784: 本当にあった怖い名無し 2005/11/26(土) 22:20:57 ID:4592MrXs0
何年かまえに地元の知人から、Nは中学を卒業してすぐ家出を
くりかえし、現在は行方不明であると聞いていた。
「いま何してるんだ?」
俺はきいたが、Nはそれには答えず、
「気分がわるい」とつぶやき、いきなりうずくまって吐いた。
俺はあわててNの背をさすり、どうしたものかと戸惑っていた。
Nは立ちあがると、たまたま通りかかったタクシーを停めて乗り込み、
「近いうちに□□に戻るので、そのときに連絡する」と言って、
そのまま走り去ってしまった。
その半年ほどたって、地元の中学時代の知人と再会したときに、
Nの話が出た。
知人は、Nが札幌でキャバクラのボーイをしていて、
2年前に心臓麻痺で死んだ、と言った
俺は、半年前にNと会ったことを話し、その話自体が間違いであるか、
死んだのは最近なのではないか、と告げた。
知人は、2年前の当時に、直接Nの親族から死亡の話を聞いたと言う。
何とも言いいがたい気分で、俺は知人と別れた。
785: 本当にあった怖い名無し 2005/11/26(土) 22:21:31 ID:4592MrXs0
それから2週間ほどした夜中に、俺は電話で起こされた。
俺はひとり暮らしで、受話器はベッドから手を伸ばせばとどく位置にある。
闇のなか手さぐりで受話器をとると、混線しているのか、
ひどい雑音のむこうから、途切れ途切れにNの声が聞こえてきた。
いま、□□に着いた、と言っているらしい。
俺は「よく聞こえない。車できたのか?」と聞くと、
やはりひどい雑音のむこうから、途切れ途切れの声で、
いま、□□に着いた、と繰り返した。
「よく聞こえない。□□のどこに着いたんだ?」と再度聞くと、
Nの声はそこで途絶えた。
いく度か「もしもし」と呼んだが、あとはただ雑音が続くだけだった。
不安な気分で受話器を手さぐりで戻し、闇のなかで寝返りをうった。
見上げると、ベッドの脇にNが立ち、青ざめた顔で俺を見下ろしていた。
俺は声を出そうとしたが、舌がひきつって動かなかった。
足元から全身に、何かがのしかかるような重みがかかり、
身動きができなくなっていた。
激しい恐怖感におそわれて、全身から汗がザアッと出た。
786: 本当にあった怖い名無し 2005/11/26(土) 22:22:12 ID:4592MrXs0
パニックのなか、もがこうとしているうちに、叫び声をあげている自分に
気がついた。Nの姿はなく、体が動くようになっていた。
俺は部屋の電気をつけ、それからTVをつけて深夜番組のボリュームを上げた。
番組の内容などどうでも良かった。何でもいいから明るい世間の気配と
つながっていたかった。
明け方、空が白みはじめて、ようやく少し落ち着いた。
Nの死亡については、今日まで確認していないし、するつもりもない。
788: 本当にあった怖い名無し 2005/11/26(土) 22:32:15 ID:X/TzVrY/O
淋しかったんだろうな
そいつは
供養してやれ
789: 本当にあった怖い名無し 2005/11/26(土) 22:40:59 ID:AyNNHv+o0
>>784-786
文章うまいな。読みやすいし、情景が伝わってきた。
N君の霊はすぐ消えたところを見ると、ただ約束を果たしに来たのかね。
それとも784に死んだことを知らせたかったのか…
858: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:54:03 ID:L2HU3A4n0
怪現象の元凶
ネタを投下。長編(10話連投)。別スレでネタ知ってる奴、堪忍。
(1/10 長編スマソ)
あれは、5年くらい前かな。おれは就職のため東京に引っ越した。
なかなか部屋はなかったけど、最後に不動産屋が渋々紹介してくれた部屋でさ。
北向きでも新しい物件で5万円、1LSDKって間取りの、広めの部屋。
場所も○天宮の脇で、もろ都心。「都心もそれ程家賃高くないな。掘り出し物かな。」程度に思った。
気がついたのは、異変が起こってからだったよ。この部屋は洗濯機等の家具付き
だった。あとテレビデオ(死語)、冷暖房、電気(照明)。あと、珍しいものでは、収納室(SDKのS)に、赤い自転車を置いてくれてた。
丈夫な造りの建物だし、ほんと満足だった。しかし、最初の晩からブキミなことが起こったんだ。
夜、風呂に入っていたら、部屋の方から、何か聞こえてきた。
「ズル・・ズズズ・・・」と、ひきずる様な、低い声の女性の喉が詰まったような音が。
俺は驚いて、「えっ!??」って声を出した。同時に音がやんだ。気のせいと思ったけど、
ひとりで風呂に入ってるのが怖くなった。出た時、異変に気づいた。
ひっそりと静まり返るおれの部屋。リビングの電気もついていない。
比較的強気な俺だけど、びびった。「電気はつけてたはずなのに。。。」
859: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:55:08 ID:L2HU3A4n0
(2/10)
おれは、混乱した。脱衣所から外に出るのが怖かった。
幽霊なんて信じちゃいない。でも、脱衣所の外に広がる暗闇・静寂はどう考えても
まともじゃない
。気を静めるため、とにかく体を拭いた。でも湿気がとれない。冷や汗が止まらなかったんだ。
服を着た。何か護身用にと、姉がくれたドライヤーと、ヘアスプレーを持った。とにかく怖くて、歯がガチガチ震えるんだよ。脱衣所の扉をゆっくりと開くと、そこには、何も見えない暗闇が広がってた。
街灯の多い通りに面してるのがおかしい位、何も見えない。ごくり。おれが生唾を飲む音が、いやにそらぞらしく、耳に響いた。「ズズズ・・・」突然、あの音が、うつろな闇の奥から湧き上がってきた!!
おれは急いで電気をつけようとした。でも、スイッチを押してもつかない!「ズズズズ!!」音がいきなり大きくなった。
近づいてくる!暗闇の中、おれは咄嗟に、夜中だってことも忘れて「ぎゃぁ」っと叫び、脱衣所に逃げ込んだね。
そのまま脱衣所の扉を固く握り、朝が来るのを祈ったよ。
861: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:55:50 ID:L2HU3A4n0
(3/10)
おれの祈りは、通じなかった。「ズル・ズル・・ズズズ・・!!」おれの握ったドアノブが、いきなりグイグイと下げられた!おれは力の限り、抵抗した。
必死で腕に力を込めた。「やめろぉ!」叫び声が家中に響いた。それでもドアノブはグイグイと腕を押し下げてきた。
もうだめだと思った。今度は、扉が引っ張られた。俺の腕は、素早く、扉を引き寄せた。無我夢中だった。
「やめてくれぇ!!」届くはずのない願いを、俺は連呼した。
その刹那。「ドン!ドン!ドン」おれの心臓は、ドクッと大きく動いた。
玄関の扉をたたく音だ。
「こんな時間に、何を騒いでるんですか!!」玄関だ。脱衣所の扉じゃない。「助けてくれ!」俺は叫ぼうとした。そのとき、俺の押さえる扉から、すっと圧力が抜けた。
ほっとした次の瞬間「ドカン!!」俺の心臓は冷たくなった。扉に何かが突進し、ついで、それがつぶれた気配があった。「助けてください!!」俺は、力の限り叫んだ。
863: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:57:23 ID:L2HU3A4n0
(4/10)
たすけに来てくれたのは、下の階の夫婦だった。その二人によると、まえの住人も夜中に騒ぐことがあったので、何度か注意をしていたんだそうだ。部屋の外で、おれは部屋の電気がつないこと、部屋のなかで起こったことを話した。夫婦は、意外にも、俺の頭がおかしいとは思わない様子で、黙って話を聞いてくれた。そして、二人は「夜中だから、今日は私たちの家に泊まって、明日電気屋を呼ぼうね。分かった?」って言ってくれた。涙があふれた。東京なんて、高いビルばかりの冷たい街だと思ってた。でも、夫婦は本当に優しい人たちだった。その夜は、夫婦の家に泊まった・・・・「またこの物件かぁ。」翌朝、管理人と電気屋が溜息混じりに言った。「この物件ね、よく停電するんだよ。しかも、何でもないのに、電気がつ
ながらなくなっちゃうんだよね。」とにかく、俺は鍵を開け、部屋の扉をそっと開いた。すぐに、異常な物が目に映った。脱衣所の扉に、べったりと、赤い液体がこびりついていた。あまりの恐ろしさに、俺は、気が動転し、息ができなくなった。
865: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:58:19 ID:L2HU3A4n0
(5/10)
「またかぁ。」扉を拭きながら、管理人が、ひとりごちた。「いまさらで悪いんですけどね。」ばつが悪そうに管理人が続ける。「前にも、何度か同じようなことがあったんですよ。ここは元々、建売のマンションだったんですけどね、なぜかこの部屋だけは、持主の意向で賃貸にしたんですよ。日当たりも悪いんですけど、この部屋は、異様に暗くて、買手がつかなかった。持主は、設計上瑕疵があるに違いないので、とても人様には売れない、この瑕疵の分、割安価格で、賃貸にしようって言いました。私は管理を担うだけだから、従いました。」管理人は言葉をとめた。平静を保つためか、タバコをすった。しばらくすると管理人は「私を責めないでくださいね。」ポツリと呟いた。「最初の住人。。責任は彼らにあるんですから。」そこで、管理人は口を閉ざした。
866: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:59:11 ID:L2HU3A4n0
(6/10)
自分の部屋が怖い。この事実に、俺は耐えられなかったが、自分の荷物が全部この部屋にあることがそれ以上に恐ろしかった。
「勝手で申し訳ないですが、引っ越してください。」管理人が手を床につき言葉を繋げた。「引越しに必要な費用は、こちらに負担させてください。」俺は本当に救われた。昨晩のことで破けてしまった心が、再びつながった気がした。すぐに、不動産屋に連絡した。持主にも。両者とも、素直に納得し、解約の申し出はこの電話のみで良いといってくれた。引越屋の手配も請負ってくれた。幸い、引越し初晩で、荷物の大半は開いてはいなかった。片付けはあまりないけれど、俺の精神状態を酷く心配した夫婦が、手伝ってくれた。片付けも終わり、いよいよ引越屋を待つだけ、となった時だった。旦那さんが、余計なものを見つけた。「このビデオテープは君の?」
868: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 00:59:53 ID:L2HU3A4n0
(7/10)
しーんと静まった部屋で一同はおれを見つめた。テープを手に取った。頭が真っ白だった。何分たったのだろうか。おれは、うっかり、余計なことを言った。「違います。でも、見てみたい。」ごくり、と、皆が息をのんだ。怖かった。でも、おれは知りたかった。
責任者とはどんな連中か。あれは何だったのか。おれは、自己の責任において、ビデオを見ることを決めた。管理人も、夫婦も、真相を知りたい気持ちは同じだった。きっとこのビデオには何か手掛りとなる事実が映っている、と、誰もが直感した。その時、突然、おれのPHSが鳴った。引越屋だ。あと1時間位で到着するそうだ。
良いタイミングだった。十分な時間が与えられた。
869: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 01:00:28 ID:L2HU3A4n0
(8/10)
テープは、この部屋を撮ったものだった。そこには、一家三人。
きゃっきゃとハシャグ2歳くらいの赤子。優しそうな男性(父親) と美人だが陰鬱な顔の女性(母親)が写っていた。映像が切り替わる。
うるさかった部屋には、今度は誰も写っていない。画面の左り端には、黒い影が映っている。撮影者の指のようだ。ただ、何だかゴトゴトと音がしている。しばらくじぃっと画面を見つめていた。
まわりは、すっかり夕暮れになっていた。「イヤァ!!」急に、かぼそい悲鳴が響いた。一緒に見ていた奥さんだ。目を閉じて、すっかり脅えながら、画面を指差して言った。「せ、せ、洗濯機のなか。。。」おれは息をとめた。ゴトゴトいう音は洗濯機だ。そして、よく見ると、何か見え隠れしてる。小さな赤く染まった手だった。
870: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 01:01:02 ID:L2HU3A4n0
(9/10)
内部に入ってる物は容易に想像できた。あの子だ。楽しそうに遊ぶ姿が印象的だった、あの赤子だ。誰もが固唾を呑んで見ていると、急に画像が乱れた。ざぁーと、波が入った。しばらくすると、うつろな部屋が再び写された。皆、動けない。話せない。おれは、背筋が凍りついた。洗濯機から赤い血糊が部屋の中へ、べったりといっぽんの帯となって続いている。そしてその先には、ズ・ズズッと這うようにうごめく赤い塊があった。ぐちゃぐちゃで、顔も手も、足も分からない。だが、一つ、異様に目に付くものがあった。
871: Teddy ◆38avq92H7U 2005/11/27(日) 01:01:41 ID:L2HU3A4n0
(10/10)
大きく、異様に歪んだ口だった。口の中には、ぎょろりと、こちらをじっと睨む瞳。血の滲んだ目だ。誰も声を出せなかった。沈黙の後、だまっていた管理人が泣崩れた。「こんなことが。」赤い塊は「・・ね」とつぶやき、洗濯機の中へと這い戻った。次の瞬間、画像が上下した。床に落ちたのだ。続いて、画面に飛び込んだのは、意識を失って倒れた撮影者だった。陰鬱な顔をした美しい女性。ただ、美しさはもはや損なわれてしまった。真っ赤に染まったうつろな顔。その鮮血は、崩れた左の眼孔から絶え間なく流れでていた。
おれは、その夜、部屋を出た。ホテルにつくと喩え様のない悲しみがこみ上げた。翌朝○天宮様へいった。彼らの冥福を祈るために。
874: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 01:06:48 ID:Qm80CgYbO
もう洗濯できません
洗濯したら真っ赤な服がでてきそう
876: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 01:14:25 ID:nmKbx6zCO
口から目はないだろ。
それじゃゲゲゲな妖怪だ
882: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 01:43:10 ID:aPBWN5yD0
>>876
母親の左目を食いちぎって、咥えてるんだと思ったけど、違うのかな?
とにかく、風呂に入ろう。。
878: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 01:27:38 ID:vy80l5V/0
ふ・風呂、今から入るのに。馬鹿やろう。
洗濯機もベランダにある。。。
894: 1 2005/11/27(日) 10:14:18 ID:nkeCoHjN0
Y君と足
サッカー部にいたY君の話です。
Y君はある夜、誰もいない校庭で一人練習をしていました。
ミスしてしまい、明かりのない方へボールを蹴ってしまったそうです。
Y君はおそるおそる暗がりの方へ向かいました。
すると闇の中からポーンポーンとボールを蹴る音がしてきました。
そして、ずたずたと地面を蹴る音。
それは真っ直ぐこちらへ向かってきました。
言いしれぬ恐怖を感じたY君はその場で立ちつくしてしまいました。
やがて、薄明かりの中に浮かんできたのはボールを突く2本の足でした。
足は絶妙なドリブルと足さばきでY君を追い抜き、シュートを決めました。
ボランチで活躍するエースのY君は対抗意識を燃やし、足相手に果敢に攻め込みました。
試合を繰り返すうちにY君と足の間には不思議な友情が生まれました。
この真夜中の試合は夜な夜な行われ、1人と2足はその間夢を語り合ったり、足で○×ゲームをやったり楽しく過ごしました。
895: 2 2005/11/27(日) 10:15:03 ID:nkeCoHjN0
そんなある日です。Y君は転校する事になり、そのことを足に告げました。
足は驚き、聞いていないとばかりにすくみ上がると、そのままにどこかへ行ってしまいました。
「まてよ、足!」
Y君が言うのも聞かず、足は彼方へ。
引っ越しの当日、Y君は落ち込んだ様子で車の後部座席に座っていました。
突然母親が叫びます「何なのあれは!」
ふと、後ろを振り返ると、後ろからあの足が追いかけてきました。
一生懸命追いかけてくる足。Y君は泣きながら叫びました。
「足!引っ越してもお前の事忘れないからなー!」
その時です。車を運転する父は、バックミラーに映った足を見て気が動転してしまい、対向車線に飛び出してしまいました。
向こうから来た4㌧トラックにぶつかり一家は全員即死。
Y君の遺体は奇しくも足がぐちゃぐちゃに潰れきっていたとか…
927: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 20:25:00 ID:wvlthP/c0
抑えられないもの
この御話は正確には私の体験談では御座いません。
私が中学生時代に通っていた学習塾の友人の体験です。
その体験について相談された私は『あるもの』を抑える事が出来ませんでした。
その『あるもの』とはいったい?
この話を読まれる方に一つ。
体験者であるG君(仮名)はいたって正常で嘘のつけない男である事をお忘れなく・・・・・。
上記しましたが中学生当時、私は学習塾に通っておりました。
その学習塾内に於いても、私の霊体験は結構知られておりました。
休み時間になると塾生達が私の話を聞きに来ていたものです。
その中にはG君もおりました。
他の塾生たちが私の話に恐怖と驚きの声をあげる中、G君はいつも私にこう言っておりました。
『馬鹿じゃねぇの!霊なんているわけねぇじゃん!?おまえの嘘話はもう聞き飽きたよ!』と。
もちろん私の体験に嘘、偽りはおろか、脚色も御座いません。
しかしながら霊の存在を信じていない方に信じろと言うほうが無理な話。
「信じたくなければそれで構わないよ。」とG君にも常々申しておりました。
そんなある日、そのG君が血相を変えて私の元にやって来たのです。
『お前しかいねぇ!!俺の話を信じてくれるのはお前しかいねぇんだ!!』
涙ながらに訴える彼に気圧された形で、私はG君の話を聞く事にしたのです。
934: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 20:56:30 ID:wvlthP/c0
その日、G君はいつもと変わらぬ一日を終え、寝床に就いたのだそうです。
眠りに就いてから二時間程した頃。
G君は妙な感覚に陥って目を覚ましたのです。
閉まっていたはずの窓の方向から生暖かい風がG君の頬を撫でるのです。
G君は恐る恐る窓の方へと向かいました。
しかし、戸締りをしたはずの窓は当然のごとく閉まっており、G君がカーテンを開けた時には生暖かい風も止んでいたのです。
気のせいだったのだろうとG君は再び寝床に入りました。
すると、いままで自由に動いていた体が一瞬にして凍りついたかの様にまったく動かなくなってしまったのです。
指の先一本でさえも動かす事ままなりません。いわゆる『金縛り』です。
目を閉じる事も出来ない彼の目に映ったのは世にも異常な光景でした。
天井の木目がグニャリと歪み、水滴が落ちるかのごとくG君の顔面に向かって来るのです。
そしてあろう事かその落ちてくる天井が人の顔の形を成していったのです!!年の頃は五十代。
脂ぎったその顔に付いている二つの眼の片方(どちらだったかは記憶していません)はケロイド状に潰れ、正視に耐えるものではありませんでした。
G君の意思とは裏腹にその顔はG君の目前まで迫って来たのです!!
G君の鼻っ柱に当たるか当たらないかの位置でピタッと止まった霊の顔。
合せたくない目線を合せずにいられない状態のまま4、5分が経過しました。
いや、実際にはもっと短かったのかもしれません。
しかしG君には1時間にも2時間にも感じられる程のものであったと推測できます。
そしてついに男の霊が口を開いたのです。
どすのきいた野太い声で男の霊はG君にこう言ったのです。
『 あ ん ま り 幽 霊 な め て ん じ ゃ ね ぇ ぞ!!』
男の霊はそれだけ言うと一瞬にしてG君の眼前から消え去り、金縛りも嘘の様になくなったのです。
『お前しかいねぇ!!俺の話を信じてくれるのはお前しかいねぇんだ!!』
悲痛な彼の叫びの中に偽りは感じられません。
935: 本当にあった怖い名無し 2005/11/27(日) 21:01:49 ID:rTUBgZCA0
そして私はG君にこう言ったのです。
「信じる。信じるよ。」
しかし、そうは言ったものの私は『あるもの』を抑える事が出来ませんでした。
もうお分かりですね?
『笑い』です。
G君の話を信じてはいるものの笑いが込み上げてきてどうにも抑えられませんでした。
『お前ならと思って真剣に話したのに!!もういいよ!!』
G君は激怒して私の元を去って行きました。
この場を借りて改めてG君に謝罪します。
笑ってすまなかったG君。
君が見たのは間違いなく霊だったのだろう。
・・・・・しかし、霊に脅されるって・・・・・。
この話を執筆中もやはり抑えられませんでした。
『笑い』を。
失礼・・・・・。
はいっ!終わり!次の方!(・∀・#)
959: 【1】 2005/11/27(日) 23:33:34 ID:lz2oetyi0
川原に佇む少年
子供のころ、よく川原で遊んだが、
決まって雨がふり出した夕暮れどき、
対岸の葦のあいだに男の子がぽつんと独り、
黄色い傘をさしてこちらを見ていた。
いつも決まって雨がふり出した夕暮れどきだ。
だれもその子の名を知らず、そこでしか見たことがない。
おれはそのまま地元で成人し、家族を持った。
都会に出た仲間を羨ましく思うこともあったが、
たまに彼らが戻ってくると、必ずおれに
「おまえが羨ましいよ」と言う。
田舎暮らしもそれほど悪いものじゃない。
しずかに日々が過ぎ、子供も来年は小学生になるはずだった。
960: 【2】 2005/11/27(日) 23:34:27 ID:lz2oetyi0
ある夕方、おれは長男をつれて川原に遊びにいった。
危険なので、独りでは川に近づくな、と教えていた。
ふり出しそうな曇天の下、土手の上から川原を見ると、
おれの子供のころとほとんど変わっていない。
長男は川原の小石を積んでピラミッドをつくったり、
浅瀬のみずすましを追いかけたりして遊んだ。
案の定、ぽつりぽつりと、雨が降り出した。
おれは用意してきた折りたたみ傘をひろげ、
「帰るよ」と長男に声をかけた。
長男はうなずき、おれの傘の下に飛びこんできた。
家に戻ろうとすると、長男がじっと川原のむこうを見ている。
おれもそちらを見ると、対岸の葦のあいだにぽつんと独り、
黄色い傘をさした男の子がこちらを見ていた。
おれは子供のころを思いだしかけた。
子供のころに見た男の子の表情は、服装は、クツはどうだったか。
対岸の男の子は目を無表情に見ひらいたまま、
口もとだけで笑った。
長男は男の子をじっと見ている。
おれは、長男を抱きかかえるようにして、川原をあとにした。
961: 【3】 2005/11/27(日) 23:35:06 ID:lz2oetyi0
その晩、長男は少し熱を出して寝込んだ。
眠るとき少しむずかって、おれと女房のあいだに入り込んできた。
明け方、なにかの物音におれは目を覚ました。
部屋のふすまが開いていて、隣の布団で寝ていた長男の姿が見えなかった。
廊下に出てみると、玄関のドアも開いている。
表に出てみると、夜明けまえの薄明のなか、道のはるか先を長男が走っていく。
「○○!」
おれは長男の名を呼んだ。
だが長男は振り返りもせず走っていき、すぐに姿が見えなくなった。
962: 【4】 2005/11/27(日) 23:35:39 ID:lz2oetyi0
おれは全力で長男の後を追った。長男は川原の方にむかったのだ。
夜露にぬれた土手を駆けあがると、朝霧のなか、
いつのまに川を渡ったのか、対岸に長男の姿がみえた。
おれは長男の名を呼ぼうとした。
そのとき霧が流れ、長男の隣に男の子が独り、立っていているのに気づいた。
男の子は黄色い傘をひろげると、長男と一緒にその傘をさした。
ふたたび霧が流れ、二人はそのなかに姿を消した。
おれは長男の名を叫びながら、明け方まで川原を探しまわったが、
その姿をみつけることはできなかった。
その後、警察と地元の青年団などが総挙げで捜索にあたってくれたが、
今日に至るまで、長男の行方は不明のままだ。
132: 本当にあった怖い名無し 2005/12/01(木) 01:53:34 ID:Hg0qnYrEO
激しくノック
風呂に入って頭を洗っていたときの事
コンコン
と風呂のドアをノックされた。妹かと思い
『なに~?』
と聞いたが返事無し。気のせいかと思ってまた洗い始めると
コンコン
とまたノック。
これが3~4回繰り返されていい加減腹が立ち無視した。
すると
コンコン…コンコン…ドンドン…ドンドン…
とだんだん音が大きくなって言って、最後にはドアが壊れそうな程大きな音で叩かれた。
私は恐くなり下をむいて震えてたら音がやんだ。
恐る恐るドアの方に目をやると、すりガラスの部分に女がべったりくっついてこっちを睨んでいた
152: 三毛猫塾講師 1 2005/12/01(木) 05:41:25 ID:8eqbG71tO
死へのいざない
これは、一番人に話すのに気が引けて、一度しか話したことのない話。
寝ていると、明け方金縛りに。
よくあるので、気にせずに眠ろうとしたが、低いお経の声が聞こえる。それがうるさくてうるさくて眠れない。
必死に金縛りを解こうと、指先に神経を集中させる。指を動かし腕を振り、金縛りを解く。
お経もやみ、台所の母の声やテレビの音が聞こえてきた。
私はほっとして、壁に向く方へ寝返りをうとうとしたのだ。が、ぎょっとして再び固まってしまうことになる。
壁から何かが出てくる。
まるい、肌色の、つやつやしたもの。
下に突起。
がりがりの腕も2本でてきた。
くねくねと、壁から這い出ようとするそれは、まるいものをゆっくりこちらへ向けた。
突起は鼻だった。
坊主頭で、目にどす黒い隈のある男だ。
「なぁ…なぁ…いくか?いってもいいか?」
坊主・僧侶だと感じた。あのお経と同じ低い声。
「一緒に連れていくか?一緒にいこうや、なぁ?」
153: 三毛猫塾講師 2 2005/12/01(木) 05:44:34 ID:8eqbG71tO
誘われている?
やっと気付いた私は、目の前数十センチにいるそいつに、なんとか声を振り絞り、言った。
「い…い…かない」
やつは顔を覗いた。
そのときの顔を覚えていない。たぶん気を失ったから。笑ったのか?怒ったのか?恐ろしい顔だったのは確かだ。
しかしまた、数ヵ月後、またやつが現れた。
私は死を感じていた。
おかしな汗が流れる。
明け方に目を覚ますと、やつは、ベッドわきの椅子に座り、私と目が合うのを待っていた。
「さぁ、行こう?一緒に行こう?」
死ぬんだ…逃げられない。そんな気がした。
やつはずっとまっている。
「行こうな?行くよな?さぁ、早く」
男の後ろに、誰かが居た。見覚えのあるような、紫のジャージ…うつむいて、顔は見えなかった。
《行かない!行かない!!》
声がでなかった。
二人もいる。もうだめなんだ…
154: 三毛猫塾講師 ラスト 2005/12/01(木) 05:46:22 ID:8eqbG71tO
諦めかけたとき、
バタン!
ドアが閉まった。
3人目!?
目を移すと、二人ともいなくなっていた。
なぜか、少し淋しくて悲しくて、胸が痛かった。
それから、数週間後。
教え子が闘病の末、亡くなっていたと連絡があった。
優しくて純粋で、卒業しても塾に遊びに来ていた。いつもにこにこしていた。
彼のジャージは紫色。
私は彼が救ってくれたと信じている。
ありがとう。って伝えたい。いつか。
命の危機を感じた、一番恐い、そして愛しい体験でした。
読みにくかったらすみませんでした。携帯からなので…
165: 2/1 2005/12/01(木) 12:32:52 ID:9or0cvfV0
回る私
私が聞いた話で一番怖かったやつ。
私がまだ記憶が無いほど小さい頃。幼稚園年少さんくらいかな。
毎日なぜか、夕方決まった時間に居間のテーブルの周りをグルグル回るという奇行を
繰り返していたらしい。
で、5分くらいグルグルしたあと、大泣きして床に倒れる。倒れたあとぐっすりねる。
これはてんかんかなにかか?って事でお医者にも連れて行ったらしいんだけど、
治らず。原因もわからず。
しかも、幼い私はグルグル→大泣き→ぐっすり。の間の事を覚えていないらしく、
なんで回るのか聞いても応えないし、グルグルの途中で抱き上げたりして止めると
エライ暴れるので、(一度口を噛んで血が出たらしい。)どうしようもない。
ただし、家以外の所では回らなかったらしいので、外に連れ出す事で乗り切っていたが、
弟(乳児)がいたのと、ちょうど時間が夕飯のしたくにも重なるし、結構大変だったみたいだ。
意味がわからなくて怖いし。お母さんがちょっとノイローゼになりかけた時、ある事に気付いた。
居間のテーブルをどかしたらいいんじゃないか?!
私はここまで聞いて大爆笑してしまったが、お母さんは大真面目。
で、さっそく部屋のまんなかにあったテーブルを壁につけて配置。
変なインテリアになったがとりあえずそれで様子をみることに。
夕方いつもの時間、どきどきして私を見ていたらしいが、回る気配なし!
つづく
166: 2/2 2005/12/01(木) 12:33:37 ID:9or0cvfV0
喜んだお母さんがお父さんに報告電話をかけようと立ち上がった時、ふと居間のでかい窓から見える庭に目がいった。(居間から庭に面して縁側みたいになってた。)
庭には大きな木があるんだけど、その下に、なんと、私 が い る!
そのもう一人の私は、居間のほうを向いて立っていて、目があったらしい。
はっとして小さく声が出た瞬間、その「私」は木の周りをグルグル回りだした。
じゃあ、横にいる私は?と思って見てみると、ちゃんといる。一緒にその木の下の私を見ていたらしい。普通の顔をして。
お母さんが、は??なにこれ?って感じで硬直していると、隣にいる私が
「お母さんは、見ないほうがいいよ」
って言って窓のカーテンを閉めた。怖がってる様子とかもなく、テキパキと。
状況が飲み込めずにカーテンを閉める私をみていたお母さんだったが、
ちょうどその時に、弟が泣き出して我にかえった。
急に怖くなったお母さんは、それから速攻で私と弟を抱きかかえ、近くの友達の家にダッシュ!
お父さんが帰るまでそこでブルブルしてたらしい。
それから引っ越すまで、ずっとテーブルは壁についたまま。
その後「木の下でまわる私」はお父さんにも目撃される。
見たのは雷の日で、しかも夜。超怖かったけど、やっぱりカーテンを閉めたらしい(笑
もう一人の私以外にもいろいろ出たらしいので、お父さんは
家が良くなかったんじゃないか、と言っていた。
間取りもおかしいし、誰も入りたくない部屋というのも存在してたという謎の家。
社宅だったから、それからすぐに引越しした。
だから私にはその家の記憶は、ほとんどない。
この話を聞いたときは、小さいときの自分が自分じゃないみたいで怖かった~。
えー、長文。よんでくれてありがとない。
169: 本当にあった怖い名無し 2005/12/01(木) 13:03:16 ID:QtRhUbvq0
>>165-166
面白くて怖かった。GJ!
170: 本当にあった怖い名無し 2005/12/01(木) 13:10:05 ID:TqSdBxUJ0
>>165-166 子供の頃のアンタGJ!
172: 本当にあった怖い名無し 2005/12/01(木) 13:58:40 ID:0jLCAn6l0
火葬場の事件
ちょっとまえにおばあちゃんの葬式の時に火葬場に一日止まったときの話なんだけど、
とまったのが俺、親父、親戚の兄ちゃんなんだよ。
そんで、何か線香の火を消しちゃいけないってことで、10,15分おきくらいに
確認しにいったんだけど、当然夜中だから誰もいないのよ、、、、、で
深夜3時ごろ無償に小便がしたくなって、便所にいったの。そこで
小便してたら、ゴソゴソって何か変な音が聞こえて、「やっぱりこういうところだと・・・」
って感じでしょうがないなって諦めて、音のするほうに行ったら
親戚のニーチャンが冷蔵庫あさっていました。
俺は「バチがあたるぞwww」みたいなこと冗談で話してて、
気がついたら親戚の兄ちゃんが死んでました。
174: 172 2005/12/01(木) 14:08:52 ID:0jLCAn6l0
洒落になんないけどマジで俺事件の重要参考人みたいな感じになって
相当きまずかったわ。
結局、死因は心臓発作だったらしいけど。
279: 本当にあった怖い名無し 2005/12/03(土) 11:15:32 ID:s44mtZbZ0
天国と地獄
夜に電話が鳴った。
寝ぼけながらも電話に出た。
『はい、もしもし』
「天国と地獄、どちらが良いですか?」
『あっ?』
イラっと来た。
人がせっかく寝てるのにイタズラ電話で起こされたからだ。
本当にイラっと来た。
時刻を見ると午前2時近く。
更にイラっと来た。
『ボケが!!イタ電してんじゃねーよ!!』
咄嗟に下劣な言葉が出た。
そういうと電話をガチャンと乱暴に切り
再び寝た。
朝、昨夜のことを思い出した。
また、かかって来たらどうしようか
考えながら朝の仕度をした。
出かける時間だ。
玄関の扉を開ける。
息を呑んだ・・・。
玄関に鳥の死骸がおいてあった。
それも1羽だけではなく、4羽。
全羽、頭だけおかれてた。