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    19

    【納涼】怖い話【VIP】



    1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:53:58.286 ID:7blKN20t0
    淡々と怖い話投下していくので読み物としてお使いください
    過去に2ちゃんねるの中で起きた怖い話を紹介していく
    http://world-fusigi.net/archives/7111657.html

    引用元: 【納涼】怖い話【VIP】





    3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:54:23.865 ID:7blKN20t0
    「巨頭オ」

    数年前、ふとある村の事を思い出した。
    一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
    心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

    連休に一人で車を走らせた。
    記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
    村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけたときあれっと思った。

    「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨頭オ」になっていた。

    変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
    車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。

    車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、頭がやたら大きい人間?が出てきた。

    え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
    しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。
    両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。

    車から降りないでよかった。
    恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
    帰って地図を見ても、数年前に言った村と、その日行った場所は間違っていなかった。

    だが、もう一度行こうとは思わない。

    8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:57:26.449 ID:Q8/U1bKEd
    巨頭オは王道にして1番わくわくするホラー

    5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:55:49.512 ID:7blKN20t0
    「笑い女」

    先週の金曜のことなんだけど、会社の先輩の大村っていう男が死んだ。
    もちろん直接現場を見たわけじゃないけど、マンションの自室で、自分の両耳にボールペンを突き刺して死んでたらしい。
    大村自身の手がペンをギュッと握り締めてたっていうんで、警察も事件性は認めずに、すぐに自殺だって判断した。
    会社の連中はそんな大村の死に様を随分不思議がったりしていたけど、俺は特に驚きもしなかった。
    それでも司法解剖っていう奴がどうしても必要らしくて、多分、大村の身体は詳しく調べられたんだと想像してる。
    わかりきってることを調べるために身体を弄り回されるなんて、ちょっと気の毒だと思う。

    すぐに通夜があって、同じ課の奴らは課長を先頭に連れだって公共斎場に行ったらしいけど、俺だけはどうしても外せない用事があるって課長に断って、直帰した。
    周りから見たら不自然だったろうとは思うけど、通夜なんていう湿っぽくて皆が押し黙ってるような空間には、今は堪えられそうにないから。

    大村と俺とは、先輩後輩っていうこととはあまり関係なく、仲が良かった。
    お互いに相手のマンションの所在地を知ってたって書けば、どの程度の仲だったかは伝わるかなと思う。
    三週間くらい前のあの日も、大村が会社帰りに俺の部屋に遊びに来てた。
    俺らは缶ビールを飲みながら、同僚の陰口ばかり叩いてた。
    二人とも酒を飲むときは会話だけを楽しみたいってタイプだったから、テレビもつけてなかったし、音楽を流したりもしてなかった。
    我ながら暗いとは思うけど。

    そのうちに、買い溜めてあったビールが尽きた。
    俺はアルコールが無くても会話が楽しければ良いと思ってたんだけど、大村はそれじゃ駄目みたいだった。
    すぐに買いに行こうって言い出す。
    渋々ながらも、大村を連れてマンションを出て、近所のスーパーに買い出しに行った。

    6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:55:50.946 ID:VoYgsoQS0
    次はよ

    7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:57:20.006 ID:7blKN20t0
    連投規制がやばいので速度遅くなるすまん


    店に入るとすぐに、大村が「おい、何だよ、あれ」ってニヤニヤしながら聞いてきた。
    指さす先を見ると、ボサボサの髪を腰まで垂らした女が買い物カゴをぶら下げて、野菜を選んでた。
    別に何の変哲もない、よくある光景だ。
    ただ一つ変わってるとしたら、女が大声で笑ってることだけ。
    レタスを手に取りながら、「いひゃっいひゃっいひゃっ」て笑ってるだけ。
    それすらも、俺にしてみればやっぱり何の変哲もない、よくある光景だ。
    「ああ、あれ。笑い女だよ」

    説明しとくと、笑い女は近所では有名な人物。
    パッと見にはごく普通の若い女で、取り立ててどうこういうべき所もない。
    確かに、腰まである髪は痛みきっていてボサボサだけど、そんな女、どこに行ったっていると思う。
    ただ、笑い女の変わっているところは、その呼び名通りに、いつでも笑っているところ。
    「いひゃっいひゃっいひゃっ」ていう何かから空気が漏れるような、それでいてちょっと湿った感じの独特な笑い声を撒き散らして、口の端から涎を垂らしてる。
    だから皆、「笑い女」とか、レジ打ちのおばちゃんも「お笑いさん」とか呼んでる。
    ただそれだけの存在だ。
    キチガイ風でもあるけど、笑い声さえ気にしなければ誰に迷惑をかけるわけでもないから、周りはあんまり気にしない。
    気にしたとしても、「嫌な物を見た」ってちょっとのあいだ思うだけで、すぐに見て見ぬふりをする。

    9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:58:35.541 ID:HWmTuOw/a
    支援

    10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 14:58:36.217 ID:7blKN20t0
    今になって思えば、その時の大村はかなり酔っていたんだと思う。
    「ちょっと、からかって来るわ」とか言って、笑い女に近寄っていった。
    俺も酔っていたんだと思う。何しろ、大村のことを止めようとはしなかったから。
    「なぁ、おい、アンタ。何がそんなにおかしいんだよ」
    大村はぶっきらぼうな口調で笑い女に声をかけた。
    けれど、笑い女は答えない。「いひゃっいひゃっいひゃっ」て笑うばかりだ。
    「おい、答えてみろって。世の中、こんなに不景気だっつーのに、何を楽しそうにしてやがんだ」
    大村はそんな内容のことを言ってた。
    多分、それまでは俺と一緒に陰口を叩くことで発散してたものが、酔いのせいで他人にまで向いたんだと思う。
    やっぱり、笑い女は「いひゃっいひゃっいひゃっ」て笑うだけで、何も答えない。
    そんなことをしばらく繰り返してから、大村は「何だよ、こいつ、つまんね。おい、もう行こうぜ」って言って、不機嫌そうにその場から離れた。
    俺らは、カゴにスナック菓子とかを詰め込んでから、酒の並んだ棚に行った。
    大村はすぐに缶ビールを手に取っていたけど、俺はビールに飽き始めてたから、チューハイをじっくり選ぶことにしたんだけど、そのうちに、大村が「うおっ」ていう叫び声を上げた。
    何かと思って振り返ると、大村と笑い女が至近距離で向き合ってる。
    例の「いひゃっいひゃっいひゃっ」ていう声と一緒に、女の口から大村の顔に唾が飛んでるのが見えた。
    それから大村が両手を突き出して笑い女を押し倒すまでは、一瞬だった。
    笑い女はフラフラッと倒れて、ペタンと尻餅をついて、それでも「いひゃっいひゃっいひゃっ」て笑い続けてた。
    買い物客とか店員とかが遠巻きに二人を眺めてて、俺も気まずくなってきたから、適当にチューハイを選んで大村と一緒にそそくさと会計を済ませた。
    笑い女に謝ろうかとも思ったけど、事情がよくわからないし俺が謝るのも変な気もして、やめておいた。

    11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:00:02.311 ID:7blKN20t0
    何があったのか聞くと、大村が言うには
    「お前が酒選んでるの眺めてボーッとしてたら、耳元で気持ち悪い笑い声が聞こえた。
    驚いて振り返ったら、すぐ目の前にあの女の顔があった」
    それで、気味が悪かったから咄嗟に突き飛ばしたっていうことらしい。
    それから、「よく見たらあいつ……」って何か付け加えかけたんだけど、途中で口ごもって、最後まで聞かせてくれなかった。
    部屋に帰ってから、また二人で飲み始めた。
    でも、大村はさっきのことでバツが悪いのか元気がなくて、ふとした拍子に会話が途切れてお互いに黙ってしまうようなことが多くなった。
    そんな感じで会話が途切れると、大村はキョロキョロと視線を動かしたりする。
    そのうちに、「何かゲームやろうぜ」って大村が言い出した。
    こいつがゲームで遊びたがるなんて珍しいなーとは思いつつも、真・無双3で遊んだ。
    二人ともすぐに熱中しだして、大村もいつも通りの元気な感じになってきた。
    そうしてるうちに、バスがなくなるっていう時間になって、大村は帰っていった。
    この時の俺は、スーパーでのことなんか完全に忘れてたと思う。

    次の日から、大村の行動がおかしくなりはじめた。
    まず、やたらとウォークマンで音楽を聴くようになった。
    別にそれ自体はおかしなことではないけど、出勤途中に顔を合わせてこっちから声をかけても、軽く手を上げるだけでイヤフォンを外そうとしない。
    近寄ってみると、物凄い大音量で聴いてるみたいで、やたらと音漏れしてた。
    ちょっと感じ悪いなと思ったけど、その時は別に何も言わないでおいた。
    それが、昼休みにまで音楽を聴くようになった。
    昼飯に誘おうとしても、大村はそそくさとイヤフォンをつけて一人でどこかに行ってしまう。
    挙げ句、仕事中にまでイヤフォンを外さなくなった。
    さすがにこれはおかしいと思っていたら、大村よりもさらに上の先輩が大村を怒鳴りつけた。
    それからは、仕事中に音楽を聴くようなことはなくなったけど、かわりに独り言を言うようになった。

    13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:02:12.836 ID:7blKN20t0
    しかも、「うるさい」とか「ああああああ」とか、大声で言う。周りが注意してもやめようとしない。
    みんな、正直気味悪がってた。
    見るに見かねて、退勤してから大村を呼び出して話をすることにした。
    大村は最初俺と話すのを渋ったけど、賑やかなところでだったら話すって言い出したから、ファミレスに連れ出した。
    ファミレスはそこそこの混み具合で、高校生っぽいのが大声ではしゃいだりしてた。
    それから、俺が最近のお前はおかしいって切り出すと、大村は自分でもわかってるって言った上で独りでに話し始めた。
    なかなか要領を得ない話だったんだけど、大雑把にまとめるとこんな感じ↓

    例のスーパーでの一件以降、ふとした拍子に笑い女の「いひゃっいひゃっいひゃっ」ていう笑い声が聞こえるようになった。
    初めはかすかに聞こえるという程度で、空耳かとも思ってたんだけど、丁度、背後から段々近づいてきてるような感じで、日を追う毎に笑い声は大きくなってきてる。
    周りで何かの音(音楽とか人の声とか)がしているような時には、笑い声は聞こえてこないのだけれど、ふと無音状態になると、「いひゃっいひゃっいひゃっ」が聞こえてくる。
    今では、少しくらい辺りが騒がしくても、それ以上のボリュームで笑い声が聞こえてくることもある。
    何より辛いのは夜中で、寝ようと思って電気を消すと、部屋中に鳴り響くような勢いで笑い声が襲ってくるので、とてもじゃないけど、寝つくことなんてできない。

    まとめるとさっぱりしてるけど、実際には話してる途中でいきなり大声を出したり、「あいつが、あいつが」って泣きそうな声で繰り返したりするから、内容を掴むにはかなり時間がかかった。
    しまいには、「あの女に呪われた」とか「あいつ、幽霊なんじゃないか」とか言い出す始末。
    俺が何よりもまず思ったのは、大村は変な妄想にとりつかれてるってこと。
    笑い女は幽霊なんかではないし、ただのちょっと変わった女でしかない。
    その証拠に、あの日以降も俺は笑い女がスーパーで買い物をしてるとこを何度も見てる。実在する人間だ。

    15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:04:22.323 ID:7blKN20t0
    笑い声が独特で気味が悪いから耳に残ったっていうのと、大村なりの罪悪感みたいなものが、妄想の原因だと思った。
    大体、スーパーに出る幽霊っていうのも、何だか間抜けだと思う。
    そう言って聞かせても、大村はまるでこっちの言うことを聞こうとしない。
    「呪い」とか「幽霊」とか繰り返すばっかり。
    俺は段々イライラしてきて、「そんなに言うなら、一緒にスーパーに行こう」って切り出した。
    大村の言ってることの馬鹿馬鹿しさにも腹が立っていたし、相手が現に実在してるただの女だって認識すれば、変な妄想もなくなるんじゃないかと思ったから。
    勿論、大村は猛烈に嫌がったけれど、俺は大村を無理矢理引き摺るようにして、レストランから出て、電車に乗って、例のスーパーに向かった。
    電車の中でも大村はブツブツ呟いて、びびってた。

    やっとスーパーの前まで着いたところで、大村がやっぱり嫌だって言い出した。
    絶対に中には入りたくないって。
    仕方ないから、店の前の駐輪場から店内を覗こうって俺が提案した。
    それでも大村は帰るって言い出してたけど、俺は相手の肩をがっちり押さえて、逃げ出せないようにした。
    ちょっとだけ弱者をいたぶるような気持ちもあったと思う。
    けれど、ガラス越しに店内を眺め渡しても、笑い女はいなかった。
    いつも笑い女と出くわす時間は大抵このくらいだから、きっといるだろうと思ったのが失敗だったのかもしれない。
    マズイなと思った。ここで笑い女を見ておかないと、大村は余計に「あいつは幽霊だ」って思い込むかもしれないから。
    それでももう少し待ってれば、いつものように買い物に現れるかもしれないって、俺は粘った。
    そのうちに、大村が両耳を塞いでガタガタ震えだした。
    「聞こえるよう、聞こえるよう」って子供が泣きじゃくってるみたいな調子で、鼻水を垂らして言う。
    「やっぱ呪われたんだよう」って。
    でも俺は、それが笑い女の呪いなんかで聞こえてるわけじゃないってハッキリ気づいてた。

    16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:04:53.629 ID:7blKN20t0
    なぜなら「いひゃっいひゃっいひゃっ」ていう笑い声は、大村だけじゃなくて、俺にも聞こえてたから。

    首だけを横に向けて振り返ると、俺に肩を掴まれた大村の真後ろに、笑い女が立ってた。
    「いひゃっいひゃっいひゃっ」て笑いながら、涎を垂らしてる。
    俺は大村が絶対に後ろを振り向かないように、肩を押さえる手に力を込めた。
    ただでさえ笑い女を怖がってる大村が、こんな至近距離で当の本人と向かい合うのは、絶対にまずい。
    少しすると(凄まじく長い時間のように感じたけど)、笑い女はスーパーとは逆の方向に笑いながら去っていった。

    立ち去り際に、笑い女の顔が俺の方を向いた。
    俺はそれまで笑い女を遠巻きに見たことは会っても、あんな至近距離で真正面から見るのは初めてだった。
    口はにんまり開かれてるのに、ボサボサの髪の中でこっちを向いてる目は、全然笑ってない。
    でも、怖いと思ったのはそんなことじゃなくて、笑い女の口そのものだった。
    涎が唇の端で泡になってる、笑い女の口には、歯がなかった。

    それから後、俺は随分自分勝手なことをしたと思う。
    何も知らずにまだ震えてる大村を、無理矢理バスに乗せて一人で帰らせた。
    もう、その時の俺にとって、大村の妄想とかはどうでも良かった。
    ただただ自分が見たものの気味悪さが恐ろしくて、早く自分の部屋に帰りたいっていう一心だった。

    その日以来、大村は会社に出て来なくなった。
    最初はみんな(俺以外みんな)、「あいつ、この年末にサボりかよ」とか言ってたけど、あまりにも無断欠勤が続いたから、いくらなんでもこれはおかしいって話になった。
    そのうちに、大村が死んだってことがわかったのが、先週の金曜。

    今となっては大村も気づいていたのかはわからないけど、俺にはハッキリわかってることが一つだけある。
    笑い女の「いひゃっいひゃっいひゃっ」てのは、笑い声なんかじゃない。

    よく聞くと
    「居た、居た、居た」
    って言ってる。

    18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:06:31.294 ID:7blKN20t0
    「隙間女」
    とある大学に通っていたYが突然学校に来なくなり、連絡しても音信不通となってしまった。
    仲良くつるんでいたEとOは、心配になってYのアパートを訪れた。

    ピンポーン
    E「おーいY、生きてるか~?」

    返事はない。鍵もかかっているようだ。

    E「なんだ留守か。」
    O「もしかして単位落としそうだから、諦めて実家に帰ったんじゃねw」

    そんな話をして帰ろうとすると、Yの部屋の玄関が開いた。

    E「お、Y!いたのかよ!返事くらいしろよな!」
    Y「…あぁ、ゴメン…。」

    Yは根っから明るくて、正直言うとバカなヤツだ。しかし今は見るからに元気がなく、痩せて見えた。

    O「なんだ具合でも悪いのか?助けてやっからSOSくらい出せよな~。」
    Y「いや、別に体調は大丈夫だよ…。」
    E「ってかちゃんと飯食ってる?」
    O「お前はYの母ちゃんかw」
    Y「…。」
    O「あ!わかった!お前Mちゃんに振られたんだろ?」
    Y「いや、そういうんじゃないけど…。」
    E「ま~何があったのか、部屋入って話そうぜ!入った入った!」
    O「いやここ、Yの家だからw」

    いつものノリでズカズカと部屋に押し入る。
    Yの部屋はいつも以上に散らかって、カーテンも閉め切ったままだった。

    E「昼間はカーテンくらい開けろよな。」
    O「さすが母ちゃんw」

    するとYは

    Y「いや、カーテン開けるなって言われてるし…。」
    E「え?誰に?」
    O「何?!もしかして女か?」
    Y「あぁ…まぁ…。」
    EとO「マジか?!」

    しかしYの部屋は1部屋しかなく、どこをどう見ても3人以外の人は見当たらない。

    O「え~と、女は帰ったのかな?」
    Y「いるんだ。そこに。」

    そう言ってYは、壁を指した。
    E「おいY、お前大丈夫か?」
    Y「いや…いるんだ。」
    EとOは顔を見合わせた。
    いるって言っても、そこには漫画がギッシリ詰まった本棚と衣装タンスしかない。
    E「…どういうこと?」
    Y「そこ…そこの隙間に…。」
    どうやらYは本棚とタンスの隙間を言っているようだ。
    EとOは恐る恐る、その隙間を覗いてみた。
    およそ5cmほどの隙間には、有り得ないことに女性が立ってこっちを見ていた。

    19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:07:21.399 ID:7blKN20t0
    「ベッドの下に…」

    マンションで一人暮らしをしているA子の部屋に、友人のBが泊まりで遊びにきていました。
    楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、気づけば真夜中。明日も朝が早い2人は、もう寝ることになりました。

    じゃぁどうやって寝ようか?という事になったのですが、その部屋はシングルのベッドが一つしかありません。
    仕方なくA子がベッドで、Bは床に布団を敷いて寝ることになりました。

    「じゃおやすみ~」

    A子が部屋の電気を消そうとした時、Bが突然
    「あ~ちょっとコンビニ行きたくなっちゃった!ね~一緒に行こうよ?」
    と言い出します。

    眠気で面倒なA子は
    「私はいいから、一人で行ってきてよ~」
    と断るのですが、Bは絶対に2人で!今すぐ行こう!と言ってききません。

    根負けしたA子は、渋々Bと部屋を出てコンビニへと向かうのですが、どうもBの様子がおかしい。
    顔は真っ青で汗をかき、逃げるようにコンビニへ向かおうとするのです。

    「ちょっと~B、どうしたのよ~?」
    Aが問うと、Bは答えました。

    「A子が電気を消そうとした時にベッドの下を見たら、そこに包丁を持った男の人がいるのが見えた…。」

    21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:08:16.524 ID:7blKN20t0
    「おーい」

    れは大学生の頃、友人達と海へ遊びに行った時の話です。
    尚、以下に出てくる人名は全て仮名です。

    その日、僕は友人である田中と佐藤の男3人で、海へと遊びに来ていました。
    具体的に何処へ行こうと決めていたわけでもなく、なんとなく海際を車で流して、空いてる砂浜が見つかったら適当に遊ぼうとか。
    まぁそんな感じの集まりでした。

    「おい、ここいいんじゃねーの?」
    「バカ、メチャ混みだろ。もっと空いてるとこがいいよ。」

    お互いそんな事を言いながら車を走らせている内に、人の多い海水浴場から少し外れた岩場混じりの砂浜を発見。
    沖合でウィンドサーフィンをしている人達がいる他は殆ど人もおらず、如何にも穴場っぽいその雰囲気が気にいった僕たちは、車を止めてそこで遊ぶことにしました。

    海に入る前、皆で持ち込んだ浮き輪やフロートマットをシュコシュコと空気入れで膨らませます。
    正直、僕はあまり水泳が得意ではなく浮き輪は生命線。その点で言えば、田中も佐藤もどっこいどっこいです。

    22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:08:58.759 ID:7blKN20t0
    水遊び自体はなかなか楽しいものでした。
    人の居ない海は快適で、天気も快晴。絶好の海水浴日和です。
    ビーチボールで遊んだり、フロートマットで水辺を漂ったり。
    そうやって海遊びを満喫していると、田中がトイレに行ってくると言い出しました。

    「ションベンならそこらですればいいじゃん。」
    「うるせ、大だよ大。向こうの海水浴場にトイレあるの見えたから、ちょっとそこまで行ってくるわ。」

    田中を見送った後で、僕もなんとなく休憩する気分になり、波打ち際に置いたフロートマットに寝転がりました。

    それから10分ほど経ったでしょうか。
    マットの上で少しウトウトしていると、海の方から人を呼ぶ声がして、僕は目を覚ましました。

    「おーい」

    何処から呼んでいるのかと辺りを見渡すと、少し沖合で佐藤らしき人影がこちらに向かって手を振っているのが見えました。

    「おーい」
    「なんだ?なんかあったのか?」
    「おーい」

    声を掛けましたが、向こうは聞こえてないのか、こちらに向かって手を振るばかり。
    仕方がないので、佐藤のいる沖へ向けてフロートマットを漕ぎ出します。

    「おーい」
    「お前何やってんだよ。大して泳げないくせに。」
    「おーい」

    近付きながら声を掛けますが、こちらが何を言っても向こうは「おーい」と繰り返すだけです。
    一体何なんだ?と訝しんでところで、僕は気が付きました。

    (え?あいつ誰だ?)

    23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:09:20.474 ID:7blKN20t0
    背格好が似ていたのでなんとなく佐藤だと思いこんでいましたが、よく見ると全くの別人です。
    しかも相手は浮き輪すら付けていません。
    僕より水泳が苦手な佐藤が、こんなところまで浮き輪無しで来られるわけがないのです。

    いつの間にか呼ぶのを辞め、無表情のままじっとこちらを見つめているその男。
    僕はゾーッとし、慌てて向きを変えて砂浜に戻ろうとしました。
    しかし潮の流れが早く、幾らバタ足でフロートマットを押しても一向に砂浜へ戻れません。
    そうしている内に、ガッと何かに右足首を掴まれました。
    グイグイと物凄い力で海に引きずり込まれ、必死になってもがくものの、遂にはフロートマットからも手が離れてしまいました。

    (やばい、死ぬ!助けて!)

    水を飲み、もうダメだ…
    そう思ったギリギリのところで、僕はたまたま近くに居たサーファーに助けられました。
    助けられるのが後少しでも遅かったら、本当に危なかったところです。
    僕はサーファーボードに引き上げられ、息も絶え絶えながらなんとか砂浜にまで帰り付きました。

    海から上がった僕の側に、驚いた顔をした田中と佐藤の2人が駆け寄って来ます。

    24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:09:41.621 ID:7blKN20t0
    「おい、お前大丈夫か?」
    「すいません、友人がご迷惑を。おかげで助かりました。」
    「いや、早く気が付けてよかったですよ。ただ…」
    「?何があったんですか?」

    田中の言葉に、サーファーの人が答えました。

    「…ここで泳ぐの、もう止めた方がいいですよ。
    その、そちらの人をボードに引っ張り上げようとした時に見えたんですが…。その人の足に、水中から男がぶら下がっていたんです。
    あれは多分、人間じゃありませんよ。
    こっちも怖くて、もうちょっとで手を離すところでした。」

    僕の右足首には、人の手の形をした痣がくっきりと残っていました。
    当然もう泳ぐどころではなくなり、僕たちは慌ててその浜から逃げるように立ち去りました。

    後で聞いた話によると、その場所は離岸流が多発するせいで遊泳禁止となっており、地元の人間は絶対に泳がない場所なんだそうです。
    今でも「おーい」と呼ぶ声を聞くと、当時の恐怖を思い出します。

    25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:10:34.215 ID:7blKN20t0
    「猛スピード」

    漏れにはちょっと変な趣味があった。その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。
    いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。
    遠くに見えるおおきな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。

    漏れの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。
    だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。
    その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら「あ、大きな蛾が飛んでるな~」なんて思っていたら、坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
    「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
    奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。
    ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ

    26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:10:51.055 ID:7blKN20t0
    ドアを閉めて、鍵をかけて「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」
    って怯えていたら
    ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。明らかに漏れを探してる。
    「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」って心の中でつぶやきながら、声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。

    しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。
    もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら
    ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!と鳴らしてくる。
    「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」って感じで、奴のうめき声も聴こえる。
    心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。
    さらにガクガク震えながら息を潜めていると、数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。
    それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。
    あいつはいったい何者だったんだ。
    もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない。

    28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:11:57.347 ID:LYzZhG9G6
    孟スピードっていろんな題名あるよな

    30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:13:26.579 ID:6lWkIlW6a
    >>28
    三つくらい俺も知ってるわ

    27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:11:48.960 ID:7blKN20t0
    「トイレのオバサン」

    学校のトイレって怖いよな、怪談に事欠かない舞台だと思うよ。
    昔の学校のトイレっていうのはやけに薄暗くて、それでいて何となくひんやりした空気がある。
    特に放課後ともなると人の気配が無くなって、その空気の冷たさが際立つんだろうな。

    最近は綺麗なトイレの学校も多くあるらしいが、どんなに明るい色のタイルを張り付けても、どんなにモダンなデザインの手洗い場を設けてたとしても、あの学校のトイレにある独特の空気や恐怖は簡単に拭いきれるものじゃないと思うんだ。

    うちの学校のトイレも、当時としては珍しく綺麗だった。
    前年に車いすの為のバリアフリー化が行われ、その一環だったと思う。
    けど旧校舎のトイレまでは手が回らず、そちらは相変わらず陰気な雰囲気だった。

    こちらの陰気なトイレには噂があって、放課後に一人で用を足していると便器の中から河童の手が現れて、中へ引きずり込まれると言うものだった。
    水洗トイレにどうやって引き込むんだろうかとの疑問もあったが、小学生にはトイレに河童と言うだけでも怖い物で、皆そのトイレをなるべく使わないようにしてた。

    ある日クラブ活動でちょっと帰りが遅めになった時、職員室の方で女の子が何人か泣いて居たことがある。
    聞き耳を立てていると、トイレで変な人を見たと言うのだ。

    「ああ、あの旧校舎のトイレってやっぱり何か出るんだな」と一人で納得していたが、どうも違うらしい。
    変な人を見たのは新しいトイレの方なんだって。

    その子がトイレに入ると、手前にあるトイレの扉が閉まってて開いてるのは奥の方しか無かった。
    仕方なく一番奥の扉が開いてるトイレに入ろうとしたら、オバサンが和式便器にしゃがんだままコッチを見ていたらしい。

    一瞬、使用中だったんだと思ったその子は謝って別のトイレに行こうとしたんだけど、よく考えれば扉を閉めないで用を足す人が居るだろうか…?という疑問が湧いた。
    変な人がいたなと思って、先生に言いに行こうとトイレを出た時、そのオバサンが個室からしゃがんだまま出てきたのだという。

    オバサンはしゃがんだまま、ずりずりって摺り足で女の子の方に近づいてきて、あまりの恐怖に女の子は逃げ出してきたのだとか。

    ただの不審者だとは思うんだけど…なんか見たっていう女の子が言うには、そのオバサン、腰から下が無かったって言うんだよね。

    29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:12:50.627 ID:7blKN20t0
    「小学校のトイレ」

    あれは小学校4年生のころだったかな。学校のトイレで体験したちょっと怖い話。

    その日は、台風が近づいていて大雨で警報がでたため、学校が途中で中止になり下校命令が出ていました。
    みんな帰り支度をしている中、私はふとトイレに行きたくなってしまいまして、一人で学校の一階にあるトイレに行ったんです。

    そこのトイレは特にこれといった噂もなく、普通のトイレだったんですが、台風のせいかいつもより薄暗く少し肌寒い気がしました。

    「早く用を済ませて帰り支度しなくちゃ」

    そう思って小便器の前に立っていたのですが、ザーーっと横の個室から水を流す音が聞こえてきたんです。

    その時は「あ、誰か入っているのかな?」くらいにしか思わなかったんですが、どうも何かがおかしい。

    鳴りやまないんです。ザーーっと水を流す音が。

    そのころにはさすがに用も足し終わっていて、恐怖心もすごくあったんですけど好奇心が勝っちゃったみたいで、その例の音がする個室の前に立ってドアを開けようと手を伸ばしたんです。

    「バンッ」
    勢いよくドアが開きました。
    私はまだドアに手をかけていません。
    中をのぞくと、水だけが勢いよく流れていました。

    もうこの時点で今すぐ逃げ出したかったんですが、なぜか足が動かない。
    すると後ろで気配がしました。
    首だけを後ろに向かせると、びしょびしょに濡れた男の子がうつむいて立っていました。
    この子の顔を見ちゃいけないと、なぜか直感で思いましたね。

    足も動くようになっていたので、ゆっくりと顔を上げていっている男の子を尻目に、一目散に教室に逃げ帰りました。

    結局みんなに話しましたが誰にも信じてもらえず、もどかしい気持ちでいっぱいだったのですが、あれ以来、そこのトイレは一人では行けなくなってしまいました。
    あの時、男の子の顔を見てしまっていたらどうなっていたのだろう…と今になっては思います。

    32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:15:01.917 ID:7blKN20t0
    「旧校舎の女の子」

    とある学校で、旧校舎から女の子が見ている、という噂が広がった。

    その学校には使われていない3階建ての旧校舎が、校庭を挟んで新校舎と向かい合わせに建てられていた。
    旧校舎はもう数十年は使われておらず、先生から入る事は禁じられている。
    その旧校舎の3階の一番端の教室に、女の子が立っているというのだ。

    最初はS君だけがその女の子に気づき、他の友人は誰も見た事がなかったのだが、次第に「見た」という人が増えていった。
    その女の子はおかっぱの髪型で、なぜかS君が校庭にいるときにだけ現れていた。
    皆はお化けだと怖がっていたが、幽霊なんて怖くないと思っていたS君は
    「ヤベー、オレの事好きな子なのかな?」
    なんて呑気なことをいっていた。

    そんなある日、友達と学校から帰宅しようとしたS君がふと旧校舎を見てみると、また3階端の教室からあの女の子が見ていた。
    「よし!今日こそあの子に会いにいってみよう!!」
    絶対に止めた方が良いという友達の忠告も聞かず、S君は一人旧校舎へと入っていった。

    立ち入り禁止と言われているものの、旧校舎への侵入は皆が経験していた。裏の入口から侵入できるのだ。
    しかし2階や3階へ踏み入ったという人は今までに聞いたことがない。
    S君はギシギシ音をたてる階段をのぼって、3階端の教室まで向かった。
    辿り着いた教室のドアを引くと、中は物置場のようになっていた。埃が積もった机や椅子が所狭しと重ねて並べられている。
    そしてその窓際に、女の子が肘を窓枠へ乗せて立っていた。

    「本当にいた!」と一瞬心を躍らせたものの、明らかな異変にS君は気付いた。
    女の子は腰まで長い髪が伸びていたのだが、そこから下の下半身がなかったのだ。

    「これは…マズい…!」

    33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:15:23.533 ID:7blKN20t0
    S君はそう思ったものの、恐怖で体が思うように動かない。すると女の子の首だけがゆっくりと後ろへ回りはじめた。
    首を真後ろに向けた女の子の顔は青白くボロボロで、目には穴だけがあり、口は耳まで裂けていて人間ではなかった。

    「うわぁぁーーーー!!!」

    悲鳴をあげてS君が後ろへ尻もちをつくと、その女の子は肘をかけていた窓際からトカゲのように這って近づいてきた。
    S君はとにかく夢中で逃げて階段を転げ落ち、全速力で旧校舎の出口へ突っ走った。

    旧校舎の裏には、S君の帰りを友人達が心配して待っていた。
    するとそこに血だらけになったS君が飛び出してきて
    「ヤバい!ヤバい!!」
    と大声で叫びパニック状態に陥っていた。
    訳のわからない友人達が「どうした!S!?」と尋ねるものの、S君は「あ~~!!」と大声をあげて泣き叫ぶばかりなので、急いで職員室へと担ぎ込まれた。
    職員室でも取り乱しているS君をみて、先生たちは開口一番に
    「まさか旧校舎に入ったのか?!」
    と尋ね、友人たちが「そうです」と答えるなり数人で旧校舎の方へと向かっていった。

    その後、S君は階段から転げ落ちたため体のあちこちを縫う怪我をしたものの、なんとか回復した。
    旧校舎は先生たちによって厳重に封印され、どこからも侵入できないようになってしまった。
    こんな事件が起きたのに、先生たちに詳細を聴いてみても「旧校舎には近寄らないように」の一点張りで何も教えてくれない。
    S君はすっかり懲りたのか、その日見たというお化けの話はしてくれるものの、旧校舎には近寄るどころか視界にも入れないようになっていた。
    先生も協力して、S君にだけは校庭で体育の授業をさせないという特別措置を取っているところを見ると、かなりヤバい事になっているのは間違いないのだろう。

    そしてこの話をS君から聞いた人達は、なぜか頻繁に旧校舎の3階端教室にいる女の子のお化けを目にするようになった。
    以前はS君がいなければ見れなかったはずなのに…。

    36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:17:36.516 ID:7blKN20t0
    「ヤマノケ」

    一週間前の話。
    娘を連れて、ドライブに行った。
    なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
    で、娘を脅かそうと思って舗装されてない脇道に入り込んだ。

    娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。
    そしたら、急にエンジンが停まってしまった。

    山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから娘と途方に暮れてしまった。
    飯食ったドライブインも歩いたら何時間かかるか。

    で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン行くことにしたんだ。

    車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
    夜の山って何も音がしないのな。
    たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで。

    で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。
    俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。

    今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで「テン(ケン?)・・・ソウ・・・メツ・・・」って何度も繰り返してるんだ。
    最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。

    37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:17:58.633 ID:7blKN20t0
    そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。
    形は「ウルトラマン」のジャミラみたいな、頭がないシルエットで足は一本に見えた。
    そいつが、例えるなら「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら」向かってくる。

    めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。
    そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
    通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」って音がずっと聞こえてた。

    音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。
    近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。
    思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。

    47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:23:23.901 ID:Q8/U1bKEd
    >>37
    こういう振り向いたらいた系って文字だと微妙だな

    39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:18:20.911 ID:7blKN20t0
    俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。
    叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。

    俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が

    「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」

    ってぶつぶつ言ってる。

    やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。
    そしたらかかった。

    急いで来た道を戻っていった。
    娘はとなりでまだつぶやいている。

    早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。
    ようやく街の明かりが見えてきて、ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれたはいれた」から「テン・・ソウ・・メツ・・」にいつの間にか変わってて、顔も娘の顔じゃないみたいになってた。

    家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
    夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。

    住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。

    40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:18:48.355 ID:7blKN20t0
    山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。

    住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
    娘は「ヤマノケ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生このまま、正気に戻ることはないらしい。
    住職はそうならないように、娘を預かって、何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。
    妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。

    住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが憑いてしまっただろうと。
    ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。

    一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。
    毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。
    ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。
    早くもとの娘に戻って欲しい。

    遊び半分で山には行くな。

    133: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:32:56.543 ID:nL8z2yoZ0
    >>40
    これ読んでるとき誰もいない隣のデスクのファイルがすべり落ちてきてビビッタのは内緒

    135: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:34:05.565 ID:6lWkIlW6a
    >>133
    俺も雷と雨ドバドバなりはじめてすげぇ怖かったわwww

    41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:19:33.778 ID:7blKN20t0
    「谷底にいるアレ」

    これは小学5年生の頃の話、一番恐ろしかった。これ以上の体験は、後にも先にも無い。
    内容が内容だけに信じてくれない人も居るが、俺は確かに見た、と思っている。
    そして見たのは俺一人じゃない。

    親の後に付いて山中の獣道を歩いてた。季節は夏。周囲は夕闇が迫って来ていた。
    陸自空挺レンジャー出身の親父が先導していたので、疲れはしていたけど恐怖は無かった。頼れる親父であった。

    聞こえる音といえば二人の歩く音と木々のざわめき、種類は分からないが鳥の鳴き声と、谷を流れる川の音…だけだと思っていた。
    何か、人の声が聞こえた気がした。でも、特に川の音などは人の声に聞こえる場合もある。最初はそれだと思っていた。
    けれども、気にすれば気にするほど、人の声としか思えなくなってきた。

    「とうさん…誰かの声、聞こえない?」
    「……」
    「誰だろ、何言ってるんだろ?」
    「いいから、歩け」

    言われるままに、黙々と歩いた。だが、やっぱり声が気になる…どこからしているんだろう?

    周囲をキョロキョロしながら歩ていると、谷底の川で何かが動いているのが見えた。
    獣道から谷底までは結構な距離がある上に、木や草も多い。
    そして夕闇が迫っているので、何かが居たとしてもハッキリ見える筈は無い。
    ところが、ソイツはハッキリと見えた。

    獣道と谷底の川は距離があるものの、並行したような形になっている。
    そして、ソイツは谷底を歩きながら、ずっと我々に付いてきていた。

    「お~い、こっちに来いよぉ~!」

    42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:19:52.452 ID:7blKN20t0
    谷底を歩く坊主頭の男は、我々に叫んでいた。
    ゲラゲラ笑いながら、同じ台詞を何度も繰り返している。
    それだけでも十分異様だったが、その男の風体も奇妙だった。

    着ているものが妙に古い。時代劇で農民が着ているような服だ。
    顔は満面の笑顔。だが、目の位置がおかしい。頭も妙にボコボコしている。
    そして、結構な速度で移動している。ゴツゴツした石や岩が多い暗い谷底を、ものともせず歩いている。

    大体、こんな暗くて距離もあるのに、何故あそこまでハッキリ見えるんだろう?と言うより、白く光ってないか、あの人?
    小学生の俺でも、その異様さに気付き、思わず足を止めてしまった。

    「見るな、歩け!」

    親父に一喝された。その声で我に返る俺。途端に、恐ろしくなった。
    しかし恐がっても始まらない。後はもう、ひたすら歩くことだけに集中した。
    その間も谷底からは、相変わらずゲラゲラ笑いながら呼ぶ声がしていた。

    気付けば、俺と親父は獣道を出て、車両が通れる程の広い道に出ていた。
    もう、声は聞こえなくなっていた。
    帰りの車中、親父は例の男について話してくれた。話してくれたと言っても、一方的に喋ってた感じだったけれど。

    「7,8年位前まで、アレは何度か出ていた。でも、それからはずっと見なかったから、もう大丈夫だと思っていた。お前も見ると思わなかった」
    「呼ぶだけで特に悪さはしないし、無視してれば何も起きない。ただ、言う事を聞いて谷底に降りたら、どうなるか分らない」
    「成仏を願ってくれる身内も、帰る家や墓も無くて寂しいから、ああして来る人を呼んでるんだろう」

    大体、こんな感じの内容だったと思う。
    その後も、その付近には何度か行ったけれど、その男には会ってない。
    今度こそ成仏したんだろうか?

    44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:21:24.642 ID:7blKN20t0
    「かるさん」

    私には双子の姉がいます。
    これは私達が10歳の頃の冬休みに、家族揃って父の実家へ泊まりに行った時の話です。

    そこへ行くのは本当に久しぶりで、年の近い親戚や祖父母に会える事がとても楽しみだったのですが、まさかあんな怖い事が起こるだなんて思いもしませんでした。

    父の実家は山口県にあり、周りはぽつんぽつんと民家がある位で昼間でもあまり人通りはありません。
    それでも子供にとっては普段行かない場所というのは冒険心に満ち溢れており、着いて早々姉と共に遊びに出て行きました。

    姉と懐かしいねなんて話しながら田んぼに挟まれた1本道を歩いていると、向こうから足を引きずった女の子が歩いてくるのが見えました。
    道幅がとても狭いので、その女の子が先に通ってから私達も先へ進もうと思い立ち止まりましたが、不意に姉が私を強く引っ張り、元来た道を戻ろうとしたのです。
    どうしたのか聞いても

    「いいから、急いで帰るよ!」

    としか言わず、そのまま私は父の実家に帰りました。

    玄関に着くと祖母が迎えに出てくれましたが、顔面蒼白な姉を見てとても驚き、何があったのか聞いてきました。
    すると姉は
    「そこの1本道でA子ちゃんを見たけどA子ちゃんじゃなかった!」
    と泣き出しました。
    A子ちゃんとは親戚の子で私達より3歳年上の女の子です。以前は山口に来た時はよく遊んでいたのですが、あの時見た人は腰まで伸びた髪もぐちゃぐちゃで服も泥で汚れており、面影は全くありませんでした。

    姉の話しを詳しく聞いた所、足を引きずっていた女の子はA子ちゃんに似ていますが違う化け物で、本物のA子ちゃんはその化け物の引きずっている方の足を掴んで引きずられていたと言うのです。
    姉の話しを聞いた祖母は
    「かるさんが出たんか」
    と言い、部屋の中へ急いで入ってしまいました。

    46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:21:44.485 ID:7blKN20t0
    その後は両親や祖母に「何もないから心配するな」と言われ、無理やり寝かしつけられました。
    そしてまだ数泊する予定だったのを切り上げて、翌朝早くに自宅に戻る事となったのです。

    あの時の事は暫く親に聞いても何も答えてくれませんでしたが、先日やっと「もう大人になったし」と教えてもらえました。

    どうやら「かるさん」というのは方言で「借りる」と言うらしく、あの地域では昔から、時々亡くなった人間が生きている人間の体を借りて歩き回るという事があるのだそうです。

    誰彼構わず借りる訳ではなく、亡くなった人と近しい人の体を借りる事が多いらしく、あのA子ちゃんだと思った人は数年前に亡くなったA子ちゃんのお母さんだったのです。

    かるさんは体を借りて歩き回って気が済めば(それが何時間後か何日後かはわかりませんが)元に戻れるらしいのですが、その間体を取られた本人は体の一部にしがみついていないと戻れなくなってしまうそうなんです。

    でもかるさんが借りるのは今まで成人のみで、子供の体を借りる事はこれが初めてとの事でした。

    子供の体に大人の魂では体が衰弱死してしまうと、あの後祖父や親戚達がお坊さんを呼んだりして大騒ぎだったそうです。
    結局祈祷師さんか誰かがかるさんを引きはがして事なきを得たそうですが、A子ちゃんは数週間程入院したらしいです。

    私にはあの時しがみつくA子ちゃんは全く見えませんでした。
    しかし姉にはしっかりと、必死の形相で足を掴んでいるA子ちゃんが見えていたようです。

    かるさんも恐ろしいですが、姉の知らない部分も垣間見えて怖くなった出来事でした。

    48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:23:26.173 ID:7blKN20t0
    「お盆の海」

    これは私の友人に起きた実際の体験談です。

    お盆には海に入ってはいけないと、古くから伝えられていますよね。
    それは、イラ(クラゲ)が出てしまうからという物理的な事だけではないようです。
    つまり、霊に海の中へと連れていかれてしまうからだとも言われています。

    ですが、お盆は帰省で皆が集まったりでどうしても遊びに夢中になってしまいます。
    ダメだと分かっていながらも、海に入って遊んでいる方も少なくありません。
    当時の私達もそんな連中でした。

    その時、私たちは女性3人と男性4人で海の中に入って遊んでいました。
    私は体調の事もあり、砂浜から遊ぶ皆を見ていました。

    事件は突然起こりました。
    そんなに深くも無い浅瀬で、1人の男性が急に姿を消したのです。
    目の前から、ボトっと音を立てて海の中へと姿を消してしまったのです。

    遠くから見ている私は、皆の悲鳴が遊んでいるものなのかも分からずに、ただ見ている事しか出来ませんでした。

    姿を消した友人は、他の男性に引きずられ出てきました。
    男性陣は気を失っている友人を一生懸命引っ張り、女性たちはそれを見守る事しか出来ませんでした。
    私も急いで海の家の人を呼びに行きましたが、お盆で人がいらっしゃらないため急いで救急車を呼びました。
    救急車が来るまでは見よう見まねの人工呼吸を行い、どうにか友人が目を覚ましてくれるのを祈りました。
    救急車に乗せて皆で病院に向かう途中、いったい何が起きたのか誰も把握する事すら出来ていませんでした。

    49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:23:51.016 ID:7blKN20t0
    浅瀬でビーチボールで遊んでいると、急に友人が姿を消した。
    脚でも滑らせたのかと、皆で分からない原因の追及をしました。

    病院に搬送された友人はその後、意識が回復しました。
    しかし病室で病院の方に
    「何があったのですか?」
    と青い顔をして聞かれた時、私たちは事態の深刻さに気づきました。

    友人の背中には、子どもの様な手形のアザが無数についていました。

    病院の方に「子どもさんと遊んでいたのですか」と聞かれるも、海には私達だけしかおらず、子どもなんて1人もいませんでした。
    私達は皆友人の背中を見て、血の気が引きました。

    友人の目が覚めた時に何があったのか問いましたが、友人は
    「自分でもよく分からないけれど、誰かに引っ張られた…」
    と言いました。
    私達は病室の友人にも鏡で背中のアザを見せました。
    友人は自分の身に何が起きたのかわからず、更に困惑しているようでした。

    友人のアザは2~3日は消えずに残り、私達の胸には一生消えない傷跡が刻まれました。
    それから二度とお盆に海へ入る事はやめましたが、私たちは恐怖からお盆だけでは無く海自体に入れなくなりました。

    51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:25:47.066 ID:7blKN20t0
    「夜に騒ぐ人形」

    私の家には私が生まれたときに購入された雛人形があります。それと共に市松人形も購入されました。

    いずれの人形も母が私のために大切に大切に毎年飾ってくれていました。
    私も気に入っており、幼い頃はずっと雛壇の前で人形達を見つめていたくらいです。

    しかし、ある年その人形を出し忘れたときがありました。

    その頃にはだいぶん私も成長しそこまで人形に入れ込んでいた訳でもないので、気にもとめていませんでした。
    しかしひな祭りの二、三日後から夢を見ました。

    内容は、市松人形が私の髪を宙に浮いて撫でていたり、兄弟のように私と市松人形が育てられていたり、等身大の雛人形が出てきて私を雛壇の上から見下ろしていたりと様々でした。
    ですが、そんなことが何日も続くとさすが気持ち悪くなり、母に頼んでギリギリに人形をだしてもらうことになりました。
    そうすると夢を見ることもなくなって私はほっとしていました。

    ですが数日後、夜中2時くらいにトイレに起きると雛人形のおいている部屋からほら貝の音が鳴って来たのです。
    気持ち悪くなって部屋へすぐかけ戻りましたが、その後特になにか起こることはありませんでした。

    次の日に雛人形を見ましたが…変なところは何もなくいつもの雛人形でした。
    今から考えてみると、出してもらえた人形達が祭りをしていたのではないかと思っています。

    それ以降毎年飾るようになったので何か起こることはありませんが、大切にしている物は魂が宿ると言いますし、私の人形たちにも宿っているのかもしれませんね。
    なにか悪いことが起きたわけではありませんが、それ以降雛人形を見て純粋に可愛いや綺麗と思えなくなったのは確かです。

    来年の雛祭り、家の都合上どうも今回はまた雛人形が出せないかも知れないのですが…。またあの夢に悩まされるのかと思うと、今から不安でいっぱいになってしまいます。

    52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:27:00.071 ID:7blKN20t0
    「三本足のリカちゃん人形」

    ある女性が公衆トイレを利用した時、ふと足元を見るとリカちゃん人形が転がっていた。
    なんでこんなところにリカちゃん人形があるんだろう?忘れ物かな?
    不思議に思った彼女が何気なく手にしてみると、そのリカちゃん人形には通常の足の他にもう1本、不気味な茶色い足がついていた。

    ビックリして思わずリカちゃん人形を投げると、その人形が喋りだした。
    「わたしリカちゃん。呪われてるの…。」

    恐怖を感じた彼女は、急いでその場から逃げだした。
    しかし三本足のリカちゃん人形の声は、その後もずっと彼女の耳に聞こえ続けていた。
    まるで耳元にいるかのように、ずっと同じ言葉を囁き続けているのだ。
    「わたしリカちゃん。呪われているの…。」

    耐え切れなくなった彼女はついに発狂してしまい、自分で鼓膜を破ってしまった。

    53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:27:17.638 ID:QhZzLIER6
    ハッピーとタッチみたいな名前の犬が出てくる奴結構怖かった記憶があるけどめっちゃ長いので疲れるんよな

    66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:36:40.643 ID:Q8/U1bKEd
    >>53
    糖質おばさんに襲われるやつか

    54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:28:04.198 ID:7blKN20t0
    「知らない番号からの電話」

    私が初めて自分の携帯電話を持ったのは、中学2年生の時です。
    それからずっと十数年程、携帯番号は変わらずにいたのですが、つい先日とても恐ろしい事があったので番号を変えてしまいました。

    その出来事は夜中1時過ぎに起きました。
    まだ眠くなかった私は布団に潜り込みながら、携帯をいじっていたんです。
    すると突然電話帳に登録していない、知らない番号から電話がかかってきました。
    普段なら登録していない番号、しかもこんな夜中の電話は怪しんで取る事はないのですが、つい手が滑り電話を取ってしまいました。

    すぐに切ろうと操作しようとした瞬間、電話の向こうで誰かの声が聞こえました。
    結構大きな声で話しているようで、携帯を耳に当てなくても聞こえます。

    「…に、…と…に、」

    恐らく女性だと思いますが、甲高い声で何かを話しているようです。
    もしかしたら間違い電話かもしれない、知人が番号を変えて何か訳があってかけてきたのかも、と思ってもっとよく聞こうと携帯を耳に近づけました。
    すると不思議な事にブツンッと向こうから電話を切られたのでした。
    何だったんだろうと思いましたが、その日はあまり気にせず眠りにつきました。

    しかし翌日から、毎回同じ時間に同じあの番号から電話がかかってくるようになったんです。

    2回目の着信時はすぐに取ってこちらから「もしもし、誰?」と問いかけました。
    でも相手の声は大きいはずなのに言葉が不明瞭でどうしても何を話したいのか聞き取れなかったんです。
    5~6回電話を取りましたがいつもこんな様子なので、悪戯電話だと思って次からは着信できないように着信拒否設定にしました。
    すると驚いた事に別の番号から電話がかかってきたんです。

    55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:28:21.720 ID:7blKN20t0
    その状態が2週間程続いたでしょうか、何度着信拒否しても番号を変えてかけてくる電話に、次第にイライラしてきました。
    だから電話がかかってきた時に、つい大声で「もう止めて!しつこい!」と叫んだのです。
    そうしたら向こうから電話を切る音が聞こえました。

    ああ、これでもうかかってこないといいなと思った次の瞬間、また電話がかかってきてしかもボタンを何も押していないのに電話が繋がったのです。

    え!どういう事?と思考が停止していると勝手にスピーカーフォンに変わり、向こうの音が聞こえてきました。

    「…に、…と…に、…って」

    あの時のように何か話しています。

    「い…に、わた…と…いっしょ…って…」

    段々と話す言葉がはっきりと聞こえてきました。

    「一緒に死ぬって言ったのに私と一緒に死ぬって言ったのに嘘つき嘘つきお前もこっちにこい連れてってやるお前の所に行くぞ逃がさな」

    ガシャン!
    怖くなった私は携帯を床に放り投げました。
    当たり所が悪かったのか携帯の画面は割れて、でもそのおかげか通話は切れていたので携帯をそのままにして夜通し起きて、朝になったらすぐ携帯ショップへ行って機種変更と番号変更をしました。

    あれ以来あの恐ろしい電話はかかってきません。
    でももしも次にまたかかってきたら…私は今度こそあちらに連れて行かれるのかもしれません…。

    56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:28:45.570 ID:6lWkIlW6a
    見てるぞ
    雨降ってきたからちょっと怖くなってきたわ

    58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:30:35.452 ID:7blKN20t0
    「ダッシュする女」

    これは私が大学生の時の話です。

    私は大学へ通うために一人暮らしを始めました。
    4階建てのマンションで、各階部屋が20戸ほどならんでいる造りでした。
    だいたいですが80世帯ぐらいが入れる、結構大きめのワンルームマンションでした。

    特段大学生専用という物件でもなく、私のような大学生からサラリーマン、ご夫婦で住んでらっしゃるような方もいるマンションです。
    4階建てなのですがエレベーターはついてなく、変わりにマンションの両端に階段がついており、片方は正面玄関、片方は駐輪場などがある方に降りれる階段でした。

    初めての一人暮らしだったので色々と大変でしたが、1ヶ月もすると自炊にも慣れ、特段困る事はありませんでした。
    マンションの住人の方も顔ぐらいは分かるようになり、朝や夜にすれ違ったりすると「おはよう」や「こんばんは」とあいさつを交わすぐらいの関係にはなっていました。

    私の部屋は4階の端っこにありまして、駐輪場に繋がる方の階段がすぐそば、要するに正面玄関からは一番遠い所の部屋でした。
    部屋の中には窓がついているのですが、曇りガラスで全く外は見えません。
    窓の端がちょっとだけ開閉でき、開けるとギリギリ外が見えるかな…というような窓でした。
    まあ、要するに賃料が高いマンションではないという事です。

    同じ学部の人も1階に住んでおり、特段仲良くないのですが
    「あ、40*に住んでるんですよ~」
    「俺は10*に住んでますよ。困った事あったら言ってね~」
    みたいな会話は一度あったぐらいでした。

    6月の中頃、バイト先の居酒屋から帰ってきてご飯を食べるともう12時ちょっと手前でした。
    明日も授業があるので、もう寝るかと思い、いつものように電気を消して寝ようと布団に入りました。

    それから5分後ぐらいに、廊下を誰かが走る音が聞こえてきました。
    まあ、ぼろマンションなのでたまに騒いだりする人やどんちゃんやる人もいますので「うるさいなー」ぐらいの気持ちで寝ようとしてました。
    ですがその後もずっと廊下をダッシュしてる音が聞こえます。

    どうやら私の部屋の前にダッシュで戻って来ては、あっちの方へ走っていっているような音がします。
    我慢も限界に達しイラっと来たので、ドアを開けて注意しようと思いました。

    ドアを開けた瞬間、やばい事したなと冷静な判断が出来たような気がします。
    廊下には赤いスカート、マンションの中なのに傘をさし、汚いスニーカーを履いてる身長150センチぐらいの中年女がもの凄い勢いでダッシュしていました。

    僕がドアを開けるとダッシュを止め、ニヤッと笑いながら、こっちへ向けて歩いてきました。

    59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:30:58.723 ID:7blKN20t0
    当然に僕はドアを閉めて、鍵とチェーンをしました。
    そこで気づいたのですが、こんだけダッシュをしていたら一緒の階にいるサラリーマンとかおっさんとかが怒鳴らない訳はありません。
    皆、この事を知っていたのかもしれません。

    ドアのガチャガチャが開始されました。
    警察かな?と思いましたが、とりあえず部屋の奥の方に行くとドアガチャが止みました。
    しばらく沈黙が続き、諦めて帰ったかな…と思った次の瞬間、曇りガラスの窓に女のシルエット、開けてた小窓からは手のようなものがガサガサ出入りしました。

    私は即座に玄関の方へ走ってチェーンと鍵を開け、1階まで今度は自分がダッシュで行きました。
    そして同じ学部の奴の部屋のチャイムをピンポンピンポンと連続で押しました。
    すぐに開けてくれましたので、僕が「とりあえず入れて」と言うと部屋に迎え入れてくれました。

    今しがた体験した事を話すと、とりあえず危なそうなので応援を呼ぶか、とそいつの友達を3人呼んでくれました。
    10分ぐらいで来てくれたので、5人で私の部屋に行くと、部屋のどこも変化はありません。

    あいつ誰やったんやろなー、みたいな事を話していると、新しく来てくれた人の1人が小窓に気づき
    「ここに手を入れられたん?」
    と聞いてきたので、僕が
    「そうです」
    と答えました。

    よく考えると、端部屋の4階、足場など無い壁にある窓です。
    ワイヤー等で吊り上げないと、女のシルエットが見える訳ありません。

    「え?」と思って小窓を見ると、泥みたいな指型が付いていました。
    私はその日のうちに原付を貸してもらって実家へ帰り、部屋は解約しました。

    私の体験はこれで終わりです。
    落ちも何もないのですが、Oの南の方にある4階建てのマンションでの話です。

    前の話幽霊のイラスト次の話

    61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:32:56.940 ID:7blKN20t0
    「初めての1人暮らし」

    これは私が初めての1人暮らしをした時のお話です。

    1人暮らしは初めての経験で、期待と不安の両方の気持ちがありました。
    家賃は安めで駅からは近くて、築年数も新しめの場所がいいなと思っていました。
    しかし当然ながらこの条件に合う場所はなかなか見つからず、何かひとつでも条件を諦めれば見つかるという不動産屋のアドバイスで、築年齢10年のところを選ぶことにしたのです。

    きっと古くてボロいイメージなんだろうなと思いながら内見に行くと、意外と綺麗な造りだったのでびっくりしました。
    部屋の中はジメッとしていて、長い間人が住んでいないような印象はありました。
    陽当たりも良く収納有、お風呂は追い焚き機能がついていたので、これは掘り出し物だと勘違いした私は、他の人に取られてしまうという焦りもあって即決してしまったのです。

    引越をして新生活が始まりました。
    昼間は太陽が入り明るく気持ちが良いのですが、やはり夜になると1人は寂しく少し怖い気持ちにもなりました。
    まぁ初めての1人暮らしだしそのうちこの生活にも慣れるだろうと思っていたのですが、気持ちは日が過ぎても落ち着かず、あまり眠りにつくことができないため毎日お酒を飲んで気を紛らわせていました。

    気がつくといつの間にか眠っていたのですが、どこからか聞こえる物音で目が覚めました。

    「何の音かな?」
    身体を動かして部屋を見ようとしたものの、全く動きません。金縛りです。
    金縛りは以前もなったことがあったので、焦らず動く目だけを頼りに辺りの様子を伺います。
    どうやら物音はお風呂から聞こえているようで、シャワー?からポタポタと水が垂れているような音がします。

    当然ながら寝る前は蛇口をしっかりと締めていたはずです。
    いつから水が出ていたのかは分かりませんが、とにかく金縛りをほどこうともがきました。

    すると異変が起きました。
    水の垂れる音が、お風呂場から近づいて来るのです。
    何かの気配も感じ、恐怖でパニック状態になった私は目をつぶって「助けて!助けて!」と何度も頭の中で繰り返し叫びました。
    ですが容赦なく音と気配は私に近づき、恐る恐る薄目を開けてみると…
    黒い塊が動いているのを目にしてしまいました。

    気づくと朝になっていました。
    部屋が明るくなって体も動くことに安堵した私は、昨日の出来事が夢だったのか現実だったのか分からず、お風呂場を確認しに行きました。

    シャワーの水は止まっていました。そもそも蛇口は全く緩んでもいません。しかし足元を見ると水たまりができていたのです。
    そして水のシミが足跡のように点々と、私のベッドの横まで続いていました。

    次の日、1人では居られないと感じた私は友人を呼んで泊まってもらおうと思いました。
    その友人は、いわゆる霊感のあるタイプです。
    ところが友人は部屋に来るなり「この部屋何か変な感じがする」と言い、泊まるのを拒否されてしまいました。
    友人には、私が体験した事は何も伝えていません。
    これはマズいということで、私は友人の家へ泊まらせてもらうことになりました。

    後日、不動産屋さんで状況を説明すると、実は事故物件だったと聞かされました。
    本当は入居する前にその説明をしなくてはいけないのが決まりらしいのですが、案内してくれた方が新人で知らなかったようです。
    私はそのまま部屋を解約して、引越ししたばかりで転居することとなりました。

    事故の内容は怖くて聞くことはできませんでした。
    でも、お風呂場で何かがあったのだろうとは思っています。
    今もあの部屋が存在しているのかは知りません。

    63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:34:12.233 ID:7blKN20t0
    「いわくつきの川」

    今ではどこの場所にもプールがあって、子供が川で泳ぐことも少なくなりました。
    また大人も自然の川に接する機会が少なくなって、鮎やうなぎやそのほかの魚を川で取ることもなくなって来ています。昔は貴重な蛋白源だったのでしょうし、私が子供の頃は事実そうでした。

    ですがその代わり、川で亡くなる人の話は何度となく子供の頃から聞いていました。私の知っている人だけでも、何人かいます。
    厄介なのは、川の石の苔は乾いているときは全く滑らないのですが、ひとたびぬれた手でその苔に触ると滑って石を掴むことが出来ません。
    それですぐそばに石があるにも拘らず、つかまり切れずに死ぬ人がいたのだそうです。

    そんな場所はなぜか限られていて、そこで何人もの方が亡くなった話を子供の頃から聞かされました。
    そこは学校の帰りの途中にあり、狭い道路が川に向かって突き出したところにありました。その下は崖になっていて、上からは見通すことが出来ませんでした。
    その道を通って学校から帰るとき、ましてや一人で日も暮れた時はいつも恐怖感に襲われました。

    ある日、新しい自転車を手に入れたことが嬉しくて、そんなことなど忘れて手放しをして走っていました。
    自転車の運転で大きなミスなどしたことがなかったのですが、その道にくると突然不自然にハンドルが左に切れて、そのまま川の方へ墜落をしました。
    どのくらいの時間落ちていたのかわかりませんが、幸いにも川に入るギリギリの所で留まっていたらしく、向こう岸を歩いていた人が気が付いてくれて私は病院に担ぎ込まれ、助かりました。

    その他にも何かと事故が多いので、地元の篤志家がその場所にお地蔵さんを建立して無事を祈ったというほどでした。

    その後のことはわかりませんが、そこは幽霊の目撃談も多かったらしく、崖の上に人影が浮かんでいたとか、その付近を泳いでいると川底に引っ張り込まれるなど、子供の頃から聞かされ今でもはっきりと覚えています。

    64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:35:37.683 ID:7blKN20t0
    「無表情な男性の顔」

    私は夢でよくない知らせなどを知ることが多いのですが、その時もそうでした。
    その日は普通に疲れて11時ごろに床に就いた日でした。さほど暑くもない日でしたが、夜中寝苦しくなり、ひどくうなされたのです。

    私は暗闇を見つめていました。どこを見てもただのうす暗闇で、なんとなく不気味に思っていると突如男性の顔が現れました。
    暗闇の中から男性の顔がこちらを無感情な顔つきで見つめてくるのです。誰なのかはわかりません。私の目線の先1メーターほどのところに顔だけが浮かび上がっている感じで、真正面でずっと見つめられているのです。
    しばらくすると虚しさと苦しさを訴えてくるような表情に変わり、また無感情な表情に戻りました。

    幽霊というよりは普通の人間の顔つきなのに、その皮膚は薄暗くどんよりとしていました。その顔を3日3晩見続けたのです。

    その男性について面識はなかったと思っていたのですが、後日にニュースを見ていた時、偶然にも誰なのか判明しました。
    ニュースで事故の報道を見たとき、被害者の男性がまさにその人でした。それは昔住んでいたところでお世話になった、近所の男性だったのです。

    ご近所さんに気さくにあいさつされる方だったので覚えていたのですが、間違いなく彼でした。事故の具合からして即死なようでしたが、あの顔は事故に会ってしまったことへの無念さだったのでしょうか。
    あれ以来彼の顔は見ていません。

    65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:36:33.234 ID:7blKN20t0
    「画像が違う」

    これは家族団欒をしていて、携帯でその様子を撮っていた時に起きた出来事です。

    その日はいつもと変わらず、私と妻、子供2人の4人で夜ご飯を食べていました。
    子供たちは変顔をしながら楽しく食事をし、笑いの絶えない食卓となっていました。

    「そうだ、写真でも撮ろうかな。」

    私は普段写真を撮るという習慣がないのですが、ふとたまには撮影してみようかと思い、携帯で写真を撮り始めました。
    子供達は妻に写真を撮られ慣れているので、面白いポーズを取りながらシャッターチャンスを作ってくれます。
    そうして食事を終え、妻の携帯へ撮影した写真を転送しようとした時でした。

    「あれ?」

    私がiPhoneの写真フォルダを開いてみると…見た事もない赤ちゃんのドアップ画像がありました。
    しかしその画像ファイルをタップして開いてみると、確かに先ほど撮影していたうちの子供の画像になっています。
    つまりサムネイルの画像だけ、知らない赤ちゃんの画像に入れ替わっているのです。

    なんだこれは!と、オカルト好きな私は興奮しながら嫁にその画面を見せるも、嫁は
    「何これ!?怖いんだけど!」
    と本気で怖がっていたので、画像はそのまま削除しました。

    その赤ちゃんは、私も嫁も知らないし、見た事のない顔でした。
    一体あの赤ちゃんは何者だったのでしょうか…。

    68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:37:10.030 ID:XziVi6nS0
    これ怖い

    72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:39:57.099 ID:LYzZhG9G6
    >>68
    短い話の中では良作だよね

    70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:38:37.806 ID:7blKN20t0
    「助からない患者」

    心霊モンじゃないんだが、おれが検査技師だった頃の話で聞いてくれ。
    その時も、今も一応バイク乗り。

    おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。
    急変とかで、まあよくあることだ。
    処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
    救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)だった。
    救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。50代位の男性だった。

    一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで肉の焼けるにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。
    全然動く気配もない。もう時間の問題だ。
    「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
    と救急隊員は言った。

    医師も
    「あー、こりゃすごいね」
    と言って治療をする気もなさそうだ。
    「ひどい・・・・」
    看護婦も目が怯えていた。
    俺は一応検査をするための準備にかかった。
    機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。
    おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが、表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。
    「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」
    と俺は言った。
    皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。

    「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」

    「あ、あ」
    俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
    今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
    その部屋の中にいた、医師、看護婦、俺、救急隊員、全員が凍りついた。

    まあ、2時間もしないうちに患者は亡くなったんだが、なんども「私はしぬんですか?」って聞かれて、おれたちは不謹慎だが逃げ出したい衝動になんどもかられたよ。

    87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:53:19.679 ID:Q8/U1bKEd
    >>70
    こういうリアルなの好きだわ

    159: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 18:59:59.235 ID:X5nziRQlp
    >>70
    途中で息を吹き返したんだろうね

    71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:39:42.269 ID:7blKN20t0
    「間違って呼び出しボタンを押してしまった」

    大学生のときに同じ学校の友達が体験した恐怖体験です。

    ある夜、友達が私のアパートに駆け込んできました。
    まるで怖いものでも見たように青ざめた顔で、部屋の床にへたり込んだ友達になにがあったのかと問うと、こう言ったのです。

    風呂に入っていて、追炊き機能のボタンを押そうとしたとき、間違って呼び出しボタンを押してしまった。
    その時、風呂の外から女の声で

    「待ってて、今行くから」

    と聞こえてきたのだと言うのです。

    友達は、結構いい賃貸マンションに住んでいるのですが、実家は地方のため、私と同じ一人暮らしです。彼女もいません。
    一体だれの声だと思ったとたん、悪寒が押し寄せてきて震えがとまらなくなったそうです。
    怖くて風呂から出るのもためらわれたが、風呂から出ないことには外にもいけない。
    そんなわけで、脱いだ服をあわてて着て逃げるようにマンションから飛び出してきたのだといいます。

    「部屋の中に、女の人がいたのを見たの?」
    との私の問いかけに、友達は小さく
    「わからない。怖くて、わき目も振らずに家のドアまで向かった。でも…ドアにはきちんと鍵がかかっていて、チェーンもしていたんだ。大学から帰って、俺が戸締りをした。鍵はかかっていた。間違いないんだ。」
    と、がたがた震えながら言いました。

    結局その日は友達を家に泊めましたが、電気を消さず冷蔵庫に入れてあった酒を浴びるように飲み、なんとか気持ちを落ち着かせていた、といった状態でした。
    そして彼はそのまま実家に帰り、両親がマンションの荷物を引き取りに来たようでした。
    それ以来、連絡を取っていないのでその後のことは分かりません。

    あの話を聞いて以来、私は風呂の中で呼び出しボタンを押さないように、細心の注意を払っています。

    73: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:41:03.330 ID:7blKN20t0
    「ビデオメッセージ」

    会社の同僚が亡くなった。
    フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。

    Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で、休みがあればあっちの山、こっちの崖へと常に出かけていた。

    亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。
    「なあ、俺がもし死んだときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」

    趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、ということだった。
    俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろといったが、クライミングをやめることだけは絶対に考えられないとKはきっぱり言った。いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。

    Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮ることになった。
    白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める。

    「えー、Kです。このビデオを見てるということは、僕は死んでしまったということになります。
    ○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本当にありがとう。僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っています。
    僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。僕は天国で楽しくやっています。
    皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。
    ××(娘の名前)、お父さんはずっとお空の上から見ています。だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」

    もちろんこれを撮ったときKは生きていたわけだが、それから半年後本当にKは死んでしまった。
    クライミング中の滑落による事故死で、クライミング仲間によると、通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように下には安全マットを敷いて登るのだが、このときはその落下予想地点から大きく外れて落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。

    通夜、告別式ともに悲壮なものだった。
    泣き叫ぶKの奥さんと娘。俺も信じられない思いだった。まさかあのKが。

    一週間が過ぎたときに、俺は例のビデオをKの家族に見せることにした。
    さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は、俺がKのメッセージビデオがあるといったら是非見せて欲しいと言って来たので、ちょうど初七日の法要があるときに親族の前で見せることになった。

    74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:42:40.581 ID:7blKN20t0
    俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。
    「これも供養になりますから、是非見てあげてください」
    とDVDをセットし、再生した。

    ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。
    あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。
    あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか?

    「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んでしまっ・・いう・・ります。
    ○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本・・ありが・・・」

    Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けているヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。

    「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。
    僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、
    お父さん死んじゃっヴァアアアアアアアアアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」

    75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:43:33.542 ID:7blKN20t0
    背筋が凍った。

    最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う断末魔の叫びのような言葉に変わり
    、最後Kが喋り終わるときに暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。

    これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、
    K兄さんはいたずらでこういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげでその場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますといってみんなに謝った。

    翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に住職がDVDの入った紙袋を見るや否や
    「あ、それはうちでは無理です」
    と。

    代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったがそこでも
    「えらいとんでもないものを持ってきたね」
    と言われた。

    そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来ならあの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。

    76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:44:31.438 ID:7blKN20t0
    「祖母の骨」

    父方の祖母が亡くなった時のこと。
    通夜の時、親戚が座る席に見知らぬ男性がいた。
    父方の親戚たちは毎年集まる習慣があったのだが、その男性の姿は一度も見たことがなかった。
    母にそっと
    「あの人誰?」
    と聞くと、父の兄だという答えが返ってきた。

    当時私は小学生だったのでよく分からなかったのだが、父の兄(以下伯父)は昔ギャンブルで多額の借金を背負い、実家に多大な迷惑をかけたため、縁を切られていたのだという。
    しかし、実母の葬儀ということで連絡がいっていたため、顔を見せたらしい。
    奥さんも連れてきており、そちらは普通のおばさんという感じだったが、伯父の方は陰気な雰囲気で、子供心に「ちょっと気持ち悪いな」と思った。

    そんなこんなで葬儀は進み、祖母の遺体が荼毘に付された後のこと。
    親戚一同が箸で骨を拾い、互いに渡し合っている時、小学生の私には見慣れない光景なので所在無さげにキョロキョロとしていたところ、ふと伯父が目に入った。

    するとなんと、伯父が祖母の骨を食べていた。

    どうやら本人も他の人に見られてはまずいと思っていたらしく、せわしなく視線を泳がせていたので、バッチリ目が合ってしまった。
    伯父は口をモグモグさせながら、心なしかニヤニヤと笑っているように見え、心底ゾッとした。

    小学生だったので「骨を食べてる!」と衝撃を受け本当に怖かったが、何だか親に言ってはいけないような気がして、このことは10年以上誰にも言えずにいた。
    しかし大学に入って民俗学に明るい友人ができ、ふとこのことを思い出したので話してみたところ
    「ああ、骨噛みでしょ。九州地方にそういう風習があるよ」
    と、そんな恐ろしいことじゃないよとでも言うように答えてくれた。

    父の実家は中部地方なのだが、詳しく調べてみると九州に限らず日本各地にそのような【骨を噛む・食べる】という風習があるようだ。
    故人を悼む気持ち・大切に思う気持ちや、故人の生命力・能力にあやかろうとする感情から行うという意味があるのだとか。

    もしかしたら伯父は、縁を切られてしまった実家・あるいは母との繋がりを保つために、骨を食べたのかもしれない。
    しかしその行為はある事だとしても、あの時の不気味な伯父の眼差しは、今でも目に焼き付いて離れない。

    77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:46:16.308 ID:7blKN20t0
    「白い着物の女の霊」

    いまから20年ほど前、父が建てた家に家族5人で暮らしていた時の話です。
    当時小学校4年生だった末の弟は、その家でずっと白い着物の女の霊を見続けていたそうなのです。

    女の霊が現れるときは決まって階段をあがった踊り場のところに立っていて、階段下正面にあるトイレに入っていく弟をじっと、無表情で見つめていたそうです。
    初めはなにがなんだかわからず、弟は「お客さんかな…?」と思っていたらしいですが、人間じゃない、おばけだ!と気づいてからは怖くなってトイレをサッと済ませたり、それまで開けっ放しで入っていた扉を閉めるようになったそうです。
    いつもいるという訳ではなかったらしく、ふと見ると「あ、いる…」という感じだったそうで、弟はそのうち小は庭の用水路で済ませるようになり、大はバタバタバタっと走って行って驚くほどの早さで済ませ、またバタバタバタっと部屋に戻ってくるようになりました。
    両親はそんな弟を行儀が悪いと叱りつけ、私と上の弟は「こわがり!ビビり屋!」と茶化しいじめたのですが…弟はなにも言わずただただ黙っていました。

    この話を打ち明けられたのはそれからだいぶ後、弟も大きくなって、とある事情で家を手放して家族が離れ離れになり久々に再会した時でした。
    「実は…」と言いにくそうに、大げさでもなく淡々と話す弟に
    「なぜその時に言わなかったのか?」
    「黙っててこわくなかったのか?」
    とみんなで質問責めにしたのですが
    「…言っても信じてくれると思わなかった。誰も信じてくれないことと、誰かに言ったらおばけが仕返しに来るんじゃないかと思って、怖かったから我慢していた」
    と。
    なるほど…と、その女の霊の話を聞いた時はゾッとしてしまいました。

    弟は真面目な性格で嘘をつくようなタイプではありません。それにそんな嘘をついたところで何にもなりません。恐らく本当に体験していたのでしょう。

    ちなみに女の霊は悲しいのか怒っているのかまったくわからない、ただただ無表情だったそうです。
    白い着物で顔までもが白っぽく、ぼわーっと透けるような浮きあがるような…なんとも不思議な雰囲気で、人間とは違うそうです。
    霊といえば恐ろしい表情を浮かべていたり、うらめしいことを言ったりという話ばかりですが、弟が見たように静かでそこにただいる、というものも多いのではないでしょうか。

    結局その白い着物を着た女の霊の正体はわからないままですが、余談があります。

    弟がその話をすると「…あ、そういえば」と母も不思議な話を思い出したように打ち明けました。
    母は叔母(母の妹)が泊りがけで遊びに来た時、飲んだり食べたりしながら夜遅くまで尽きない話をしていると、廊下とリビングを隔てたすりガラスの引き戸に白いものがひらっと見えたことがあるそうなのです。
    うるさくしたから祖母が目を覚まして起きてきたのかな?と見に行ったものの、誰もいない。
    白いものは布がひらっと舞いあがってスッと消える感じだったそうですが、叔母も見たので見間違いではないそうです(一応叔母にも確認してみましたが、同じことを言っていました)。
    白い布って、もしや…?と、一連の話を聞いた時には家族全員鳥肌がたちました。

    ちなみにその家は現在別の方が住んでおり、今もまだ同じままあります。

    78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:46:44.132 ID:6lWkIlW6a
    一人にしないでくれよ俺はちゃんと見てるぞ

    79: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:46:50.839 ID:27hwfI2/0
    面白いな~

    80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:47:47.473 ID:7blKN20t0
    「くねくね」

    これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。

    年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に遊びに行った。
    都会とは違い、空気が断然うまい。僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。

    そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風が止んだ。
    と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。

    僕は、『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい風が吹いてくるんだよ!』と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。
    すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。
    その方向には案山子(かかし)がある。『あの案山子がどうしたの?』と兄に聞くと、兄は『いや、その向こうだ』と言って、ますます目を凝らして見ている。
    僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。

    すると、確かに見える。何だ…あれは。

    遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
    しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。

    『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』

    兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
    風がピタリと止んだのだ。
    しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

    81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:48:16.998 ID:7blKN20t0
    兄は
    『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』
    と驚いた口調で言い、気になってしょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。
    兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、はりきって双眼鏡を覗いた。

    すると、急に兄の顔に変化が生じた。みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。
    僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。
    『何だったの?』
    兄はゆっくり答えた。

    『わカらナいホうガいイ……』

    すでに兄の声では無かった。兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。

    僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。

    遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
    しかし、兄は…。

    よし、見るしかない。どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
    僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。

    その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
    僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、すごい勢いで祖父が

    『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』

    と迫ってきた。僕は
    『いや…まだ…』
    と少しキョドった感じで答えたら、祖父は
    『よかった…』
    と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。
    僕は、わけの分からないまま、家に戻された。

    帰ると、みんな泣いている。僕の事で?いや、違う。よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。
    僕は、その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。
    そして家に帰る日、祖母がこう言った。

    『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』

    僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。以前の兄の姿は、もう、無い。

    また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。

    何でこんな事に…ついこの前まで仲良く遊んでたのに、何で…。
    僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。

    祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。
    僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。
    表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
    そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながらずっと双眼鏡を覗き続けた。

    『いつか…元に戻るよね…』

    そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。
    そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。

    …その時だった。
    見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。

    82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:49:41.210 ID:7blKN20t0
    「真夜中のドライブ」

    これは私が20代の時のことです。
    当時付き合っていた彼氏と一緒に、ドライブへ出かけることとなりました。
    彼はとても大雑把な性格で、特に目標を決めずに真夜中でも平気で出かける人でした。
    彼曰く
    「夜中の方が道路が空いていてスムーズだし、観光地も楽に回れる」
    のだそうです。

    その日、彼はただ「山梨へ行こう」とだけ言い、夕方に出発しました。
    目的地どころか泊まるところも決めていないという無計画なドライブです。
    私も若かったので、何だかワクワクするという気持ちになっていました。

    やっと山梨に入ったと思ったのですが、○○市というところに入ってから山道のみになりました。
    真夜中なのでいくら走っても真っ暗な山の中で、民家も全くありません。
    夜11時を過ぎても山道のままなので、このまま夜明けまで走り続けるしかないと思っていました。

    すると道路から一歩奥に入ったところに「旅荘」という古い看板が見えました。
    私達は「まさかこんなところに」と思ったのですが、側道に車を止めて奥の方を見てみると、本当に木造の古めかしい旅館があったのです。
    そこで車から降りて近づいてみると、入口付近は白っぽくてキレイで、ドアのすりガラスの中にはオレンジ色の光の様なものが見えました。
    「もう潰れちゃったんじゃないの?」なんて言いながら近寄ってみると、玄関の外にあったドラム缶の裏に人影が見えたのです。

    私は思い切って「こちらの旅館の方ですか?」と声をかけると、その人影はこちらをチラリと見た様に思えました。
    しかし何故かその人影は、ドラム缶の陰にスッと消えてしまいました。
    あれ?と思い近寄って見ると…誰もいませんでした。確かに人がいたと思ったのですが…。

    私は直感的に幽霊だ!と思い、彼に「逃げよう!」と言って車に駆け込みました。
    ところが彼は幽霊を全く信じないタイプで
    「人がいたの?何で泊まれるか訊いてみないの?」
    と言って玄関まで近寄っていったのです。

    私はもうほぼ半泣きです。彼は古い木でできた、すりガラス付きの玄関をノックしていました。
    しばらくすると、彼が走って戻ってきました。

    「何かいるっ!ドア越しにピッタリ誰かが張り付いてきた!」
    と叫んでいました。
    私達は慌てて車を発進しようとしたのですが、まるでホラー映画のワンシーンの様にエンジンが中々かかりません。
    こんなことがあるのかとパニック状態になりましたが、やっとエンジンがかかって走り出しました。

    恐怖映画では、よく振り向くと後部座席に幽霊が乗っていたり、窓の外に誰かが張り付いているのが見えるシーンがあったので、視線を絶対にそこへ向けない様、ひたすら前だけを見つめていました。
    頭の中では何度も「南無阿弥陀仏」と唱えていました。

    その時急に彼が「後ろが見えない」と言いました。
    バックミラーを見ると、いつの間にか車のトランクが開いて上がっていたのでした。

    思わず幽霊が乗ってきた?!と思ってゾワーっとしましたが、そのままでは走行できません。
    さすがに怖いのでしばらく走ってから車を止めて、彼がトランクを閉めました。

    もうドライブは中止で、そのまま必死で東京に戻りました。
    翌朝ガソリンスタンドで給油をしたのですが、その時にスタッフの人から
    「後ろ、すごい泥がついてますよ」
    と言われました。
    びっくりして見ると、車のトランクの辺りに泥だらけの指の様な跡がいくつもついていたのです。

    もしかして幽霊がトランクをこじ開けて、乗り込もうとしていたのでしょうか。そう思うと、怖くて仕方ありません。
    それ以来彼は真夜中の無謀なドライブに出かけることはなくなり、半年後に私達は別れてしまいました。
    今でも忘れらない、私の恐怖体験です。

    84: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:50:56.358 ID:7blKN20t0
    「走行中に叩かれたドア」

    私は衣料品の縫製をおこなう会社に勤めていて、その日は外部の縫製工場にお願いしていた製品を回収するために、2tトラックを運転していました。
    これは、その帰り道での出来事です。

    その外部の縫製工場までは会社から片道40分ほどの距離で、ガードレールの先が深い崖になっている山道を通ります。
    山道といっても、それなりに交通量があることで整備はしっかりとされていましたし、カーブは多いものの車幅にゆとりのある二車線の道路で、危ない道だと思うことはありませんでした。
    夏というにはまだ早い時期でしたが、その日は雲一つないキレイな青空で、じっとしていても汗ばむような日でした。

    私はゴーと唸り声をあげるエアコンの音を聞きながら、山の緑が生き生きとした山道をドライブ気分で走行していたのですが、急に強烈な眠気に襲われてしまいます。

    ハンドルを握ったまま腕の力が抜けて、トラックが小さく横に動くのをなんとか抑えようとしても、だんだん力の抜ける間隔が狭くなり抑えることも難しくなっていきました。エアコンの音もだんだんと聞こえなくなっていきます。
    自分が危険な状態にあるのはわかっていても心が何も感じなくなっていて、怖いと感じないから眠気は強くなる一方です。
    自分が運転をしているのに、まるで他人の体験を見ているような気分になっていました。

    この山道には休憩用の場所がいくつかあるから、それが見えたらすぐに入ろう…。
    少しでも頭が動いている間にトラックを止められる場所に着くことを祈りながら、なんとか運転をしていたときです。

    バンバンと私の右手側、運転席のドアが大きく叩かれました。車が軽く揺さぶられるくらいの強さでした。
    するとそれまでの眠気がウソだったかのようになくなり、聞こえなくなっていたエアコンの唸りも鮮明に聞こえ始めました。

    最初は、フラフラと走っている危険なトラックに異常を感じたバイクが、ドアを叩いたのかと思いました。
    ですが辺りを見渡してもバイクの姿はどこにも見えません。
    それならあの音と揺れは何だったのだろうか。まさか飛び出してきた動物でもはねたのか…それとも気づかぬ間に対向車と接触事故でも起こしたのだろうか…。
    危険な状況からは脱したものの、今度は事故を起こしたかもしれないという不安が襲ってきました。

    ほどなくすると道路に車両休憩用のスペースが見えたので、トラックを停車させて車体を確認しました。
    しかしキズ・ヘコミなどはどこにもなく、とりあえずは接触事故等ではないことがわかりホッと胸をなでおろしました。
    一応歩いて道路を引き返し確認をしましたが、音がなるような原因になるものはどこにも見つけられませんでした。

    このとき私の脳裏に浮かんだのは、この道路には事故で死んだドライバーの幽霊が出るという話でした。
    事実、その山道は事故が多く注意を呼びかける看板がうるさいほど出ています。
    ドライバーの幽霊以外にも、殺人事件に関係するといわれる場所が何か所もある山道でした。

    私はそんなものよくある噂だろうぐらいに思っていましたし、この山道は何度も通っていますが、幽霊の姿どころか恐ろしいと感じたことは一度もありません。
    ですが自分がこうして実際に不可解な体験をしてしまうとは…。

    あの時この体験をしていなければ、こうして自分が体験したことを伝えることもできなくなっていたかもしれない。
    そう考えると、不思議な出来事の正体が幽霊だとしても「ありがとう」と言わずにはいられません。

    きっと事故を起こす前に幽霊に起こされたのではないか、そんな風に思えて仕方がありません。

    86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:52:54.148 ID:7blKN20t0
    「ラジオからの声」

    数年前のある日、車を運転中にとても怖い思いをしました。
    その日はクリスマスが近くなった12月の金曜日で、私は遠距離恋愛中の恋人に会うために国道を走っていました。

    仕事の終わる時間が遅くなってしまったため、時間はもうとっくに深夜で、都心から離れていくにつれてどんどん車の量は減っていきます。
    私は疲れていましたが早く恋人に会いたい気持ちのほうが強く、休憩もそこそこに二つ先の県にある目的地を目指しました。

    どれほど走ったでしょうか。時刻を見ると夜の1時半。なだらかで走りやすい国道は終わり、ぐねぐねとした山道が始まります。
    さいわい周りに車はなく自分の走りやすい速さで運転できたのですが、あるヘアピンカーブにさしかかった時、かけっぱなしだったラジオが突然無音になりました。

    まあ山の中だし電波が途切れたのかな~くらいにしか最初は思わなかったのですが、ザーーーというノイズの音に混じって、かすかに誰かの声が混じっています。
    まあただチャンネルが混線しただけだろう、はやく治らないかなと思っていると、突然がくんと車のハンドルがとられました。
    あわてて急ブレーキを踏み、山の中で私は車を止めました。

    真っ暗の山道の中で、車のヘッドライトだけがあたりを照らしています。外はとても冷えていて、暖房を切るとすぐにフロントガラスが真っ白に曇りそうでした。

    さっきのはいったい何だったんだろう、と思ってばくばく鳴っている心臓を落ち着けていると、先ほどのノイズ混じりのラジオから、今度ははっきりとした女性の声で

    「はやく会いに来てよ」

    私は鳥肌が止まりませんでした。

    ラジオの電源をオフにして一刻も早く山を抜けたい、明るい道路に出たいと車を走らせました。
    10分ほどしてすぐに何事もなく山を降りることができたのですが、あの時のとても生きた人間とは思えない冷たい声がまだ耳の奥に残っています。

    この話をすると恋人は仕事と運転で疲れてたせいだよ、なんて笑うのですが…私にはあれがとてもただの幻聴だなんて思えません。

    しかしあの声は、どことなく恋人に似ていたような…。

    88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:55:13.204 ID:7blKN20t0
    「合宿での体験」

    私が高校生の時の体験談です。
    小学校から高校までバスケットをしていた私は、通っていた高校で毎年夏の合宿がありました。朝から晩まで練習の日々で、ミーティングは夜中まで続きました。

    3泊4日の合宿での最終日。
    その日はミーティングもなく最終日ということもあり、練習も早めに終わりました。
    同じ地区の強豪チームと合同合宿で、みんなで楽しく話していました。

    そんな中、トイレに行って帰ってきた女子が急に部屋の人数を数え始めました。
    どうしたの?と聞くと、その女子がトイレに行ってみると、トイレが一つ閉まっていたのだそうです。
    その子は自分以外に誰もトイレに行っていないからおかしいな…と思ったので、みんなのいる場所へ戻ってきて人数を数えてみたというのです。

    その合宿先は小さなところで、私たち以外の人が泊まっている事実もありません。
    そして何度数えても、部屋には全員います。

    興味を持った何人かは、本当かどうかトイレを見に行きました。私は怖くて行きませんでしたが、確かに一番奥が閉まっていたそうです。

    そこのトイレは洋式で横向きに座る様になっていて、扉は便座の横にあります。
    閉まっているということは誰かが居るはずなので、気になった先輩達は閉まっているトイレを下から覗きました。
    するとスリッパがコチラを向いているのが見えたそうです。
    やっぱり誰か居る、と思って立ち上がった瞬間、上から髪の長い女の子が手を伸ばしていたというのです。

    先輩達は悲鳴をあげて走って戻ってきました。
    何かいることは確かで、ヤバい怖い!ということで私達は早々と布団を敷き寝ることにしました。

    私はというと、昔から少し霊感が強く、小さい時からよく白い女性や手のない男性、武士のような男性を見たりしていたのでなんかやだなあと思いながら目を瞑りました。

    いつもは疲れてすぐ寝れるのに、その日はなかなか眠りにつくことが出来ずゴロゴロしていました。
    私はドア側に寝ていて、窓際にいた先輩に目が行きました。
    薄暗かったのですが、その先輩の布団の上にまたがっている子供が見えました。ビシビシと嫌な予感を感じます。

    そして私の急に体が重くなり、パッと目を開けました。
    そこには…私の体の両サイドに六人の子供達が座っていました。戦時中の様な格好をした子供達でした。

    その子たちを良く良く見てみると、私の耳を見ている子、私の腕を見ている子、足、目、などなど、一人一人違う箇所を見ていました。
    なんでだろう?と思い良く良くその子たちを見てみたら、その見ている箇所がその子たちの体にはないのです。
    私は目を瞑り「なにも出来ないよ」と心の中でつぶやきました。

    手に掴まれた感触がきて「あ、やばいな」と思った次の瞬間、急に電気がパッとつき部屋が明るくなりました。
    目を開けたら1人の先輩が走って寄ってきて「大丈夫?」と声をかけてくれました。どうやら先輩にも見えていたようです。

    それ以降そこでの合宿はなくなりましたが…未だにあの子供たちがなんだったのかは分からずじまいです。

    89: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:55:15.931 ID:LYzZhG9G6
    どうでもいいけどまだ四時なのに外めっちゃ暗い

    92: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:57:33.684 ID:6lWkIlW6a
    >>89
    このスレ見始めたら雨と雷急に凄くなって若干びびってる俺

    94: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:59:29.478 ID:LYzZhG9G6
    >>92
    こっちも今になってだいぶ雷と雨強くなった

    90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:56:23.612 ID:7blKN20t0
    「事故物件への1泊」

    これは私が中学2年だった夏休みの出来事です。
    その時ちょっと不良な3人の友達とつるんでいた私は、なにかイベントをしようと相談していました。
    夏休みということで、肝試しに行くことに決まりました。

    肝試しをするにも普通の所で行うのは面白くない、そんな意見もでたのでかなり場所を厳選しました。
    その際悪友の1人から「事故物件があるからそこに1日泊まろう」と話がでました。
    どうやら悪友の親が不動産会社をやっていて、その不動産会社が管理している物件に曰く付きの所があったようです。
    貸し手もなかなか決まらないようで、1日くらいなら、とお願いをしたところOKはもらえたのですが…不動産会社の人があまり浮かない表情だったことを覚えています。

    当日、私たちは電車に乗って目的地へと向かいました。
    正直この時はピクニック気分で友達と泊まれるのが楽しみでしょうがなかったので、その後に起こることなど全く考えてもいませんでした

    物件に着いた私たちは、早速その日に持ち寄った食べ物、飲み物で宴会を始めることにしました。
    その中には出るわけないだろうという心理が強く働いていたのだと思います。
    一通りお腹を満たしたあとは、水も電気も止まっていたので近くの銭湯にいきました。
    その後は暗い部屋の中で怖い話をしていましたが、ここで異変が起きます。

    リビングと和室の間のふすまが少しだけ、人が1人通れるだけ開いていました。
    誰かが閉め忘れたのかな?と思いましたが、みんなは閉めたといっています。
    何らかの異変は覚悟していましたし、それだけのことでビビッていると思われたくなかったので、その後は少し談笑をしてから寝ることとしました。

    しかし朝起きると、大きな異変がありました。
    友人の1人(Sとします)が部屋にいません。

    時間は朝5時。外へトイレに行ったのかな?とその時は思いました。他の友人は気持ちよさそうに寝息を立てています。
    10分くらいたった頃でしょうか、Sがドアを強めに空け帰ってきました。
    そして

    「帰るぞ、帰らないと…」

    と大きな声で言いました。
    どうやら始発のやっているその時間を見計らっていたようです。
    Sの顔は疲れたように顔色が悪く、寝ていないことが推察できました。

    状況がよくわからなかったので理由を聞きましたが、Sは「帰るぞ」としか言いません。
    その気迫に負けて、私達はすぐに帰り支度をして電車に乗りました。

    帰りの電車の中で、Sはポツリポツリとそういう状況になった経緯を話し始めました。

    91: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 15:56:41.358 ID:7blKN20t0
    夜、私たちが寝静まったあともSは寝付けないまま起きていたそうです。
    すると物音が立ち始めたそうです。人の歩く音のような。
    その後、うなり声のような音も聞こえてきたので他の人を起こしてみたがまったく起きず、あわてて外へ逃げ出したとのことでした。

    電車の中でその話を聞いた私たちは、信じることもなく凝った演出してるな…位に思っていました。
    幽霊等を全く信じていなかったためです。

    そしてこの夏休み中に、Sは亡くなりました。

    死因はトラックに轢かれてしまったことなのですが、運転手は居眠りとかではなく、ハンドルが勝手に動いたんだ、と言ったそうです。

    その後、ある日私が部活から帰ってくると母親が神妙な顔で話をしてきました。
    「あんた一体何したの?」「何か隠していることない?」
    事故物件に泊まった事は言っていなかった(友達の家に泊まるとは言っていた)ので隠そうかと思いましたが、見透かしたかのような母親の質問と形相から、隠すのはやめて正直に話ました。
    すると母親がここ最近の状況を語り始めました。

    どうやら私がいない時、のぞき窓には写らないのにノックをしてくる来訪者がいたそうです。
    「どなたですか?」と聞いても開けてくれとしか言わず、無視しているとノックの音は大きくなったとの事です。
    それが日を追うごとに頻繁になってきて、身の危険を感じていたようです。
    我が家に起きたこの異変と、Sが変死したことから、母親は泊まりに行った日に何かをやったということに感づいたようです。
    この時分かったのですが、母親には霊感があったのです。

    母親はその後どこかへ連絡をすると、私を連れてすぐに近くにある神社へ向かいました。
    神社に着くと、さっき母親が電話していたと思われる、霊能力者だという方が待っていました。

    その霊能力者と神社の人の見解としては、事故物件にはとても強い地縛霊がいること、Sはその霊の影響でなくなったこと、そして次のターゲットはおそらく私であることが告げられました。
    そして面白半分で霊を肝試しの道具にしてはいけない、ましてや強く念の残っている事故物件のような場所に泊まることなど許されないと、強く叱責を受けました。
    本当に心から反省しましたが、とにかく対応するしか無いということで、お祓いを受けてお守りをもらい、何やら文字の書かれた写しを2枚頂きました。1枚は他の友人へ渡すよう言われました。
    書かれた文字は最低でも1日3回、3日間を読むようにといわれました。

    読んでいる際に物音がするかもしれないが、読むのを止めてしまわず最後まできっちりと読むことと言われました。
    最初の頃は確かに物音がしていたのですが、回数を重ねるたびに少なくなっていき、3日目には物音が立たなくなっていました。
    その後、友人達と一緒にお礼を言いに神社へ行くと、神主や霊能力者の方からほっとした表情で
    「生きていてくれてよかった。」
    と言われました。

    神社で言われた通りにしなければ、私もSのように死んでいたかもしれません。
    私自身にはそこまで身の危険が迫っているという自覚はありませんでしたが、あまりにも違う世界の話なのでよくわかりません。
    お守りは毎年そこの神社で新調し、頂いた文字の写しは今も手放せずに持っています。
    そして怖い場所や本能が避ける場所には行かないことで、自己防衛をすることにしました。

    霊のいる場所で弄んだ行為をすると、取返しのつかない見返りが待っているかもしれません。
    皆様はそのようなことの無きよう願うばかりです。

    95: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:00:03.610 ID:7blKN20t0
    「だるま」

    その仲良し夫婦は旅行が趣味で、よく外出を楽しんでいた。
    国内を行き尽くした2人はそのうち、海外旅行へも積極的にチャレンジするようになる。
    言葉が通じず、新しい体験だらけの海外旅行はとても新鮮でのめり込む要素も満載だったため、刺激を求めた2人はいつしかツアーではなく単独で海外へ渡るようになっていた。

    そんな2人が某国でショッピングを楽しんでいた時、事件が起きた。
    服を選んでいた妻が、いつの間にか店から忽然と姿を消したのだ。

    妻はさっきまで更衣室で着替えていたはずだった。しかしいつまで待っても出てこない彼女は、まるで蒸発したかのようにいなくなった。
    夫はお店の人に事態を訴えるも、言葉が通じず泣き寝入りするしかない。
    現地の警察に通報するも、結局妻の行方は不明のまま夫だけは帰国することとなってしまった。

    愛する妻はどこへ消えたのか…。どうしても諦め切れない夫は、暇さえあれば足しげく某国へと通った。
    しかし妻の足取りは掴めずじまいだった。

    もう何度某国へ来ただろうか。今回は友人達も同行して入国した。
    友人達は半ば諦めかけていた夫を元気づけようと、何か面白いものはないかと模索していた。
    すると町の一角に、人だかりが出来ている。

    「何かイベントでもやっているのかな?」

    人混みの間からひょいと覗いた一行の目に飛び込んできたのは、見せ物小屋だった。
    そこには、手足のない全裸の女性がいた。
    その女性がひょこひょこと無表情で歩き回っているのを、多くの見物客が眺めていたのだ。

    どういった経緯でその女性がそのような状態になったのかは、知る由もない。なんとなくこの状況が不愉快に感じた一行は
    「そろそろ食事でも行こうか」
    とその場を離れようとした。
    しかし妻が行方不明となっている夫だけが、いつまでもその場を離れようとしない。
    「おい、○○(夫の名)、もう行くぞ」
    と声をかけると、夫はボソッと呟くように言葉を発した。

    「△△…。」

    えっ?
    友人達は耳を疑った。
    △△(妻の名)がついに見つかったのか!どこにいるんだ!と驚きながら問うと、○○は無言で指を指した。
    なんとそれは、見せ物となっている例の女性だった。

    そんな馬鹿な…。

    友人達は驚愕したが、確かに△△にそっくりだ。しかし彼女がこんな姿になっているとは、誰も信じることができなかった。
    夫は、ただ茫然と立ち尽くしていた。

    その後、その見せ物小屋と交渉した一行は手足のない女性を引取り、あらゆる手段で△△本人かどうかの照合を行った。
    結果、その手足のない女性は△△であることが医学的にも証明された。

    △△の身になにがあったのか、はっきりしたことはわからない。
    ただ△△は生きてはいるものの、両手両足を切断され、声帯も失っていた。さらには、精神も既に崩壊しているような状態だった。
    両手両足のない彼女の姿は、まるで「だるま」のようだった。

    96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:01:22.497 ID:7blKN20t0
    「紙食いばあさん」

    これは私が子供の頃、父親から時々聞かされていた話です。

    昔、とある山奥の一軒家に母親と息子が住んでいました。
    畑を耕したり、木の実やキノコを採ったりして、2人で力を合わせて暮らしていました。

    しかしそれでは生活が苦しくなり、息子は街で働くことになりました。
    息子はアパート暮らしをしながら一生懸命働きました。
    そして時々、稼いだお金で食料品や衣料品を購入して、山の母親に届けました。

    ところがやがて、息子は街で結婚しました。
    その後、妻や子供を支えることで忙しくなり、山奥の母親のもとに通う回数が減っていったのです。

    母親はその間も、息子を待ちながら1人で頑張って生活していました。
    ところが徐々に足腰が弱くなり、あまり遠くへは木の実やキノコを採りに行くことができなくなりました。
    そのため母親は、庭の畑で獲れた作物のみで食いつないでいくことにしました。

    以前息子が届けてくれた食料品は、もうとっくにありません。
    母親はひもじさを我慢して、来る日も来る日も、息子を思いながら畑を耕しました。
    しかし足腰の衰えた母親1人では、もうしっかりと畑仕事をすることができませんでした。
    種を蒔いても芽が出ず、芽が出ても苗はすぐに枯れました。

    頑張っても頑張っても作物を収穫することはできず、母親はやむなく家の周りの草木を食べることにしました。
    雑草を摘み、樹木の皮をはいで、鍋で煮込んで食べるのです。
    雑草や樹皮は日に日に減っていきました。やがて家の周りには、食べることのできそうな植物は何もなくなりました。
    とはいえ足腰の悪い母親には、遠くまで草木を採りに行くことができません。
    そしてそのうち、家から一歩も出ることができなくなるくらいに体が衰えました。

    それにもかかわらず、お腹は空きます。
    ひもじくてたまらず、母親は窓の障子紙を小さく破って食べました。
    もう他に食べることができそうなものは何もなかったのです。

    ひもじさと、息子が来ないという寂しさから、母親は泣きながら毎日障子紙を破って食べました。

    ビリビリビリ…ムシャムシャムシャ…

    ビリビリビリ…ムシャムシャムシャ…

    家からは障子紙を破る音と、それを食べる音だけが物悲しく響きました。

    その頃、街で妻子と暮らしていた息子は生活が安定し、時間もとれるようになりました。
    そこで食料品を買って、久しぶりに山奥の実家に行ってみることにしました。

    97: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:01:41.386 ID:7blKN20t0
    しかし実家へ近づいていくにつれて、息子は違和感を覚えました。
    実家周辺の木々の皮が、すっかりむしられているのです。雑草も1本も生えていません。畑は荒れ放題です。

    心配になった息子は走って実家に向かいました。
    そして戸を開け

    「かあさん!」

    母親を呼びました。返事はありません。

    「かあさん!かあさん!!」

    何度呼んでも、返事は戻ってきませんでした。
    よく見ると、家の中の様子もおかしいのです。
    部屋という部屋の障子が、全て紙のない状態になっていました。

    不安と恐怖とを感じながら、息子は一番奥の部屋へと向かいました。すると

    ビリビリビリ…ムシャムシャムシャ…

    音が聞こえてきました。

    母親がいた!と思い、息子は嬉しくなって奥の部屋のふすまを開けました。

    「かあさん!ただいま!」

    しかしそこに母親の姿はなく、枯れ枝のように痩せ細った遺体が転がっていました。
    家中の障子紙を食べ尽くしていた母親は、もうとっくに飢えて死んでいたのです。

    その後家は取り壊されましたが、今でも家があった場所では
    ビリビリビリ…ムシャムシャムシャ…
    という音が、夜な夜な響いているそうです。

    私にこの「紙食いばあさん」という話を教えてくれたのは、実は父親だけではありません。
    親類や近所のおじさんも、内容は若干違えどもふとした拍子にこの「紙食いばあさん」の話をしていました。
    しかし私が詳しく尋ねるも、皆一様に気まずそうな顔をして話を濁していました。

    もしかしたらこの話は実話で、話をしてくれた人の中に「紙食いばあさん」の息子、もしくはその知り合いや関係者がいた…のかもしれません。

    98: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:02:41.462 ID:7blKN20t0
    「廃病院への肝試し」

    バイト先の社員さんから聞いた話です。
    私は当時、四国のある県でアルバイトをしていました。そのアルバイト先に、入社したてでまだ若い男性の社員さんがいました。
    歳が近い為か、仲良くしてくれて面白い話も沢山聞かせてくれたのですが、ひとつだけとても怖い話をされました。

    その社員さんが大学生の頃、県内の有名な心霊スポットである廃病院に、友達3人と一緒に肝試しをしに車で出掛けた時の話だそうです。

    時刻は深夜、懐中電灯を2本だけ持って、廃病院の中を一通り探検して回りました。
    廃病院とはいってもまだそれほどボロボロではなくて、肝試しに来た人たちの落書きはあったけれど思っていたよりも中は整理されていたそうです。
    その様子が逆に「まだここに患者が残っているのでは」と思えてとても怖かったそうです。

    病院の中では怖さを紛らわせるため、お互いを脅かし合ったりしてわぁわぁ騒ぎながら歩いていました。
    これといって心霊現象らしいことは起きず、無事に4人で病院を出たそうです

    4人全員が車に乗り込んだのを確認してから発進。肝試しの感想を語りながら車を走らせていました。

    そして少し大きな道に出たところで、後ろから来たパトカーがサイレンを鳴らしながら猛スピードで追いかけてきました。

    「そこの車、止まりなさい!」

    それは凄い剣幕で言われたそうです。
    まっすぐな道でしたが、スピード違反はしていないし何だろう?と驚いてすぐに車を止めました。
    すると、パトカーから降りてきた警官が顔を真っ赤にしながら叫んだそうです。

    「何やってんだ!屋根に人を乗せて走っちゃダメだろう!」

    99: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:04:16.986 ID:7blKN20t0
    「別れた後も来る元カノ」

    これは今から20年ほど前に、私が悩まされた体験です。

    当時私は24歳の会社員で、一人暮らしをしていました。
    名義が祖母の物件だったので、家賃は格安。経済的にも恵まれていて、快適に過ごしていました。

    この頃、私には交際歴3年目になる19歳の彼女がいました。
    彼女は私が一人暮らしをしていることを良いことに、学生の頃はよく私の家へ入り浸ってました。
    しかし高校卒業後に彼女は就職し、車で1時間ぐらいかかる所に配属されました。
    その職場近辺で彼女は一人暮らしをするようになるものの、そのぐらいの距離をものともせず地元へ戻ってきては、私に会いに来てくれました

    こう書くと素敵な彼女だな…って思いますが、今でいうメンヘラな所があったんですよね。
    毎日の連絡なんてのは当たり前でしたし、素っ気無い態度をとるとすぐ
    「手首を切るから!」
    なんて脅迫じみたことを言われました。
    頭痛薬を大量に飲んだり…なんてことも。

    とはいっても、実際にリストカットしたような傷痕はないですし、頭痛薬を飲んだといっても少し気分が悪くなる程度。
    まあ私の気を引くために狂言じみたことをしていたわけです。

    まだ彼女が学生で、地元に居てた頃は会う頻度も多かったのでマシでした。
    職場付近で一人暮らしをするようになってから、上記のようなメンヘラ具合にエスカレートしていったのです。

    そのうち付き合ってられなくなり、放置していると「他の男性が好きになった」といって彼女の方から別れを告げてきました。
    私も彼女のメンヘラッぷりに辟易してましたし、別れることにしました。

    しかしこの別れから3ヶ月ほど経過してから、私の身の回りで異変が起きるようになりました。

    私が友人達と遊んでから帰宅すると、深夜3時を回ってるってことが結構ありました。
    帰宅後に衣服を脱いだりし、寝室へと移動します。
    ふとカーテンへ目をやると、キチっと締まってなくて隙間があったんです。
    キチンと締めようと窓に近づき、何気なくカーテンの隙間から下を見ました。

    すると下の道路に、元カノっぽい女性がいるんです。

    100: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:04:34.864 ID:7blKN20t0
    私の住んでた所は7Fだったので顔までハッキリ見えませんでしたが、元カノがよく着てた服装を着ていました。スタイルや髪型も元カノそっくりです。
    ですが時計を見ると深夜3時半。こんな時間に元カノがいるはずがありません。
    単なる見間違いだと思い、そのまま寝ることにしました。

    さらに異変は続きます。
    別の日に私が自宅で寝ていると、玄関のドアをノックする音で起こされました。
    何時だ?と思い時計を見ると、深夜4時。そんな時間に誰か来るはずがありませんから、夢だと思いスルーしました。
    するとまた「コンコン」とノックの音が鳴りました。

    その時に気づいたんです。
    このノックの仕方は元カノの叩き方と同じだ、ということに。
    玄関のドアスコープから外を見てみるも…誰もいませんでした。

    これが一度だけなら、私の思い過ごしで良かったかもしれません。
    ところが上記したような現象が、週1回程度の割合で起こりました。

    さすがの異常事態に、私は元カノへ電話しました。
    元カノはそんなことしてないと言い張ります。
    私と別れるキッカケとなった男性とは既に別れてるものの、わざわざ地元まで戻ってそんな嫌がらせするほど暇じゃない!と言われました。

    確かにそうです。
    元カノの移動手段は原付でしたから、車で1時間以上かかる私の家まで原付で、あんな時間に往復なんて非現実的です。
    とはいえ実際に異変が起きている以上、完全に元カノの話を信じる気にもなれません。

    そこである日、玄関ドアをノックされてる時に元カノへ電話しました。
    元カノは電話に出てくれましたが、案の定「アンタ何時に電話してきてんの?」と怒りまくってます。
    私は「お前うちの玄関前にいるだろう?ドアノックしてんじゃねえよ!」と反論します。
    元カノからは「寝ぼけたこと言うな!」とキレられました。

    この時にわかったのですが、元カノの電話口からドアをノックする音は一切しないんです。
    寝てたというだけあって、背景に音は一切なくシーンと静まり返ってます。
    しかしこちらではドアをノック音が聞こえてるんですから、元カノでないことはわかりました。
    すぐに玄関ドア前に行って、ドアの覗き穴から見てみましたが…やはり誰もいません。

    これで一件落着したかのように思えましたが、未明のドアノックと道路に佇む女性の姿は、それ以降も何度も繰り返されました。
    この異変のせいで私は鬱状態のようになってしまい、せっかく格安で借りれてる市営住宅を離れることになりました。

    引っ越してからは、元カノの生霊は現れなくなりました。
    今だにあの現象は何だったのか…と、思い返すと不思議で怖い体験です。

    101: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:05:52.616 ID:7blKN20t0
    「旅館の求人」

    丁度2年くらい前のことです。旅行にいきたいのでバイトを探してた時の事です。
    暑い日が続いてて汗をかきながら求人をめくっては電話してました。
    ところが、何故かどこもかしこも駄目、駄目駄目。
    擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌をペラペラと悪態をつきながらめくってたんです。

    不景気だな…節電の為、夜まで電気は落としています。
    暗い部屋に落ちそうでおちない夕日がさしこんでいます。
    窓枠に遮られた部分だけがまるで暗い十字架のような影を畳に落としていました。遠くで電車の音が響きます。
    目をつむると違う部屋から夕餉の香りがしてきます。
    「カップラーメンあったな」
    私は体をだるそうに起こし散らかった求人雑誌をかたずけました。
    ふと、、偶然開いたのでしょうかページがめくれていました。

    そこには某県(ふせておきます)の旅館がバイトを募集しているものでした。
    その場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思ってた所でした。
    条件は夏の期間だけのもので時給はあまり、、というか全然高くありません
    でしたが、住みこみで食事つき、というところに強く惹かれました。
    ずっとカップメンしか食べてません。まかない料理でも手作りのものが食べれて、しかも行きたかった場所。
    私はすぐに電話しました。

    「はい。ありがとうございます!○○旅館です。」
    「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
    「え、少々お待ち下さい。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」

    受けつけは若そうな女性でした。
    電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは 宿の主人?)小声で会話をしていました。
    私はドキドキしながらなぜか正座なんかしちゃったりして、、待ってました。やがて受話器をにぎる気配がしました。

    「はい。お電話変わりました。えと…バイトですか?」
    「はい。××求人でここのことをしりまして、是非お願いしたいのですが」
    「あー、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつからこれますか?」
    「いつでも私は構いません」
    「じゃ、明日からでもお願いします。すみませんお名前は?」
    「神尾(仮名)です」
    「神尾君ね。はやくいらっしゃい。」

    とんとん拍子だった。運が良かった。私は電話の用件などを忘れないように録音するようにしている。
    再度電話を再生しながら必要事項をメモっていく。
    住みこみなので持っていくもののなかに 保険証なども必要とのことだったのでそれもメモする。
    その宿の求人のページを見ると白黒で宿の写真が写っていた。こじんまりとしているが自然にかこまれた良さそうな場所だ。

    102: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:06:13.172 ID:7blKN20t0
    私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということもあってホっとした。
    しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながらカップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。
    日はいつのまにかとっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が入ってくる。
    私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか気付いた。
    条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
    旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
    暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔がうつっていた。

    なぜか、まったく嬉しくなかった。理由はわからないが私は激しく落ちこんでいた。
    窓にうつった年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめつづけた。

    次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪か?
    私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
    鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたようなクマが出来ており、顔色は真っ白。まるで…。
    バイトやめようかとも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
    しかし気がのらない。そのとき電話がなった。

    「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
    「はい。今準備して出るところです。」
    「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が…」
    「あ、すみません、寝起きなので」
    「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
    「あ、だいじょうぶです。でも、ありがとうございます。」

    電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
    しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
    「と…とりあえず、旅館までつけば…」
    私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。

    やがて雨が降り出した。
    傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
    激しい咳が出る。
    「…旅館で休みたい…」
    私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
    カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで老人のように。
    「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど…」

    103: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:06:33.063 ID:7blKN20t0
    私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
    電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ苦しい息をした。
    ぜー、ぜー、声が枯れている。手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。
    血がベットリ。
    私は霞む目でホームを見ていた。
    「はやく…旅館へ…」
    やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
    乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
    フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば…
    そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が突進してきた。

    どしん!私はふっとばされホームに転がった。老婆もよろけたが再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
    悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。
    「やめろ!やめてくれ!俺はあの電車にのらないといけないんだ!」
    「なぜじゃ!?なぜじゃ!?」
    老婆は私にまたがり顔をわしづかみにして地面に抑えつけながら聞いた。
    「りょ、旅館にいけなくなってしまう!」
    やがて駅員たちがかけつけ私たちは引き離された。
    電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの中心で座りこんでいた。
    やがて引き離された老婆が息をととのえながら言った。
    「おぬしは引かれておる。危なかった。」そして老婆は去っていった。

    私は駅員と2~3応答をしたがすぐに帰された。
    駅を出て仕方なく家に戻る。
    すると体の調子が良くなってきた。声も戻ってきた。
    鏡を見ると血色がいい。
    私は不思議に思いながらも家に帰った。

    荷物を下ろし、タバコを吸う。
    落ちついてからやはり断わろうと旅館の電話番号をおした。すると無感情な軽い声が帰ってきた。
    「この電話番号は現在使われておりません。」
    押しなおす
    「この電話番号は現在使われておりません。」

    私は混乱した。まさにこの番号で今朝電話が掛かってきたのだ。
    おかしいおかしいおかしい…。
    私は通話記録をとっていたのを思い出した。
    最初まで巻き戻す。

    105: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:10:04.082 ID:7blKN20t0
    キュルキュルキュル、ガチャ
    再生
    「ザ…ザザ……はい。ありがとうございます。○○旅館です。」
    あれ?私は悪寒を感じた。若い女性だったはずなのに、声がまるで低い男性のような声になっている。
    「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
    「え、少々お待ち下さい。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」
    ん??
    私はそこで何が話し合われてるのか聞こえた。
    巻き戻し、音声を大きくする。
    「え、少々お待ち下さい。……ザ…ザ…ザザ…い…そう…だ……」
    巻き戻す。
    「……ザ…ザ…ザザ…むい…こご…そう…だ……」
    巻き戻す。
    「さむい…こごえそうだ」
    子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が唸っている声が聞こえる。

    うわぁ!!私は汗が滴った。
    電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。

    「あー…ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつからこれますか?」
    「いつでも私は構いません」

    記憶にある会話。しかし、私はおじさんと話をしていたはずだ。
    そこから流れる声は地面の下から響くような老人の声だった。
    「神尾くんね、はやくいらっしゃい」

    106: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:10:31.892 ID:7blKN20t0
    そこで通話が途切れる。私の体中に冷や汗がながれおちる。
    外は土砂降りの雨である。金縛りにあったように動けなかったが私はようやく落ちついてきた。
    すると、そのまま通話記録が流れた。
    今朝、掛かってきた分だ。
    しかし、話し声は私のものだけだった。

    「死ね死ね死ね死ね死ね」
    「はい。今準備して出るところです。」
    「死ね死ね死ね死ね死ね」
    「あ、すみません、寝起きなので」
    「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
    「あ、だいじょうぶです。でも、ありがとうございます。」

    私は電話の電源ごとひきぬいた。
    かわいた喉を鳴らす。
    な、なんだ…なんだこれ、なんだよ!?どうなってんだ??

    私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
    震えながらそのページを探す。
    すると何かおかしい。手が震える。
    そのページはあった。綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわでなにかシミが大きく広がり少しはじが焦げている。
    どうみてもそこだけが古い紙質なのです。まるで数十年前の古雑誌のようでした。
    そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていました。
    そこに記事が書いてありました。

    死者30数名。台所から出火したもよう。
    旅館の主人と思われる焼死体が台所でみつかったことから、料理の際に炎を出したと思われる。泊まりに来ていた宿泊客達が逃げ遅れて炎にまかれて焼死。

    これ…なんだ。求人じゃない。
    私は声もだせずにいた。求人雑誌が風にめくれている。
    私は痺れた頭で石のように動けなかった。

    そのときふいに雨足が弱くなった。一瞬の静寂が私を包んだ。

    電話がなっている。

    107: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:13:01.202 ID:7blKN20t0
    支援サンクス
    最後に長編ぶっこんで終わりにします

    108: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:13:35.539 ID:7blKN20t0
    「昔田舎で起こったこと」

    これを誰かに話すのははじめてなんだが、暇な奴は聞いてくれ。

    あらかじめ断っておくけど、相当に長い上にヘタクソな文だと思う。
    エ※もない。
    そして多分レスもしない。すまない、あまり時間が無いんだ。
    ネタや釣りだと思われてもかまわない。
    俺が吐き出したいだけというスレだ。
    ただ出来るだけ多くの人の目に触れてほしい。

    早速話をはじめよう。
    俺が小学5年の頃の話だ。

    東京で生まれ育った一人っ子の俺は、ほぼ毎年夏休みを利用して1ヶ月程母方の祖父母家へ行っていた。
    両親共働きの鍵っ子だったので、祖父母家に行くのはたいてい俺一人だったが、初孫だった俺を祖父母はいつも笑顔で歓迎してくれた。
    山あいにある小さな集落で、集落の北端は切り立った山になってて、その山のすぐ下を県道が走ってる。
    県道沿いに商店が数軒並んでて、その中に祖父母家があった。
    山を背にすると猫の額程の平地があり、真ん中に川が流れてて、川を渡って数分歩くとすぐ山になる。
    山に挟まれた県道と川がしばらく坂を上っていくと、険しい峠になっていて、この集落は峠までの道で最後の集落になってる。
    この峠は名前も何だか不気味だったこともあって、昔ながらの怪談話をよく大人たちに聞かされたものだった。
    そんな寒村の小さな集落、全部合わせて50人も住んでないような場所だから、遊び仲間になる子供も5~6人ぐらいしか居なかった。

    よく遊んでいたのが
    子供たちの年長者であるA(中1)
    Aの弟のB(小6)
    仲間内で唯一俺より年下だった魚屋のC(小4)

    川で泳いだりカブトムシを取りに行ったり、東京のコンクリートジャングルで生まれ育った俺にとって、ファミコンが無くても楽しい田舎での暮らしは新鮮で天国のようだった。

    小5の夏休み。
    俺は例年通り新幹線とローカル線、さらにバスを乗り継ぎ6~7時間掛けて祖父母家に行った。
    翌日から遊び仲間たちに挨拶回りをして、早速あちこち走り回って遊びまくった。
    集落の大人たちから「行ってはいけない」と言われていた
    集落南端の山中にあるお稲荷さんで肝試しもした。
    カンカン照りの昼間だけど、鬱蒼とした森の中で、北向きなせいもあって薄暗くて怖かったな。

    109: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:13:58.017 ID:7blKN20t0
    それとは別にもう1ヶ所「行ってはいけない」と言われてた場所がある。
    場所、と言うか、俺が聞いてたのは漠然としたエリアで、
    県道伝いに峠方面に行くと、県道沿いに製材工場と墓地がある。
    その墓地から先には絶対に行くな、と。
    今でこそ県道は道幅が拡張されたり、トンネルがいくつもできたりしてるらしいが、
    当時は集落から数キロ先の峠まで、道幅も狭くて交通量も多かったので危ないからだと説明されていた。
    確かに両親と車で行ったとき、車で峠を越えたことがあったけど、崖にへばりつくような道で、
    車線内に収まりきらない大型トラックがセンターラインを跨ぎながらビュンビュン走ってたのを覚えている。

    肝試しの翌日、昨日の肝試しはたいしたこと無かったなと、皆で強がりながら話しているとき、Bがニヤニヤしながら話はじめた。

    B「峠の方に行った墓の先、鎖がしてある道あるじゃん?あの先にすっげぇ不気味な家があるらしいよ!」
    A「家?鎖の奥に行ったことあるけどそんなの無かったぞ」
    C「えぇ?A君行ったことあるの!?あの鎖の先は絶対行っちゃいけないって…」
    A「おう、内緒だぞw」

    どうやら本当に行ってはいけない場所というのは、鎖のある道小道だったようだ。

    A「あの道の先って、川にぶつかって行き止まりだぞ。」
    B「それがな、昔はあの先に橋があったらしいんだよ。でも俺たちが生まれた頃に洪水で流されたんだって。
    で、あの道とは別に、川の手前から斜めに入ってく旧道があるらしいんだよ。そこに古い橋がまだ残ってるって話だぜ。
    旧道は藪だらけだし、周りは林だからあの道から橋も見えないけどな。」
    A「誰に聞いたんだ…?」
    B「□□(別地域)の奴に。いわくつきの家らしいよ。」
    A「面白そうだな。」
    B「だろ?今から行ってみようぜ!」

    AB兄弟はノリノリだったが、年少者で臆病なCは尻込みしていた。

    110: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:14:18.345 ID:7blKN20t0
    B「Cはビビリだなwお前夜小便行けなくて寝小便が直らないらしいなw」
    C「そんなことないよ!」
    B「やーいビビリwおい、Cはビビリだから置いてこうぜw」
    C「俺も行くよ!」

    俺たち4人はわいわい騒ぎながら県道を峠方向に歩いていった。

    集落から歩いて10分。
    製材所や牛舎を抜けると、山側に大きな墓地がある。
    そこからさらに5分程歩くと、Bが言う「鎖の道」が右手にあった。
    車に乗ってたらまず気付かないであろう、幅2m程藪が薄くなっているところを覗くと、5m先に小さな鉄柱が2本あり、ダランとした鎖が道を塞いでいる。
    鎖を跨ぎ、轍が消えかけ苔と雑草だらけの砂利道を少し歩くと、道は徐々に右へとカーブしていく。
    鬱蒼とした木々に囲まれて薄暗いカーブを曲がっていくと、緑のトンネルの先からひときわ明るい光がさしこんでいた。
    そこで川にぶつかり、道は途切れた。
    今居る道の対岸にも、森の中にポツンと緑のトンネルのような道が見える。
    対岸まではせいぜい10~15mぐらい。川幅ギリギリまで木々が生えてるため左右の見通しは利かない。
    足元には橋台の跡と思われるコンクリートの塊があった。

    A「やっぱ行き止まりじゃねーか」
    B「まぁ待ってよ。ほら、コレ橋の跡でしょ?あっち(対岸)にも道があるし。」
    A「ほんとだ」
    B「戻ろうぜ。旧道の目印も聞いてあるからさ。」

    そこから引き返してカーブを曲がっていくと、カーブの付け根あたりでBが道の脇を指差した。

    B「ほらこの石。これが旧道の分岐だ」

    人の頭ぐらいの大きさの、平べったい石が2つ並んで落ちていた。
    ひとつは中心がすこし窪んでいて、B曰く昔はここに地蔵があったんだとか。
    県道方面から見てカーブの入り口を左側、濃い藪が広がってるなかで
    確かに藪が薄い一本のラインが見える。
    藪の中は緩い土がヌタヌタと不快な感触だが、このライン上は心なしか踏み固められているように思えた。
    藪を掻き分け、笹で手を切りながら進んでいくと、川に出た。

    B「ほれ、橋だw」

    Bがニヤケながら指差したのは、古びた吊り橋だった。

    A「橋ってこれかよw行けるか?これw」
    B「ホラ、結構丈夫だし行けるだろw」

    まずはBが先陣を切って吊り橋を渡りはじめた。
    ギギギギと嫌な音はするけど、見た目よりは丈夫そうだ。Cは泣きそうな顔をしていた。

    111: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:15:00.871 ID:7blKN20t0
    いっぺんに吊り橋を渡って橋が落ちたら洒落にならないので、一人ずつ順番に対岸まで渡ることになった。
    一番ノリノリのBが渡り終えると、次にA、そして俺が渡り終えて最後に残ったCを呼ぶが、モジモジしてなかなか渡ろうとしない。

    B「おいC!何怖がってんだよ!大丈夫だよ俺らが渡れたんだから一番チビなお前が渡っても橋が落ちることはねーよ!w」

    対岸からあーだこーだとけしかけて、5分近く掛かってようやくCも渡ってきた。
    涙で顔をグショグショにしたCの頭を、笑いながらBがグシャグシャと撫でていた。

    橋までの道と同じような藪が少し薄いだけという、獣道にも劣る旧道を2~3分程歩くと、右手から苔と雑草だらけの砂利道が合流してきた。
    流された橋の先にあった車道だろう。
    そこから100m程だろうか、クネクネとS字カーブを曲がっていくと、広場のような場所に出て2軒の家があった。
    元々は他にも数軒家があった形跡があり、奥にはすぐ山肌が迫っていた。
    家があったと思われる場所は空き地になってる為、鬱蒼とした森の中でかなり広いスカスカな空間が不気味だった。
    2軒の家は平屋建てで、道を挟んで向かい合うように建っている。
    どちらも明らかに廃屋で、左手の家には小さな物置があった。

    広場の入り口には風化して顔の凹凸がなくなりつつある古い地蔵があったが、何故か赤茶けていた。
    AB兄弟はすげーすげーと興奮してたが、俺とCは怖くなってしまい、黙り込んでいた。
    Cはキョロキョロしながら怯えている。
    どちらの家も玄関の引き戸や窓は木の板を×印の形に打ち付けて封鎖されていた。

    B「どっかから入れないかな」
    AB兄弟は家の周りをグルグル眺め回していた。
    とても帰ろうなんて言える雰囲気ではないが、Cは小声で「もう帰りたい…」と呟いていた。
    物置がある家の裏手からBがオーイ!と声をあげた。

    皆でBの声のする方に言ってみると、裏手のドアは鍵が閉めてあるだけで、木の板は打ち付けられていなかった。

    112: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:15:22.672 ID:7blKN20t0
    B「兄貴、一緒にコイツを引っ張ってくれよ」
    Aはニヤリと笑ってBと二人でドアノブを引っ張りはじめた。
    C「ダメだよ、壊れちゃうよ!」
    B「誰も住んでないんだから、いいだろw」

    せーの!と掛け声をかけながらAB兄弟は力いっぱいドアノブを引っ張った。
    何度目かのせーの!でバコン!カシャン!という音と共にドアが勢い良く開いた。AB兄弟は勢い余って二人とも地面にぶっ飛んだ。
    Aの左肘に出来た擦り傷が痛々しい。

    ドアの向こうはかなり暗かったので、懐中電灯を持ってこなかったことを後悔した。
    まずBが、次にAが勝手口から土足のまま入っていく。

    B「くせー、なんだこりゃーw」
    A「カビくせーなーw」

    すっかり怯えきってるCと顔を見合わせたけど、俺は恐怖より好奇心が勝っていたので、AB兄弟のあとに続いて家に入った。
    それを見たCが鼻声で「待ってよ!」と言いながらドタドタと家に入る。

    勝手口を入るとそこは台所になっていた。
    土間を改築したのか、台所部分は土の床が広がっている。
    とにかくかび臭く、歩くたびに土っぽい誇りがぶわっと舞うようだった。
    台所には何も無く、奥に入ると畳の部屋があった。
    台所と畳部屋の境目あたりの畳は特に損傷が酷く、黒っぽく変色しグチャグチャに腐っていた。
    その上にある鴨居は何かでガリガリ削ったような跡がついていた。
    部屋には壁に立てかけられた大きな鏡があり、鏡と反対の壁には昭和40年代のカレンダーがぶら下がっていて、当時ですら20年近くも誰も住んでいなかったようだ。
    カレンダーの下には幅1m、高さ50cm、奥行き50cmぐらいの木製の重厚な葛篭のようなものがあり、蓋の部分には黄色く変色した和紙の封筒のようなものが貼り付けてあった。

    C「もう帰ろうよ、怖いよ…」
    B「弱虫だなぁCはw」
    A「折角ここまで来たんだから、なっ!」

    ABは笑いながら葛篭を開けようとしていたが、しっかりと閉じられていてビクともしないようだった。

    114: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:17:29.317 ID:6lWkIlW6a
    見てるぞ

    116: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:19:57.385 ID:7blKN20t0
    数分葛篭と格闘したABだったが一向に開く気配が無いので一旦諦め、室内の散策を続行することにした。
    葛篭の部屋からは細くて暗い廊下が伸びており、汲み取り式の和式便所と狭苦しい風呂が並んでいて、特に風呂はグレーがかった黒い液体が固まったようなものがあって汚かった。
    そして便所と風呂から廊下を挟んで反対側に、もう一部屋和室があった。
    和室には全身を写せる鏡と、その鏡の反対側の壁に小さな木箱が置かれていて、木箱にはさっきの葛篭と同じく和紙の封筒のようなものが貼り付けてあった。

    A「うわ、まただよ。なんなんだ?これ」
    B「中身、見てみようぜ」

    Bはまず木箱が開くのか試してみたが、開かなかった。
    そしてビリッと和紙の封筒を剥がして、中に入っている紙を取り出した。

    B「なんて書いてあるんだ?これ」
    A「達筆過ぎて読めないな…」

    そこにはミミズが這ったような文字が黒々と一行だけ書いてあり、左下には何かをこすったような赤黒いシミが付いていた。

    B「あっちの紙も同じようなもんなのかな?」

    AとBがドタドタと先ほどの葛篭の場所へ移動する後ろを、俺とCもついて行った。

    A「ちょっと違うけど、似たようなもんだな。」

    117: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:20:24.535 ID:7blKN20t0
    葛篭の文字も書いてある文字こそ違いそうだが、一行だけ書かれた文字の左下に赤黒いシミが付いている。
    首をかしげながらさらに家を調べる為廊下を歩き、小箱の部屋を通り過ぎるとすぐ玄関に辿り着いた。

    C「わっ!」
    B「なんだよ?」
    C「あそこに!人が!」

    Cは顔を伏せて震えていた。
    見てみると、鏡越しに人のような姿が見える。
    恐る恐る玄関に行ってみると、玄関横の壁にも全身を映せる大きな鏡があり、その正面にガラスの箱に入った日本人形が飾られていた。
    廊下からは壁の裏なので人形は死角になっていたのだ。

    B「鏡に映った人形じゃねーかw」
    C「…。」
    B「ほんと、Cは怖がりだなwww」

    Cはベソをかきながら真っ赤になっていたが、この状況だ。
    突然鏡に人形が映ってるのを見たら怖がりのCじゃなくてもビビるだろう。
    俺も少し肝を冷やした。

    そして、この日本人形が入ったガラスの箱にも、和紙の封筒がありその中に一行の文字と赤黒いシミがあった。

    それにしても、家財道具など一切無いのに、箱や葛篭、日本人形があり、そして鏡が置いてある。
    ただでさえ薄気味悪い場所なのに、その状況は輪をかけて不気味だった。

    B「何もねーなー、もう一軒の方行ってみるか!」
    A「そーだなー。」

    118: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:20:48.740 ID:7blKN20t0
    裏口に向かって廊下を歩いていく時、何気なしに玄関を振り返ってみた。
    さっき鏡越しに人形が見えた場所だったが、おかしい。
    そうだ、おかしい、見えるわけが無い。
    この位置から人形は壁の死角になってて、俺たちは斜め前から鏡を見てる。
    鏡は人形に向かって正面に向いてるわけだから、鏡に人形は映らない。
    今も、人形ではなく何も無い靴棚が見えてるだけだ。
    俺は鏡から目が離せなくなっていた。
    その時、前を歩いていたCが声を上げた。

    C「開いてる!」

    和室にあった小箱の蓋が開いて、蓋は箱に立てかけられていた。

    A「え?何で?」
    B「ちょ、誰だよ開けたのw」

    AB兄弟はヘラヘラしていたが、額には脂汗がにじんでいた。

    A「おいB、隣の葛篭見て来い」
    C「何で、Bが悪戯したの?何で開いてるの!」
    B「あ、開いてる!こっちも!開いてるよ!」
    A「なんだよそれ!何で開いてんだよ!?」

    今でも何でこんなことしたのか分からないが、AB兄弟が叫んだのを聞いて急いで玄関に向かった。

    ガラスの箱に人形は無かった。
    人形は…玄関に立っていた。

    俺は叫び声を上げたつもりだったが、声がかすれてゼーゼー音がするだけだった。
    口の中がカラカラで、ぎこちなくみんながいる方に歩いて行くと、AとBがもみあってる声が聞こえた。

    A「B!やめとけ!やばいって!」
    B「畜生!こんなのたいしたことねえよ!離せよ兄貴!」
    A「おいやめとけ!早くココ出るぞ!おい手伝え!」

    AはBを羽交い絞めにして俺に手を貸せと声を上げた。
    その時、AB兄弟の後ろに立てかけてあった鏡が突然倒れた。
    AB兄弟にぶつかりはしなかったが、他の部屋の鏡も倒れたようで、あちこちからガシャンと大きな音がした。
    鏡の裏には…黒々とした墨汁で書かれた小さな文字がびっしりと書かれていた。
    鏡が倒れたことに驚いたAがBの拘束を緩めてしまったのだろう。

    119: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:21:11.571 ID:7blKN20t0
    Bは
    「ウオォォォォォ」
    と叫び声を上げ激しく暴れ、Aを吹っ飛ばして葛篭にしがみ付いた。

    B「ウオオオオォォォォォォォォォ!」
    A「おい!B!おい!おっ…うぎゃああああああああ!!!!」

    Bの肩越しに葛篭を見たAが突然叫び声をあげ、ペタンと尻を突いたまま、手と足をバタバタ動かしながら後ずさりした。

    B「fそいあlzpwくぇrc」

    もはやBが叫んでいる言葉が分からなかった。
    一部聞き取れたのは、繰り返しBの口から発せられた「○○(人名)」だけだった。

    腰を抜かしてたAが叫びながら勝手口から逃げ出した。
    パニック状態だった俺とCも、Aの後を追った。
    廃屋の中からは相変わらずBの何語かも分からない怒号が聞こえていた。
    Aは叫びながらもう1軒の廃屋の戸をバンバンバンバン叩いていた。
    俺とCはAにBを助けて逃げようと必死で声を掛け続けたが、Aは涙と涎を垂らしながら、バンバン戸を叩き続けた。

    B「おい4くぉ30fbklq:zぢ」

    Bは相変わらず葛篭の部屋で叫んでいる。
    ×印に打ち込まれた木の板の隙間から、Bが葛篭から何かを取り出しては暴れている姿がチラチラと見える。
    そして、Bの居る廃屋の玄関には、明らかにBでは無い人影が、Bの居る部屋の方に向かってゆっくりゆっくり移動してるのが見えた。

    バンバンバンバンバンバン
    カタカタカタカタガタガタガタガタガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン

    Aが戸を叩いてるもう1軒の廃屋は、Aがバンバン叩いているのとは別の振動と音がしはじめていた。
    そしてAも、B同様「○○!」とある人名を叫んでいた。
    Bのいる部屋を見ると、Bのそばに誰かが居た。
    顔が無い。いや、顔ははっきりと見た。
    でも、印象にまるで残らない、のっぺらぼうのようだった。
    ただ、目が合っている、俺のことを見ていることだけはわかった。
    目なんてあったのか無かったのかすらもよくわからない顔。俺はそいつを見ながら失禁していた。

    120: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:21:37.078 ID:7blKN20t0
    限界だった。
    俺はCの手を引き頭にもやが掛かったような状態で廃屋を背に走り、次に記憶に残ってるのは空を見ながら製材所あたりの県道を集落に向けてフラフラ歩いているところだ。
    泣きじゃくるCの手を引き、フラフラと。集落を出たのは昼前だった。
    あの廃屋への往復や廃屋内の散策を含めても、せいぜい1時間半程度だったろうと思ったが、太陽は沈み山々を夜の帳が包もうとしている頃だった。
    集落に着いた頃には空は濃い藍色になっていて、こんな時間まで戻らない子供を心配していた集落の大人たちに怒られた。
    失禁したズボンやパンツは、すっかり乾いていたように記憶している。

    周りの大人たちは当然仲の良かったAB兄弟が帰ってきてない事にすぐに気付き、俺たちを問い詰めた。
    俺もCも呆然自失となってたのでうまく説明できなかった。

    4人で探検をしたこと。
    墓の向こうの鎖の道へ行ったこと。
    そこに廃屋があったこと。
    廃屋で妙な現象が起こったこと。
    AとBがおかしくなったこと。
    俺とCだけで逃げ帰ってきたこと。

    俺がとぎれとぎれに話をすると、大人たちは静かになった。
    青い顔をして押し黙る大人たちの中で一人だけ、真っ赤な顔で俺たちをにらむ人がいた。
    AB兄弟の母親だった。

    AB母は叫びながら俺を何発か平手打ちした。
    そしてCに飛び掛ろうとしたところを、我に返った大人たちに抑えられた。
    AB母は口から泡を吹きながら俺とCを罵倒し、叫んでいた。
    AB父はひざから崩れ落ち、小声で「何てことを…」と呟いた。

    その時、□□(別地域)集落にある神社の神主がカブに乗って現れた。
    神主は事情を聞いていたわけではなかったようだが、俺とCを見て厳しい顔で言った。

    神主「嫌なモノを感じて来てみたが…お前さんたち、何をした?」

    激しく責められ咎められているような厳しい視線に突き刺されるような痛さを感じたが、同時に何か「助かった」というような安堵感もあった。
    それでもまだ、頭の中がモヤモヤしていて、どこか現実感が無かった。

    もうまともに喋れなかった俺たちに代わり、大人たちが神主に説明すると、神主はすぐに大人に何かを指示し、俺とCを連れて裏山のお稲荷さんまで走った。
    俺とCは背中に指で「ハッ!ハッ!」と文字を書かれ、頭から塩と酒、そして酢を掛けられた。

    神主「飲め!」

    と言われ、まず酒を、そして酢を飲まされた。
    そして神主が「ぬおおお!」と叫びながら俺とCの背中を力いっぱい叩くと、俺もCも嘔吐した。

    123: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:23:09.666 ID:7blKN20t0
    嘔吐しながら神主が持っている蝋燭を見ると、蝋燭の火が渦を巻いていた。
    胃の中身が何も無くなるぐらい、延々と吐き続け、服も吐瀉物にまみれた。
    もう吐くものがなくなると、頭の中のモヤモヤも晴れた。

    集落に戻り水銀灯の光を浴びると、俺とCの服についた吐瀉物の異様さに気が付いた。
    黒かった。真っ黒ではなかったが、ねずみ色掛かった黒だった。
    それを見てまたえずいたが、もう胃の中に吐くものが残っていないようで、ゲーゲー言うだけで何も出てこなかった。

    その足で、□□集落の神社へ、俺とCは連れて行かれた。
    服も下着も剥ぎ取られ、境内の井戸の水を頭から掛けられ、着物を着させられた。
    そして着物の上からまた塩と酒、酢をまぶされてから本殿に通された。

    神主「今お前らのとこと□□集落の青年団がAとBを探しに行っている。AとBのことは…忘れるんだ。
    知らなかった事とは言え、お前たちは大変なことをしてしまった。
    あそこで何を見た?封印してあったものは、見てしまったか?
    俺も実際には見ていない。先代の頃の災いだ。だが何があるかは知っている。何が起こったのかも知っている。
    大きな葛篭があったろう。あれは禍々しいものだ。
    鏡が3枚あったろう。それは全て、隣家の反対を向いていたはずだ。
    札が貼ってあったあれな、強すぎて祓えないんだ。
    だからな、札で押さえ込んで、鏡で力を反射させて、効力が弱まるまでああしていたんだ。
    あの鏡の先にはな、井戸があってな。そこで溢れ出た禍々しい力を浄化していたんだ。
    うちの神社が代々面倒見るってことで、年に一度は様子を見に行ってたんだがな。前回行ったのは春先だったが、まだ強すぎて、運び出すことも出来ない状態だ。
    俺は明日、あの家自体を封印してくる。だが完全に封印は出来ないだろう
    あれはな、平たく言うと呪術のようなもんだ。
    人を呪い殺す為のものだ。それが災いをもたらした。
    誰に教わったのだか定かではないが、恐ろしいほどに強い呪術でな。お前らが忍び込んだ向かいの家はな、○○と言うんだが、家族が相次いで怪死して全滅した。
    他にも数軒家があったが、死人こそ出てないが事故に遭うものや体調を崩す者が多くなってな。

    124: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:23:31.833 ID:7blKN20t0
    お前らが忍び込んだ家には昔△△という人間が住んで居た。
    △△は若い頃は快活で人の良い青年だったようだが、ある時向いに住む○○と諍いを起こしてな。それからおかしくなっちまったんだ。
    他の家とも度々トラブルを起こしていたんだが、特に○○家を心底憎んでたようだ。周囲の家は、ポツリポツリと引っ越していった。
    原因不明の事故や病人がドンドン出て、それが△△のせいじゃないかと噂がたってな。
    結局、○○と△△の家だけが残った。昭和47年の話だ。

    その頃から○○家の者は毎月のように厄災に見舞われ、一年後には5人家族全員が亡くなった。
    △△が呪い殺したんだと近所では噂した。ますます△△に関わる者はいなくなった。
    そして翌年、今度は△△の家族が一晩で全滅した。あの家は△△と奥さんの二人暮しだった。
    △△は家で首を括り、奥さんは理由はわからんが風呂釜を炊き続けて、熱湯でな…。
    それだけじゃない。東京に働きに出ていた息子と娘も、同じ日に事故と自殺で亡くなってる。
    △△家族が死んで、捜査に来た警察関係者の中にも、自殺や事故で命を落としたり、病に倒れた人間が居るらしいが、このあたりはどこまで本当かわからんがな。
    △△が使った呪術は、使った人間の手に負えるものじゃないんだよ。
    当時先代の神主、俺の父親だが、とても祓うことは出来ないと嘆いてた。
    △△一家が全滅して、あの集落は無人になった。

    あの二軒はな、禍々しい気が強すぎて、取り壊しもできない程だった。
    そして先代の神主は、まず災いの元になったものを封印し霊力を弱め、十分弱めることができてから祓うことにした。
    祓えるのはまだまだ何十年も先だろう
    そして、溢れ出た呪術の力は、お前たちに災いをもたらすだろう。
    おおかたさっき吐き出させたが、これでは済まん。あの家の呪術の力と、Bのこともあるからな。
    呪術の強さはともかく、お前たちを見逃しはせんだろうな、Bのこともあるから…。
    塩と酒と酢、これは如何なるときも肌身離さず持っていろ。それとこれだ。
    この瓶の水が煮えるように熱くなったら、お前の周りに災いが降りかかる時だ。
    その時は塩を体にふりかけ、酒を少し飲み、酢で口をゆすげ。
    向こう20年、いや30年か。それぐらいは続くと思っていい。今夜はゆっくり休め。

    C、もう近寄る気はないだろうが、あそこには二度と行くな。あとでお前の両親にも言って聞かせる。出来ることなら引っ越せとな。
    AとBの名も口にするな。声に出すな。
    お前は東京モンだ、もうこの集落には来るな。
    お前ら二人は今後会ってはならん。特に二人きりで会うなどもってのほかだ。
    この話は禁忌だ。集落の者や関係者は誰しもがこの話を避ける。
    お前らも今日以降、この話はするな。」

    その日は神社に泊まり、翌日、俺は東京に帰った。

    125: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:24:02.551 ID:7blKN20t0
    Bはあの場所で死んでいたそうだ。Aは外で狂っていたらしい。
    そして、Bの遺体を廃屋から連れて帰った青年団の中で、1人が翌日事故で死亡。2人が精神を病んで病院送りになったそうだ。

    Bの死因はハッキリしていないが、外傷も無く病死ということでカタがついたそうだ。
    あの家を警察に捜索されるわけにはいかない。神主や町の有力者たちを巻き込み、事件にしなかったのだろう。

    そしてAB母はあの事件以来精神を病んでしまい半年後に自殺。AB父はAB母の自殺後すぐに心筋梗塞か何か、よくある心臓疾患で急死したそうだ。

    あの年の秋、これは元々決まっていたことだが、祖父母家は隣町に引っ越した。隣町とは言っても、40~50kmは離れている。
    これであの集落との縁も切れた。
    C一家も翌年には県内の別地域へと引っ越して行ったそうだ。

    そしてこれは一昨日の話だ。
    夜7時過ぎ、新宿で乗り換えの為ホームを歩いてる時、向かいのホームから視線を感じ、見てみると一人の小柄なサラリーマンがこっちを見ていた。
    18年振りだというのにひと目でわかった。
    Cだ。

    Cも俺に気付いていたようで、目が合うと怯んだような顔をして、スタスタと逃げるように歩き始めた。
    人ごみをかきわけ俺は走った。

    俺「C!」

    Cの腕を掴むと、怯えたような顔で俺を見た。

    C「あぁ、やっぱり…。」

    観念したCと二人、出来るだけ賑やかな場所へと思い、歌舞伎町の居酒屋チェーンに入った。
    後日談はこの時Cから聞いた。

    127: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:25:45.886 ID:7blKN20t0
    俺は急遽3日程有給を取った。
    この忙しい時にと上司には散々どやされたが、無理矢理もぎ取ってきた。
    今日は身の回りの準備をしてからコレを一気に書いた。心の準備みたいなもんだ。Cは辞表を提出してきたそうだ。
    何もそこまで…と思ったが、無理も無い。

    俺とCは明日あの集落に行く。
    本来ならAも連れて行きたいところだが、内陸だったので先日の地震では大きな被害は出てない地域だと思うが、道路状況はわからないのでスムーズに現地入りできるかが心配だ。
    通常なら高速を飛ばせば3~4時間の距離だ。

    俺はここ最近、ずっとBに呼ばれていた。
    Bの夢を頻繁に見るようになったのは3ヶ月程前から。それが徐々に増えていき、毎晩になった。
    そして、この1ヶ月程はどこに居てもBの視線を感じるようになった。
    人ごみの中、夜道の電柱の影、マンションの窓の外。
    いつもBが見ている。
    俺が視線を感じて振り向くと、影がサッと隠れる。
    Bが呼んでいる。あの家に行けば、何かがある。恐ろしいけど行かなければならない。

    Cも同じことを考えていたらしいが、Cはこのまま逃げたかったらようだ。
    だが俺と出会ってしまい逃げることはできないと覚悟を決めたようだった。

    逃げられるわけがないんだ。
    大学3年の時、神主からもらった瓶詰めの水、あれが破裂した。
    ジャケットの胸ポケットに入れていたので、ガラス片で出来た傷がいまだにミミズ腫れのように残っている。
    すぐ祖母に電話をし、そのことを話すと、あの神主一家が事故で亡くなったらしく、後継の息子たちも亡くなってしまったので神主一家の家系も絶えることになるだろうと、静かに話していた。
    そして、「お前も気をつけろ」と。

    俺を護ってくれた神主が死に、神主が持たせてくれた大切な水が無くなってしまったことは、俺にとっては死刑宣告のようなものだった。

    そしてその翌日、祖父が死に、数日して後を追うように祖母が死んだ。
    両親も死んだ。
    必ず、大事な人の死の直前に、俺は嫌な夢を見た。
    翌日か翌々日には、誰かが急に死ぬ。
    そして、嫌な夢の内容は誰かが死んだ後に、Bの夢だったと思い出すのだ。

    ヶ月前、親友が急死した。
    死の直前、親友から電話が掛かってきた。久しぶりに話をした親友は精神を病んで居た。
    そして、親友の口から、Bの名前が出た。
    あの事件以降、あの話は誰にもしていない。Bの名前など知るはずもない親友は、Bが怖い、Bがやってくると怯えていた。
    詳しい話を聞く間もなく、電話は切れ、その直後親友は電車に飛び込んだ。

    128: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:26:05.638 ID:7blKN20t0
    これで俺の近しい人間は、一人を除いて誰も居なくなった。
    会社では友人など作らないことに決めている。俺と親しくなると、災いが降りかかり呪術によって死に至る。

    Cの家族も、全滅していた。やはりあの瓶詰めの水は破裂したそうだ。
    だがCはその時まで何も無かったので、もう大丈夫だろうとタカをくくっていたらしい。
    しかし、Cの家族は全滅してしまった。
    そして、Cが一度抑えきれずにこの話をしてしまった大学時代の友人は、話をした翌日に自殺をしたらしい。

    俺とCが何故生きているのか。簡単なことだ。
    あの家に行くまで、俺たちの周りの誰かが死に続けるんだ。
    何が起こるかはわからない。
    でも、このまま俺たちが生き続けるわけにはいかない。

    長くなったが、まともに読んでる人間はいないだろう。
    目に止めてしまったことがきっかけになって
    △△の呪術が災いをもたらす結果になってしまったら
    それは申し訳ないと思う。
    俺は俺の子を宿した妻を守りたい。
    俺とCが犠牲になり、誰かに話すことで呪術の災いが分散され、弱まるのだとしたら、これは意味のあることだと思いスレをたてた。

    以上で俺の話は終わり。

    129: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:27:51.544 ID:7blKN20t0
    支援サンクスお盆にまた会いましょう

    130: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:28:55.843 ID:6lWkIlW6a
    >>129
    お前死ん・・
    乙暇潰しになったわ

    131: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:29:58.908 ID:LYzZhG9G6
    お疲れ

    132: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:31:48.831 ID:4o+RQl8e0
    久々に毒男着たのかと思ったら別人だった

    139: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:39:58.073 ID:91ln3fez0
    面白かったからROMってた
    お疲れ様

    138: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:38:36.291 ID:ZL5GhKFqa
    誰か続けてくれてもいいんだぞ

    134: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:33:21.016 ID:/FytunsFa
    そんなに怖くないのですがきいてください
    私がまだ4~5歳の頃の話です。
    当時家には風呂が無く、よく母親と銭湯に行っていました。
    まだ小さかったので母と女湯に入っていました。

    或る日のこと、身体を洗った後飽きてしまった私は、
    湯船の中でプールよろしく遊んでいました。
    今迄気付かなかったのですが、湯船の横から階段状になりドアが付いているんですね
    (何処もそうなのかも知れません)
    私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行った。
    ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。

    ワクワクして覗きました。・・・・・向こう側は何かに覆われて見えない。
    なんだ、ツマらない。いったん顔をあげました。
    何を思ったかもう一度鍵穴を覗き込んだのです。
    ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました
    おわースゴい。夢中になって覗いていました。

    ドアの向こうの気配、それとも何かが知らせてくれたのか
    突然、私は目を離し身を引いたのです。
    そして次の瞬間、鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように乱舞していました。・・・・・・
    私は息を呑みそこを離れ、コワくて母親にさえ話すことが出来ませんでした。

    136: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:36:01.433 ID:6lWkIlW6a
    >>134
    これヒェってなる

    141: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 16:50:19.891 ID:NOXxoHIza
    イタズラではないけど幼稚園か小学生になったばかりの頃、近くに埋め立てた釣り堀があって
    有刺鉄線の隙間から友達と入って遊んでたら埋められたシラスの釣り堀の池が底なし沼み
    たいになっていて自分は足がズブッとなった瞬間に怖さを感じて離れたけど友達は既に膝を超
    えて沈んでいた。大人を呼べばよかったのに自分は何か恐怖を感じて家まで走って帰った。
    その後に友達が行方不明になったっていう事で大人たちが大騒ぎになったのを覚えていている。
    実際に友達は見つからずにみんなを集めて先生が説明をした記憶がある。
    大人になった今考えるとなぜあの時に釣り堀に沈んでいったって事を誰も考えつかなかったの
    だろう。今は区画整理もされ釣り堀の場所がどこだったかもはっきりしないけど埋め立てや造
    成の時に見つかったって話も聞かない。そのまま埋まったままなのだろうか。
    たまにこの記憶がパッと頭に浮かび心臓がバクバクなる。今から30年ほど前のことなのに。

    150: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 17:43:53.557 ID:qeUxN5HIa
    親父の実家は東京から船で二時間弱くらいのところにある。
    農奴なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
    じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
    でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
    決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。

    春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら
    「ぼぉほぉふぉふぉふぉふぉふぉ…」
    と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
    何だろうと思っていると、庭の生垣の向こうの森の上にUFOがいるのを見つけた。
    森の上に着陸してたわけじゃない。UFOはそのまま横に移動し木々の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。まあ、UFOはその女性が被っていた帽子だったわけだ。

    女性は白っぽいワンピースを着ていた。でも森の木の高さは10メートルくらいある。その合間から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…
    驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。UFOも消えていた。また、いつのまにか「ぼぉほぉふぉ」という音も無くなっていた。

    そのときは、もともと大林素子が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた女装した大林素子くらいにしか思わなかった。
    その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。

    「さっき、大きな大林素子を見たよ。大大林素子かなあ」
    と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど
    「森の木より背が高かった。帽子を被っていて『ぼぉほぉふぉ』とか変な声出してたし」
    と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。
    その後、「いつ見た?」「どこで見た?」「電柱よりデカかったか?」と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
    じいちゃんの気迫に押されながらも「電柱よりは低かった」答えると、
    「三十六尺様に魅入られたか!」と急に黙り込んで廊下にある電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられていたため、何を話しているのかは良く分からなかった。
    ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

    151: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/23(火) 18:03:37.942 ID:EkVteymua
    >>150
    八勺様でかくなりすぎやろ










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    コメント一覧

    1  不思議な名無しさん :2019年07月24日 20:15 ID:VDQdxiwy0*
    彼女とドライブに行ってトランク開けたら、当時ストーカーしてた女がグッタリ横たわってた時は何よりも怖かった。
    2  不思議な名無しさん :2019年07月24日 20:39 ID:kYk1jNzK0*
    怪談として書かれたものはやっぱ面白いな
    ヤマノケは当時は怖かったけど、その後の量産型有能住職大流行のせいで今見ると住職が出た時点で笑ってしまう
    3  不思議な名無しさん :2019年07月24日 21:45 ID:3cMNt83v0*
    旅館の求人の終わり方なんかオシャレですき
    4  不思議な名無しさん :2019年07月24日 22:20 ID:EiB5a3DD0*
    あと5ヶ月後にはクリスマスで、今年も終わること。
    5  不思議な名無しさん :2019年07月24日 22:26 ID:c3fa.F.M0*
    でたよ、これを読んだ人も呪いがくるみたいな系
    6  不思議な名無しさん :2019年07月24日 22:48 ID:IFXZq24Y0*
    巨頭オが王道で1番ワクワクするとか、、、
    7  不思議な名無しさん :2019年07月25日 00:04 ID:TBHcESRZ0*
    >>1
    一番こえーーよ
    8  不思議な名無しさん :2019年07月25日 03:42 ID:pXse7mm40*
    9  不思議な名無しさん :2019年07月25日 07:28 ID:1qb0PB6z0*
    70は(ほぼ)焼死体の血管探してどうすんだ
    リアルではないなw
    10  不思議な名無しさん :2019年07月25日 07:53 ID:1qb0PB6z0*
    最後の長編の呪い強すぎワロタ
    11  不思議な名無しさん :2019年07月25日 13:24 ID:xUAWitPU0*
    70はリアリティーは、全くないな
    身体が炭化するほどの炎なら声帯は、とっく高温の煙でやられてる
    声が出せるわけない
    12  不思議な名無しさん :2019年07月25日 13:55 ID:lWB.1arC0*
    笑い女のオチがいつもわからん。笑ってると思ったら「居た」って言ってたと理解したところで、だからなんだって思うんだが
    13  不思議な名無しさん :2019年07月25日 15:23 ID:kyhTZ9WC0*
    だめだーすべて女装した大林素子にもっていかれたー
    ありがとう
    14  不思議な名無しさん :2019年07月26日 23:29 ID:c9EMF0os0*
    昔田舎で起きた家のやつは後日談で本人に釣りって言われてたな
    15  不思議な名無しさん :2019年07月27日 06:22 ID:fTULHmAX0*
    笑い女さんに献身的に接してみたい
    16  不思議な名無しさん :2019年07月31日 19:35 ID:8xF4BN9V0*
    三十六尺様面白すぎる
    17  不思議な名無しさん :2019年08月01日 12:45 ID:j.DQMKn60*
    夜中に物音で目が覚めてふと窓の方見たら、カーテンから腕が出てた時が一番怖かった
    まぁ泥棒だったんだけど
    18  不思議な名無しさん :2019年08月01日 22:03 ID:qoJap1rQ0*
    切腹ショーとバックパッカーの恐怖がマジ怖い
    19  不思議な名無しさん :2019年08月25日 15:28 ID:CGtqY.An0*
    >>6
    やめたれw

     
     
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