにある人魚の子孫だけの海辺の集落に住んでいる
ほんとはこんな所に書き込んじゃいけないんだけどさ、もう結構外の文化が入ってきちゃってんだよね
だから俺もスマホで書きこめんだけどさ
263: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:18:57.68 ID:rXtsSaj+0
>>262
そして年に一度一族の祖先である人魚の霊を降臨させるための魚姫祭という祭を行うんだ
魚姫祭は年に一度の満月の夜にやるんだよ
村の砂浜の沖合いにある岩に魚姫様が降臨なさるんだ
264: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:21:48.17 ID:rXtsSaj+0
>>263
魚姫様が降臨したら俺達一族はまず魚姫様に海水で炊いたご飯を投げつけるんだ
なぜご飯を投げつけるかは不明だけどこれが祭だからさ
魚姫様にご飯を投げつけると魚姫様は喜んだ表情をなさる
265: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:24:41.33 ID:rXtsSaj+0
>>264
その後、魚姫様は海に帰られ一族の年に一度の祭は終了する
これが俺の一族の物語さ
267: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:43:58.26 ID:80K8uMtL0
アザラシ女の伝説がアイヌにはある
アザラシの雌は皮を脱ぐと大変美しい人間の女になるとされる
アザラシの女は大変情が深いそうだ
同じようにイギリスにも人魚伝説では、アザラシの皮を脱いで磯で戯れていた人魚たちが
こっそりと忍び寄った人間の男に皮を隠されてしまい、皮を奪われた一人を残して皆逃げてしまう
残された人魚の女は泣きながら懇願するが、人間の男に求婚されて仕方なく男と暮らすという
天人女房譚と同じ形式の話が伝わっている
イギリスにはこうした人魚話が多い
270: 本当にあった怖い名無し 2017/10/20(金) 20:48:35.03 ID:6q/uZ2bF0
>>267
面白いな
同じ島の中の伝説としてアザラシという共通項があるんだ
351: 本当にあった怖い名無し 2018/01/10(水) 19:49:33.11 ID:b/9BF9YP0
昨年の6月頃の話
とある山の山頂の神社に行くのに、いつもは表参道か裏参道を使っていたのだが、偶には別のルートを
通りたくなって、地図上は遊歩道になっているがほとんど人が通らない道をチャレンジすることにした
ところが、林道からの取っ掛かりに入った途端に荒縄が道を塞ぐかのように左右の木の幹に括り付けて
あって、木の幹には紙垂っぽいものの切れ端がついている
気にせずにその縄を持ち上げて、下を潜った瞬間、なんか周りの景色が急に暗くなり、目の前を何かが
横切ったように感じた 勘違いかなと思ってよく見たら別に暗くないし、横切った物体も見当たらない
ただ第六感というか、ここにいてはダメだという考えが突然湧いてきて、そのまま道を引き返し裏参道を
通って神社に登った
帰り道、どうも気になるので、その登山口前まで約4kmてくてく歩いて行くと、なぜか朝には無かった
市の土木課の立てた立ち入り禁止の立て札と、土嚢が置いてあり、どうもその道のどこかが崩れたらしい
とはいえ、立て札によると崩れたのは数日前だそうで、俺が朝来た時には有ったはず・・・
なんか説明できない気持ち悪さを感じてその日は帰った
昨年9月頃、友人と一緒に再度その登山路を登ろうとしたが、一緒に行った友人が、この話をしていないのに
気持ち悪いから別の道を登ろうと突然言い出して、結局その道を登ることはなかった
ただそれだけの事なんだが、未だに気持ち悪い
なんかその道から拒否されているんだろうか
352: 本当にあった怖い名無し 2018/01/13(土) 22:03:20.04 ID:pdeDDK4Y0
>>351
道から拒否じゃなく、ご先祖様が守ってくれてるんじゃない?
その道行ったら本当にシャレにならんから…
356: 本当にあった怖い名無し 2018/01/14(日) 15:05:48.38 ID:qOD4uzmg0
道を教えてくれた人
昨年10月頃に御在所岳に登った時の話
妻と二人で行ったのだが、どちらも初挑戦なので、タブレットに詳細地図ダウンロード、紙の地図などを用意して挑んだ。
運悪く朝からガスっていて、途中登山路の目印も見失いがちだったが、人気のある山でもありすれ違う人や追い抜いていく人などがいて迷わずにすんでいた。
とある木に結んであるリボンの場所で妻が自信ありげに「ここから上だね」と宣言して、木々の隙間の獣道っぽいのに入っていく。俺も後を追ったが数十メートル先の沢で道がロスト。色々探しても先がないので、結局そのリボンまで戻り、もう一つある更に狭い道を進むとまた他の登山者とすれ違うようになった。
そこで妻に、なんであんなに自信ありげにこちらだよと言ったのが聞いたら、リボンの目印のすぐ横で休憩していた人が教えてくれたとのことだが・・・そんなもの見た記憶がない。
しかも話している間に妻も「あれ、休んでいた人ってどんな人だっけ?あれ?分らなくなってきた」なんて言い出す。妻も俺も霊感はゼロなんだが、この時ばかりは背筋が冷えた。
その後山頂付近までガスっていたものの問題なく登山したが、流石に帰りは同じ道で帰るのは怖いのでロープウェイで帰った。
翌日、地元の神社にお祓い行ってきました(;^ω^)
371: 本当にあった怖い名無し 2018/02/10(土) 09:49:32.61 ID:zyh5U9V60
夢に出たお地蔵さん
山にまつわる…であってるのかなんだけど、舞台は山だからご容赦を
年代と性別に多少のフェイクが入ってます
自分が小学低学年の頃、今から35年ほど昔
住まいは都内城南地区
自営の我が家だった為、家には仏壇と神棚はあって毎日お参りはしていたけど、特に宗教を特に信仰していたりってのは無い家庭だった
ある日の休日、母が朝食の時に不思議な夢を見たと話し出した
首都圏内の某山の上に、朽ちかけた祠があり、そこから声がするという
声の主は神様?仏様?分からないけど人のような形で、右肩から血が出ていた
痛くてどうしようもないから治しに来て欲しいという
自分も父も、夢を見た母自身もなんのこっちゃだったんだけど、やはり気になると
休みにしては珍しく早起きしたので、じゃあドライブがてらそちらの山のほうに行ってみよう!何もなかったら近くの牧場でも行けばいいしねとなり出発
372: 本当にあった怖い名無し 2018/02/10(土) 09:50:17.63 ID:zyh5U9V60
長くてごめん
到着して、遊歩道を歩きながら進んで行くと、母が声を上げた
見ると夢に見た小さな祠と同じだと言う
誰も手入れをしていないようで、ボロボロになって、中には小さなお地蔵さん
やはり肩のあたりががっつり破損していた
しかし治すなんて言ってもどうしようもない
仕方ないから祠の上には大判のハンカチを掛け、飛ばないように石を乗せ、お地蔵さんには手ぬぐいを巻いて手を合わせ、どうしたもんかと考えた
近くに知り合いもある訳でないから、困ったんだけど、とりあえずまた来ますとお地蔵さんに伝え下山
車に乗ろうとしたとこで、地元の人っぽいおっさんに会う
意を決して声を掛けて、夢の話とここであったことを伝えると、おっさんはびっくりしていたけど、信じてくれて、じゃあ町会?だかに話しておくと言ってくれたのでお礼を伝えその場を離れた
数ヶ月後、またドライブがてら様子を見に行ったら、祠は綺麗に屋根をつけてもらい、お地蔵さんも治療してもらってた
綺麗なお花やお茶も供えられていて、誰かがちゃんと管理してくれてたみたい
また下山すると、あの時とは別の地元のおばあちゃんがいたので、父が話を聞くと、おっさんがすぐに話して祠も直してくれたみたい
地域の人が山菜取りやらなんかの時についでだからねぇってお参りもしてくれるようになったとか
ただそれまでそんなとこに祠があるって誰も知らなかったとか
そんな奥まったとこでもないし目立つのにねぇって地域の人達も不思議だったとか
また行きたいけど、母も詳しい場所を忘れてしまったし、父ももういないのでもう行けないけど、あのお地蔵さんが今でも大事にされてたらいいんだけどな
374: 本当にあった怖い名無し 2018/02/10(土) 18:54:00.51 ID:00HCjbFa0
>>372
いい話をありがとう