2: 1 19/12/23(月)18:23:06 ID:EUs
・ヨット編のスレ一覧(おーぷん):
午後6時、秋田県沿岸にて、海上に設置された綱が船底にひっかかり身動きが取れなくなってしまった
綱の張りは強く、船上から棒で外すことはできない
海中を確認するためのスマートフォンもこのタイミングで壊れてしまった
…潜ろう
服を脱いでライフジャケットを着て、シュノーケル用の水中メガネを着け、係留用のロープを肩から脇へたすきがけにして結んで船尾から海へ
強い潮の流れがある
ひとたび船から離れようものなら戻っては来れないだろう
命綱代わりの係留ロープから手を放し、潜って船底へ
やはり、プロペラに巻き付いているわけでは無いが絶妙に綱が引っかかっている
プロペラを優しく回しながらロープを引くと、うまく外れた
…よし、これで船が動くんじゃないか…?
…と思い、船上から棒で綱を押すも、船はほとんど動かない
プロペラからは外れたものの綱はまだ船底のキールに沿う形で張っているので、メインサブ共にエンジンは使えない
プロペラを回すと綱がプロペラに巻き付いてしまい、最悪プロペラか綱を傷つける事になるだろう
3: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)18:24:07 ID:EUs
また海へ入り綱を伝って少しずつ船を移動させようとしてみる
たとえ綱沿いでも、二股になっている結束点(浮きのボールが付いている)から離れさえすれば綱はそれなりに海中へ沈んでいくから、まだ何とかしやすいはずだ
足を使って綱に体を固定して船を引っ張ってみる
あっ…
右足つった…笑
海流に押されたり波に煽られたりして無茶な姿勢が続いたのでつってしまったんだろう
とはいえ、多少泳ぎにくくなっただけで、両手と片足があれば作業はできる
続行だ
4: 田中正造 19/12/23(月)18:27:15 ID:jJT
あんたか お疲れ様
8: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)18:42:32 ID:EUs
>>4
このヨット編も中々大変だったなぁ
3ヶ月前の話なのに何年も前みたいに思える
6: 名無しさん@おーぷん 19/12/23(月)18:28:36 ID:I0F
おおひさしぶり
11: 名無しさん@おーぷん 19/12/23(月)18:59:43 ID:Va2
沈没で終わるのか
大冒険になってきたな^_^
17: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)22:49:40 ID:EUs
>>11
財産半分以上失って綺麗にオチがついたわ笑
61: 名無しさん@おーぷん 19/12/26(木)19:00:10 ID:7nR
>>17
財産あるのか
62: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)21:08:45 ID:nh9
>>61
財産あるってか、あっただよね(但し奨学金を考慮するとマイナスになるものとする)
去年は本出版したし連載も隔週で一年以上してたし、その上契約社員で技術系の法人対応してたからさすがに金貯まった
もうあまり残ってないけどね笑
12: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)19:29:33 ID:EUs
棒で押すよりは力が入りやすく、船は少しずつ動いては行ったが、少しでも力を緩めると元の位置へと戻っていってしまった
…海流と風か…!
この当時、綱側への強い海流に加えて風も同じ方へ向けて吹いていたから、船は海中海上共に綱の方へと押しやられていた
少しでも船が動くよう左足で綱を蹴ったりして船を引く方に力をかけてみるも、あと少しではあったが結局綱を抜け出すことはできなかった
常時かかり続ける海流と風の力が大きすぎる…
潮流の向きが変わるまで待つか…いや、暗くなってしまうからどのみち航行できなくなる
この辺りには仕掛けがかなり多いから、暗い中航海してもまたすぐに引っかかってしまい進めないだろう
むしろ、暗くなってから潮の流れが変わって船が別の方向に流されていったらどこへ行くかわからない
このまま現状維持で明日朝までやり過ごす…というのは危険だ
とはいえ、現在の状況ではどうしようも無いことが分かった
駄目だ…自力では抜け出せない…
18: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)22:52:59 ID:EUs
そう考えつつも、どうしようも無いのでロープを押したり引いたりしつつ何とかならないか格闘していると、小型船のエンジン音が聞こえてきた
港はすぐ近くだったので、陸から見かけた方がようすを見に来てくれたんだろう
こちらへやって来た船外機の小型ボートには年配の男性が二人乗っていた
おれ
「申し訳ございません!
船底がロープにかかってしまいまして…
ペラに絡んでいるわけでは無いので船をあっちに動かせれば抜け出せると思います!
すみませんが引っ張っていただくことはできませんか?」
男性
「引くぞー!
船首から引いたほうがいいな!」
(訛りはきつかったけど再現不可なので標準語に変換)
船首へと投げられたロープを繋ぎ、ボートで引っ張ってもらうといとも容易く船はロープ地帯から離れていき、無事に脱出することができた
男性
「あれは定置網だな
でも今の時期は網張ってなくて、枠のロープだけ残してあったんだけどな
そこの港まで連れてってやる」
おれ
「ありがとうございます…!
すみませんご迷惑をおかけして」
そして、港に到着
助けてくださった方はKさんと言うらしい
港に到着すると、ちょうど定置網の所有者の方がいらっしゃったのでご迷惑をおかけしてすみませんと謝罪しつつ事情を説明する
所有者の方曰く、「ロープが切れたり傷ついたりしてないならいいよ」とのことだった
19: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)02:58:01 ID:CEG
Kさん
「うち来いや
そんなずぶ濡れで…
シャワー浴びろ」
おれ
「えぇ、いいんですか?
…ありがとうございます!!」
という訳でご自宅にお邪魔しシャワーを浴びることに
自宅には奥さんと、野良だったのを保護したという丸々と太った大型の猫がいた
そして、リビングには本が一冊だけ置いてあった
高野秀行さんの著書、「辺境メシ」だ!(辺境メシ:ヤバそうだから食べてみた)
高野秀行さんといえば、世界各国を探検する辺境作家として超有名な作家さんで、おれのモロッコの本にコメントをくださったこともある
直接お会いしたことはないが、ツイッターやラジオでも本を褒めてくださっていて、出版社の編集さんづてに「よろしく伝えといてください」とおれに言ってくださったという話も聞いた
おれ
「高野さんの本読まれるんですか?」
奥さん
「この本、面白いわねぇ
娘がよく買ってきてくれるのよ
私も主人も外国の話とか探検とかそういうの大好きだから」
おれ
「そうなんですね!
恥ずかしながら僕も海外を放浪したりしてまして、本を出した時高野さんにコメントいただいたこともあります
春間と言いまして…」
書籍の情報も書かれた名刺を手渡す
奥さん
「うわー、すごい人なのねぇ…!
今日は面白い人がうちに来たものね
さ! ひとまずお風呂入っちゃって!
もう少ししたら湯船にお湯が張れるからゆっくり浸かっていって頂戴!」
おれ
「ありがとうございます!」
24: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)10:56:19 ID:CEG
そしてその後、風呂から上がると…
食卓には3人分の料理が並んでいた
奥さん
「余り物だけど、食べていって
ビールもあるから」
…これは、おかしい
おれ
「いえいえ!迷惑かけてしまった側なのでこれは申し訳ないです!
船内にも食べ物あるので大丈夫です!
しかもお酒までって、いただくのはさすがに…」
奥さん
「いいのよ、今日は久しぶりに面白い話が聞けそうだから
いろんな話聞かせて頂戴
主人もああ見えてすごく楽しみにしてるはずだから」
…というわけで、迷惑をかけたにも関わらず何故か晩御飯をいただくことになった
余り物…というにはあまりに豪華すぎる
特にホタテは新鮮そのものだった
奥さん
「明日、さっそく仕事場で話さなきゃ!
若い冒険家さんがうちに来たって!
同じような日ばかり続いていたから良かったわ
もしかしたらロープに引っかかったのはうちに引き寄せられたからかもしれないわね笑」
おれ
「かもしれないですね笑」
25: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)11:00:12 ID:CEG
奥さん
「最初に気付いたのは私なのよ
全然動かないヨットが見えたから、双眼鏡で覗いてみたらなんだか困ってそうで
居間にいる主人に『あの船大丈夫かしら?』って声かけたの
なのにこの人、全然取り合わずにずっとテレビ見てて…
そこの海はよく北朝鮮からの船が流れてきてたからちょっと怖かったんだけど、あのヨットは日本人だろうと思って」
おれ
「北朝鮮から船が来るんですか?」
奥さん
「そう、最近は見なくなったけど2年くらい前はよく流れてたわ
死人が乗ってるの
木でできた船でね、そのままの形で流れてくることはあんまり無くて、ほとんど壊れて土台しか残ってなかったり
北朝鮮には農業部とか漁業部とか部署があるみたいだけど、その漁業部の人たちが流れてきてるみたいで
潮の流れにのってゆーっくり海を流れていくから、不気味なのよ…」
おれ
「へぇ、そりゃ不気味ですね…
不安があったのに助けてくださってありがとうございます…!」
奥さん
「そう、それでさっきは私が主人をけしかけたんだけど、まさか家にまで連れて来るとは思わなくて!
どんなむさ苦しい人が来るのかと思って最初嫌だったんだけど、会ってみたらぜーんぜん違った!」
おれ
「良かったです…笑」
26: 名無しさん@おーぷん 19/12/24(火)11:04:44 ID:p3V
イッチがイケメンで良かったなあ
31: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:08:34 ID:CEG
>>26
やったぜ!
30: 名無しさん@おーぷん 19/12/24(火)13:16:25 ID:8CY
男鹿の海でいい出会いがあったんですね
GOさんの人徳やね
31: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:08:34 ID:CEG
>>30
いやぁほんと、まさか高野さんのファンの方に助けていただけるとは…
32: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:09:53 ID:CEG
奥さん
「すごい人がうちに来てくれて良かったわ
それにしても豪太郎ってすごい名前ねぇ…
ささ、食べて!」
おれ
「母が考えたらしく、当時は周りから強く反対されたそうです
ありがとうございます、いただきます!」
そして、完食し、感謝を述べつつ席を立つ
Kさん
「船のとこ(この家から50m)まで送ってく
船ん中、見てもええか?」
おれ
「あ、はい!
散らかってますが、好きなだけ見てください!」
奥さん
「やっぱり興味津々じゃない!
好きなんだから…」
Kさん
「静岡まで着いて日本一周できたら電話してくれるか?
心配だから」
おれ
「はい、分かりました!」
そして船へ戻り、Kさんに改めて感謝を告げ、就寝
体中細かい傷がたくさんできていて体力も限界だったから、気を失うかのように一瞬で眠りに落ちた
【リアルRPG 海賊編58】その後のご報告【秋田県(男鹿半島)】
https://youtu.be/6EtDIj2Ml4s☆
33: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:17:00 ID:CEG
そして翌朝、朝5時出航
離岸中、Kさんが家から出てきて見送ってくださった
おれ
「お世話になりました!
行ってきます!!」
そして、青森へ
この日は110km以上の長距離移動だったけど、かなり集中して網などに近づかないよう航海したので何事もなく無事に青森の鰺ヶ沢漁港に到着
次の日は少し海が荒れていたから鰺ヶ沢に滞在
津軽海峡を越えると太平洋側に出るから、これからは海の荒れる日が増えるだろう
そして次の日になり、北海道函館へ向けて早朝出発
津軽海峡は一方向への潮流があるようで、西から東への通過は楽だが流速が早いので注意が必要だ
出発直後、まだ少し荒れている海でデカ発泡スチロールが海へと落ちてしまう
パラコードで簡単にとめていただけだったので波に煽られはずれてしまったんだろう
見張りをずっとしていたおかげですぐに気づくことができ、帆を張ったままではあったけど無理やり旋回して何とか回収
これがあると無いでは係留できる場所の数が大違いなので、絶対に持っておきたい重要アイテムだ
そして、津軽海峡の西側、青函トンネルがある方を通過
今日の目的地は函館の近くにある北斗漁港という避難港なので、あともう少しだ
34: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:20:34 ID:CEG
風が強く、潮流も強かったので、今回の冒険では最速となる10ノット超えを記録
時速20km弱、自転車並みの速度だ!
そして、北斗漁港が目前に迫ったその時、船のすぐ前方に100を越える悪魔たちが姿を現した
球形のブイ、漁師さんが仕掛けた網だ
黄色いものは気付きやすいけど、波に混じって見えにくい黒色の、ステルス性能を持ったものもたくさんある
他の地域では範囲の端にわかりやすく細い木や旗が立ててあったが、秋田あたりからはかなり分かりにくくなっているように思えた
そしてこの球形ブイの悪魔たちが厄介なのは、どれが独立していてどれが連結しているのかわからないということだ
独立しているブイは近くを通ったとしてもぶつからなければ全く問題は無いけど、いくつかのブイはそれぞれロープで繋がっているので、そのロープにあたってしまうと最悪プロペラに絡んでプロペラもロープも破損するという事態になってしまう
プロペラをほぼ停止して、可能な限り大回りをしつつ港を目指す
すぐ傍の海中にいきなりロープが見えてきて焦ったこともあったが、秋田での経験のおかげでうまく操船し回避することができ、無事北斗漁港に到着
夜、漁港ではワカメの陸揚げ作業をやっていたようだったが、漁師さんたちはとても優しい方々で、「好きなだけ停泊してけ!」と言ってくださった
さあ、明日は電車で函館へ!
観光?をしよう!
【リアルRPG 海賊編59】ついに北海道へ! 激流の津軽海峡!!【青森県(鰺ヶ沢)~北海道(北斗漁港)】
https://youtu.be/oPjgWlamqc0
35: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:25:28 ID:CEG
さあ、電車に乗り、函館へ出発
貧乏な家だったので学生時代も働き続けていて、卒業してからは冒険ばかりだったからおれは今まで観光というものをほとんどしたことが無い
唯一能動的に行った観光は、イタリアのローマへカルボナーラを食べに行った時だけだ
この日本一周は、そういったおれに欠けているものを埋めていく旅でもあるから、何とか今日は観光をうまくやってみたい
改札のない駅から電車に乗って函館駅につくと、何やら騒がしい
おぉ!
お祭り(イベント)だ!!
どうやら、年一回のYOSAKOI 道南大会というのがある日だったらしく、たくさんの人たちが迫力満点の踊りを披露していた
しばらく見物していると昼休憩に入ったので、函館の市場のフードコートにてほたて丼とついでにビールを注文
美味い!!
そして締めは北海道牛乳!
本当は北海道では牧場で搾りたての牛乳を飲みたかったんだけど、どうやら日本の法律では搾りたてを提供してはいけないらしく断念した経緯があったから、搾りたてに近付くようホットミルクを注文
当たり前だけど、パック詰めされた水っぽく安い牛乳と比べて遥かに濃厚で美味しい
そしてその後は赤レンガ倉庫で土産を買ったり喫茶店で北海道産のクリームチーズを使ったジェラートを食べたりしつつ、メインである100万ドルの夜景を見に函館山登山口へ!
…よし、かなり観光っぽい!!☆
37: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:37:41 ID:CEG
さて、登山口に到着すると、同年代っぽいヨーロッパ系の男女3人組がいて、何やらおれの知らない言語で話し合っていた
3人とも健康的で歩くペース速そうだし、一緒に登ることになる気がする
おれ
「(英語)こんにちは!英語は話せる?
(フランス語)フランス語は?」
男
「やあ、はじめまして
普段はオランダ語で、フランス語は少しだけ
英語なら話せるよ
おれはポーランドから来たビクター、こっちの女性はダニーって呼ばれてて、こいつはベルギー人のジャーリー」
おれ
「はじめまして
おれはGo。日本へようこそ!
よかったら一緒に登らない?」
…というわけでビクターたちと函館山展望台へ向けて出発!
静かで気持ちの良い山道をグングン進み、30分ほどで山頂に到着!
そしてその後ビクターたちと別れ、展望台から写真を取ったり、山頂の施設を見て回ったりして過ごす
夜景でなくとも、特徴的な形の函館の街と海とのコントラストは圧巻で見ごたえがあった
夕暮れ時になり、夜景が良く見える上の方へ行くと、すでに何人もの人々が展望台の手すりのところへ押し寄せいていて、夜景がほとんど見えない状態になっていた
…しまった、めっちゃ早く来たのに出遅れた…!笑
仕方なく人々の後ろに並んで順番を待つ
これで今日の観光は締めか…
楽しかったけど、何か物足りない気も…いや気のせいか
…と、思いながらなんとなく辺りを見回すと、すぐ近くのおれと同じ位後ろの位置に肌の浅黒い目のぱっちりした女性がいるのが見えた
すぐ前にいるヨーロッパ系の外国人グループとは…どうやら別のようだ
欧米系でなく、ラテン系…だろうか?
一人で来ているのかもしれない
おそらく日本語も話せないだろうし、せっかく日本に来たというのに一人だと何かと大変だろう
これは日本人として声をかけないといけない場面だ!
日本人として!☆
38: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)17:42:37 ID:CEG
(以下英語)
おれ
「中々前に進まないね」
女性
「そうね…。素晴らしい景色を見るためには待たなきゃね」
おれ
「どこから来たの?一人?」
女性
「メキシコから。一人よ」
おれ
「はー、また遠いところだなぁ。日本は初めて?」
女性
「これで3回目。日本はすごく安全だから好きなの」
おれ
「超日本好きじゃん!へー、すごいなぁ!他の国とかもけっこう行くの?」
女性
「ほとんど行ったことがないわ
コスタリカと、韓国が一回
何回も来てるのは日本だけね」
おれ
「超日本好きじゃん!!」
その女性はマリアという名前で、メキシコではネットワークセキュリティのヘルプデスクをやっているらしい
仲良くなったので、一緒に夜景を見た後で酒を飲みに行くことになった
…が、夜の函館ではバーやレストランなどはほとんど開いていなかったので、仕方なく居酒屋へ
マリアは「日本人のなま物を食べる文化が信じられない!」としきりに驚いていたから、生卵の美味しさを力説しておいた
(もちろん日本以外の生卵は食中毒のリスクがあるから食べないように、との説明もした)
そしてその後、居酒屋を出てお別れ
残念ながら時間切れだ
明日4時半に出港しないと、海が荒れるまでにキリの良いところまで行けない
なんか最後の方はあまり観光っぽくなかったけど、これはこれで楽しかったし良いだろう
電車で北斗漁港へ帰り、就寝
【リアルRPG 海賊編60】船を降りて函館へ行ったら外国人がたくさんいた【北海道(函館)】
https://youtu.be/-F99JgyWP24
39: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)19:54:48 ID:CEG
朝4時半、出航
やっぱりブイのトラップが港入り口に多数あったけど、安全なルートを港の漁師さんたちに聞いておいたから全く問題なく通り抜けることができた
夕方、港に到着すると、何隻もの船が忙しそうに動き回っているようだったので、絶対に邪魔にならないような辺鄙な場所に係留し、漁協へ行って指示を仰ぐことにした
どうやら今からスルメイカの市場があるようだ
漁協の方によると、あと30分ほどで船の往来は止むのでその後荷揚げ場に移動して朝まで停泊していて良いとのことだった
船へ帰る途中、給油中の船の漁師さんと話していると、スルメイカをたくさんいただくことができた
明日も4時ごろ起きないといけなかったので刺し身にする時間はなかったけど、イカ焼きとしてありがたく食べることにした
そして、岩手県種市に到着
明日からは海があれるのでここに3日ほど滞在することにした
連載や動画編集などが溜まっていたからちょうどいいと言えばちょうど良いけど、そろそろ台風の季節になってくるから注意が必要だ
種市はスーパーやコンビニ、銭湯、コインランドリー、ホームセンターなどが徒歩圏内にあり、けっこう居心地が良い
そして特に変わったことはなく、岩手県を南下
もうオートパイロット無しでも何不自由なく航海できるようになったし、海のトラブルの対処も慣れたから、最近は問題らしい問題は起きなくなってしまった
40: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)19:58:44 ID:CEG
三陸沿岸、リアス式海岸のギザギザの複雑な地形になっていて太平洋の東や南東からの風と波の影響を受けやすい地域なので、荒れ狂う海を航海できるんじゃないかとワクワクしながら挑んだが、そんなことは無かった
波はなく、これでもかというほど凪いでいる
そしてリアス式海岸の窪みの一つ、三陸へ寄港
港を守っているんじゃないかと言うくらい隙間なくブイが並んでいて網が張られていたけど、何とか通れそうな場所を見つけて入港
買い出しの為に近くに唯一ある見せのローソンへ行く予定だったけど、係留場所の近くで釣りをしていた方と話した時に、現在そこは改装中で閉店していると知ることができたので行かないことにした
その釣り人さんがご厚意で車に乗せて下さったので、スーパーへ行って買い出しを済ませることができてラッキーだ
そしてぐんぐん岩手県を南下して宮城県、そして福島へ
海はやっぱり凪
この辺りは陸から7、8km離れたところにも網があったりして注意を要するけど、最近はこれにも慣れてきた
横から風が吹いてくれたのでアビームで帆走しぐんぐん進む
そして、福島県、相馬港に入港
今週末、友人と原発付近まで車で行く予定なので、ここには6日ほど滞在することになる
ちなみにここはマリーナではないので係留料は極端に安く、6日で120円ほどだ
港の周りは、ボロボロの場所とピカピカの場所がはっきりと分かれていて、当時の惨状を想像することができた
一時間ほど歩けば街へ行くことができて、牛丼チェーンや100円ショップなどもあるのでけっこう都会だ
【リアルRPG 海賊編61】大荒れ必至(願望)の三陸沿岸! ついに福島県へ!【北海道(北斗漁港)~福島県(相馬市)】
https://youtu.be/XvS-DhxFXiY
41: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)20:05:00 ID:CEG
さて、福島では原子力発電所やその周りの地域についてぜひ知りたいと思っていたので、各所を回ることにした
タイミング良く、友人(友人というか腐れ縁かもしれない)が有給をとれたらしいので、その友人と二人でレンタカーで回ることにした
友人の名は啓太(仮名)といい、中学からの付き合いだ
朝イチで来るとのことだったけど来たのは20時前で、到着が遅れたことによってレンタカーも借りれなかったらしい
いや遅れそうなら連絡しろよ…
と思いつつ、まぁ仕方がないか、と考えて結局その日は予定を無くすことにした
ちなみに今回、実際に被災された方の話が聞けた方が福島をより深く知れると考えたので、ツアーにも申し込んでいる
おれ
「啓太久しぶり
ここまで遠かったやろ」
啓太
「せやなぁ
お、行くか」
この福島巡りは、今回の日本一周での地域イベントとしては最後のものだ
事前に調べたところ、被災後に売れなくなってしまった牛たちを殺さず守って飼育している牧場があるらしいので、ぜひ寄ってみたい
さぁ、遂にこの日本一周も大詰めだ
福島巡りへ、出発!!
42: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)20:09:39 ID:CEG
【悲報】
※ごめん、ここから何故か日記のデータほぼ消えてた
おーぷん用に6000文字ぐらい書いたんだけど、ほぼ移動距離しか残ってない笑
たぶん中国大陸とか横断してるときにオフライン多めの環境で書き上げた関係だと思う
この後はあまり目立ったイベントも無かったし、今は時間あまりないし、この後あったことをざっくり書いて終わらせようと思う☆
43: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/24(火)20:09:50 ID:CEG
【悲報】
※ごめん、ここから何故か日記のデータほぼ消えてた
おーぷん用に6000文字ぐらい書いたんだけど、ほぼ移動距離しか残ってない笑
たぶん中国大陸とか横断してるときにオフライン多めの環境で書き上げた関係だと思う
この後はあまり目立ったイベントも無かったし、今は時間あまりないし、この後あったことをざっくり書いて終わらせようと思う
44: 名無しさん@おーぷん 19/12/25(水)00:15:24 ID:x0W
ええ・・・
46: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/25(水)09:26:49 ID:i5t
>>44
データ無いから(めっちゃ探せばローカルのどっかにあるかもしれないけど)仕方ないね
いつ死ぬか分かんないし、多少クオリティ下げてでもどんどん書いてった方が良いんじゃないかな
まぁ「感動のラスト()」みたいなのあまり書きたくないしあっさりしてるのが好きだから、事実だけ並べてくような書き方でもそんなに変わらないと思う
45: 名無しさん@おーぷん 19/12/25(水)07:21:48 ID:dKB
なんてこった・・・
46: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/25(水)09:26:49 ID:i5t
>>45
データ無いから(めっちゃ探せばローカルのどっかにあるかもしれないけど)仕方ないね
いつ死ぬか分かんないし、多少クオリティ下げてでもどんどん書いてった方が良いんじゃないかな
まぁ「感動のラスト()」みたいなのあまり書きたくないしあっさりしてるのが好きだから、事実だけ並べてくような書き方でもそんなに変わらないと思う
47: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/25(水)09:32:23 ID:i5t
空と海両側から見た福島第一原子力発電所
49: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/25(水)18:04:20 ID:i5t
まずはいわき方面(南)へ向かいつつ、牛を保護しているという牧場「希望の牧場」へ
牧場主さんは各地で演説をしながら暮らしていらっしゃるようだ
原因不明の変異を起こした牛もいるようだが、牛たちはのみなびのびと暮らしていた
【リアルRPG 海賊編62】友達と福島観光! 原発事故によって売り物にならなくなった牛たちを保護する牧場【福島県( 双葉郡浪江町)】
https://youtu.be/s1o0TrW_UFo
50: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/25(水)18:05:28 ID:i5t
続いて、いわき付近にある、亡くなった子供を供養しているというスポットへ行こうとしたけど立入禁止だったので断念
なんでだよ…
その後は夜の福島を徘徊
ずっと閉店した状態のファミリーマートが印象的だった
翌日はツアー
実際に震災を経験された方が車に乗り、施設や学校などを周りながら当時のお話をしてくださるもので、謝礼は寄付方式になっている
終業式の準備がされたまま10年近く放置されている体育館や、校舎の高い位置に挟まっている大きな岩が印象的だった
汚染されてしまった土壌や人口に関する問題など、福島はまだまだ深刻な課題が多いようだ
ツアー後ヨットを見に行くと、フェンダーがはずれかけていながらも無事にもとの状態を保っていた
おれの知らないところで台風15号を乗り越えていたらしい
【リアルRPG 海賊編63】車に乗って福島第一原発付近へ! 日本一周ラストイベント!【福島県】
https://youtu.be/x2qXe4g3N8s
52: 名無しさん@おーぷん 19/12/25(水)21:08:19 ID:GEe
自分にとって福島の一番新しい情報でした
復興がまだまだの地域もかなりあるんでしょうね
早く皆んなが落ち着いて住めるところになってほしいなあ
54: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)14:56:24 ID:nh9
>>52
まだまだ時間がかかりそうだけと、ほんとそうだね
53: 名無しさん@おーぷん 19/12/26(木)00:18:11 ID:MMV
もう10年近く前になるんやな
54: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)14:56:24 ID:nh9
>>53
当時はまだ大学生だったな
大学の最寄り駅でガラケー開いて「あれ?圏外になってる」って驚いたの覚えてるわ
55: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)15:04:04 ID:nh9
そして、福島を出発して第一原発のそばを通り過ぎた直後、仲間の健康チェックをしようと船室を覗き込むと…
ワタリガニのわたるが死んでしまっていた…
食事やフンも問題なかったから、原因不明だ…
あと5回航海すればゴールで、その後はわたるの故郷、長崎県の高島に連れて行って放してやろうとしていた
その夜は今までとは違い、ブクブクの音が聞こえない中眠ることになった
【リアルRPG 海賊編64】悲しいご報告【福島県】
https://youtu.be/E3hdXbCB-UE
57: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)15:15:21 ID:nh9
その後訪れた茨城県の鹿嶋では、港のテトラへ入ると同時に猛烈な嵐に襲われた
雨が強すぎて目が開けていられないほどの嵐だった
10分程経つとでただの土砂降りになったけど、港に入る前にもう少し早く嵐が来ていたら航行不能になり危なかったかもしれない
2019年9月12日、13日
千葉県では九十九里と南房総に寄港した
台風15号で被災停電になっている地域が多いとのことだったけど、訪れた町は2つとも停電から復旧しているようだった
九十九里のコンビニは品薄だったけどたぶん入荷がないだけだろう
南房総では、入荷が無いため店などが開けられないようだった
そして、日本一周の出発地点だった伊東まであと75kmとなり、日本一周の最終日がやってきた
58: 名無しさん@おーぷん 19/12/26(木)15:16:34 ID:oh5
>>57
なんかズッキーニっぽいの左端にあるやん
59: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)15:17:58 ID:nh9
>>58
野菜系は、調理に電気やガスが必要だからか売れてないみたい
65: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)22:22:12 ID:nh9
最終日は、場所によっては波高1.9m、向かい風よりの風速22ノットというヨット編史上最悪の荒天だった
とはいえ今までの経験値があったお陰で無事に乗り越えることができ、遂にゴール!!
伊豆半島、そして出発の町静岡県伊東が見えてきたときの感動は言葉にできないほどだった
総計5240kmに及ぶ日本一周の冒険は、これにて達成だ!
航(わたる)については本当に残念だが、ほむらは無事にゴールすることができた
寄港後すぐにほむらを連れて里親の元へ向かう
実は一年以上前、ほむらをおれがお迎えする前から「日本一周後にお迎えしたい」と言ってくださっている方がいて、今回はその方にほむらを託すことに決めた
その方は生活水準も高く裕福な方でインコの飼育経験もあるので、ほむらは今後更に幸せに暮らせるに違いない
【リアルRPG 海賊編65】海賊編最終回! 波高1.9m/風速22ノットを乗り越え出発地点、伊東へ向かえ! 冒険後のほむらや動画内容について【千葉県(南房総)~静岡県(伊東)】
https://youtu.be/6D1hNnQ_N3M
66: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)22:31:23 ID:nh9
そしてその翌日、元オーナーさんと会って話す
元オーナーさんは、あの船で日本一周できたの!?とかなり驚いたようすだった
その後、一週間くらいかけて来た道を戻って東北の係留地へ行き船を係留後、東京、羽田空港へ
今回船は廃船処理でも売却でもなく、係留することにした
以前情報を募った際に教えてもらった係留地だ
ちなみに当たり前だけど教えてくださった方には(不採用含め)所定の謝礼を支払った
さぁ、次の冒険だ!!
…と、意気込んで次の小冒険をしにキルギスタンへ向かった矢先、海底のもやいが4箇所同時に解ける謎現象が起こりつつ、係留地に心強い味方の方がいたので事なきを得た
そして、キルギス滞在中、おれのもとに係留地を管轄している役所から一本の電話が来た
67: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)22:41:00 ID:nh9
役所の担当者の方
「あのぉ…
すごく言いにくいんですが、この前の台風19号で一年分くらいの雨が降りまして、その影響か船がですね…」
こうしておれの船は沈没した
どうやら台風の雨と風によって船が岸壁にぶつかって穴が空き沈んでしまったようだ
現地の方の協力のおかげで迅速に引き揚げ、廃船処理をすることができた
この船の材質はFRPであり最低限のリサイクル料だけで数十万円だったので、引き揚げ+廃船で70万円を即支払うことになった
78: 名無しさん@おーぷん 19/12/27(金)22:04:38 ID:IRb
>>67
申し訳ないがワロタw
パイレーツオブカリビアンの冒頭を思い出したわw
79: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/28(土)05:45:42 ID:CpK
>>78
それな
いや笑うとこだから大丈夫w
物語っぽいというか、クリア後に財産が無くなる仕組みはおれの好きな「弱くてニューゲーム」式のゲームと似てる感じ
68: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/26(木)22:51:03 ID:nh9
結果、去年働いて得たお金は殆ど無くなり、砂漠を冒険する費用がギリギリ残っている程度の懐具合になってしまった
とはいえ冒険以外にあまり興味がないおれにとって、最近は「金が余っていると無意識に丸くなり守りに入ることで冒険の質が下がるんじゃないか」というのが大きな悩みだったから、これはこれでありだ
お金を失ったことで、おれはどんどん尖り、攻めることができるようになる
実際に、被災してからの冒険準備はより集中して装備などを厳選することができたから、死ぬまで一生冒険し続けるつもりのおれにとってはそのぐらいがちょうど良いらしい
ちなみに、その「沈没船」の船室からは宝箱が発見され、中には日本一周の思い出の品が出てきたそうな
【リアルRPG 砂漠編0】北アフリカのチュニジアへ! 沈没で財産の大半を失った話
https://youtu.be/272e9tYcG8A【海賊編おわり】
74: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/27(金)03:11:42 ID:La0
69: 名無しさん@おーぷん 19/12/26(木)22:52:11 ID:vrZ
「廃船で70万円を即支払うことになった」
すごい金額だなあ
一括払いに涙出そう
71: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/27(金)00:16:06 ID:La0
>>69
もちろんガッカリした気持ちもあったけど、ほっとした気持ちの方が大きかったな
「これで昔と同じように質の高い冒険ができる」って
7: 名無しさん@おーぷん 19/12/23(月)18:28:53 ID:I0F
いまどこにいるの?
10: ペケ 19/12/23(月)18:45:58 ID:Wld
今どこですかー?
13: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)20:10:22 ID:EUs
>>7>>10いまさっき撮影
真逆の世界
あっついし、汗かくけどすぐ乾くから不快じゃない
76: 名無しさん@おーぷん 19/12/27(金)07:58:42 ID:AnP
サハラ砂漠なんだ今
よくネットつながるよね
77: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/27(金)15:48:53 ID:La0
>>76
町にいるから余裕
レストランとかで料理が出てきた時は、チュニジア人のみんなも食べる前に撮影して写真や動画をインスタストーリーにあげてるよ笑
回線サクサク
5: 名無しさん@おーぷん 19/12/23(月)18:27:40 ID:HHe
昔、探検中にピグミー族の群れに襲われて
そのまま食われるって映画見たことある
食人族ってタイトルだったかな
イッチは食われんかったのか
8: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)18:42:32 ID:EUs
>>5
寧ろ逆で、ピグミー族はその昔食べられていた人たちだよ
侵略者側からすれば知能の高い珍しい猿って認識だったんだろうか
14: 名無しさん@おーぷん 19/12/23(月)20:20:02 ID:cYP
ひゃーすっごい
17: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/23(月)22:49:40 ID:EUs
>>14完全に別世界
ヒッチハイク成功したなう
※gifアニメーション
72: 名無しさん@おーぷん 19/12/27(金)00:33:22 ID:pNH
船にとっても良い最後の航海やったやろな
乙やで
73: 1◆0sA8GVLJwJ07 19/12/27(金)02:04:30 ID:La0
>>72
うぅむ、同じ場所でゆっくり朽ちていくよりは色んな海航海できて良かったのかもね
ありがとう