722: 2/5 2006/10/30(月) 12:02:14 ID:jJphJYCV0
しかし一年ほど前から、様子が変わった。
いつも入念に手入れされ常に美しかった庭に雑草が生えたり、
毎日の打ち水と盛り塩がされなくなったり、
今までみたこともなかったAさんの親戚(と名乗る人物)が
『Aさんの家はどこですか』と近所に聞いて回ったりするようになった。
そして、朝晩さっそうとスポーツクラブに通っていたAさんの姿を誰も見なくなった。
そして半年前、Aさんの親類という女子高生が
泣きながら半狂乱で、たまたま庭を手入れしていたうちの母に助けを求めてきたのだ。
誰も知らなかったがAさんはがんで、見つかったときは末期だったそうだ。
女子高生はAさんの姪で、両親からAさんの様子を見てこいといわれたのだ。
Aさんは入院してからも『死ぬまで家を離れたくない、手放したくない』と言っていたのだが、
子供のいないAさんの遺産を狙った親戚が、まだ生きているAさんの目の前で遺産争いを起こし、
Aさんは逆上して親戚を全員追い出し、その晩病院を抜け出してしまった。
おそらく自宅に帰っただろうというわけで、『子供なら会うだろう、とりあえず様子を見て来い』
と彼女を家に向かわせたのだ。
しかし合鍵を使って家をあけた彼女が見たのは、自室で首を吊ったおばの姿だった。
『おばさんはかわいそう、うちの親もおじさんたちも着物とか宝石とか家とかそんなことしか興味ないみたい』
と彼女は言って、また泣いたという。
(俺は会ってない。美人だったらしい。痛恨。)
葬式は行われなかった。
723: 3/5 2006/10/30(月) 12:03:00 ID:jJphJYCV0
警察の一通りの捜査が住んでから数日後、一度どうやら例の親戚が家に集まっていたようだが、
あまり物を持ち帰っている様子ではなかった。(貴金属など小さいものは知らないが)
さすがに自殺となると気持ち悪かったのだろうか。
しかしその次の晩から近隣住民は悩まされることになる。
どういったわけか、二階の窓が一つ開けっ放しのままで、電気もつけっぱなしである。
そして部屋の中に和服がかけてあるのが見える。
夜になるとそれがわずかな風でもゆらゆらと揺れて、まるで人の後姿のように見えるのである。
珍走団のDQN高校生が肝試しで侵入していたずらしたんだろうとは思ったが、それにしても不気味だった。
親戚とやらに連絡してとりあえず一度は窓を閉め、着物を下ろし、電気を消してもらったのだが、
数日後、また電気がついていて、今度はガラス戸の向こうにゆらゆらと何かがゆれている。
もう、いたずらだろうがなんだろうが、あれは恐ろしかった。
724: 4/5 2006/10/30(月) 12:04:24 ID:jJphJYCV0
三ヶ月はそのまま放置されていたと思う。
そしてなんの前触れもなく解体工事が始まった。
これがまたとんでもないDQN業者で、
『いついつからこういう工事をするのでよろしくお願いします』などの挨拶も全くなし。
周りに幕を張ったり音に気を遣うなどの配慮もなし。
そして工事も解体というより破壊だった。
庭の灯篭をショベルで壊すことから始まり、
ガラスは全て金属パイプでかち割るし、家具も鏡も叩き割っていた。
庭には高そうな食器や陶器が並べられていたが、
昼休みにはそれを壊れた灯篭に投げつけて遊んでいた。
あまりの騒音に隣の家の住民が苦情を言ったのだが、
鉄パイプを持った、がたいのいいDQNがガムを噛みながらやってきたら、
誰でも対応は一つしかないと思う(笑)
『あと数日なんで~~がまんしてくれますかねぇ~~すいませんねぇ~~』といわれたら、
はいとしか言えないだろう。
庭でたまに何か燃やしていたが、もしかすると和服かもしれない。
トラックに積み込んでいた家具の残骸なんかを見ても、本当に上等なものばかりだった。
この家だって財産だって、別の家の遺産をいわば横取りして築いたもの。
だから自業自得かもしれない。
しかし、本当に上質のものだけを選び抜いて築き上げ、最後まで守りたかった家を
こんなDQNに荒らされ、破壊されつくすのは辛いだろうな、とつい思ってしまった。
最後は巨大な重機で家を横からなぎ倒し、上から押しつぶしてから
家の基礎部分まで地面を削り取り、工事は終了した。
何もかもが瓦礫となった後にもっていかれ、本当に他より地面が20cmくらい低くなっていた。
どういったわけか柵だけは残されたが、
事情を知っていれば何もなくても誰も立ち入ろうとしないだろう。
725: 5/5 2006/10/30(月) 12:05:04 ID:jJphJYCV0
そこに一週間前に行って来た訳だが。
元々飼い猫が家を逃げ出してそこの敷地でにゃーにゃーいうから
仕方なく門を押し開けてそこまで行った。
抱き上げてふと地面を見てぎょっとした。
ちょうど男の手のひらにすっぽり入るくらいの、丸い手鏡。
紫色の房飾りがあったようだが、すぐ目をそらしたのでちゃんとは見ていない。
それが割れるどころか傷も汚れもなく、ぽつんと落ちていた。
あれだけの破壊の後でなぜ、というのもあるけれど、もう一つ理由がある。
うちは神道だが、仏教で言う位牌の代わりに神道では鏡を使う。
鏡は『みたまさま』と呼ばれ、葬式では鏡に魂を移す作業もある。
その『みたまさま』と鏡が、ソックリに見えたのだ。
見た瞬間、背中がぞくりとして嫌な汗が出た。
すぐに引き返したが、門で一度振り返ると夕日をきらりと映していた。
ネコもろとも家の前で塩祓いしたのはいうまでもない。
彼女は荒地となった今もあそこを家としてとどまり続けているのだろうか。
66: 本当にあった怖い名無し 2006/11/02(木) 17:35:03 ID:duxot+t4O
【ふと下を見たら…】
今から8年前、命に関わる職場いじめに遭い、同時に自分の人格全てを否定された私は、自殺を決行しました。
遺書と遺言(保険証書の置き場や貯金の渡り手等)を財布に入れ、セキュリティの甘い古いマンション(賠償金が安いかと思った)の最上階の通路にいました。
酒と睡眠導入剤のおかげでラリって変なテンションで「さぁ飛ぶぞ!」と身体を乗り出した時、ふと下を見たら…
いました。先客。
でもおかしいのです。今の私と同じ髪形。同じ服。
今私が着ている服は、非売品なのです。同じ服を着ている人などいるはずがありません。
「あの世」という新天地を求めて飛ぼうとする、高揚した気持ちが一気に冷めました。
68: 66 2006/11/02(木) 17:44:48 ID:duxot+t4O
続き。
「先客?誰?ってか何かおかしい!」
と思いながら、下をよく見ました。
死体は有り得ない方向に足を曲げ、背中から背骨を飛び出し、頭からは脳が出て…
とにかく「醜い」状態でした。血生臭い匂いと、何か焦げた様な匂いもしました。下の匂いが届く筈もないのに。
「アレは数分後の私だ!」と気付き、「あんな姿になるならやめよ…」と自宅に帰りました。
帰ったら母が「お帰り。間に合ったね。」と言いながら頭をなでてくれました。
73: 66 2006/11/02(木) 18:09:33 ID:duxot+t4O
最後。
母は何か知っている様子でした何も語りませんでした。
その後、職場イジメは急激に軽度化すると同時に私の仕事が認められ、味方や友達も出来、円満退職しました。
今でも、私が飛び降りるより先に死体になっていた「私」の正体はわかりません。
ですが、「早まって自殺した私」の姿を見たおかげで今も私は生きていられます。
164: 本当にあった怖い名無し 2006/11/03(金) 15:53:44 ID:sQFzNoyr0
【河原の石】
私は全くの霊感ゼロ、その手のものは何も見えないし感じません。
それでも取り敢えずはヤバ気なモノや場所には触らない、近づかない、と、
最低限の自衛はしているつもりです。何らかの理由があるからタブーになるのでしょうし。
家族では母が同じく見えない人で、更にこの人、性格が超アバウト。
趣味で生け花というかアートフラワーというか、花のデコレートをしているのですが、
石をあしらうのがこのごろのマイブームらしい。
で、家族が散々止めろ店で買えと言って聞かせるにも関わらず、
「これ素敵でしょー」と石を拾ってきてしまうのです。河原の石を。
知識として知っている私と妹、経験として知っている父は
そのたびごとにちょっと疲れることになるのですが、先週末はマジ洒落なりませんでした。
両手のひらに乗るくらいのその石を見せられた瞬間、あ、ヤバいと思いました。
だって表面に黒い蛇の模様がのたくっているのです。
「おかーさま、これは一体なんですか」
緊張のあまり無意味に敬語です。
「川で拾ってきたの。綺麗な模様でしょ」
母、嬉しそうです。そりゃそうでしょう。単純に模様と見るならば綺麗だもん。
でもただでさえ河原の石はとても危険、更に蛇の模様…何が入っているのか…。
私では鑑定のしようがないので、「うっすらとわかる人」である妹を呼びました。
部屋に入ったとたんに妹絶叫、悲鳴に呼ばれて父登場。
「どうした…お前なに拾ってきた!!」
父は見えるどころか、拝み屋家系の出です。(職業は元サラリーマン、現在はリタイア)
それも「女なら本家が(養女に)取ってる」と言われた程の逸材だったりします。
こういう人でこういう家系にどうして全くの一般普通人の母が嫁いだのか
今でも議論になるところですが、逆に言うと母のようなアバウトかつ楽天的な人でなければ
父の妻は務まらないんじゃないか…という人です。
165: 本当にあった怖い名無し 2006/11/03(金) 15:54:29 ID:sQFzNoyr0
この後は凄まじかった。いえ、除霊などではなく父と母の議論が。
捨てる捨てないで激しく言い争う両親。響きが非常に乱暴な方言を駆使するので、
傍で聞いているとまるっきりDQNの喧嘩です。我が家にとってはいつものことですが。
あーあ…と眺めていたのですが、ふと見ると妹が半泣き状態。
そんなに怖いものなのかと訊くとそうだと言う。
妹の力は、先に書いたとおりうっすら分かる程度のものです。
「あんた、何見えてんの」
「蛇がお母さんの首に巻き付いて、口から入ろうとしてる」
それが物凄くはっきり見えるらしい。
「入っちゃったらどうなるの?」
「わかんない。けど嫌だ怖い」
それはそうだ。妹と目と目で通じ合い議論に参戦、三人がかりで母から石を奪うことに成功しました。
石は父が厳重に保管し、本家で母のお祓いとセットで丁重に処分したとのことです。
後日、父に妹が見たことを話し、蛇が入ったらどうなるのかを訊きました。
父は一言、「食われる」と。
詳細は幾ら食い下がっても教えてくれませんでした。
なにが嫌って、母、また同じことをしそうで…石が欲しいなら店で買って下さいお母さん…
498: 本当にあった怖い名無し 2006/11/05(日) 21:58:14 ID:pMcEtMtY0
【窓の外の人影】
今一緒にいる友達がさっき怖い体験をしたので
その友達に代わって俺が書いてみようと思う。
分かりにくかったらスマソ、
俺はあまり文章力が無いもんで…。
ついさっき、確か8時半位だったと思うが
あまりに暇だったから友達に電話をかけたんだ。
したらいつもテンション高めのそいつがやたらテンション低いんだよ。
「今すげー怖い事があった…」なんて言うもんだから何があったん?って聞いてみた。
んで、そいつは俺が教えた洒落怖まとめサイトを見てたらしいんだが、
どうもその読んでいた怖い話に中てられて気分が悪いらしい。
まぁそれだけなら大丈夫なんだろうが、鼓膜が割れそうな程の耳鳴りが始まって、
窓の外から視線を感じるというのもあったらしい。
そいつの部屋は2階で、しかもその窓は人が上れるようなところでは決して無いと言う。
あまりに怖くて部屋を出てリビングに移動したが怖くて仕方無いというから
じゃあネカフェでも行こうぜ~なんて誘って今ネカフェから書き込んでいるんだが。
そいつとはネカフェ付近のコンビニで待ち合わせをした。
んで、コンビニまでずっとそいつと電話で話しながら歩いてたんだ。
続く。
499: 本当にあった怖い名無し 2006/11/05(日) 21:58:44 ID:pMcEtMtY0
続き。
そいつは家がコンビニから5分くらいのとこだから俺がコンビニ近くなってから家を出た。
そんで、まぁやっぱり気になった訳だ。窓の外の視線の正体が。
家を出たところで振り返って自分の部屋を確認してみたらしい。
したら視線を感じてた窓の外に人影があったらしいんだ。
そいつの視力は相当悪くてしかも夜だし、見える筈無い。
でもハッキリ見えたらしい。足は無かったと言っていた。
雰囲気からしても生きている人間では無いと確信できたらしい。
その人影が窓に両手をついて、部屋の中を覗く後姿がハッキリ見えたんだと。
見間違いであってほしいという気持ちも後押ししてか、4秒くらい見てたらしい。
(この間、ずっと俺と電話で会話してる。つまり俺はリアルタイムで中継されてた訳。)
んで、4秒くらい見てたらそいつが振り返りそうな感覚がしたらしい。
で、即効見るのをやめて走り出した。
結局その影が振り向いたのかどうかは分からなかったらしいが…。
今ネカフェでそいつに見てもらいつつ俺が書いてる訳だが。
この体験の原因(?)であろう洒落怖のまとめサイト、その時読んでた話が思い出せないらしい。
記憶が飛んでる、というか何となくは分かっているんだがその部分だけ抜け落ちているそうだ。
それと、そいつが家を出る前に自室のベッドに放ってあった900円が消えたらしい。
サイフに入れた自信はあるんだがサイフには入ってない、という感じで。
絶対に入れたと確信あるんだが実際は入ってなかったんだ。
それも何か関係あるんだろうか?
長文スマソ、まぁこんな感じだ。
583: イエティ 2006/11/06(月) 15:41:29 ID:JWipG5A5O
【スキー場で見たもの】
この話は先日私が旅で猪苗代にスキーに行ったときの話です。
猪苗代につき、スキー場行くと人があまりいなく、すいていました。
私はラッキーと思い、友達と早速、滑走路へと出向くと、友達が
「ねぇA(私)下に何かくねくねしたものがいるんだけど…」
といったので私は下方を見ると、確かに白いものが雪とカモフラージュをしながらくねくと動いていました。
その時は別に怖い(恐い)という感じもなかったので友達と一緒にその場所に滑っていきました。
そして、さっきくねくねがいた場所につくと遠くから
「おーい!!あんたら何してんだ!!」
旅館の人が血相かいて呼んでいました。
私たちは雪崩がよく起きる場所なのかと思い、戻ろうとすると耳元で小さな声が聞こえました。
「助けて…」
振り向くとそこには、でかい獣(イエティ?)に掴まれている、友達がいました。
私はその獣の大きさに(4Mはあっただろう)驚愕してその場から動けなくなってしまいました。
するとパーン!!という音がしました。
旅館のひとが熊ようの銃でその獣をうった音でした。
その音で我に返った私は友達の方を見ると、何とか逃げ切ったらしく私のところまできて、泣きながら
「早くかえろう!!」
と取り乱しながら訴えました。
その後、旅館にもどり、聞いてみたところ、私たちは立ち入り禁止の場所に足を踏み入れていたらしく、そこには熊も出れば、イエティも出るという噂が昔からあったそうです。
ただ、不思議なのは、行く道と帰る道の距離が明らかに違っていたことでした。何故、あまり遠出しなかったのにあの場所(旅館から5km)にいたのだろう…。
今でもその時の話は友達とします。
この話は創作ではありません。
606: 本当にあった怖い名無し 2006/11/06(月) 20:37:01 ID:r/4stHtP0
【検体回収】
土曜に昔の仲間にあって思い出した話をします。
皆さんは検体回収という仕事を知っているでしょうか?
主に検査会社などの仕事で、病院などを廻って、外注検査に出す血液などを回収してくる仕事です。
大きな病院なら検査設備が整っているのですがそれでも特殊な検査になるとたいがい検査会社に外注依頼します。
中には警察署などから薬物検査や変死体などの検体を回収してくる事もあります。
私はとある大手の検査会社に営業として勤務しておりました。
回収に赴くのは主に女性です。
病院というのは難しい人が多い上特に気難しい人が多い検査室などは神経の細やかな女性のほうが喜ばれるからです。
その年、とある大病院の特殊検査を落札しました。
はじめは私が回収にお邪魔していたのですが、だいたい内容もつかんだので一人女性を新規に採用しました。
彼女の名前を仮にAさんとすることにします。
Aさんは初めこそ慣れない検査用語などで苦労していたようです。
しかし物覚えの良い人で、2週間後には一人で回収に行ったり検査報告書のチェックが出来るようになりました。
2ヶ月ほど経った頃、いつものように検査報告書をチェックしていたAさんが私のところにやってきて
「ちょっと心配な患者さんが」
と言ってきました。
私はてっきり検査報告書に不備でもあったのかと思い、聞き返すと、
「この患者さん・・・私と同じ年なのに白血病みたいなんです」
と言うのです。
こういうことはたまにある事で、例えば子供のいる人などは「この子3歳なのにリウマチで可愛そう」とかいう話を雑談しているのを耳にしたりします。
私はああ、彼女は優しいんだなと思いその場は彼女を慰めて終わりました。
607: 本当にあった怖い名無し 2006/11/06(月) 20:37:37 ID:r/4stHtP0
ところが・・・
白血病というのは化学治療のクールごとに成果を見るためにマルクをして染色体検査や細免検査などをして陽性率を見たりします。
また感染症にかかる場合もありますので度々検査に出るのです。
他にもそういう患者さんがいます。
なのにAさんはその患者にまるでとりつかれたみたいになりました。
その患者の検体が出るたびにそわそわしたり苛立ったりするようになりました。
何度も検査室に報告日を問い合わせたり報告書が来る日は誰より早く来たりするのです。
最もこれは後から同じ回収班の女性から聞いたことで、当時の私は気づかなかったのです。
しかしそのうち彼女は帰着予定時間を過ぎたり明らかに以前と異なる様子になりました。
体も痩せ笑顔もなくなり無口になりました。
そんなことが続いて半年もたったころ、彼女が突然無断欠勤したり遅刻したりするようになりました。
出勤しても一言謝るだけ。私は彼女がこの仕事に向いていないのではないかと上司に話し、辞めて貰う方向を取る事になりました。
あの日も彼女が無断欠勤をしたので私が回収にいったのです。
帰りに内科の医師に病理検査について聞きたいので、と言われて病棟に立ち寄りました。
そうしたらやせ細った体の彼女がNSステーション前のある個室でぼーっと立ち尽くしているのを見たのです。
一瞬声をかけようかと思いましたが怖くて、ぞっとして声をかけられなかったのです。
最初に採用した時の彼女とはまるで異なっていました。
NSステーションで医師と話しながら心は上の空でした。
彼女には二度と会いたくない、辞めてもらおうと心から思いました。
帰り際彼女の立ち尽くしていた個室の前の名札を見ると例の患者さんでした。
やっぱりと思うと同時に吐き気がこみ上げて来てトイレで吐きました。
彼女にはすぐに辞めてもらいました。
それからしばらくたって、その病院の精神科から出た検体に彼女の名前がありました。
それからなおしばらくたってその病院の中庭に飛び降りて死んだ患者さんの話を聞きました。
それはAさんと同じ苗字でした。それ以上は怖くて聞けませんでした。
長くてすみません。
705: 4/1 2006/11/07(火) 19:19:54 ID:SS+/UuN30
【妹】
私には妹が一人いる。
妹は小さい頃“お兄ちゃん。今、あの人~~~って思ってたね~~。”
という話をよくしていた。
最初のうちはそんなに気にならなかったが、
ある日、私は妹がなぜこのような話し方を頻繁にするのか理解した。
私の叔母は一度交通事故で入院したことがあった。
当時の医師の話では99%助からず、仮に助かったとしても
一生介護が必要となるとの事だったのが、叔母の悪運
は強く今でもぴんぴんしている。
叔母が事故に遭った次の日私と妹は両親に連れられ
叔母が入院している病院に行った。
其の日は私達のほかにも親戚が何人か見舞いにきていた。
其の中には私の祖父の兄夫妻もいた、彼らは私達2人
を見つけると私達に軽く挨拶してくれた。
そして“叔母さん早く良くなるといいね。”と一言声をかけてくれた後、
すぐに帰っていった。夫妻の姿が見えなくなると
妹が私にこういった。
“今のおじちゃん、叔母さんが死ねばいいと思ってたね。”
私は妹を“他人がやさしい声をかけてくれたのに
其の人たちに向かって失礼な事を言うな。”と叱った。
妹は泣き出して、妹の泣き声を聞いた母が私を叱りにやってきた。
私は状況を母に説明すると、母は困ったような顔をして
妹を慰めた。
707: 2/4 2006/11/07(火) 19:21:07 ID:SS+/UuN30
其の日の夜、母は私に病院であったことを話してくれた。
其の日祖父の兄夫妻は私の母に、私の叔母(母にとっては実の姉)
が植物人間になったら大変だ、そうなるくらいなら・・と言う話
を本当にしていたらしい。そして妹がこういう他人の心理に対して
異常に敏感なのは母はかなり前から知っていたと言う事も
打ち明けられた。
私は他人にこの事を話さなかった。それから妹には
たくさんの質問をした。当時一番怖かったのは
自分の心も妹に読まれるのではないか。と言うことだった。
妹が言うにはいつも一緒にいる人の心はよく見えないらしい。
この話を妹とするまで妹は私も妹と同じように
人のことがわかっている物と思ってたらしい。
其の後何度も妹に自分が今何を考えているか当てさせて、
ぜんぜんあたらないのを確認して安心した覚えがある。
708: 3/4 2006/11/07(火) 19:22:01 ID:SS+/UuN30
私は夏休みこの妹と一緒に夜カブトムシを取りに山に行ったことがある。
田舎の山でかなり暗かったが、父も同伴だったので、
私は怖くなかった。父がカブトムシのいそうな木
を蹴ってカブトムシを落として私達が拾った。
其の日は入って30分ほど(よく覚えていない)で
クワガタもカブトムシも取れ調子が良かったのでかなり
深くまで入っていった。
ちょっと入って歩いて行った所で妹が後ろに立ち止まって
私と父を呼ぶ。私と父が振り返ると妹は泣き出してしまった。
其のときはまったくわけがわからず、父のほうを見ると父は
妹に駆け寄っていった、私も父の後を追いかけ妹のほうに走っていくと
妹は拍車をかけて泣き出す。其のとき妹が恐怖している対象が
自分のすぐ後ろにいるのではないかと心配になり私も泣き出してしまった。
妹は私達から逃げるように走りながら山を下りていく、
私は泣きながら走り妹に追いつく寸前のところで
派手にこけてしまった。持っていた虫かごもひっくり返し
てしまったが、虫に構っている余裕など無く虫かごも放って
走った。父は後ろで虫かごを拾ってくれたのだが
虫かごの蓋も虫も拾ってこなかった所を見ると父も
相当慌てていたのだと思う。
710: 4/4 2006/11/07(火) 19:22:45 ID:SS+/UuN30
車に乗り込んだところでひとまず落ち着きを取り戻す。
私も妹もしばらく泣いていたが、車が町の灯りが見える
位のところに来ると泣き止んだ。
父は妹に何故急に泣き出したか聞いた。
妹がいうには妹が立ち止まったところの少し前に
白い人が一人立っていたらしい。
更に私達が前に進むと更に何人か増えたらしい。
私達が妹のほうに振り返ると私達の前にいた白い人が
私の腕を掴んで“逃げるな!こっちに来い!”と言っていたらしい。
妹は私を引っ張る白い人が怖くて私から逃げていて、
私がこけたのは別の白い人にぶつかったからとの事だった。
私がこけた後私を捕まえていた其の白い人はどこかにいったらしい。
妹に白い人は服が白いのか肌が白いのか聞いたが
妹はその人たちは色が無いから白いと言っているだけで
実際に何色かは妹もわからないとの事だった。
色が無い=白ではなく、色が無い=透明だと言うことを
伝え透明なのに何で見えるのか問い詰めて喧嘩
したこともあった。声に関しては男の声だったとはっきりと答えていた。
当時しばらくの間“白い人”と言う言葉が私の中で
トラウマとなっていた。父はいまだに私に笑いながら
“白い人が来るぞ~!!”などと冗談で言う。
今でこそ私も笑えるが、当時はしゃれにならなかった。
871: コンビニ 2006/11/09(木) 01:04:41 ID:wo4fJNVb0
【Mからのメール】
10月中旬にちょっとした事があって高校生(以下M)と少し親しくなった俺
まあそのちょっとした事はおいといて11月初旬、つい最近に精神的にも肉体的にも ちょいショッキングな事があった
10月末から同僚(こっちは男/同い年)がやたら遅刻や無断欠勤をするようになって
そんな日は一人で早朝勤務をこなすようになった。
教習所に通い始めたのもあって疲れが溜まるし遅刻しても謝らん同僚にイライラする俺。
Mはその頃から俺に「つかれてんな」言うようになってた。
どっちの意味かは知りたくも無かったので放置。っつーか敬語使え
そんで無性に塩分が摂りたくなっていた。ほら突然ポテチとかカップ麺食いたくなることあんだろ?
あんな感じをもっと強くしたもんだと思ってくれればいいかも
最初はポテチやらカップ麺食ってたんだが物足りなくてアタリメやらつまみのイカそうめんを
かなりの量食ってた。そのうちそれでも足りなくなってマヨネーズとか醤油とか塩を家族の目
盗んでは口にしだしてストレスから来る偏食かと不安になった。Mは「つかれてんな」としか言わないし
11月入って初めて塩のみで過ごした次の日、いつものようにパックジュース一つでレジに並んできたMが
急に真顔になって言った「T(俺の名前)さ、最後に水飲んだのいつ?」
まあ当然(゚д゚)ハア?ってなってそんな事聞かれたってとっさに出てこない。
876: コンビニ 2006/11/09(木) 01:27:31 ID:wo4fJNVb0
というか思い出せない。一昨日の晩ご飯のように出てこない。
いや一昨日はうどんだった、そうじゃなくて。
倒れはしなかったもののレジ続行は
不可能だと判断し呼び出しボタン連打でバックルームに居る店長を召喚して
「吐きそうなんですマジやばいんです」っつってトイレに駆け込む俺。
頃合を見計らって早退し病院に直行。即点滴。脱水症状起こしていたらしい
医者にも水分いつとったか聞かれて首を捻る俺。
マジわかんねーしwwっつったら怒られた
食生活は流石に全部は言えんかったがそれでも怒られて帰宅。
帰宅後もやたら塩が欲しくなってPCのスイッチ入れた直後にフラフラ台所へ
そんで塩舐めてたらPCのフリメにMからメールが(携帯教えるのが嫌だった)。
いつもはメールを滅多にしない上に
してきても長文で怖い話ばっか送ってくるMがたった一行
「窓開けんな」
意味分からんが前回で学習した俺は窓を開けずに動画サイト巡りでもするかな
なんて呑気に構えていた
その時だった。
ドン
窓に何かがぶつかる音。
ヤバイヤバイなんかキター(゚∀゚;)?!と思っておっかなびっくり振り返ると
愛猫が外から帰ってきた模様しかし開けるなというMからのメール。
どちらをとるべきか悩んでとりあえずMにメールを返信
(内容は猫入れるんもダメか?とかそんなだったと思う)。
880: コンビニ 2006/11/09(木) 01:34:08 ID:wo4fJNVb0
数分猫と見つめあってるうちにMから返信
「ドアから入れたらいかんのか」お前頭いいなーっつかドアはいいんかい。
猫を入れて身体を拭いてやり課題を始めて数十分。
学校に向かう時間になったので洗濯物を取り込んで・・・って
窓開けないといかんがな。入れ忘れたことにして妹にメールで頼むかな、
と思ってたら嫌な音が。雨だ。しかもかなり大粒。迷っている暇はない!
近所に聞こえても構っていられるかと歌を大声で口ずさみ思い切って
窓を開けて洗濯物を入れ込む。
家族が多い分量があるので時間がかかり、
入れ終わる頃にふと気付いた雨が降っていない。
大粒の雨の音がいくつかしたはずなのに道路にも屋根にもその跡すら見当たらない
気のせいさ!そうだそうだ!気のせいだ!早く学校に行こう!
と笑顔を引きつらせながら室内に入ろうとしたが無茶苦茶冷気を感じて入れない。
こりゃーもうベランダから飛び降りるしかないかな!
とか思ったけどベランダから下は隣とうちの間にある塀かコンクリのドブなので
下手したら大怪我。びくびくしながら室内を窺うが何も見えないようなので
ダッシュで入って窓を閉めて財布と携帯だけ
持って家の外へ。そんで前回同様早いけどまあいい!学校行こう!
とチャリに乗ったが動かない。あれ、俺鍵抜いたっけ?ボケてんな。
と思ってポケットを探すが見当たらない。抜いたら大体ポケットに入れてるんだが・・・
家の中か?入りたくねえなあと思いながらも恐る恐るドアを開く
で、閉じた。
ななななな何かいる!ハッキリ見えんが(見たくない)が
確実に俺が出る前に居なかったものが居る
一瞬で閉じたので見えたのはせいぜい黒くて
サッカーとかバレーのボールくらいの大きさって事しか
わからなくて人間の頭ってあれくらいだっけとか嫌な想像が浮かんでくる。
過去に妹が乗っていたちょいちっちゃいチャリで行くしかねえと俺は決めた。
883: コンビニ 2006/11/09(木) 01:36:37 ID:wo4fJNVb0
駅に着くまでも目の端にチラチラ黒い丸いものが入ってきたがとにかく無視。
神社の鳥居の上、電信柱の陰、民家の塀の中、郵便局の屋根の上、信号の上、
所々に現れては消える。しかもものすげえ嫌な感じ。
うまく表現できないけど見てるだけでオエってしそう
ついでに言うとまだ塩分が摂りたいのは変わらなくて途中で
バイト先ではないコンビニで塩のポテチを買って食ったが足りなかった。
駅に着いたのは夕方で丁度高校生の帰宅ラッシュ。
ああ居るなと思ったMはやっぱり居て俺の顔を見るなり
「開けるなって言ったのに馬鹿だな」なんて言いやがった。
もっと分かりやすく言え!と怒るといきなり俺の背後を指差した。予想はついた。
「アレ」が居るんだろう。最早生首決定していた俺は絶対振り向かねえと断固拒否。
しかしMはいいからいいからっつって
振り向かせようとする。見たくないんだよ馬鹿かこの高校生。
何を言っても聞く気はないらしくとにかく振り向けの一点張り。
振り向けば直るのかと聞いても答えない。
しかしここで押し問答をするわけにも行かないし
駅前で言い争って交番に呼ばれたくも無い。
大人な俺は(周りに人が大勢いたのもあって)振り返ってやった
885: コンビニ 2006/11/09(木) 01:41:44 ID:wo4fJNVb0
俺の目の前1メートル前後にあった黒い塊は生首ではなく大量の虫だった
とにかく虫、虫、虫
種類なんか判別できんほどびっちりびっちり虫がくっつきあって犇めき合って
バレーボール大くらいの大きさになっている。
俺は虫苦手じゃないが流石に飛びのいた。
咄嗟に「殺虫剤とか効くのか」とMに聞くがMは笑って
「効くわけないじゃん馬鹿だな」と言う。
Mが宙に浮いたままの塊をしっしっと手で払うと
一瞬でバラけて何もなかったかのように消えた
何だったのかと聞いてもMは答えない。猫が狩ってきた虫か?とか
今まで殺した蚊か?とか聞いても「馬鹿だな」と言うだけで肯定はしない。
ただ、あれと塩は関係あるのか?と聞いたら「しお?」と
聞き返して少し悩んでから「ああ、塩ね。あるよ」と肯定した。
886: コンビニ 2006/11/09(木) 01:42:45 ID:wo4fJNVb0
簡単な説明してもらって駅で別れて電車に乗ってから数分後に
ものすごい喉の渇きに襲われて下車。売店で水を二本買っていっき飲み。
治った事を実感しつつそういや3回馬鹿って言われた事を思い出して頭に来た。
Mの説明は分かりにくかったがつまり虫の幽霊(生霊?)みたいなものらしい。
それの一部体の中に入るととにかく何か偏ったものが摂りたくなるとか。
ドアからは入らないが窓からは本体?みたいなモノが
狙っていて危ないとか胡散臭い説明だった。
本体に接触したらどうなるんだと聞いたら「明日は会えなかったなあ」とか
意味不明な事を遠い目で呟くのでそれ以上は聞かなかった。
説明がよくわからんと文句を言うと
「まあアレは世の中にあるうちのほんの一部だから」と
自分の説明下手を誤魔化しやがった。というかあんなんが
世界中にうじゃうじゃ居たら困るわ。そう言うとMは
「人間も虫も大差ねえよ」と笑った。
つまりそれは人間にもあんなのがいるって事だろうか。
そしたらそれはサッカーボールとかの比じゃねえのか
とはさすがに聞けなかった
長くなって失礼
個人的に超ショッキングだったもので