539: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 04:34:53 ID:EynDaDz10
影が胸の辺りまで湧き上がってきた時、その黒い顔に突如目が現われ、
鋭く、こちらを睨んでいました。しかしよく観ると兄の顔だったのです。
そして地を這う様な低い声で私に言うのです
「己の守るもの…」そういうと黒の塊はまた融け始め、消えていきました。
で、そこで本当に目が覚めたのです。はっと目を開けて
さっき兄が沸いてきた敷居のあたりを見たのですが、もちろん何もなく、
ただ私は汗びっしょりでした。出てきたのが兄だったのでさほど恐怖心は無く
なーんか兄にあったんかなー?と思っていただけでした。
そのときは兄は同居して一階に部屋があったので、なんかあったら母が騒いでる
だろうし。で、その翌日。そういえば最近は兄と顔をあわせてなかったので
母に「お兄ちゃんどした?」てきくと「お兄ちゃん結婚するっていってでてったよ」と
「えー知らなかった」まじにぜんぜん聞いてなかったのでびっくりしてそういうと
「前から考えてたみたいだけど公務員官舎が空くから入籍して引っ越すみたい」
とのこと。奥さんはおとなしい人で披露宴とかはしたくなかったで、挙式は
二人で海外でというプランにしたらしい。
あの夢は兄が家族から遠ざかるからみたのでしょうか?泣いていたのは
妹の私に何も言ってくれなかったからなのかな?よく解りません。
でもあの私を睨む兄の目は今でもはっきり思い出せます。
長文スマソ…
541: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 05:53:30 ID:zITPzYQ90
【念写】
どこに書き込もうかと思いましたが、やっぱここにしましたw
死ぬほど怖い事もなくて恐縮ですが、僕自身かなり怯えましたので
気持ちの整理と言う意味でも書かせて頂きます。
僕の会社で、『企画内容のビデオによる説明』というのを会議で行う事になり
担当のA君が自宅のビデオカメラを持ち込み、撮影を開始しました。
事務所内、僕とBさん。営業のCさん、そして撮影者のA君がいました。
つまり、事務所内は4人。カメラを回しているのはA君です。
僕がフリップを持ち、Bさんが企画の説明を行いました。
途中で、営業のCさんが企画案に対して、自分の営業活動をどう行うか
言葉を挟むというものでした。
何度か、ビデオを切り、角度を変えて撮影しました。
10分程撮り終えて、もう一度、念のために二回目を撮影する事にしました。
こうして、全30分程のビデオ撮影が終わり、我々は二回撮影したうち
より良く撮影されている方を会議提出するため、モニターに繋げて
確認しました。
一回目と二回目の間、少し間があり、一瞬(2~3秒間)我々4人の姿が
写りました。そこには、ビデオカメラを持っているA君も写っています。
しかも、ありえないことにその一瞬の画像は、我々の頭上からの
アングルで、我々の二言三言の会話まで収録されていたのです。
その映像を一目見ただけで、僕達は「ええええ~!」と驚愕の声を
張り上げました。どう考えても、カメラを持ったA君が頭上から
カメラを持った自分を含めた4人を撮影する事など不可能だからです。
全員、仕事も忘れて考え込みました。
542: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 05:54:04 ID:zITPzYQ90
幽霊の仕業かと、そんな言葉も飛び交いましたが、別に
異様な雰囲気があったという事も無く、背筋が寒くなるような感覚も無く
しかも、あまりにも当たり前に撮影されていて、ちっとも怖いと言う
感覚ではなかったからです。
もう一度、その2~3秒を見てみることにしました。
不思議な事に、画面左下に位置するはずの椅子や机がありません。
さらに、これが一番変なのですが営業のCさんの顔が左目だけを残し
のっぺらぼうみたいになっていたのです。
勿論、僅かな時間で、しかも頭上からの角度ですから、Cさんの顔の
異変に関しては、光の加減か何かだとは思いますが・・・。
我々は、一つの結論に達しました。
頭上に鏡か、鏡になるような「何か」があり、A君の手にしていた
ビデオカメラが録画状態になっていて、我々の頭上にカメラを向けて
しまったのではないかという事です。
そして、再度それを確認する事にしました。
頭上(天井)には鏡はおろか、それに相当するようなものはなく
画面に映ったA君のカメラは横を向いています。
ここで、はじめて全員ゾ~っときました。
543: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 05:54:38 ID:zITPzYQ90
「やば」を連発するCさん、なぜか嬉しそうでニヤニヤしているBさん。
僕とA君は、言葉を失い、ひたすら「?」に陥りました。
取引先の人で、我々と何度か飲みに行くというDさんに見せると
「うそ」と一言。信じてもらえません。
夜になり、そのDさんから営業のCさんへ連絡がありました。
Dさん曰く、誰もその場にいなかったとなると、それは幽霊とかではなく
映画「リング」みたいな念写じゃないかという事です。
その場にいた4人のうちの誰かが、無意識か意識的にか、たまたま
そのビデオカメラに全員の姿を念写したか。
あるいは、その場にいない誰かなのか。結局、答えはわかりません。
会議用に、その問題の部分と二回目撮影した部分を消し(上から他愛も無い
スタッフの自己PRとかを撮影)無事、会議で使用しました。
ちょっと気がかりな事があります。
A君は、一回目の撮影の後、一度テープを取り出しているのです。
そして二回目を撮影しようという事になり再度ビデオカメラに挿入しました。
ひょっとしたら、この間にテープに何らかの作用が加わったのかも
しれません。
長文、大変失礼しました。 おわり
587: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:07:28 ID:27X+4T+D0
【大食い】
僕がこの話を聴いたのはあるファミレスでだった。
サークルの皆でちょっとした遠出を決行する事となり、
メンバーとの待ち合わせを駅前でしていたんだ。
仲間の一人が親のすねで新車のミニバンを買った事がきっかけだったと思う。
しかし、実際に時間通り現れたのは僕とY二人だけだった。
比較的駅から近い場所に住んでいた僕とYは他のメンバーと違い、
直ぐにつく事が出来たわけだが、僕等の他の皆はバンに乗り合わ
せたため渋滞にはまり、まだここに着くには暫く時間がかかるといわれた。
仕方なく僕らは近くのファミレスで時間を潰す事にした。
588: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:10:50 ID:27X+4T+D0
大食い 2/7
ところでYだが、サークルに入ったばかりの新人で
僕は余り話した事のない人物だった。
内心少し緊張していた僕だったけれど、
Yは聞いていた通り話しやすく気さくな人物で
僕はすぐに安心する事ができた。
僕らは打ち解けあい、何度かくだらない話で盛り上がり
30分ほど時間を潰した後、未だたどり着かない仲間に連絡を入れたのだが、
ひどい渋滞であと一~二時間ほどかかという答えが返ってきた。
しかしまあ、待っていれば迎えに来てくれるのだからと
気楽に構えていた僕らは、じゃあ小腹が空いたから何か軽い食べ物でも
食べようかとはなして注文を始めたのだが、
Yの頼む品目が僕の想像を遥かに上回り、
4~5人分の腹を満たすに充分な量を頼むのだ。
589: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:12:57 ID:27X+4T+D0
大食い 3/7
「いったいどうしたんだ?こんなに一度にお前一人で食べられるのかよ?」
と、僕が聞くとYは
「俺は大食いだからこれくらい平気だよ」
と歯を出してにこりと笑う。
僕はYの歯を見たときあれ?と、思った。
Yの歯の根本が黒ずんでいたのだ。
ああ、たばこか虫歯かな。汚いな。
などと思っていると次々と注文したメニューがテーブルへと並び始め、
それをYは次々と勢い良く食べ始めた。
あまりにも気持ち良い食べっぷりで僕は呆然と眺めていたのだが、
痩身で輪郭の線が薄い彼がどうして体系を維持できるのか気になり始めた。
だから、
「良くそんなに食べて太らないな。胃下垂かなにかじゃないか?」
と聞いたのだ。
Yは
「俺も前はこんなに食べなかったんだ。ある事がきっかけでね」
そう言うと何かを言いたげな目線で僕を見る。
591: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:15:58 ID:27X+4T+D0
大食い 4/7
「ふーん。じゃあ聞かせてくれよ」
少し興味が沸いた僕はYの話を聞きたくなった。
「余り良い話じゃないから食事中は話したくないんだけどな」
そう言いながらYは今は二人だけだし、まぁいいかと訥々と話し始めた。
「俺さ、元は結構小食だったんだよ。そりゃ全く食べなかったわけじゃないが、
まぁ食パン二枚、一日二食で足りるくらい」
そんなYが変わったのは以前の彼女と付き合っていた事が関係するらしい。
初めは可愛い彼女と好き勝手に暮らしていたYだったのだが、
一日何十通もMailを送られ。返信しないとすぐに取り乱す彼女を段々と
煩わしくなっていった。
その上彼女のしつこさは前にも増してきたのだ。
家でトイレに行くといって離れてもトイレの前で待っている程に。
付き合い始めて二ヶ月もするとすっかり熱が冷めてしまい、
彼がある時をきっかけに
「これ以上しつこくするようなら別れる」
と、伝えたらしいのだ。すると絶対嫌。と彼女は言い、
どうしても同意してくれはしない。
仕方なくYは彼女の心が離れるようにわざと突き放した態度を取っていた。
594: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:18:23 ID:27X+4T+D0
大食い 5/7
けれど彼女は諦めず、料理も以前と比べ物にならないくらい
手の込んだものを作ったり、以前のようにしつこい行動もとらなくなったり、
とにかくYの心が離れないよう必死になり始めたと言う事だった。
しかし、一度離れてしまったYの恋心は再び火がつく事は無く、
二月ほどしてから遂には彼女の方から別れると言う同意を得たとの事。
「正直ほっとしたのは確かだよ。だって別れるんだったら俺を殺して
私も死にますって勢いだったからさ。
でもなんで急に諦めがついたのか、そっちの方が俺としては不気味で」
そう言ってYはフライドポテトを口の中に放り込んでむしゃむしゃと食べる。
「でも、それと大食いと何が関係するんだよ」
なんだか確信をはぐらかされている気がして僕はそう聞いてみる。
597: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:20:27 ID:27X+4T+D0
大食い 6/7
「それがどうやらあの女、全然俺と別れる気が無かったみたいなんだ」
そううんざりした顔でYはいった。
その後、別れてから一週間経つかたたないかした頃。
Yの携帯に見た事のない電話番号から電話がかかってきたそうだ。
その電話によると、Yの元彼女はYと別れた後にすぐに自殺したという事らしい。
彼女の住んでいたマンション屋上からの飛び降りたのだと。
それで母親からの電話が彼に届いたのだそう。
なんでも彼女の遺書に私が死んだら彼に日記を渡してくれと書いてあり、
同時に携帯の番号も記されていた。
「俺、嫌だったんだけどさ。受け取らないわけにはいかないだろ?」
それでYの手に渡った日記には、どれだけYの事が好きなのかだとか、
Y無しでは生きてゆけないだとか言った内容がびっしりと書かれていた。
だが、ある日を境に内容に微妙な変化が起こっていた。
600: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:22:52 ID:27X+4T+D0
大食い 7/7
「あの女さ、俺に作った食事に少しずつ自分の一部を紛れ込ませてたんだよ。
爪や髪や血なんかをさ」
日記には今日はカレーライスに極小に刻んだ髪を入れただとか、
ステーキに血を沁みこませただとか書いてあったらしいのだ。
別れると切出したその日から。
最後には「これでやっと一緒になれたね」と書いてあった。
「俺もばかだったよ。味の変化に気づきはしたんだけど、
料理自体豪華になってたから全く気づかなかった」
そう言ってYは泣きそうな顔をしながら話す。
「あいつが死んでからなんだよ。食べても食べても腹が満腹にならないのは。
もしかして俺の中にあいつがいるのかもな」
そう言って笑ったYの歯茎には黒い髪の毛が絡みついていた。
虫歯やヤニでは無く髪の毛だった。
僕はそれからYの顔が直視できなくて外を見ながら話をしていた。
602: 本当にあった怖い名無し 2006/11/27(月) 22:26:26 ID:V1wA3tma0
>>600
ぞーーー
よかった
615: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 00:12:50 ID:crqTqEJ20
【白黒写真】
僕がまだ中学生だった頃の事。
僕等の中学校の校舎はまだ今では珍しい木造で僕が丁度二年目を終える頃に
旧校舎は取り壊し、新しい鉄筋コンクリートの校舎が作られる事となった。
お陰で僕等の貴重な最後の一年はプレハブと言う悲しい結果となった訳だが
この話は旧校舎から一旦全ての学用具を運び出す時に起きた不思議な現象だ。
その頃僕は図書委員と言う無難な委員を任されていたために
図書館の本の移動という極めて面倒で体力の要る仕事を任された。
実際本の数は物凄く、数日で分けて運ばなければ済まないほどだった。
616: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 00:15:13 ID:crqTqEJ20
白黒写真 2/5
本棚から本を抜き、分類別にダンボールに収納し、
それをプレハブ倉庫まで運ぶ。そんな作業を何十回繰り返す。
そうして全ての本が運び出された後、広々とした図書館には
空になった本棚以外何も無くなっていた。
最後の作業と言う事で僕らは本棚を持ち上げ、横にしてから解体を始めた。
本棚も校舎の改築に合わせて新調されると言う事だった。
年季の入った本棚の後には年を物語るほどの多くの埃と色々な本が隠されていた。
主には古い怪しげな本や、今まで紛失したと思われる本が沢山見つかった。
にわかに盛り上がる面々。
そんな中に一枚の写真が混じっている事に僕等は気づいた。
617: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 00:17:14 ID:crqTqEJ20
白黒写真 3/5
手にとって皆で見るとそれはセピア色で白黒の世界。
木造の校舎の前に六人の学生が肩を並べて写っていた。
僕らはこれは何年も前の先輩の写真じゃないか、
この木造校舎が出来て間もない頃撮られたものじゃないかと言った。
なぜなら校舎の裏にはまだ木々が沢山存在していて、
校舎自体も今より傷が少ない気がしたからだ。
それで少しの間、皆で写真を見つめていたら妙な事に気づいた。
なんだか焦げ臭いのだ。別に何かを燃やしている訳でもないし、
誰かがタバコを吸っていたわけでもない。皆気づいていた。
写真から焦げくさい臭いがしている。
618: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 00:20:18 ID:crqTqEJ20
白黒写真 4/5
髪や肌が焼けた臭い。そして写真を覗くと中の六人は輪郭が無くなっていた。いや、
顔や手が真っ黒に変わっていたんだ。
それを見たとき、僕は体中が熱くなった気がした。
そのまま僕等はぼおっと写真を見つめていた。
どれだけの時間が過ぎたか解らないけれど、
やがて図書館に先生が顔を見せる。
そして僕等をみて悲鳴を上げて走り去った。
それで我にかえった僕等が見ていたのは床に着いた写真型の焦げ付きだった。
619: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 00:22:23 ID:crqTqEJ20
白黒写真 5/5
僕等が見た写真は結局何だったのか解らない。
後程先生に聞いてみた所によると僕等の顔が無いように見えたと言っていた。
その日、家に帰ると僕は高熱で寝込んだ。
二三日高熱が続き、学校へ出席した時、
僕以外の図書委員も皆高熱で休んでいたらしい事がわかった。
思い返してみると、その時僕等の人数は確か六人だった。
それが関係しているのかも良く解らない。
今では木造の校舎も取り壊され、跡形もなくなってしまった。
641: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 03:25:03 ID:crqTqEJ20
【甘い香り】
これは僕がサークルで知り合った仲間が体験した話だ。
彼女の事は仮にMとしておいてもらいたい。
彼女の故郷はひなびた町で何処の田舎にも有る花の無い
死にかけた町並みと言う表現が似合うような場所だといっていた。
そんな町での生活を嫌がった彼は、こうしてそこを離れ、
生活をしているわけだが今まで生きてきて一度だけ幽霊を見たという。
その時の話だ。
Mの町には沢山の小さな鉄工所のような会社が存在していた。
数あるそんな会社の中である日、その中の一つが倒産に追い込まれた。
原因は膨れ上がった借金が遂に払いきれず、志半ばの倒産と言われていた。
642: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 03:26:41 ID:crqTqEJ20
甘い香り 2/5
その会社の工場とは主に溶接を行うような所で
作業自体が熱い温度を伴う為になるべく
風通しの良い設計で作られていたそうだ。
そんな工場で倒産間もないある日、社長が首を吊った。
社長は一人身である上、ずっと一人暮らし。
親族とも縁遠かったとか。それと、
季節が丁度寒くなりだした頃だったのが災いしてか、
発見が遅れてしまっていた。
発見したのは社長の身をあんじた親族ではなく、
臭いに気づいた町の住民だった。
発見されたときはもう無残な姿で体中が獣に食い散らかされていたそうだ。
工場は町の外れにある上に裏口は開いたままだった。
狭い町で噂が広がるのは早い。
Mもそんな話を近所のおばさんから聞かされた。
それから幾日か過ぎた頃。
643: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 03:28:17 ID:crqTqEJ20
甘い香り 3/5
町で何故か多くの犬の屍骸を見るようになったのだそうだ。
それらは別に車に轢かれたわけでもなく、
餓死のようにやせ細って死んでいるわけでもなく、本当に原因が解らなかった。だだ、皆犬の目は赤く染まっていた。
それが収まらない頃、Mは自宅の犬を連れて少し遠出の散歩に出かけた。
その際に問題の工場の前を通った。
すると何故かMの鼻を甘い香りがくすぐった。
そうしてMが匂いのする方を見るとやはり、工場の方角からしたそうだ。
暗くなった工場の窓の奥に紐にぶら下がったなにかがゆらりと揺れた気がした。
怖くなったMは犬を見ると異常な怖がり方で後ずさりしている。
お前も怖いの?そう思ったMは逃げるようにして家へと帰った。
644: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 03:30:07 ID:crqTqEJ20
甘い香り 4/5
その日の夜、深夜に何故か目を覚ましたMは鼻をくすぐる甘い匂いに気がついた。
昼間嗅いだあの匂いだ。
そう思ったMはベッドの横にある窓を見上げてしまった。
カーテンは何故か開いていた。
外にある庭の柿の木に男がぶら下がっていた。
異常に伸びた首と禿頭の壮年の男。
瞳のあるはずの場所は黒く陥没し、口や鼻からなにやら液体が流れ出ていた。
意識が飛び、気づいたら朝だった。
庭に出ると家の犬が犬小屋の奥で死んでいた。犬の目は赤く染まっていた。
Mはその家族同然の犬が自分の責任で死んでしまった気がして目を泣き腫らした。
そうしてふと、ああ、あの社長。犬を恨んでるんだ。
Mはそう思ったといっていた。
646: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 03:31:36 ID:crqTqEJ20
甘い香り 5/5
後から知ったのだが知人に腐りかけの肉は甘い匂いがするのだと聞いたそうだ。
その後は庭の柿の木に男がぶら下がる事も
Mが犬を飼おうとすることも無かった。
それから二月ほど経ってMは故郷の地から出た。
今でもそれが続いているのかは知らない。
Mは二度と工場の前は通らなかった。
実家にもここ二~三年帰っていない。
それから幽霊の類は見ていないらしい。
682: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 15:04:58 ID:kGYawC5F0
【テトラポットの上】
ありがちな怪談話なんだけど、父の友人の話してくれた経験が
洒落にならない怖さだった
その父の友人(仮にAさん)は、夜釣りが好きで、といっても素人なんで
某海岸線の道路脇の、テトラポットが並べてある場所がお決まりの
釣り場所があって、そこは内海になるので、テトラポットの上に立っていても、
大波は来ないし、すぐ横の道路には電灯が点いていて足元も明るい
人家も近くにあって、そこそこ安心感もある・・というような、素人太公望の
Aさんにはうってつけの場所だったそうだ。
その場所でAさんがいつもの様に釣りをしていて、夜中の11時を過ぎた頃
ふっと後ろの電灯に陰がさしたので、釣竿を持ちながら後ろを振り返ると
お婆さんが道路を歩いているところだった。(電灯の前を通ったので陰ができた)
「何でこんな時間にお婆さんが?」と不思議に思ったけど、そのまま
通り過ぎたので、すぐに忘れて釣りに没頭していると、直ぐ後ろに人の気配がして
思わず振り返るとそのお婆さんが真後ろに立っていた!
「幽霊?!」って一瞬ギョっとしたものの、間近で見ても生きている人間としか
見えなかったし、お婆さんも「釣れますかいの?」なんて呑気に聞いてくるので
安心して「いや~なかなかですわww」みたいな受け答えをしてから
「ほな、お気をつけて」と、そのお婆さんが道路に戻っていったのを確認してから
また釣りを始めた。
683: 682 2006/11/28(火) 15:05:51 ID:kGYawC5F0
続き
すると暫らくして、今度はすぐ斜め前方のテトラポットの上に、そのお婆さんが
立っているのを目撃して「そんなところにいたら、危ないですよ」と言いかけて
ふと自分が立っているこの場所まですら、男でしかも滑り止めのついたゴム長を
履いて苦労して来たのに、そのお婆さんはスラックスとツッカケみたいな軽装で
どうやってあそこまで簡単に行けたんだ?と疑問がわいたし、そのお婆さんを
斜め後ろからじっくり見ると、薄明かりの中でも何となく不自然な陰影があるのに
気がついたそうだ。
後頭部のラインが変というか、ごっそり削げ落ちていて、凹んでいるように
見えるので確かめようと目を凝らしていると、そのお婆さんがふと振り向いて
A,さんの方を見たので、顔が潰れていて目も鼻も口も無くなっているのがはっきり
見えて、もうAさんは悲鳴を上げて釣り道具も何もかも放り出して、這うように
こけたり転んだりしながら道路に出て、近くに止めてあった自分の車に飛び
乗って家まで帰ってきたけど、手足が傷だらけで震えが止まらなかったとか。
それからは怖くて夜釣りを止めた・・と言っていたが、このAさん普段は嘘
どころか冗談もあんまり言わない人だったので、多分実話だと思うけど
一旦、安心させておいてフェイントで脅かす幽霊って嫌だ・・・・_| ̄|○
701: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 20:38:37 ID:jZuHddgNO
【河原で拾った石】
私の体験談です
田舎の大学に進学し、初めての一人暮らしや
山や川、海にテンションは上がりっぱなしでした。
新しい生活にもなれ、友達もできてきた夏、川原でバーベキューをすることになりました。
男女いりまじり、いい雰囲気で酒も進み、気付けばあたりは暗くなっていました。
私はふと一人で散歩がしたくなりうろうろと川岸まで歩いていきました。
みんなからだいぶ離れ、川を見つめているとすぐ近くから人の気配がしました。
こんなところに誰もいないはずなのに。
そう思いながらもみんなのところに戻ろうと振り替えると
足元の石が光っているのが見えました。
704: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 20:48:50 ID:jZuHddgNO
続き
月に反射しているのか表面が細かくキラキラとひかり、とてもきれいでした。
あんまりきれいだったので、ひろいあげて月に照らしたりしながら歩きました。
みんなが私に気付くど「それなにぃ~?」と怪訝な顔。
とっさに取られたら嫌だと思い、「持って帰るんだよ!」といってポケットにしまい、その日はそれからしばらくして解散になりました。
家に帰ると、石を窓辺に起き、きらきらしてるのを眺めながら寝ました。
しばらくして私には彼女ができ、彼女が食事の用意や掃除、洗濯までしてくれて、
もしかしたら、あの石のおかげか?と、思うほど幸せな日がつづきました。
しばらくして、ピンポンダッシュ(チャイムおして逃げるやつ)が頻繁におこるようになり、
そのうちドアをどんどんとたたかれるようになりました
706: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 20:57:44 ID:jZuHddgNO
続き2
彼女と恐いね、等と話し、鍵を増やすことにしました。
鍵を増やそうとドアに近づいたときです
どんどんどん!
と、いつものようにドアをたたかれました。
「なんだよ!だれだよ!」
今日は声をかけてみました。
「○○!」
それは友達の声でした。
え?
と思ってドアをあけると、友達が「おまえ何してんだよ!?」と、
どうやら二週間ほど学校にいっておらず、心配して時々見にきていた、と。
振り替えると私の部屋は荒れ果て、食事も何を食べていたかわからない。
彼女も、いなかったらしい。友達を家にあげたとき、耳元で「もう少しだったのに」と…
708: 本当にあった怖い名無し 2006/11/28(火) 21:09:49 ID:jZuHddgNO
後日談
眺めて楽しんでた石は何かの卵がびっしりとついた気持ちの悪いものでした。
彼女は…今でも好きな気持ちは残っているのに、どこで出会ったか、
名前も顔もおもいだせません。
それから一週間入院し、点滴と食事療法で体は元気になった。ただ入院するとき、胃洗浄をしたんですが、
口からあの石についてるのと同じぷつぷつがたくさんでてきました
797: 本当にあった怖い名無し 2006/11/29(水) 12:34:20 ID:Ng/YrEMN0
【一番手前の個室】
高校生の時、俺は腸が弱かった。ゆえに、学校に行く時は少し早く出て、
途中の汚い公衆便所で用を足す事が多かった。
その公衆便所は駅を降りて、通学路からは少し外れた、
森(と呼べるのか分からないが)の中にある。
そして、必ず一番手前のドアが閉まっていた。
無論その中にはいつも、ちゃんとした「人間」がいるのは知っていた。
くしゃみや咳、新聞を広げる音などがしていたからだ。
しかし、それを気にしている暇もなく、学校に遅れないように、
大量の○ンコをすることで精一杯だった。
いつも同じ場所で、俺が行った時にいつも用を足している人間がいる事を、
まだその時は不自然には思わなかった。
ま、そういう奴もいるだろう、と思っていた。
俺が朝、家を出て、電車の中で腹が痛くなり、
その公衆便所で用を足し、学校へ行く。
そんなサイクルも一年以上続いた高校二年のある日、
やはり俺は朝、腹が痛くなり、例の便所へ駆け込んだ。
そしていつものように閉まっている手前の個室を通り過ぎ、
用を足し終わった。その時、その個室から声がした。
798: 本当にあった怖い名無し 2006/11/29(水) 12:36:17 ID:Ng/YrEMN0
「いいですね・・・いつもお腹の調子良さそうで」
学生、とは言えないが、若そうな声。
一年以上俺と同じタイミングで用を足していた、そいつの声を初めて聞いた。
だが「いつも」とはどういう事か?
とりあえず、「え、あ、まあ・・・」とぐらいしか返事を返せなかった。
そして次に奴が言った、不気味な言葉。
「私なんかね、もうね、ずっとお腹の調子悪いんですよ。ほんとに。
出てないんですよ、ずっと。私ねこの場所から全然出てないんですよ。
ほんとに。お腹の調子、悪いからね、出れないんですよ。」
手を洗いたかったが、これ以上ない寒気に負け、学校で洗うと決め、
早足でその場を出た。心臓がバクバクと鳴っていた。
後ろを振り向く事は絶対に出来なかった。
「いつも」という言葉。個室から出ていないのに、
なぜ俺が「いつも」用を足している事を知っているのか。
そして、「この場所からずっと出ていない」という言葉。
一年以上、奴はずっとあの場所に居たのか・・・?
考えれば考えるほど、訳が分からなくなった。
その日からはいくら腹が痛くても我慢して学校まで耐えるか、
遅刻覚悟で家で用を足して行くかにした。
奴が人間だったのか、分からないが、
これほどに不気味なことは無かった。
801: 本当にあった怖い名無し 2006/11/29(水) 16:04:46 ID:EouuFCAzO
>>798
普通に怖かった
802: 本当にあった怖い名無し 2006/11/29(水) 16:28:40 ID:94GCbznsO
>>798
マジバナデスカ?
809: 本当にあった怖い名無し 2006/11/29(水) 18:59:13 ID:Ng/YrEMN0
>>802
実話です。