12: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 21:14:15 ID:05o6RZT20
ところがある日、奇妙な光景に出くわした。
白いワンピースを着た少女が、夜の橋の歩道を疾走していたのである。
(ユーレイ!?・・・でも、脚あるし・・・)
俺が訝しげに遠くから眺めていると、少女が走り終わった先に数人の人影
が見えた。四角い機材を担いだ者、槍のような棒をかざした者、照明を
持った者・・・
(あぁ!!映画か何かの撮影か!)
学生らしき団体の、映画製作現場だった。
しかし、そいつらの行動が眉唾モノであった。
「あれ、ジャマだよね!」
「でも触ったらヤバいって!」
「いーからwポイしちゃお♪」
そんな旨のことを話てたと思う。メンバーの一人が橋の中間点に歩み寄り、
何かを拾い上げたかと思うと、河へと投げ捨てた。
(オイオイ、あの場所って!)
辺りが妙な静寂に包まれる・・・
18: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 23:58:23 ID:05o6RZT20
>>12続き
年上のグループに文句つける勇気もなかった俺は、彼らが立ち去った後、
橋の中間点に行ってみた。
―案の定、昨日まであった花が無い、花瓶ごと・・・。
(何てことしやがったんだ奴等は・・・!)
色々な意味で、愕然とした。
翌日、俺は日頃からのショバ代的な意味合いも含めて、
捨てられた花の代わりに適当な野花でも置いてやろうと考え、橋へ向かった。
「何じゃこりゃっ!!?」
橋に到着した瞬間、思わず声に出した。
紫の夕暮れ色に染まった橋の歩道、いつも花が添えられている場所、
その場所に大量の花束が添えられていた。イヤ、山盛りに積み上げられていたといった方が正しい表現であろう。大型ゴミ袋2杯分くらいの量だった。
おまけにどの花束も茶色くカラッカラに枯れ果てていたが、
それを束ねている真っ白な包み紙がやけに真新しく、不気味に俺の目に映った。明らかにドライフラワーなどという爽やかな類のモノではない・・・
(昨夜花が捨てられ、憤怒した遺族の異常行為であろうか?)
何にしろ恐ろしくなった俺は、集めてきた野花だけはさっとその場に置き、
そそくさとその場を離れた。
しばらく歩き、遠目に橋を振り返る。
―その時、異様なモノが目につく。
(・・・人の・・・手?)
109: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 12:20:55 ID:x8Q31fVt0
>>18続き
橋の欄干の隙間から、橋の歩道に向かって、何か白っぽい棒状のモノが
伸びている。
もしあれが人の腕だとしたら、橋の外側にぶら下がって掴まり、
歩道に向かって手を伸ばし這い上がろうとしている状態である。
自殺未遂の人?・・・イヤ、アレは人じゃない・・・!直感であった。
そう思って身構えつつ、目を凝らした次の瞬間・・・
「うぬぅ・・・おぉ~ん・・・」
気だるそうな女の声が響き、水にまみれて海草のようになった長髪が、
べったん!!
と音を立て、欄干の隙間から歩道にはみ出てきた。
(頭も・・・上がってきている・・・顔が・・・見える!!)
目を逸らそうとした矢先の、一瞬だった。
今度は長髪に覆われた青白い人間の頭部のようなモノがにゅっと
はみ出てきて、俺の置いた野花を手に掴んでがつがつと口に含み、
ずりゅり!!
―手・髪・頭ごと、橋の裏側へ引き摺られるように一気に引っ込んでいった。
欄干の隙間は、どうやっても人間の頭部が抜けられない幅である。
その隙間を、青白い頭部が変形しながらすり抜けていた・・・
次の瞬間、俺は校内最速記録を確実に更新する勢いで、
自宅まで突っ走った!(ヤベー、マジ脚力鍛えといて正解だったわ~!!)
134: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 23:15:29 ID:OM50W+Dl0
>>109続き
翌朝、母親から「あの橋にはもう行くな」と言われた。
母ちゃん霊感持ちか?と意外に思いつつ、理由を訊くと・・・
「あの橋の近所の○○さんがね、昨夜橋の上で何かが燃えてるのを
見たんだって。放火魔みたいなアタマのおかしい人の仕業かもしれないから、
もう一人で行くのやめなさい。」
(その燃えていた「何か」って・・・)
俺は昨日見かけた枯れた花束のことを母親に話した。
(流石にバケモンのことは言わないでおいた・・・)
「じゃあその花束が燃えてた・・・?でもそれだとハナシがおかしく
なるんだよね・・・」
母親が付近住民のハナシを整理した限りでは、炎は昨夜数時間にわたって
橋の上で燃え続けているのが目撃されていたそうだ。
―枯れた花がそんなに長時間燃え続けるものだろうか?
疑問に思った俺は、その日の学校帰りに、もう一度橋まで行ってみる
ことにした。
流石に一人では恐くて無理だ。部活仲間を一人巻き添えにして、
通学用の自転車を二人乗りして現場へ向かった。
141: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 23:56:56 ID:rPGMrqb00
橋に到着。時間帯は前日来た時とほぼ同じで、辺りは薄暗い・・・
「おっ、おい!あんまそれ以上進むな!」
運転する友人に呼びかけ、橋の中間点から20メートル程離れた所で、
自転車を止めさせる。いきなり接近するのは危険だ。
「ハイハイ、言われなくたって、俺こんな自殺スポット来たくねぇよ・・・」
元来ビビリ屋の友人である。
「わるいねw でさ、あそこの辺で何かが燃えてたんだと思う。何か見える?」
ポイントを指差す俺。薄暗い闇に目を凝らす友人と俺。
いつの間にか風が吹き始めた。
「あの中間点?・・・モロ何か落ちてんじゃん!うわっ、キモッ!何あの白いの!?」
雑誌くらいの大きさの、白い紙だろうか、橋の歩道に沿って何枚も並べて
置かれているようだ・・・
不思議である。風に吹かれてはためいているのに、その場にとどまって
飛ばされない紙の列。思わず歩み寄っていく俺と友人。
(・・・真っ白な・・・紙・・・?)
昨日見た、花束の包み紙の残骸のようにも見える。
152: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 00:33:30 ID:HMM22o2a0
紙から数メートルも位置まで近寄ると、紙が飛ばされすにいる理由がわかった。
―紙が釘で打ち付けてあった。歩道の地面に。
地味に異様な光景・・・俺と友人、愕然。
「・・・この紙、何か描いてね?」
友人が言う。確かに、紙がはためく度に、地面に伏せてある面に、
何かが描いてあるのが見える。
―ここまで来たら・・・
俺は思い切ってその紙を釘から剥がし取り、めくって裏を見た。
真っ赤な手形がそこにあった。
真っ白な紙の中心部に、赤ん坊程の小さな手形が、紅い色で
べったりと映えており、手形の中心部には、釘が突き刺さっていた穴がある。
「・・・何これ?」
友人も既に他の何枚かの紙を、釘から外して眺めていた。
「こっちも手形、あと足形・・・と変な絵だよ。」
同じく小さな真っ赤な手形、そして足形と・・・鳥だろうか?
紅色の単純な線で構成された、古代壁画チックな絵であった。
その鳥の目の部分に、釘穴の跡・・・
「あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」
足元の欄干で、女の頭部が絶叫していた。
欄干の隙間に、異様に細長く変形した青白い女の頭部が挟まって、
大口開けて絶叫していた。濡れた長髪に覆われ、口以外は見えない。
歯が異様に白かった。胴体が欄干の外側に、だらりとぶら下がっている。
「ぅおあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!???」
俺達も絶叫。女の頭部は俺と友人の間に出現したため、俺と友人は
それぞれ正反対の方向に全速力で逃げた。自転車放置で。橋の端まで。
166: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:07:33 ID:HMM22o2a0
何者かが追ってくる気配は無い。叫び声もしない。
立ち止まって友人に携帯を掛ける。
「逃げた!?お前無事逃げられた?」
息を荒げながら友人が応える。
『平気だけどさ!な、なによアレ!?どうしよ!俺どうしよ!??』
友人は現場に自転車を放置してきてしまったこと、自宅が逃げた方向とは
反対なので、また橋を渡らねば帰れない事実にテンパりまくっていた。
携帯の時計は8時を回っている。橋の向こうは暗くて見えず、
友人の様子も分からない。更にこんな時に限って、車が一台もやって来ない・・・
「わかった、じゃ助け呼ぼう!お前の自転車壊れたとでも嘘ついて、
親でも友人でも呼び出して車持ってきてもらうんだ!俺もやってみるから!」
いやだ!こっち迎えにきてくれ!と喚く友人をなだめ、携帯を一度切り、
母親にダイヤルした。
―ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・
繋がらない・・・てか呼び出し音さえ鳴らないということは・・・
画面を確認。「圏外」の表示。
はぁ!?
(じゃあ何でさっき俺は友人と・・・)
167: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:08:08 ID:HMM22o2a0
・・・ピリリリリリリ!!ピリリリリリリ!!
今度は友人からちゃっかり着信である。何だこの未体験ゾーンは!?
「もしもし!?」
『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』
絶叫。友人の声ではない。受話器から耳を離す。それでも続く女の絶叫。
常人の肺活量では続かない長さである。友人が無事では無いことを悟る。
「くっそ!」
今すぐ友人のもとへ行かねば、取り返しのつかないことになる!
もう遅いかも知れないが・・・
『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』
―プツリ・・・
絶叫が響き続ける携帯を切り。俺は橋の反対側、友人のもとへ走った。
欄干の傍は通りたくないので、歩道ではなく車道のど真ん中を疾走する。
数少ない街頭の間と間にある、その深い闇に何かが潜んでいそうで、
走りながら恐怖で気が狂いそうだった。
172: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:26:37 ID:HMM22o2a0
そして、橋の中間点に差し掛かった時、正面の暗闇から黒い影が
すごい勢いで接近してきた。
―!!!
友人を助けることなど一瞬で忘れ、来た道をダッシュで引き返す俺。
あの影ナニ!?どんだけ奇襲かけてくんだよ!!
(うおおおおおおおおおおおお・・・!!)
走りながら涙と鼻水と小便を垂れ流すような経験は、
後にも先にもこれが最後であってほしい・・・
影はまだついてきており、足音が聴こえる!が・・・
「お~い!何で逃げんだよw」
背後から友人の声である。影の正体は友人であった。
門限をとっくに過ぎていたため、怖いながらも意を決して、
こちら側に走ってきたそうである。
「イヤお前・・・さっきの電話で来てくれ来てくれ言ってたくせに・・・
しかも圏外で・・・出たら絶叫って・・・」
今度は俺が激しくテンパる番であった。
「電話って・・・自転車のカゴの、バッグの中だけど?」
コイツこんな状況で脅す気か?とでも思ってのか、不審そうな表情で
答える友人・・・
(・・・え?・・・だとすると・・・俺が友人だと思って通話してたのは・・・)
198: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 15:24:48 ID:HMM22o2a0
>>172続きね。
それから俺達はとぼとぼと二人で歩いて帰宅した。自転車を失い、小便臭い俺と肩を並べて歩く友人が不憫でならなかった・・・
疲れきったお互いに会話は無い。
―夜道を歩きながら考える。
(もし・・・橋を渡りきっていたら一体何が待っていて、俺はどうなっていたのか?)
また小便を漏らしそうになった。が、漏らす小便も既に尽きていた・・・
「ねぇ、あの橋ってさ、昔から良くない噂とか歴史とかあった?」
後日、俺は地元の地理と歴史に詳しい爺ちゃんに訊ねてみた。
「あぁ、あの周辺は、コレなんだよ・・・」
爺ちゃんはそう言って、親指を曲げて四本指を差し出した。
―四ツ、四ツ脚・・・
199: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 15:29:56 ID:HMM22o2a0
かつてそう呼ばれた身分の人々がいたのを、皆さんはご存知だろうか?
今もいるけどね・・・
まともな職に就けないそういった人々が、当時どんな仕事をしていたか?
「四ツ脚」つまり食用の家畜を扱う仕事の他に、俺の地方では河原の
「砂利拾い」が主だったようである。
良質の河砂利は、建設業者に高値で買取られる。
当然、骨身を削って「砂利拾い」をする輩が現れる。
だが、当時のそこはダムさえ無かった流れの荒い河原で、年間を通して
水死者が多発したそうである。
その後、ダムが建設され水量が安定したのを機に、一つの橋が架けられた・・・
以上が爺ちゃんから聞いたハナシ。
更に不気味だったことが一つ・・・
あの日橋の上で拾った謎の紙。それを俺も友人も、知らず知らずのうちに、
ポケットに詰めて持って帰ってきていたのである。
紙は二人で燃やして、自宅の玄関と部屋に軽く塩を撒いておいた。
現在、特に変わったことは何も無いし、爺ちゃんの話してたことが、
橋の怪奇現象と関係しているのかも分からず仕舞いだが、
とにかく俺も友人も、二度と車以外であの橋に行くことはなくなった。
124: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 19:23:01 ID:NJPKSAcc0
【電車が走っていた場所】
両親の身に起こった実話、20年程前両親は結婚し岩手に住んでました。
その日は12月31日、父の妹(俺のおばさんね)が実家で正月を迎えるために、帰ってくるという・・・
祖父、祖母共に忙しかったので俺の両親が花○まで迎えにいった。
おばを駅で拾って実家に帰る時時間はもう11時頃、それから暫く車を走らせる
同じ方向に電車が並走していて父は叔母に「なんだよ電車があるじゃねーかこれにのってかえってくれば
よかたじゃねーか」などと言い皆で笑っている、山などがあると迂回をするがその電車は常に車の隣にいた・・・
125: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 19:36:29 ID:NJPKSAcc0
>>124の続き
多○ダムに差し掛かる、そこは薄っぺらなガードレールの向こうにはダムに通じる断崖絶壁、
毎年多くの事故死者が出ている場所。
そしてふと、父が気が着いた「オイ!!この電車が走ってるのダムの上だぞ!!」
その時、車がスリップし始める、そして車は舵を失い一直線にガードレールの切れ目に向かう。
もう車が落ちかかり、フロントガラスからは湖面見える、誰もが絶望した時
「ちきしょーッッッ!!」みたいな言葉を叫びつつ父がハンドルをひたすら右へ切る
すんでの所で転落を回避、その時列車は眩い光を車窓から放ち空に向かって上昇していった・・・
188: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 13:14:23 ID:YLwKvBKzO
【左肩の火傷の跡】
俺は名古屋から横浜の実家に帰るために名古屋から東京まで続くある高速道路を走っていた。
転勤してから結婚して子供2人にも恵まれ、仕事も順調。幸せの絶頂と言ってもよい。
この土日は結婚式以来、久々の里帰りだった。
金曜の夜10時ごろに名古屋の自宅を出発。
嫁が助手席、子供達(上男の子5歳下女の子2歳)は後ろのチャイルドシートに並んで座らせた。
久々の長距離ドライブのせいか、最初のうちは嫁も子供達も歌を歌ったったり、しりとりをしたりとはしゃいでいたが、夜遅くに出発という事もあり、浜松を越える頃には寝息をたて始めた。
(あー。静岡長いんだよなぁ・・)
などと疲れた目を擦りながら俺は運転に集中し始めた。
その高速道路には途中、手前に緊急用信号のある長いトンネルがある。
そのトンネルに入った辺りで異変に気付いた。
さっきまで聞こえていたはずの家族の寝息が聞こえない。
(・・え?)
と横を見ると嫁がいない。
慌てて後ろを見ると子供達もいない。
俺はトンネルの中にある緊急停車場所に車を止め、車を降りた。そして外から車を覗いて家族を探す・・。
ちゃんといるじゃないか・・
疲れがたまっているのか、眠いのかわからないが、おかしな事もあるもんだと苦笑しながら車に乗ろうとすると鍵がしまっている。
エンジンはかけたままなのに、インロックしてしまっている。
嫁のいたずらかと思い、笑いながら助手席の窓を叩いた。
嫁は寝たふりをしているのか起きる気配がない。
流石に冗談が過ぎると怒りながらドンドンと叩いた瞬間誰かに左肩を掴まれた。
189: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 13:16:18 ID:YLwKvBKzO
道路公団の人かと思い、振り向いたが誰もいない。
その時、誰かの声が叫んだ。
(逃げろ!逃げろ!)
その途端なぜか息苦しくてしかたなくなった。呼吸もできない程だ。
だが家族を置いて逃げるなんてできない。
車の窓をドンドン叩く。
嫁も子供も起きない。
さっきまであんなに車が通っていたのに、1台も通りすぎない。
何かにすがろうとトンネル内を見回した時、避難用通路におぞましいものを見てしまった。
進行方向からも来た方向からも、すさまじい数の人・人・人・人・・
狭い通路を我先にと他の人を押し退け、沢山の人が苦痛の顔でこちらに向かって歩いてくる。
20人?30人?いや、わからない。
車の下にマグネットで留めてあるスぺアキーがあることを思い出した俺は、慌てて運転席に戻ろうと車の前から周りこんだところで何者かによって道路側に押された。
そして俺は気を失った。
目を覚ました俺は状況が分からず周りを見回すと、トンネルの緊急避難駐車場所だった。
しかもちゃんと運転席に乗っている。
時間を見ると、夜中の2時。
隣で嫁が不思議そうに俺の顔を見て
「眠かったの?ごめんね。気がつかなくて」
と話しかけてきた。
何も知らないらしい。
一体なんだったんだろう。あの人達。
息苦しい感覚。
俺は動揺しながらも走り始めた。きっと夢だったんだと思うことにした。
実家に着いてから気付いた左肩に火傷の跡を見付けるまでは。
190: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 13:26:23 ID:h/isxNEv0
>>189
ちょ・・・このトンネル・・・俺毎日通ってるわ・・・
ここトンネル火災があったとこだよ。
Koeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
265: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 03:10:19 ID:KRMZA9rZ0
【足の影】
ちょっとした恐怖体験。
二年ほど前に、ある事情からY県の小郡という場所に一週間ほど滞在した。
松本清張が『うら寂しい』と描写したこの街は、今でも新幹線が停まる駅近辺から少しでも離れると、
明かりがなくなってしまう街だった。
ビジネスホテルに泊まっていた俺は、毎晩近くの居酒屋やコンビニで、飯を調達していた。
でも、しばらくたつと、未知の飯屋を求めて夜に街を歩き回るようになっていた。
そして、駅から歩いて15分くらいの場所を歩いていた。広い車線だが明かりが無く、
とても暗い道だった。車も通らず(昼の交通量は多い)遠巻きに、街の明かりが見える場所だった。
飯屋も無く、ホテル近辺に戻ろうと歩いていると、どうも人の気配がする。なんというか沢山いる気配。
『気のせいだろ』と自分に言い聞かせ、スタスタと歩いていたら、後ろから走ってきた一体の車が
道をライトで照らした。その時、ふと足元を見ると自分の足の影が大量に映っていた。
珍しいことではない、明かりがいくつかあると、影が沢山見える現象だ。
266: 265 2007/02/20(火) 03:11:16 ID:KRMZA9rZ0
続き
それから、何体かの車が通った後に、ふと奇妙なことに気付いた。俺が歩いてなくても影が歩いているんだ。
そこで、ハッと異常に気付いたよ。怖くて立ち止まり、次の車が来る前に、200mほど先にある、街灯に走った。
そこで見たのは、大量の足、足、足。俺の脚は動いてない、でも周囲の足の影だけが忙しく歩き周ってる。
よく見ると、モンペみたいなもっさりした足や、子供の細い足、杖が先頭を行く足、色々な足が歩いていた。
怖くなった俺は、タバコを吸いながら強がり姿勢のまま動けなくなった。確実に死人の存在を感じた。
彼らの足は俺の存在を意識していない。単純に歩いているだけに見えた。昔の活気をそのままにしているような
足の数の多さが、とても怖かった。俺はタクシーを拾って大急ぎで逃げた。
あれ以来、小郡には何度も行ったが、日が落ちてからは絶対に暗い道を徒歩で歩かないようになった。
ちなみに場所は、駅から東の山口県庁に続く、大きな道。長文ス○ンコ。
267: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 03:15:49 ID:LBzcZrZf0
>>266
あそこらへん幽霊タクシー出るらしいから気をつけてね
287: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:23:59 ID:IKjO6S9X0
【あの時手を離していたら…】
私がまだ看護短大に通ってた頃の話を投下。
初投稿で乱文のうえ、怖くないかもしれないけど勘弁して下さい。
看護学生って看護助手として夜勤のアルバイトをする場合があるのね。
私は家庭の事情から親から仕送りをしてもらえる状況ではなくて
学費は奨学金でどうにかなったものの、生活費を稼がなくちゃならなくて
夜勤のバイトの募集があった時、、真っ先に応募したんだ。
実習で行ってる病院だったこともあって、夜勤といっても実習の延長みたいな感じで
深夜勤務の看護士さんと一緒にマターリ仕事してた。
ちょうど学校の実習は外科病棟の実習をしてて
数日前に自分の受け持ちの患者さん(仮にAさん)が手術することになり
手術室の前まで送りに行った。
Aさんは70代のおばぁさんで、少し呆け気味だったのか
私を見ると○○ちゃん(孫らしい)と呼んで手を握って離してくれなかったり
身体を拭いているときに、急に頭を撫でて微笑んだりする人で
実習している身としては困ることも多々あったけど
自分も身内のような気がして何かといえば話し掛けたりしていた人だった。
長くなるかも・・・ソマソ
288: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:25:50 ID:IKjO6S9X0
Aさんは呆けていても、自分が手術をする事がわかっているのか
ストレッチャー(移動用のベッド)に乗って移動している間も
私の手を握って不安そうな眼差しをこっちに向けている。
「大丈夫だから、頑張って」
そう励ましながら手術室の前まで手を握ってあげていた。
でも手術室について、引継ぎが終わっても離してくれない。
どんなに説得しても首を横に振って手を握っている。
外科部長(執刀医)が出てきて困った顔をしてたが
「じゃあこの人にも手術立ち会ってもらうから、それならイイ?」
とAさんに聞くとニコニコ笑って手を離してくれた。
そんなことがあって急遽手術衣に着替えて支度を済ませてから
Aさんの横に立って手を握り手術を観察するハメになった。
ぶっちゃけ看護士になろうと思ったはいいけど、私は血がダメ。
4時間を予定してたはずの手術も11時間を越える大手術になってしまって
私にとっては拷問以外のなにものでもなかった。
一番苦痛だったのは、Aさんの手。
老人で全身麻酔がかかっているとは思えないくらいの力で
私の手を握っているものだから、汗ばんだ手を拭う事もできず
途中から鬱血した手が痺れてきて、拷問に更なる苦痛をプラスしてた。
289: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:27:53 ID:IKjO6S9X0
まぁ、それでもAさんの手術も無事に終わってホッとして
手も看護士さんらが3人がかりではずしてくれて自由になれたんだけど
手術が予想以上に長引いたので実習時間なんてとうの昔に終わってる。
勘弁してほしいと思ったが、そのまま夜勤のアルバイトをやることに・・・。
でも手術室の看護士さんらや、外科のドクターやらが
お菓子を持ってきてくれたり、弁当さしいれてくれたりで
なんとか夜勤をこなしてたんだ。
んで定時の見回りに行くことになって外科の病棟を見回って
最後に心配だったからもう一度Aさんの部屋に行ってみたんだ。
そしたらAさん意識戻っててさ。
少し話したいって言うから、一回ナースステーションに行って
夜勤の看護士さんに了解を得てからAさんの部屋に行ったんだ。
Aさんすごく穏やかな顔しててね、話してる内容も
いつも呆けてて半分以上わけわからんこと言ってるのに
その時ははっきりしてんのよ。
本当は孫じゃないことは薄々わかっていたんだってことと
私の名札を見て本当は○○さんっていうんだねぇとか
手術中手を握っててくれてるのわかって心強かったとかさ。
そんなような事をしゃべってた。
私が
「手術直後で身体は疲労してるだろうから、今は寝て
早く元気になって、今度は車椅子で散歩行こう」
って言ったら、本当に嬉しそうに頷いてくれた。
電気を消して病室を出る直前にAさんは
「ありがとう」
って言って笑った顔が印象的だった。
290: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:29:13 ID:IKjO6S9X0
その日何事もなく夜勤を終えて、自分のアパートの部屋に戻って
疲れからが爆睡した時に夢を見た。
その夢はAさんが病院の屋上から落ちそうになってて
私の手にぶらさがってる。最初はなんとか持ち上げられそうだって
思ったんだけど、よく見たらAさんの足にたくさんの人が群がるように
くっ付いてるのが見えた。
Aさんは「死にたくない、死にたくない」って言いながら
必死に足をバタバタさせてもがいてる。
だんだん腕にかかるAさんの重さが増してるのか、
腕がちぎれるんじゃないかって思うくらい痛むんだけど
Aさんを離したら死んでしまうって思いが強くて
なんとかAさんを引き上げることに成功した。
Aさんの足には何もついてなくて
病院の屋上から下を覗いたら真っ暗で何も見えない。
怖くなって病室に戻ろうって思ったら病院の下からものすごい突風。
耳元でたくさんの声が混じったような、ドスの聞いた声で
「余計なことするな」
って言われて目が覚めた。
じっとりと嫌な汗を全身にかいていてシャワーを浴びていたら
右手にじんわりを違和感を感じて、見てみたら手首の所に人に掴まれたような痣。
クッキリと残ってる。
Aさんが心配になって、身支度もそこそこに病院に向かって
Aさんの様子を看護士さんに聞いたら
夕べ一回危篤状態になったけど、持ち直したとの事。
291: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:30:16 ID:IKjO6S9X0
ホッとしたと同時にあの声の主のこととか思い出してガクブルしてたら
日勤終わった看護士さんが、ご飯おごってあげるからおいでって。
考えてみたら、夜勤バイトの時の差し入れ弁当から、何も食べてないことに気付いて
ついてく事にした。
その看護士さん(仮にIさんとしておく)が個室の落ち着いた雰囲気の居酒屋に
連れてってくれたんだけど、すごく神妙な顔つきというか
ベラベラしゃべるでもなく、注文してしばらくはツマミ食べながら酒飲んでてさ
こっちもヘンダナーとか思いながらも、黙々と食べてたのね。
んでお腹もいっぱいになって、フー・・・って一息ついた頃に
Iさんが話し始めたわけよ。
「もしかして、変な夢みなかった?」
かなりビビってさ、もしかしてIさんも見たことあるのかって聞いたら
Iさん顔面蒼白になりながらも頷いてる。
「あたし・・・患者さんの手離しちゃったんだ・・・」
Iさん泣きながらそう言うんだよ。その患者さんは亡くなったそうで
Iさんは毎日後悔したそうだ。
それ以来、何度も夢に患者さんが出てきて、Iさんにすがりついて
「助けて・・・助けて・・・」
って繰り返すそうだ。その患者さんの足には沢山の人の影がまとわりついていて
Iさんの患者さんを引き込もうとしているようだと。
私は身震いした。あの時Aさんの手を離していたら・・・・。
292: 本当にあった怖い名無し 2007/02/20(火) 15:32:09 ID:IKjO6S9X0
後日談。
自分は看護士になるの諦めて、短大卒業した後保健士の資格取るために
専門通ってる頃、当時同じ短大通ってた同級生がその病院に勤めて
その子から聞いた話。
Iさん自殺したそうです。
私が短大在学中にすでに精神的におかしくなったらしく
退職して、精神科に入退院を繰り返すようになってしまったみたいで
うわ言みたいに「あたしは悪くない」って繰り返してたらしい。
最後は病院からの投身自殺だったようです。
ちなみにAさんは元気で毎年年賀状がきています。
長文の上、怖くないっすね・・・orz
読んでくれてありがとうございました。
532: 本当にあった怖い名無し 2007/02/24(土) 02:58:49 ID:0Wa8fNtjO
【横に並んだ車】
大して怖くないかもしれないですが、ひとつ僕が大学生だった頃の話を
僕が大学に入って三年目の春休み、急に一人旅がしたくなったので自分の車に毛布や食料を積んで青森に向かったんです。
出発してから十数時間たち辺りは真っ暗。高速を抜けた後、山中の人気の無い道路で少し休もうと思い車を脇道の休憩所に停めました。煙草に火を付けようと思った瞬間
茂みの向こうから男性が現れました。彼は私をチラッと見た後すぐに側に停めてあった彼のものと思われる車に乗り込みました。
私はあまり気にせず自分の車に乗り、エンジンをかけ出発。山中をしばらく走った頃でしょうか、後ろから一台車が走って来ました。かなり飛ばしているようで距離はどんどん近くに
とうとう後ろから来た車が私の車の横に並んだ時、驚きました。さっきの男性がこちらを凝視したまま運転しているんです。瞬きひとつせず、ずっと私を見て運転している。
少したって彼の車が少しスピードを下げた時、確かに私は見ました。彼はこっちを見て運転しているのではなく、ちゃんと前を見て運転していました。彼は前と横、両方に顔が付いていたんです。
あまりの恐怖にアクセルを目いっぱい踏みすぐに街へ下りました。
今思えばあれは幽霊とかじゃなく奇形の方か何かだったのかな~と。でも何故私の車の横にピッタリ付けてきたのか・・・。スレ汚しすいませんでした。
536: 本当にあった怖い名無し 2007/02/24(土) 03:02:22 ID:0D6dG/ir0
>>532
そういうの怖いな。
俺も昔図書館で本棚の角曲がると乳母車の中に毛むくじゃらの顔の赤ちゃん
が居た時は気失いそうになった。
622: 本当にあった怖い名無し 2007/02/24(土) 15:28:45 ID:R3BPpDsd0
【サンマをくれた女の子】
洒落にならないくらい怖いかっていうと、たいしたことのない話だと思う。
まぁ、適当に流し読みしてください。
***
私が小学校低学年頃の話。20年ほど前かな。
夏休みが終わって間もなく、親戚の不幸で
両親の実家(漁村に近い港町)に急きょ行かなければならなくなった。
行事が落ち着き、とりあえず一段落。
学校もあるので足早に挨拶を済ませて、
祖父母の家に一泊してから帰ることになった。
港町なので、毎日のように魚介類がごはんのおかずにのぼる。
その日、
祖母がたくさんのサンマ(かなりでかかったと思う)が入った
ビニール袋を提げて帰ってきた。
祖母は魚介類に関しては
近くのスーパーなどで買うことはせず、
夕食時になるとフラッと船場に行って
顔馴染みの漁師から獲物を分けてもらうことを常としていたのだった。
母と祖母が台所に立ち
「塩焼きにしようか」「これは刺身にしょうか」
などと話す声を聞きながら、私はテレビを眺めていた。
それは突然のことだった。
「ちょっと来て!」母の声。
623: 622 2007/02/24(土) 15:29:20 ID:R3BPpDsd0
私は台所に飛んだ。
「サンマを下ろそうとしたら…」
母が言うには、サンマを下ろそうと腹に切り込みを入れたところ
内蔵がドロドロに溶け出し、
猛烈な勢いで流れ出してしまったというのだ。
確かに、母が見せてくれたサンマの腹には内臓は一切詰まっていなかった。
内蔵のあった場所だけがぽっかりと空間をつくっていた。
気味悪く思ったので、残りのサンマも下ろしてみると、
十数匹のサンマすべての内臓がドロドロに溶けていたのであった。
サンマを誰からもらったのか、と祖母に聞くと
「浜辺で、浴衣を着た小さな女の子からもらった」と言う。
だが、どこの子どもかは祖母は分からなかったそうだ。
小さな村なので村民同士顔が知れ渡っているのだが
村には当時、小さな女の子はひとりも住んでいなかった(中学生ならいたけど)。
祖母にサンマをくれた女の子は何者だったのだろう。
そして、サンマはどうして内臓がドロドロに溶けていたのだろう。
ちなみに、件のサンマは
祖母の「食べれるから食べれるから」の一言で全部カラアゲにされたが
喜んで食べたのはあのとき家にいなかった父とじいさんだけだった。
…漁村なので
海難事故が今まで一件も起きたことがないなんてのはないと思うけど。
782: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 04:56:45 ID:fGlv56l00
【背中に付いた赤い爪の跡】
高校の頃の実体験です。心霊体験は実はいっぱいしてるんですが、命の危険を感じたやつだけ投下。
長くなるかもしれません。
私の母の家系は、第一子が短命、第二子には霊的な力が多かれ少なかれ出ます。
私の母も私も第二子なので、その法則に漏れず見える人になってしまいました。
私の母は血縁者の死期が見えてしまう人で、私は多少なのですが予知夢みたいな力があります。
そんな私達は当然のように心霊体験をしてしまって、特に思春期には金縛りに悩まされました。
初めての金縛りはただただ恐ろしかったのです。
しかし、私達の血族の第二子は皆通る道であり母も経験者だったこともあって、いつしか金縛りにあっても
「あ、またか」と思う程に慣れてゆきました。
ただ母に、「絶対に金縛り中に目を開けてものを見てはならない」と言われていました。
なので、私は万一目を開けたまま金縛りにあっても恐ろしいものを極力見なくて済むように、うつ伏せで眠る
ように心掛けて、その夜もうつ伏せで眠っていました。
783: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 05:03:49 ID:fGlv56l00
すみません、下げ忘れました。そして続きです。
その夜も、いつもの様に金縛りに遭いました。
最初は「あ、またか」と思っていたのですが、その夜はどうも何かが違うような気がしました。
何故か、腰の辺りが酷くどーんと重かったのです。まるで、誰かにまたがられているみたいに。
それを意識した途端、唐突に冷や汗が出てきました。真夏だったのに、動かない体が急激に冷えてきたんです。
「これは、まずいかも」と思った途端、私の腰の上にまたがっているその何者かが、私の腰の上でドスンドスンと
腰を上げたり下げたりし始めました。子供がまるで遊んでるみたいな、そんな感じでした。
背中にも、いつの間にか誰かが爪を立てて手を乗せる感覚がありました。
何故かは分からないのですが、直感で女の人だな…と思いました。
私は心の中で「なんまんだぶ…」と念仏を唱えました。金縛りには慣れていても、金縛り中の遭遇は初めてでした。
とにかく怖くて、必死で念仏を唱えました。すると、急にピタリと、何者かの動きが止まりました。
785: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 05:12:33 ID:fGlv56l00
ホッとした瞬間、甲高い笑い声が聞こえてきました。
男なのか女なのか分からないほどキンキンした、金属的な笑い声でした。
ゾッとした瞬間、私の頭を爪の長い手がゆっくりと撫で回し始めました。
最初は凄く優しく、でも徐々に力が強まっていくんです。髪の中にまで指が入ってきて、頭皮をまさぐる
みたいにワシャワシャと、でも物凄い速さで私の頭をその手は撫で回していました。私の腰にまたがって。
かがみこんでやっているのか、首筋や頬のあたりに、髪の毛みたいな感触を感じました。
その間も、ずっと甲高い笑い声は続いています。
私はあまりの恐怖に念仏を唱えることも出来ずに、ただただ時間が過ぎてゆくのを待ちました。
時間が経てば、今まではどんなに長い金縛りも必ず解けたからです。
だから、今回もじっと恐怖に耐えていれば、いずれいずこかへ去ってゆくだろうと思いました。
実際はほんの数分だったと思うのですが、私は笑い声と手の感触に怯えながら金縛りに耐えました。
すると、突然腰の重みがなくなり、ふっと手の感触も髪の毛の感触も、笑い声さえも消えてしまいました。
その瞬間金縛りは解け、私はほっと息をついて目を開けました。
その、次の瞬間でした。
786: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 05:20:34 ID:fGlv56l00
急に、物凄い力で足を掴まれて、私の体はそのままズルズルと引っ張られました。
二段ベッドだったので、ベッドの後ろ側にも柵があるはずなのに、ありえないところまでズルズル
引っ張られていて、しかも引っ張った体を足を掴む手はブンブンと上下に振り回すんです。
そこで初めて私は目の前に、うつ伏せになっている自分の頭が見えました。
幽体離脱は初めてだったのと、明らかに足を掴んでいる何者かによってむりやり引っ張り出されて
しまったんだと思ったので、必死にシーツを掴みました(何故か掴めたのです)。
しかし、そのシーツごと引っぺがす勢いで、私の足を掴む手は私を引っ張りました。
そしてそのまま天井近くまでひっぱり上げられて、私は眼下に自分の寝てる姿が見え、「私はもしや
このまま死ぬんだろうか」と思いました。
その時、丁度またあの笑い声が響き始めました。私の体を振り回す力も一層強くなります。
私はこのままだと死んでしまうかも、と思い、心霊体験の本の話を思い出して「私は絶対に貴方とは
一緒に行かない!」と心の中で叫びました。
すると、笑い声が唸り声のようなものに変わりました。
人の声というよりは、犬の唸り声みたいな声でした。
787: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 05:27:46 ID:fGlv56l00
「見てはいけない」とは思ったのですが、私は私の足を掴んでいるのは何者なのか知りたくて、
首だけを後ろに捻って振り返りました。
すると、そこにはガリガリに痩せた女の人?がいました。
黒いボロボロの裾の長いワンピースみたいなものを着てて、肌は灰色っぽくてしわしわ、でも
目は凄く大きくて、黒い髪はもしゃもしゃにもつれたまま逆立っていました。
人間?なのかも分からない感じです。全体的に黒い糸がくちゃくちゃに絡まって塊になっている
みたいな、そんな印象の姿でした。
彼女?は唸りながら尚も私の足を引っ張っていました。
私は心の中でただただ「絶対行かない、絶対行かない」と繰り返してました。
そのうちに、いつの間にか恐怖と緊張の糸が切れてしまったのか、ふっと記憶が途切れました。
788: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 05:37:20 ID:fGlv56l00
目が醒めたときには朝でした。私は自分のベッドで普通に目が覚めました。
思わず「夢だったのかな」と思ったのですが、私の両手はしっかりとシーツを握ってました。
怖くなって母の所に行き、背中を見せたら赤い爪跡みたいな傷が十個、しっかりついていたそうです。
母に一部始終を話したら、母もその女の人?を見たことがあるそうです。
母の時は、高熱を出して寝込んでいた時の夢の中で、布団を中心にその女にひたすらグルグルとずっと
追いかけられ続ける、というものだったそうです。
必ず皆、その夢を見るそうなのですが、私のように連れて行かれそうになったのは多分血族の中では
初めてのようです。
母や母方の祖父、曽祖父にもその話をしたら、「もしかしたら次の代で何かあるかも」とのこと。
一応お払いには連れて行かれたのですが、どうなるのか分かりません。
私は今独身なのですが、もしも子供を産んだら一人目を失って、二人目も自分と同じ目に遭うかも、
もしかしたら今度こそ本当に連れて行かれるのかもと思うと凄く怖いです。
とりあえず、それ以来寝室にはお札を置いて盛り塩をして寝るようにしました。
しかし、その効果なのかあるいはあれが何かの契機なのか、それ以降金縛りには遭っていません。
これで終わりです。
799: ほん怖名無し 2007/02/26(月) 11:22:36 ID:Xq20QH9e0
>>788
私の上にいた兄は私が生まれる前に無くなってます。
母も姉を二歳で亡くしてますし、祖父も兄を病気で亡くしてます。