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    【怖い話】『「父の友人」と名乗っていた人が実は…』2020年12月度副賞作品



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    2020年12月副賞作品「「父の友人」と名乗っていた人が実は…」

    今回も怖い話投稿サイト『奇々怪々』さんに投稿された作品の中から、2020年12月度の副賞を受賞された作品をご紹介させていただきます!

    今後も引き続き人気作品は不思議.netでも掲載させていただく予定ですので、我こそはという方は是非投稿してみてはいかがでしょうか。

    不思議.netも協賛してますので、たくさんのご投稿、よろしくお願いします!
    優秀賞には賞品もご用意しています。(総額¥50,000分)
    今なら不思議.net賞もありますよ。



    「父の友人」と名乗っていた人が実は…

    私の両親は、私が小学校2年生のときに離婚しました。
    母に「お父さんとお母さんは別々に暮らすことになった」と切り出されたときのことは、今でも鮮明に覚えています。私は「いやだ、いやだ」と繰り返しながら泣きじゃくり、母も私を抱きしめながら静かに泣いていました。

    私の父は、今考えれば、ずいぶんひどい男です。仕事を辞めてチャレンジした起業に失敗。それを立て直すこともできず、離婚当時は母にだけ働かせて、自分はろくに働いていないばかりか、借金まであったそうです。
    暴言暴力こそ(少なくとも私が覚えている限りは)無かったものの、ギャンブル好きで、しかも外に女まで作っていました。離婚後、その女性を平然と私に会わせる程度には最低な父親でした。

    それでも、子供だった当時の私にとっては、ただただ大好きな父親でした。
    離婚後もしばらくは、月に1回程度父に会っていました。会う場所は、父が転がり込んだ父の彼女の家です。父にはお金も仕事もない、おまけに借金取りに追われているような体たらくだから、住み家というより「隠れ家」といっても良い家です。

    当然、当時の私はそのあたりの状況は何ひとつ飲み込めていません。父に会えるし、父と一緒に生活している女性は優しいし、と特に抵抗なく状況を受け入れていました。

    ところで、父には何人か友人がいました。両親の離婚前にも、何度か父を訪ねて我が家を訪れました。特によく覚えているのが、茶髪で眼鏡をかけた青年です。彼は物腰が柔らかく、父の友人の中でも特に頻繁に我が家を訪れていました。

    その彼が、両親の離婚後にも我が家を訪れたことがあります。
    父の友人は言いました。「ねえ、お父さんが今住んでいる場所知ってる?」
    私は「知ってる」と答えました。
    すると父の友人は嬉しそうに尋ねました。「本当?じゃあ…案内できる?」
    私はもう、父の車に乗せられて、何度もその家に行っていたので、道案内には自信がありました。私は、うん、と答えました。

    それから私は、父の友人の車の助手席に乗って、道案内をしました。父の家への道はやっぱりよく覚えていて、私たちは滞りなく父の家…とあるアパートの一部屋です…の前まで来ました。
    「どの家?」「あれ」「へえ。どの部屋?」「あそこ。右のすみっこ」
    私たちはそんなやりとりをしました。

    私はてっきり、父の友人は車を降りて、父の家へと向かうと思いました。父に会いに来たに違いないと思ったからです。
    しかし、父の友人は「分かった、ありがとう。じゃあ、帰ろうか」といって、車を再び発進させてしまいました。
    私は、あれ、父に会いに行かないんだ、と思いながらも、大人がすることですから、そんなこともあるんだなぁと思いながら大人しく助手席に揺られ、そのまま帰宅しました。

    それからしばらくして、父と連絡が取れなくなりました。何度かけても、父が電話に出なくなったのです。いいえ、電話自体繋がらなくなっていたかもしれません。その辺りの記憶はあいまいですが、父の元へとつながらない電話を何度も何度もかけながら、「約束したのに、約束したのに」と泣きじゃくったことだけは鮮烈に覚えています。
    何の約束かは覚えていません。たぶん、何日おきに電話をするというような約束をしていたのでしょう。

    結局、父とはそれっきり、二度と会えませんでした。
    成長するにつれ、離婚というのがデリケートな問題だと認識するようになった私は、家で父についての話題を出すことを避けるようになりました。父のことは母にとっては嫌な思い出でしょうから、当然、母から口にすることもありません。

    お互いに抵抗なく父のことを口にできるようになったのは、本当につい最近のことです。
    ある日、母と私で買い物がてら、父に関する思い出話をちらほらと話していたとき、ふと父の友人とのドライブを思い出して、そのことを母に話しました。

    すると母は絶句し、「お父さんの友達って、あの眼鏡かけた人?」と硬い声で尋ねてきました。
    私は「え?うん、そうそう。あの人うちによく来てたよね」というと、母は衝撃的な一言を放ったのです。

    「あの人、借金取りだよ」

    その一言に、私は飛び上がらんばかりに驚きました。
    しかし、もっと驚いていたのは母の方です。「車に乗せられたって、いつ?」「うわ~信じられない」「そんなことがあったの、知らなかった」としきりに恐々とした声をあげ、「そんな人についていっちゃだめだよ」と、もうすっかり大人になった私に言います。

    そんな人もなにも、私は本当に、あの人が父の善良な友人だと信じて疑わなかったのですから。しかし…人当たりが良いからこそ、借金取りの窓口としてあの人は最適だったのでしょう。
    父の友人とのドライブの思い出は、一気に過去の恐怖体験へと様変わりしました。本当に、何事もなく帰ってこれて良かった。

    しかし…あのあと父はどうなったのでしょう。フィクションじゃないんだから、さすがに殺されるようなことはないと思いますが…しかしそれも、今となってはどうでもいいことです。


    提供:奇々怪々-怖い話投稿
    引用元:(作者:半田鏝 / 「父の友人」と名乗っていた人が実は…





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