839: 介護職の思い出2 2006/03/30(木) 00:01:38 ID:TpukJGCc0
Aの暴力する老人の対象は認知症や言語障害でしゃべれない人でした
その中で言語障害のBさんはAにされた暴力の内容を日記に書いてました
そしてその日記を別の職員に見せて助けを求めるも無視され
Bさんは身内の人もいなく4人部屋でも周りの老人は認知症が酷く
自分がわからない状態でAにとってBさんは最高のカモだったのです。
そんなある日、早朝Bさんは急変して病院に行くも亡くなられました。
Bさんが亡くなった夜にAは急な心筋梗塞にて亡くなりました
まるであとを追うように・・・・・・
840: 介護職の思い出3 2006/03/30(木) 00:02:51 ID:YPK9dTYU0
次の日、Bさんのベットを片付けていた時に
本当はいけないことなんですがBさんの日記を見させてもらいました
Aに対しての暴力の内容や怒りが書かれてました
Bさんが亡くなる前の夜に書かれた最後の日記を見てぞっとしました
「あいつを地獄につれていく」
その後すぐ職場をやめて
違う仕事に転職しました。
転職してから一ヶ月後交通事故に合いました
全治三ヶ月
もしかして日記の内容を見て呪われてしまったのではないとか
思ってしまうこともありますが
これは偶然であると自分に言い聞かしてます。
最近ですけど怖い夢を見ました
地獄みたいなところでBさんが笑いながら
Aを木刀のようなもので殴っている夢を・・・・
まあ、大丈夫とは思いますけど
これを見てもし何か災いが起きたらすみません。
890: 本当にあった怖い名無し 2006/03/30(木) 17:44:56 ID:fhFYbuiU0
点滴
数年前の話
オレが喉の病気で入院してた時のこと。
病室は3Fにあった。喉の病気だったが、タバコだけは我慢できず
禁止されていたのに、1Fにある喫煙所までわざわざ吸いに行ってた。
一日中、点滴をしてたんであの点滴をぶらさげてるキャスター?みたい
なのをひきずりながら。
ある日、いつも通りタバコを吸いにでかけ、2,3本吸ったところで立ち
上がり帰ろうと歩きだした。病室へ行くには50mくらいの廊下を歩いて
エレベーターに乗る。
エレベーター前まできて、降りてくるのを待ってたら、なんか気分が悪くなった。
やべぇタバコ吸いすぎかなぁ、クラクラするわぁ、なんて思って早く寝ようって
なことを考えてたら、エレベーターがきて看護婦さんが一人降りてきた。
そしたら看護婦さんがオレの足元見て固まってるのよ。なんだ?と思って
足元見たら、血だらけ。足元だけじゃなく歩いてきた廊下が血だらけ。
オレの着てた患者服?みたいなのも血だらけ。何事?!と思ったら
点滴の袋から管が抜けてて、ブランとしてた。そこから血が・・・
つまり血管ダイレクトでつながってたから血を垂れ流しながら気づかず
歩いてたみたい。
怖くなくてごめん。
891: 本当にあった怖い名無し 2006/03/30(木) 18:12:03 ID:wa6vrUPBO
>>890
その場にいたらΣ(゚Д゚;)ヒィだなw
893: 本当にあった怖い名無し 2006/03/30(木) 19:07:16 ID:ab3Ybu6mO
>>890もし誰にも会わずにいたら危なかったね。
912: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 00:09:04 ID:SOsa0OZF0
病弱な妹
俺の友人の話投下します。仲間内で怖い話してるときに聞いた。
心霊系の話じゃないけど、俺は心底ぞっとさせられた話。
俺の友人のAには少し病弱な妹さんがいるそうです。
そのため数年前に某病院に入院していたんですが、
毎日病院に通う母親に対し、Aは、妹さんの病状がさほど重くないためか
お見舞いに行くのは週一回ほどの頻度でした。
Aは、実はあまりその病院に行くのが好きではなかったそうです。
俺が理由を聞くと、Aは思い出すのも嫌なように答えました。
「気持ちの悪い男の看護士がいたんだ」
Aによれば、その看護士はあまり仕事熱心にも見えず、
常に薄暗い影を背負っているような気味の悪い男だったと。
Aは見舞いに行ったとき、その看護士が病室のドアのところに所在無げに立ちどまり
生気のない目で妹さんを凝視しているところを目撃し、
心底気味が悪かったのだと語りました。
と同時に、自分の妹がその男に何かされるのではないかと不安になり、
母親に相談をしたそうです。転院をしたら?と。
すると母親は真剣な表情になり、「あんたもそう思う?」と切り返しました。
どうやら母親もその男のことを不気味に思っていたらしく、
出来るだけ妹のそばに居るようにしていたそうで。
何より入院時、病院側から言われたことが引っかかっていたそうです。
続きます。
914: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 00:12:44 ID:SOsa0OZF0
続き。
「病院の看護士達も十分なお世話をするつもりですが、多少お金がかかっても
雇いの看護人を、患者さんに24時間付き添わせるようにした方がいいですよ」
まるでボディーガードでもつけておけと言うような病院側の言葉を
母親はいぶかしく思ったのですが、病院側はどうもはっきりとは言わない。
それでも言われたとおり、ちゃんとした看護人は雇っていたそうです。
家族会議をした結果、転院をしようということになり、
その病院から妹さんは離れ、その後無事に全快しました。
俺「確かに気持ちの悪い話だけど、別にたいして怖くもないじゃん」
A「それがさ、しばらくして分かったんだけど。俺、前○○市に住んでたって話したじゃん。
その病院、その○○市にあったのね」
俺「ふんふん」
A「一時期報道とかで大騒ぎになった、○○市の病院の筋弛緩剤混入事件覚えてる?
それ、そこの病院。犯人、妹見てたその男の看護士」
俺「えっ…」
A「今考えたら、俺の妹も危なかったじゃんないかな。亡くなった方には申し訳ないけど、
本当、転院してよかった。病院側もさ、あの口ぶりからして、看護士の間では
あいつやばいぞって分かってたんじゃないかな。ま、わかんないけど」
淡々と語るAの口調がほら話ではないこと証明してるようで、何より病院側の
その態度が妙にリアルで、俺は背筋が薄ら寒くなりました。
たいして怖くないか?
でも俺には本当に洒落にならないくらい怖かった…。
915: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 00:14:45 ID:YvYhaAQl0
いや、十分こえぇ。
とりあえず、妹さん守れてよかったよな。
936: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:32:50 ID:PV0wQ9AR0
CD
夜中の丁度2時頃。俺は自分の部屋で曲を聴きながら本を読んでいた。
丁度今聴いているCDの14曲目ぐらいで次のCDに変えようと思い、他のCDを選んでいた。
『どれも何回も聴いたことのあるやつばっかだなぁ~』
とか思いながらCDを選んでいると、何だか見慣れないCDケースを見つけた。
ジャケットは真っ青。少し紫色っぽくも見えた。
それにはアーティスト名も、曲名も、何も書いていなかった。
『こんなCD、買った覚えもないしなぁ…。まぁ1度聴いてみるか』
そう思ってケースを開けてみると、これまた真っ青なCDが入っていた。
もちろんアーティストなどは書かれていなかった。
代わりに白色でこう書かれていた。
「青の 電話」と。
白色ではっきり書かれていたので『曲名か?』と思い、早速プレーヤーにかけてみた。
937: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:33:51 ID:PV0wQ9AR0
ところがこのCD、トラック数は1つしか無く、時間も15分程度だった。
ますます中身が気になり「再生」ボタンを押した。
「…………」
何も聞こえない。だが2分ぐらい経った頃だろうか。
突然「ジリリリリリ、ジリリリリリリリ」と電話の音がした。
家の電話ではない。CDの音だった。何だか古い電話のような音だった。これもまた2分ぐらいだっただろうか。
突然電話が切れて再び何も聞こえなくなった。
ところがまた2分ほどすると「ジリリリリリ、ジリリリリリ」と電話の音がする。
これの繰り返しである。
『なんだよこのCD、これだけか?』そう思った時、
「ガチャ、…………」確かに電話をとった音が聞こえた。
電話をとった音は聞こえたが、その後は何も聞こえない。
「……………」CDはこれで終わりだった。
938: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:34:27 ID:PV0wQ9AR0
『時間の無駄だったな。』とCDを取り出した矢先、
「ジリリリリリ、ジリリリリリ」…家の電話だった。
『え?今夜中の2時だろ?誰だよこんな時間に…』
その時ふと思ったことがあった。
『俺ん家の電話の音、こんなだっけ?』
その音は、何だか古い電話のような…。そう、さっきのCDのような音だった。
だが、確かにCDは取り出した。それにこの音は明らかに俺の家の電話からだった。
急に俺は恐怖感を覚え、電話に出ることができなかった。
そして2分ほどすると電話は切れた。
少し安心したが、それと同時にこの後の予想はついた。
『また2分後に電話が来るんじゃないか?』と。
案の定2分後には再び電話は掛かってきた。
だが俺はその度にその音を無視し続けた。
無視し続けていたが俺は「電話の相手」が段々気になってきた。
『次に電話が掛かってきたら出てやろう』そう思ってしまった。
939: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:36:43 ID:PV0wQ9AR0
…そして「ジリリリリリ、ジリリリリリ」電話が掛かってきた。
『…よし。出てやる』 「ジリリ…ガチャ」『……もしもし?』
「青の 電話 聴きましたね? 聴きましたね? 聴きましたね?」
相手の声は女の声で、なんとも気味の悪い声だった。
そして「聴きましたね?」と何度も言ってくるのである。
俺は金縛りにかかったように動くことが出来なくなった。
「聴きましたね? 聴きましたね? 聴きましたね?」
気のせいか声が大きくなってきている。
階段を上がる音が電話の向こうから聞こえた。
そして実際にも俺の家の階段を誰かが上ってきていた。
『まずい…。このままでは…。』
気付いたときには遅かった。俺の後ろには見たことのないような恐ろしい顔の女が立っていた。
そして、「青の 電話 聴きましたね?」と言った。
その顔を見た俺は気が遠くなっていった…。
940: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:39:28 ID:PV0wQ9AR0
気付いたときに俺は部屋のベッドに倒れていた。
『夢だったのか…』
そう思った。いや、そう思いたかった。念のために例のCDを探してみた。
『…どこにもないな』
俺は安心して再びベッドに倒れ込んだ。
…数日後。
学校の友達が何やら友達と話をしていた。
「俺さぁ、この前中古店で変なCD見つけたんだ。ジャケットが真っ青の…。
俺まだ聴いてないんだけどさぁ、今日みんなで聴いてみない?」
貴方の身近に青のCDはありませんか?
以上です。長編で申し訳ございません。念のためフィクションです。
941: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:44:37 ID:CbErpJTK0
>>940
電波か…?意味分からなさすぎて怖い。
942: 本当にあった怖い名無し 2006/03/31(金) 02:45:09 ID:voLaC7Cf0
54: 本当にあった怖い名無し 2006/03/32(土) 00:53:56 ID:TptmrzYoO
会わせたい人
この話は大学に居た時の話。霊感?って言うかその世界の事を深く知ってる人と出会った時の事。
当時俺は幽霊とかって全然信じてなかったんだけど、大学入って、二ヶ月も経つともうすっかり信じてた。
その二ヶ月の間に何があったかって言うと、ある人に出会った。
きっかけは幽霊信じてる友達に「霊なんて居るワケないし。そんなに自分は特別なんだって思いたいの?」って言った事だった。
その時の俺は何か機嫌が悪くて、次の日に凄く後悔した。
そしたらそいつ、「ちょっとついて来い」って次の日にやって来た。昨日の事怒ってんのかなー?なんて思ってたら、
会わせたい人が居るって言って、食堂に連れていかれた。
でもって、食堂で待ってたのは優しそうな女の人。童顔で目が少し垂れ気味で、可愛いなーって思ったのを覚えてる。
その人見てたら友人が、
「じゃ、あの先輩と話てみ。信じるようになるから」
55: 本当にあった怖い名無し 2006/03/32(土) 00:54:56 ID:TptmrzYoO
はあ?教祖かなんかか?って思って、用心しながらその人に向かい合う席に座った。
そしたら
「肩凝ってない~?」
ってふにゃふにゃ~って感じで笑いかけて来て、何か毒気抜かれちゃって。
それにここ最近肩が妙に凝ってたのも確かで(今思うと異常に凝ってた)
「あ、凝ってますね」
って言った。
そしたら、やっぱり~?って言いながらまたふにゃふにゃ~って笑って、
「じゃ~揉んであげるね~」
その人、席を立って俺の後ろに立つと、肩を揉み始めた。これがヤバイくらい気持ちいいんだ。
「あーやば、気持ちいいっす」
「でしょでしょ~」
で、気持ち良すぎてだんだん眠くなってきた。
「あ、すいません、眠りそうっす」
「あはは、寝ちゃえ寝ちゃえ~」
そしていつの間にか眠ってたんだけど、突然ガバって目が覚めた。
「あ、落ちたよ~」
先輩が一言言った瞬間、目からドバドバ涙が出てきた。
訳分かんなかったんだけど、なんか悲しくて涙が止まらなかった。
「大丈夫大丈夫。悲しいよね。大丈夫」
先輩は俺(?)を慰めてくれた。で、それから俺は霊の存在を信じる様になった。
56: 本当にあった怖い名無し 2006/03/32(土) 00:57:00 ID:TptmrzYoO
後で先輩に聞いた所、その時俺の肩についてたのは、【掴む人】って種類の霊だったらしい。
先輩が言うには、俺は霊感は人並み程度、普通くらいらしいんだが、異常なくらい【掴む人】を引き寄せる体質らしい。
しかも肩を揉んだ次の日、また【掴まれて】たとの事。なんなんだ、俺w
その事があってから、俺はだんだんとオカルトにはまり出して、先輩から色々教わったりして、いつの間にか、
先輩の事を先生、て呼ぶようになってた。それから先生とその仲間?と色んな事に首突っ込んだりした。
その話は、よければまた今度したいと思う。
100: 1 2006/03/32(土) 16:53:57 ID:2V41EWtn0
古いアパート
今思い出しても身震いする体験です。確実に夢だとは思うんですが。
学生時代に一人暮らししてました。金なんて全然無かったから
1Kの古いアパートだったんですが、そこは玄関入って直ぐ右手に
狭いキッチン、左手にユニットバス、それで奥が6畳の部屋に
なってたんですね。
で、ある日結構遅い時間(午前1時過ぎぐらい)に自宅に戻って、
風呂入るの面倒だなーとか思いつつしばらくテレビ見てたんですが、
やっぱり疲れてたらしくてそのまま横になって眠っちゃったんですよ。
101: 2 2006/03/32(土) 16:55:25 ID:2V41EWtn0
何時間ぐらい経ったのか解らないけど、ふっと目が覚めた。
部屋の中は真っ暗。しばらく状況わかんなかったんだけど、
「あーそうかテレビ見たまま寝ちゃったんだな」って段々飲み込めてきて。
ベッドで寝よかなあ、でも面倒だしなあ、ってボーっと考えてる内に、
(それにしてもさっきから聞こえてるこの音は何だろう)と考えた。
部屋のどこからか変な音がするんです。
コウモリみたいな小動物がキーキー鳴いてる感じの。それも今にも
死にそうなぐらい弱々しい。
(何だこの声)とか思ってる内に段々目が冴えてきて、その内にちょっと変な事に気づいた。
(あれ?そういえばいつの間にテレビ消したっけ?確かテレビつけたまま寝たのに。)
変だなと思ったんですが、その内にもっと変だと思った。
そういや部屋の電気も消えてる。消した記憶は無いのに。
(おかしいな?)って思って取り合えず起き上がったんですが、その間も何かキーキー聞こえてくるんです。
何の音か気になって何気なく玄関の方を振り返った。
そしたら、そこに見えたのが。
102: 3 2006/03/32(土) 16:57:17 ID:2V41EWtn0
玄関ドアには下の方に郵便受けがついてるんです。
そこから細い手首の先が覗いてました。片方だけの手首が爪を立ててドアを上下に引っかいてたんです。
硬直している自分の目の前で、「キー・・・キー・・・」と2,3回ゆっくり縦に引っかいた後、手首は
郵便受けの外にスッと引っ込みました。
色の濃いマニキュアをしていたのははっきり覚えています。女の手でした。
もうこっちはその間全く動けませんでした。訳が解らなくて。
その後我に返って慌てて外に出てみたんですが、もう誰もいません。
ドアを閉めて郵便受けの下を見ると、確かに爪で引っかいたみたいな筋が残ってました。
めちゃくちゃ気持悪くて、もうその後はすぐに引っ越しました。
103: 4 2006/03/32(土) 16:58:40 ID:2V41EWtn0
この話を他人にすると昔振った女だろとか恨み買ってんだろとか散々突っ込まれますが、
断じて身に覚えがありません。
だから夢だったと思う事にしています。
以上、長文乱文失礼致しました。
104: 本当にあった怖い名無し 2006/03/32(土) 17:44:25 ID:RNyg59wS0
>>103
へぇ・・・じゃあ今貴方が背負ってる女の人はいったい何なのかな?
105: 103 2006/03/32(土) 17:49:02 ID:2V41EWtn0
>>104
勘弁してください。マジで。
107: 本当にあった怖い名無し 2006/03/32(土) 21:41:06 ID:xaYeM82Y0
>>105
大丈夫。萌えれば大丈夫。実績ありw
228: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:32:12 ID:aOHQPdOQ0
黒田くん
僕が彼に出会ったのは、高校1年生の時のことです。
一応政令指定都市ですが、都心ではありません。家から歩いて3分以内に何軒かコンビニはありますが、全部ローソンです。
小洒落た雑誌に載っている服を買おうと思うならば、30分電車に乗って遠出しなければなりません。
僕が育ち、彼と出会ったのはそんな街です。
彼は全くもってごく普通の少年に見えました。彼は黒田硫黄のファンなので、黒田くんと呼んでおきます。
高校1年生にしては背が高く、色が白くて肌が綺麗な、ちょっと優男風の見た目で、高校生らしく浮かれ騒ぎが好きで
ノリとテンションで生きているようなところがあり、よく喋るごく普通の同級生でした。
今お話しようとしている事件?を境目に、僕と時々話すようになるまではそれほど気になるというほどの存在ではありませんでした。
229: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:33:15 ID:aOHQPdOQ0
それは、体育祭の直後だった記憶があるので一学期の終わりのことだったと思います。
クラスの奴らの顔と名前もほぼ一致して、中学時代の友人たちとだけ、親しく話をする時期も終わった頃でした。
初夏の夜ももう更け、高校生が出歩くにはやや遅い時間、僕はその一帯では一番の繁華街を歩いていました。
理由は何だったかもう覚えていませんが、ちょっと何かを買いに出かけたのが存外に遅くなってしまった
といった程度の用事だったのだと思います。
片側二車線の道路の脇にしつらえられた歩道の横には、びっしりと灯りをいっぱいに点した店舗が並んでいます。
交差点と歩行者用横断歩道の周囲で途切れたところ、横断歩道を渡りきってすぐのガードレールに
腰を凭れさせるようにして、アコースティックギターを肩から提げて鳴らしている男がいるのを
僕は信号待ちをしながら眺めていました。
別段珍しいことではありません。その日も、そこへ差し掛かるまでに何度となく見た光景ですが、彼は声を張り上げて
歌を歌うでもなく、中腰になって全力でギターをかき鳴らすわけでもありません。
ただ、ガードレールに腰掛けて「ギターを鳴らしている」だけなのです。
どことなく、何かを待っているような感じだなあと思いつつ、横断歩道を渡りきったところでギター男の顔を見てみると
それはくだんの黒田くんでした。
彼は確かにクラスでもやかましい方ではあるのですが、熱心に音楽を語ったり、バンドをしている風の見た目でも
雰囲気でもないので、僕が面食らったような顔をしていると、あちらも僕と同じような顔をしています。
「バンドなんかやってるんだ?」と僕が言うと、黒田くんはちょっと照れたように笑って
「そうでもないんだけど、夜フラフラしてギターを弾くのが好きなんだよ」といったようなことを言っていました。
僕が持ち前の図々しさで何か弾いてみてくれ、とねだると、黒田くんはやっぱり少し照れたように笑ってから
カーペンターズの「sing」を弾いてくれました。
「ギターを弾くことはかっこいいと思っているけど、自分には到底無理だと思っている」平均的な高校生だった僕に
「おおー」「超うめー」と心から言わせるに充分な演奏を披露した後、黒田くんは「恥ずかしいから秘密にしといてくれ」と
やっぱり照れたように言って、僕はそれを承諾しました。
230: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:35:10 ID:aOHQPdOQ0
お喋りな僕にしては珍しく、黒田くんのギターのことを誰にも喋らないまま、夏休みに入ってすぐのことでした。
その頃仲の良かった友人から、肝試しに行かないかと誘われたのです。
オカルティックなものにさして興味のなかった僕がついていこうと決めたのは、当時好きだった女の子が
メンバーにいると聞いたからでした。
肝試しといっても、繁華街の真ん中の交差点で数ヶ月前に死亡事故があり、以来その下に亡くなった親子が立っているといった
「よくある」と言ってしまうにもありがちな噂を確かめにいこう、といった可愛らしいものでした。
少なくとも、その当時の僕たちには「可愛らしくて」「胸踊る冒険」だったことは確かです。
週末の夜、時間は11時を少し回った頃だったと思います。僕らは連れ立って件の場所へと向かいました。
繁華街の真ん中、交差点の脇、少しネオンが途切れたところ。
向かうにつれて、僕はそれが「黒田くんがギターを弾いていた場所」だったことを思い出しました。
高揚していた気分が見る間に萎えていきました。
本当に「出る」としたら、あんな場所で黒田くんがギターを弾き続けているというのもおかしな話です。
彼の性格ならば、もし何か見たとしたら次の日にはクラス中に話が広まっているはずです。しかも、尾鰭背鰭がたっぷりついて。
すっかり「肝試し方面」への興味が失せてしまった僕は、好きだった女の子の後姿でも鑑賞していようと視線を上げました。
彼女の髪の向こうに見えたのは、くだんの交差点でした。黒田くんのひょろっとしたシルエットが見えます。
やっぱり、何も出るはずないじゃないか。バカらしいな。
他のメンバーにとっては思いもかけずそこにいた黒田くんと、黒田君のギターにすっかり注目が集まってしまったのを尻目に
僕は完全に白けてしまいました。
231: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:36:06 ID:aOHQPdOQ0
「ここ、幽霊出るんでしょ?怖くない?」
「え、俺何も見ないよ。肝試しみたいな感じの奴ら、他にもちょくちょくここ通るけど皆白けて帰ってくもん」
幽霊なんて出ないよ、と笑う黒田くんにつられて皆が笑うわけですが、今度は逆に僕のほうが怖くなっていました。
「え」と言ってから「俺何も見ないよ」と続ける間に、彼は僕のほうを伺うようにちらっと見たのです。
黒田くんがここでギターを弾いているのを、それも恐らくは毎晩のようにここにいるのを知っているのは
その時点では僕だけだったのでしょう。
その僕を警戒するように見てから、「何も出ないよ」と彼が言った理由は分かりません。
それでも、僕は直感的に思ったのです。黒田くんは何かを知っていることを。
232: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:36:56 ID:aOHQPdOQ0
その後、せっかく集まったのだからとカラオケに行くメンバーと別れて、僕は家に飛んで帰りました。
一学期の最初にもらったきり、家の電話の横に吊るしておいたクラス名簿を引っ張り出して
黒田くんの電話番号を探します。かけようかかけまいか迷いつつ、視線が番号を見つけるとすぐに
PHS(当時高校生が持たせてもらえるのはPHSでした…)を持って部屋に引っ込みました。
なぜか震えて仕方ない指先で番号を押すと、階下から姉の呼ぶ声がします。
「黒田くんって子から電話!!」
その瞬間、この後何度となく黒田くんと味わった恐怖の中でも最大級の恐ろしさが体を駆け巡りました。
階下まで何とか行って、コードレスホンを受け取ったのはいいのですが、とてもではなく恐ろしくて
ひとりきりで黒田くんと話す気にはなれません。会話を聞かれることを承知で、姉と弟、父のいるリビングの端で
受話器を耳に当てました。
「ああ、俺。ごめんな、遅くに」
真夏に冷や汗をたっぷりかいて、歯の根も合わないほどに震えている僕とは裏腹に、いつも通りに黒田くんは話しかけます。
何してた?とか、俺も今帰ったところでさ、とかしばらく当たり障りのないことを言い続けていてくれましたが
僕が何も言わないので、やがてちょっと困ったような声音で言いました。
「さっきのことだけどさ。お前には、もう一回見られちゃってるんだよな。だから話すよ」
233: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:37:32 ID:aOHQPdOQ0
死んだ人っていうのは、自分が死んでること分かってなかったりするんだ。
分かる暇もなく死んじゃったりすると、呆然としてずっとそこに残っちゃったりする。
ただ、すごく大事なものだったり、すごく大事なことだったり、そういうのがあったことは覚えてる奴が多いんだ。
あそこにいたのは、小さい女の子の親父さんだ。女の子はいない。
親父さんは、「死ぬ」って認識する前に「大事な可愛い小さな娘が血を流してる」ことを心に刻んじゃった。
小さな娘の一大事の前じゃ、自分が死んでるなんてことは些細すぎるのかな。
娘を助けなきゃ助けなきゃとは思うけど、どこに助けを呼んでいいのか分からない。
自分たちの目の前をたくさん人が通っていくのは見えるみたいで、ずっと必死に助けを呼んでる。
でも、誰も振り向いてくれないんだ。たまに振り向いてくれる人がいても、皆怖がって逃げちゃうんだ。
それって、どんな気持ちなのかな。
あの親父さんは、この世で一番大事な命が自分の腕の中でゆっくり息絶えていくのを、ずっと感じてるんだ。
それって、どんな気持ちなのかな…?
俺があそこで何をしてたかって?いや、だからさ。親父さんとずっと話してたんだ。
たすけてくださいたすけてください、わたしのむすめをたすけてください、ってあの人泣きながらずっと言ってるんだ。
だから俺は、もうすぐ救急車が来ますよ、娘さんは助かりますよ……って。
何時間かそうしてたら、親父さんやっとありがとうございますありがとうございますって泣くのやめるんだけど
次の日行くと、やっぱり俺の顔見てたすけてくださいいいいいぃい!!って叫ぶんだ。
だから、毎日あそこにいる……。
気休めでしかなくても、いつかあの親父さんが娘さんはもう、「助かって」るんだって分かって傍に行くまで
出来たら一緒にいて、救急車呼びましたよって言いたいんだけどなあ?
234: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 15:38:29 ID:aOHQPdOQ0
そう言って、彼は電話の向こうでやっぱり困ったように照れたように笑いました。
別段目立つこともなく、本当にごく普通にクラスに溶け込んでいた黒田くんは、「目立つこともなく、ごく普通に」
することに対して、ものすごく骨を砕いていたように思います。
真夏の道端に何時間も「普通に立っている」ために、面白半分で来る僕らみたいな奴に「俺はずっとここにいたけど」と
ごく普通に言うために中学生の時に始めたのだというギターは、相当うまいと僕は思っています。
「ブーンが精神病になったようです」でカーペンターズの「sing」を久しぶりに聞いて書き込んでみました。
当時の雰囲気をそのまま伝えたくてあれこれした結果、超長文になってしまいました。申し訳ありません。
240: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 18:43:06 ID:AUDG77TO0
>>234
GJ! かなり読みやすかったよ!
243: 本当にあった怖い名無し 2006/04/03(月) 21:44:18 ID:jE68OhLO0
>>234
GJ
浮世離れしてない霊感のある人の話はちょっと新鮮だったよ
他の黒田君に関する話もうpきぼん
320: 本当にあった怖い名無し 2006/04/04(火) 22:37:11 ID:NYqXzXnp0
富田さん
おかしな訪問客、っていうのなら経験がある。
居間でテレビを見ているとチャイムが鳴った。今のご時世、何があるか分か
らないのでインターホン越しに話すため、受話器を取った。
訪問客「あ、富田さんのお宅ですか?」
うちは○谷と似ても似つかぬ名字。門にも表札はあるし、玄関フードの中
にも表札はしっかりと付けているし、ちゃんと見ろよとムカッとしながら
「違いますよ」
と返すと、「すみません」と言い残し去った。
ちなみに居間の窓からは門⇔玄関の通路がバッチリ見え、私は電話の子機
で応対に応じていた。その通路がしっかり見える場所で。
母がすぐ近くにいたので、事を簡単に話すと
「近所に富田さんっていないはずだけど…。表札見れば分かるのにね」
と話しながら『次はどこのお宅に行くんだろ』と気になっていたので、
窓からその人の行動を見張っていた。しかし、なかなか現れない。
玄関から門までなんてものの8mだし、そんな10分もかかる大豪邸じゃ
ない。なんで現れないんだ?と不思議に思い、2分程経過してから玄関
に出てみた。しかし居ない。
321: 本当にあった怖い名無し 2006/04/04(火) 22:38:52 ID:NYqXzXnp0
両隣は高めの塀があるし、構造的に何事もなく越えるのは困難。後ろの家
には犬が2匹庭で飼われていて、その家の敷地内を抜けて行くのでも、よ
く吠える犬の真ん前を通って行くため、まず吠えられるだろう。起きてい
たし。
となると、その訪問者が出入りするのは門である一方しか無くなる。しか
しずっと見張っていたため、それも無し。こういうのも何だけど、その訪
問者が異界の者だとしたら話が早くなってしまう。
翌日、隣の竹田さん(70歳ぐらい)と話す機会があって、昨日変な人が来な
かった?と聞いてみると「昨日は誰も来なかったよ」と。内容を話すため、
「富田さん」という名字を出すと竹田さんが反応した。
竹田「あぁ~。富田さんね。○○ちゃんの家は中古だけど、前の前に住んで
いた人が富田さんって言ったかな。挨拶も無く、まるで夜逃げのようにどこ
かへ引っ越して行ったなあ。その後空き家になって、入った家族が居たけど
すぐに引っ越したよ。でも富田さんがいたのも10年近く前だし変だね」
いくらセールスだといっても、何故10年も前の情報なのか不思議。ちなみに
某大手ピザ屋でバイトをしているため、半径500mの地図をバイトが終わった
後に見たけど、富田さんという家は無かった。
念のために町名違いで条・丁目が同じ、或いは1つ違いも調べたけど該当無
し。
姿が見えない、表札があるのに聞く、周辺に富田さんはいない、10年前に住ん
でいた人の名字。こう重なると訳が分からなく怖い。
あまり幽霊とか信じないたちだけど、さすがに信じたくなった一件。
322: 本当にあった怖い名無し 2006/04/04(火) 22:41:17 ID:qg7vFFKi0
>>321
振り向けば富田さん
323: 本当にあった怖い名無し 2006/04/04(火) 23:01:43 ID:UraRFoAA0
こええ!