514: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:21:12 ID:sd6+WlWp0
狐憑き
流れ豚切るようで悪いが、4レスほど失礼。
小学校の時、担任の先生から聞いた話。
簡潔に言えば、いわゆる「狐憑き」体験記なんだけど。
その先生(以後K先生)が大学生の頃の夏休み。
暇を持て余しているK先生(男)と、その友人O(男)と友人A(女)と3人で、
K県K市のとある稲荷神社に胆だめしに行こうぜ!って事になったらしい。
で、夜遅く、3人で神社内をぐるりと回ったけど、何も起こらない。
だが、その内に紅一点のAが「もう帰ろうよ」って言い出したと。
男2人も、怖くは無かったがAの不安げな様子が気になって、帰る事にしたそうだ。
しかし出口の鳥居に向かうにつれ、Aの顔色がどんどん悪くなっていく。
「大丈夫か?」と心配しながら、Aを支えて歩く男ふたり。
出口の鳥居をくぐろうとした瞬間、Aはとうとうしゃがみこんでしまった。
で、下向いて「寒い寒い」って言いながら自分の肩をさすってる。
冒頭で言った通り、夏休み。当然ながら寒いわけがない。なんか変だ。
起こそうとしても立ち上がらないし、K先生とOは困り果ててしまったそうだ。
その内にAが、「寒い寒い寒い寒い寒い寒い」ってすごい早口で言いながら、
ノースリーブの肩をさすっている手がどんどんスピード上げていく。
しかも爪立ててボリボリボリボリ掻き毟ってる状態だから、二の腕から血が出てきて、
あまりにその様子が怪しいからさすがにK先生とOも怖くなって、無理やり
半ば引きずるようにしてAを家まで送り、その日は解散したんだと。
516: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:23:09 ID:sd6+WlWp0
それから数日、連絡も取らず(携帯とかも普及してなかったし。てか無かった?)
その事も殆ど忘れてマターリ夏休みしていたK先生の所に、Oから連絡があった。
「Aがおかしくなったらしい」
( ゚Д゚)ハァ?確かにあの時の様子はおかしかったけど、マジで?
ちょいと責任を感じた男ふたりは、Aの家へとお見舞いに行ったそうだ。
Aには会えず、Aの母親が憔悴した感じで出てきて、様子を教えてくれた。
なんか、Aはひたすら「キィィーーー」みたいな奇声を発しながら暴れまくってるらしい。
部屋から出せず、食べ物を持っていっても壁に投げつけちゃうし、
それだけじゃなく、女の子なのに糞尿垂れ流しして、それを壁になすりつけてるそうだ。
(ここに関しては後から聞いたらしいんだけど。そりゃそうか…)
K先生とOはメチャクチャ怖くなって、でも胆だめしに連れてった事は言えなかったみたい。
酷い話だと思うけど、よく考えりゃある意味責任問題になりそうだしね。
まぁどうしようもなくて、その日は帰って、悩みは募りながらまた数日経ったと。
ある日、K先生の所に、Oから電話。Aの母親からOに連絡があったらしい。
今度は何だと思って聞いてみると、
「Aが部屋から抜け出して行方不明」
ちょっとどころじゃなくマズイ。慌てて2人も探しに出たそうだ。
517: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:25:47 ID:sd6+WlWp0
まぁ色々あって、結局見つけたのはK先生。
Aは最寄りの駅の駅員さんに、駅員の事務所に保護されてたんだけど。
駅員さんが真っ青な顔して、「なんなんですかこの人?」みたいになってるから、
あーやっぱり暴れたのか、と思って話を聞こうとすると、駅員さんは怯えた感じで
1枚の紙をK先生に渡したそうだ。
それには、狐が上半身を上げて、手で招いてるみたいなポーズの絵が描いてあった。
白い紙に、グルグルって感じで塗りつぶした、影みたいな真っ黒い狐。明らかに狐。
(お稲荷さんみたいなポーズって言えばわかるかな?)
驚愕しながら「これどうしたんですか?」って聞くと、駅員さんが言う事には、
彼女の身元が分からなかったから聞いても全然返事もしない。
じゃあ文字なら書けるかと思って、ボールペンと紙を渡したそうだ。
そしたら、椅子に座ったままいきなりガクンッ!!って頭を垂直に真上に向けて
(もう完全に真上。90度。駅員さんも仰天したらしい)
ボールペンを鉛筆持ちじゃなくて、幼児がスプーン握るみたいに5本の指で握って
天井睨みつけながら紙の上をボールペンでぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……。
当然、グチャグチャな絵が出来るだろうと思って駅員さんが呆然としてたら、
出来たのはこの狐の絵だったと。
K先生も駅員さんも完全にびびっちゃって、まあ警察とか色々あった後に
Aは自宅に帰り、可哀相だけどまた監禁状態にするしかなかったそう。
K先生もOも、軽々しくAの話ができる雰囲気もすっかり無くなったって。
519: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:27:08 ID:sd6+WlWp0
で、また数日後なんだが。
真夜中、K先生の1人暮らししてる家に電話があった。
こんな時間に電話してくるのはOくらいだって思って電話を取ると、声はなんとA。
「もしもし、K?」奇声とかじゃなくて、普通の声で話しかけてくる。
「A、治ったのか!!良かったなー!!」大喜びするK先生。
Aは嬉しそうに同意しながら言葉を続けたそうだ。
「うん。私の所からはもう出ていくって。次は、Kのところにいくよ」
ガチャ。
反論も質問も受け付ける暇一切無く、電話は切られたらしい。
もうK先生めっちゃめちゃビビりまくって、泣きそうになりながら隣町で1人暮らししてる
弟の所にバイクで転がり込んで、震えながら一晩過ごしたそうだ。
普通の話なら、ここで狐はK先生の所に行くんだろうけど、
結局その後はなーんも起こらず。
Aもいつの間にか普通の子に戻ってて、( ゚д゚)ポカーンだったそうだ。
でも、ぶっちゃけ怖くてもうAとは遊んだり出来なかったらしい。
いまだに年賀状だけは送ってるけど、とか言ってた。
以上です。長々とスマソ
522: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:39:15 ID:8kPXhpdw0
koeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
eeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
>>519
520: 本当にあった怖い名無し 2005/12/06(火) 20:32:42 ID:8J4LdqNK0
コワス
神社で肝試しなんてするもんじゃないな
524: ◆w65E2pWxqA 2005/12/06(火) 20:45:31 ID:A3b1A7LRO
エレベーター
投下、携帯からですまん。
【エレベーター、1】
Aの住んでいる団地は近所でも有名な飛び下りの名所だ。実際にAは自殺の跡の道路を見て、硬いアスファルトがへこんでいる事に驚いたそうだ。あまりにも自殺が絶えないため、最近屋上に入れないようにされたらしく、ここ最近は自殺がなかった。
これはそんな団地でAが体験した話である。ある日Aは友達と飲みに行き、殆ど夜明けまえに団地に帰って来た。
ほろ酔いの気分でエレベーターを呼ぶ、Aの部屋は屋上の一つ下の階だ。
…エレベーターにのった瞬間Aはうすら寒いような感覚に襲われたという。しかし酔いのせいだと思ってAはエレベーターに乗りこむ、ドアが閉まり、軋んだ様な音をたててエレベーターはゆっくり上昇しだした。
…うすら寒い感覚がだんだん強くなって来る気がする。絡み付くような悪寒に絶えながらAは早くエレベーターが着く事を祈る。
…しかしゆっくり、ゆっくりとエレベーターは進む。
プレッシャーに耐え兼ねてAが次の階のボタンを押した途端…
「ドンッ!!!!」
鈍く湿った音がしてエレベーターが真っ暗になった。動きも停止している。
Aはパニックになりかけたがすぐに予備電源に切り替わり、エレベーターの中が
525: ◆w65E2pWxqA 2005/12/06(火) 20:46:10 ID:A3b1A7LRO
【エレベーター、2】
エレベーターの中が明るくなった。
Aはほっとしながら、絡み付く悪寒が全く別物になっている事に気付く。
…悪意、とでも形容すべきなのだろうか、エレベーターはゆっくりと上昇を再開する。
Aが押した階を無視して…。
粘着質な視線が気になってAは左右を見回す、何もない。
勇気をだして振り替える、何もない。
…じゃあどこから…?そう考えた瞬間Aは理解する。
あの鈍く湿った音、屋上を封鎖された自殺志願者は次にどこへ行くか。
…Aはゆっくりと、震えながら天井を見上げる。脳で必死に嫌だと思っているのに首が動く。
…強化ガラスの向こうにあったのはトマトの様に潰れた男の顔面だった。
四肢は奇妙にねじ曲がり、両目だけがぎらぎらと恨めしそうな視線を投げ掛けている。
…次の瞬間Aは気を失っていた。
どれぐらいの時間がたったのだろうか、Aは屋上で目を覚ます。
誰もいないエレベーターからAを引きずり下ろして封鎖されているはずの屋上に連れて行ったのはだれだったのか?
…Aは早々に団地を引き払った…。
544: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:34:03 ID:NZNHKwqA0
海からやってくるモノ
普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。
訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。
ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。
まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。
何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころ既に日は暮れてしまっていた。
山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。
海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。
とりあえず裏手に回ってみた。
玄関の庇から、大きな笊がぶら下がっている。
出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。
「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。
「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」
しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。
「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」
オレが言い終える前に、苛立ったような声が返ってくる。
「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」
取り付く島もなかった。諦めて車に戻る。
「これだから田舎はアカン」
「しゃーないな。今日はここで寝よ。当てつけに明日の朝一でガス入れてこうや」
車を止められそうな所を探して集落をウロウロすると、GSだけでなく全ての商店や民家が門を閉ざしていることに気付いた。
よく見ると、どの家も軒先に籠や笊をぶら下げている。
545: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:35:27 ID:NZNHKwqA0
「なんかの祭やろか?」
「それにしちゃ静かやな」
「風が強くてたまらん。お、あそこに止められんで」
そこは山腹の小さな神社から海に向かって真っ直ぐに伸びる石段の根元だった。
小さな駐車場だが、垣根があって海風がしのげそうだ。
鳥居の陰に車を止めると、辺りはもう真っ暗でやることもない。
オレたちはブツブツ言いながら、運転席で毛布に包まって眠りについた。
何時間経ったのか、犬の唸り声で目を覚ましたオレは、辺りの強烈な生臭さに気付いた。
犬は海の方に向かって牙を剥き出して唸り続けている。
普段は大人しい奴なのだが、いくら宥めても一向に落ち着こうとしない。
友人も起き出して闇の先に目を凝らした。
月明りに照らされた海は、先ほどまでとは違って、気味が悪いくらい凪いでいた。
コンクリートの殺風景な岸壁の縁に蠢くものが見える。
「なんや、アレ」
友人が掠れた声で囁いた。
「わからん」
それは最初、海から這い出してくる太いパイプか丸太のように見えた。
蛇のようにのたうちながらゆっくりと陸に上がっているようだったが、不思議なことに音はしなかった。
と言うより、そいつの体はモワモワとした黒い煙の塊のように見えたし、実体があったのかどうかも分からない。
その代わり、ウウ…というか、ウォォ…というか、形容し難い耳鳴りがずっと続いていた。そして先ほどからの生臭さは、吐き気を催すほどに酷くなっていた。
そいつの先端は海岸沿いの道を横切って向かいの家にまで到達しているのだが、もう一方はまだ海の中に消えている。
民家の軒先を覗き込むようにしているその先端には、はっきりとは見えなかったが明らかに顔のようなものがあった。
オレも友人もそんなに臆病な方ではなかったつもりだが、そいつの姿は、もう何と言うか「禍々しい」という言葉そのもので、一目見たときから体が強張って動かなかった。心臓を鷲掴みにされるってのは、ああいう感覚なんだろうな。
そいつは、軒に吊るした笊をジッと見つめている風だったが、やがてゆっくりと動き出して次の家へ向かった。
「おい、車出せっ」
友人の震える声で、ハッと我に返った。
546: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:36:01 ID:NZNHKwqA0
動かない腕を何とか上げてキーを回すと、静まり返った周囲にエンジン音が鳴り響いた。
そいつがゆっくりとこちらを振り向きかける。
(ヤバイっ)
何だか分からないが、目を合わせちゃいけない、と直感的に思った。
前だけを見つめ、アクセルを思い切り踏み込んで車を急発進させる。
後部座席で狂ったように吠え始めた犬が、「ヒュッ…」と喘息のような声を上げてドサリと倒れる気配がした。
「太郎っ!」
思わず振り返った友人が「ひぃっ」と息を呑んだまま固まった。
「阿呆っ!振り向くなっ!」
オレはもう無我夢中で友人の肩を掴んで前方に引き戻した。
向き直った友人の顔はくしゃくしゃに引き攣って、目の焦点が完全に飛んでいた。
恥ずかしい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。
それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、友人は殆ど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。
回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、卒業してからは疎遠になってしまった。
犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。
結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。
ともかく、オレは海には近づかないよ。
以上が同僚の話。
昔読んだ柳田國男に、笊や目籠を魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。
547: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:44:36 ID:IhtIg/grO
GJ!
久々におもしろかったよ!
548: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:50:35 ID:j7But8Zb0
トレマーズだな
549: 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 00:54:25 ID:hc7MjiGK0
コレは怖い
分もうまい
636: 1/2 2005/12/08(木) 01:09:58 ID:xkHMXxJh0
消えた50円
ちょっと長くなるし、怖くないけど俺の体験を。
俺のじいちゃんの地方では、死んだ時にお棺に小銭を入れて、一緒に焼く風習があるんだ。
で、出棺の時に小銭を貰って、お守りとして身に着けるのね。
俺の親父も、亡きじいちゃんと焼いた小銭は今でも持ってる。
で、じいちゃんが死んで二週間くらいしてから、俺は海外に長期滞在が決まって
たわけ。「じいちゃんも連れて行ってやるからな」みたいな気持ちもあって、
焼いた50円玉に紐つけて、財布にくくってたのね。
シドニーに住んでたんだけど、楽しくて刺激の多い毎日だったよ。友達も彼女も
出来た。みんな俺の50円玉見て、で、話をすると気味悪がったり興味深々だったり、
まあ話のネタとしてはまあまあだったかな。
で、向こうで知り合った友達と、ある日買い物に行ったのさ。結構大きな買い物
する予定だったので、財布には1000オーストラリアドルくらい入れてたのよ。
ところがそいつを電車で落っことしたらしく、目的地に着いた時は一文無しだったわけ。
キャッシュカードや身分証明書も入ってたし、明日からどうすればいいかもわかんなく
なって、激鬱のまま電車賃借りて、一人でショボーンと帰ったわけよ。
当面の生命線として、友達から200ドルくらい借りたけど、それっぽっちじゃ
どうにもならんから、やけになってバーで深酒して、ゲロりながら深夜帰宅。
637: 2/2 2005/12/08(木) 01:10:53 ID:xkHMXxJh0
「あー、鬱だ」って思ったよ。金もそうだけど、じいちゃんとの最後のつながりが
消えたことが一層気分を悪くしたね。
もう寝ようかと思って電気を消したら、留守電にメッセージが入ってるランプが点滅
してたのね。メッセージの主は警察だったわけだけど、「お前の財布が届いてるから
明日取りに来い。」って入ってたのよ。狂喜乱舞したね。地獄に仏だったよ。
とりあえず出頭して、中身の改めも終わって、いざ財布を返してもらう段になって
気付いたんだけどさ、50円ねーのよ。紐ごと無くなってる。1000ドルも免許証も
カードも全部揃ってるのに、50円だけ無いの。警察に言っても「んなもん無かった」
って言われるだけ。帰り際に警察の人が
「届けてくれた人だけどな、お前の免許の写真見て、同じアジア人同士ほっとけ無かったんだろうな。
アジア系の爺さんが届けてくれたよ。言葉もわかんなかったけど、すぐに返してやれみたいな
事しつこく言ってたぞ。身元を聞いても、ノーイングリッシュとか言って教えてくれなかったがな。」
と、届出当時の状況を教えてくれた。
後日その事を友達に話したら「お前はシドニー1のラッキーガイだ。そんなジェントルマンは、俺も
お前もこの先二度とお目にかからんだろうよ。」って、感心しながらしきりに言ってた。
ちがう。アレはじいちゃんだ。
「お前は早速俺に仕事させやがって。もう今度は助けんからな!しっかりしろ!」とでも言いたくて
きっと50円とって帰ったんだと思う。身代わりになってくれたのかな?
今頃シドニーでノーブラ娘に鼻の下伸ばしてんだろうなぁ。また行くからな!
642: 本当にあった怖い名無し 2005/12/08(木) 02:46:54 ID:AWOkU2Rx0
>>636
怖いというよりいい話し
655: 本当にあった怖い名無し 2005/12/08(木) 10:47:32 ID:oW9D/KNw0
話してはいけない話
これは俺と両親の体験談。
でも当時3歳だった俺は当然覚えてなくて、両親から聞いた。
俺の父は骨董商をやっている。
絵から古道具、茶道具、なんだかよくわからないガラクタ?みたいなものまで
色んなものを取り扱ってるんだけども・・・
ある日、父は市(業者同士の販売会みたいなもの)で、ある人形に目を引かれた。
それは陶器で出来た西洋人形だった。
相当古いものであるのはぱっと見でもわかったらしい。
全体的にくすんだ色になったそれを、なぜだか父は一目で気に入り、
買い取ってしまった。
当人曰く、売る気はなく家に飾るつもりだったと言う。
・・・しかし、それを家に持って帰って母と一緒に眺めたとき、
父はそれを購入したことを後悔した。
見た目が、余りに無残だったのだ。
肌の表面はひび割れ、髪は半ば抜け落ち、
ガラス製の目玉が一つ内部に落ち込み、カラカラと音を立てている・・・
「気味が悪い・・・」母の一言が全てを表していた。
結局その人形は一度も我が家に飾られることはなく、
ベランダの物置棚の奥に新聞紙にくるまれて放り込まれることになった。
661: 本当にあった怖い名無し 2005/12/08(木) 11:07:04 ID:oW9D/KNw0
その夜のこと。
母は俺(当時3歳)がうなされているのに気づいて目を覚ました。
幼時はわりと引きつけなどを起こしやすい質だったので、
もしかして・・・と思ったらしい。
身を起こして息子の方へ近づこうとして、彼女は息子の様子が少しおかしいことに気がついた。
彼は、目を開けていた。
(うわごとじゃなかったの?)
しかし、息子は未だにぶつぶつと何かつぶやきつづけている。
「T(俺の名)くん、どうしたの?」
声をかけても反応しない。
ただ、ぶつぶつとつぶやきつづけるだけ。
「Tくん!Tくん!!しっかりしなさい!!」
怖くなった母は息子の名を強く呼び、体をゆすった。
そうして、ようやく彼は母の存在に気づいたようだった。
「どうしたの?何を言っていたの?」
まだすこし虚ろな表情の息子に、彼女は語りかけた。
息子はしばしの沈黙のあと、ベランダを指差しこう答えた。
「おめめがひとつの人形が来たの。あっちから」
彼女は、言葉を失った。
息子はあの人形のことは知らないはずだった。
嫌な汗が流れてくるのを感じながら、彼女は息子に尋ねた。
「お人形が来て、それでどうしたの?」
「あのね・・・」
662: 本当にあった怖い名無し 2005/12/08(木) 11:16:42 ID:jWzb9W8y0
ゴクリ・・・・
664: 本当にあった怖い名無し 2005/12/08(木) 11:24:11 ID:oW9D/KNw0
要約すると、何やら色々と話をしたのだという。
が、その内容が3歳児の語ることなので全く要領を得ず、時間の経過もあって記憶が曖昧になっているそうだ。
だが最後に一つだけ、これだけはっきり覚えているものがる。
「だれにも話してはいけない話をした」
俺は、たしかにそう言ったらしい。
母がどれだけ聞いても、その内容だけは決して教えなかったそうだ。
「人に話してはいけない。話してはいけない。話したら・・・」
最後にそう言って、そのままこてんと眠ってしまった。
翌日、母はそのことを父に話したが、彼はなぜかそのことを知っていた。
俺がつぶやいていたことが人形のことであるのに気づいて布団の中で震えていたらしい・・・
結局、人形は捨てられることになった。
ビニール袋に入れ、父がゴミ捨て場に持って行こうとしたのだが、
急にずしりとした重量感を感じて、袋を落としてしまった。
人形は、ただ落ちただけでなぜこれほど?と思うほどに粉々になってしまったらしい。
父曰く「物に惹かれるということは、たまに理屈ぬきでこういうことがあるもんだ」と。
・・・結局、俺が話した「人に話してはいけない話」はなんだったのだろうかと、今でも気になっている。
748: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 18:54:27 ID:FjgSlwyT0
アンティーク着物
うちの姉が以前、すごいアンティーク着物に凝ってた。
それこそ箪笥と行李を新しく買うぐらいに。
確かに見ていて綺麗だなーとは思うが、当時リア厨だった俺には、何でそこまで買い漁るのかがさっぱりだった。
そんな一昨年のゴールデンウィーク頃、姉が京都にデートに行った帰りに、
昭和初期くらいの訪問着(と言ってた)を持って帰ってきた。
鶯色で梅とか松とか、おめでたそうな柄だった。
姉は「彼氏が選んでくれた~vv」と姿見の前で羽織って大騒ぎ。
母と祖母も二人で「綺麗やわ~」とか「ええ物やわ~」と大騒ぎ。
俺はというと、和室で親父とごろ寝しながら騒ぎを聞いていたんだが、
いきなり姉母祖母が押し寄せてきて、親父ともども追い出された。
どうやら衣文掛け?に飾るらしい。
俺はふてくされて自室で寝た。
目が覚めると、既に午後10時くらいだった。
「うわー晩飯食い損ねたー」とドアを開けると、なぜか家中シーンとしている。
階段を下りると、まず食卓に、母と祖母がいた。
緊張した顔で、和室の方を見ている二人。
俺を見ると、厳しい顔で手招きする祖母。
なぜか手には肉切包丁。
さらに母の手にはすりこぎ。
749: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 18:55:22 ID:FjgSlwyT0
ええええ!?と思った瞬間、和室の方から
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!
と、摩擦音のような音がした。さらに緊張する祖母と母。
「手伝ってきてくれ、おまんは力あるから!!
うちは○○(←聞き取れなかった)持ってくる!!」
内心チビリそうになりながら、そっと戸に手をかける俺に、
祖母が握らせたのは「出刃包丁」
覚悟を決めて一気に引き戸を開けると、目の前には父と祖父が
身構えて立っていた。
部屋の真ん中には、手と足の生えた、緑色の布の塊。
それが部屋の真ん中でぐるぐる回っている。
多分、あれは姉だ。
しかし、見えている手がおかしい。二対ある。
手が震えて、何も出来なさそうな俺をみて、祖父が父に言った。
「ええか、先におまんが押さえ。俺が着物剥ぐ」
「ん。いくで」
回っているものに飛び掛る父。しかし相当強いらしく、引きずられてしまう。
出てる手に引っ掻かれまくる父を見て、はっとわれに返って
俺も飛び掛り、何とか動きを鈍らせる。
祖父がそのスキにそいつの着物を引っぺがした。
750: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 18:57:07 ID:FjgSlwyT0
やはり中味は姉だった。
しかし、着物をはがしても治まる様子が見えず、
父に噛み付き、犬のように首を打ち振る姉。父の血が当たりに飛び散る。
もう手が痺れてきて、「あ、だめだ」と思った瞬間、
ガラガラガラッと大きな音を立てて戸を開け、祖母が突進!
薄茶色い液体を着物にぶっ掛けた。
やっと父から口を離した姉を、母が布団でくるみ、上から縄で縛り、
納戸の中に押し込んで鍵をかけた。
その翌日、庭で着物を燃やした。満身創痍の父と、俺と、祖父の三人は、
その灰をたっぷりかけられた。
姉は、克明に出来事を覚えているらしいが、どうしても話してくれなかった。
母と祖母の持ち出した液体も、灰をかけられたことも、
あの着物のことも、未だに俺には分からないままだ。
752: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 19:14:51 ID:IZO7hxJb0
>>750
乙!
面白かった。
体験してないからこう言えるんだがw
ところで、姉のじゃない手は
着物をはいだら消えたのか?
755: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 19:27:53 ID:FjgSlwyT0
>>752
うん、たぶんそうだと思う。
蛇足だが、姉はあんまり懲りてない。
このときほどのペースではないが、今も着物を買い続けてる。
(着ないやつは売っているが)
753: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 19:21:33 ID:aZ4O3LdGO
>>750
前にみずきしげるの妖怪辞典で同じ様なのを見た気がする。
それと同類かな?
754: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 19:25:56 ID:iLWJ9B7+0
小袖の手 みたいなやつだね
でも姉とわかってて刃物をにぎらせるばあちゃんコワスギ
小袖の手
小袖の手(こそでのて)は、鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』などの江戸時代の古書にある日本の妖怪。小袖(袖口の狭い高級な和服)の袖から、幽霊らしき女性の手が伸びたもの。
遊女の死後、死皮(死者の衣服を寺に収める風習)となった小袖を見て、友人たちがその遊女の在りし日を偲んで悲しむ一方、当の遊女はむしろ、誰から身請されずに死ぬまで不自由な生活を強いられたことを悲しみ、身請の金を求めるあまり小袖から手が伸びているのであり、江戸時代の吉原遊廓を風刺した創作と解釈されている。
また、遊女がこの小袖を着飾りたかった願いが叶わず、その怨みによって小袖から手が伸びたもの、または小袖の持ち主だった女の生への執着心の妖怪化、付喪神(器物が化けた妖怪)の一種などともいわれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小袖の手
756: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 19:30:54 ID:FjgSlwyT0
>>753
>>754
リロって無かった・・・スマン
俺も小袖の手と似てるとは思った。
けどあれって危害加えたっけ?
764: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 21:27:50 ID:6j/A5VMT0
>>750
乙です。興味深かった。
読んでみて怖くは無かったけど、本当に体験したら怖いんだろうな。多分。
そんな姉がいたら、まぁ、気味悪いし。
765: 本当にあった怖い名無し 2005/12/09(金) 21:52:30 ID:dCI7Gg5F0
>>750おもろかったよ♪乙です。最初の方は読んでてお姉さんとかすごく嬉しそうだったのに
せっかくの着物かわいそうだったなぁ