103: モモの木 02/09/20 01:49
船で沖に出てポイントに着くと、そこは美しい珊瑚礁が広がる楽園でした。
私は夢見ごこちで熱帯魚の後を追って行くと、急に耳抜きができなくなりました。
8メートルほどの深さただったでしょうか。
頭がキンキンしてきたことをインストラクターに伝えようとしたのですが、
なぜか気づいてもらえません。
他のダイバーもすぐ近くにいるのに、まるで私のことが見えないみたいでした。
痛みに耐え切れませでしたが、それでもゆっくり浮上しよう思いました。
多少経験があったので、潜水病の怖さは知っています。
しかし、水面にあがって行こうとした時、体が金縛りで動かなくなりました。
そして足首を掴まれたと感じた瞬間、体ごと海底にひっぱらました。
104: モモの木 02/09/20 01:49
気が付くとボートの上で仰向けになっていました。
友人やインストラクターが不安げに私を覗き込んでいました。
私に何が起こったのか、誰も言ってはくれませんでした。
ただ、足首にくっきりと残った五本の指の跡に、黙って包帯を巻いてくれたのでした。
14: 東東京市 02/09/13 06:38
消えたナイフ
昔地元でJRに乗ってると無人駅付近の山肌に古~いトンネルが見えた。
トンネルの上(天井)にはすでに草が生えていて、トンネルの先は途中から草木が生い茂っていて進めなくなっているようだ。
廃線になった線路のトンネルかな…でも何年前だろ。いつか通ってみたいな、と思っていた。
ある日(夏休み)決心して行ってみることにした。
無人駅を降りて、だいたいこっちかな?と思う方向に歩いていく。
かなり時間はかかったが大きな道をから分かれた小さな道を歩いていくと、それらしい道に出た。
普段はほとんど、というか全く人が通らないような道だ。
しばらく歩き、目の前に目当てのトンネルが見えてきた。と、道に何か落ちている。
よくみると新品のピカピカ光った十徳ナイフだ。
十字のマークがついているので、おそらくスイス製のいいものだろう。
しかしこんな新品がなんでこんな場所に落ちているのか...拾うのはためらわれた。
15: 東東京市 02/09/13 06:40
とりあえず、トンネルに行ってみよう。そう思い歩き出した。
トンネルの入り口に近づくとやはり、煉瓦積みのかなり古いものである。
長さは200mあるかないかなので、たいしたことはないのだが当然明かりなどはない。
ときどき天井から水滴が滴り落ちる音がしている。
怖がりなのでしばらくためらったが、早足で通り抜けることにした。
懐中電灯を点け、地面にレールの跡とか無いだろうか、と思って照らしてみたが
それらしきものは全くなかった。
壁面には昔明かりをつけたのかなんなのか、
よくわからない造形のものがところどころにあった。
トンネルを抜けるとやはり、その先は草木が生い茂り進める状況ではなかった。
しばらくトンネルを眺めた後、戻ることにした。
トンネルの中でへんな音とかしたらヤだな、と思ったがそういったことはなかった。
ただトンネル自体相当古いものだし、人が通る道ではないので崩落の可能性がないとはいえない、そういうことを考えると知らず知らず早足になった。
16: 東東京市 02/09/13 06:40
トンネルを抜けてそういえば、と思った。あのナイフを見てみよう。拾って帰る気はなかったが、どんな刃がついているか興味があった。
落ちてると思われた付近を探したが、それらしきものがない。
トンネルがすぐ先にみえたぐらいだから場所的には狭いはずだ。そう思って辺り一帯を探してみたが、結局見つけることは出来なかった。
誰かが落としたのに気づいて取りにきたと考えるべきだが、それなりの重さはあるだろうから落としたときに音で気づきそうなものだし… 普段人が来そうな場所ではないし…
自分も結構びくびくしていて周りをキョロキョロ見回しながら歩いていたので、
誰かいたら気づいてもよさそうだし…
新品のナイフが似つかわしくない場所に落ちており、かつ10分程の間に消えてしまったというほんのり怖い、つーか不思議な体験でした。
28: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/15 00:01
もう1人の自分
ついさっき、ほんのり恐怖体験しました。
友達から電話がかかってきて「今、東京にいるの?」と。
普通に自宅(東北)にいた私は「行ってないけど?」と。
すると友達が「NがKさん(←私の事)を東京駅で見たって言ってるんだけど」と。
私は某アイドルの追っかけをしているんですが、今日はそのアイドルが東京駅に
現れる日なんです。勿論、東北在住の私は知っていても行けるはずがないです。
その事を言っても、Nは私を見たと言い張り、他の人も見たと言っているそうです。
Nも同じアイドルの追っかけをしていますが、殆ど面識がないので、顔を見て
あの人かって程度なんですけど、他にも見た人がいるっていうのが・・・
ほんのり怖かったです。
30: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/15 00:17
>>28
生霊が飛びました。
39: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/15 20:18
金縛り
学生の頃の話です。
夏休みのバイトで、内装の軽作業をやることになりました。
ある田舎町に新規開店する、スーパーの棚の搬入作業です。
二日間のバイトの予定が、天候や事故などのトラブルで、三日に延びました。オープンまで時間がないということで、最後は徹夜作業でした。
バイトに残ったのは、僕と友人、フリーターらしき男3人。
深夜便のトラックを待つ間、作業責任者は僕らに仮眠をとるよう言ってきました。
売り場にダンボールを敷いて、それぞれが寝付いたのは、12時を過ぎた頃でしょうか。
40: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/15 20:19
僕が悪夢にうなされて目を覚ますと、傍らの友人はうめき声をもらしていました。
どうやら金縛りにあっていたらしいです。
僕が友人をゆすって起こすと、彼は小さな悲鳴をあげて生還しました。
「なんか中年のおっさんがのしかかってきた」
彼は初めての体験だったらしく、かなり動揺してました。
「そいつは○○○○って名前じゃなかかったか?」
僕は咄嗟にそう尋ねました。
僕が見た悪夢は、その名前の中年男が殺されるものでした。
何者かが馬乗りになって、刃物を突き立てているシーンが脳裏に焼きついていました。
「何だよそれ」
友人と僕は、今しがた起こった事を、興奮しながら語り合いました。
そして、少しはなれて寝ているフリーターを目で探しました。
彼も同じような目にあっているのでは、と思ったからです。
41: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/15 20:20
バイトの間、彼とは個人的な会話はなかったです。
どうやら失業中で、求職中とのことでした。顔色が悪く、病み上がりのような感じもしました。
その彼は姿が見えません。
作業責任者が僕らを呼びにきた時も、彼は現れませんでした。
結局彼は失踪しました。
今となっては、あの夜の出来事が何だったのか、想像するしかありません。
○○○○という名前だけが、これからも記憶に残るのは確かみたいですが。
47: モモの木 02/09/16 15:00
約束
知り合いの子供の話です。
その子は「自分の部屋には着物を着た女の子が壁の中に住んでいる」
と言い友達何人かと遊んでいたそうです。子供の遊びかと思い私の友人も
気にはしなっかたそうです。
そのうちに学校へ連れて行ったと言いだしたり、おかしなことを頻繁に
言いだすようになり、少しおかしいと思い、私の友人がどの壁にいるのか
聞き子供部屋に行くと、「これが着物でこれが手でこれがおかっぱの頭」
と子供が説明し、私の友人は「これは壁のしみだと思う」と子供にいう
と、「明日は何して遊ぶ?」と言った子供の質問にたいして、
竹馬のような影とまりのような丸い影が浮き出たそうです。
お払いの日に私もその場に居たのですが、お払いが終わった後、子供部屋の
壁のシミはありませんでした。子供に「まだ女の子いる?」と聞くと
「約束を守ったらまた遊びに来る」といなくなったそうです。
「約束って何?」と聞いても 誰にも教えない約束なんだそうで
……。
その友人も旦那さんの転勤でその時とは違う場所に住んでいますが、
その秘密。たまに気になったりします。
88: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/19 00:42
放送
小学校低学年、私は鍵っ子だった。
鍵をなくした冬の日、玄関先で親の帰りを待っていた。
私は電車を乗り継いで離れた私立に通っており、近所に友達もいなかった。
冬の夕暮れは早い。凍える私の耳に、「良い子は早くおうちに帰りましょう」
の放送と歌が、寂しげに聞こえてくる。これがあの世に逝く音楽だと思った。
怖くて涙が出た。深夜に親に発見された私は、高熱を出して寝込んだ。
しかし、その歌を聴いたのは、後にも先にも、そのときだけ。
初めて聞く放送だったし、その翌日は流れなかった。
あれは一体なんだったんだろう。ちょっと不思議。
98: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/19 22:08
白い覆面
2年前くらい、喧嘩して半泣きになりながら自転車をこいでいた。
時間は夜11時くらい。田舎なので人気はぜんぜんなかった。
夢中でこいでたから、かなりのスピードで走ってたと思う。
すると、歩いてる人と一瞬すれ違った。
何か違和感を覚えた。なんでだろう。そのすれ違った瞬間のことを
思い出してみる。(文にしたら長いけど、実際考えているのは数秒)
そう、さっきすれ違った人の様子。背格好からして男の人。
デニムのシャツにジーンズ。手には買い物袋。ここまではよかった。
その人は顔に白い覆面をしていたのだ。
一瞬のことだったし本当に覆面だったかわからない。
振り向いて確かめることもできなかった。
しかし、そのあと必死に自転車をこいでいる自分こそがすべての証拠
だったと思う。一体なぜ覆面なんかを被っていたのだろう・・・
本当に怖かった・・・
101: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/20 00:31
コワヒ
120: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/23 11:16
遊泳禁止
小学生の頃、家族で海に行った時の事。
水泳が得意だった俺は岸から30mほど離れた遊泳禁止のブイと網が張ってあるあたりまで泳いでいった。
しばらく背泳ぎでプカプカ浮いてたが、ふと海水が冷たくなったような気がした。
それでそろそろ泳いで戻ろうかと思って海中側にひっくり返った。
なんだか白いものが見えた。遊泳禁止ネットの外側、急に海が深くなっているあたり。多分12mぐらいの海底の岩に白いものが見えた。
どうやら白の半ズボンの体操着みたいなのを着た男の子の様だった。
俺は怖くなって慌てて岸へと泳ぎだした。だが波のせいか一向に前へと進まない。
その男の子が追ってくるような気がして死にものぐるいで泳ぎ続け、やっと岸へとたどり着いた。
ただならぬ俺の様子に父親が走り寄ってきた。息も整わないまま、俺は沖の方を指さした。
男の子がいた。ブイにつかまるようにして、こっちの方をじっと見ているようだった。
「あれは・・・?」父親がかすれたような声で言った。その途端男の子は消えた。海に潜ったと言うのではなく、かき消すように消えてしまった。
父親が血相を変えて走り出し、少し離れた所にいた地元の人間とおぼしき中年の男に話しかけた。
俺達家族は父親が大声で中年の男に訴えるのを聞いていた。だが中年の男が首を振り、二言三言話すと、父親は意気消沈し、とぼとぼと戻ってきた。
そのまま何も言わず宿に戻り、翌朝早々にその海を後にした。
帰りの車の中で、昔あの海で子供が溺死したと中年の男が言っていた事を聞かされた。
去年父親が亡くなる少し前に、この事を話したのを思い出す。ほどなくして父親はその海で入水自殺をした。
遺書などは何も残っていなかった。
136: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/26 14:57
迷宮
私は雑誌関係のライターをやっているものです。
なんとか食えてるという程度で、売れっ子というわけでもありません。
オカルト関係の仕事をやっていると、自分自身が奇妙な体験をすることもあります。
--------------------
東京のある大学病院に取材へ行った時のことです。
この仕事自体はオカルトとは関係なく、健康雑誌の仕事でした。
協力者の医師とは、小会議室で13:30からインタビューし14:30に終了。
医師と軽く雑談し、15:00に小会議室を出ました。
この大学病院は、山の斜面というか坂の途中に建っていて、旧館と新館に分かれています。
少々、判りにくくて、坂の途中にあるので、階数が入れ違っているような感じです。
でも、まあ、来る時はすんなりと来られたのだから、帰る時もそんなに困りはしないだろう、と‥‥
--------------------
137: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/26 14:58
どれぐらい歩いたでしょう。
いつまで経っても出口に辿り着きません。車は旧館の駐車場に置いていたので、
なんとか旧館の正面玄関に出たいのですが、どういうわけか行き着かないのです。
ふと、時計を見ると、既に40分が経過していました。
おかしい、いくらなんでも、40分も歩き回るのはおかしい‥‥
歩きながら考えていると、背後に気配がしました。
若い看護婦さんです。空の車椅子を押しながら角を曲がっていきます。
もう、こうなったら、新館でもなんでもいい。とにかく外に出よう。外にさえ出ればどうにかなる‥‥
そう思いながら、また、歩き始めました。
--------------------
異変に気付いたのは、17:00を過ぎてからです。
なぜか、誰にも会わないということです。
平日の昼間とはいえ、ここは大病院です。救急外来もあれば入院施設もあります。
なのに、私はさっきから、ほとんど誰とも会っていない。
そういえば、何人かの看護婦とすれ違ったような‥‥
いや、違うぞ? すれ違ってはいない、後ろを通っただけだ。
何人か? いや、違う、違うぞ。あの看護婦は同一人物だ。
その証拠に、看護婦はいつも若く、毎回、空の車椅子を押している‥‥!
次の瞬間、私はゾッとしました。
後ろに車椅子の気配を感じたからです。
恐る恐る振り向くと、私の真後ろ1メートルほどに空の車椅子を押す若い看護婦が‥‥
そのまま、私に向かってきたのです。
まったく無表情で、私を視界に入れずに!
ぶつかる! と思った次の瞬間、看護婦と車椅子は私をすり抜けて、角を曲がっていきました‥‥
--------------------
私は驚いて廊下を走りました。今までの順路とは逆の方向に、とにかく走りました。
いつの間にか、私は取材場所だった小会議室の前に着きました。
ホッとした私は、小会議室のそばの非常階段で煙草を一服しました。
それから、歩き始めると、スッと出口に到着したのです。その時の時間は17:56でした。
--------------------
138: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/26 15:02
なんとも言えぬ、奇妙な体験でした。
その日の夜、家に帰ると出版社から仕事の依頼と資料が届いていました。
その中に、ある女性漫画家の体験談がありました。
京都の山で、タクシーに乗っていたら、何度も何度も同じところをぐるぐる回って、いつまでも目的地に到着しない。
しかし、煙草を一服したら、その迷宮から脱出できた、という‥‥
また、その資料の中には、自分は煙草をすわないが、やばい雰囲気の時のために煙草を持ち歩いている、というのも。
煙草には、なにか特殊な力でもあるのでしょうかね。
(END)
140: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/26 15:27
自殺の名所
旅行雑誌の取材で、日本海側の観光地に行った時のことです。
市の観光課の人に案内され、カメラマンと一緒に車で周り‥‥
取材が終わったのは21:00過ぎのことでした。
カメラマンは次の仕事があるため、そのまま車で帰り、私は朝市取材のために現地のホテルに泊まりました。
寝る前に、その日の取材メモを整理していた時のことです。
案内された中に、海岸沿いの断崖絶壁がありました。
とても綺麗な場所でしたが、ふと、妙な感じがして、観光課の人に質問を。
「もしかして、ここ、自殺の名所じゃないですか?」
観光課の人は一瞬、目を丸くしました。そして、ニヤニヤと笑っていましたが、やや間を置くと、「どこで聞いたか知らないけど‥‥」と真顔になり、「十年くらいまでは、ね。
今はそんなことないですよ。あっても年に4人ぐらいで」
いやいや、十分に名所だろう、と思いつつも、私もうやむやにしました。
---------------------------------------
メモの整理を終え、風呂に入り、歯を磨いたのは夜11時頃でしょうか。
その日の夜は、明日に備え早めに就寝しました。
次の日の朝、起きて洗面所に行き、顔を洗い、歯ブラシを見てギョッとしました。
歯ブラシに長い髪の毛が何十本とビッシリ巻きついているのです。
ギャッと叫んで歯ブラシを放り出すと、もうひとつの異変に気付きました。
洗面所の中が磯臭いんです。まるで、海水をそこらにぶちまけたような臭いがプンプンと。
私はたまらなく怖くなって、急いで着替えると、バッグを持って部屋を飛び出しました。
---------------------------------------
この話は、ここまでです。
実話というのは、本人には気持ち悪いものですが、
いざ、こうやって書き出してみると、つまらないものですね。
仕事のネタにならない怖い体験なんか真っ平ごめんです。
144: タイガーホース 02/09/26 22:40
部屋に入ってきた男
以前仕事の関係で、都内某所に間借りをした。
越して三ヶ月くらいたった頃、ちょっと信じられないことが起きた。
ある真夜中、いつものように部屋で眠っていたら、突然誰かに起こされた。
寝込みを襲われる、ってこんな感じなんだろう。
肩を激しくゆすられ、低い声で「おい、おい、」
驚いて目を覚ますと、部屋は真っ暗。相手の顔は良く見えないし、
その声にも聞き覚えがない。
「どろぼうか!」と思った瞬間、体がすくんで固まった。
金縛りなとではない。パニックみたいなものだろうか。
「年金手帳だがな。タンスの引き出しの上から二番目だぞ」
「はあ?」って感じだった。まったく見に覚えのない事だ。
あっけにとられていると、男はすっと立ち上がって去っていった。
それから、「うわああああ~」と自分で声を上げた。
もう頭ははっきりしていた。
部屋を出て行ったのなら、ドアを開ける音がするはずだが、それはなかった。
相手は完全にこの世のものじゃなかった、と確信すると、体がぶるぶる震えだした。
その部屋は翌日出た。住んでいられなかった。
個人的にも、霊体験みたいなのはそれっきりだが、しばらく不眠症になってしまった
152: タイガーホース 02/09/27 19:24
レスがついてたので、不眠症になったときの話を。
あっ、年金手帳も、なぜ急に霊らしきものが出たかも全く分からない。
ただ、個人的に何かに取りつかれたような気はしている。
というのが、その後幻聴みたいなものをよく聴くようになったからだ。
寝入りばな、あの時の恐怖がよみがえり、神経過敏になる。
すると、近所を行き交う車やバイクの音が遠くになり、部屋の物音に気が集中する。
耳を澄ますと、かすかに寝息の音が。
それがだんだんと大きくなり、やがて「いびき」になった。
ありえない事だったが、その「いびき」は確かに部屋の中でする。
明かりをつけて、ベランダ、トイレ、押し入れを見てまわるが、
それらしき気配はない。
そんなことをしていると、いびきはぴったりと止まったりする。
頭から布団をかぶって耳をふさいだりすると………。
畳を踏むみしみしという音がしたりする。
最初のうちはびびって眠れなかったりしたが、しょっちゅうこんな現象が続くうち、
やがて馴れてしまった。
もう全然平気になっていたが、当時うちに泊まりに来た彼女は、そうとう怯えてた。
「この部屋、誰かいるよ」とか言って。
「何もいないよ」(本当はいるけどね)てな感じでしたな。
でもずっとこちらが怯えていたら、多分そいつは現れたような気がする。
そんで、気が触れたりしてたかもしれない。
154: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/28 03:01
発見されたもの
大学生時代(19歳)から8年間住んでいたアパートの話。
JR大塚駅徒歩3分、6畳間と3畳のキッチン、築25年超という物件。
俺は何も感じなかったのだが、泊まりに来る奴が被害に遭った。
金縛りは、ほぼ全員。
喘息のような激しい呼吸音を聞いた奴多数。
窓に青白い細面の男の霊体らしきものを見た4人。
寝ている最中にのっかかられて、顔を覗き込まれた3人。
霊感らしきものがある友人は、全員、口を揃えて
「ここには霊がいる。引っ越した方がいい」「酷い目に遭う前に引っ越した方が身の為」と言う。
だけど、俺には何も被害がなかったので無視、
アパート取り壊し寸前まで居座り、最後は退去金も貰った。
ところが、取り壊して基礎工事を始めたら、地中から、
幕末か明治のものと思われる男性のほぼ完全な骨が発見された。
後で大家さんに聞いてみたら、俺の部屋のほぼ真上だったらしい。
なんだったんだろう?
174: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/30 00:42
深夜の客
学生の頃、都内の某ビジネスホテルで警備のアルバイトをしていた。
従業員が仮眠をとる深夜十二時から朝の五時まで、簡単なフロント業務と見回り。
門限過ぎに戻ってくる泊り客に、通用口を開ける仕事などなど。
ある日、台風接近で激しい豪雨になった。
こんな夜は宿泊客も外出を控えるもので、業務を引き継ぐ際に、朝までゆっくり
してられそうな気がした。
僕はカウンター前のソファーに体を沈め、うつらうつらしながら、巡回時間まで
休んでいた。飛び込みの客もないだろうし、外出中の客もいなかった。
激しい雨音に耳がなれた頃、はっとして目がさめた。
少し眠ってしまったらしい。表玄関の方を見ると、………、おやっ、人がいる。
というか、人が座りこんでいるらしい。
ちょっとただならぬ感じがして、僕は玄関のカギを取りにフロントに戻った。
いつもならその横にある通用口に案内するのだが、時々正体を無くすほどの酔客もいるのだ。
カギを持って振り返ると、玄関に人影はなかった。
歩いてそこまで行き、カギを開けて辺りを伺うが、誰も居ない。
自動扉のシリンダー錠をかけて、ゆっくりと扉を閉め、戻ろうとすると、
175: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/30 00:43
宙に浮いた素足が目に入った。
顔を上げると同時に、すとんと腰が抜けた。
天井に頭を押し付けるような格好で、白い服を着た女性が浮遊していた。
長い黒髪が顔を覆い、表情は見えない。こちらを見ているのかも分からない。
女性は突然体を反転させ、天井に頭をこすりつけるように、カウンターの方へ移動した。
そして、エレベーターホールに向けて再び体を反転させ、こちらの視界から消えた。
その間、一分もなかったと思う。
177: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/30 00:57
幽霊を見たと我に返るまで、その場から動けずにいた。
深夜三時だったが、僕はかまわずフロアの照明をつけた。
友人に電話をかけ、今起きた事を興奮してしゃべった。
ずっと鳥肌が立って、震えが止まらなかった。
その日でバイトをやめたのだが、警備会社の上司は、
「そうか、見ちゃったのか」と言って、引き止めなかった。
185: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/30 19:59
前転
三年前の今ごろ、友人が4WDの新車を買った。
慣らし運転に誘われて、週末の深夜ドライブした。
性能を試したい友人は、未舗装の山道に入っていく。
快適なドライブとは言えないが、街灯のない真っ暗な悪路はスリルがあった。
それでも助手席にいるとかなり疲れた。
「少し休もうぜ」そう声をかけたものの、車を止める場所が見当たらない。
しばらくすると県道に出た。
過疎が進んだ農村らしく、明かりのついた人家はなかった。
「自販もないしなあ、もうちょっと行ってみるか」
僕はゆっくり一服したかった。
「ここでいいよ」
僕らは廃校の入り口に車を乗り入れた。
友人も喫煙する方だったが、車内に臭いがつくのを嫌い、我慢していたようだ。
「そうか」僕らは外に出て、タバコに火をつけた。
僕は校庭に入って、古タイヤのサドルに腰掛け、何か懐かしい気分に浸っていた。
友人は車のサイドパネルについた泥を落としていただろうか。
187: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/09/30 20:18
「おいっ」
何かに驚いた顔で、友人は僕の背後を指差した。
つられて振り返ると、少し離れた場所に女の子がいた。
鉄棒に片足をかけ、ぴんと背筋を伸ばした姿勢でこちらを見ている。
月明かりで表情までは分からないが、おかっぱ頭に体操着だった。
あっけにとられている僕らの前で、その子はくるっと前転した。
一回、二回、三回、勢いをつけて回りだした。
僕らはその様子に魅入られたかのように、声もなく見つめていた。
尋常でないのはすぐに分かった。
スピードが加速し、人の姿には見えなくなった。
不思議なのは、ぶーんという音がしたことだ。
「行こう」
その女の子が回転してる隙に、僕らは逃げ出そうとしていた。
なぜか怖いというより、ひしひしと身の危険を感じた。
「変なもの見たな」
友人はため息をついてつぶやいた。
僕はまるで夢を見ているようだった。
202: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/01 01:43
ネット
知り合いの若い坊さんがこんなことを言っていた。
「ネットで、嫌いな奴とか憎い相手の個人情報を漏らしてる人っているでしょ。
ああいうのって、絶対にやっちゃ駄目だよ。
本人は、憂さ晴らしか復讐のつもりなんだろうけど、必ず自分に帰ってくるよ。
人を呪わば穴二つというけど、たとえネットでも、人を陥れようとすると、
絶対に自分に悪想念となって返ってくるからね。本当に気をつけなね」
この話を聞いた次の日、知人のYが交通事故に遭って、右腕切断した。
奴は2ちゃんなどに嫌いな奴の根も葉もない悪い噂を書いているといわれていた。
直接の因果関係はないかもしれないけれど、偶然とはいえ、怖かった・・・
203: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/01 01:45
冷凍庫
知り合いの某水産物の卸の会社に勤める奴から聞いた話。
半年ほど前に、夜他の社員もみんな帰って一人で残業してた。
事務所のデスクで見積もりか何かを書いていたらしい。
実はその事務所には冷凍庫の操作パネルがあるらしいんだけど、突然けたたましい
音で超低温庫の高温警報がなったんだって。なんでも、そこは常時-50℃の冷凍庫
で、マグロとか入れてるから温度が上がっちゃうとまずいらしいんだ。
だから、一般の冷凍庫の中の奥にその扉がある構造になってたらしい。
それで早速見に行ってみると、超低温庫のスライド扉がなぜか半開きになってる。
おかしいなと思いながら人が居ないのを確認してひも引っ張って扉を閉めたと。
204: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/01 02:06
そんで、さあ冷凍庫でようと思って扉のひも引っ張った。そしたら扉が開かなかったらしい。
あれ?と思って何回かグイグイ引っ張っても開かない。
そしたら丁度そのとき冷凍庫にデフロストが作動してファンが止まって静まり返った。
そしたら、どこからともなく(とはいっても冷凍庫の中であることは間違いないとそいつは言ってた)
「イイイィ・・、ウウゥ・・・」とうめき声とも泣き声とも分からないようなかぼそい声が聞こえてきたらしい・・・。
どきっとしながらも、だれか冷凍庫の中で倒れてるんじゃないかと思ってすみずみまで探してみたけど誰も居ない・・・。その声はその間、近づくことなく遠ざかることなくずっと聞こえていたという。
そいつは半狂乱になって崩れた商品の下敷きになりかけながらも必死で出口にたどりつき、最後の望みで扉のひもを引いたところ、無事に扉が開いたので、もう仕事もほったらかして必死で逃げ帰ったらしい。
その後そいつは1週間でそこを辞めました。
231: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/03 00:47
ぺたぺた
今から数年前の夏のころ。
夜遅くに友人から麻雀の誘いがあった。
週末これといった予定もなかったので、出かけることにした。
終電で辿り着いた友人宅は、世田谷の奥まった場所にある。
寝静まった住宅地は昼間の記憶を危うくし、道に迷ったことに気が付いた。
暗い夜道を行きつ戻りつしながら、公団住宅らしき場所で立ち止まった。
宅地地図の表示板の前であたりを見回すと、何気に視線が建物にいく。
外階段の踊り場だろうか、人影があった。
232: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/03 00:48
暗くて男女の区別はつかないが、五階の窓台に両肘を乗せ、下を覗き込んでいる。
誰かに道を尋ねたいという気持ちはあった。
声をかけるには離れすぎている。というか、背中に悪寒が走っていた。
「あれは違う」と感じた瞬間、その人影がすっとこちらに顔を向けた。
そして、まるでこちらを確認したかのように、ふっと姿を消した。
階段を下りるぺたぺたという音がコンクリートに反響する。
それを聞いて慌てて走り出した。
なぜ逃げるのか、どうして追われるのか、その時は何も考えられなかった。
ぺたぺたという足音が、一定のリズムでこちらに迫っていた。
五分ほど走って、狭い道からようやく広い通りに出る。
肩で息をしながら、額の汗をぬぐうと、行き交う車の音で足音は聞こえなくなっていた。
233: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/03 00:49
人心地ついて、友人に携帯で電話する。
「そんな団地みたいな建物ないぞ」
携帯で誘導してもらいながら、今しがたの出来事を話すと、友人はそういった。
「いや、学校の敷地を通り過ぎたあたり」
そこまで話すと、電話が不通になった。
「圏外?」パネルのマークを見ながらつぶやく。
あたりは思いのほか静寂に包まれていた。
そして、あのぺたぺたという足音が聞こえてきてた。
今度は立ち止まって、その足音の主を確かめようと思った。
外灯の下に立ち、身構えると、全身に震えがきた。
なぜだか分からない。そんな体験は初めてだった。
足音は消えて、何かの気配があった。
結局、負け犬のようにびくびくしながら道を引き返した。
友人の誘いを無視して、自宅に帰った。
世田谷で起きた幾つかの未解決事件。何の根拠もないのだが、個人的に気になる
今日この頃だ。
254: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:23
黒いワンピースの女
以前遠距離恋愛をしていた。
彼女は関西、俺は東京に住んでいた。
九月の三連休、知人に車を借りて彼女に会いに行くことになった。
会社での仕事を終えて、夜の十一時くらいに東京を出発した。
体は疲れていたが、彼女会いたさに強行した感じだった。
途中のサービスエリアで仮眠をとるつもりだったが、
久々の長距離運転で興奮し、まったく眠たくなかった。
それでも、どこかで休まなければ、翌日の予定が狂ってしまう。
浜名湖のSAなんかいいかもしれない、売店が開いてればうなぎパイでも買うか、
車のスピードを落とし、トラックの後を追走しながらそう考えた。
255: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:24
サービスエリアでトイレに入り、売店をのぞいたが閉まっていた。
自販でジュースを買い、あたりを少し見て回った。
普通車の駐車区画では、何台かの車が仮眠の為に停車している。
俺は少し離れた場所に車を移動し、寝ることにした。
蒸し暑い夜だった。湖に近いから多少涼しいだろうと思っていたが、
そうでもなかった。
ウィンドウを半分開けて、シートを倒して目を閉じる。
車のエンジン音が遠くなり、うとうとしかけた頃、
コツコツという音で目がさめた。
誰かが窓をノックしていた。
256: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:25
黒いノースリーブのワンピースを着た女性が立っていた。
いきなりの事で驚いたが、眠気はいっぺんで吹き飛んだ。
目の前にいる女性は若く、何か場違いのような妖艶さを全身から醸し出している。
「どうしました?」
どきまぎしながら訊ねた。
「名古屋まで行きたいのですが」
女性はそれだけぽつりと答えた。
名古屋で高速を降りる予定はなかった。時計は二時を回っている。
仮眠をとらなければ、朝には京都で彼女と落ち合うことになっている。
「だめですか」
「これってテレビの番組か何かですか?もしかしてタレントの人?」
女性は潤んだ瞳でこちらをじっと見つめていた。
興奮気味に色々話し掛けるが、憂いのある表情を浮かべて黙っている。
そして、小さく頭を下げると、立ち去ろうとした。
257: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:26
「名古屋までいいですよ」
俺は焦ってそう声をかけた。こんなことめったにあることじゃない。
女性は一瞬微笑んだようにも見えた。
助手席の方に回りこみ、隣に座るのかと思ったが、ドアノブに手を掛けて躊躇した。
(まあ初対面だし、ちょっと警戒してるのかな)
女性が後部座席の真ん中あたりに座るのを確認して、俺はエンジンをかけた。
ライトに映し出された二人組みの男がこちらを伺っていたらしい。
ハンドルを切ろうとして横を確認すると、車のドアを開けっ放しにした若い男が、
上目遣いでこちらを見ている。
(こんなモデルみたいな女が俺を選んだんだ。羨望の眼差しってやつかね)
その時は脳天気にそう考えた。
258: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:27
高速に出てから、その女性はバックミラーごしにこちらをじっと見ていた。
まずヒッチハイクすることになった経緯から聞こうとしたのだが、
列をなす大型トラックの騒音にかき消され、声が届かないようだった。
なかなか話が通じずに、というより、会話にならないまま車は西に向かった。
時々バックミラーに目をやると、女性は少し眉間にしわを寄せ、俺をじっと見つめていた。
「ちょっと気分が悪いので横になります」
「あっ、はい。どうぞ」
車はトンネルに入っていて、かなりの騒音だったのだが、はっきりと聞き取れた。
少し動揺してバックミラー越しに確認すると、女性の姿は見えなくなっていた。
話し掛けることがなくなって、少し落ち着いてきたのだと思う。
自分の今の状況を考える余裕が出てきた。
女性への下心や彼女に対する苦しい言い訳、友人らのうまくやった話などが
頭を駆け回ると、たちまち余裕はなくなった。
トンネルのゆるいカーブで突然側壁が迫った。
慌ててハンドルを戻すと、トラックのホーンが反響する。
ぎりぎりでやり過ごすとメーターは150キロを超えていた。
あやうく事故を起こしかけて、動悸が激しくなっていた。
スピードを落としてトンネルを抜けてから、前後を走る車のライトが消えた。
259: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:29
(疲れている。やっぱり休もう)
「具合どう?」
ほとんど車の流れが途絶え、一呼吸ついたところだった。
「いやあ、さっきはちょっと危なかった。」
返事はない。
すぐに美合PAの道路標識が見えた。
「寝てるのかな?」
見晴らしのいい直線で振り返ると、まっ白いふくらはぎが目に入った。
心もちスカートがめくれている。もう一度確かめようとすると、
突然女性が運転席に手を伸ばした。シートの左肩のあたりを指でつかんだようだ。
「大丈夫?」
そう声をかけると、苦しげにうーんとうめいている。
スピードを上げてPAに向かう。具合はどうか、持病があるのか質問するが、
女性は低い声で唸っているばかりだった。
車を駐車区画に入れ、いったん外に出て助手席の扉を開けた。
すると相手は体を起こし、一瞬こちらを睨みつけた。
「ねえ、どこが痛いの」
不安と混乱で強い口調になった。
「黙っていても分からないよ」
「水を」
女性は怒ったような顔でそれだけ言うと、額に手を当て頭を伏せた。
260: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:29
言われるままに車を離れ、水を求めて休息所へ走った。
ここまでくると、女性に対する好奇心より、不審な感じが勝っていた。
不安は的中した。
エビアンを買って車に戻ると、女性の姿はなかった。
トイレに行ったことも考え、しばらくあたりをうろうろしたが、
ついに女性は見つからなかった。
半ば放心状態で車にいると、彼女から携帯に電話があった。
「今どこらへん?ちょっと嫌な夢を見て目がさめたの」
どんな夢だったか聞くと、唖然とした。
俺が交通事故を起こし、救急車で運ばれるというのだ。
そのうえ、彼女は知らないはずの車種と車の色まで言い当てた。
「救急車に乗ろうとすると、知らない女がそこにいるの」
膝がガクガクと笑い出し、言葉を失った。
「あなたも連れて行くわよ」と女に話し掛けられ、彼女は目がさめたらしい。
261: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:30
その後、京都で無事に彼女と会うことができた。
ただ、一つだけ不思議なことがあった。
彼女にもらった室生寺の根付のお守りがなくなっていた。
紐の部分を残して、木彫りの花の根付だけがなかった。
部屋のカギといっしょにつけていたもので、東京を出るまでは確かにあった。
彼女にドライブでの経緯は話せなかったが、感謝の気持ちでいっぱいだった。
………あと反省の気持ちも。
後日談はあるが、洒落にならないのでやめておく。
262: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/04 17:47
>>261
え~!続けてよ~!!
273: 261 02/10/04 23:51
お守り
あまり気は進まないが、後日談を書こうか。
その時は漠然と、何か悪意のあるものに魅入られたと感じていた。
思い当たる節はあった。最初浜名湖のSAで女に話し掛けていた時、
周囲は引いた視線で俺を見ていたんじゃなかったか。
女は俺にだけ見えていた存在だったんじゃないかと。
結局俺は助かった。それは彼女のお守りのおかげかもしれない。
とにかく、明後日は東京に戻らなけりゃならない。
一人で、あの女を乗せたこの車に乗って。
俺は彼女に室生寺のことを聞いてみた。今はよく思い出せないが、
尼寺もあるとのことだった。
京都を散策しながら、俺はある尼寺でお守りを買った。
それを車のダッシュボードの奥にしまいこみ、厄除けになることを
祈った。
274: 261 02/10/04 23:54
無事に東京に戻ると、知人に車を返しに行った。
何となく、お守りはそのままにした。当然縁起でもない話はせずに、
すべては俺一人の胸にしまった。
それから二ヶ月ほど過ぎた頃。
俺の住むアパートの郵便受けに、ぼろぼろになったお守りが放ってあった。
悪い予感がして、すぐ知人に連絡した。
彼は仕事が忙しいらしく、お守りの話は切り出せなかった。
それでも、最近は私用で車を乗っていないこと、遠出する予定もないことを
聞き出せた。
一安心して暮れを迎えたある日、彼と共通の友人から電話があった。
彼が交通事故で亡くなったと言う。
家族にちょっと出掛けると話したまま、数百キロ離れた場所で事故を起こした。
彼になにがあったかは分からない。
ただ、あの女は今も、深夜の高速道路を彷徨っているような気がする。
おわり
279: 掃除機 ◆q6LZPu7fRI 02/10/05 03:28
夜の学校
俺が高校生の頃。
友人達7~8人で肝試しをやろうという事になり近所の墓地へ行った。
しかし、人数が多いこともあり、いまいち盛り上がらなかったので
近くの高校に忍び込もうという話になった。
この高校は田舎にあるためか門や昇降口の鍵は開いていて、
よく友人達は忍び込んで黒板に落書きなどを残してたらしい。
なのでその日も落書きをしにいくことになった。
281: 掃除機 ◆q6LZPu7fRI 02/10/05 03:36
高校に着いたのは夜中1時過ぎ。
いつもは正門から入るのだがその日はグラウンド側から入る事になった。
グラウンドの奥にそびえ立つ校舎というものは不気味なものだ。
しかしその時の目的は肝試しっていうより落書きという悪戯だったので
さほど恐怖心はなかった気がする。
その時、校舎の2階の教室の窓に人らしきものを発見した。
最初はカーテンか何かだと思ったのだが他の友人も発見し「人が居るじゃん」と言ってたので見間違いではないようだった。
282: 掃除機 ◆q6LZPu7fRI 02/10/05 03:40
でもよく見るとちょっとおかしい。
その人は子供?を肩車してるように見えた。
夜中に暗い教室で、しかも肩車して窓を覗いているって言うのは
俺にとって充分不気味だった。
でもそこに居た連中全員が見てるので幽霊じゃない気はした。
「あいつ何やってるんだ?」
その時である。
283: 掃除機 ◆q6LZPu7fRI 02/10/05 03:47
肩車をしている人間がそのままの状態で平行移動した。
なんというか、説明しづらいのだが、肩車して窓の前に立って身体をこちらに向けている状態なのに身体の向きを変えずそのまま横に動いた。
普通の人間だとしたらスケボーにでも乗ってる感じ。
その場に居た全員がそれを見て瞬時に恐怖を感じみんな一斉に逃げ出した。
今となっては生身の人間なのか幽霊なのか確認できないが、俺は思い出すと今でも怖くなる。
長文スマソ
284: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/10/05 06:34
廃墟ホテル
随分前、聞いた話です。
某雑誌の編集部が、夏だから恐い話の特集でもするかな、と
(当時まだ取り壊されていなかった)火事で廃墟になった某ホテルに取材に行きました。
まあ当然夜中に。
別に何が起きるわけでもなく、写真を撮って帰ったそうです。
でも結局その企画は流れました。
撮影した写真が使えなかったから。
その写真。
廃墟になっていて誰も使っていないはずの某ホテル。
その窓に煌々とした灯がともっていたそうです。