2: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:24:39 ID:J6F
・「パンとサーカスのおかげでローマ市民は遊んで暮らした」
よく言われるイメージだけどウソ
支給されるのは小麦そのままでこれをパンにするには金がいる
しかもそれだけでは生きていけない量
とうぜん衣服と住処は自力で調達しなきゃらならない
しかもにこの制度が恒久的にあったのはローマ市だけで
帝国のほかの地域では基本的に無い
7: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:37:02 ID:J6F
☆まめちしき
>>2のとおり住居は自分で確保する必要あったけど
ローマ市での平民は基本的に賃貸住まいで
しかも家賃つり上げも横行していたので
契約更新期には市民であっても家から追い出されて路頭に迷うというのが風物詩だったという
世知辛いもんですね
4: きしめん◆pI9yNjldmY 20/05/30(土)14:27:37 ID:JdM
小麦支給かぁ…小麦粉なら即使えるけどなぁ
8: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:37:31 ID:uY8
風物詩になるとは…
つらいですねえ
3: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:26:52 ID:J6F
・「古代ローマのパンとサーカスはベーシックインカムの先例」
有識者でもこういう表現する人いるのが悩みどころ
上記の通りベーシックインカムではない
クッソ雑な生活支援ってレベル
5: 相反するインキュベーター◆d1bIho9adc 20/05/30(土)14:30:40 ID:OwP
でも現代ほどみんな働いてはなさそう
6: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:31:57 ID:J6F
・「ローマ市は上下水道完備で清潔 ウンコも投げ捨てない」
一番よくみる誤イメージの部類
有名すぎるのでちゃんと訂正してるのもよくみる
ローマ市は確かに上下水道あったけど
それ以上にあまりに人口多すぎてむしろ衛生環境は帝国の中でもトップクラスで劣悪だったとされる
あと高層住宅の窓から糞尿投げすても横行していて
歴代の皇帝が「だからクソ捨てんじゃねえ!」としばしば激怒布告してたくらい
原因は平民が住む高層住宅には下水が繋がっていなかったため
11: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:43:00 ID:J6F
・「ナチス式敬礼はもともと古代ローマ軍の敬礼」
ムッソやヒトラー時代に腕ピーンって掲げてたアレ。
実は古代ローマ軍がこれを敬礼として使っていた証拠は全くない。
それらしきものが初めて確認できるのは近世の絵画。
そしてこの俗説を大々的に広めたのはハリウッド映画。
ちなみにマルクス・アウレリウス帝の騎馬像がよく例にだされるけど
ちゃんと横から確認すると敬礼とは別物で
単に指示を飛ばすあるいは群衆に応えてるだけの仕草
13: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:54:50 ID:Pu8
>>11
あのポーズどうみても将軍が兵士たちに演説する前のオイッスだよな
12: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)14:49:20 ID:J6F
・「ローマはパルティアには手も足も出なかった」的な力関係
恐らくこれはローマが大敗した「カルラエの戦い」だけが
抜き出されたことによる誤イメージだと思われる。
実際にはローマVSパルティアの歴史を通してみると
パルティアが優勢だったのは紀元前1世紀だけで、
それ以降はローマがどんどん押していくようになる。
カルラエの十数年後には今度はパルティアがボロ負けするほか、
ローマが最盛期となる2世紀には何度も一方的に侵略されるくらい差がついてしまう。
15: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:06:19 ID:J6F
・「ローマ人は満腹になったら吐きだしてまた食べる」
確かにそのような行為の記録は残っているけども、
これをローマ人の普遍的な食文化のように語るのは完全なる誤り
サテュリコンや皇帝ウィテッリウスに対する著述に見られるとおり
この行為は悪しき享楽としてのネガティブイメージで溢れていて
ローマ人からみても「やりすぎ」なものだったとうかがえる
少なくともこれを「ローマの食文化」と紹介されたらローマ人は激怒するはず
16: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:12:48 ID:J6F
・「ローマ軍船の漕ぎ手は奴隷」
恐らく一番有名なウソでこれがウソだとすでに有名になっているレベル
主に「ベン・ハー」のせいで広まったやつ
ローマ軍船の漕ぎ手は自由民からなるちゃんとした兵士だったというのが圧倒的定説
ちなみにハリウッド君はベン・ハーリメイク版でもまた懲りずに同じ描写する
(あのパートないとベン・ハー物語が成り立たないので仕方ないところもあるけど)
22: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:43:16 ID:wDW
いうてソースは
23: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:50:45 ID:J6F
>>22市民や奴隷の環境については
「古代ローマの庶民たち」、「古代ローマの生活」や、
アルベルトアンジェラの二部作とかわかりやすいの結構ある
特に奴隷については「奴隷のしつけ方」というキャッチーでピンポイントな本もある
一昔前までは邦書でこういう生活まわりの本はほとんどなかったんで
今はすごく良い時代になった
ジェリー・トナー マルクス・シドニウス・ファルクス
太田出版
2016-04-08
17: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:29:36 ID:J6F
・「ローマの奴隷は言うほど過酷じゃなかった 待遇よかった」
これは扱いが難しいイメージ
部分的には正しくも全体像としては誤りってところ
帝国政府の官僚奴隷、技師や家庭教師など、
確かにかなり待遇よかった奴隷もいたようで、
中には富裕層級の金持ちになった例もそこそこ確認されてる
また帝国時代には所有者による私的な「死刑」は禁止され
重罪を問う場合には法に則った裁判が必要となるなど「保護」が進んだほか、
奴隷自身が貯めたお金で自由を買うという例もしばしばある
18: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:31:20 ID:J6F
と書けば「待遇いいじゃん」となるも
奴隷の大半を占めていた農場や平民の家内奴隷の実態は以下のとおり
・金を溜めて己の自由を買う、とはいうものの
その溜めてる金も法的には主人のもの
主人がよっぽど善人じゃないと「自由を買う」なんて夢物語
・死刑は禁止されたものの体罰自体は自由であり、
過度な体罰による「事故死」は日常茶飯事
・性的虐待は所有者の正当な「権利」であり、
生まれた子を奴隷として売り払うのも当たり前
また他に大勢いた鉱山奴隷はさらに過酷で
入ったら余命数年という死刑同然の環境
結論としては奴隷の待遇はピンキリ
全体としては「良かった」とは言えない
25: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:07:07 ID:wDW
しつけ方はおれも持ってるな
>>18あたりとは違うことが書いてるが
まあ又聞きの又聞きくらいか
26: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:14:39 ID:J6F
>>25それほど違うこと書いてるかね
あれは「ローマ人の所有者」という視点を通してるだけで
そこに透けて見える奴隷像は同じだと思うけども
あと「古代ローマの庶民たち」の190ページくらいからは
そういう色眼鏡ナシではっきりとこういう奴隷の境遇描いてるし、
そもそもこれらの大元は
アプレイウス、サテュリコン、アウグスティヌス等の著述にあるエピソードなんだ
29: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:37:15 ID:wDW
>>26
違う。
それに、その原典そのものを確認したわけじゃないからな
むしろ解放奴隷が幅を利かせてるのを嘆いてる程度には
そこらじゅうにそういう事例があったわけだろう
剣闘士も奴隷だったわけだが、完全にアイドル扱いで
市民の女をとっかえひっかえだったのを、同時代のユウェナリスが嘆いてたりする
30: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:42:07 ID:J6F
>>29
こちらのレスちゃんと読んでくれてる?
剣闘士なんて奴隷のほんの一部の例だされても困るし、
そもそもそういった部分的には待遇良かった連中いたことは別に否定していないよ
32: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:55:32 ID:wDW
>>30
とくに原典ではない一般向けの読み物の場合
脚色が問題になるからな、作者にエンタメ化やプロパガンダの目的があって
わざと偏向して記述するから
塩野御大でもそういうのを聞くし
奴隷記述の場合だと、人権プロパガンダが疑わしい
それこそベンハーが大々的にやってるわけだし
33: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)17:06:50 ID:J6F
>>32
まさしくその通りだとは思うけど
「奴隷のしつけ方」はまさにそのエンタメ化に向きすぎてる節はあると思うよ
これがキャッチーな系統なの認識しつつ挙げちゃった俺がまず一番悪いんけども
ただし章終わりの解説パートみるかぎり、
そちらが言うような違うことを書いてるっとはやっぱり思えないけどね
性の環境は94ページから、暴力環境は139ページから、
やんわりながらちゃんと触れてるし
19: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:32:11 ID:uY8
「待遇よかった奴もおった」が正解かな?
20: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:33:45 ID:J6F
>>19
そうなるね
びっくりするほど好待遇で成り上がった奴がいたのもまた事実
皇帝直属の官僚奴隷が特にそう
21: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)15:34:24 ID:uY8
>>20
へー、そうなんや
ワイはローマとか全く知らんから何とも言えんけど
27: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:24:42 ID:J6F
このあたり特に象徴的なのは一世紀後半のローマを代表する哲学者ムソニウス・ルフスの
「全ての主人は自分の奴隷を望むがままにできる完全な権利を有す」という言葉だと思う
31: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)16:49:37 ID:qV0
古代ローマはなんとなく古代ギリシャもセットで学ばないといけないイメージがある
35: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)17:24:12 ID:sbv
ていうか剣闘士って一口に言ってええんか?
素人的には公的に戦争捕虜あがりの奴隷戦わせるのと
花形エンタメになってから民衆主導の剣闘興業とでも
結構違ってきそうに思うんだけど
36: 名無しさん@おーぷん 20/05/31(日)01:39:35 ID:62X
>>35
政務投げ出して剣闘やってた皇帝もおるしな
剣闘奴隷とはまるで待遇が違う
39: 名無しさん@おーぷん 20/05/31(日)06:36:48 ID:SKh
帝国が滅亡した要因は福祉なんかに力を入れた事と聞いたが迷信か
40: 名無しさん@おーぷん 20/05/31(日)10:32:37 ID:yQu
>>39
福祉よりは軍事に力入れすぎたことのほうがかなり影響大きいと思う
最盛2世紀に調子にのって軍事拡張と費用肥大しすぎて3世紀についに帝国財政が破綻しちゃう
41: 名無しさん@おーぷん 20/05/31(日)10:33:50 ID:APh
奴隷については19~20世紀のアメリカ黒人奴隷のイメージがあるから厚遇に見えるけど、奴隷と平民の違いは人か商品かの違いなんだよ
だから、奴隷は商品だから大切に扱われる場合もあれば、二束三文の使い捨てになる場合もあるってことだよ
42: 名無しさん@おーぷん 20/05/31(日)10:37:37 ID:Nv7
ローマ関連の知識はセスタス読んでれば身に付くという風潮