4: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:19:27 ID:Qjy
しばしば引き合いに出されるのは次の2種類です。
・WHOの「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(通称ICD)
・米国精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル」(通称DSM)
9: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:19:45 ID:Qjy
日本ではICDの分類をもとに 発達障害支援法 第1章 第2条 で発達障害の項目が以下のように定義されています。
この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって
その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
※国際的にはDSMの改訂により広汎性発達障害のほとんどが「ASD」という名称に統一される方向で動いています。
12: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:20:04 ID:Qjy
今回はこの発達障害支援法の条文を発達障害の定義とします。
※医学的には再発見・再検討の余地が広い分野ですが、こういうことは何にしても行政法から始まるのでご理解をお願いします。
関連する障害等は後ほど紹介することとします。
16: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:20:30 ID:Qjy
発達障害支援法により発達障害を大分類すると3つに分けることができます。
・広汎性発達障害(ASD(自閉症、アスペルガー症候群など)、レット症候群)
・学習障害(読字障害、算数障害など)
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)
以降は各障害をひとつひとつ紹介していきます。
ここからは行政法に則ってもしょうがないので、できるだけ噛み砕いた文章にするつもりです。
17: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:20:48 ID:Qjy
◎広汎性発達障害
ASD(自閉症スペクトラム障害)とレット症候群が含まれます。
ASDは自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害をひとまとめにしたもので、「社会的コミュニケーションの障害」「限定的な興味・行動」によって特徴づけられます。
ひとまとめにした理由は各症状間の線引きが困難であるためです。現状では自閉症やアスペルガー症候群といった名称はASDの中の症例といった位置付けです。
21: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:21:12 ID:Qjy
【診断名:ASD】
◆症状(幼少期の典型)
・言葉の遅れ、無口
・1人遊びが多い、ごっこ遊びができない、他の子に無関心
・名前を呼ばれても振り向かない
・図形や記号などに関心を示す、車輪など回転するものに強く興味を持つ
◆症状(幼少期以降も見られやすいもの)
・他人の感情を理解しづらい、他人と喜びや達成感を分かち合えない
・会話の行間が理解しづらい
・会話が続かず1問1答の対話になりやすい、イントネーションが独特
・目線を合わせない、表情が乏しい、身振りが独特
・他人の言葉をオウム返しする(好きな食べ物は?と聞かれ、好きな食べ物はと口にするイメージ)
・特定のものに対する興味やこだわりが異常に強い
・物の配置を強迫的なまでに決定している、同じ服を着たがる、毎日同じ順路で歩きたがる。予定の変更や想定外の状況に陥るとパニックになる
・聴覚刺激が苦手(掃除機の音や雷の音などを異常に嫌がる)
・触覚刺激が苦手(こちょこちょなどを異常に嫌がる)
◆症状(診断基準にはないが、関連性の高いとされるもの)
・知的障害(ASDの中のおよそ30%)
・幼少期では癇癪を起すことがより多い
・記憶力により優れる
・生活リズムの不安定性
◆原因
直接の原因は神経伝達物質であるセロトニンの異常とされる。その由来は先天的なものである。
・父親の高齢
・バルプロ酸ナトリウム(てんかん・双極性障害等の薬)の妊娠中の服用
・幼少期の腸内細菌の過多状態
◆その他
スペクトラムとは連続的な集合体というような意味・イメージ。症例間の線引きが困難であるためこの呼称に統一された。
ASDの中のアスペルガー症候群(旧呼称)は言葉の遅れがなく、知的障害を伴わない群。
また小児期崩壊性障害は通常の発育をしていた小児が急に言語能力や相互理解力を後退させ、自閉症となるもの。(例外的に後天的要因があると思われる)
ASDは人口の2%程度で出現し、男性の発症率が女性のそれと比較して4倍程度多い。
ASDの多くは、定型の人と比較して、耳で聞いたことよりも目で見たことの方が理解しやすいとされている。
27: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:21:52 ID:Qjy
【診断名:レット症候群】
◆症状(主要なもの)
・四肢協調運動の障害(歩行、ハイハイの遅れや障害)
・手の独特な仕草。特に手を揉むような動作が多い。
・一度習得した手の動作や言語能力の消失
◆症状(その他周辺症状)
・知的障害
・自閉症的な動作
・痙攣、過呼吸、歯ぎしり
・てんかん
・睡眠障害
・脊椎の曲がり
・成長障害、小さい頭、手足が異常に小さい
・筋肉の緊張異常
・他人の目を不可解なまでに見つめる
◆原因
X染色体上にあるMECP2遺伝子の突然変異によって引き起こされる。
ただ遺伝病ではないとされ、両親はいたって健常である。
◆その他
殆どの場合女児に起こる症候群。
現状は発達障害の中にあるが、例外的に身体的な疾患が多く、ASDなどと比較し原因も明確であるため、今後位置づけが変更される可能性がある。
31: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:22:26 ID:Qjy
◎学習障害(LD)
読字、算数、推論などある特定の分野において困難が見られる障害です。
問題がある分野以外に知的な発達の遅れは見られません。
中枢神経の働きの不具合が起こすもので、原因の多くは先天的なものです。
またASDやADHDとの併発も多く見られます。
33: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:22:58 ID:Qjy
【診断名:識字障害(ディスレクシア)】
◆症状
・逐次読み(文字を一つ一つ拾って読む特徴的な読み方)や区切り読み(単語や文節の途中で区切る読み方)
・文字間が狭いと誤読や行の取り違えが増える
・読んでいる箇所を指で押さえる
・形の似た文字、読み方の複数ある漢字を読み間違える
・本を読むとすぐに疲れる
・文末を読み間違える頻度が高い
・漢字を書きたがらない
・早く書けても非常に乱雑な文字である
・句読点を置かない
・マス目に収められない
・意味の近い単語との誤読・誤書がある(教師を先生と読むなど)
・「ん」「ゃゅょ」「っ」などの読み間違え・書き間違え
・「は」と「わ」、「ず」と「づ」などの同音文字の読み間違え・書き間違え
・「き」と「さ」、「は」と「ほ」など形の似た文字の読み間違え・書き間違え
◆原因
言語処理の方法が一般の人と異なることが分かってきており、これは遺伝的な要因によるものとされる。
ディスレクシアの人は言語処理の際、左側頭葉の活動が低い。
◆その他
日本人の3~4%が該当するとされるが、程度の軽い人も含めればその倍以上存在すると思われる。
また綴りと異なる特殊な読み方(例えばknifeのkを発音しない)の多い英語圏ではより出現率が高いとされる。
一方で創造性を必要とする職業の著名人にディスレクシアが多く見られる。
近年ではディスレクシアの人向けにUDフォントが開発されており、officeにも標準搭載されてきている。明朝体やゴシック体よりも柔らかで見やすい。
読字障害のみをディスレクシアと呼び、書字表出をディスグラフィアとして分けることもある。
37: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:23:38 ID:Qjy
【診断名:算数障害(ディスカリキュリア)】
◆症状
・数の序列や大小が判別できない
・数処理の困難(例えば3匹の猫がいる状況で猫の数を3という数字に抽象化できない)
・数的概念の記憶の弱さ(数字の名前を思い出せないなど)
・簡単な暗算や九九を間違える
・筆算で桁が揃わなくなる
・四捨五入ができない
・文章題が苦手(文章題を図に置き換えたり式に抽象化することができない)
・左右の区別が難しい場合がある
◆原因
ディスレクシアと同じく遺伝的な要因によるものとされる。
また性染色体に異常のある女児での発症率が高い。
◆その他
人口のおよそ5%程度が該当すると思われる。
数の概念そのものを処理する能力が著しく低いため、時間やお金を管理することへもしばしば困難を伴う。
39: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:24:04 ID:Qjy
◎注意欠陥・多動性障害(ADHD)
注意欠如、多動性-衝動性を主要症状とする発達障害です。
DSMの改訂により日本では注意欠如・多動症という呼称に動きつつあります。
現状では不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型,混合型の3つの病型に分類されます。
知的な発達には問題がなく、原因は特殊な場合を除いて先天的なものです。
学童のおよそ5%程度で出現する非常に身近な発達障害です。
なお男性の方が女性に比べ3倍程度多く出現します。
41: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:24:51 ID:Qjy
【診断名:ADHD(不注意優勢型)】
◆症状(幼少期)
・勉強や宿題でしばしばケアレスミスをする
・学校での課題や遊びの最中にすぐに気がそれる、集中力がない
・話を聴いていないように見える
・指示に従わず,課題を最後までやり遂げない
・課題や活動を順序立てることが困難である
・忍耐力を要する課題に取り組むことを嫌う
・忘れ物が多い
・整理整頓が苦手で部屋や机上が散らかっている
◆症状(大人)
・しばしばケアレスミスをする
・仕事の最中に注意を維持することが困難である
・課題や活動を順序立てることが困難である
・忍耐力を要する課題に取り組むことを嫌う
・書類の期限を守れない
・集合時間や約束が守れない
・忘れ物が多い、物忘れが多い
・整理整頓が苦手で部屋や机上が散らかっている
◆症状(診断基準にはないが、関連性の高いとされるもの)
・生活リズムが狂いやすい
・気持ちの切り替えが遅い
◆原因
両親から遺伝する。つまり親もADHDである可能性が比較的高い。
脳内の神経細胞が余った神経伝達物質(ノルアドレナリンやドーパミン)を吸収する際、過剰に吸収しすぎてしまうことが要因。
結果的に神経細胞間の神経伝達物質が不足してしまう。
◆その他
大人では多動性・衝動性優勢型よりも多く出現する。
幼少期は手のかかる子というレッテルを貼られ、自己肯定感が育たなくなってしまうことが多い。
結果として二次的に社会に対して反発心を抱いてしまう人もいる。
ただし人から感謝されることや社会に貢献できることは進んでやる傾向もあり、教育においては居場所・活躍の場を与えることが何よりも重要である。
また一時的に過集中と呼ばれる異常な集中力を見せることもあり、モチベーションの管理が能力の発揮に大きく寄与する。
64: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:31:33 ID:e4K
>>41
ワイめっちゃ当てはまってるわ
44: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:25:30 ID:Qjy
【診断名:ADHD(多動性・衝動性優勢型)】
◆症状(幼少期)
・手足をそわそわと動かしたり,身をよじったりすることが多い
・授業中などに席を離れる、じっとしていられない
・不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
・静かに遊ぶことが困難である
・過度のおしゃべりが多い
・質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
・順番を待てないことが多い
・他者の行為を遮ったり,邪魔をしたりすることが多い
・他人の物を勝手に使ってしまう
◆症状(大人)
・仕事中にそわそわした動きや貧乏ゆすりなどが多い
・落ち着いて食事や会話ができない
・過度のおしゃべりが多い、おせっかいや余計な一言をする
・質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
・順番を待つことが苦手
・人の話を聞かない
・すぐにイライラする
・衝動買いをしてしまう
◆症状(診断基準にはないが、関連性の高いとされるもの)
・生活リズムが狂いやすい
・気持ちの切り替えが遅い
◆原因
両親から遺伝する。つまり親もADHDである可能性が比較的高い。
脳内の神経細胞が余った神経伝達物質(ノルアドレナリンやドーパミン)を吸収する際、過剰に吸収しすぎてしまうことが要因。
結果的に神経細胞間の神経伝達物質が不足してしまう。
◆その他
不注意型と同じく幼少期は手のかかる子というレッテルを貼られ、自己肯定感が育たなくなってしまうことが多い。
結果として二次的に社会に対して反発心を抱いてしまう人もいる。
ただし人から感謝されることや報酬のすぐに貰えることは進んでやる傾向もあり、教育においては居場所・活躍の場を与えることが何よりも重要である。
また一時的に過集中と呼ばれる異常な集中力を見せることもあり、モチベーションの管理が能力の発揮に大きく寄与する。
47: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:25:58 ID:Qjy
◎その他これに類する脳機能の障害
曖昧な記述ですが、トゥレット症候群(及びチック症)、吃音、発達性協調運動障害などが該当すると思われます。
48: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:26:33 ID:wPE
海外ではどのタイプが多いんや
52: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:28:08 ID:Qjy
>>48
明確なデータはありません
原因が遺伝性のものなので日本とさほど変わらないでしょう
50: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:26:53 ID:Qjy
【診断名:トゥレット症候群】
◆症状
・各種のチックを慢性的に繰り返す。
運動チック(奇妙なまばたき、首振り、手を回す、顔をしかめる、肩をすくめる、ジャンプする、体をねじる、他人や物体に触れるなど)
音声チック(咳をする、鼻をすする、軽いうなり声、叫び声をあげる、汚言症など)
◆原因
ドーパミン神経系で受容体が過剰にドーパミンを取り込みすぎてしまうことによる。
根本の原因は遺伝的なものとされる。
◆その他
ADHDとの併発率が非常に高く5割を超えるとする報告もある。
幼少期にチック症が現れることは一般的であるが、これが長引くとトゥレット症候群という呼称を与えられる。
出現率は1%未満程度で、男性の出現率が女性のそれの3倍程度多い。
51: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:27:28 ID:Qjy
【診断名:吃音】
◆症状
・音と音節の繰り返し(たたた太陽が眩しい)
・音の延長(おーーはようございます)
・語頭が出ない(…………ありがとう)
・発声時の過剰な身体的緊張
◆原因
頭部損傷などの因子を除けば遺伝子の以上による先天的な要因。
左前頭葉の発話に関係する箇所の未発達、また言語中枢間の神経回路の絡まり。
◆その他
言語中枢は左脳にあるが、吃音者は左脳の活動が弱いとされる。(代わりに右脳は活発)
出現率は1%未満程度で、男性の出現率が女性のそれの3倍程度多い。
53: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:28:21 ID:Qjy
【診断名:発達性協調運動障害】
◆症状
・スキップが苦手
・ボールの投球動作がぎこちない
・ボタンが上手く留められない
・書字が下手である
・箸やはさみを使うことに困難を伴う
・滑舌が悪い
・その他裁縫・工作・音楽などが全般的に不得手であり、不器用である
◆原因
研究史の未発達な障害であり、はっきりとした原因は特定されない。
ただしADHDやASD、トゥレット症候群などとの併発率が非常に高いため何らかの関係があるものと思われる。
◆その他
粗大運動(俗にいう運動神経に関わるもの)と微細運動(手先で行う運動)に困難を示すもの。
有力な研究が不足しており、未解明な部分も多い。
その他の発達障害の症状の中のひとつとして捉える向きもある。
54: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:28:50 ID:Qjy
結びに神経伝達物質について紹介します。
56: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:29:10 ID:ITl
はい。
55: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:29:10 ID:Qjy
■ドーパミン
快楽を感じた時に分泌される。
分泌後は更に快感や喜びへの欲求が増す。
言い方を変えればモチベーションを増幅させる。
過剰分泌されると欲求への自己統制が利かなくなり、逆に不足すると無気力になる。
57: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:29:35 ID:Qjy
■ノルアドレナリン
ストレスを感じた時に分泌される。
分泌後は脳が覚醒状態になり、闘争or回避を判別しすぐに行動に移せるようになる。
言い方を変えれば集中力が増すようになる。
過剰分泌されると攻撃的になり、逆に不足すると無気力になる。
58: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:29:51 ID:Qjy
■セロトニン
ドーパミンとノルアドレナリンを制御する。落ち着きをもたらし、快感と不快感を制御する。
過剰状態ではセロトニン症候群となり、不足すると感情が平常に保てなくなる。
59: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:30:08 ID:Qjy
●ホルモンのバランス
ドーパミン過剰:欲求の暴走。ギャンブル、酒、恋愛、各種依存症になる。
ドーパミン不足:無気力無関心、性欲や運動機能の低下。
ノルアドレナリン過剰:攻撃的になる、落ち着きがなくなる、焦る、不安感、取り乱す。
ノルアドレナリン不足:無気力無関心、判断力の低下、うつ状態。
セロトニン過剰:新陳代謝の異常向上、不随意痙攣、心拍数の増加、興奮状態など(セロトニン症候群)
セロトニン不足:睡眠障害、うつ病、情緒不安。
60: 名無しさん@おーぷん 20/04/09(木)23:30:24 ID:gtf
ワイなんかおかしいんかと思ってるけど全然当てはまらんわ